JP7777975B2 - ポリシロキサン系樹脂およびポリシロキサン系樹脂溶液の製造方法 - Google Patents
ポリシロキサン系樹脂およびポリシロキサン系樹脂溶液の製造方法Info
- Publication number
- JP7777975B2 JP7777975B2 JP2021206343A JP2021206343A JP7777975B2 JP 7777975 B2 JP7777975 B2 JP 7777975B2 JP 2021206343 A JP2021206343 A JP 2021206343A JP 2021206343 A JP2021206343 A JP 2021206343A JP 7777975 B2 JP7777975 B2 JP 7777975B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- meth
- polymerizable unsaturated
- polysiloxane
- oligomer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
Description
R1 n-Si-(OR2)4-n ・・・(I)
(式中、R1は、それぞれ独立して炭素数1~10のアルキル基、または非置換もしくは置換アリール基であり、R2は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1~10のアルキル基であり、nは、0~3の整数である。)で示されるシラン化合物(A)と、ラジカル重合性不飽和基および加水分解性シリル基を有するシラン化合物(B)と、の縮合物と、ラジカル重合性不飽和基を有し、かつ、加水分解性シリル基を有さない単量体(C)と、ラジカル重合性不飽和基を有し、主鎖が炭素原子を含み、かつ、Si-O-Si結合を含まず、数平均分子量が1000~100000であるオリゴマー(D)と、をラジカル重合する重合工程を含む、ポリシロキサン系樹脂の製造方法である。
ポリシロキサン樹脂を硬化してなる硬化物(硬化膜)は、シロキサン結合に由来する、その高い結合エネルギーから、高い耐久性を示す硬化物(塗膜)が得られる。一方で、ポリシロキサン樹脂を硬化してなる硬化物は可撓性が低くなる傾向があり、硬化物に割れが生じるなどの問題があった。
本発明の一実施形態に係るポリシロキサン系樹脂の製造方法(以下、「本製造方法」と称する場合がある)は、下記一般式(I):
R1 n-Si-(OR2)4-n ・・・(I)
(式中、R1は、それぞれ独立して炭素数1~10のアルキル基、または非置換もしくは置換アリール基であり、R2は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1~10のアルキル基であり、nは、0~3の整数である。)で示されるシラン化合物(A)(以下、単にシラン化合物(A)と称する場合がある)と、ラジカル重合性不飽和基および加水分解性シリル基を有するシラン化合物(B)(以下、単にシラン化合物(B)と称する場合がある)と、の縮合物(以下、単に縮合物と称する場合がある)と、ラジカル重合性不飽和基を有し、かつ、加水分解性シリル基を有さない単量体(C)(以下、単に単量体(C)と称する場合がある)と、ラジカル重合性不飽和基を有し、主鎖が炭素原子を含み、かつ、Si-O-Si結合を含まず、数平均分子量が1000~100000であるオリゴマー(D)(以下、単にオリゴマー(D)と称する場合がある)と、をラジカル重合する重合工程を含む。
本発明の一実施形態に係る縮合物(以下、本縮合物と称する場合がある)は、シラン化合物(A)と、シラン化合物(B)と、を縮合してなる縮合物である。本縮合物は、シラン化合物(A)に由来する構成単位と、シラン化合物(B)に由来する構成単位と、がSi-O-Si結合を介して重合してなる縮合物であるとも言え、シラン化合物(A)に由来する構成単位と、シラン化合物(B)に由来する構成単位とを含む縮合物であるとも言える。
本発明の一実施形態に係るシラン化合物(A)は、下記一般式(I)で示される、加水分解性シリル基を有する化合物である:
R1 n-Si-(OR2)4-n ・・・(I)
(式中、R1は、それぞれ独立して炭素数1~10の置換もしくは非置換アルキル基、または非置換もしくは置換アリール基であり、R2は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1~10のアルキル基であり、nは、0~3の整数である。)
シラン化合物(A)は、後述するシラン化合物(B)とともに、本縮合物の主鎖であるポリシロキサン鎖を構成する主要成分である。シラン化合物(A)は、前記一般式(I)で示される、加水分解性シリル基を有し、かつ、ラジカル重合性基を有さないシラン化合物であるとも言える。
本発明の一実施形態に係るシラン化合物(B)は、ラジカル重合性基および加水分解性シリル基を有するシラン化合物である。本発明の一実施形態において、シラン化合物(B)は、下記一般式(III)で示される、加水分解性シリル基を有する化合物であることが好ましい:
R3 cR4 d-Si-(OR5)4-c-d ・・・(III)
(式中、R3は重合性不飽和基を有する炭素数1~10の置換アルキル基、アルケニル基、または重合性不飽和基を有しかつ任意にそれ以外の置換基を有しても良いアリール基であり、R4はそれぞれ独立して炭素数1~10の非置換もしくは置換アルキル基、または非置換もしくは置換アリール基であり、R5はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1~10のアルキル基であり、cは1~3の整数であり、dは0~2の整数であり、c+dは1~3の整数である)。なお、上記一般式(III)において、R3およびR4は、Si(ケイ素)に直接結合する基である。
本縮合物の製造方法は特に限定されないが、例えば、シラン化合物(A)と、シラン化合物(B)と、を縮合する縮合工程により、本縮合物を提供することができる。本製造方法は、重合工程の前に、シラン化合物(A)と、シラン化合物(B)と、を縮合する縮合工程を含むことが好ましい。
縮合工程は、シラン化合物(A)と、シラン化合物(B)とを、水(純水)および脱水縮合触媒の存在下で混合し、縮合(脱水縮合)する工程である。
重合工程は、本縮合物に対して、単量体(C)と、オリゴマー(D)とをラジカル重合する工程である。重合工程は、ラジカル重合開始剤を用いて、本縮合物と、単量体(C)およびオリゴマー(D)と、をラジカル重合する工程である、とも言える。
単量体(C)は、ラジカル重合性不飽和基を有し、かつ、加水分解性シリル基を有さない単量体である。単量体(C)中のラジカル重合性不飽和基は、シラン化合物(B)に由来するラジカル重合性不飽和基との間でラジカル重合を行い、本縮合物に対して前記単量体(C)に由来するグラフト鎖を形成する。
本発明の一実施形態に係る酸と塩基からなる塩構造を有する単量体における、塩構造は、例えば、強酸と強塩基との中性塩の構造、強酸と弱塩基との中性塩の構造、弱酸と強塩基との中性塩の構造、または弱酸と弱塩基との中性塩の構造であり得る。より具体的な塩構造としては、例えば、スルホン酸ナトリウム、スルホン酸カリウム、スルホン酸カルシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム等(強酸と強塩基との中性塩の構造)、スルホン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム等(強酸と弱塩基との中性塩の構造)、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウム等(弱酸と強塩基との中性塩の構造)、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等(弱酸と弱塩基との中性塩の構造)等が挙げられる。本発明の一実施形態において、塩構造は、好ましくは、スルホン酸ナトリウムまたはスルホン酸アンモニウムである。なお、本明細書において、「酸と塩基からなる塩構造を有する単量体」は、「ラジカル重合性不飽和基を有し、加水分解性シリル基を有さず、かつ、酸と塩基からなる塩構造を有する単量体」であるとも言える。
本発明の一実施形態において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、炭素数1~18個のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、水酸基、エポキシ基等の官能基を含まない(メタ)アルキル単量体であり得る。本発明の一実施形態において、(メタ)アクリル酸アルキルエステル中のアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、また、環状であるシクロアルキル基であってもよい。その具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)メタクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の単量体としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ラジカル重合性単量体;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有ラジカル重合性単量体;2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;2-スルホエチルメタクリレートナトリウム、2-スルホエチルメタクリレートアンモニウム、ポリオキシアルキレン鎖を有するラジカル重合性単量体等の親水性を有するラジカル重合性単量体;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の重合性の不飽和結合を2つ以上有する単量体;トリフルオロ(メタ)アクリレート、ペンタフルオロ(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルメタクリレート、β-(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート等のふっ素含有ラジカル重合性単量体;等が挙げられる。
オリゴマー(D)は、ラジカル重合性不飽和基を有し、主鎖が炭素原子を含み、かつ、Si-O-Si結合を含まず、数平均分子量が1000~100000である。オリゴマー(D)中のラジカル重合性不飽和基は、シラン化合物(B)に由来するラジカル重合性不飽和基および/または単量体(C)に由来するラジカル重合性不飽和基との間でラジカル重合を行い、本縮合物に対してグラフト鎖を形成する。また、オリゴマー(D)の構造は、直鎖状であってもよく、分枝状であってもよい。
本発明の一実施形態において、オリゴマー(D)の主鎖は、ポリアルキレンオキサイド系重合体であってもよい。ポリアルキレンオキサイド系重合体の主要な構成単位(アルキレンオキサイド系モノマー単位)としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。主鎖がポリアルキレンオキサイド系重合体であるオリゴマー(D)は、例えば、アルキレンオキサイド系モノマーを公知の方法で重合することにより得ることができる。
本発明の一実施形態において、オリゴマー(D)の主鎖は、ポリ(メタ)アクリル系重合体であることが好ましい。ポリ(メタ)アクリル系重合体の主要な構成単位((メタ)アクリル系モノマー単位)としては、各種のものを用いることができる。例示するならば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸-n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸-tert-ブチル、(メタ)アクリル酸-n-ペンチル、(メタ)アクリル酸-n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸-n-ヘプチル、(メタ)アクリル酸-n-オクチル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸-2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸-3-メトキシブチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2-アミノエチル、γ-(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物等の(メタ)アクリル酸系モノマーである。主鎖がポリ(メタ)アクリル系重合体であるオリゴマー(D)は、例えば、これらの(メタ)アクリル系モノマーを公知の方法で重合することにより得ることができる。
本発明の一実施形態において、オリゴマー(D)の主鎖は、ポリイソブチレン系重合体であってもよい。ポリイソブチレン系重合体は、イソブチレン単位を主要な構成単位とする重合体である。主鎖がポリイソブチレン系重合体であるオリゴマー(D)は、例えば、イソブチレン系モノマーを公知の方法で重合することにより得ることができる。
ラジカル重合開始剤は、本縮合物中の、シラン化合物(B)に由来するラジカル重合性基と、単量体(C)およびオリゴマー(D)に由来するラジカル重合性基との間でラジカル重合反応を開始させることが可能な物質であれば、特に限定されない。
本製造方法により得られたポリシロキサン系樹脂を、水に分散、乳化、または溶解することにより、ポリシロキサン系樹脂溶液を提供することができる。すなわち、本発明の一実施形態に係るポリシロキサン系樹脂溶液の製造方法(以下、本樹脂溶液の製造方法と称する場合がある)は、本製造方法により得られたポリシロキサン系樹脂を、水に分散、乳化、または溶解する工程を含む。ポリシロキサン系樹脂を、水に分散、乳化、または溶解する工程は、ポリシロキサン系樹脂と、水と、を混合する工程であるとも言える。
<1>下記一般式(I):R1 n-Si-(OR2)4-n ・・・(I)
(式中、R1は、それぞれ独立して炭素数1~10のアルキル基、または非置換もしくは置換アリール基であり、R2は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1~10のアルキル基であり、nは、0~3の整数である。)で示されるシラン化合物(A)と、ラジカル重合性不飽和基および加水分解性シリル基を有するシラン化合物(B)と、
の縮合物と、ラジカル重合性不飽和基を有し、かつ、加水分解性シリル基を有さない単量体(C)と、ラジカル重合性不飽和基を有し、主鎖が炭素原子を含み、かつ、Si-O-Si結合を含まず、数平均分子量が1000~100000であるオリゴマー(D)と、をラジカル重合する重合工程を含む、ポリシロキサン系樹脂の製造方法。
<2>前記オリゴマー(D)の主鎖が、ポリアルキレンオキサイド重合体、ポリ(メタ)アクリル重合体、およびポリイソブチレン重合体からなる群より選択される少なくとも1種である、<1>に記載のポリシロキサン系樹脂の製造方法。
<3>前記オリゴマー(D)が有するラジカル重合性不飽和基の数が1個または2個である、<1>または<2>に記載のポリシロキサン系樹脂の製造方法。
<4>前記オリゴマー(D)が、末端にラジカル重合性不飽和基を有するものである、<1>~<3>のいずれかに記載のポリシロキサン系樹脂の製造方法。
<5>前記縮合物の有する、シラン化合物(B)に由来するラジカル重合性不飽和基の総数と、前記オリゴマー(D)が有するラジカル重合性不飽和基の総数と、
の比率が、200:1~5:1である、<1>~<4>のいずれかに記載のポリシロキサン系樹脂の製造方法。
<6>前記単量体(C)として、酸と塩基からなる塩構造を有する単量体を含む、<1>~<5>のいずれかに記載のポリシロキサン系樹脂の製造方法。
<7><1>~<6>のいずれかに記載の製造方法により得られたポリシロキサン系樹脂を、水に分散、乳化、または溶解する工程を含む、ポリシロキサン系樹脂溶液の製造方法。
実施例および比較例において、以下の材料を使用した。
メチルトリメトキシシラン(略称「M-TMS」):ダウ・東レ(株)製の「Z-6033」
フェニルトリメトキシシラン(略称「Ph-TMS」):ダウ・東レ(株)製の「Z-6124」
<シラン化合物(B)>
ビニルトリメトキシシラン(略称「Vi-TMS」):モメンティブ社製の「A-171」
<単量体(C)>
メチルメタクリレート(略称「MMA」):三菱ガス化学株式会社製
ブチルアクリレート(略称「BA」):株式会社日本触媒製
エーテルサルフェート型アンモニウム塩(略称「SR-10」):ADEKA(株)社
製の「アデカリアソープSR-10」
アクリルアミド-tブチルスルホン酸ナトリウム:東亜合成(株)製の「ATS」
<オリゴマー(D)の材料>
エチル2-ブロモアジペート(東京化成工業株式会社製)
臭化第一銅:富士フイルム和光純薬株式会社製
アセトニトリル:富士フイルム和光純薬株式会社製
ペンタメチルジエチレントリアミン(略称「トリアミン」):東京化成工業株式会社製
トルエン:三菱ケミカル株式会社製
アクリル酸カリウム:日本触媒製
4-ヒドロキシ-TEMPO:シグマ アルドリッチ社製
ジメチルアセトアミド:三菱ガス化学株式会社製
<その他の成分>
(脱水縮合触媒)
塩化リチウム(略称「LiCl」):関東化学株式会社製、中性塩
(ラジカル重合開始剤)
2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル):富士フイルム和光純薬株式
会社製の「V-65」
(その他)
縮合水(純水)
〔測定および評価方法〕
実施例および比較例における測定および評価を、以下の方法で行った。
実施例および比較例に記載の方法により、ポリシロキサン系樹脂を製造した際に、ポリシロキサン系樹脂の合成(重合)途中にゲル化が発生しない場合を「○(良好)」、ゲル化が発生した場合を「×(不良)」と評価した。
国際公開第2016/052636号公報および特許第5555449号公報を参照して、得られたポリシロキサン系樹脂を硬化してなる硬化物の耐候性の評価を行った。
照射 63℃ 50% 6時間
結露 30℃ 98% 2時間
シャワー 結露の前後に30秒。
JIS A6909を参照し、得られたポリシロキサン系樹脂を硬化してなる硬化物の可撓性を測定した。簡潔には、厚みが0.3mmの亜鉛鉄板に膜厚を50μmで、ポリシロキサン系樹脂を塗布後、23℃、50%RHで2週間養生して塗膜(硬化物)を形成した。養生後、亜鉛鉄板を曲率直径10mmで90度折り曲げることにより、塗膜(硬化物)の可撓性を測定した。折り曲げ時に塗膜に割れが発生しない場合を「良」とし、塗膜に割れが発生した場合を「不良」とした。
(オリゴマー(D)の作製)
脱酸素状態にした反応器に、臭化第一銅0.42重量部、および、ブチルアクリレート20.0重量部を添加し、80℃で加熱攪拌した。さらに、重合溶媒としてアセトニトリル8.8重量部と、開始剤としてエチル2-ブロモアジペート1.90重量部とを、反応器内に添加し、80℃で混合した。混合液の温度を約80℃に調節し、トリアミン0.02重量部を添加して、重合反応を開始した。重合反応開始後、ブチルアクリレート80.0重量部を反応器内に逐次添加し、重合反応を進めた。重合反応中、適宜トリアミンを追加で添加することで、重合反応の速度を調整した。重合反応に使用したトリアミンの総量は0.15重量部であった。モノマー転化率(重合反応率)が約95%以上となった時点で重合反応を停止し、揮発分を減圧脱揮して除去することで、重合体濃縮物を得た。
(縮合物の作製)
攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた反応器に、表1に記載の量および種類のシラン化合物(A)およびシラン化合物(B)と、脱水縮合触媒であるLiClと、縮合水として純水と、を仕込み、反応温度65℃にて3時間還流撹拌しながら縮合反応させることで、縮合物を得た(縮合工程)。なお、縮合反応中に、ゲル化は発生しなかった。
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロートを備えた反応器に、上記縮合工程で得られた縮合物を仕込み、窒素ガスを導入しつつ65℃に昇温した後、表1に記載の量および種類の単量体(C)および上記〔製造例1〕で作製したオリゴマー(D)と、重合開始剤であるV-65を0.1重量部との混合溶液を滴下ロートから5時間かけて等速滴下した。その後、引き続き、65℃で2時間攪拌した後、室温まで冷却し、ポリシロキサン系樹脂を得た。
作製したポリシロキサン樹脂について、ロータリーエバポレーターにより不揮発成分が90%以上になるまで脱揮を行った。続いて、得られた脱揮したポリシロキサン系樹脂を、不揮発成分が40%になるよう水に溶解し、室温まで冷却することで、ポリシロキサン系樹脂を含む水溶液を得た。
得られたポリシロキサン系樹脂溶液について、表2に示す配合処方で各成分を配合し、ポリシロキサン系樹脂を含む水性塗料(白色主剤塗料)を作製した。
国際公開第2016/052636号公報を参照して、「耐候性」を測定および評価するための試験片を作製した。簡潔には、上記(水性塗料の作成)で作製した水性塗料を、プライマーとしてハイポンファインプライマーII(日本ペイント製)を塗布したアルミ板(50mm×150mm)上に、エアスプレ-を用いて、乾燥膜厚が約40μmとなるように塗布し、23℃、50%RHにて1週間乾燥して、塗装板(硬化物が塗装されたアルミ板)を得た。この塗装板を試験片として用いた。得られた試験片を用いて、得られたポリシロキサン系樹脂を硬化してなる硬化物の耐候性および可撓性を測定・評価した。結果を表1に示す。
各成分の種類および量(合成処方)を表1および表2に記載の通りに変更したこと以外は、実施例1と同様に、ポリシロキサン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂溶液、および、水性塗料を作製した。得られたポリシロキサン樹脂および当該ポリシロキサン系樹脂を硬化してなる硬化物について、合成途中のゲル化の有無、耐候性および可撓性を測定・評価した。結果を表1に示す。
表1より、本製造方法により得られた実施例1~3のポリシロキサン系樹脂は、可撓性および耐候性に優れる硬化物を提供できることが分かる。また、実施例1~3のポリシロキサン系樹脂は、合成途中にゲル化が発生せず、安定的に生産できることも分かる。すなわち、本製造方法によれば、可撓性および耐候性に優れる硬化物を提供できる、ポリシロキサン系樹脂を提供でき、また、当該ポリシロキサン樹脂はゲル化を生じることなく安定的に生産できることが示された。
Claims (5)
- 下記一般式(I):
R1 n-Si-(OR2)4-n ・・・(I)
(式中、R1は、それぞれ独立して炭素数1~10のアルキル基、またはアリール基であり、R2は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1~10のアルキル基であり、nは、1である。)で示されるシラン化合物(A)と、
ラジカル重合性不飽和基および加水分解性シリル基を有するシラン化合物(B)と、
の縮合物と、
ラジカル重合性不飽和基を有し、かつ、加水分解性シリル基を有さない単量体(C)と、
ラジカル重合性不飽和基を有し、主鎖が炭素原子を含み、かつ、Si-O-Si結合を含まず、数平均分子量が1000~100000であるオリゴマー(D)と、
をラジカル重合する重合工程を含み、
前記縮合物の有する、シラン化合物(B)に由来するラジカル重合性不飽和基の総数と、前記オリゴマー(D)が有するラジカル重合性不飽和基の総数と、の比率が、200:1~5:1であり、
前記単量体(C)として、酸と塩基からなる塩構造を有する単量体を含む、ポリシロキサン系樹脂の製造方法。 - 前記オリゴマー(D)の主鎖が、ポリアルキレンオキサイド重合体、ポリ(メタ)アクリル重合体、およびポリイソブチレン重合体からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のポリシロキサン系樹脂の製造方法。
- 前記オリゴマー(D)が有するラジカル重合性不飽和基の数が1個または2個である、請求項1または2に記載のポリシロキサン系樹脂の製造方法。
- 前記オリゴマー(D)が、末端にラジカル重合性不飽和基を有するものである、請求項1~3のいずれか1項に記載のポリシロキサン系樹脂の製造方法。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法により得られたポリシロキサン系樹脂を、水に分散、乳化、または、溶解する工程を含む、ポリシロキサン系樹脂溶液の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2021206343A JP7777975B2 (ja) | 2021-12-20 | 2021-12-20 | ポリシロキサン系樹脂およびポリシロキサン系樹脂溶液の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2021206343A JP7777975B2 (ja) | 2021-12-20 | 2021-12-20 | ポリシロキサン系樹脂およびポリシロキサン系樹脂溶液の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2023091545A JP2023091545A (ja) | 2023-06-30 |
| JP7777975B2 true JP7777975B2 (ja) | 2025-12-01 |
Family
ID=86941977
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2021206343A Active JP7777975B2 (ja) | 2021-12-20 | 2021-12-20 | ポリシロキサン系樹脂およびポリシロキサン系樹脂溶液の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP7777975B2 (ja) |
Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000239331A (ja) | 1999-02-24 | 2000-09-05 | Toagosei Co Ltd | 水性エマルションの製造方法 |
| JP2002105434A (ja) | 2000-10-02 | 2002-04-10 | Lion Corp | 両性両親媒性表面処理剤 |
| JP2008542462A (ja) | 2005-09-08 | 2008-11-27 | ウァッカー ケミー アーゲー | 親水性有機官能性シリコーンコポリマー |
| WO2018181668A1 (ja) | 2017-03-29 | 2018-10-04 | 三菱ケミカル株式会社 | (メタ)アクリル系共重合体、その製造方法、樹脂組成物及び防汚塗料組成物 |
-
2021
- 2021-12-20 JP JP2021206343A patent/JP7777975B2/ja active Active
Patent Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000239331A (ja) | 1999-02-24 | 2000-09-05 | Toagosei Co Ltd | 水性エマルションの製造方法 |
| JP2002105434A (ja) | 2000-10-02 | 2002-04-10 | Lion Corp | 両性両親媒性表面処理剤 |
| JP2008542462A (ja) | 2005-09-08 | 2008-11-27 | ウァッカー ケミー アーゲー | 親水性有機官能性シリコーンコポリマー |
| WO2018181668A1 (ja) | 2017-03-29 | 2018-10-04 | 三菱ケミカル株式会社 | (メタ)アクリル系共重合体、その製造方法、樹脂組成物及び防汚塗料組成物 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2023091545A (ja) | 2023-06-30 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP2022075628A (ja) | 硬化性組成物の製造方法 | |
| US9718999B2 (en) | Photocurable composition having adhesive properties | |
| JP7777975B2 (ja) | ポリシロキサン系樹脂およびポリシロキサン系樹脂溶液の製造方法 | |
| JP7390827B2 (ja) | ポリシロキサン系樹脂およびその利用 | |
| JP3389195B2 (ja) | 常温硬化性塗料組成物 | |
| JP7789547B2 (ja) | ポリシロキサン系樹脂およびその利用 | |
| JP7605662B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物およびその利用 | |
| CN113631601B (zh) | 有机无机复合树脂及其制造方法 | |
| US20240018358A1 (en) | Polysiloxane-based resin and utilization thereof | |
| JP4615737B2 (ja) | 水性樹脂組成物 | |
| JP2004292555A (ja) | シリコン−アクリル系複合水分散液及びこれを用いたクリアトップコート用塗料 | |
| JP7470556B2 (ja) | ポリシロキサン系樹脂 | |
| JP7789512B2 (ja) | ポリシロキサン系樹脂を含む水を媒体とする溶液または分散液の製造方法 | |
| JP2025088485A (ja) | ポリシロキサン系樹脂を含む水溶液または水分散液の製造方法 | |
| JP2025130466A (ja) | ポリシロキサン系樹脂の製造方法およびその利用 | |
| JP2025130467A (ja) | ポリシロキサン系樹脂の製造方法およびその利用 | |
| JP7510945B2 (ja) | 水溶性(メタ)アクリル系樹脂およびその利用 | |
| WO2023119928A1 (ja) | ポリシロキサン系樹脂を含む水を媒体とする溶液または分散液の製造方法 | |
| JP2021161230A (ja) | ポリシロキサン系樹脂の製造方法 | |
| JP7713856B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
| JP7820188B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物の製造方法 | |
| JP7713855B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
| JP2024044174A (ja) | 積層体、およびその製造方法 | |
| JP2024044176A (ja) | 水系コーティング組成物、およびコーティング層の製造方法 | |
| JP2024129709A (ja) | 多液型硬化性組成物およびその利用 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20241009 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20250707 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20250715 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20250905 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20251111 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20251118 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7777975 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |