JP7797289B2 - 金属張積層板の製造方法及び回路基板の製造方法 - Google Patents
金属張積層板の製造方法及び回路基板の製造方法Info
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Description
本発明の第1の観点の金属張積層板の製造方法は、前記第1の絶縁樹脂層に、前記接着層となる接着シートを接触させた状態で加熱する熱処理工程を含み、
前記熱処理工程における最高温度が、前記接着層の硬化温度以上、硬化温度+50℃以下の範囲内である。
本発明の第2の観点の金属張積層板の製造方法は、前記第1の絶縁樹脂層に、又は、前記第1の絶縁樹脂層及び前記第2の絶縁樹脂層の両方に、前記接着層となる接着シートを接触させた状態で加熱する熱処理工程を含み、
前記熱処理工程における最高温度が、前記接着層の硬化温度以上、硬化温度+50℃以下の範囲内である。
本発明の第3の観点の金属張積層板の製造方法は、前記第2の絶縁樹脂層に、前記接着層となる樹脂組成物の溶液を塗布して乾燥することによって塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、
前記塗布膜に前記第1の絶縁樹脂層を接触させた状態に積層した状態で加熱する熱処理工程を含み、
前記熱処理工程における最高温度が、前記接着層の硬化温度以上、硬化温度+50℃以下の範囲内である。
前記ポリイミドは、全ジアミン残基に対して、ダイマー酸の二つの末端カルボン酸基が1級アミノメチル基又はアミノ基に置換されてなるダイマージアミンを主成分とするダイマージアミン組成物から誘導されるジアミン残基を20モル%以上含有するものであってもよい。
前記第1の絶縁樹脂層中に含まれる酸無水物残基及びジアミン残基の繰り返し単位あたりの極性基の個数が8個未満であってもよい。
図1A、図1B及び図1Cは、本発明の第1の実施の形態に係る金属張積層板の製造方法の主要工程を示す説明図である。図1Cに示すように、本実施の形態は、金属層M1と、絶縁樹脂層R1と、接着層Bと、がこの順に積層された層構成を有する金属張積層板CAを製造する方法である。
なお、金属層M1、絶縁樹脂層R1及び接着層Bの詳細な構成については後述する。
本工程では、図1Aに示すように、絶縁樹脂層R1に、接着層Bとなる接着シートBSを貼り合わせ、絶縁樹脂層R1と接着シートBSとを接触させた状態に積層した中間積層体Sを形成する。本工程では、例えば0.1~1MPaの範囲内の圧力で仮圧着をすることが好ましい。
接着シートBSを構成する樹脂は、未硬化もしくは半硬化の状態であることが好ましい。ここで、半硬化とは、接着シートBSの引張弾性率が熱処理前よりも高く、熱処理を継続しても引張弾性率の上昇が確認できなくなる前までの状態を意味する。絶縁樹脂層R1は、予め金属層M1が積層されて第1の片面金属張積層板C1を形成したものを用いることができる。
接着シートBSは、例えば、任意の支持基材に、接着層Bとなる樹脂組成物の溶液を塗布・乾燥した後、支持基材から剥がして接着シートBSとすることによって製造できる。接着層Bとなる樹脂組成物の溶液を支持基材上に塗布する方法としては、特に制限されず、例えばコンマ、ダイ、ナイフ、リップ等のコーターにて塗布することが可能である。
本工程では、図1Bに示すように、中間積層体Sを加熱する。この熱処理によって、接着シートBSを構成する樹脂を硬化させて接着層Bを形成し、金属張積層板CAを製造できる。ここで、接着層Bの硬化温度CTBとは、接着シートBS又は塗布膜AAを構成する樹脂が硬化(架橋形成を含む)して接着層Bとなる温度であり、具体的には、後記実施例に示すように、レオメータを用いて、昇温速度5℃/min、角周波数6.28rad/sの条件で測定したときの複素粘度が極小となる温度から25%上昇した温度と定義される。なお、熱処理工程における温度制御の詳細については後述する。
また、熱処理工程は、例えば、A)中間積層体Sをロール状に巻き取り、恒温槽に入れ、所定の時間・温度にて加熱処理する方法(方法A)、B)中間積層体Sをロール・トゥ・ロール方式によって流しながら、所定の時間・温度にて加熱処理する方法(方法B)等によって実施できる。本実施の形態では、いずれの方法であってもよいが、例えばロール状に巻き取り熱処理する場合は、接着層Bと金属層M1が接着しないよう、接着層Bの表面に離型材を貼り合わせて行うことが好ましい。
第1の実施の形態の変形例として、図示は省略するが、中間積層体形成工程と熱処理工程を同時に行うことができる。すなわち、絶縁樹脂層R1に、接着層Bとなる接着シートBSを貼り合わせ、絶縁樹脂層R1と接着シートBSとを接触させた状態で所定時間かけて熱圧着する(熱圧着工程)。このように、中間積層体Sを経由せずに、積層と同時進行で熱処理を実施することによって、接着シートBSを構成する樹脂を硬化させて接着層Bを形成し、金属張積層板CAを製造することができる。この場合、熱圧着工程における熱処理条件は、上記熱処理工程と同様である。熱圧着工程における圧力は、絶縁樹脂層R1及び接着層Bの材料に応じて適宜設定できるが、例えば0.1~1MPaの範囲内が好ましく、0.1~0.5MPaの範囲内がより好ましい。
図2A、図2B及び図2Cは、本発明の第2の実施の形態に係る金属張積層板の製造方法の主要工程を示す説明図である。図2Cに示すように、本実施の形態は、金属層M1と、絶縁樹脂層R1と、接着層Bと、絶縁樹脂層R2と、金属層M2と、がこの順に積層された層構成を有する金属張積層板CBを製造する方法である。
なお、金属層M1,M2、絶縁樹脂層R1,R2、接着層Bの詳細な構成については後述する。
本工程では、少なくとも絶縁樹脂層R1に、接着層Bとなる接着シートBSを貼り合わせ、絶縁樹脂層R1と接着シートBSとを接触させた状態に積層した中間積層体Sを形成する。本工程では、図2Aに示すように、絶縁樹脂層R1及び絶縁樹脂層R2の両方に、接着層Bとなる接着シートBSを貼り合わせて中間積層体Sを形成することが好ましい。本工程では、例えば0.1~1MPaの範囲内の圧力で仮圧着をすることが好ましい。
ここで、接着シートBSについては、第1の実施の形態と同様のものを用いることができる。
絶縁樹脂層R1は、予め金属層M1が積層されて第1の片面金属張積層板C1を形成したものを用いることができる。絶縁樹脂層R2も、予め金属層M2が積層されて第2の片面金属張積層板C2を形成したものを用いることができる。第1の片面金属張積層板C1及び第2の片面金属張積層板C2としては、第1の実施の形態における第1の片面金属張積層板C1と同様のものを使用できる。なお、第1の片面金属張積層板C1と第2の片面金属張積層板C2の構成は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
本工程では、図2Bに示すように、中間積層体Sを加熱する。この熱処理によって、接着シートBSを構成する樹脂を硬化させて接着層Bを形成し、金属張積層板CBを製造する。なお、熱処理工程における温度制御の詳細については後述する。
なお、熱処理工程は、第1の実施の形態と同様の方法A、方法B等によって行うことができる。
第2の実施の形態の変形例として、図示は省略するが、中間積層体形成工程と熱処理工程を同時に行うことができる。すなわち、少なくとも絶縁樹脂層R1に(好ましくは、絶縁樹脂層R1及び絶縁樹脂層R2の両方に)、接着層Bとなる接着シートBSを貼り合わせ、絶縁樹脂層R1と接着シートBSとを接触させた状態で所定時間かけて熱圧着する(熱圧着工程)。このように、中間積層体Sを経由せずに、積層と同時進行で熱処理を実施することによって、接着シートBSを構成する樹脂を硬化させて接着層Bを形成し、金属張積層板CBを製造することができる。この場合、熱圧着工程における熱処理条件は、上記熱処理工程と同様である。熱圧着工程における圧力は、絶縁樹脂層R1,R2及び接着層Bの材料に応じて適宜設定できるが、例えば0.1~1MPaの範囲内が好ましく、0.1~0.5MPaの範囲内がより好ましい。
図3A、図3B、図3C及び図3Dは、本発明の第3の実施の形態に係る金属張積層板の製造方法の主要工程を示す説明図である。図3Dに示すように、本実施の形態は、金属層M1と、絶縁樹脂層R1と、接着層Bと、絶縁樹脂層R2と、金属層M2と、がこの順に積層された層構成を有する金属張積層板CBを製造する方法である。
なお、金属層M1、金属層M2、絶縁樹脂層R1、絶縁樹脂層R2、接着層Bの詳細な構成については後述する。
本工程では、図3Aに示すように、絶縁樹脂層R2に、樹脂組成物の溶液を塗布して乾燥することによって接着層Bとなる塗布膜AAを形成する。樹脂組成物の溶液としては、例えば接着層Bを構成する樹脂の溶液やその前駆体の溶液を用いることができる。接着層Bとなる樹脂組成物の溶液を絶縁樹脂層R2上に塗布する方法としては、特に制限されず、例えばコンマ、ダイ、ナイフ、リップ等のコーターにて塗布することが可能である。
絶縁樹脂層R2は、予め金属層M2が積層されて第2の片面金属張積層板C2を形成したものを用いることができる。なお、片面金属張積層板C2の形成方法は第2の実施の形態と同様である。
本工程では、図3Bに示すように、絶縁樹脂層R1を塗布膜AAに貼り合わせて、絶縁樹脂層R1と塗布膜AAを接触させた状態に積層した中間積層体Sを形成する。本工程では、例えば0.1~1MPaの範囲内の圧力で仮圧着をすることが好ましい。
塗布膜AAを構成する樹脂は、未硬化もしくは半硬化の状態であることが好ましい。ここで、半硬化とは、塗布膜AAの引張弾性率が熱処理前よりも高く、熱処理を継続しても引張弾性率の上昇が確認できなくなる前までの状態を意味する。
絶縁樹脂層R1は、予め金属層M1が積層されて第1の片面金属張積層板C1を形成したものを用いることができる。
なお、第1の片面金属張積層板C1の形成方法は第1及び第2の実施の形態と同様である。
本工程では、図3Cに示すように、中間積層体Sを加熱する。この熱処理によって、塗布膜AAを構成する樹脂を硬化させて接着層Bとし、金属張積層板CBが製造される。なお、熱処理工程における温度制御の詳細については後述する。
なお、ロール・トゥ・ロール方式で実施する場合、熱処理工程は、第1の実施の形態と同様の方法A、方法B等によって行うことができる。
第3の実施の形態の変形例として、図示は省略するが、中間積層体形成工程と熱処理工程を同時に行うことができる。すなわち、絶縁樹脂層R1に接着層Bとなる塗布膜AAを貼り合わせ、絶縁樹脂層R1と塗布膜AAとを接触させた状態で所定時間かけて熱圧着する(熱圧着工程)。このように、中間積層体Sを経由せずに、積層と同時進行で熱処理を実施することによって、塗布膜AAを構成する樹脂を硬化させて接着層Bを形成し、金属張積層板CBを製造することができる。この場合、熱圧着工程における熱処理条件は、上記熱処理工程と同様である。熱圧着工程における圧力は、絶縁樹脂層R1及び塗布膜AA(接着層B)の材料に応じて適宜設定できるが、例えば0.1~1MPaの範囲内が好ましく、0.1~0.5MPaの範囲内がより好ましい。
第1~第3の実施の形態において、熱処理工程の最高温度Tmaxは、接着層Bの硬化温度以上、硬化温度+50℃以下の範囲内とする。このような範囲内での熱処理であれば、第1の絶縁樹脂層(又は第2の絶縁樹脂層)への過剰な熱処理を抑制できるので、誘電正接の悪化や熱分解を防止することができる。
第1~第3の実施の形態において、熱処理工程では、ある時点t0において、熱処理温度Tから接着層Bの接着温度TBを減算した差分T1[単位;℃]を、熱処理工程の総工程時間tA[単位;時間]で積分した値Xが、50以上、好ましくは100以上となるように制御する。この条件を満たす熱処理温度・時間であれば、層間の密着性が十分に発現する。値Xが50未満である場合は、熱処理温度または、熱処理時間が短いために、分子拡散による界面形成が不十分となり、層間の密着性が低くなる。一方、値Xが大きすぎると接着層Bの分解や絶縁樹脂層R1の誘電特性を低下させることがあるため、値Xの上限は20000が好ましく、10000がより好ましい。
ここで、接着温度とは、接着層Bの動的粘弾性測定によって得られる損失弾性率-温度曲線において、ガラス転移温度を超える温度であって、該曲線の接線の傾きが最初に-7kPa/℃となる温度を起点とする高温側の温度領域で該起点となる温度から22%上昇した温度を意味する。本願発明者らは、接着層Bのガラス転移温度を超える温度で、損失弾性率の減少率が最も低くなる温度、すなわち損失弾性率-温度曲線の接線の傾きが最初に-7kPa/℃となる温度に着目し、接着強度と値Xとの相関関係の知見をもとに、最初に-7kPa/℃となる温度を起点とする高温側の温度領域で該起点となる温度から22%上昇した温度を接着温度と定義した。
a)i番目の熱処理温度と接着層Bの接着温度TBとの差分T1iと、
b)i番目の熱処理時間tiと、
の積を、回数分合算した合計値X1は50以上であり、100以上であることが好ましい。合計値X1が50未満である場合は、熱処理温度または熱処理時間が短いために、分子拡散による界面形成が不十分となり、層間の密着性が低くなる。
なお、合計値X1の上限は、値Xと同様である。
熱処理温度を接着層Bの接着温度TB以上とし、熱処理時間が接着層Bの硬化に要する時間よりも長時間とすることで、絶縁樹脂層R1(好ましくは絶縁樹脂層R1,R2の両方)への接着層Bからの分子拡散が促進され、層境界を超えて分子鎖の絡み合いが生じるため、絶縁樹脂層R1(好ましくは絶縁樹脂層R1,R2の両方)と接着層Bとの層間の密着性向上に寄与する。すなわち、接着層Bの動的粘弾性測定によって得られる損失弾性率-温度曲線において、ガラス転移温度を超える温度であって、該曲線の接線の傾きが最初に-7kPa/℃となる温度を起点とする高温側の温度領域で該起点となる温度から22%上昇した温度を超えると、接着層Bを構成する樹脂の分子鎖運動がより活発になり、絶縁樹脂層R1を構成する樹脂の分子鎖との絡み合いが生じやすくなると考えられる。
以上のようにして製造される金属張積層板CA,CBの構成について説明する。
金属層M1及び金属層M2の材質としては、特に制限はないが、例えば、銅、ステンレス、鉄、ニッケル、ベリリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム、銀、金、スズ、ジルコニウム、タンタル、チタン、鉛、マグネシウム、マンガン及びこれらの合金等が挙げられる。この中でも、特に銅又は銅合金が好ましい。なお、後述する本実施の形態の回路基板における配線層の材質も金属層M1及び金属層M2と同様である。
絶縁樹脂層R1及び絶縁樹脂層R2としては、電気的絶縁性を有する樹脂により構成されるものであれば特に限定はなく、例えばポリイミド、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン、ETFEなどを挙げることができるが、ポリイミドによって構成されることが好ましい。なお、本発明でポリイミドという場合、ポリイミドの他、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリシロキサンイミド、ポリベンズイミダゾールイミドなど、分子構造中にイミド基を有するポリマーからなる樹脂を意味する。
絶縁樹脂層R1及び絶縁樹脂層R2としては、耐熱性、寸法安定性、耐薬品性の観点からポリイミドが好適である。また、金属層との接着性の観点から金属層と非熱可塑ポリイミドフィルムの間に熱可塑性ポリイミド備えた構成が好ましい。「熱可塑性ポリイミド」とは、一般にガラス転移温度(Tg)が明確に確認できるポリイミドのことであるが、本発明では、DMAを用いて測定した、30℃における貯蔵弾性率が1.0×108Pa以上であり、300℃における貯蔵弾性率が3.0×107Pa未満であるポリイミドをいう。また、非熱可塑性ポリイミドと接着層Bの間には熱可塑性ポリイミドは有っても無くても良い。
非熱可塑性ポリイミド層を構成する非熱可塑性ポリイミドは、テトラカルボン酸残基及びジアミン残基を含むものである。なお、本発明において、テトラカルボン酸残基とは、テトラカルボン酸二無水物から誘導された4価の基のことを表し、ジアミン残基とは、ジアミン化合物から誘導された2価の基のことを表す。ポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸二無水物から誘導される芳香族テトラカルボン酸残基及び芳香族ジアミンから誘導される芳香族ジアミン残基を含むことが好ましい。
非熱可塑性ポリイミドは、テトラカルボン酸残基として、3,3’、4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)及びピロメリット酸二無水物(PMDA)から誘導されるテトラカルボン酸残基を含有することが好ましい。BPDAから誘導されるテトラカルボン酸残基はポリマーの秩序構造を形成しやすく、分子の運動抑制により誘電正接や吸湿性を低下させることができる。また、PMDAから誘導されるテトラカルボン酸残基は平面性が高く、剛直であるため、ポリイミドのCTEを低下させ、ガラス転移点(Tg)を向上させることができる。
非熱可塑性ポリイミドに含まれるジアミン残基としては、一般式(1)で表されるジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が好ましい。
熱可塑性ポリイミドは、テトラカルボン酸残基及びジアミン残基を含むものであり、芳香族テトラカルボン酸二無水物から誘導される芳香族テトラカルボン酸残基及び芳香族ジアミンから誘導される芳香族ジアミン残基を含むことが好ましい。
熱可塑性ポリイミドに用いるテトラカルボン酸残基としては、上記非熱可塑性ポリイミドにおけるテトラカルボン酸残基として例示したものと同様のものを用いることができる。
熱可塑性ポリイミドに含まれるジアミン残基としては、一般式(B1)~(B7)で表されるジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が好ましい。
絶縁樹脂層R1及び絶縁樹脂層R2としてはポリイミドが好適であるが、誘電損失を低減するためには、ポリイミド分子鎖中の極性基がなるべく少ない方が好ましい。本発明は、このような極性基が少ない誘電特性に優れたポリイミドとの密着性を向上させるのに有効である。具体的には、接着層Bに接する絶縁樹脂層R1及び絶縁樹脂層R2としては、ポリイミドの酸無水物残基及びジアミン残基の繰り返し単位あたりの極性基の個数が8個未満であるポリイミドに対して好適に作用する。ここで、「酸無水物残基及びジアミン残基の繰り返し単位当たり」とは、ポリイミド鎖中でイミド結合によって連結されている酸無水物残基及びジアミン残基を1単位とする意味であり、酸無水物残基の種類とジアミン残基の種類の組み合わせは問わない。また、極性基個数の計算方法としては、下記数式(2)によって算出される。
[ここで、ジアミン残基のモル比率の合計+酸無水物残基のモル比率の合計は2とし、極性基個数は-X(ここで、Xはハロゲン原子)、-OH、-SH、-O-、-S-、-SO-、-NH-、-CO-、-CN、-P=O、-PO-はそれぞれを1個、-SO2-、-CONH-はそれぞれを2個、-SO3H、-(CO)2N-(イミド基)はそれぞれを3個、として計算する。]
接着層Bは、熱によって硬化する性質を有する熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂によって構成される。ここで、熱可塑性樹脂である場合は、例えば熱によって架橋を形成する場合も硬化に含むものとする。好ましい熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、スチレン-マレイミド共重合体、マレイミド-ビニル化合物共重合体、又は(メタ)アクリル共重合体、ベンゾオキサジン樹脂、ビスマレイミド樹脂及びシアネートエステル樹脂等の樹脂が挙げられる。
脂肪族系ポリイミドの原料となる酸二無水物成分としては、熱可塑性ポリイミドの合成に一般的に用いられるモノマーを使用できるが、例えば、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)、2,2-ビス〔4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物(BPADA)、p-フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)(TAHQ)、エチレングリコール ビスアンヒドロトリメリテート(TMEG)、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,3',3,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物などの芳香族酸二無水物が好ましく、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)がより好ましい。脂肪族系ポリイミドは、全酸二無水物残基に対して、上記芳香族酸二無水物の一種以上から誘導される酸二無水物残基を合計で40~100モル%の範囲内で含有することが好ましく、60~100モル%の範囲内で含有することがより好ましい。
すなわち、脂肪族系ポリイミドは、全ジアミン残基に対して、ダイマージアミン組成物から誘導されるジアミン残基を好ましくは20モル%以上、より好ましくは50モル%以上、最も好ましくは70~100モル%の範囲内で含有することがよい。ダイマージアミン組成物から誘導されるジアミン残基を上記の量で含有することによって、接着層Bのガラス転移温度TgBの低温化(低Tg化)による熱圧着特性の改善、さらに低弾性率化による内部応力の緩和を図るとともに接着層Bの誘電特性を改善することができる。全ジアミン残基に対して、ダイマージアミン組成物から誘導されるジアミン残基の含有量が20モル%未満であると、高周波伝送時の伝送損失が大きくなったり、絶縁樹脂層R1との間で十分な接着性が得られなくなったりすることがある。
(a)ダイマージアミン
(b)炭素数10~40の範囲内にある一塩基酸化合物の末端カルボン酸基を1級アミノメチル基又はアミノ基に置換して得られるモノアミン化合物
(c)炭素数41~80の範囲内にある炭化水素基を有する多塩基酸化合物の末端カルボン酸基を1級アミノメチル基又はアミノ基に置換して得られるアミン化合物(但し、前記ダイマージアミンを除く)
また、ダイマージアミン組成物は、GPC測定によって得られるクロマトグラムの面積パーセントで、(b)成分及び(c)成分の合計が4%以下、好ましくは4%未満がよい。また、(b)成分のクロマトグラムの面積パーセントは、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下、更に好ましくは1%以下がよく、(c)成分のクロマトグラムの面積パーセントは、好ましくは2%以下、より好ましくは1.8%以下、更に好ましくは1.5%以下がよい。このような範囲にすることで、ポリイミドの分子量の急激な増加を抑制することができ、更に樹脂フィルムの広域の周波数での誘電正接の上昇を抑えることができる。なお、(b)成分及び(c)成分は、ダイマージアミン組成物中に含まれていなくてもよい。
接着層Bを構成する熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂は、高熱膨張性であるが低弾性であり、ガラス転移温度が低いため、CTEが30ppm/Kを超えても、積層時に発生する内部応力を緩和することができる。従って、接着層BのCTEは、好ましくは35ppm/K以上、より好ましくは35ppm/K以上200ppm/K以下の範囲内、更に好ましくは35ppm/K以上150ppm/K以下の範囲内である。使用する原料の組合せ、厚み、乾燥・硬化条件を適宜変更することで所望のCTEを有する接着層Bとすることができる。
接着層Bは、例えば回路基板に適用する場合において、誘電損失の悪化を抑制するために、10GHzにおける誘電正接(Tanδ)が、好ましくは0.004以下、より好ましくは0.003以下、更に好ましくは0.002以下がよい。接着層Bの10GHzにおける誘電正接が0.004を超えると、回路基板に適用した際に、高周波信号の伝送経路上で電気信号のロスなどの不都合が生じやすくなる。一方、接着層Bの10GHzにおける誘電正接の下限値は特に制限されない。
接着層Bは、例えば回路基板に適用する場合において、インピーダンス整合性を確保するために、10GHzにおける比誘電率(ε)が4.0以下であることが好ましい。接着層Bの10GHzにおける比誘電率が4.0を超えると、回路基板に適用した際に、接着層Bの誘電損失の悪化に繋がり、高周波信号の伝送経路上で電気信号のロスなどの不都合が生じやすくなる。
接着層Bは、必要に応じて、フィラーを含有してもよい。フィラーとしては、例えば二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、有機ホスフィン酸の金属塩等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。
金属張積層板CA,CBにおいて、接着層Bの厚みTT1は、例えば50~450μmの範囲内にあることが好ましく、50~250μmの範囲内がより好ましい。接着層Bの厚みTT1が上記下限値に満たないと、高周波基板として伝送損失が大きくなることがある。一方、接着層Bの厚みが上記上限値を超えると、寸法安定性が低下するなどの不具合が生じることがある。
また、合計厚みTT3に対する接着層Bの厚みTT1の比率(TT1/TT3)は、例えば0.5~0.8の範囲内であることが好ましく、0.5~0.7の範囲内であることがより好ましい。比率(TT1/TT3)が0.5未満では、TT3を70μm以上とすることが困難となり、0.8を超えると寸法安定性が低下するなどの不具合が生じる。
金属張積層板CA,CBにおいて、少なくとも、絶縁樹脂層R1と接着層Bとの層間の密着性、すなわち、ピール強度は0.7kN/m以上であることが好ましく、1.0kN/m以上であることがより好ましい。ピール強度は、後記実施例に示す方法、条件で測定できる。この場合のピール強度が0.7kN/m未満であると、穴あけ加工や裁断加工等の回路加工時の層間剥離を生じやすくなり、回路基板の加工歩留まりと信頼性の悪化に繋がる。ここで、絶縁樹脂層R1と接着層Bとの層間の密着性を重視するのは、これらの境界が貼り合わせによる界面であるため、樹脂組成物の溶液塗布によって形成されたキャスト側の界面(例えば、第3の実施の形態における絶縁樹脂層R1と接着層Bとの界面)に比べて、ピール強度が発現し難いためである。なお、第3の実施の形態において、絶縁樹脂層R1と接着層Bとの層間だけでなく、絶縁樹脂層R2と接着層Bの層間のピール強度も0.7kN/m以上であることが好ましく、1.0kN/m以上であることがより好ましい。また、第2の実施の形態のように、絶縁樹脂層R1と接着層Bとの層間、及び、絶縁樹脂層R2と接着層Bとの層間の両方が貼り合わせによる界面である場合にも、それぞれの層間のピール強度が0.7kN/m以上であることが好ましく、1.0kN/m以上であることがより好ましい。
以上のようにして得られる本実施の形態の金属張積層板CA,CBは、金属層M1及び/又は金属層M2をエッチングするなどして配線回路加工することによって、片面FPC又は両面FPCなどの回路基板を製造することができる。
樹脂の粘度はE型粘度計(ブルックフィールド社製、商品名;DV-II+Pro)を用いて、25℃における粘度を測定した。トルクが10%~90%になるよう回転数を設定し、測定を開始してから2分経過後、粘度が安定した時の値を読み取った。
ガラス転移温度は、硬化が完了した5mm×20mmのサイズのフィルムを、動的粘弾性測定装置(DMA:ユー・ビー・エム社製、商品名;E4000F)を用いて、昇温速度4℃/分で30℃から400℃まで段階的に加熱し、周波数11Hzで測定を行い、測定中のTanδの値が最大となる温度をTgとして定義した。また、接着温度は、損失弾性率-温度曲線において、ガラス転移温度を超える温度であって、該曲線の接線の傾きが最初に-7kPa/℃となる温度を起点とする高温側の温度領域で該起点となる温度から22%上昇した温度とした。
接着層を積層した金属張積層板を0.5mm幅に切り、両面テープによりアルミ板に固定して、テンシロンテスター(東洋精機製作所製、商品名;ストログラフVE-1D)を用いて、接着層と絶縁樹脂層間を剥離し、ピール強度を測定した。片面金属張積層板を180°方向に50mm/分の速度で引っ張り、10mm剥離した時の中央値強度を求めた。
接着層の硬化温度はレオメータ(アントンパール社製、商品名;MCR302)を用いて、昇温速度5℃/min、角周波数6.28rad/sの条件で測定した。複素粘度が極小となる温度から25%上昇した温度を接着層の硬化温度と定義した。
接着層の引張弾性率は東洋精機製作所製のストログラフR-1を用いて、温度23℃、相対湿度50%の環境下で下記の条件の下測定した。
試験片サイズ:長さ;160mm×幅;12.7mm
つかみ具間距離:101.6mm
引張速度:50mm/min
重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(東ソー株式会社製、商品名;HLC-8220GPC)により測定した。標準物質としてポリスチレンを用い、展開溶媒にはTHFを用いた。
BPDA:3,3',4,4'‐ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
m‐TB:2,2'‐ジメチル‐4,4'‐ジアミノビフェニル
TPE-R:1,3-ビス(4‐アミノフェノキシ)ベンゼン
ビスアニリン-M:1,3-ビス[2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル]ベンゼン
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
DMAc:N,N‐ジメチルアセトアミド
BTDA:3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
DDA:炭素数36の脂肪族ジアミン(クローダジャパン株式会社製、商品名;PRIAMINE1074、アミン価;205mgKOH/g、環状構造及び鎖状構造のダイマージアミンの混合物、ダイマー成分の含有量;95重量%以上)
N-12:ドデカン二酸ジヒドラジド
OP935:有機ホスフィン酸アルミニウム塩(クラリアントジャパン社製、商品名;Exolit OP935)
<接着層用の樹脂溶液の調製>
窒素導入管、攪拌機、熱電対、ディーンスタークトラップ、冷却管を付した500mLの4ッ口フラスコに、44.92gのBTDA(0.139モル)、75.08gのDDA(0.141モル)、168gのNMP及び112gのキシレンを装入し、40℃で30分間混合して、ポリアミド酸溶液を調製した。このポリアミド酸溶液を190℃に昇温し、4時間加熱、攪拌し、留出する水及びキシレンを系外に除去した。その後、100℃まで冷却し、112gのキシレンを加え撹拌し、更に30℃まで冷却することでイミド化を完結したポリイミド溶液1(固形分;29.5重量%、重量平均分子量;75,700)を調製した。
<絶縁樹脂層用のポリアミド酸溶液の調製>
69.56gのm-TB(0.328モル)、542.75gのTPE-R(1.857モル)、重合後の固形分濃度が12重量%となる量のDMAc、194.39gのPMDA(0.891モル)及び393.31gのBPDA(1.337モル)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液1(粘度;2,650cps)を調製した。ポリアミド酸溶液1を用いて作製した絶縁樹脂層中の酸無水物残基及びジアミン残基の繰り返し単位あたり極性基の個数は7.7であった。
<絶縁樹脂層用のポリアミド酸溶液の調製>
窒素気流下で、反応槽に、64.20gのm-TB(0.302モル)及び5.48gのビスアニリン-M(0.016モル)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、34.20gのPMDA(0.157モル)及び46.13gのBPDA(0.157モル)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液2(粘度;26,500cps)を調製した。ポリアミド酸溶液2を用いて作製した絶縁樹脂層中の酸無水物残基及びジアミン残基の繰り返し単位あたり極性基の個数は6.0であった。
<接着層用の接着シートの調製>
ポリイミドワニス1を乾燥後厚みが60μmとなるように離型基材(縦×横×厚さ=320mm×240mm×25μm)のシリコーン処理面に塗工した後、80℃で15分間加熱乾燥し、離型基材上から剥離することで接着シート1を調製した。接着シート1のレオメータによる硬化温度の測定では、硬化温度は160℃であり、引張弾性率は0.4GPaであった。硬化後の接着シート1の接着温度を評価したところ、158℃であり、引張弾性率は0.8GPaであった。
<片面金属張積層板1の調製>
電解銅箔(厚さ;12μm、樹脂層側の表面粗度Rz;0.6μm)の上に、ポリアミド酸溶液2を硬化後の厚みが約2~3μmとなるように均一に塗布した後、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。次にその上にポリアミド酸溶液1を硬化後の厚みが、約16μmとなるように均一に塗布し、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、その上にポリアミド酸溶液2を硬化後の厚みが約2~3μmとなるように均一に塗布した後、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、120℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結して、絶縁樹脂層としてのポリイミド層を形成し、片面金属張積層板1を調製した。
電解銅箔(厚さ;12μm、樹脂層側の表面粗度Rz;0.6μm)の上に、ポリアミド酸溶液1を硬化後の厚みが約10μmとなるように均一に塗布した後、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去し、120℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結した。次に、塩化第二鉄水溶液を用いての銅箔層をエッチング除去してポリイミドフィルムのTgを評価したところ、220℃であった。また、前記と同様にポリアミド酸溶液2から調製したポリイミドフィルムのTgを評価したところ、310℃であった。
<片面金属張積層板2の調製>
電解銅箔(厚さ;12μm、樹脂層側の表面粗度Rz;0.6μm)の上に、ポリアミド酸溶液2を硬化後の厚みが約2~3μmとなるように均一に塗布した後、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。次にその上にポリアミド酸溶液1を硬化後の厚みが、約18μmとなるように均一に塗布し、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、120℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結して、絶縁樹脂層を形成し、片面金属張積層板2を調製した。
<両面金属張積層板の調製>
ロールトゥロールプロセスにより、下記のように両面金属張積層板銅箔を調製した。片面金属張積層板1のポリイミド層の上にポリイミドワニス1を乾燥後の厚みが60μmとなるように均一に塗布し、150℃で加熱乾燥することで溶媒を除去し、接着層1を形成した。その後、接着層1の面に、別の片面金属張積層板1のポリイミド層側の面が接するよう80℃で仮圧着し、両面金属張積層板中間体1を調製した。ロール状に巻き取った両面金属張積層板中間体1を恒温槽にて160℃、48時間加熱処理をすることで両面金属張積層板1を得た。仮圧着した側の片面金属張積層板1と接着層1間のピール強度を評価したところ、0.87kN/mであった。
恒温槽の温度と加熱処理時間を表1のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、仮圧着した側の片面金属張積層板1と接着層1間のピール強度を評価した。
恒温槽の温度と加熱処理時間を表1のように段階的に変更したこと以外、実施例1と同様にして、仮圧着した側の片面金属張積層板1と接着層1間のピール強度を評価した。
片面金属張積層板1の代わりに、片面金属張積層板2を使用し、恒温槽の温度と加熱処理時間を表1のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、仮圧着した側の片面金属張積層板2と接着層1間のピール強度を評価した。
恒温槽の温度と加熱処理時間を表1のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、仮圧着した側の片面金属張積層板1と接着層1間のピール強度を評価した。
<両面金属張積層板の調製>
2枚の片面金属張積層板1を準備し、それぞれのポリイミド層側の面を接着シート1の両面に重ね合わせ、180℃で4時間、3.5MPaの圧力をかけて圧着して、両面金属張積層板を調製した。片面金属張積層板1の絶縁樹脂層と接着シート1間のピール強度を評価したところ、0.82kN/mであった。
<両面金属張積層板の調製>
2枚の片面金属張積層板1を準備し、それぞれの絶縁樹脂層側の面を接着シート1の両面に重ね合わせ、180℃で2時間、3.5MPaの圧力をかけて圧着して、両面金属張積層板を調製した。片面金属張積層板1の絶縁樹脂層と接着シート1間のピール強度を評価したところ、0.65kN/mであった。
<接着層付片面金属張積層板の調製>
片面金属張積層板1を1枚準備し、絶縁樹脂層側の面に接着シート1を重ね、180℃で4時間、3.5MPaの圧力をかけて圧着して、接着層付片面金属張積層板を調製した。片面金属張積層板1の絶縁樹脂層と接着シート1間のピール強度を評価したところ、0.84kN/mであった。
Claims (9)
- 第1の金属層と、前記第1の金属層の片側の面に積層された第1の絶縁樹脂層と、前記第1の絶縁樹脂層に積層された接着層と、を備えた金属張積層板の製造方法であって、
前記第1の絶縁樹脂層に、前記接着層となる接着シートを接触させた状態で加熱する熱処理工程を含み、
前記熱処理工程における最高温度が、前記接着層の硬化温度以上、硬化温度+50℃以下の範囲内であり、
前記熱処理工程のある時点における熱処理温度Tから前記接着層の接着温度を減算した差分[単位;℃]を前記熱処理工程の総工程時間tA[単位;h]で積分した値が50[単位;℃・h]以上であること(ここで、接着温度とは、接着層の動的粘弾性測定によって得られる損失弾性率-温度曲線において、ガラス転移温度を超える温度であって、該曲線の接線の傾きが最初に-7kPa/℃となる温度を起点とする高温側の温度領域で該起点となる温度から22%上昇した温度を意味する)を特徴とする金属張積層板の製造方法。 - 第1の金属層と、前記第1の金属層の片側の面に積層された第1の絶縁樹脂層と、前記第1の絶縁樹脂層に積層された接着層と、前記接着層に積層された第2の絶縁樹脂層と、前記第2の絶縁樹脂層に積層された第2の金属層と、を備えた金属張積層板の製造方法であって、
前記第1の絶縁樹脂層に、又は、前記第1の絶縁樹脂層及び前記第2の絶縁樹脂層の両方に、前記接着層となる接着シートを接触させた状態で加熱する熱処理工程を含み、
前記熱処理工程における最高温度が、前記接着層の硬化温度以上、硬化温度+50℃以下の範囲内であり、
前記熱処理工程のある時点における熱処理温度Tから前記接着層の接着温度を減算した差分[単位;℃]を前記熱処理工程の総工程時間tA[単位;h]で積分した値が50[単位;℃・h]以上であること(ここで、接着温度とは、接着層の動的粘弾性測定によって得られる損失弾性率-温度曲線において、ガラス転移温度を超える温度であって、該曲線の接線の傾きが最初に-7kPa/℃となる温度を起点とする高温側の温度領域で該起点となる温度から22%上昇した温度を意味する)を特徴とする金属張積層板の製造方法。 - 第1の金属層と、前記第1の金属層の片側の面に積層された第1の絶縁樹脂層と、前記第1の絶縁樹脂層に積層された接着層と、前記接着層に積層された第2の絶縁樹脂層と、前記第2の絶縁樹脂層に積層された第2の金属層と、を備えた金属張積層板の製造方法であって、
前記第2の絶縁樹脂層に、前記接着層となる樹脂組成物の溶液を塗布して乾燥することによって塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、
前記塗布膜に前記第1の絶縁樹脂層を接触させた状態に積層した状態で加熱する熱処理工程を含み、
前記熱処理工程における最高温度が、前記接着層の硬化温度以上、硬化温度+50℃以下の範囲内であり、
前記熱処理工程のある時点における熱処理温度Tから前記接着層の接着温度を減算した差分[単位;℃]を前記熱処理工程の総工程時間tA[単位;h]で積分した値が50[単位;℃・h]以上であること(ここで、接着温度とは、接着層の動的粘弾性測定によって得られる損失弾性率-温度曲線において、ガラス転移温度を超える温度であって、該曲線の接線の傾きが最初に-7kPa/℃となる温度を起点とする高温側の温度領域で該起点となる温度から22%上昇した温度を意味する)を特徴とする金属張積層板の製造方法。 - 前記熱処理工程における熱処理温度は、一定、又は、段階的に複数回変化させて行われ、熱処理温度と熱処理時間の関係が下記の数式(1)を満たすものである請求項1から3のいずれか1項に記載の金属張積層板の製造方法。
[数式(1)において、T1i[単位;℃]は、i番目の熱処理温度から前記接着層の接着温度を減算した差分であり、tiはi番目の熱処理時間[単位;h]であり、nは1以上の整数である。] - 少なくとも、前記熱処理工程をロール状に巻いた状態で行う請求項1から4のいずれか1項に記載の金属張積層板の製造方法。
- 前記金属張積層板における前記接着層と前記第1の絶縁樹脂層とのピール強度の値が0.7kN/m以上である請求項1から5のいずれか1項に記載の金属張積層板の製造方法。
- 前記接着層は、酸二無水物成分から誘導される酸二無水物残基及びジアミン成分から誘導されるジアミン残基を含有するポリイミドを含んでおり、
前記ポリイミドは、全ジアミン残基に対して、
ダイマー酸の二つの末端カルボン酸基が1級アミノメチル基又はアミノ基に置換されてなるダイマージアミンを主成分とするダイマージアミン組成物から誘導されるジアミン残基を20モル%以上含有する請求項1から6のいずれか1項に記載の金属張積層板の製造方法。 - 前記第1の絶縁樹脂層は、酸二無水物成分から誘導される酸二無水物残基及びジアミン成分から誘導されるジアミン残基を含有するポリイミドを含んでおり、
前記第1の絶縁樹脂層中に含まれる酸無水物残基及びジアミン残基の繰り返し単位あたりの極性基の個数が8個未満である請求項1から7のいずれか1項に記載の金属張積層板の製造方法。 - 請求項1から8のいずれか1項に記載の方法によって製造された金属張積層板における前記第1の金属層又は前記第2の金属層の片方又は両方を配線に加工する工程を含む回路基板の製造方法。
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