JP7792397B2 - 研磨方法および半導体基板の製造方法、ならびに研磨用組成物セット - Google Patents
研磨方法および半導体基板の製造方法、ならびに研磨用組成物セットInfo
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Description
本発明は、研磨方法および半導体基板の製造方法、ならびに研磨用組成物セットに関する。
半導体製品の構成要素等として用いられる、シリコンウェーハ等の半導体基板その他の基板の表面は、一般に、ラッピング工程(粗研磨工程)とポリシング工程(精密研磨工程)とを経て高品位の鏡面に仕上げられる。上記ポリシング工程における研磨方法としては、砥粒を液中に含有させた研磨スラリーによるケミカルメカニカルポリシング法(CMP法)が広く採用されている。この研磨方法は、砥粒による機械的研磨作用と、液中に含有される砥粒以外の成分による化学的研磨作用との複合作用によるものであり、かかる方法によると優れた平滑性および低欠陥性等を有する鏡面が得られることが知られている。
また、コンピュータに使用されるULSI等の集積回路の高度集積化および高速化を実現するために、半導体デバイスのデザインルールの微細化は年々進んでいる。それに伴い、より微少な表面欠陥が半導体デバイスの性能に悪影響を与える事例が増えており、従来問題とされなかったナノオーダーの欠陥を管理することの重要性が高まっている。
近年、シリコンウェーハ等の半導体基板その他の基板について、より高品位の表面が要求されるようになってきており、かかる要求に対応し得る研磨用組成物の検討が種々行われている。かような技術として、特開2017-183478号公報には、仕上げ研磨工程と、仕上げ研磨工程の1段階前の前研磨工程と、仕上げ研磨工程と前研磨工程との間に位置する、前研磨工程後のシリコンウェーハをリンスするリンス工程とを連続する工程として備える、シリコンウェーハの研磨方法が開示されている。当該方法では、前研磨工程で使用される前研磨用組成物の親水性パラメータよりも、リンス工程でシリコンウェーハのリンスに使用されるリンス剤の親水性パラメータが小さくなるよう、前研磨用組成物およびリンス剤が選択される。そして、当該文献には、当該方法によれば、研磨後のシリコンウェーハについて、ヘイズおよび微小欠陥を低減して高品位な被研磨面を実現可能であることが開示されている。
近年、シリコンウェーハ等の半導体基板その他の基板について、表面欠陥の低減に関する要求レベルは上がっている。かような要求に答えるため、本発明は、研磨後の基板の表面欠陥を低減しうる手段を提供することを目的とする。
本発明の上記課題は、以下の手段によって解決されうる:
基板の研磨方法であって、
前記研磨方法は、研磨工程を含み、
前記研磨工程は、前記基板と、研磨定盤に取り付けられた研磨パッドとの接触面に研磨用組成物を供給しながら、前記研磨定盤を回転させることによって前記基板を研磨する、2以上の研磨段を含み、
前記2以上の研磨段は、
研磨定盤上で研磨用組成物S1を用いて研磨する研磨段1と、
前記研磨段1の後、前記研磨段1と同一の研磨定盤上で研磨用組成物S2を用いて研磨する研磨段2と、を含み、
前記研磨用組成物S1は、砥粒1と、水と、下記(1)~(4)の手順によって算出される砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子とを含有し、
前記研磨用組成物S2は、砥粒2と、水と、前記砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子とを含有し、かつ、前記砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子を0.005質量%以上の含有量で含有しない、
研磨方法:
(1)平均一次粒子径25nm、平均二次粒子径50nmであるコロイダルシリカを0.08質量%、測定対象の水溶性高分子を0.004質量%およびアンモニアを0.005質量%の濃度で含み、残部が水からなる試験液Lを用意する、
(2)前記試験液Lの全有機炭素濃度(TOC値)を測定し、得られたTOC値を前記試験液Lに含まれる前記測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W0とする、
(3)前記試験液Lに対して回転速度26000rpmで遠心分離処理を30分間行うことにより、沈降物と、上澄み液とに分離したあとに、前記上澄み液のTOC値を測定し、得られたTOC値を前記上澄み液に含まれる前記測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W1とする、
(4)下記式により前記測定対象の水溶性高分子の吸着比を算出し、この値を砥粒吸着パラメータとする。
基板の研磨方法であって、
前記研磨方法は、研磨工程を含み、
前記研磨工程は、前記基板と、研磨定盤に取り付けられた研磨パッドとの接触面に研磨用組成物を供給しながら、前記研磨定盤を回転させることによって前記基板を研磨する、2以上の研磨段を含み、
前記2以上の研磨段は、
研磨定盤上で研磨用組成物S1を用いて研磨する研磨段1と、
前記研磨段1の後、前記研磨段1と同一の研磨定盤上で研磨用組成物S2を用いて研磨する研磨段2と、を含み、
前記研磨用組成物S1は、砥粒1と、水と、下記(1)~(4)の手順によって算出される砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子とを含有し、
前記研磨用組成物S2は、砥粒2と、水と、前記砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子とを含有し、かつ、前記砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子を0.005質量%以上の含有量で含有しない、
研磨方法:
(1)平均一次粒子径25nm、平均二次粒子径50nmであるコロイダルシリカを0.08質量%、測定対象の水溶性高分子を0.004質量%およびアンモニアを0.005質量%の濃度で含み、残部が水からなる試験液Lを用意する、
(2)前記試験液Lの全有機炭素濃度(TOC値)を測定し、得られたTOC値を前記試験液Lに含まれる前記測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W0とする、
(3)前記試験液Lに対して回転速度26000rpmで遠心分離処理を30分間行うことにより、沈降物と、上澄み液とに分離したあとに、前記上澄み液のTOC値を測定し、得られたTOC値を前記上澄み液に含まれる前記測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W1とする、
(4)下記式により前記測定対象の水溶性高分子の吸着比を算出し、この値を砥粒吸着パラメータとする。
また、本発明の上記課題は、以下の手段によっても解決されうる:
基板の研磨方法に使用される研磨用組成物セットであって、
前記研磨方法は、研磨工程を含み、
前記研磨工程は、前記基板と、研磨定盤に取り付けられた研磨パッドとの接触面に研磨用組成物を供給しながら、前記研磨定盤を回転させることによって前記基板を研磨する、2以上の研磨段を含み、
前記2以上の研磨段は、
研磨定盤上で研磨する研磨段1と、
前記研磨段1の後、前記研磨段1と同一の研磨定盤上で研磨する研磨段2と、を含み、
前記研磨用組成物セットは、
砥粒1と、水と、下記(1)~(4)の手順によって算出される砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子とを含有する、前記研磨段1で用いられる研磨用組成物S1と、
砥粒2と、水と、前記砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子とを含有し、かつ、前記砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子を0.005質量%以上の含有量で含有しない、前記研磨段2で用いられる研磨用組成物S2と、
を含む、研磨用組成物セット:
(1)平均一次粒子径25nm、平均二次粒子径50nmであるコロイダルシリカを0.08質量%、測定対象の水溶性高分子を0.004質量%およびアンモニアを0.005質量%の濃度で含み、残部が水からなる試験液Lを用意する、
(2)前記試験液Lの全有機炭素濃度(TOC値)を測定し、得られたTOC値を前記試験液Lに含まれる前記測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W0とする、
(3)前記試験液Lに対して26000rpmで遠心分離処理を30分間行うことにより、沈降物と、上澄み液とに分離したあとに、前記上澄み液のTOC値を測定し、得られたTOC値を前記上澄み液に含まれる前記測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W1とする、
(4)下記式により前記測定対象の水溶性高分子の吸着比を算出し、この値を砥粒吸着パラメータとする。
基板の研磨方法に使用される研磨用組成物セットであって、
前記研磨方法は、研磨工程を含み、
前記研磨工程は、前記基板と、研磨定盤に取り付けられた研磨パッドとの接触面に研磨用組成物を供給しながら、前記研磨定盤を回転させることによって前記基板を研磨する、2以上の研磨段を含み、
前記2以上の研磨段は、
研磨定盤上で研磨する研磨段1と、
前記研磨段1の後、前記研磨段1と同一の研磨定盤上で研磨する研磨段2と、を含み、
前記研磨用組成物セットは、
砥粒1と、水と、下記(1)~(4)の手順によって算出される砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子とを含有する、前記研磨段1で用いられる研磨用組成物S1と、
砥粒2と、水と、前記砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子とを含有し、かつ、前記砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子を0.005質量%以上の含有量で含有しない、前記研磨段2で用いられる研磨用組成物S2と、
を含む、研磨用組成物セット:
(1)平均一次粒子径25nm、平均二次粒子径50nmであるコロイダルシリカを0.08質量%、測定対象の水溶性高分子を0.004質量%およびアンモニアを0.005質量%の濃度で含み、残部が水からなる試験液Lを用意する、
(2)前記試験液Lの全有機炭素濃度(TOC値)を測定し、得られたTOC値を前記試験液Lに含まれる前記測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W0とする、
(3)前記試験液Lに対して26000rpmで遠心分離処理を30分間行うことにより、沈降物と、上澄み液とに分離したあとに、前記上澄み液のTOC値を測定し、得られたTOC値を前記上澄み液に含まれる前記測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W1とする、
(4)下記式により前記測定対象の水溶性高分子の吸着比を算出し、この値を砥粒吸着パラメータとする。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20℃以上25℃以下の範囲)/相対湿度40%RH以上50%RH以下の条件で測定する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸およびメタクリル酸の総称である。他の(メタ)を含む化合物等も同様に、名称中に「メタ」を有する化合物と「メタ」を有さない化合物の総称である。
<研磨方法>
本発明の一態様は、基板の研磨方法であって、
前記研磨方法は、研磨工程を含み、
前記研磨工程は、前記基板と、研磨定盤に取り付けられた研磨パッドとの接触面に研磨用組成物を供給しながら、前記研磨定盤を回転させることによって前記基板を研磨する、2以上の研磨段を含み、
前記2以上の研磨段は、
研磨定盤上で研磨用組成物S1を用いて研磨する研磨段1と、
前記研磨段1の後、前記研磨段1と同一の研磨定盤上で研磨用組成物S2を用いて研磨する研磨段2と、を含み、
前記研磨用組成物S1は、砥粒1と、水と、後述する(1)~(4)の手順によって算出される砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子とを含有し、
前記研磨用組成物S2は、砥粒2と、水と、前記砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子とを含有し、かつ、前記砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子を0.005質量%以上の含有量で含有しない(すなわち、前記研磨用組成物S2における前記砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子の濃度が、前記研磨用組成物S2の総質量に対して、0.005質量%未満である)、研磨方法に関する。本態様によれば、研磨後の基板の表面欠陥を低減しうる手段の提供が可能となる。
本発明の一態様は、基板の研磨方法であって、
前記研磨方法は、研磨工程を含み、
前記研磨工程は、前記基板と、研磨定盤に取り付けられた研磨パッドとの接触面に研磨用組成物を供給しながら、前記研磨定盤を回転させることによって前記基板を研磨する、2以上の研磨段を含み、
前記2以上の研磨段は、
研磨定盤上で研磨用組成物S1を用いて研磨する研磨段1と、
前記研磨段1の後、前記研磨段1と同一の研磨定盤上で研磨用組成物S2を用いて研磨する研磨段2と、を含み、
前記研磨用組成物S1は、砥粒1と、水と、後述する(1)~(4)の手順によって算出される砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子とを含有し、
前記研磨用組成物S2は、砥粒2と、水と、前記砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子とを含有し、かつ、前記砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子を0.005質量%以上の含有量で含有しない(すなわち、前記研磨用組成物S2における前記砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子の濃度が、前記研磨用組成物S2の総質量に対して、0.005質量%未満である)、研磨方法に関する。本態様によれば、研磨後の基板の表面欠陥を低減しうる手段の提供が可能となる。
本発明者らは、本発明によって上記課題が解決されうるメカニズムを以下のように推測している。砥粒吸着パラメータが大きな水溶性高分子は、シリカ等への吸着が生じ易い。まず、研磨段1において、砥粒吸着パラメータが大きな水溶性高分子を含む研磨用組成物を使用して基板を研磨する。この際、砥粒吸着パラメータが大きな水溶性高分子は、砥粒や基板に吸着し、基板を保護する。このことから、研磨段1では、基板へのダメージを抑制しながら基板の加工を進めることができる。次いで、研磨段2において、砥粒吸着パラメータが小さい水溶性高分子を含む研磨用組成物を使用して基板を研磨する。この際、砥粒吸着パラメータが小さい水溶性高分子は、砥粒にあまり吸着せず、基板上に残存する砥粒を除去するよう作用する。このことから、研磨段2では、基板を良好に洗浄することができる。これらの結果、本発明に係る研磨方法を用いた研磨後に得られる基板は、ダメージが少なく、また、基板上に残存する砥粒も少ないことから、表面欠陥が顕著に低減されたものとなる。なお、上記メカニズムは推測に基づくものであり、その正誤が本発明の技術的範囲に影響を及ぼすものではない。
本発明の一実施形態に係る基板の研磨方法は、研磨工程を含み、前記研磨工程は、前記基板と、研磨定盤に取り付けられた研磨パッドとの接触面に研磨用組成物を供給しながら、前記研磨定盤を回転させることによって前記基板を研磨する、2以上の研磨段を含み、前記2以上の研磨段は、研磨定盤上で研磨用組成物S1を用いて研磨する研磨段1と、上記の研磨段1の後、研磨段1と同一の研磨定盤上で研磨用組成物S2を用いて研磨する研磨段2とを含む。
[研磨工程]
以下、本発明の一実施形態に係る研磨方法に含まれる研磨工程について説明する。
以下、本発明の一実施形態に係る研磨方法に含まれる研磨工程について説明する。
本発明の一実施形態に係る研磨工程において用いられる研磨装置、および研磨段1および研磨段2にて採用されうる研磨条件について説明する。
研磨装置としては、特に制限されないが、例えば、研磨対象物を有する基板等を保持する保持具(ホルダー)と回転数を変更可能なモータ等とが取り付けてあり、研磨パッド(研磨布)を貼り付け可能な研磨定盤を有する一般的な研磨装置を用いることができる。例えば、片面研磨装置や、両面研磨装置を使用することができる。市販の研磨装置は、特に制限されないが、片面研磨装置としては、例えば、株式会社岡本工作機械製作所製の枚葉研磨機、型式「PNX 332B」等が挙げられる。
片面研磨装置を用いて研磨対象物を研磨する場合には、テンプレートと呼ばれる保持具を用いて研磨対象物を保持し、研磨パッド(研磨布)が貼付された研磨定盤を研磨対象物の片面に押しつけて研磨用組成物を供給しながら研磨定盤を回転させることにより、研磨対象物の片面を研磨する。
両面研磨装置を用いて研磨対象物を研磨する場合には、キャリアと呼ばれる保持具を用いて研磨対象物を保持し、研磨パッド(研磨布)が貼付された研磨定盤を研磨対象物の両側から研磨対象物の両面にそれぞれ押しつけて、研磨用組成物を供給しながら両側の研磨定盤を回転させることにより、研磨対象物の両面を研磨する。
これらのような研磨装置を用いることで、基板と、研磨定盤に取り付けられた研磨パッドとの接触面に研磨用組成物が供給されて、研磨定盤を回転させることによって基板が研磨されることとなる。
このように、研磨工程における研磨は、片面研磨および両面研磨のいずれであってもよいが、片面研磨であることが好ましい。
研磨パッドとしては、一般的な不織布タイプ、ポリウレタンタイプ、スウェードタイプ等を特に制限なく使用することができる。研磨パッドには、研磨用組成物が溜まるような溝加工が施されているものを使用することもできる。市販の研磨パッドは、特に制限されないが、不織布タイプとしては、例えば、フジボウ愛媛株式会社製 製品名「FP55」等、スウェードタイプとしては、例えば、フジボウ愛媛株式会社製 製品名「POLYPAS275NX」等が挙げられる。
研磨条件については、各研磨段における研磨の目的によってその好ましい範囲が異なることとなる。よって、研磨条件は、特に制限されず、各研磨段における研磨の目的に応じて適切な条件が採用されうる。
研磨は、プラテン(研磨定盤)を回転させることによって行うことが好ましく、基板と、プラテン(研磨定盤)とを相対的に移動(例えば回転移動)させて行うことがより好ましい。プラテン(研磨定盤)回転数およびヘッド(キャリア、テンプレート)回転数は、特に制限されないが、それぞれ独立して、好ましくは10rpm(0.17s-1)以上100rpm(1.67s-1)以下であり、より好ましくは20rpm(0.33s-1)以上60rpm(1s-1)以下であり、さらに好ましくは25rpm(0.42s-1)以上55rpm(0.92s-1)以下である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減するとともに、生産効率がより向上する。また、プラテン(研磨定盤)回転数およびヘッド(キャリア、テンプレート)回転数は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
基板は、通常、定盤により加圧されている。この際の圧力(研磨荷重)は、特に制限されないが、好ましくは5kPa以上30kPa以下であり、より好ましくは10kPa以上25kPa以下である。この範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減するとともに、生産効率がより向上する。
各研磨用組成物は、研磨対象物に供給される前には濃縮された形態であってもよい。濃縮された形態とは、研磨用組成物の濃縮液の形態であり、研磨用組成物の原液としても把握されうる。このように濃縮された形態の研磨用組成物は、製造、流通、保存等の際における利便性やコスト低減等の観点から有利である。濃縮倍率は特に限定されず、例えば、体積換算で2倍以上100倍以下程度とすることができ、通常は5倍以上50倍以下程度、例えば10倍以上40倍以下程度が適当である。このような濃縮液は、所望のタイミングで希釈して研磨用組成物を調製し、研磨用組成物を研磨対象物に供給する態様で使用することができる。希釈は、例えば、濃縮液に水を加えて混合することにより行うことができる。
研磨用組成物の供給速度は、研磨定盤のサイズに応じて適宜選択することができるため特に制限されないが、研磨対象物全体が覆われる供給量であることが好ましい。経済性を考慮すると、研磨用組成物の供給速度は、より好ましくは0.1L/min以上5L/min以下であり、さらに好ましくは0.2L/min以上2L/min以下である。この範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減するとともに、生産効率がより向上する。
研磨用組成物を供給する方法も特に制限されず、ポンプ等で連続的に供給する方法(掛け流し)を採用してもよい。
研磨用組成物の研磨装置における保持温度としても特に制限はないが、研磨速度の安定性や、基板の研磨面に生じる表面欠陥の低減効果の観点から、15℃以上40℃以下であることが好ましく、18℃以上25℃以下がより好ましい。
また、研磨用組成物は、研磨対象物の研磨に使用された後に回収し、必要に応じて研磨用組成物に含まれうる各成分を添加して組成を調整した上で、研磨対象物の研磨に再使用してもよい。
研磨工程は、研磨段1および研磨段2に加えて、必要に応じて他の研磨段をさらに含んでもよく、他の研磨段をさらに含むことが好ましい。この際、研磨段1および研磨段2の位置は特に制限されないが、研磨段1は、研磨段2より1つ前の研磨段であることが好ましく、研磨段1は、最終研磨段より1つ前の研磨段であり、研磨段2は、最終研磨段であることがより好ましい。研磨工程に含まれる研磨段の数は、2以上10以下であることが好ましく、3以上6以下であることがより好ましい。
研磨段1および研磨段2において、基板は、同一の研磨定盤上で研磨されることとなる。なお、研磨工程は、研磨段1および研磨段2に加えて他の研磨段を含む場合、他の研磨段において、基板は、研磨段1および研磨段2と同一の研磨定盤上で研磨されてもよく、研磨段1および研磨段2とは異なる研磨定盤上で研磨されてもよいが、他の研磨段において、基板は、研磨段1および研磨段2とは異なる研磨定盤上で研磨されることが好ましい。
研磨段1および研磨段2は、どのような研磨を行う研磨段であるかは問わない。しかしながら、研磨段1は、仕上げ研磨を行う研磨段であり、研磨段2は、リンス研磨を行う研磨段であることが好ましい。仕上げ研磨を行う研磨段とは、予備研磨等の前研磨を行う研磨段によって大まかに研磨された基材をより繊細に研磨する研磨段を表す。また、リンス研磨を行う研磨段とは、研磨パッドが取り付けられた研磨定盤(プラテン)上で行われる、研磨パッドによる摩擦力(物理的作用)および研磨用組成物(リンス研磨用組成物)の作用により研磨済研磨対象物の表面上の残渣を除去する研磨段を表す。よって、研磨用組成物S2は、リンス研磨用組成物であることが好ましい。
これらのことから、本発明の好ましい一実施形態において、研磨工程は、研磨段1と、研磨段2と、研磨段1の前に配置される1または2以上の他の研磨段をさらに含み、かつ、研磨段1は、最終研磨段より1つ前の研磨段であって、仕上げ研磨を行う研磨段であり、研磨段2は、最終研磨段であって、リンス研磨を行う研磨段である。
研磨段1の研磨時間と、研磨段2の研磨時間との関係としては、特に制限されないが、研磨段2における研磨時間は、研磨段1における研磨時間よりも短いことが好ましい。この場合、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。
研磨段1の研磨時間は、特に制限されないが、好ましくは80秒超であり、より好ましくは100秒以上であり、さらに好ましくは150秒以上である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。また、研磨段1の研磨時間は、特に制限されないが、好ましくは500秒以下であり、より好ましくは300秒以下であり、さらに好ましくは250秒以下である。これらの範囲であると生産効率が向上する。
研磨段2の研磨時間は、特に制限されないが、好ましくは1秒以上であり、より好ましくは3秒以上であり、さらに好ましくは5秒以上である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。また、研磨段2の研磨時間は、特に制限されないが、好ましくは80秒以下であり、より好ましくは60秒以下であり、さらに好ましくは40秒以下である。これらの範囲であると、生産効率がより向上する。
上記の研磨装置および研磨条件に関しては単に一例を述べただけであり、上記の範囲を外れてもよいし、適宜設定を変更することもできる。
[他の工程]
本発明の一実施形態に係る研磨方法は、他の工程をさらに含んでいてもよい。他の工程としては、例えば、洗浄工程等が挙げられる。
本発明の一実施形態に係る研磨方法は、他の工程をさらに含んでいてもよい。他の工程としては、例えば、洗浄工程等が挙げられる。
洗浄工程は、研磨工程の前、研磨工程中、研磨工程の後のいずれに設けられていてもよい。しかしながら、洗浄工程は、研磨工程の後、洗浄工程において基板の洗浄処理を行うことが好ましい。洗浄工程における洗浄方法としては、特に制限されないが、好ましい一例としては、洗浄液を入れた第1の洗浄槽と、洗浄液を入れた第2の洗浄槽を用意し、研磨工程で研磨された基板を、第1の洗浄槽に浸漬し、その後第2の洗浄槽に浸漬し、必要に応じてこれらの浸漬を繰り返す方法が挙げられる。第1の洗浄槽の浸漬時間(複数回浸漬する場合は、1回あたりの浸漬時間)は、特に制限されないが、例えば、1分以上10分以下等が挙げられる。また、第2の洗浄槽の浸漬時間(複数回浸漬する場合は、1回あたりの浸漬時間)は、特に制限されないが、1分以上30分以下等が挙げられる。洗浄液としては、特に制限されないが、例えば、純水や、NH4OH(29質量%):H2O2(31質量%):脱イオン水(DIW)=2:5.3:48(体積比)の液等が挙げられる。また、第1の洗浄槽の洗浄液がNH4OH(29質量%):H2O2(31質量%):脱イオン水(DIW)=2:5.3:48(体積比)の液であり、第2の洗浄槽の洗浄液が純水であることが好ましい。この際、第2の洗浄槽の洗浄液は、25℃の超純水であることがより好ましい。洗浄液への浸漬は、超音波発振器を作動させた状態で行ってもよい。また、洗浄液の温度は、特に制限されないが、40℃以上80℃以下の範囲とすることが好ましい。なお、洗浄後、スピンドライヤー等の公知の乾燥装置を用いて、基板を乾燥することが好ましい。
[研磨用組成物]
以下、本発明の一実施形態に係る研磨方法で使用される研磨用組成物S1および研磨用組成物S2について説明する。また、後述する本発明の他の一態様に係る研磨用組成物セットに含まれる研磨用組成物S1および研磨用組成物S2について説明する。
以下、本発明の一実施形態に係る研磨方法で使用される研磨用組成物S1および研磨用組成物S2について説明する。また、後述する本発明の他の一態様に係る研磨用組成物セットに含まれる研磨用組成物S1および研磨用組成物S2について説明する。
(砥粒)
研磨用組成物S1および研磨用組成物S2は、砥粒を含有する。本明細書において、研磨用組成物S1に含まれる砥粒を砥粒1と称し、研磨用組成物S2に含まれる砥粒を砥粒2と称する。砥粒1は、基板の表面を物理的に研磨する働きをする。砥粒2は、基板の表面の残渣を物理的に低減する働きをする。
研磨用組成物S1および研磨用組成物S2は、砥粒を含有する。本明細書において、研磨用組成物S1に含まれる砥粒を砥粒1と称し、研磨用組成物S2に含まれる砥粒を砥粒2と称する。砥粒1は、基板の表面を物理的に研磨する働きをする。砥粒2は、基板の表面の残渣を物理的に低減する働きをする。
砥粒としては、特に制限されないが、例えば、無機粒子、有機粒子、および有機無機複合粒子が挙げられる。無機粒子の具体例としては、特に制限されないが、シリカ、アルミナ、酸化セリウム、酸化クロム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、二酸化マンガン、酸化亜鉛、ベンガラ等の酸化物からなる粒子(酸化物粒子)、窒化ケイ素、窒化ホウ素等の窒化物からなる粒子(窒化物粒子)、炭化ケイ素、炭化ホウ素等の炭化物からなる粒子(炭化物粒子)、ダイヤモンドからなる粒子、炭酸カルシウムや炭酸バリウム等の炭酸塩からなる粒子等が挙げられる。有機粒子の具体例としては、特に制限されないが、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)からなる粒子等が挙げられる。また、上記挙げた物質の1または2以上を含む粒子等が挙げられる。これらの中でも、シリカが好ましい。すなわち、砥粒1および砥粒2は、好ましくはシリカである。シリカの具体例としては、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、およびゾルゲル法シリカ等が挙げられる。これらの中でも、基板の研磨面に生じる表面欠陥をより低減させるとの観点から、コロイダルシリカまたはフュームドシリカが好ましく、コロイダルシリカがより好ましい。砥粒1および砥粒2は、それぞれ、上記で挙げた粒子からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
砥粒の平均一次粒子径は、特に制限されないが、好ましくは1nm以上であり、より好ましくは5nm以上であり、さらに好ましくは10nm以上であり、特に好ましくは20nm以上である。これらの範囲であると、研磨速度が向上する。また、砥粒の平均一次粒子径は、特に制限されないが、好ましくは、100nm以下であり、より好ましくは70nm以下であり、さらに好ましくは50nm以下であり、特に好ましくは、30nm以下である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。砥粒の平均一次粒子径の値は、例えば、BET法により測定される比表面積から算出される。砥粒の比表面積の測定は、例えば、マイクロメリテックス社製の「FlowSorbII 2300」を用いて行うことができる。好ましい砥粒の平均一次粒子径の範囲の例としては、1nm以上100nm以下、5nm以上70nm以下、10nm以上50nm以下、20nm以上30nm以下等が挙げられるが、これらに限定されない。
砥粒1の平均一次粒子径と、砥粒2の平均一次粒子径との関係は、特に制限されないが、砥粒2の平均一次粒子径は、砥粒1の平均一次粒子径以下であることが好ましい。また、砥粒1の平均一次粒子径に対する砥粒2の平均一次粒子径の比率(砥粒2の平均一次粒子径/砥粒1の平均一次粒子径)は、特に制限されないが、好ましくは0.1以上1以下であり、より好ましくは0.4以上1以下であり、さらに好ましくは0.8以上1以下であり、特に好ましくは1である。これらの場合、基板の研磨面に生じる表面欠陥をより低減させることができる。
砥粒の平均二次粒子径は、特に制限されないが、好ましくは10nm以上であり、より好ましくは20nm以上であり、さらに好ましくは30nm以上である。これらの範囲であると、研磨速度が向上する。また、砥粒の平均二次粒子径は、特に制限されないが、好ましくは200nm以下であり、より好ましくは150nm以下であり、さらに好ましくは100nm以下である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。砥粒の平均二次粒子径の値は、例えば、日機装株式会社製の型式「UPA-UT151」を用いた動的光散乱法により測定することができる。好ましい砥粒の平均二次粒子径の範囲の例としては、10nm以上200nm以下、20nm以上150nm以下、30nm以上100nm以下等が挙げられるが、これらに限定されない。
砥粒の平均会合度は、特に制限されないが、好ましくは1.2以上であり、より好ましくは1.4以上であり、さらに好ましくは1.5以上である。本明細書において、平均会合度とは、砥粒の平均二次粒子径の値を平均一次粒子径の値で除することにより得られる値を表すものとする。これらの範囲であると、研磨速度がより向上する。また、砥粒の平均会合度は、特に制限されないが、好ましくは4以下であり、より好ましくは3.5以下であり、さらに好ましくは3以下である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。好ましい砥粒の会合度の範囲の例としては、1.2以上4以下、1.4以上3.5以下、1.5以上3以下等が挙げられるが、これらに限定されない。
砥粒は、市販品を用いても合成品を用いてもよい。また、砥粒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
研磨用組成物S1における砥粒1の濃度は、特に制限されないが、研磨用組成物S1の総質量に対して、好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.01質量%以上であり、さらに好ましくは0.05質量%以上である。これらの範囲であると、研磨速度が向上する。また、研磨用組成物S1における砥粒1の濃度は、特に制限されないが、研磨用組成物S1の総質量に対して、好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0.08質量%以下である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。好ましい研磨用組成物S1における砥粒1の濃度の範囲の例としては、研磨用組成物S1の総質量に対して、0.001質量%以上3質量%以下、0.01質量%以上1質量%以下、0.05質量%以上0.5質量%以下、0.05質量%以上0.1質量%以下、0.05質量%以上0.08質量%以下等が挙げられるが、これらに限定されない。
研磨用組成物S2における砥粒2の濃度は、特に制限されないが、研磨用組成物S2の総質量に対して、好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.01質量%以上である。これらの範囲であると、研磨速度が向上する。また、研磨用組成物S2における砥粒2の濃度は、特に制限されないが、研磨用組成物S2の総質量に対して、好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0.08質量%以下である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。好ましい研磨用組成物S2における砥粒2の濃度の例としては、研磨用組成物S2の総質量に対して、0.001質量%以上3質量%以下、0.01質量%以上1質量%以下、0.01質量%以上0.5質量%以下、0.01質量%以上0.1質量%以下、0.01質量%以上0.08質量%以下等が挙げられるが、これらに限定されない。
以上のことから、本発明の好ましい一実施形態において、研磨用組成物S1における砥粒1の濃度は、研磨用組成物S1の総質量に対して、0.001質量%以上3質量%以下であり、研磨用組成物S2における砥粒2の濃度は、研磨用組成物S2の総質量に対して、0.001質量%以上3質量%以下である。
研磨用組成物S2における砥粒2の濃度と、研磨用組成物S1における砥粒1の濃度との関係は、特に制限されないが、研磨用組成物S2における砥粒2の濃度は、研磨用組成物S1における砥粒1の濃度以下であることが好ましい。また、研磨用組成物S1における砥粒1の濃度に対する研磨用組成物S2における砥粒2の濃度の比率(研磨用組成物S2における砥粒2の濃度/研磨用組成物S1における砥粒1の濃度)は、特に制限されないが、好ましくは0.1以上1以下であり、より好ましくは0.4以上1以下である。これらの場合、基板の研磨面に生じる表面欠陥をより低減させることができる。前記比率は、例えば、0.8以上1以下とすることができ、例えば、1とすることができる。
(水溶性高分子)
研磨用組成物S1および研磨用組成物S2は、水溶性高分子を含有する。本明細書において、「水溶性」とは、水(25℃)に対する溶解度が1g/100mL以上であることを意味し、「高分子」とは、重量平均分子量が1,000以上である化合物を表す。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、ポリオキシエチレン換算で測定することができる。具体的には、実施例に記載の方法により測定される値を採用することができる。
研磨用組成物S1および研磨用組成物S2は、水溶性高分子を含有する。本明細書において、「水溶性」とは、水(25℃)に対する溶解度が1g/100mL以上であることを意味し、「高分子」とは、重量平均分子量が1,000以上である化合物を表す。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、ポリオキシエチレン換算で測定することができる。具体的には、実施例に記載の方法により測定される値を採用することができる。
研磨用組成物S1は、後述する(1)~(4)の手順によって算出される砥粒吸着パラメータ(本明細書において、単に「砥粒吸着パラメータ」とも称する。)が5以上である水溶性高分子を含有する。また、研磨用組成物S1は、砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子をさらに含有することが好ましい。また、研磨用組成物S2は、砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子を含有する。また、研磨用組成物S2は、砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子を0.005質量%以上の含有量(濃度)で含有しない。すなわち、研磨用組成物S2における砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子の濃度は、0.005質量%未満(研磨用組成物S2の総質量に対して、0.005質量%未満)である。砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子は、砥粒の表面を保護する働きをする。砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子は、基板の表面の残渣を低減する働きをする。
水溶性高分子の砥粒吸着パラメータは、以下の(1)~(4)の手順によって算出することができる:
(1)コロイダルシリカ(扶桑化学工業株式会社製 PL-2、平均一次粒子径25nm、平均二次粒子径50nm)を0.08質量%、測定対象の水溶性高分子を0.004質量%およびアンモニアを0.005質量%の濃度で含み、残部が水からなる試験液Lを用意する、
(2)試験液Lの全有機炭素濃度(TOC値)を測定し、得られたTOC値を試験液Lに含まれる測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W0[質量ppm]とする、
(3)試験液Lに対して26000rpmで30分間、例えば、ベックマン・コールター株式会社製 Avanti HP-30I等の遠心分離機を用いて遠心分離処理を行うことにより、沈降物と、上澄み液とに分離したあとに、上澄み液のTOC値を測定し、得られたTOC値を上澄み液に含まれる測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W1[質量ppm]とする、
(4)下記式により測定対象の水溶性高分子の吸着比を算出し、この値を砥粒吸着パラメータとする。
(1)コロイダルシリカ(扶桑化学工業株式会社製 PL-2、平均一次粒子径25nm、平均二次粒子径50nm)を0.08質量%、測定対象の水溶性高分子を0.004質量%およびアンモニアを0.005質量%の濃度で含み、残部が水からなる試験液Lを用意する、
(2)試験液Lの全有機炭素濃度(TOC値)を測定し、得られたTOC値を試験液Lに含まれる測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W0[質量ppm]とする、
(3)試験液Lに対して26000rpmで30分間、例えば、ベックマン・コールター株式会社製 Avanti HP-30I等の遠心分離機を用いて遠心分離処理を行うことにより、沈降物と、上澄み液とに分離したあとに、上澄み液のTOC値を測定し、得られたTOC値を上澄み液に含まれる測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W1[質量ppm]とする、
(4)下記式により測定対象の水溶性高分子の吸着比を算出し、この値を砥粒吸着パラメータとする。
試験液Lに含まれる測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W0[質量ppm]、および試験液Lの遠心分離処理後の上澄み液に含まれる測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W1[質量ppm]は、例えば、株式会社島津製作所製の全有機体炭素計TOC-Lを用いて評価することができる。
なお、砥粒吸着パラメータの算出方法の詳細は実施例に記載する。
試験液Lの遠心分離処理によって、コロイダルシリカは沈降すると考えられる。また、試験液Lの遠心分離処理後の上澄み液に含まれる水溶性高分子は、水溶性高分子全体のうち、主に、コロイダルシリカに吸着しない部分であると考えられる。
砥粒吸着パラメータが大きくなるに従い、試験液Lの遠心分離処理後の上澄み液に含まれる水溶性高分子の量が小さくなり、コロイダルシリカに吸着する水溶性高分子の量が大きくなると考えられる。したがって、水溶性高分子の砥粒吸着パラメータが大きいほど、実際の研磨用組成物においても、水溶性高分子は、砥粒へ吸着し易くなり、その吸着量も大きくなると推測される。
砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子について、砥粒吸着パラメータは、特に制限されないが、通常0以上である。また、砥粒吸着パラメータは、特に制限されないが、好ましくは2以下である。これらの範囲であると基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。
砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子について、砥粒吸着パラメータは、特に制限されないが、好ましくは60以上である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。また、砥粒吸着パラメータは、特に制限されないが、通常100以下である。
本発明で用いられる水溶性高分子としては、特に制限されないが、例えば、分子中に、カチオン基、アニオン基およびノニオン基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を有する高分子が挙げられる。具体的には、分子中に水酸基(ヒドロキシ基)、カルボキシ基またはその塩の基、アシルオキシ基、スルホ基またはその塩の基、窒素原子を含む部分構造(例えば、アミド基、アミジノ基、イミノ基、イミド基、第四級窒素構造、環形成原子として窒素原子を含む複素環構造)、環形成原子として窒素原子以外のヘテロ原子を含む複素環構造、ビニル構造、ポリオキシアルキレン構造等を含む高分子等が挙げられる。
砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子としては、特に制限されないが、好ましくは、セルロース誘導体、分子内に窒素原子を含む部分構造を有する高分子、分子内に2以上のヒドロキシ基を含み、非置換のポリオキシアルキレン構造を含む高分子等が挙げられる。研磨用組成物S1に含まれる砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子は、これらの化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
セルロース誘導体としては、特に制限されないが、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
分子内に窒素原子を含む部分構造を有する高分子としては、特に制限されないが、例えば、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、ポリヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、ポリN-(メタ)アクリロイルモルホリン、ポリN-ビニルピロリドン、ポリN-ビニルピロリドンを構造の一部に含む共重合体、ポリN-ビニルイミダゾール、ポリN-ビニルカルバゾール、ポリN-ビニルカプロラクタム、ポリN-ビニルカプロラクタムを構造の一部に含む共重合体、ポリN-ビニルピペリジン、ポリアミジン、ポリエチレンイミン、親水化ポリイミド、各種ポリアミノ酸、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)等のイミン誘導体等が挙げられる。
分子内に2以上のヒドロキシ基を含み、非置換のポリオキシアルキレン構造を含む高分子としては、特に制限されないが、例えば、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリブチレンオキサイド(PBO)、エチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)とのブロック共重合体、EOとPOとのランダム共重合体等が挙げられる。
これらの中でも、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減するとの観点から、ヒドロキシエチルセルロースまたはポリN-(メタ)アクリロイルモルホリンが好ましく、ポリN-アクリロイルモルホリンがより好ましい。
砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子の重量平均分子量は、特に制限されないが、好ましくは1,000以上であり、より好ましくは10,000以上であり、さらに好ましくは100,000以上であり、特に好ましくは200,000以上である。砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子の重量平均分子量は、例えば、300,000以上とすることができる。また、砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子の重量平均分子量は、特に制限されないが、好ましくは2,000,000以下であり、より好ましくは1,500,000以下であり、さらに好ましくは1,000,000以下であり、特に好ましくは500,000以下である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、ポリオキシエチレン換算にて測定することができる。なお、具体的な測定方法は実施例に記載する。好ましい砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子の重量平均分子量の例としては、1,000以上2,000,000以下、10,000以上1,500,000以下、100,000以上1,000,000以下、200,000以上500,000以下、300,000以上500,000以下等が挙げられるが、これらに限定されない。
砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子としては、特に制限されないが、好ましくは、分子内に2以上のヒドロキシ基を含み、置換されたポリオキシアルキレン構造を含む高分子、分子内に2以上のヒドロキシ基を含み、ビニルアルコールに由来する構造単位を含む高分子、分子内にアニオン基を有する高分子等が挙げられる。研磨用組成物S2に含まれる砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子は、これらの化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
分子内に2以上のヒドロキシ基を含み、置換されたポリオキシアルキレン構造を含む高分子において、ポリオキシアルキレン基を置換する置換基としては、ヒドロキシ基が好ましい。分子内に2以上のヒドロキシ基を含み、置換されたポリオキシアルキレン構造を含む高分子としては、特に制限されないが、例えば、ポリグリセリン等が挙げられる。
分子内に2以上のヒドロキシ基を含み、ビニルアルコールに由来する構造単位を含む高分子において、ビニルアルコールに由来する構造単位とは、ビニルアルコール単位(-CH2-CH(OH)-により表される構造部分;以下「VA単位」ともいう。)を表す。また、分子内に2以上のヒドロキシ基を含み、ビニルアルコールに由来する構造単位を有する高分子は、VA単位に加え、非ビニルアルコール単位(ビニルアルコール以外のモノマーに由来する構造単位、以下「非VA単位」ともいう。)を含む共重合体であってもよい。非VA単位の例としては、特に制限されず、エチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、2-ブテンジオール等に由来する構造単位が挙げられる。ビニルアルコールに由来する構造単位を含むポリマーは、非VA単位を含む場合、一種類の非VA単位のみを含んでもよく、二種類以上の非VA単位を含んでもよい。分子内に2以上のヒドロキシ基を含み、ビニルアルコールに由来する構造単位を含む高分子において、全繰返し単位のモル数に占めるVA単位のモル数の割合は、特に制限されないが、好ましくは50%以上であり、より好ましくは65%以上であり、さらに好ましくは70%以上であり、特に好ましくは75%以上である(上限100%)。全繰返し単位が実質的にVA単位から構成されていてもよい。ポリビニルアルコールの鹸化度は、特に制限されないが、好ましくは50モル%以上であり、より好ましくは65モル%以上であり、さらに好ましくは70モル%以上であり、特に好ましくは75モル%以上である(上限100モル%)。分子内に2以上のヒドロキシ基を含み、ビニルアルコールに由来する構造単位を含む高分子としては、特に制限されないが、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、アセタール化ポリビニルアルコール、ビニルアルコール・エチレン共重合体、ビニルアルコール・ブテンジオール共重合体等が挙げられる。ビニルアルコールに由来する構造単位を含む高分子がアセタール化ポリビニルアルコールである場合、アセタール化の種類は、特に制限されないが、例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピラール、ポリビニルエチラール、ポリビニルブチラール等が挙げられる。アセタール化度は、特に制限されないが、好ましくは1モル%以上50モル%以下、より好ましくは10モル%以上45モル%以下、さらに好ましくは20モル%以上40モル%以下である。
分子内にアニオン基を有する高分子としては、特に制限されないが、好ましくは、分子内にカルボキシ基またはその塩の基を有する高分子、分子内にスルホ基またはその塩の基を有する高分子等が挙げられる。具体例としては、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリイソアミレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、これらの塩等が挙げられる。
これらの中でも、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減するとの観点から、分子内に2以上のヒドロキシ基を含み、ビニルアルコールに由来する構造単位を有する高分子が好ましく、ポリビニルアルコールまたはアセタール化ポリビニルアルコールがより好ましく、アセタール化ポリビニルアルコールがさらに好ましい。
これらのことから、本発明の好ましい一実施形態において、砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子は、セルロース誘導体、分子内に窒素原子を含む部分構造を含む高分子および分子内に2以上のヒドロキシ基を含み、非置換のポリオキシアルキレン構造を含む高分子からなる群より選択される少なくとも1種の高分子であり、砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子は、分子内に2以上のヒドロキシ基を含み、置換されたポリオキシアルキレン構造を含む高分子、分子内に2以上のヒドロキシ基を含み、ビニルアルコールに由来する構造単位を含む高分子および分子内にアニオン基を含む高分子からなる群より選択される少なくとも1種の高分子である。
砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子の重量平均分子量は、1,000以上であれば特に制限されないが、好ましくは2,000以上であり、より好ましくは5,000以上であり、さらに好ましくは9,000以上であり、よりさらに好ましくは10,000以上であり、特に好ましくは、12,000以上である。また、砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子の重量平均分子量は、特に制限されないが、好ましくは2,000,000以下であり、より好ましくは1,000,000以下であり、さらに好ましくは500,000以下であり、よりさらに好ましくは100,000以下であり、特に好ましくは80,000以下である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。また、砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子の重量平均分子量は、例えば、50,000以下とすることができる。砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、ポリオキシエチレン換算にて測定することができる。なお、具体的な測定方法は実施例に記載する。好ましい砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子の重量平均分子量の範囲の例としては、2,000以上2,000,000以下、5,000以上1,000,000以下、9,000以上500,000以下、9,000以上100,000以下、9,000以上80,000以下、9,000以上50,000以下等が挙げられるが、これらに限定されない。
砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子および砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子は、それぞれ、市販品を用いても合成品を用いてもよい。また、砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子および砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子は、それぞれ、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
研磨用組成物S1における砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子の濃度は、特に制限されないが、研磨用組成物S1の総質量に対して、好ましくは0.0001質量%以上であり、より好ましくは0.001質量%以上であり、さらに好ましくは0.003質量%以上であり、特に好ましくは0.004質量%以上である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。この理由は、研磨段1における砥粒の保護効果がより向上するからであると推測される。また、研磨用組成物S1における砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子の濃度は、特に制限されないが、研磨用組成物S1の総質量に対して、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以下である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。この理由は、研磨段1の後に残存する砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子がより少なくなるからであると推測される。また、研磨用組成物S1における砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子の濃度は、研磨用組成物S1の総質量に対して、例えば、0.008質量%以下とすることができ、例えば、0.005質量%以下とすることができる。好ましい研磨用組成物S1における砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子の濃度の範囲の例としては、研磨用組成物S1の総質量に対して、0.0001質量%以上1質量%以下、0.001質量%以上0.01質量%以下、0.003質量%以上0.008質量%以下、0.004質量%以上0.005質量%以下等が挙げられるが、これらに限定されない。
研磨用組成物S1が、砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子を含む場合、研磨用組成物S1における砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子の濃度は、特に制限されないが、研磨用組成物S1の総質量に対して、好ましくは0.0001質量%以上であり、より好ましくは0.001質量%以上であり、さらに好ましくは0.002質量%以上であり、特に好ましくは0.003質量%以上である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。この理由は、砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子の存在によって、研磨段1の後に残存する砥粒や砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子がより少なくなるからであると推測される。また、研磨用組成物S1における砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子の濃度は、特に制限されないが、研磨用組成物S1の総質量に対して、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以下である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。この理由は、砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子による、研磨段1における砥粒や砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子の基板への吸着の阻害がより生じ難くなり、研磨段1における欠陥の除去効果がより良好に得られるからであると推測される。また、研磨用組成物S1における砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子の濃度は、研磨用組成物S1の総質量に対して、例えば、0.008質量%以下とすることができ、例えば、0.005質量%以下とすることができる。好ましい研磨用組成物S1における砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子の濃度の範囲の例としては、研磨用組成物S1の総質量に対して、0.0001質量%以上1質量%以下、0.001質量%以上0.01質量%以下、0.002質量%以上0.008質量%以下、0.003質量%以上0.005質量%以下等が挙げられるが、これらに限定されない。
これらのことから、研磨用組成物S1における水溶性高分子の濃度(すなわち、研磨用組成物S1における、砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子の濃度と、砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子の濃度の合計、以下同じ)は、特に制限されないが、研磨用組成物S1の総質量に対して、好ましくは0.0001質量%以上であり、より好ましくは0.001質量%以上であり、さらに好ましくは0.003質量%以上であり、特に好ましくは0.004質量%以上である。また、研磨用組成物S1における水溶性高分子の濃度は、特に制限されないが、研磨用組成物S1の総質量に対して、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは0.02質量%以下であり、さらに好ましくは0.016質量%以下であり、特に好ましくは0.01質量%以下である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。好ましい研磨用組成物S1における水溶性高分子の濃度の例としては、研磨用組成物S1の総質量に対して、0.0001質量%以上2質量%以下、0.001質量%以上0.02質量%以下、0.003質量%以上0.016質量%以下、0.004質量%以上0.01質量%以下等が挙げられるが、これらに限定されない。
研磨用組成物S2における砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子の濃度は、特に制限されないが、研磨用組成物S2の総質量に対して、好ましくは0.0001質量%以上であり、より好ましくは0.001質量%以上であり、さらに好ましくは0.002質量%以上であり、特に好ましくは0.003質量%以上である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。この理由は、研磨段2における洗浄効果、すなわち、砥粒や水溶性高分子の低減効果がより向上するからであると推測される。また、研磨用組成物S2における砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子の濃度は、特に制限されないが、研磨用組成物S2の総質量に対して、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以下であり、さらに好ましくは0.008質量%以下である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。この理由は、研磨段2の後に残存する砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子がより少なくなるからであると推測される。また、研磨用組成物S2における砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子の濃度は、研磨用組成物S2の総質量に対して、例えば、0.005質量%以下とすることができる。好ましい研磨用組成物S2における砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子の濃度の例としては、研磨用組成物S2の総質量に対して、0.0001質量%以上1質量%以下、0.001質量%以上0.01質量%以下、0.002質量%以上0.008質量%以下、0.003質量%以上0.005質量%以下等が挙げられるが、これらに限定されない。
研磨用組成物S2は、砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子を0.005質量%以上の含有量(濃度)で含有しない。研磨用組成物S2における砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子の濃度は、0.005質量%未満(研磨用組成物S2の総質量に対して、0.005質量%未満)であれば特に制限されない。しかしながら、研磨用組成物S2は、砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子を実質的に含有しないことが好ましく、砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子を含有しないことが最も好ましい。なお、本明細書において、研磨用組成物S2が「砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子を実質的に含有しない」とは、研磨用組成物S2の総質量に対して、砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子の濃度が0.0001質量%未満であることを表す。この場合、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。この理由は、研磨段2の後に残存する砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子がより少なくなり、また、研磨段2における砥粒や水溶性高分子の除去効果がより阻害され難くなり、研磨段2における砥粒や水溶性高分子の低減効果がより向上するからであると推測される。好ましい研磨用組成物S2における砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子の濃度の例としては、研磨用組成物S2の総質量に対して、0.0001質量%未満、砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子を含有しない等が挙げられるが、これらに限定されない。
これらのことから、研磨用組成物S2における水溶性高分子の濃度(すなわち、研磨用組成物S2における、砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子の濃度と、砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子の濃度の合計、以下同じ)は、特に制限されないが、研磨用組成物S2の総質量に対して、好ましくは0.0001質量%以上であり、より好ましくは0.001質量%以上であり、さらに好ましくは0.002質量%以上であり、特に好ましくは0.003質量%以上である。また、研磨用組成物S2における水溶性高分子の濃度は、特に制限されないが、研磨用組成物S2の総質量に対して、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以下であり、さらに好ましくは0.008質量%以下であり、特に好ましくは0.005質量%以下である。これらの場合、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。好ましい研磨用組成物S2における水溶性高分子の濃度の例としては、研磨用組成物S2の総質量に対して、0.0001質量%以上1質量%以下、0.001質量%以上0.01質量%以下、0.002質量%以上0.008質量%以下、0.003質量%以上0.005質量%以下等が挙げられるが、これらに限定されない。
よって、本発明の好ましい一実施形態において、研磨用組成物S1における水溶性高分子の濃度は、研磨用組成物S1の総質量に対して、0.0001質量%以上2質量%以下であり、研磨用組成物S2における水溶性高分子の濃度は、研磨用組成物S2の総質量に対して、0.0001質量%以上1質量%以下である。
研磨用組成物S2における水溶性高分子の濃度と、研磨用組成物S1における水溶性高分子の濃度との関係は、特に制限されないが、研磨用組成物S2における水溶性高分子の濃度は、研磨用組成物S1における水溶性高分子の濃度以下であることが好ましい。また、研磨用組成物S1における水溶性高分子の濃度に対する研磨用組成物S2における水溶性高分子の濃度の比率(研磨用組成物S2における水溶性高分子の濃度/研磨用組成物S1における水溶性高分子の濃度)は、特に制限されないが、好ましくは0.1以上1以下であり、より好ましくは0.2以上0.95以下である。これらの場合、基板の研磨面に生じる表面欠陥をより低減させることができる。また、前記比率は、例えば、0.3以上0.6以下とすることができ、例えば、0.4以上0.5以下とすることができる。
(塩基性化合物)
研磨用組成物S1および研磨用組成物S2は、それぞれ独立して、塩基性化合物をさらに含有してもよい。また、研磨用組成物S1および研磨用組成物S2は、塩基性化合物をさらに含有することがより好ましい。塩基性化合物は、基板の種類によっては、基板の研磨面に対して化学的な作用を与えて、基板を化学的に研磨する働きをする場合がある。
研磨用組成物S1および研磨用組成物S2は、それぞれ独立して、塩基性化合物をさらに含有してもよい。また、研磨用組成物S1および研磨用組成物S2は、塩基性化合物をさらに含有することがより好ましい。塩基性化合物は、基板の種類によっては、基板の研磨面に対して化学的な作用を与えて、基板を化学的に研磨する働きをする場合がある。
塩基性化合物としては、特に制限されないが、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物またはその塩、第四級アンモニウム、アンモニア、水酸化第四級アンモニウムまたはその塩、アミン等が挙げられる。
アルカリ金属の具体例としては、特に制限されないが、カリウム、ナトリウム等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、特に制限されないが、カルシウム等が挙げられる。アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩としては、特に制限されないが、例えば、これらの炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、酢酸塩等が挙げられる。アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物またはその塩の具体例としては、特に制限されないが、例えば、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、硫酸カリウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。
第四級アンモニウムの具体例としては、特に制限されないが、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。
水酸化第四級アンモニウムまたはその塩の具体例としては、特に制限されないが、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。
アミンの具体例としては、下記化学式(I)で表される構造を有する化合物、トリエチレンテトラミン、無水ピペラジン、ピペラジン六水和物、1-(2-アミノエチル)ピペラジン、N-メチルピペラジン、グアニジン、イミダゾールやトリアゾール等のアゾール類等が挙げられる。
上記化学式(I)において、R1~R3は、それぞれ独立して、水素原子、置換されたまたは非置換のアルキル基である、
ただし、R1~R3の全てが水素原子である場合は除く。
ただし、R1~R3の全てが水素原子である場合は除く。
R1~R3の各々が置換されたアルキル基である場合において、置換されたアルキル基に含まれる置換基としては、特に制限されないが、ヒドロキシ基、置換されたまたは非置換のアミノ基が好ましく、ヒドロキシ基、非置換のアミノ基がより好ましい。
R1~R3の各々が置換されたまたは非置換のアルキル基である場合において、アルキル基(置換されたアルキル基の場合、置換されていない状態のアルキル基)の炭素数は、特に制限されないが、1以上6以下が好ましく、2以上3以下がより好ましく、2が特に好ましい。
アミンの好ましい具体例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-(β-アミノエチル)エタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、無水ピペラジン、ピペラジン六水和物、1-(2-アミノエチル)ピペラジン、N-メチルピペラジン、グアニジン、イミダゾールやトリアゾール等のアゾール類等が挙げられるが、これらに限定されない。研磨用組成物S1および研磨用組成物S2に含まれるアミンは、それぞれ、これらの化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。
これらの中でも、第四級アンモニウム、アンモニア、水酸化第四級アンモニウムまたはその塩、アミンが好ましい。研磨用組成物S1に含まれる塩基性化合物としては、第四級アンモニウム、アンモニア、水酸化第四級アンモニウムまたはその塩がより好ましく、アンモアがさらに好ましい。研磨用組成物S1に含まれる塩基性化合物は、これらの化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。研磨用組成物S2に含まれる塩基性化合物としては、アンモニア、上記化学式(1)で表される構造を有する化合物がより好ましく、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-(β-アミノエチル)エタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミンがさらに好ましく、アンモニア、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミンがさらに好ましく、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミンがさらに好ましく、トリメチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミンがさらに好ましく、トリメチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミンがさらに好ましく、エチルアミン、トリエチルアミンがさらに好ましく、トリエチルアミンが特に好ましい。研磨用組成物S2に含まれる塩基性化合物は、これらの化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。
塩基性化合物は、市販品を用いても合成品を用いてもよい。また、塩基性化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
研磨用組成物S1における塩基性化合物の濃度は、特に制限されないが、研磨用組成物S1の総質量に対して、好ましくは0.0001質量%以上であり、より好ましくは0.001質量%以上であり、さらに好ましくは0.003質量%以上であり、特に好ましくは0.004質量%以上である。これらの範囲であると、研磨速度がより向上する。研磨用組成物S1における塩基性化合物の濃度は、特に制限されないが、研磨用組成物S1の総質量に対して、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以下であり、さらに好ましくは0.008質量%以下である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。好ましい研磨用組成物S1における塩基性化合物の濃度の例としては、研磨用組成物S1の総質量に対して、0.0001質量%以上1質量%以下、0.001質量%以上0.01質量%以下、0.003質量%以上0.008質量%以下、0.004質量%以上0.008質量%以下等が挙げられるが、これらに限定されない。
研磨用組成物S2における塩基性化合物の濃度は、特に制限されないが、研磨用組成物S2の総質量に対して、好ましくは0.0001質量%以上であり、より好ましくは0.0004質量%以上であり、さらに好ましくは0.0008質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.001質量%以上であり、特に好ましくは0.003質量%以上であり、さらに特に好ましくは0.004質量%以上である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。研磨用組成物S2における塩基性化合物の濃度は、特に制限されないが、研磨用組成物S2の総質量に対して、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.008質量%以下であり、特に好ましくは0.005質量%以下であり、さらに特に好ましくは0.003質量%以下である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。好ましい研磨用組成物S1における塩基性化合物の濃度の例としては、研磨用組成物S1の総質量に対して、0.0001質量%以上1質量%以下、0.0004質量%以上0.1質量%以下、0.0008質量%以上0.01質量%以下、0.0008質量%以上0.008質量%以下、0.0008質量%以上0.005質量%以下、0.0008質量%以上0.003質量%以下等が挙げられるが、これらに限定されない。
(界面活性剤)
研磨用組成物S1および研磨用組成物S2は、それぞれ独立して、界面活性剤をさらに含有してもよい。また、研磨用組成物S1および研磨用組成物S2は、界面活性剤をさらに含有することが好ましい。界面活性剤は、基板の研磨面の荒れを抑制し、表面の欠陥を低減する働きをする。特に、研磨用組成物に塩基性化合物を含有させる場合には、塩基性化合物による化学的研磨によって基板の研磨面に荒れが生じ易くなる傾向となる。このため、塩基性化合物と界面活性剤との併用は特に有効である。
研磨用組成物S1および研磨用組成物S2は、それぞれ独立して、界面活性剤をさらに含有してもよい。また、研磨用組成物S1および研磨用組成物S2は、界面活性剤をさらに含有することが好ましい。界面活性剤は、基板の研磨面の荒れを抑制し、表面の欠陥を低減する働きをする。特に、研磨用組成物に塩基性化合物を含有させる場合には、塩基性化合物による化学的研磨によって基板の研磨面に荒れが生じ易くなる傾向となる。このため、塩基性化合物と界面活性剤との併用は特に有効である。
界面活性剤としては、特に制限されないが、例えば、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、基板の研磨面に生じる表面欠陥をより低減するとの観点から、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、特に制限されないが、例えば、オキシアルキレンの単独重合体、複数の種類のオキシアルキレンの共重合体、ポリオキシアルキレン付加物等が挙げられる。なお、ポリオキシアルキレン付加物の具体例としては、特に制限されないが、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、特に制限されないが、ポリオキシエチレンプロピルエーテル、ポリオキシエチレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンペンチルエーテル、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレン-2-エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミド、ポリオキシエチレンオレイルアミド、ポリオキシエチレンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンモノオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジオレイン酸エステル、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルチミン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
これらの中でも、基板の研磨面に生じる表面欠陥をより低減するとの観点から、ポリオキシアルキレン付加物等が好ましく、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルがより好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテルがさらに好ましく、ポリオキシエチレンデシルエーテルが特に好ましい。
界面活性剤の分子量は、特に制限されないが、好ましくは、1,000未満であり、より好ましくは500未満であり、さらに好ましくは400未満である。界面活性剤の分子量は、化学式から算出される分子量が採用されることが好ましい。
界面活性剤は、市販品を用いても合成品を用いてもよい。また、界面活性剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
研磨用組成物S1および研磨用組成物S2に含まれる界面活性剤は、それぞれ、ノニオン性界面活性剤を含むことが好ましい。また、研磨用組成物S1および研磨用組成物S2に含まれるノニオン界面活性剤としては、それぞれ、上記で挙げた化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
研磨用組成物S1における界面活性剤の濃度は、特に制限されないが、研磨用組成物S1の総質量に対して、好ましくは0.0001質量%以上であり、より好ましくは0.0002質量%以上であり、さらに好ましくは0.0004質量%以上である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。また、研磨用組成物S1における界面活性剤の濃度は、研磨用組成物S1の総質量に対して、例えば、0.0006質量%以上とすることができる。また、研磨用組成物S1における界面活性剤の濃度は、特に制限されないが、研磨用組成物S1の総質量に対して、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以下であり、さらに好ましくは0.001質量%以下であり、特に好ましくは0.0008質量%以下である。これらの範囲であると、研磨速度がより向上する。好ましい研磨用組成物S1における界面活性剤の濃度の例としては、研磨用組成物S1の総質量に対して、0.0001質量%以上1質量%以下、0.0002質量%以上0.01質量%以下、0.0004質量%以上0.001質量%以下、0.0004質量%以上0.0008質量%以下等が挙げられるが、これらに限定されない。
研磨用組成物S2における界面活性剤の濃度は、特に制限されないが、研磨用組成物S2の総質量に対して、好ましくは0.0001質量%以上であり、より好ましくは0.0002質量%以上であり、さらに好ましくは0.0004質量%以上である。これらの範囲であると、基板の研磨面に生じる表面欠陥がより低減する。また、研磨用組成物S2における界面活性剤の濃度は、研磨用組成物S2の総質量に対して、例えば、0.0006質量%以上とすることができる。また、研磨用組成物S2における界面活性剤の濃度は、特に制限されないが、研磨用組成物S2の総質量に対して、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以下であり、さらに好ましくは0.001質量%以下であり、特に好ましくは0.0008質量%以下である。これらの範囲であると、研磨速度がより向上する。好ましい研磨用組成物S2における界面活性剤の濃度の例としては、研磨用組成物S2の総質量に対して、0.0001質量%以上1質量%以下、0.0002質量%以上0.01質量%以下、0.0004質量%以上0.001質量%以下、0.0006質量%以上0.0008質量%以下等が挙げられるが、これらに限定されない。
(分散媒)
研磨用組成物S1および研磨用組成物S2は、分散媒として水を含有する。分散媒は、各成分を分散または溶解させる働きをする。
研磨用組成物S1および研磨用組成物S2は、分散媒として水を含有する。分散媒は、各成分を分散または溶解させる働きをする。
分散媒中の水の含有量は、特に制限されないが、分散媒の総質量に対して50質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、水のみであることがさらに好ましい。水としては、研磨対象物の汚染や他の成分の作用を阻害することを防止するという観点から、不純物をできる限り含有しない水が好ましい。例えば、遷移金属イオンの合計含有量が100質量ppb以下である水が好ましい。ここで、水の純度は、例えば、イオン交換樹脂を用いる不純物イオンの除去、フィルタによる異物の除去、蒸留等の操作によって高めることができる。具体的には、水としては、例えば、脱イオン水(イオン交換水)、純水、超純水、蒸留水などを用いることが好ましい。
研磨用組成物S1および研磨用組成物S2は、各成分の分散性または溶解性を向上させることができる場合、それぞれ、分散媒として、水に加えて有機溶媒をさらに含有していてもよい。有機溶媒としては、特に制限されず公知の有機溶媒を用いることができる。また、有機溶媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(他の成分)
研磨用組成物S1および研磨用組成物S2は、それぞれ独立して、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記挙げた成分以外の、他の成分をさらに含有していてもよい。他の成分としては、特に制限されず、研磨用組成物やリンス研磨用組成物に使用されうる公知の成分が挙げられる。具体例としては、特に制限されないが、酸、キレート剤、防腐剤、防カビ剤、溶存ガス、還元剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
研磨用組成物S1および研磨用組成物S2は、それぞれ独立して、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記挙げた成分以外の、他の成分をさらに含有していてもよい。他の成分としては、特に制限されず、研磨用組成物やリンス研磨用組成物に使用されうる公知の成分が挙げられる。具体例としては、特に制限されないが、酸、キレート剤、防腐剤、防カビ剤、溶存ガス、還元剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(研磨用組成物の製造方法)
研磨用組成物S1の製造方法は、砥粒1、砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子、水および必要に応じて添加されるこれら以外の成分を混合することを含むものであれば、特に制限されない。また、研磨用組成物S2の製造方法は、砥粒2、砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子、水および必要に応じて添加されるこれら以外の成分を混合することを含むものであれば、特に制限されない。
研磨用組成物S1の製造方法は、砥粒1、砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子、水および必要に応じて添加されるこれら以外の成分を混合することを含むものであれば、特に制限されない。また、研磨用組成物S2の製造方法は、砥粒2、砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子、水および必要に応じて添加されるこれら以外の成分を混合することを含むものであれば、特に制限されない。
各成分を混合する際の混合方法は特に制限されず、公知の方法を適宜用いることができる。また混合温度は特に制限されないが、一般的には10℃以上40℃以下が好ましく、溶解速度を上げるために加熱してもよい。また、混合時間も特に制限されない。
[研磨対象物]
本発明の一実施形態に係る研磨方法において、研磨対象物である基板としては、特に制限されないが、好ましくは半導体基板である。これより、本発明のその他の一態様は、上記の研磨方法で基板を研磨することを含む、半導体基板の製造方法に関するとも言える。基板としては、例えば、単一層から構成される基板や、研磨対象となる層と、他の層(例えば、支持層や他の機能層)とを含む基板等が挙げられる。
本発明の一実施形態に係る研磨方法において、研磨対象物である基板としては、特に制限されないが、好ましくは半導体基板である。これより、本発明のその他の一態様は、上記の研磨方法で基板を研磨することを含む、半導体基板の製造方法に関するとも言える。基板としては、例えば、単一層から構成される基板や、研磨対象となる層と、他の層(例えば、支持層や他の機能層)とを含む基板等が挙げられる。
本発明の一実施形態に係る研磨方法において、研磨対象物である基板は、特に制限されないが、ケイ素-ケイ素結合を有する材料を含むことが好ましい。ケイ素-ケイ素結合を有する材料としては、特に制限されないが、例えば、ポリシリコン、アモルファスシリコン、単結晶シリコン、n型ドープ単結晶シリコン、p型ドープ単結晶シリコン、SiGe等のSi系合金等が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果をより顕著に得ることができるとの観点から、単結晶シリコン、n型ドープ単結晶シリコンまたはp型ドープ単結晶シリコンであることが好ましく、p型ドープ単結晶シリコンであることがより好ましい。これらケイ素-ケイ素結合を有する材料は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
これらのことから、基板は、シリコン基板(シリコンウェーハ)であることが好ましい。
<研磨用組成物セット>
本発明の他の一態様は、
基板の研磨方法に使用される研磨用組成物セットであって、
前記研磨方法は、研磨工程を含み、
前記研磨工程は、前記基板と、研磨定盤に取り付けられた研磨パッドとの接触面に研磨用組成物を供給しながら、前記研磨定盤を回転させることによって前記基板を研磨する、2以上の研磨段を含み、
前記2以上の研磨段は、
研磨定盤上で研磨する研磨段1と、
前記研磨段1の後、前記研磨段1と同一の研磨定盤上で研磨する研磨段2と、を含み、
前記研磨用組成物セットは、
砥粒1と、水と、下記(1)~(4)の手順によって算出される砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子とを含有する、前記研磨段1で用いられる研磨用組成物S1と、
砥粒2と、水と、前記砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子とを含有し、かつ、前記砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子を0.005質量%以上の含有量で含有しない(すなわち、研磨用組成物S2における前記砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子の濃度が、研磨用組成物S2の総質量に対して、0.005質量%未満である)、前記研磨段2で用いられる研磨用組成物S2と、
を含む、研磨用組成物セットに関する:
(1)平均一次粒子径25nm、平均二次粒子径50nmであるコロイダルシリカを0.08質量%、測定対象の水溶性高分子を0.004質量%およびアンモニアを0.005質量%の濃度で含み、残部が水からなる試験液Lを用意する、
(2)前記試験液Lの全有機炭素濃度(TOC値)を測定し、得られたTOC値を前記試験液Lに含まれる前記測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W0[質量ppm]とする、
(3)前記試験液Lに対して26000rpmで遠心分離処理を30分間行うことにより、沈降物と、上澄み液とに分離したあとに、前記上澄み液のTOC値を測定し、得られたTOC値を前記上澄み液に含まれる前記測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W1[質量ppm]とする、
(4)下記式により前記測定対象の水溶性高分子の吸着比を算出し、この値を砥粒吸着パラメータとする。
本発明の他の一態様は、
基板の研磨方法に使用される研磨用組成物セットであって、
前記研磨方法は、研磨工程を含み、
前記研磨工程は、前記基板と、研磨定盤に取り付けられた研磨パッドとの接触面に研磨用組成物を供給しながら、前記研磨定盤を回転させることによって前記基板を研磨する、2以上の研磨段を含み、
前記2以上の研磨段は、
研磨定盤上で研磨する研磨段1と、
前記研磨段1の後、前記研磨段1と同一の研磨定盤上で研磨する研磨段2と、を含み、
前記研磨用組成物セットは、
砥粒1と、水と、下記(1)~(4)の手順によって算出される砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子とを含有する、前記研磨段1で用いられる研磨用組成物S1と、
砥粒2と、水と、前記砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子とを含有し、かつ、前記砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子を0.005質量%以上の含有量で含有しない(すなわち、研磨用組成物S2における前記砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子の濃度が、研磨用組成物S2の総質量に対して、0.005質量%未満である)、前記研磨段2で用いられる研磨用組成物S2と、
を含む、研磨用組成物セットに関する:
(1)平均一次粒子径25nm、平均二次粒子径50nmであるコロイダルシリカを0.08質量%、測定対象の水溶性高分子を0.004質量%およびアンモニアを0.005質量%の濃度で含み、残部が水からなる試験液Lを用意する、
(2)前記試験液Lの全有機炭素濃度(TOC値)を測定し、得られたTOC値を前記試験液Lに含まれる前記測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W0[質量ppm]とする、
(3)前記試験液Lに対して26000rpmで遠心分離処理を30分間行うことにより、沈降物と、上澄み液とに分離したあとに、前記上澄み液のTOC値を測定し、得られたTOC値を前記上澄み液に含まれる前記測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W1[質量ppm]とする、
(4)下記式により前記測定対象の水溶性高分子の吸着比を算出し、この値を砥粒吸着パラメータとする。
本態様によれば、研磨後の基板の表面欠陥を低減しうる手段の提供が可能となる。
なお、研磨方法の詳細は、上記で説明した通りである。研磨工程、その他の工程、研磨用組成物S1および研磨用組成物S2、ならびに研磨対象物等の詳細もまた、上記で説明した通りである。
研磨用組成物S1は仕上げ研磨用組成物であり、研磨用組成物S2はリンス研磨用組成物であることが好ましい。
研磨用組成物セットは、研磨用組成物S1および研磨用組成物S2に加えて、必要に応じて1または2以上の他の研磨用組成物をさらに含んでいてもよい。この際、研磨用組成物S1は仕上げ研磨用組成物であり、研磨用組成物S2はリンス研磨用組成物であり、他の研磨用組成物は、前研磨用組成物または仕上げ研磨用組成物であることが好ましい。また、研磨用組成物S1は仕上げ研磨用組成物であり、研磨用組成物S2はリンス研磨用組成物であり、他の研磨用組成物は、前研磨用組成物であることがより好ましい。
また、研磨用組成物セットに含まれる各研磨用組成物は、濃縮された形態であってもよい。濃縮された形態とは、研磨用組成物の濃縮液の形態であり、研磨用組成物の原液としても把握されうる。濃縮倍率は特に限定されず、例えば、体積換算で2倍以上100倍以下程度とすることができ、通常は5倍以上50倍以下程度、例えば10倍以上40倍以下程度が適当である。このような濃縮液は、所望のタイミングで希釈して研磨用組成物を調製し、研磨用組成物を研磨対象物に供給する態様で使用することができる。希釈は、例えば、濃縮液に水を加えて混合することにより行うことができる。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「質量%」および「質量部」を意味する。
<研磨用組成物>
[研磨用組成物の調製]
下記表2~下記表5に示される組成となるように、以下の材料を脱イオン水(DIW)中で混合することにより、研磨用組成物をそれぞれ調製した。
[研磨用組成物の調製]
下記表2~下記表5に示される組成となるように、以下の材料を脱イオン水(DIW)中で混合することにより、研磨用組成物をそれぞれ調製した。
・砥粒
シリカA:コロイダルシリカ、BET法による平均一次粒子径35nm、動的光散乱法による平均二次粒子径70nm、
シリカB:コロイダルシリカ、BET法による平均一次粒子径25nm、動的光散乱法による平均二次粒子径50nm、
シリカC:コロイダルシリカ、BET法による平均一次粒子径15nm、動的光散乱法による平均二次粒子径35nm。
シリカA:コロイダルシリカ、BET法による平均一次粒子径35nm、動的光散乱法による平均二次粒子径70nm、
シリカB:コロイダルシリカ、BET法による平均一次粒子径25nm、動的光散乱法による平均二次粒子径50nm、
シリカC:コロイダルシリカ、BET法による平均一次粒子径15nm、動的光散乱法による平均二次粒子径35nm。
・水溶性高分子
PVA:ポリビニルアルコール(重量平均分子量:70,000、鹸化度98モル%以上)、
Ac-PVA:アセタール化ポリビニルアルコール(重量平均分子量:13,000、アセタール化の種類:ポリビニルエチラール、アセタール化度:30モル%)、
Ac-PVA(2):アセタール化ポリビニルアルコール(重量平均分子量:9,700、アセタール化の種類:ポリビニルエチラール、アセタール化度:24モル%)、
HEC:ヒドロキシエチルセルロース(重量平均分子量:250,000)、
PACMO:ポリN-アクリロイルモルホリン(重量平均分子量:350,000)。
PVA:ポリビニルアルコール(重量平均分子量:70,000、鹸化度98モル%以上)、
Ac-PVA:アセタール化ポリビニルアルコール(重量平均分子量:13,000、アセタール化の種類:ポリビニルエチラール、アセタール化度:30モル%)、
Ac-PVA(2):アセタール化ポリビニルアルコール(重量平均分子量:9,700、アセタール化の種類:ポリビニルエチラール、アセタール化度:24モル%)、
HEC:ヒドロキシエチルセルロース(重量平均分子量:250,000)、
PACMO:ポリN-アクリロイルモルホリン(重量平均分子量:350,000)。
・塩基性化合物
NH3:アンモニア水(濃度29質量%、下記表2および下記表4に記載の値はアンモニア量換算)、
トリエチルアミン、
トリメチルアミン、
ジエチルアミン、
エチルアミン、
トリエタノールアミン。
NH3:アンモニア水(濃度29質量%、下記表2および下記表4に記載の値はアンモニア量換算)、
トリエチルアミン、
トリメチルアミン、
ジエチルアミン、
エチルアミン、
トリエタノールアミン。
・界面活性剤
C10EO5:ポリオキシエチレンデシルエーテル(C10H21O(CH2CH2O)5H、分子量:378)。
C10EO5:ポリオキシエチレンデシルエーテル(C10H21O(CH2CH2O)5H、分子量:378)。
[重量平均分子量]
水溶性高分子の重量平均分子量は、GPC法を用いて以下の条件にて測定した。
水溶性高分子の重量平均分子量は、GPC法を用いて以下の条件にて測定した。
≪重量平均分子量測定条件≫
評価装置:HLC-8320GPC(東ソー株式会社)
サンプル濃度:0.1質量%
カラム:TSKgel GMPWXL
検出器:示差屈折計
溶離液:100mM 硝酸ナトリウム水溶液
流速:1mL/分
測定温度:40℃
サンプル注入量:200μL
(ポリオキシエチレン換算)。
評価装置:HLC-8320GPC(東ソー株式会社)
サンプル濃度:0.1質量%
カラム:TSKgel GMPWXL
検出器:示差屈折計
溶離液:100mM 硝酸ナトリウム水溶液
流速:1mL/分
測定温度:40℃
サンプル注入量:200μL
(ポリオキシエチレン換算)。
[砥粒吸着パラメータ]
水溶性高分子の砥粒吸着パラメータは、下記(1)~(4)の手順によって算出した。
水溶性高分子の砥粒吸着パラメータは、下記(1)~(4)の手順によって算出した。
≪吸着パラメータ評価条件≫
(1)コロイダルシリカ(扶桑化学工業株式会社製 PL-2、平均一次粒子径25nm、平均二次粒子径50nm)を0.08質量%、測定対象の水溶性高分子を0.004質量%およびアンモニアを0.005質量%の濃度で含み、残部が水からなる試験液Lを用意した、
(2)試験液Lの全有機炭素濃度(TOC値)を測定し、得られたTOC値を試験液Lに含まれる測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W0[質量ppm]とした、
(3)試験液Lに対して26000rpmで30分間、ベックマン・コールター株式会社製 Avanti HP-30Iを用いて遠心分離処理を行うことにより、沈降物と、上澄み液とに分離したあとに、上澄み液のTOC値を測定し、得られたTOC値を上澄み液に含まれる測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W1[質量ppm]とした、
(4)下記式により測定対象の水溶性高分子の吸着比を算出し、この値を砥粒吸着パラメータとした。
(1)コロイダルシリカ(扶桑化学工業株式会社製 PL-2、平均一次粒子径25nm、平均二次粒子径50nm)を0.08質量%、測定対象の水溶性高分子を0.004質量%およびアンモニアを0.005質量%の濃度で含み、残部が水からなる試験液Lを用意した、
(2)試験液Lの全有機炭素濃度(TOC値)を測定し、得られたTOC値を試験液Lに含まれる測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W0[質量ppm]とした、
(3)試験液Lに対して26000rpmで30分間、ベックマン・コールター株式会社製 Avanti HP-30Iを用いて遠心分離処理を行うことにより、沈降物と、上澄み液とに分離したあとに、上澄み液のTOC値を測定し、得られたTOC値を上澄み液に含まれる測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W1[質量ppm]とした、
(4)下記式により測定対象の水溶性高分子の吸着比を算出し、この値を砥粒吸着パラメータとした。
ここで、試験液Lに含まれる測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W0[質量ppm]、および試験液Lの遠心分離処理後の上澄み液に含まれる測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W1[質量ppm]は、株式会社島津製作所製の全有機体炭素計TOC-Lを用いて評価した。
砥粒吸着パラメータの値は、下記表2~5に示す。なお、下記表2~5では、砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子を「水溶性高分子X」とし、砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子を「水溶性高分子Y」として記載した。
<研磨方法>
下記表1に記載の各研磨段を含む研磨工程を含む研磨方法によって、シリコンウェーハの研磨を行った。実施例および比較例に係る研磨方法の、各研磨段における研磨条件を下記に示す。
下記表1に記載の各研磨段を含む研磨工程を含む研磨方法によって、シリコンウェーハの研磨を行った。実施例および比較例に係る研磨方法の、各研磨段における研磨条件を下記に示す。
また、実施例および比較例に係る各研磨方法について、仕上げ研磨段に用いる仕上げ研磨用組成物、およびリンス研磨段に用いるリンス研磨用組成物としては、それぞれ、上記で得られた研磨用組成物を用いた。研磨用組成物の組成は、下記表2~5に示す。
[前研磨段]
単結晶シリコンウェーハ(直径:300mm、p型、結晶方位<100>、COPフリー)を、下記の前研磨用組成物を用いて、下記の研磨装置の研磨定盤1上にて、下記に示す研磨条件で片面研磨した。
単結晶シリコンウェーハ(直径:300mm、p型、結晶方位<100>、COPフリー)を、下記の前研磨用組成物を用いて、下記の研磨装置の研磨定盤1上にて、下記に示す研磨条件で片面研磨した。
≪前研磨用組成物≫
前研磨用組成物:分散媒としての脱イオン水(DIW)に対して、研磨用組成物の総質量に対して、コロイダルシリカ(砥粒、BET法による平均一次粒子径35nm、動的光散乱法による平均二次粒子径70nm)を0.6質量%、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)を0.08質量%、HEC(ヒドロキシエチルセルロース、重量平均分子量120万)を0.0002質量%となるよう混合して、研磨用組成物を得た。
前研磨用組成物:分散媒としての脱イオン水(DIW)に対して、研磨用組成物の総質量に対して、コロイダルシリカ(砥粒、BET法による平均一次粒子径35nm、動的光散乱法による平均二次粒子径70nm)を0.6質量%、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)を0.08質量%、HEC(ヒドロキシエチルセルロース、重量平均分子量120万)を0.0002質量%となるよう混合して、研磨用組成物を得た。
≪前研磨段における研磨条件≫
研磨装置:株式会社岡本工作機械製作所製の枚葉研磨機、型式「PNX 332B」
研磨荷重:20kPa
定盤回転数:20rpm
テンプレート回転数:20rpm
研磨パッド:フジボウ愛媛株式会社製 製品名「FP55」
研磨用組成物の供給レート:1L/min
研磨用組成物の温度:20℃
定盤冷却水の温度:20℃。
研磨装置:株式会社岡本工作機械製作所製の枚葉研磨機、型式「PNX 332B」
研磨荷重:20kPa
定盤回転数:20rpm
テンプレート回転数:20rpm
研磨パッド:フジボウ愛媛株式会社製 製品名「FP55」
研磨用組成物の供給レート:1L/min
研磨用組成物の温度:20℃
定盤冷却水の温度:20℃。
[仕上げ研磨段(本発明に係る研磨段1)]
次いで、上記の前研磨段によって研磨された前記単結晶シリコンウェーハを、下記表2および下記表3に記載の仕上げ研磨用組成物を用いて、上記前研磨段と同じ研磨装置によって、上記研磨定盤1とは別の研磨定盤2上で、下記に示す研磨条件で片面研磨した。
次いで、上記の前研磨段によって研磨された前記単結晶シリコンウェーハを、下記表2および下記表3に記載の仕上げ研磨用組成物を用いて、上記前研磨段と同じ研磨装置によって、上記研磨定盤1とは別の研磨定盤2上で、下記に示す研磨条件で片面研磨した。
≪仕上げ研磨段における研磨条件≫
研磨装置:株式会社岡本工作機械製作所製の枚葉研磨機、型式「PNX 332B」
研磨荷重:20kPa
定盤回転数:52rpm
テンプレート回転数:50rpm
研磨パッド:フジボウ愛媛株式会社製 商品名「POLYPAS(登録商標)275NX」
研磨液供給レート:1.5L/min
研磨液の温度:20℃
定盤冷却水の温度:20℃。
研磨装置:株式会社岡本工作機械製作所製の枚葉研磨機、型式「PNX 332B」
研磨荷重:20kPa
定盤回転数:52rpm
テンプレート回転数:50rpm
研磨パッド:フジボウ愛媛株式会社製 商品名「POLYPAS(登録商標)275NX」
研磨液供給レート:1.5L/min
研磨液の温度:20℃
定盤冷却水の温度:20℃。
[リンス研磨段(本発明に係る研磨段2)]
そして、上記の仕上げ研磨段によって研磨された前記単結晶シリコンウェーハを、下記表4および下記表5に記載のリンス研磨用組成物を用いて、上記前研磨段、上記仕上げ研磨段と同じ研磨装置によって、上記仕上げ研磨段と同じ研磨定盤2上で、上記仕上げ研磨段における研磨条件と同様の研磨条件で片面研磨した。
そして、上記の仕上げ研磨段によって研磨された前記単結晶シリコンウェーハを、下記表4および下記表5に記載のリンス研磨用組成物を用いて、上記前研磨段、上記仕上げ研磨段と同じ研磨装置によって、上記仕上げ研磨段と同じ研磨定盤2上で、上記仕上げ研磨段における研磨条件と同様の研磨条件で片面研磨した。
[洗浄]
70℃に保持したNH4OH(29質量%):H2O2(31質量%):脱イオン水(DIW)=2:5.3:48(体積比)の洗浄液を入れた第1の洗浄槽と、25℃の超純水を入れた第2の洗浄槽を用意した。そして、上記のリンス研磨段によって研磨された前記単結晶シリコンウェーハを、第1の洗浄槽に6分浸漬し、その後超音波発信機を作動した状態で第2の洗浄槽に15分浸漬し、再び第1の洗浄槽に6分浸漬し、その後超音波発信機を作動した状態で第2の洗浄槽に16分浸漬してから乾燥させた。これにより、研磨後のシリコンウェーハを得た。
70℃に保持したNH4OH(29質量%):H2O2(31質量%):脱イオン水(DIW)=2:5.3:48(体積比)の洗浄液を入れた第1の洗浄槽と、25℃の超純水を入れた第2の洗浄槽を用意した。そして、上記のリンス研磨段によって研磨された前記単結晶シリコンウェーハを、第1の洗浄槽に6分浸漬し、その後超音波発信機を作動した状態で第2の洗浄槽に15分浸漬し、再び第1の洗浄槽に6分浸漬し、その後超音波発信機を作動した状態で第2の洗浄槽に16分浸漬してから乾燥させた。これにより、研磨後のシリコンウェーハを得た。
<評価>
[研磨後シリコンウェーハの欠陥数]
上記で得られた研磨後シリコンウェーハの欠陥数(個)を、まず、ケーエルエー・テンコール(KLA-TENCOR)株式会社製の光学検査機(ウェーハ検査装置) 「SURFSCAN SP5」を用いて、測定モード:DCモードによって評価した。この結果を、比較例2の欠陥数(個)を100%としたときの、比較例2の欠陥数に対する割合(%)として、下記表6に示す。
[研磨後シリコンウェーハの欠陥数]
上記で得られた研磨後シリコンウェーハの欠陥数(個)を、まず、ケーエルエー・テンコール(KLA-TENCOR)株式会社製の光学検査機(ウェーハ検査装置) 「SURFSCAN SP5」を用いて、測定モード:DCモードによって評価した。この結果を、比較例2の欠陥数(個)を100%としたときの、比較例2の欠陥数に対する割合(%)として、下記表6に示す。
上記表1~表6の結果より、本発明に係る実施例1~10の研磨方法で研磨された基板は、欠陥数が顕著に少ないことが確認された。一方、本発明の範囲外である比較例1~4の研磨方法で研磨された基板は、本発明に係る実施例1~10の研磨方法で研磨された基板と比較して、欠陥数が大幅に多いことが確認された。
本出願は、2021年3月26日に出願された日本特許出願番号2021-052791号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として組み入れられている。
Claims (14)
- 基板の研磨方法であって、
前記研磨方法は、研磨工程を含み、
前記研磨工程は、前記基板と、研磨定盤に取り付けられた研磨パッドとの接触面に研磨用組成物を供給しながら、前記研磨定盤を回転させることによって前記基板を研磨する、2以上の研磨段を含み、
前記2以上の研磨段は、
研磨定盤上で研磨用組成物S1を用いて研磨する研磨段1と、
前記研磨段1の後、前記研磨段1と同一の研磨定盤上で研磨用組成物S2を用いて研磨する研磨段2と、を含み、
前記研磨用組成物S1は、砥粒1と、水と、下記(1)~(4)の手順によって算出される砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子とを含有し、
前記研磨用組成物S2は、砥粒2と、水と、前記砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子とを含有し、かつ、前記砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子を0.005質量%以上の含有量で含有しない、
研磨方法:
(1)平均一次粒子径25nm、平均二次粒子径50nmであるコロイダルシリカを0.08質量%、測定対象の水溶性高分子を0.004質量%およびアンモニアを0.005質量%の濃度で含み、残部が水からなる試験液Lを用意する、
(2)前記試験液Lの全有機炭素濃度(TOC値)を測定し、得られたTOC値を前記試験液Lに含まれる前記測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W0とする、
(3)前記試験液Lに対して26000rpmで遠心分離処理を30分間行うことにより、沈降物と、上澄み液とに分離したあとに、前記上澄み液のTOC値を測定し、得られたTOC値を前記上澄み液に含まれる前記測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W1とする、
(4)下記式により前記測定対象の水溶性高分子の吸着比を算出し、この値を砥粒吸着パラメータとする。
- 前記研磨用組成物S1における前記砥粒1の濃度は、前記研磨用組成物S1の総質量に対して、0.001質量%以上3質量%以下であり、
前記研磨用組成物S2における前記砥粒2の濃度は、前記研磨用組成物S2の総質量に対して、0.001質量%以上3質量%以下である、
請求項1に記載の研磨方法。 - 前記研磨用組成物S2における前記砥粒2の濃度は、前記研磨用組成物S1における前記砥粒1の濃度以下である、請求項1または2に記載の研磨方法。
- 前記砥粒2の平均一次粒子径は、前記砥粒1の平均一次粒子径以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の研磨方法。
- 前記砥粒1および前記砥粒2は、シリカである、請求項1~4のいずれか1項に記載の研磨方法。
- 前記研磨用組成物S1における水溶性高分子の濃度は、前記研磨用組成物S1の総質量に対して、0.0001質量%以上2質量%以下であり、
前記研磨用組成物S2における水溶性高分子の濃度は、前記研磨用組成物S2の総質量に対して、0.0001質量%以上1質量%以下である、
請求項1~5のいずれか1項に記載の研磨方法。 - 前記研磨用組成物S2における水溶性高分子の濃度は、前記研磨用組成物S1における水溶性高分子の濃度以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の研磨方法。
- 前記砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子は、セルロース誘導体、分子内に窒素原子を含む部分構造を含む高分子および分子内に2以上のヒドロキシ基を含み、非置換のポリオキシアルキレン構造を含む高分子からなる群より選択される少なくとも1種の高分子であり、
前記砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子は、分子内に2以上のヒドロキシ基を含み、置換されたポリオキシアルキレン構造を含む高分子、分子内に2以上のヒドロキシ基を含み、ビニルアルコールに由来する構造単位を含む高分子および分子内にアニオン基を含む高分子からなる群より選択される少なくとも1種の高分子である、請求項1~7のいずれか1項に記載の研磨方法。 - 前記研磨用組成物S1および前記研磨用組成物S2は、塩基性化合物をさらに含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の研磨方法。
- 前記研磨用組成物S1および前記研磨用組成物S2は、界面活性剤をさらに含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の研磨方法。
- 前記研磨段2における研磨時間は、前記研磨段1における研磨時間よりも短い、請求項1~10のいずれか1項に記載の研磨方法。
- 前記基板は、シリコンウェーハである、請求項1~11のいずれか1項に記載の研磨方法。
- 請求項1~12のいずれか1項に記載の研磨方法で前記基板を研磨することを含む、半導体基板の製造方法。
- 基板の研磨方法に使用される研磨用組成物セットであって、
前記研磨方法は、研磨工程を含み、
前記研磨工程は、前記基板と、研磨定盤に取り付けられた研磨パッドとの接触面に研磨用組成物を供給しながら、前記研磨定盤を回転させることによって前記基板を研磨する、2以上の研磨段を含み、
前記2以上の研磨段は、
研磨定盤上で研磨する研磨段1と、
前記研磨段1の後、前記研磨段1と同一の研磨定盤上で研磨する研磨段2と、を含み、
前記研磨用組成物セットは、
砥粒1と、水と、下記(1)~(4)の手順によって算出される砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子とを含有する、前記研磨段1で用いられる研磨用組成物S1と、
砥粒2と、水と、前記砥粒吸着パラメータが5未満である水溶性高分子とを含有し、かつ、前記砥粒吸着パラメータが5以上である水溶性高分子を0.005質量%以上の含有量で含有しない、前記研磨段2で用いられる研磨用組成物S2と、
を含む、研磨用組成物セット:
(1)平均一次粒子径25nm、平均二次粒子径50nmであるコロイダルシリカを0.08質量%、測定対象の水溶性高分子を0.004質量%およびアンモニアを0.005質量%の濃度で含み、残部が水からなる試験液Lを用意する、
(2)前記試験液Lの全有機炭素濃度(TOC値)を測定し、得られたTOC値を前記試験液Lに含まれる前記測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W0とする、
(3)前記試験液Lに対して26000rpmで遠心分離処理を30分間行うことにより、沈降物と、上澄み液とに分離したあとに、前記上澄み液のTOC値を測定し、得られたTOC値を前記上澄み液に含まれる前記測定対象の水溶性高分子の全有機炭素濃度W1とする、
(4)下記式により前記測定対象の水溶性高分子の吸着比を算出し、この値を砥粒吸着パラメータとする。
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