以下、本実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態における画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。図2は、本実施の形態における画像形成装置1の制御系の主要部を示す図である。画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に一次転写し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、用紙S(記録媒体)に二次転写することにより、トナー像を形成する。
また、画像形成装置1には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
図2に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60、および制御部101等を備える。
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)102、ROM(Read Only Memory)103、RAM(Random Access Memory)104等を備える。CPU102は、ROM103から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM104に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロックの動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
制御部101は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部101は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて用紙Sにトナー像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11および原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された多数枚の原稿の画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることができる。
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿またはコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21および操作部22として機能する。表示部21は、制御部101から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部101に出力する。なお、入力操作には、通常モード、光沢度が所定値(通常モードの値)より低い低光沢モード、および、光沢度が所定値より高い高光沢モードのいずれかを選択する操作が含まれる。
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定またはユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部101の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示す。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、およびドラムクリーニング装置415等を備える。
感光体ドラム413は、例えばアルミニウム製の導電性円筒体(アルミ素管)の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層した負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。電荷発生層は、電荷発生材料(例えばフタロシアニン顔料)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト)に分散させた有機半導体からなり、露光装置による露光により一対の正電荷と負電荷を発生する。電荷輸送層は、正孔輸送性材料(電子供与性含窒素化合物)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト樹脂)に分散させたものからなり、電荷発生層で発生した正電荷を電荷輸送層の表面まで輸送する。
制御部101は、感光体ドラム413を回転させる駆動モーター(図示略)に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413を一定の周速度で回転させる。
帯電装置414は、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。感光体ドラム413の電荷発生層で正電荷が発生し、電荷輸送層の表面まで輸送されることにより、感光体ドラム413の表面電荷(負電荷)が中和される。感光体ドラム413の表面には、周囲との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
現像装置412は、例えば二成分現像方式の現像装置であり、感光体ドラム413の表面に各色成分のトナーを付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に摺接されるドラムクリーニングブレード等を有し、一次転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーをクリーニングする。なお、安定したクリーニング性を確保するため、感光体ドラム413に滑剤を積極的に塗布する滑剤塗布部が配置されている。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423,423A、二次転写ローラー424、ベルトクリーニング装置426、一次転写圧調整部427、及び二次転写圧調整部428(図5を参照)等を備える。
中間転写ベルト421は、無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423,423Aにループ状に張架される。複数の支持ローラー423,423Aのうちの少なくとも1つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラーが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、中間転写ベルト421の走行速度を一定に保持し易くなる。駆動ローラーが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。一次転写圧調整部427は、一次転写ニップの転写圧(一次転写圧)を調整する。また、感光体ドラム413、中間転写ベルト421及び一次転写ローラー422により一次転写部が構成される。
二次転写ローラー424は、駆動ローラーのベルト走行方向下流側に配置される対向ローラー423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424が対向ローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から用紙Sへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。二次転写圧調整部428は、二次転写ニップの転写圧(二次転写圧)を調整する。また、対向ローラー423B、中間転写ベルト421及び二次転写ローラー424により二次転写部が構成される。
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラーに一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側(一次転写ローラーと当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
その後、用紙Sが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が用紙Sに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加し、用紙Sの裏面側(二次転写ローラー424と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は用紙Sに静電的に転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
ベルトクリーニング装置426は、中間転写ベルト421の表面に摺接するベルトクリーニングブレード等を有し、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。なお、二次転写ローラー424に代えて、二次転写ローラーを含む複数の支持ローラーに、二次転写ベルトがループ状に張架された構成(いわゆるベルト式の二次転写ユニット)を採用してもよい。
定着部60は、用紙Sの定着面(トナー像が形成されている表面)側に配置される定着面側部材を有する上側定着部60A、用紙Sの裏面(定着面の反対の面)側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部60B、及び加熱源60C、60D等を備える。定着部60は、定着器すなわち筐体内にユニットとして配置される。
上側定着部60Aは、定着面側部材である無端状の定着ベルト61、加熱ローラー62、および上加圧ローラー63を有する(ベルト加熱方式)。定着ベルト61は、加熱ローラー62と上加圧ローラー63との間に所定の張力がかかった状態で架け渡されている。
下側定着部60Bは、裏面側支持部材を構成する下加圧ローラー64を有する(ローラー加圧方式)。下加圧ローラー64は、定着ベルト61を介して上加圧ローラー63に所定の定着荷重で圧接される。このようにして、上加圧ローラー63および定着ベルト61と下加圧ローラー64との間には、用紙Sを狭持して搬送する定着ニップNPが形成される。定着部60において、上側定着部60A、下側定着部60Bおよび加熱源60C,60Dは、定着ニップNPで用紙Sを加熱、加圧しながら搬送することにより、未定着のトナー像を用紙Sに定着させる。
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52および搬送経路部53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a~51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類ごとに収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53a等の複数の搬送ローラー対を有する。
給紙トレイユニット51a~51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。このとき、レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部により、給紙された用紙Sの傾きが補正されるとともに搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部40において、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
ところで、安定したクリーニング性を確保するため、感光体ドラム413に積極的に塗布される滑剤は、感光体ドラム413の下流側に配置される中間転写ベルト421や、定着部60などに悪影響を及ぼす場合がある。例えば、中間転写ベルト421と中間転写ベルト421の表面に摺接するベルトクリーニングブレードとの間の摩擦力のムラによるクリーニング不良の発生や、中間転写ベルト421上の滑剤量が多くなり過ぎた際に、ベルトクリーニングブレードのエッジに滑剤が溜まり、噛み込みによるクリーニング不良を引き起こす場合がある。また、中間転写ベルト上の滑剤量にムラがあると、そのムラがある箇所において中間転写ベルトに対するトナーの付着力が異なることの差異となり、用紙へのトナー像の転写時に転写効率ムラが発生する。そのため、例えば塗工紙などでは、転写効率ムラの差がそのまま画像濃度ムラにつながるとなる場合がある。
図3は、中間転写ベルト421上の滑剤量とクリーニング不良との関係の一例を示す図である。図3に示すように、中間転写ベルト421上の滑剤量(ベルト上滑剤量)が2[nm]や、4[nm]である場合、ベルト上、クリーニング不良(CL不良)は発生しない(図3に示す「〇」)。ベルト上滑剤量が6[nm]である場合、ベルト上、極軽微なCL不良が発生する。用紙上には転移しない(図3に示す「〇△」)。ベルト上滑剤量が8[nm]である場合、ベルト上、中程度のCL不良が発生する。用紙上にはわずかに転移し、拡大すれば視認できる(図3に示す「△」)。ベルト上滑剤量が10[nm]である場合、ベルト上、レベルの悪いCL不良が発生する。用紙上にも転移し、目視で視認できる(図3に示す「×」)。以上のように、ベルト上の滑剤量が増加すると、CL不良の不具合が顕在化する。CL不良の不具合を顕在化させないためには、中間転写ベルト421上の滑剤量を適正に保つことが必要となる。
図4Aは、二次転写圧と、中間転写ベルト421に対する滑剤の転移量との関係の一例を示す図である。図4Aの横軸に二次転写圧、縦軸に滑剤の転移量の換算値を示す。図4Aに示すように、二次転写圧が低圧(30N)である場合、転移量は約3.37である。二次転写圧が中圧(55N)である場合、転移量は約3.63である。二次転写圧が高圧(80N)である場合、転移量は約3.73である。
図4Bは、二次転写圧と、感光体ドラム413における滑剤の残留量の一例を示す図である。図4Bの横軸に二次転写圧、縦軸に残留量の換算値を示す。図4Bに示すように、二次転写圧が低圧(30N)である場合、残留量は約2.5である。二次転写圧が中圧(55N)である場合、残留量は約2.3である。二次転写圧が高圧(80N)である場合、残留量は約2.1である。
図4Aおよび図4Bから、二次転写圧を高くすると、感光体ドラム413上の残留量が減少し、中間転写ベルト421上の転移量が増加する。つまり、感光体ドラム413から中間転写ベルト421上に転移する滑剤量が増えていることがわかる。そのメカニズムは、二次転写圧を高くすることで、一次転写ニップの状態が変化し、感光体ドラム413上の滑剤を中間転写ベルト421側に削り取り易くなるためであると推定される。なお、図4Aおよび図4Bでは、二次転写圧の大きさに応じて中間転写ベルト421上に転移する滑剤量が増加することを示したが、同じように、一次転写圧の大きさに応じて中間転写ベルト421上に転移する滑剤量が増加することが推測される。
つまり、一次転写圧の大きさ又は二次転写圧の大きさに応じて中間転写ベルト421上に転移する滑剤量が増加する。これにより、一次転写圧又は二次転写圧の大きに応じて、中間転写ベルト421上の滑剤量を低減すれば、中間転写ベルト421上の滑剤量を適正に保つことが可能となる。以下、二次転写圧の大きさに応じて、中間転写ベルト421上の滑剤量を低減することについて代表して説明する。
次に、一次転写圧調整部427及び二次転写圧調整部428について図5を参照して説明する。一次転写圧調整部427及び二次転写圧調整部428は互いに同じ構成を有している。以下、二次転写圧調整部428を代表して説明する。図5は、二次転写圧調整部428の一例を示す図である。図5では、中間転写ベルト421を省略して示す。
二次転写圧調整部428は、二次転写圧調整カム428Aと、バネ部材等の付勢部材429と、把持部429Aと、駆動部(不図示)とを備えている。二次転写圧調整カム428Aは、回転軸428Bと外周面428Cとの間の距離(径)が正方向(図5における時計回りの方向)の回転により連続して大きくなる偏心カムを用いて構成されている。
付勢部材429は、外周面428Cと把持部429Aとの間に圧縮された状態で配置されている。把持部429Aは、二次転写ローラー424の回転軸424Cを回転可能に把持している。付勢部材429の復元力によって、対向ローラー423Bが中間転写ベルト(不図示)を介して二次転写ローラー424に圧接される。これにより、二次転写ニップが形成される。二次転写ニップの二次転写圧は付勢部材429のひずみに応じて大きくなる。また、付勢部材429のひずみは二次転写圧調整カム428Aの回転角θに対応する。これにより、二次転写圧は二次転写圧調整カム428Aの回転角θに基づいて定めることが可能である。回転角θが小さい場合に二次転写圧は低い弱圧(低圧)となる。回転角θが大きい場合に二次転写圧は高い強圧(高圧)となる。回転角θと二次転写圧の大きさ(高圧、中圧、定圧)との関係が予め設定されている。なお、一次転写圧調整カムの回転角と一次転写圧の大きさ(高圧、中圧、低圧)との関係が予め設定されている。
図6Aは、二次転写圧が弱圧である場合の用紙の排紙方向の一例を示す図である。図6Bは、二次転写圧が強圧である場合の用紙の排紙方向の一例を示す図である。二次転写圧は、用紙の腰に応じて設定される。例えば、用紙が薄紙である場合、用紙の腰が弱く、中間転写ベルト421から分離し難い。用紙を中間転写ベルト421から分離し易くするために、二次転写圧を高く設定する。二次転写圧を高く設定すると、対向ローラー423B側が凹むため、用紙の排出方向が下向きになる。これにより、排紙先端を中間転写ベルト421から離れる方向に向けることができるため、用紙を中間転写ベルト421から分離し易くすることができる。
次に、中間転写ベルト421上の滑剤を除去する滑剤除去部について説明する。二次転写圧を高く設定した場合であっても、中間転写ベルト421上の滑剤量を適正に保つために、中間転写ベルト421上の滑剤量を低減する必要がある。滑剤除去部としては、中間転写ベルト421の表面に摺接するベルトクリーニングブレードを用いることが可能である。例えば、画像形成していないタイミングで、ベルトクリーニングブレードにトナー帯を送り込むことで、中間転写ベルト421上の滑剤を除去することが可能となる。本実施の形態では、滑剤除去部として、ベルトクリーニングブレードを有するベルトクリーニング装置426が用いられる。
また、他の滑剤除去部としては、トナー電荷用の帯電極等を用いることが可能である。例えば、帯電極等によりトナーの帯電量を上昇させることで、中間転写ベルト421に対するトナーの付着力が上昇し、ベルトクリーニングブレードで掻き取った際に除去できる滑剤量が増加する。これにより、中間転写ベルト421上の滑剤の除去性能を向上させることが可能となる。
一次転写圧の大きさ又は二次転写圧の大きさに応じて中間転写ベルト421上の滑剤量が増加する場合でも、上記の滑剤除去部により中間転写ベルト421上の滑剤量を低減することができる。図7は、一次転写圧の大きさ又は二次転写圧の大きさに対する中間転写ベルト421上の滑剤量の一例を示す図である。図7の横軸にプリント数(本開示の「トナー像形成量」に対応)を示し、縦軸に中間転写ベルト421上の滑剤量を示す。図7に示す滑剤量はマッピングされてマッピングテーブルに登録されている。また、図7に示す滑剤量には、CL不良を視認できるライン(図3に示す「△」や「×」)であるCL不具合発生ラインが予め定められている。
図7には、一次転写圧の大きさ及び二次転写圧の大きさ毎に中間転写ベルト421上の滑剤量が描かれている。例えば、二次転写圧が高圧かつ一次転写圧が高圧である場合における中間転写ベルト421上の滑剤量が図7に破線で示されている。また、二次転写圧が高圧かつ一次転写圧が中圧である場合における中間転写ベルト421上の滑剤量が図7に一点鎖線で示されている。また、二次転写圧が高圧かつ一次転写圧が低圧である場合における中間転写ベルト421上の滑剤量が図7に実線で示されている。また、二次転写圧が中圧かつ、一次転写圧が中圧である場合における中間転写ベルト421上の滑剤量が図7に二点鎖線で示されている。また、二次転写圧が低圧かつ一次転写圧が中圧である場合における中間転写ベルト421上の滑剤量が図7に点線で示されている。
制御部101は、一次転写圧調整カムの回転角および二次転写圧調整カム428Aの回転角θを取得する。制御部101は、一次転写圧調整カムの回転角に対応する一次転写圧の大きさ(高圧、中圧、低圧)及び二次転写圧調整カム428Aの回転角θに対応する二次転写圧の大きさ(高圧、中圧、低圧)に基づいて、予め定められたマッピングテーブルを参照して中間転写ベルト421上の滑剤量を推定する。マッピングテーブルには、プリント数に対する滑剤量の傾きが決められている。図7に示すように、プリント数は、0から50kpまでの区間、50kpから100kpまでの区間、100kpから200kpまでの区間、200kpから300kpまでの区間に区切られている。プリント数に対する滑剤量の傾きは、区間ごとに決められている。なお、制御部101は、プリント数を記憶部72から取得する。
次に、プリント数に対する滑剤量の傾きの決め方の一例について図8を参照して説明する。図8に示すように、0から50kpまでの区間の滑剤量の傾きAは、0のときの滑剤量と50kpのときの滑剤量とを結ぶ直線の傾きで表される。また、50kpから100kpまでの区間の滑剤量の傾きBは、50kpのときの滑剤量と100kpのときの滑剤量とを結ぶ直線の傾きで表される。また、100kpから200kpまでの区間の滑剤量の傾きCは、100kpのときの滑剤量と200kpのときの滑剤量とを結ぶ直線の傾きで表される。200kpから300kpまでの区間の滑剤量の傾きDは、200kpのときの滑剤量と300kpのときの滑剤量とを結ぶ直線の傾きで表される。
制御部101は、区間のそれぞれの滑剤量の傾きに基づいて、中間転写ベルト421上の滑剤量を次のように推定する。例えば、制御部101は、0から100kpまでの区間の二次転写圧が高圧であって、一次転写圧が中圧である場合、図8に示す一点鎖線の傾きA及び傾きBに基づいて滑剤量を推定する。また、制御部101は、100kpから200kpまでの区間の二次転写圧が高圧であって、一次転写圧が高圧である場合、図8に示す破線の傾きCに基づいて滑剤量を推定する。また、制御部101は、200kpから300kpまでの区間の二次転写圧が中圧であって、一次転写圧が中圧である場合、図8に示す二点鎖線の傾きDに基づいて滑剤量を推定する。そして、制御部101は、傾きA及び傾きBに基づいて推定した滑剤量、傾きCに基づいて推定した滑剤量、および、傾きDに基づいて推定した滑剤量を積算する。制御部101は、積算した滑剤量がCL不具合発生ラインを超えた場合、中間転写ベルト421上の滑剤量を低減するようにベルトクリーニング装置426(滑剤除去部)を制御する。
図8に示すように、積算した滑剤量が250kp付近でCL不具合発生ラインを超えることが予想される。したがって、制御部101は、250kp時点(図8に破線で示す)で作像を停止し、中間転写ベルト421上の滑剤量を低減する制御を実行する。なお、積算した滑剤量がCL不具合発生ラインを超えた時点で、印刷ジョブを強制停止させると、ダウンタイムが発生するため、制御部101は、当該印刷ジョブとその直前の印刷ジョブとの間に、中間転写ベルト421上の滑剤量を低減する制御を実行してもよい。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置1の動作の一例について図9を参照して説明する。図9は、本実施の形態に係る画像形成装置1の動作の一例を示すフローチャートである。本フローは、画像形成装置1に入力された画像形成の指示により開始される。また、本フローに示す動作は、画像形成処理中に繰り返し行われる処理である。
先ず、ステップ100において、制御部101は、プリント数を取得する。
次に、ステップ110において、制御部101は、一次転写圧調整カムの回転角及び二次転写圧調整カム428Aの回転角θを取得する。
次に、ステップS120において、制御部101は、プリント数、一次転写圧調整カムの回転角に対応する一次転写圧の大きさ及び二次転写圧調整カム428Aの回転角θに対応する二次転写圧の大きさに基づいて、予め定められたマッピングテーブルを参照して滑剤量を推定する。
次に、ステップS130において、制御部101は、推定した滑剤量を積算する。
ステップS140において、制御部101は、推定した滑剤量がCL不具合発生ラインを超えているか否かについて判定する。滑剤量がCL不具合発生ラインを超えている場合(ステップS140:YES)、処理をステップS150に遷移する。滑剤量がCL不具合発生ラインを超えていない場合(ステップS140:NO)、図9に示すフローを終了する。
ステップS150において、制御部101は、中間転写ベルト421上の滑剤量を低減する制御を実行する。その後、図9に示すフローを終了する。
上記実施の形態に係る画像形成装置1では、トナー像を担持する中間転写ベルト421と、感光体ドラム413から中間転写ベルト421にトナー像を転写する一次転写部と、中間転写ベルト421上のトナー像を用紙に転写する二次転写部と、一次転写部および二次転写部に関する転写圧及びプリント数に応じて、中間転写ベルト421上の滑剤量を低減する制御を実行する制御部101と、を備える。
上記構成により、一次転写部および二次転写部に関する転写圧及びプリント数に応じて中間転写ベルト421上の滑剤量を推定することができるため、不具合が発生する前に中間転写ベルト421上の滑剤量を低減することにより、中間転写ベルト421上の滑剤による不具合、例えば、滑剤自体の塗布ムラによるすり抜けや、滑剤由来の凝集物による噛み込みすり抜け等を大幅に軽減することが可能となる。また、中間転写ベルト上の滑剤量にムラがないため、中間転写ベルトに対するトナーの付着力が異なることがなく、用紙へのトナー像の転写時に転写効率ムラが発生しない。これにより、転写効率ムラがそのまま画像濃度ムラにつながる例えば塗工紙などにおいても、画像濃度ムラの発生を防止することが可能となる。
なお、上記実施の形態に係る画像形成装置1では、中間転写ベルト421上の滑剤量を低減する制御を実行する条件のパラメータを一次転写部および二次転写部に関する転写圧及びプリント数としたが、本発明はこれに限らず、パラメータは、一次転写部および二次転写部に関する転写圧でもよく、また、一次転写部に関する転写圧でもよい。
また、上記実施の形態に係る画像形成装置1では、中間転写ベルト421上の滑剤量を低減する制御を実行する条件のトナー像形成量をプリント数としたが、本発明はこれに限らず、プリント時間でもよい。
また、上記実施の形態に係る画像形成装置1では、像担持体として中間転写ベルト421を示したが、本発明はこれに限らず、例えば中間転写ローラーでもよい。
<変形例>
次に、本実施の形態に係る画像形成装置1の変形例について図10を参照して説明する。図10は、中間転写ユニット42の一部を示す図である。
上記実施の形態では、対向ローラー423Bおよび二次転写ローラー424のそれぞれの硬度の大小関係は限定されない。また、それぞれの材質も限定されない。これに対して、変形例では、対向ローラー423Bの硬度は二次転写ローラー424の硬度よりも低い。また、対向ローラー423Bはスポンジゴム層を有する。また、二次転写ローラー424はソリッドゴム層を有する。これにより、二次転写ローラー424が対向ローラー423Bを押圧する押圧時に、対向ローラー423Bが潰れて、中間転写ベルト421の張りが強くなり、一次転写ニップ部において、感光体ドラム413から中間転写ベルト421への滑剤の転移量が増加する。したがって、対向ローラー423Bの硬度が二次転写ローラー424の硬度よりも低い場合、対向ローラー423Bの硬度が二次転写ローラー424の硬度以上である場合よりも、中間転写ベルト421上の滑剤量を除去する制御(滑剤除去モード制御)を実行する必要がある。
<実施例>
次に、滑剤除去モード制御の実施例について図11を参照して説明する。対向ローラー423B及び二次転写ローラー424のそれぞれの種類と硬度に関して、以下の組合せ構成で滑剤除去モード制御を実行した。なお、同じ組み合わせ構成で滑剤除去モード制御を実行しない場合を比較例とした。なお、図11に、スポンジゴム層を「スポンジ」で示し、ソリッドゴム層を「ソリッド」で示す。
図11に、同じ組み合わせ構成で滑剤除去モード制御を実行した場合の実施例と実施しない場合の比較例とを示した。実施例1及び比較例1のそれぞれの構成は、対向ローラー423Bの種類が「スポンジ」、アスカーC硬度が「40°」、二次転写ローラー424の種類が「ソリッド」、アスカーC硬度が「70°」であった。また、実施例2及び比較例2のそれぞれの構成は、対向ローラー423Bの種類が「スポンジ」、アスカーC硬度が「30°」、二次転写ローラー424の種類が「ソリッド」、アスカーC硬度が「75°」であった。また、実施例3及び比較例3のそれぞれの構成は、対向ローラー423Bの種類が「スポンジ」、アスカーC硬度が「45°」、二次転写ローラー424の種類が「ソリッド」、アスカーC硬度が「60°」であった。
滑剤除去モード制御「無し」の比較例1から比較例2では、用紙上にレベルの悪いCL不良が発生した(図11に示す「×」)。比較例3では、ベルト上に中程度のCL不良が発生し、用紙上に僅かに転移し、拡大すれば視認できた(図11に示す「△」)。これに対して、滑剤除去モード制御「有り」の実施例1から実施例3では、CL性良好となり、滑剤除去モード制御の効果が大きかった(図11に示す「○」)。
実施例4及び比較例4のそれぞれの構成は、対向ローラー423Bの種類が「ソリッド」、アスカーC硬度が「70°」、二次転写ローラー424の種類が「スポンジ」、アスカーC硬度が「40°」であった。また、実施例5及び比較例5のそれぞれの構成は、対向ローラー423Bの種類が「ソリッド」、アスカーC硬度が「70°」、二次転写ローラー424の種類が「ソリッド」、アスカーC硬度が「70°」であった。また、実施例6及び比較例6のそれぞれの構成は、対向ローラー423Bの種類が「スポンジ」、アスカーC硬度が「40°」、二次転写ローラー424の種類が「スポンジ」、アスカーC硬度が「40°」であった。
滑剤除去モード制御「無し」の比較例4から比較例6では、ベルト上に極軽微なCL不良が発生するが用紙には転移しないレベルであった(図11に示す「○△」)。これに対して、滑剤除去モード制御「有り」の実施例4から実施例6では、CL不良の課題自体が軽微であるため、滑剤除去モード制御の効果は、小さかったが、用紙上の僅かな転移であっても回避できる効果があった(図11に示す「○」)。
その他、上記実施の形態は、何れも本発明の実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。