JP7799057B2 - ラジカル重合性組成物及びその重合物 - Google Patents
ラジカル重合性組成物及びその重合物Info
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Description
[1]水と非混和性のラジカル重合性化合物(A)、および、下記式(1);
[2]前記式(1)中のRが、アリル基またはメタリル基である、上記[1]に記載のラジカル重合性組成物。
[3]前記ラジカル重合性組成物は、更に陽イオンを含み、該陽イオンは、金属イオン、金属酸化物イオン、および周期表第15族の非金属元素を含む陽イオンからなる群より選ばれる1種以上の陽イオンである、上記[1]又は[2]に記載のラジカル重合性組成物。
[4]上記[1]~[3]のいずれかに記載のラジカル重合性組成物の重合物。
本発明では、アイオノマー型構造を有するイオン架橋体を得るために、水と非混和性のラジカル重合性化合物(A)を、重合骨格を形成するための主要成分として使用する。ここで「水と非混和性」に関しては、水と等質量で混合した場合に均一化できるか否かで判定する。また、「均一」とは、ラジカル重合性化合物(A)と水とを等量で混合した場合に、沈殿物が目視で観察されず、混合液が透明である状態をいう。
また、重合する温度・圧力において均一かどうかで判定すればよいが、簡易的には常温常圧で均一かどうかを判定すればよく、また混合する時の温度・圧力は常温常圧でなくともよい。ここで、判定する際の温度と圧力は、20℃、101.3kPaとであることが最も好ましい。
窒素原子が結合している炭素-炭素二重結合を有する化合物としては、例えば、N-ビニルアミド類、ビニルアミン類などが挙げられる。
芳香環が結合している炭素-炭素二重結合を有する化合物としては、例えば、芳香族ビニル類などが挙げられる。
酸素原子が結合している炭素-炭素二重結合を有する化合物としては、例えば、ビニルエステル類、ビニルエーテル類などが挙げられる。
炭素-炭素二重結合が結合し共役化している炭素-炭素二重結合を有する化合物としては、例えば、1,3-ジエン類などが挙げられる。
本開示は、かかる例示のみに限定されるものではない。
本開示のラジカル重合性組成物は、下記式(1);
従来のアイオノマーは、イオン化可能な官能基を有するホスト高分子を合成した後にイオン化(中和)することにより合成され、そのような樹脂は通常の有機溶媒に対しては難溶であり、液状組成物とすることは困難であり、また、液状化できたとしても樹脂濃度をかなり低くする必要がある。一方、ラジカル重合性の塩と低極性のラジカル重合性化合物からなる組成物をラジカル重合すればアイオノマー型構造を有する樹脂を形成できると考えられる。
また、ラジカル重合性の塩として汎用される(メタ)アクリル酸金属塩は、高ラジカル重合性であるが水や高極性の有機物にしか混和しないため、低極性のビニル化合物に均一に溶解し液状化することは困難であった。更に、多価のアクリル酸エステル類は、低極性モノマーと混合でき架橋体を形成できるものの、架橋は共有結合性であり、熱可塑性などのアイオノマーに見られるような特性を発現させることは困難であった。本発明では、上記陰イオンを用いることにより、低極性のビニル化合物とも均一溶解できて、液状の重合性組成物とすることができる。また、コーティングやプリンティングプロセス等の簡易な方法により、アイオノマー型構造の樹脂を良好に形成することができる。
上記式(1)で表される陰イオンの含有割合は、上記重合性化合物(A)100質量部に対し、好ましくは2~115質量部であり、より好ましくは3~110質量部であり、更に好ましくは10~105質量部であり、より更に好ましくは20~100質量部である。
上記2-オキシメチルアクリル酸イオン以外の陰イオンとしては、特に制限はないが、上記重合性化合物(A)や有機溶媒に対する溶解性の観点から、有機のプロトン酸の陰イオンが好ましい。そのような陰イオンをプロトン酸名で具体的に示すと例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのカルボン酸;2-エチルヘキシルアシッドホスフェート、2-メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートのような有機リン酸;ドデシルベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、p-スチレンスルホン酸のような有機スルホン酸が挙げられるが、本開示は、かかる例示のみに限定されるものではない。
すなわち、本発明のラジカル重合性組成物は、更に陽イオンを含んでいてもよく、上記陽イオンは、上記重合性塩化合物(B)を構成する陽イオンであることが好ましい。
上記式(2)で表される2-オキシメチルアクリル酸以外に使用できるプロトン酸としては、上述した有機のプロトン酸が挙げられる。
上記塩基としては、例えば、周期表第1~15族に属する金属元素の水酸化物や酸化物等の無機塩基、アンモニア、アミン、アンモニウムヒドロキシド等の周期表第15族の非金属元素を含む有機塩基が挙げられる。
上記中和は、特に限定されず、公知の方法で行うことができる。
本開示の重合性組成物は、その使用目的、用途などに応じて、上記重合性化合物(A)、上記重合性塩化合物(B)以外の他の成分を含むことができる。そのような成分としては、ラジカル重合抑制剤、ラジカル重合開始剤、溶媒、水と混和性のラジカル重合性化合物、活性水素基と熱付加反応または熱縮合反応を起こす化合物、熱可塑樹脂、有機または無機の微粒子、フィラー、染料、顔料、分散剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、表面調整剤、帯電防止剤、密着性向上剤、カップリング剤、離型剤、粘度調整剤などが挙げられるが、本開示はこれらに限定されるものではない。
貯蔵、運搬、組成物の調製や処理などの種々の操作における望ましくないラジカル重合を抑制する観点から、本開示のラジカル重合性組成物には、ラジカル連鎖防止性を有する1次酸化防止剤および/または過酸化物分解性を有する2次酸化防止剤を適量で用いてもよい。
ラジカル重合開始剤は、活性エネルギー線の照射によりラジカルを発生する光ラジカル開始剤と、加熱によりラジカルを発生する熱ラジカル開始剤とに分類でき、用途や目的に応じて選択すればよく、光ラジカル開始剤と熱ラジカル開始剤を併用してもよい。
粘度調整、塗膜の厚さの調整、樹脂を溶解する、親水成分を複合する、などの観点から、有機溶媒あるいは水が適量で含まれていてもよい。
本発明のラジカル重合性組成物には、目的や用途に応じて、水と混和性のラジカル重合性化合物が適量で含まれていてもよい。上記水と混和性のラジカル重合性化合物としては、具体的には例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸の塩、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の塩、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、モノ(メタ)アクリル酸グリセロール、(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルピロリドン、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、水と混和性で且つラジカル重合性基を有する化合物であればよい。
本発明のラジカル重合性組成物には、硬化物の耐熱性や硬度を向上させる観点から、活性水素基と熱付加反応または熱縮合反応を起こす化合物の1種または2種以上が適量で含まれていてもよい。
そのような化合物が有する官能基は、活性水素基と熱付加反応または熱縮合反応を起こす官能基であればよく、同一分子内に1種だけ有していてもよく、2種以上有していてもよい。また同一分子内に1つだけ有していてもよく、2つ以上有していてもよい。
本開示の重合物は、本開示のラジカル重合性組成物を反応させることにより得られ、反応させる方法として少なくとも本開示のラジカル重合性組成物中にラジカルを発生させラジカル重合させることを含む。このような本開示のラジカル重合性組成物をラジカル発生条件下で重合させた重合物である、本開示のラジカル重合性組成物のラジカル重合物もまた本開示の一つである。
上記重合体は、上記構造単位(a)、構造単位(b)、構造単位(c)として、それぞれ、1種のみ有していてもよいし、2種以上を有していてもよい。
上記2-オキシメチルアクリル酸イオンを含む化合物としては、例えば、上記重合性塩化合物(B)が挙げられる。
本開示のラジカル重合性組成物は、上述した重合性化合物(A)、重合性塩化合物(B)、および、その他の成分の種類や量を調整することにより、各種のプリンティング用途にも適用できるような液状にすることが可能であり、その重合物は従来のアイオノマーが有する各種の優れた特性を発揮し得ることから、例えば、各種のコーティング(脆いフィルムの割れ防止コーティング、加飾フィルムの保護コーティング、位相差調整コーティングなど)、プライマー、シーリング、接着剤、封止材、粘着剤、各種方式の立体造形(インクジェット、SLA、DLP)、熱可塑成形、熱硬化成形、ホットメルト接着、光学フィルム、レンズ、電子部品、プリプレグ、歯科材料、塗料、印刷インク、繊維処理剤、微細加工用レジスト材料など、様々な用途に適用することができる。
ラジカル重合抑制剤としてヒドロキノンモノメチルエーテルを0.04%(液全量に対して)および2,2’-(エチレンジチオ)ジエタノールを0.06%(液全量に対して)含む、純度が96.5%の2-アリルオキシメチルアクリル酸を用意した。なお、純度は下記キャピラリー電気泳動システムで測定した。
○測定装置
キャピラリー電気泳動システム Agilent 7100 (アジレント・テクノロジー(株))
○測定条件
バックグランド吸収剤によるインダイレクト吸収法で測定した。
キャピラリー:バブルセルフューズドシリカキャピラリー(内径75μm×全長80.5cm)
泳動液:陰イオン分析用泳動液(pH=8.2)
印加電圧:-20kV
○定量方法
面積比を元にした内部標準法(内部標準物質:プロピオン酸ナトリウム)で定量した。標準試料の作成:プロピオン酸ナトリウムおよび定量対象物質(カルボン酸イオンのナトリウム塩)を重水に溶解して1H-NMRでモル比を定量した後、さらに超純水で希釈したものを検量線作成用の標準試料とした。
測定用試料の作成:プロピオン酸ナトリウム水溶液および被験試料を秤量し、0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液および超純水で希釈したものを、測定用試料とした。
[実施例1-1]
攪拌子を入れたナスフラスコに、酸化亜鉛0.26g、メタノール2.8g、2-アリルオキシメチルアクリル酸1.04gをこの順に添加し、50℃で4時間攪拌し均一なメタノール溶液を得た(2-アリルオキシメチルアクリル酸の90モル%を亜鉛で中和)。室温に戻しアクリル酸2-エチルヘキシル2.8gを添加した後、室温のまま真空ポンプで減圧しメタノールを除去した。メタノールを除去しても内容物は均一透明な液体であった(亜鉛濃度5.2%)。結果を表1に示す。
アクリル酸2-エチルヘキシルをアクリル酸シクロヘキシルに変更したこと以外は、実施例1-1と同様にして操作し、亜鉛濃度が5.2%の均一透明な液体組成物を得た。結果を表1に示す。
攪拌子を入れたナスフラスコに、酸化亜鉛0.22g、メタノール2.8g、アクリル酸0.43gをこの順に添加し、50℃で4時間攪拌し均一なメタノール溶液を得た(アクリル酸の90モル%を亜鉛で中和)。室温に戻しアクリル酸2-エチルヘキシル2.8g(メタノールを除去した場合、亜鉛濃度が5.2%となる量)を添加した後、室温のまま真空ポンプで減圧しメタノールを除去すると、メタノールの除去中に白色沈殿が生じ均一な溶液とならなかった。結果を表1に示す。
アクリル酸2-エチルヘキシルをアクリル酸シクロヘキシルに変更したこと以外は、比較例1-1と同様にして操作したところ、メタノールの除去中に白色沈殿が生じ均一な溶液とならなかった。結果を表1に示す。
CHA アクリル酸シクロヘキシル
AIO-A 2-アリルオキシメチルアクリル酸
AIO-Zn 2-アリルオキシメチルアクリル酸亜鉛
AA アクリル酸
AA-Zn アクリル酸亜鉛
AIO- 2-アリルオキシメチルアクリル酸イオン
[実施例2-1]
攪拌子を入れたナスフラスコに、酸化亜鉛0.29g、エタノール2.4g、2-アリルオキシメチルアクリル酸1.05gをこの順に添加し、50℃で4時間攪拌し均一なエタノール溶液を得た(2-アリルオキシメチルアクリル酸の100モル%を亜鉛で中和)。室温に戻し、アクリル酸2-エチルヘキシル1.24g、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.07gを添加して攪拌混合し、重合成分が50%のエタノール溶液の組成物を得た。
バーコーターNo.4を用いて、得られた組成物を耐熱アクリルフィルム(特開2019-179124号公報の製造例7に記載の方法で得られたペレットを溶融押出機により140μm厚のフィルムにしたもの)に塗布した後、80℃のホットプレート上に5分間置いて乾燥した。乾燥塗膜をベルトコンベア式UV照射装置(高圧水銀ランプ、照度200mW/cm2)で重合させたところ、積算光量0.6J/cm2でタックレスとなった。
重合層の密着性を、JIS K 5600-5-6(クロスカット法)に準拠し評価した。すなわち、全てのマス目(10×10マス=100マス)のうち、剥がれや破損が生じずに残存したマス目の数で評価したところ、100であった。結果を表2に示す。
アクリル酸2-エチルヘキシルをアクリル酸イソボルニルに変更したこと以外は、実施例2-1と同様にしてエタノール溶液の組成物を調製し、それを耐熱アクリルフィルム上に塗布、乾燥した。乾燥塗膜をベルトコンベア式UV照射装置で重合させたところ、積算光量0.6J/cm2でタックレスとなり、密着性を評価したところ剥がれや破損が生じずに残存したマス目の数は100であった。結果を表2にまとめる。
攪拌子を入れたナスフラスコに、酸化亜鉛0.19g、エタノール2.4g、2-アリルオキシメチルアクリル酸1.14gをこの順に添加し、50℃で3時間攪拌して均一なエタノール溶液を得た(2-アリルオキシメチルアクリル酸の60モル%を亜鉛で中和)。室温に戻し、アクリル酸シクロヘキシル0.75g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.5g、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.07gを添加してから攪拌し、重合成分が50%のエタノール溶液の組成物を得た。
これを用いて実施例2-1と同様にして耐熱アクリルフィルム上に乾燥塗膜を形成し、乾燥塗膜をベルトコンベア式UV照射装置を用いて積算光量5J/cm2で重合させた。重合層の密着性を評価したところ、剥がれや破損が生じずに残存したマス目の数は100であった。結果を表2に示す。
工業的に入手が容易な2価のアクリル酸エステルであり、水と非混和性のラジカル重合性化合物と混和し且つラジカル重合性基間の長さが短い化合物である、1,4-ブタンジオールジアクリレート(ラジカル重合性基間の長さ=炭素数4)を、2-アリルオキシメチルアクリル酸亜鉛の代わりに用いた。
すなわち、1,4-ブタンジオールジアクリレート1.2g、アクリル酸2-エチルヘキシル1.2g、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.07gを攪拌混合し、得られた均一透明な液状組成物を、バーコーターNo.2を用いて耐熱アクリルフィルム上に塗布した。それを実施例2-1と同様にしてベルトコンベア式UV照射装置で重合させたところ、積算光量5J/cm2でタックレスとなった。
重合層の密着性を評価したところ、剥がれや破損が生じずに残存したマス目の数は0であった。結果を表2に示す。
アクリル酸2-エチルヘキシルをアクリル酸イソボルニルに変更したこと以外は、比較例2-1と同様にして液状組成物を調製し、耐熱アクリルフィルム上に塗布した。それをベルトコンベア式UV照射装置で重合させたところ、積算光量5J/cm2でタックレスとなり、密着性を評価したところ剥がれや破損が生じずに残存したマス目の数は0であった。結果を表2に示す。
アクリル酸2-エチルヘキシル1.2gの代わりに、アクリル酸シクロヘキシル0.72gおよびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.48gを用いたこと以外は、比較例2-1と同様にして液状組成物を調製し、耐熱アクリルフィルム上に塗布した。それをベルトコンベア式UV照射装置を用い積算光量5J/cm2で重合させた。重合層の密着性を評価したところ、剥がれや破損が生じずに残存したマス目の数は22であった。結果を表2に示す。
IBOA アクリル酸イソボルニル
CHA アクリル酸シクロヘキシル
DPHA ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
BDDA 1,4-ブタンジオールジアクリレート
AIO-A 2-アリルオキシメチルアクリル酸
AIO-Zn 2-アリルオキシメチルアクリル酸亜鉛
AIO- 2-アリルオキシメチルアクリル酸イオン
[実施例3-1]
攪拌子を入れたナスフラスコに、酸化亜鉛0.12g、メタノール3.0g、2-アリルオキシメチルアクリル酸1.49gをこの順に添加し、50℃で4時間攪拌し均一溶液とした(2-アリルオキシメチルアクリル酸の29モル%を亜鉛で中和)。室温に戻し、アクリル酸2-エチルヘキシル3.57gを添加して、室温のまま真空ポンプで減圧しメタノールを除去した後、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.15gを添加、攪拌混合し均一透明な液体として重合性組成物を得た。
2mm厚のポリプロピレン板を貼りつけたガラス板(15cm×7cm)と、2mm厚のポリプロピレン板を貼りつけた鉄板(15cm×7cm)とを、ポリプロピレン板が内側になるよう対向させ、コの字型に切った0.5mm厚のシリコンシートをスペーサーとして間に挟み、クリップで止めたものを注型とした。注型に重合性組成物を注入し、ベルトコンベア式UV照射装置(高圧水銀ランプ、照度200mW/cm2)を用いてガラス板側から積算光量2J/cm2となるようUVを照射した。クリップをはずして片側の板を取りはずしてから、さらに積算光量1J/cm2となるようUVを照射した。板とシリコンシートを取りはずして得られた約13cm×5cm×0.5mm厚のシートを、試験片打抜機でダンベル状3号形(JIS K 6251に準拠)に打抜いた。
試験片の中央の厚さを測定した後、引張試験機(掴み具間距離:60mm、引張速度:10mm/min)で、引張強度(試験片が切断するまでの最大引張力)、ヤング率、破断伸びを測定した。結果を表3に示す。
さらに、ダンベル状試験片の作製の際に出た余剰片をX線回折で分析したところ、アイオノマーに特有のイオン凝集ドメインに由来するピークを低角側(2θ=2~4°)に観測した。
攪拌子を入れたスクリュー管に、2-アリルオキシメチルアクリル酸1.42g、アクリル酸2-エチルヘキシル3.43g、トリス(2-アミノエチル)アミン0.10gをこの順に添加し攪拌混合し均一溶液とした(2-アリルオキシメチルアクリル酸の29モル%をアミンで中和)。さらに1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.15gを添加、攪拌混合し均一透明な液体として重合性組成物を得た。
この重合性組成物を用い、実施例3-1と同様にしてダンベル状3号形の試験片を作製し、引張強度、ヤング率、破断伸びを測定した。結果を表3に示す。
工業的に入手が容易な2価のアクリル酸エステルであり、水と非混和性のラジカル重合性化合物と混和し且つラジカル重合性基(=アクリロイルオキシ基)間の長さが短い化合物である、1,4-ブタンジオールジアクリレート(アクリロイルオキシ基間の長さ=炭素原子4個分)を、2-アリルオキシメチルアクリル酸亜鉛の代わりに用いた。
すなわち、1,4-ブタンジオールジアクリレート0.5g、アクリル酸2-エチルヘキシル4.5g、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.15gを攪拌混合し、重合性組成物を得た。この重合性組成物を用い、実施例3-1と同様にしてダンベル状3号形の試験片を作製した。引張試験を行おうとしたが、試験片の強度が非常に脆弱なため掴み具にセットした際に掴み具で挟んだ部分が破断し、試験できなかった。結果を表3に示す。
1,4-ブタンジオールジアクリレート0.5gおよびアクリル酸2-エチルヘキシル4.5gの代わりに、1,4-ブタンジオールジアクリレート1.5gおよびアクリル酸2-エチルヘキシル3.5gを用いたこと以外は比較例3-1と同様にして、重合性組成物を得た。この重合性組成物を用い、実施例3-1と同様にしてダンベル状3号形の試験片を作製し、引張強度、ヤング率、破断伸びを測定した。結果を表3に示す。
攪拌子を入れたナスフラスコに、酸化亜鉛0.79g、メタノール9.0g、2-アリルオキシメチルアクリル酸4.77gをこの順に添加し、50℃で4時間攪拌し均一溶液とした(2-アリルオキシメチルアクリル酸の60モル%を亜鉛で中和)。室温に戻し、アクリル酸2-エチルヘキシル10.44gを添加して、室温のまま真空ポンプで減圧しメタノールを除去し、開始剤を添加していない重合性組成物を約16g得た。
5.0gを採取し、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.15gを添加、攪拌混合した後、実施例3-1と同様にしてダンベル状3号形の試験片を作製し、引張強度、ヤング率、破断伸びを測定した。結果を表3に示す。
実施例3-3で得た開始剤を添加していない重合性組成物に、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.10gおよびt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート0.05gを添加、攪拌混合したものを、実施例3-1と同様にして注型に注入し、ベルトコンベア式UV照射装置を用いてガラス板側から積算光量1J/cm2となるようUVを照射した。そのまま注型ごと110℃のオーブンに入れ1時間加熱した後、注型をはずし約13cm×5cm×0.5mm厚のシートを得た。あとは実施例3-1と同様にしてダンベル状3号形の試験片を作製し、引張強度、ヤング率、破断伸びを測定した。結果を表3に示す。
実施例3-3で得た開始剤を添加していない重合性組成物に、t-ブチルパーオキシピバレート0.10gおよび1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン0.05gを添加、攪拌混合し重合性組成物を調製した。
2mm厚のポリプロピレン板を貼りつけた2枚の鉄板(15cm×7cm)を、ポリプロピレン板が内側になるよう対向させ、コの字型に切った0.5mm厚のシリコンシートをスペーサーとして間に挟み、クリップで止めたものを注型とした。注型に重合性組成物を注入し、さらに注型をポリプロピレン製の袋に入れ、60℃の温水に吊り下げた状態で2時間浸した。さらに注型ごと110℃のオーブンに入れ1時間加熱した後、注型をはずし約13cm×5cm×0.5mm厚のシートを得た。あとは実施例3-1と同様にしてダンベル状3号形の試験片を作製し、引張強度、ヤング率、破断伸びを測定した。結果を表3に示す。
トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト1.53gをさらに含む以外は実施例3-1と同様にして重合性組成物を得た。すなわち、攪拌子を入れたナスフラスコに、酸化亜鉛0.12g、メタノール3.0g、2-アリルオキシメチルアクリル酸1.49gをこの順に添加し、50℃で4時間攪拌し均一溶液とした(2-アリルオキシメチルアクリル酸の29モル%を亜鉛で中和)。室温に戻し、アクリル酸2-エチルヘキシル3.57gを添加して、室温のまま真空ポンプで減圧しメタノールを除去してから、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクトの75%酢酸エチル溶液2.04gを加え、再び室温のまま真空ポンプで減圧し酢酸エチルを除去した。最後に1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.15gを添加、攪拌混合し均一透明な液体として重合性組成物を得た。
この重合性組成物を用い、実施例3-1と同様にして約13cm×5cm×0.5mm厚のシートを得た。シートをカッターで半分に切り(約6.5cm×5cmのシート2枚)、片方を150℃のオーブンに30分間置いてカルボキシル基とイソシアネート基を反応させた後、室温に戻した。未加熱の方のシートをメタノールを含ませた紙ワイパーで表面を拭いたところ白化しべたついた。一方、加熱した方のシートはメタノールを含ませた紙ワイパーで表面を拭いても白化せずべたつかなかった。
BDDA 1,4-ブタンジオールジアクリレート
AIO-A 2-アリルオキシメチルアクリル酸
AIO-Zn 2-アリルオキシメチルアクリル酸亜鉛
AIO-TAEA 2-アリルオキシメチルアクリル酸のトリス(2-アミノエチル)アミン塩
AIO- 2-アリルオキシメチルアクリル酸イオン
[実施例4-1]
攪拌子を入れたナスフラスコに、酸化亜鉛0.12g、メタノール3.0g、2-アリルオキシメチルアクリル酸1.49gをこの順に添加し、50℃で4時間攪拌し均一溶液とした(2-アリルオキシメチルアクリル酸の29モル%を亜鉛で中和)。室温に戻し、アクリル酸シクロヘキシル3.57gを添加して、室温のまま真空ポンプで減圧しメタノールを除去した後、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.15gを添加、攪拌混合し均一透明な液体として重合性組成物を得た。
2mm厚のポリプロピレン板を貼りつけたガラス板(15cm×7cm)と、2mm厚のポリプロピレン板を貼りつけた鉄板(15cm×7cm)とを、ポリプロピレン板が内側になるよう対向させ、コの字型に切った0.5mm厚のシリコンシートをスペーサーとして間に挟み、クリップで止めたものを注型とした。注型に重合性組成物を注入し、ベルトコンベア式UV照射装置(高圧水銀ランプ、照度200mW/cm2)を用いてガラス板側から積算光量2J/cm2となるようUVを照射した。クリップをはずして片側の板を取りはずしてから、さらに積算光量1J/cm2となるようUVを照射した。板とシリコンシートを取りはずして得られた約13cm×5cm×0.5mm厚のシートを、10cm×4cmの短冊状となるようにカッターで切り出し、切り出した端面を研磨した。切り出す際に出た余剰片について、電動式鉛筆硬度試験機を用い荷重750gで鉛筆硬度を測定したところ、Hであった。
オーブン付き引張試験機を用い、10cm×4cmの短冊状試験片を掴み具間距離:60mm、引張速度:30mm/min、オーブン温度:120℃で引っ張った。伸びが100%(すなわち2倍延伸)となった段階で引っ張りを停止し、オーブンをはずし試験片を室温に戻した後、掴み具から試験片をはずした。得られた試験片は透明であった。
2倍延伸後の試験片についても鉛筆硬度を測定したところ(引っかき走査方向は延伸方向と直角方向とした)、2Hに向上していた。
重合成分の重量比と、熱可塑性の結果(2倍延伸可能:○、延伸できず:×)を表4にまとめる。
工業的に入手が容易な2価のアクリル酸エステルであり、水と非混和性のラジカル重合性化合物と混和し且つラジカル重合性基(=アクリロイルオキシ基)間の長さが短い化合物である、1,4-ブタンジオールジアクリレート(アクリロイルオキシ基間の長さ=炭素原子4個分)を、2-アリルオキシメチルアクリル酸亜鉛の代わりに用いた。
すなわち、1,4-ブタンジオールジアクリレート1.5g、アクリル酸シクロヘキシル3.5g、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.15gを攪拌混合し、重合性組成物を得た。この重合性組成物を用い、実施例4-1と同様にして10cm×4cmの短冊状試験片を作製した。短冊状試験片を作製する際に出た余剰片について、電動式鉛筆硬度試験機を用い荷重750gで鉛筆硬度を測定したところ、Hであった。
オーブン付き引張試験機を用い、短冊状試験片を掴み具間距離:60mm、引張速度:30mm/min、オーブン温度:120℃で引っ張ったところ、伸びが5%となった時点で破断した。
重合成分の重量比と、熱可塑性の結果(2倍延伸可能:○、延伸できず:×)を表4にまとめる。
アクリル酸シクロヘキシルの代わりにアクリル酸ベンジルを用いたこと以外は実施例4-1と同様にして10cm×4cmの短冊状試験片を作製した。
オーブン付き引張試験機を用い、短冊状試験片を掴み具間距離:60mm、引張速度:30mm/min、オーブン温度:80℃で引っ張った。伸びが100%(すなわち2倍延伸)となった段階で引っ張りを停止し、オーブンをはずし試験片を室温に戻した後、掴み具から試験片をはずした。得られた試験片は透明であった。
2倍延伸後の試験片について、大塚電子社製RETS-100を用いて測定波長550nmの位相差を測定したところ、厚さ100μmあたり210nmの正の位相差であった。重合成分の重量比と、熱可塑性の結果(2倍延伸可能:○、延伸できず:×)を表4にまとめる。
アクリル酸シクロヘキシルの代わりにアクリル酸ベンジルを用いたこと以外は比較例4-1と同様にして10cm×4cmの短冊状試験片を作製した。
オーブン付き引張試験機を用い、短冊状試験片を掴み具間距離:60mm、引張速度:30mm/min、オーブン温度:120℃で引っ張ったところ、伸びが5%となった時点で破断した。
重合成分の重量比と、熱可塑性の結果(2倍延伸可能:○、延伸できず:×)を表4にまとめる。
攪拌子を入れたナスフラスコに、水酸化カルシウム0.11g、メタノール3.0g、超純水1.0g、2-アリルオキシメチルアクリル酸1.51gをこの順に添加し、50℃で1時間攪拌し均一溶液とした(2-アリルオキシメチルアクリル酸の29モル%をカルシウムで中和)。室温に戻し、アクリル酸シクロヘキシル3.53gを添加して、室温のまま真空ポンプで減圧しメタノールを除去した後、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.15gを添加、攪拌混合し均一透明な液体として重合性組成物を得た。
この重合性組成物を用い、実施例4-1と同様にして10cm×4cmの短冊状試験片を作製した。オーブン付き引張試験機を用い、短冊状試験片を掴み具間距離:60mm、引張速度:30mm/min、オーブン温度:120℃で引っ張った。伸びが100%(すなわち2倍延伸)となった段階で引っ張りを停止し、オーブンをはずし試験片を室温に戻した後、掴み具から試験片をはずした。得られた試験片は透明であった。
重合成分の重量比と、熱可塑性の結果(2倍延伸可能:○、延伸できず:×)を表4にまとめる。
攪拌子を入れたナスフラスコに、水酸化マグネシウム0.34g、メタノール2.0g、超純水1.0g、2-アリルオキシメチルアクリル酸1.91gをこの順に添加し、50℃で1時間攪拌し均一溶液とした後、真空ポンプにつないでメタノールを除去した。フラスコにアセトンを加えて生じた粉末をアセトン洗浄し、減圧濾過により粉末を取得した。さらに室温で真空乾燥し、2-アリルオキシメチルアクリル酸マグネシウムの粉末を得た。
攪拌子を入れたスクリュー管に、2-アリルオキシメチルアクリル酸マグネシウムの粉末0.46g、2-アリルオキシメチルアクリル酸1.08g、超純水0.19gを入れ、50℃に加温しながら撹拌して均一透明とした後、室温に戻してからアクリル酸シクロヘキシル3.50g、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.15gを入れ攪拌混合し、均一透明な液体として重合性組成物を得た。
この重合性組成物を用い、実施例4-1と同様にして10cm×4cmの短冊状試験片を作製した。オーブン付き引張試験機を用い、短冊状試験片を掴み具間距離:60mm、引張速度:30mm/min、オーブン温度:120℃で引っ張った。伸びが100%(すなわち2倍延伸)となった段階で引っ張りを停止し、オーブンをはずし試験片を室温に戻した後、掴み具から試験片をはずした。得られた試験片は透明であった。
重合成分の重量比と、熱可塑性の結果(2倍延伸可能:○、延伸できず:×)を表4にまとめる。
攪拌子を入れたナスフラスコに、炭酸ナトリウム0.31g、メタノール3.0g、超純水1.0g、2-アリルオキシメチルアクリル酸1.49gをこの順に添加し、50℃で1時間攪拌し均一溶液とした(2-アリルオキシメチルアクリル酸の29モル%をナトリウムで中和)。室温に戻し、アクリル酸シクロヘキシル3.51gを添加して、室温のまま真空ポンプで減圧しメタノールを除去した後、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.15gを添加、攪拌混合し均一透明な液体として重合性組成物を得た。
この重合性組成物を用い、実施例4-1と同様にして10cm×4cmの短冊状試験片を作製した。オーブン付き引張試験機を用い、短冊状試験片を掴み具間距離:60mm、引張速度:30mm/min、オーブン温度:120℃で引っ張った。伸びが100%(すなわち2倍延伸)となった段階で引っ張りを停止し、オーブンをはずし試験片を室温に戻した後、掴み具から試験片をはずした。得られた試験片は透明であった。
重合成分の重量比と、熱可塑性の結果(2倍延伸可能:○、延伸できず:×)を表4にまとめる。
攪拌子を入れたナスフラスコに、水酸化カルシウム0.11g、メタノール3.0g、超純水1.0g、2-アリルオキシメチルアクリル酸1.51gをこの順に添加し、50℃で1時間攪拌し均一溶液とした(2-アリルオキシメチルアクリル酸の29モル%をカルシウムで中和)。室温に戻し、アクリル酸シクロヘキシル2.52gを添加して、室温のまま真空ポンプで減圧しメタノールを除去した後、アクリル酸(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル1.01g、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.15gを添加、攪拌混合し均一透明な液体として重合性組成物を得た。
この重合性組成物を用い、実施例4-1と同様にして10cm×4cmの短冊状試験片を作製した。オーブン付き引張試験機を用い、10cm×4cmの短冊状試験片を掴み具間距離:60mm、引張速度:30mm/min、オーブン温度:120℃で引っ張った。伸びが100%(すなわち2倍延伸)となった段階で引っ張りを停止し、オーブンをはずし試験片を室温に戻した後、掴み具から試験片をはずした。得られた試験片は透明であった。
また短冊状試験片を切り出す際に出た余剰片について、電動式鉛筆硬度試験機を用い荷重750gで鉛筆硬度を測定したところHであり、アセトンを含ませた紙ワイパーで表面を拭いたところやや白化した。一方、別の余剰片を200℃のホットプレートで5分間加熱した後に鉛筆硬度を測定したところ3Hであり、アセトンを含ませた紙ワイパーで表面を拭いても白化しなかった。
重合成分の重量比と、熱可塑性の結果(2倍延伸可能:○、延伸できず:×)を表4にまとめる。
BZA アクリル酸ベンジル
OXEA アクリル酸(3-エチルオキセタンー3-イル)メチル
BDDA 1,4-ブタンジオールジアクリレート
AIO-A 2-アリルオキシメチルアクリル酸
AIO-Zn 2-アリルオキシメチルアクリル酸亜鉛
AIO-Ca 2-アリルオキシメチルアクリル酸カルシウム
AIO-Mg 2-アリルオキシメチルアクリル酸マグネシウム
AIO-Na 2-アリルオキシメチルアクリル酸ナトリウム
AIO- 2-アリルオキシメチルアクリル酸イオン
[実施例5-1]
片面保護フィルム付き耐熱アクリルフィルム(特開2019-179124号公報の製造例7に記載の方法で得られたペレットを溶融押出機により140μm厚のフィルムにしたものの片面にポリエチレン製保護フィルムを貼ったもの)を15cm×7cmにカットし、弱粘着性スプレーのりで保護フィルム側を鉄板(15cm×7cm)に貼りつけてから、耐熱アクリルフィルム上にセロハンテープ(厚さ50μm)をコの字型に貼った。実施例4-1と同様に調製した重合性組成物をセロハンテープを貼っていない部分に載せ、2mm厚のポリプロピレン板を貼りつけたガラス板(15cm×7cm)でポリプロピレン板が内側になるように挟み、気泡を抜きながらクリップで止めた。ベルトコンベア式UV照射装置(高圧水銀ランプ、照度200mW/cm2)を用いてガラス板側から積算光量2J/cm2となるようUVを照射した後、ガラス板および鉄板をはずし、セロハンテープ部分を耐熱アクリルフィルムごとカットすることにより、片面を本発明の重合物でコーティングした短冊状耐熱アクリルフィルムを得た。オーブン付き引張試験機を用い、短冊状試験片を掴み具間距離:60mm、引張速度:300mm/min、オーブン温度:130℃で引っ張った。伸びが100%(すなわち2倍延伸)となった段階で引っ張りを停止し、オーブンをはずし試験片を室温に戻した後、掴み具から試験片をはずした。得られた試験片は透明で、重合層と基材の耐熱アクリルフィルムとの間に剥がれは見られなかった。
なお、重合性組成物の組成比を表5にまとめた。
攪拌子を入れたスクリュー管に、フッ素系界面活性剤(フタージェント215M、(株)ネオス)0.007g、酸化亜鉛0.14g、フェノキシエチルアクリレート1.99g、2-アリルオキシメチルアクリル酸1.00gを添加し、50℃で30分攪拌し均一溶液とした。N,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン0.25gを加え攪拌し、均一溶液としてから室温に戻した。最後に1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.10gを添加、攪拌混合し均一透明な液体として重合性組成物を得た。
片面保護フィルム付き耐熱アクリルフィルム(特開2019-179124号公報の製造例7に記載の方法で得られたペレットを溶融押出機により140μm厚のフィルムにしたものの片面にポリエチレン製保護フィルムを貼ったもの)を15cm×7cmにカットし、弱粘着性スプレーのりで保護フィルム側をガラス板(15cm×7cm)に貼りつけてから、耐熱アクリルフィルム上にバーコーターNo.4を用いて、重合性組成物を塗布した後、ベルトコンベア式UV照射装置(高圧水銀ランプ、照度150mW/cm2)を用い窒素雰囲気下で積算光量1J/cm2となるようUVを照射した。表面はタックレスで硬かった。
塗工フィルムをガラス板からはずして両端をカットし、片面を本発明の重合物でコーティングした短冊状耐熱アクリルフィルム(10cm×5cm)を得た。オーブン付き引張試験機(同上)を用い、短冊状試験片を掴み具間距離:60mm、引張速度:300mm/min、オーブン温度:130℃で引っ張った。伸びが100%(すなわち2倍延伸)となった段階で引っ張りを停止し、オーブンをはずし試験片を室温に戻した後、掴み具から試験片をはずした。得られた試験片は透明で、重合層と基材の耐熱アクリルフィルムとの間に剥がれは見られなかった。
なお、重合性組成物の組成比を表5にまとめた。
攪拌子を入れたスクリュー管に、フッ素系界面活性剤(フタージェント215M、(株)ネオス)0.009g、酸化亜鉛0.22g、フェノキシエチルアクリレート2.80g、2-アリルオキシメチルアクリル酸0.80g、アクリル酸0.39gを添加し、50℃で30分攪拌し均一溶液とした。室温に戻した後、ジアリルアミン0.53gを加え攪拌し、最後に1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.14gを添加、攪拌混合し均一透明な液体として重合性組成物を得た。
片面保護フィルム付き耐熱アクリルフィルム(特開2019-179124号公報の製造例7に記載の方法で得られたペレットを溶融押出機により140μm厚のフィルムにしたものの片面にポリエチレン製保護フィルムを貼ったもの)を15cm×7cmにカットし、弱粘着性スプレーのりで保護フィルム側をガラス板(15cm×7cm)に貼りつけてから、耐熱アクリルフィルム上にバーコーターNo.4を用いて、重合性組成物を塗布した後、ベルトコンベア式UV照射装置(高圧水銀ランプ、照度150mW/cm2)を用い窒素雰囲気下で積算光量1J/cm2となるようUVを照射した。表面はタックレスで硬かった。
塗工フィルムをガラス板からはずして両端をカットし、片面を本発明の重合物でコーティングした短冊状耐熱アクリルフィルム(10cm×5cm)を得た。オーブン付き引張試験機(同上)を用い、短冊状試験片を掴み具間距離:60mm、引張速度:300mm/min、オーブン温度:130℃で引っ張った。伸びが100%(すなわち2倍延伸)となった段階で引っ張りを停止し、オーブンをはずし試験片を室温に戻した後、掴み具から試験片をはずした。得られた試験片は透明で、重合層と基材の耐熱アクリルフィルムとの間に剥がれは見られなかった。
なお、重合性組成物の組成比を表5にまとめた。
Claims (4)
- 水と非混和性のラジカル重合性化合物(A)、下記式(1);
(式中、Rは炭素数が3~10である飽和または不飽和の炭化水素基を表す。)
で表される陰イオン、および、陽イオンを含むラジカル重合性組成物であって、
該水と非混和性のラジカル重合性化合物(A)は、カルボニル基が結合している炭素-炭素二重結合を有する化合物、シアノ基が結合している炭素-炭素二重結合を有する化合物、窒素原子が結合している炭素-炭素二重結合を有する化合物、芳香環が結合している炭素-炭素二重結合を有する化合物、酸素原子が結合している炭素-炭素二重結合を有する化合物、炭素-炭素二重結合が結合し共役化している炭素-炭素二重結合を有する化合物、及び、ハロゲン原子が結合している炭素-炭素二重結合を有する化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含み、
該水と非混和性のラジカル重合性化合物(A)の炭素数は、4~90であり、
該陽イオンは、典型金属元素、周期表第3族もしくは周期表第4族に属する金属又は金属酸化物イオン、プロトン化されたアミン、4級アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、およびプロトン化されたホスフィンからなる群より選択される少なくとも一種を含み、
該陰イオンの含有割合が、該水と非混和性のラジカル重合性化合物(A)100質量部に対し1~120質量部である、ラジカル重合性組成物。 - 前記式(1)中のRが、アリル基またはメタリル基である、請求項1に記載のラジカル重合性組成物。
- 前記陽イオンは、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、もしくはアルミニウムの金属又は金属酸化物イオン、プロトン化されたアミン、及び4級アンモニウムイオンからなる群より選ばれる1種以上の陽イオンを含む、請求項1又は2に記載のラジカル重合性組成物。
- 請求項1又は2に記載のラジカル重合性組成物の重合物。
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