JP7799536B2 - 磁性キャリア - Google Patents
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Description
二成分現像方式は、磁性キャリアに対して現像剤の撹拌、搬送、帯電などの機能を付与できるため、トナーとの機能分担が明確であり、このため現像剤性能の制御性が良いなどの利点がある。ここで磁性キャリアは、磁気を持たせて搬送性を獲得するための磁性コアと、トナーへの帯電付与能を獲得させるための被覆樹脂が磁性コアに被覆された構成であることが多い。このとき、キャリア被覆樹脂の削れおよび剥がれの防止、現像剤寿命の延長、帯電特性の維持といった観点から、被覆樹脂層の強度を向上させることが行われてきた。例えば、特許文献1においては、樹脂被覆層に特定の添加剤を含有させ、樹脂層の強度を向上させることが行われている。しかしながら、これらの添加剤が印刷枚数の増加に応じてキャリア表面より脱離する場合があることが知られており、添加剤種によってはトナー表面での帯電特性を劣化させるなど、画像弊害の要因となることがあった。
そこで、例えば特許文献2においては、添加剤粒子の表面を化学的に処理し、被覆樹脂層からの脱離を防止する構成が公開されている。この効果は顕著であるといえるが、特に近年の電子写真方式の印刷機は高速化が著しく、また総印刷枚数も増加傾向にあり、より耐久性の高い現像剤を実現可能なキャリアが要望されている。特許文献2に代表されるような構成では印刷初期においては良好な画像を得ることができたが、特定の印刷機構成においては市場の要望するほどの耐久特性は実現できておらず、さらなる改善が必要であると考えられる。
すなわち、高耐久キャリアを実現させるためには、被覆樹脂層の強度を向上させる性能を持つフィラー粒子を強固にキャリアに固着する技術が求められる。
上記に鑑み、本発明は、優れた耐摩耗性が耐久維持されて、帯電特性が安定し、耐久後もカブリや画像欠陥、キャリア被覆層の削れが抑制された磁性キャリアを提供することを課題とする。
該被覆層は、被覆樹脂とフィラー粒子とを含有しており、該フィラー粒子は、カップリング剤で表面処理された処理粒子であり、該被覆樹脂とフィラー粒子とが、該カップリング剤を介して結合していることを特徴とする磁性キャリアである。
<磁性コア>
本発明に係る磁性キャリアの磁性コアとしては、従来のフェライト、マグネタイト等の磁性体粒子を使用することができる。また、樹脂中に磁性粉が分散されたバインダー型の磁性コアも用いることができる。また、空孔を有するフェライトやマグネタイト粒子に樹脂を充填させた形態の磁性コアを用いることができる。
本発明の磁性キャリアを構成する被覆樹脂は、反応性官能基を有する樹脂を含有する。被覆樹脂は、反応性官能基を有する樹脂であれば特に制限されず、公知のものを使用することができ、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、フェノール樹脂などの如き樹脂、あるいはそれらを含有する共重合ポリマーやポリマー混合物などを用いることができる。特に、帯電特性やキャリア表面への異物付着の防止などの観点から、アクリル樹脂またはシリコーン樹脂を用いることが好ましい。
本発明の磁性キャリアを構成するフィラー粒子は、カップリング剤を用いて表面処理されており、その表面が反応性の官能基で修飾されている処理粒子である。
被覆樹脂層は被覆樹脂とフィラー粒子からなり、被覆樹脂の反応性官能基と、フィラー表面のカップリング剤由来の反応性官能基との間に化学的な結合が形成されていることを特徴とする。
磁性キャリアは、磁性コアとその表面を被覆する被覆樹脂層からなり、磁化の強さが、1000/4π(kA/m)の磁界下で、40(Am2/kg)以上80(Am2/kg)以下であることが好ましい。磁性キャリアの磁化の強さが上記の範囲内にある場合には、現像スリーブへの磁気的拘束力が適度であるため、キャリア付着の発生をより良好に抑制できる。また、磁気ブラシ中でトナーに与えられるストレスを低減することができるため、トナーの劣化や他の部材に対する付着を良好に抑制できる。
次に、本発明においてその目的を達成するに好ましいトナーの構成を以下に詳述する。
トナーは、結着樹脂として、下記の重合体などを用いることが可能である。ポリスチレン、ポリ-p-クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン-p-クロルスチレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂とビニル系樹脂が混合、または両者が一部反応したハイブリッド樹脂;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。その中でも、ポリエステル樹脂を主成分としていることが、低温定着性の観点から好ましい。
式(B)で示されるジオール類;
トナーに用いられるワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸の如き脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如きアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m-キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
トナーは、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、以下のものが挙げられる。
トナーには、流動性及び帯電性を高めることを主の目的として、無機微粒子を含有していることが好ましく、トナー表面に付着されている形態であることが好ましい。
本発明の磁性キャリアをトナーと混合して二成分系現像剤として使用する場合、その際の磁性キャリア混合比率は、現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下、好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低下しやすく、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすい。
トナー、磁性キャリア及び原材料・中間体の各種物性の測定法について以下に説明する。
粒度分布測定は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)にて測定を行った。
測定時間:10秒
測定回数:1回
粒子屈折率:1.81%
粒子形状:非球形
測定上限:1408μm
測定下限:0.243μm
測定環境:温度23℃、相対湿度50%
乾燥したフィラー粒子0.01gに5%トリトン溶液0.2gとRO水19.8gを添加した溶液を作製した。次に、超音波分散機のプローブ(先端の内の先端を上記溶液に浸し、出力20Wで15分間超音波分散することで分散液を得た。続いて、この分散液を用いて、動的光散乱法(DLS)粒子径分布測定装置(商品名:ナノトラック150、マイクロトラックベル社製)を用いて個数平均粒径を測定した。
モード :透過
粒子条件 :球形
粒子屈折率 :1.45
粒子密度 :1.30
分散媒屈折率 :1.33(水)
測定時間 :120秒
多孔質磁性コアの細孔径分布は、水銀圧入法により測定される。
測定環境:20℃
測定セル試料体積:5cm3、圧入体積:1.1cm3、用途:粉体用
測定範囲:2.0psia(13.8kPa)以上59989.6psia(413.6MPa)以下
測定ステップ:80ステップ
(細孔径を対数で取った時に、等間隔になるようにステップを刻む)
圧入パラメータ排気圧力:50μmHg
排気時間:5.0min
水銀注入圧力:2.0psia(13.8kPa)
平衡時間:5secs
高圧パラメータ平衡時間:5secs
水銀パラメータ前進接触角:130.0degrees
後退接触角:130.0degrees
表面張力:485.0mN/m(485.0dynes/cm)
水銀密度:13.5335g/mL
測定手順
(1)多孔質磁性コアを、約1.0g秤量し試料セルに入れる。
秤量値を入力する。
(2)低圧部で、2.0psia(13.8kPa)以上45.8psia(315.6kPa)以下の範囲を測定。
(3)高圧部で、45.9psia(316.3kPa)以上59989.6psia(413.6MPa)以下の範囲を測定。
(4)水銀注入圧力及び水銀注入量から、細孔径分布を算出する。
上記(2)、(3)、(4)は、装置付属のソフトウエアにて、自動で行った。
トナーの重量平均粒径(D4)は、CDA-1000X(シスメックス社製)を用いて行った。
磁性コアの磁化の強さは、振動磁場型磁気特性測定装置(Vibrating sample magnetometer)や直流磁化特性記録装置(B-Hトレーサー)を用いて求めることが可能である。後述の実施例においては、振動磁場型磁気特性測定装置BHV-30(理研電子(株)製)を用いて以下の手順で測定する。
有機ケイ素重合体粒子のヤング率は、ハイジトロンPI 85L ピコインデンター(BRUKER社製)を使用した微小圧縮試験から求められる。
・機器・治具
ベースシステム:Hysitron PI-85L
測定圧子:1μmフラットエンド圧子
使用SEM:Thermo Fisher Versa 3D
SEM条件:-10°tilt, 13pA at 10keV
・測定条件
測定モード:変位制御
最大変位:30nm
変位速度:1nm/秒
保持時間:2秒
除荷速度:5nm/秒
・解析方法
得られた荷重変位曲線における0nm~10nm圧縮した際の曲線に対してHertz解析を適応し、フィラー粒子のヤング率を算出する。
・サンプル調整
シリコンウエハー上にフィラー粒子を付着させたもの。
樹脂被覆層の平均層厚は、磁性キャリアの断面を透過電子顕微鏡(TEM)(各50,000倍)で観察し、樹脂被覆層の厚みを計測した。
ビーム径 :400μm(半値幅)
イオンガン加速電圧 :5kV
イオンガン放電電圧 :4kV
イオンガン放電電流 :463μA
イオンガン照射電流量:90μA/cm3/1min
樹脂被覆層の平均層厚は、磁性キャリアの断面を透過電子顕微鏡(TEM)(各50,000倍)で観察し、樹脂被覆層に占めるフィラー粒子の体積比率を計測した。
ビーム径 :400μm(半値幅)
イオンガン加速電圧 :5kV
イオンガン放電電圧 :4kV
イオンガン放電電流 :463μA
イオンガン照射電流量:90μA/cm3/1min
図1に示した測定装置を用いて磁性キャリアの比抵抗値の測定を行う。
(I):(0Vから1000Vに変更:30秒おき200Vずつステップ状に増大)
(II):(1000Vで30秒ホールド)
(III):(1000Vから0Vに変更:30秒おき200Vずつステップ状に減少)
磁性キャリアの比抵抗(Ω・cm)
=(印加電圧(V)/測定電流(A))×S(cm2)/d(cm)
電界強度(V/cm)=印加電圧(V)/d(cm)
<低分子量のポリエステル樹脂Aの製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:76.3部
・テレフタル酸:16.1部
・コハク酸:7.6部
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた。
・tert-ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持したまま、1時間反応させ、ASTM D36-86に従って測定した軟化点が90℃の温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、樹脂Aを得た。得られた樹脂Aは、ピーク分子量Mp4500、軟化点Tm90℃、ガラス転移温度Tg54℃であった。
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:74.8部
・テレフタル酸:12.9部
・アジピン酸:7.9部
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
・トリメリット酸:5.9部
・tert-ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、15時間反応させ、ASTM D36-86に従って測定した軟化点が140℃の温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、樹脂Bを得た。得られた樹脂Bは、ピーク分子量Mp10000、軟化点Tm140℃、ガラス転移温度Tg60℃であった。
・ヘキサンジオール:33.9部
・ドデカン二酸:66.1部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。
・2-エチルヘキサン酸錫:0.5部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、4時間反応させることにより結晶性樹脂Cを得た(第1反応工程)。得られた結晶性樹脂Cは、重量平均分子量Mw11000、融解ピーク温度Tp72℃であった。
・低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール660P):10.0部
・キシレン:25.0部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に175℃の温度まで昇温した。
・スチレン:65.0部
・アクリル酸シクロヘキシル:5.5部
・アクリル酸ブチル:12.5部
・メタクリル酸:5.5部
・キシレン:10.0部
・ジーt-ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート:0.5部
その後、上記材料を3時間かけて滴下し、さらに30分間撹拌した。次いで、溶剤を留去して、ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合しているワックス分散剤Dを得た。ワックス分散剤Dは、ピーク分子量Mp6000、軟化点125℃であった。
・樹脂A 62部
・樹脂B 28部
・結晶性樹脂C 10部
・ワックス分散剤D 4部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度90℃) 4部
・C.I.ピグメントブルー15:3 7部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM-30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T-250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらにファカルティF-300(ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。運転条件は、分級ローター回転数を130s-1、分散ローター回転数を120s-1とした。
<磁性コア1の製造例>
工程1(秤量・混合工程)
・Fe2O3 61.7質量%
・MnCO3 34.2質量%
・Mg(OH)2 3.0質量%
・SrCO3 1.1質量%
となるようにフェライト原材料を秤量した。
粉砕・混合した後、バーナー式焼成炉を用い大気中で950℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。フェライトの組成は、下記の通りである。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d
上記式において、a=0.40、b=0.07、c=0.01、d=0.52
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ジルコニアのボール(φ1.0mm)を用い、仮焼フェライト100部に対し、水を30部加え、湿式ボールミルで2時間粉砕した。ボールを分離後、ジルコニアのビーズ(φ1.0mm)を用い、湿式ビーズミルで3時間粉砕し、フェライトスラリーを得た。
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100部に対してポリビニルアルコール2.0部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、40μmの球状粒子に造粒した。
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.0体積%)で、1150℃で4時間焼成した。
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、多孔質磁性コア粒子を得た。
多孔質磁性コア粒子を100.0部、混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌機NDMV型)の撹拌容器内に入れ、60℃に温度を保ちながら、2.3kPaまで減圧しながら窒素を導入し、シリコーン樹脂溶液を多孔質磁性コア粒子に対し樹脂成分として7.5部となるように減圧下で滴下し、滴下終了後2時間そのまま撹拌を続けた。その後、70℃まで温度を上げ、減圧下で溶剤を除去して、多孔質磁性コア粒子の粒子内にシリコーン樹脂溶液から得られるシリコーン樹脂組成物を充填した。冷却後、得られた充填コア粒子を回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD-AT型)に移し、窒素雰囲気、常圧下で、2(℃/min)の昇温速度で、220℃に昇温した。この温度で60分間加熱撹拌を行い、樹脂を硬化させた。熱処理した後、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口150μmの篩で分級して磁性コア1を得た。
マグネタイト微粒子(球形、個数平均粒径250nm)と、シラン系カップリング剤(3-(2-アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン;マグネタイト微粒子の質量に対して3.0質量%の量)とを、容器に導入した。そして、前記容器内において温度100℃以上で高速混合撹拌して、マグネタイト微粒子を表面処理した。
・フェノール10部
・ホルムアルデヒド溶液(ホルムアルデヒド37質量%水溶液)16部
・表面処理した上記マグネタイト微粒子84部
上記材料を反応釜に導入し、温度40℃でよく混合した。
工程1(秤量・混合工程)
・Fe2O3 61.7質量%
・MnCO3 34.2質量%
・Mg(OH)2 3.0質量%
・SrCO3 1.1質量%
となるようにフェライト原材料を秤量した。
粉砕・混合した後、バーナー式焼成炉を用い大気中で1000℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。フェライトの組成は、下記の通りである。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d
上記式において、a=0.40、b=0.07、c=0.01、d=0.52
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ステンレスボール(φ1.0mm)を用い、仮焼フェライト100部に対し、水を30部加え、湿式ボールミルで2時間粉砕した。ボールを分離後、ステンレスボール(φ1.0mm)を用い、湿式ビーズミルで3時間粉砕し、フェライトスラリーを得た。
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100部に対してポリビニルアルコール2.0部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、45μmの球状粒子に造粒した。
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度0.6体積%)で、1200℃で6時間焼成した。
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、フェライトコア粒子を得た。これを磁性コア3とする。得られた磁性コア3の物性を表1に示す。
メタクリル酸シクロヘキシル60部とアクリル酸40部とを、還流冷却器、温度計、窒素吸い込み管、及びすり合わせ方式撹拌装置を有する四つ口フラスコに加えた。
メタクリル酸シクロヘキシル60部とアクリル酸40部の代わりに、メタクリル酸シクロヘキシル50部とメタクリル酸グリシジル50部を用いたほかは、樹脂1と同様にして樹脂2溶液を得た。
メタクリル酸シクロヘキシル60部とアクリル酸40部の代わりに、メタクリル酸シクロヘキシル50部とメタクリル酸2-ヒドロキシエチル50部を用いたほかは、樹脂1と同様にして樹脂3溶液を得た。
β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン100部を、還流冷却器、温度計、窒素吸い込み管、及びすり合わせ方式撹拌装置を有する四つ口フラスコに加えた。
メタクリル酸シクロヘキシル60部とアクリル酸40部の代わりにメタクリル酸メチル45部とアクリル酸55部を用いたほかは、樹脂1と同様にして樹脂5溶液を得た。
エタノール20部、水80部およびHCL0.02部相当の塩酸を温度計、窒素吸い込み管、及びすり合わせ方式撹拌装置を有する三つ口フラスコに加えた。さらにカルボン酸系シランカップリング剤(信越シリコーン社製)1部を加えた。
カルボン酸系シランカップリング剤の代わりに2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを用いたほかは、フィラー粒子1と同様にしてフィラー粒子2を得た。
体積平均粒径15nmのアルミナ粒子の代わりに個数平均粒径15nmのジルコニア粒子を用いたほかは、フィラー粒子1と同様にしてフィラー粒子3を得た。
体積平均粒径15nmのアルミナ粒子の代わりに個数平均粒径15nmのシリカ粒子を用いたほかは、フィラー粒子1と同様にしてフィラー粒子4を得た。
体積平均粒径15nmのアルミナ粒子の代わりに個数平均粒径15nmの炭酸カルシウム粒子を、塩酸の代わりに酢酸を用いたほかは、フィラー粒子1と同様にしてフィラー粒子5を得た。
体積平均粒径15nmのアルミナ粒子の代わりに個数平均粒径3nmのジルコニア粒子を用いたほかは、フィラー粒子1と同様にしてフィラー粒子6を得た。
体積平均粒径15nmのアルミナ粒子の代わりに個数平均粒径400nmのジルコニア粒子を用いたほかは、フィラー粒子1と同様にしてフィラー粒子7を得た。
体積平均粒径15nmのアルミナ粒子の代わりに個数平均粒径180nmのジルコニア粒子を用いたほかは、フィラー粒子1と同様にしてフィラー粒子8を得た。
カルボン酸系シランカップリング剤の代わりにフェニルトリメトキシシランを用いたほかは、フィラー粒子1と同様にしてフィラー粒子9を得た。
100質量部のフィラー1に対し、樹脂1溶液を樹脂固形分として13.2質量部加え、固形分比率が5質量%となるようにトルエンとメチルエチルケトンを1:1の比率で加えた。得られた混合物をペイントシェイカー(RADIA社製)を用いて15分間振盪撹拌し、さらにオキサゾリン架橋剤である2-ビニルオキサゾリンとスチレンの共重合体の20質量%トルエン溶液を樹脂成分固形分の50質量%加えた。得られた混合物をペイントシェイカー(RADIA社製)を用いて1分間振盪撹拌し、樹脂塗工液1を得た。
フィラー粒子と樹脂溶液、および架橋剤を表2に示すように変更したほかは、樹脂塗工液1と同様にして樹脂塗工液2~20を得た。
架橋剤1:2-ビニルオキサゾリンとスチレンの共重合体の20質量%トルエン溶液
架橋剤2:ポリアクリル酸の20質量%トルエン溶液
架橋剤3:ジメチロール尿素の20質量%メタノール溶液
架橋剤4:2,4-ジアミノ-6-フェニル-1,3,5-トリアジン(ベンゾグアナミン)の20質量%エタノール溶液
架橋剤5:イソシアネート系硬化剤(旭化成社製、商品名MF-K60B)
樹脂1溶液に対し、固形分比率が5質量%となるようにトルエンとメチルエチルケトンを1:1の比率で加えた。得られた混合物をペイントシェイカー(RADIA社製)を用いて15分間振盪撹拌し、さらにオキサゾリン架橋剤である2-ビニルオキサゾリンとスチレンの共重合体の20質量%トルエン溶液を樹脂成分固形分の50質量%加えた。得られた混合物をペイントシェイカー(RADIA社製)を用いて1分間振盪撹拌し、樹脂塗工液21を得た。
フィラー粒子と樹脂溶液、および架橋剤を表2に示すように変更したほかは、樹脂塗工液1と同様にして樹脂塗工液22、23を得た。
粒径15nmのアルミナ粒子100部に対し、樹脂1溶液を樹脂固形分として13.2部加え、固形分比率が5質量%となるようにトルエンとメチルエチルケトンを1:1の比率で加えた。得られた混合物をペイントシェイカー(RADIA社製)を用いて15分間振盪撹拌し、さらにオキサゾリン架橋剤である2-ビニルオキサゾリンとスチレンの共重合体の20質量%トルエン溶液を樹脂成分固形分の50質量%加えた。得られた混合物をペイントシェイカー(RADIA社製)を用いて1分間振盪撹拌し、樹脂塗工液24を得た。
磁性コア1を用いて、減圧下(1.5kPa)、温度60℃で維持されている遊星運動型混合機(ホソカワミクロン社製のナウタミキサVN型)に、樹脂塗工液1を、磁性コア100部に対して固形分として6.0部になるように投入した。投入の仕方として、1/3の量の樹脂塗工液を投入し、20分間溶媒除去及び塗布操作を行った。次いで、さらに1/3の量の樹脂塗工液を投入し、20分間溶媒除去及び塗布操作を行い、さらに1/3の量の樹脂塗工液を投入し、20分間溶媒除去及び塗布操作を行った。その後、温度を120℃まで上げ、30分間架橋反応をさせた。
磁性コア、樹脂塗工液を表3に示すように変更したほかは、磁性キャリア1と同様にして磁性キャリア2~28を得た。得られた磁性キャリア2~28の物性を表3に示す。
<二成分現像剤1の製造例>
90質量部の磁性キャリア1に対して、トナー1を10質量部加え、振とう機(商品名:YS-8D型:(株)ヤヨイ製)にて振とうし、二成分現像剤300gを調製した。振とう機を用いた振とうの条件は200rpm、5分間とした。
二成分現像剤1の製造例において、表4に示す組み合わせに変更する以外は同様の操作を行い、二成分現像剤2~28を得た。
5質量部の磁性キャリア1に対して、トナー1を95質量部加え、温度23℃/湿度50%RH(常温常湿)環境(以下「N/N環境」)において、V型混合機により5分間混合し、補給用現像剤1を得た。
補給用現像剤1の製造例において、表4に示す組み合わせに変更する以外は同様の操作を行い、補給用現像剤2~28を得た。
二成分現像剤1及び補給用現像剤1を用いて以下の評価を行った。
温度30℃/湿度80%RH(以下「H/H環境」)
画像比率60%のFFH出力チャート
・Step2(200001枚目から300000枚目まで)
温度23℃/湿度5%RH(以下「N/L環境」)
画像比率3%のFFH出力チャート
ここで、FFHとは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFHが256階調の256階調目(ベタ部)である。
紙:GFC-081(81.0g/m2)(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
画像形成速度:A4サイズ、フルカラーで、80枚/分で出力できるように改造した。
現像条件:現像コントラストを任意値で調整可能にし、本体による自動補正が作動しないように改造した。
Step1において100000枚出力後、画像比率100%の00H出力チャート(A4全面ベタ白画像)を10枚出力し、白地部分の白色度をリフレクトメーター(東京電色社製)により測定した。その白色度と転写紙の白色度の差からカブリ濃度(%)を算出し、10枚の中で最もカブリ濃度の高いものを評価した。評価基準は次のとおりである。
A:0.5%未満
B:0.5%以上1.0%未満
C:1.0%以上1.5%未満
D:1.5%以上
Step1の最初と最後に、画像比率100%のFFH出力チャート(A4全面ベタ画像)を1枚出力した。分光濃度計500シリーズ(X-Rite社製)により画像濃度を測定し、判断した。
画像の先端(先に画像形成された方)から0.5cmの位置で、画像の左端(先に画像形成された方を上側とする。)から5.0cm、15.0cm、25.0cmの3点、
画像の先端から7.0cmの位置で、画像の左端から5.0cm、15.0cm、25.0cmの3点、
画像の先端から14.0cmの位置で、画像の左端から5.0cm、15.0cm、25.0cmの3点、
画像の先端から20.0cmの位置で、画像の左端から5.0cm、15.0cm、25.0cmの3点
の合計12点とし、12点の平均値を算出した。
A:0.00以上0.05未満
B:0.05以上0.10未満
C:0.10以上0.15未満
D:0.15以上
Step2で連続通紙200枚直後、転写紙の搬送方向に対して、ハーフトーン横帯(30H 幅10mm)とベタ黒横帯(FFH 幅10mm)を交互に並べたチャートを出力する。その画像をスキャナで読みとり、二値化処理を行う。二値化画像の搬送方向におけるあるラインの輝度分布(256階調)をとった。そのときのハーフトーンの輝度に接線を引き、ベタ部輝度と交わるまでのハーフトーン部後端の接線からずれた輝度の領域(面積:輝度数の和)をもって、白抜け度とし、以下の基準に基づき評価した。
A:20未満
B:20以上30未満
C:30以上40未満
D:40以上
Step1において100000枚出力後、本体内から現像器を取り出し、現像器及び本体内外のトナー飛散状況を目視し、以下の基準により評価した。
A:トナーの飛散無し
B:軽微なトナー飛散有り
C:トナー飛散有り
D:重大なトナー飛散有り
Step1を行った後、本体内から現像剤を取り出し、前記現像剤または耐久前の現像剤1gと蒸留水30mL、コンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)0.1mLをガラス製の100mL平底ビーカーに入れ、1分間の超音波洗浄ののちに上澄みを除去する操作を3回繰り返し、得られた残渣を50度の乾燥機内で24時間乾燥し、磁性キャリアサンプルを得た。得られた磁性キャリアサンプルの比抵抗を測定し、耐久評価前後での測定値の変化率を以下の基準に照らして判断した。
A:耐久による比抵抗の低下が耐久前に対して10%未満
B:耐久による比抵抗の低下が耐久前に対して10%以上25%未満
C:耐久による比抵抗の低下が耐久前に対して25%以上50%未満
D:耐久による比抵抗の低下が耐久前に対して50%以上
二成分現像剤および補給用現像剤を表5に示すように変更したほかは、実施例1と同様の評価を行った。結果を表5に示す。
Claims (10)
- 磁性コアと、該磁性コアの表面を被覆する被覆層とを有する磁性キャリア粒子を含む磁性キャリアであって、
該被覆層は、被覆樹脂とフィラー粒子とを含有しており、該フィラー粒子は、カップリング剤で表面処理された処理粒子であり、該被覆樹脂とフィラー粒子とが、該カップリング剤を介して結合していることを特徴とする磁性キャリア。 - 前記フィラー粒子のヤング率が30GPa以上である、請求項1に記載の磁性キャリア。
- 前記被覆層の平均層厚dが100nm以上3000nm以下であり、前記フィラー粒子の一次粒子の個数平均粒径rが5nm以上300nm以下であり、前記dと前記rがr/d<0.8を満たす、請求項1または2に記載の磁性キャリア。
- 前記フィラー粒子が、前記被覆樹脂層の組成成分の35vol%以上95vol%以下を占める、請求項1~3のいずれか1項に記載の磁性キャリア。
- 前記カップリング剤がシランカップリング剤である、請求項1~4のいずれか1項に記載の磁性キャリア。
- 前記被覆樹脂と前記フィラー粒子とが結合しており、該結合が架橋剤を介した反応により生じている、請求項1~5のいずれか1項に記載の磁性キャリア。
- 前記被覆樹脂がシリコーン樹脂を含有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の磁性キャリア。
- 前記被覆樹脂がアクリル樹脂またはメタクリル樹脂を含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の磁性キャリア。
- 前記被覆樹脂が、脂環式炭化水素基を有する請求項8に記載の磁性キャリア。
- 前記被覆樹脂とカップリング剤で表面処理されたフィラー粒子とが、前記カップリング剤に加えて、さらに架橋剤を介して結合しており、前記カップリング剤と該架橋剤との間に形成されている結合と、該架橋剤と前記被覆樹脂との間に形成されている結合とが、同一の反応性官能基を用いて形成されたものである、請求項1~9のいずれか1項に記載の磁性キャリア。
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