JP7801928B2 - 研磨パッド及び研磨パッドの製造方法 - Google Patents
研磨パッド及び研磨パッドの製造方法Info
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Description
[1] イソシアネート末端プレポリマー及び硬化剤由来のポリウレタン樹脂発泡体からなる研磨層を有する研磨パッドであって、
パルスNMR法によって80℃で測定される前記研磨層における結晶相の含有重量割合(CC80)に対する、パルスNMR法によって80℃で測定される前記研磨層における非晶相の含有重量割合(NC80)の比(NC80/CC80)が、2.6~3.1であり、
パルスNMR法によって40℃で測定される前記研磨層における結晶相の含有重量割合(CC40)に対する、パルスNMR法によって40℃で測定される前記研磨層における非晶相の含有重量割合(NC40)の比(NC40/CC40)が、0.5~0.9である、研磨パッド。
[2] 下記式(1)から得られる数値が1.9より大きく2.2より小さい、[1]に記載の研磨パッド。
[3] 前記CC80が、19.0~22.0重量%である、[1]又は[2]に記載の研磨パッド。
[4] 前記NC40が、22.0~27.0重量%である、[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の研磨パッド。
[5] 前記イソシアネート末端プレポリマーが、ポリイソシアネート化合物由来構成単位と、高分子量ポリオール由来構成単位とを含み、
前記高分子量ポリオール由来構成単位は、少なくともポリプロピレングリコール構成単位と、ポリエステルジオール構成単位とからなる、[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の研磨パッド。
[6] 前記ポリプロピレングリコール構成単位が、前記高分子量ポリオール由来の構成単位に対して、60重量%未満である、[5]に記載の研磨パッド。
[7] 前記ポリエステルジオール構成単位を形成するためのポリエステルジオールが、600~2500の数平均分子量である、請求項5又は6に記載の研磨パッド。
[8] 前記イソシアネート末端プレポリマーのNCO当量が500~600である、[1]に記載の研磨パッド。
[9] ポリウレタン樹脂発泡体からなる研磨層を有する研磨パッドの製造方法であって、
イソシアネート末端プレポリマーと、硬化剤とを混合し、反応させ、前記ポリウレタン樹脂発泡体を得る工程と、
前記ポリウレタン樹脂発泡体を成形し、研磨層の形状にする工程と、を含み、
パルスNMR法によって80℃で測定される前記研磨層における結晶相の含有重量割合(CC80)に対する、パルスNMR法によって80℃で測定される前記研磨層における非晶相の含有重量割合(NC80)の比(NC80/CC80)が、2.6~3.1であり、
40℃で測定される前記研磨層における結晶相の含有重量割合(CC40)に対する、パルスNMR法によって40℃で測定される前記研磨層における非晶相の含有重量割合(NC40)の比(NC40/CC40)が、0.5~0.9である、研磨パッドの製造方法。
研磨パッド3の構造について図2(a)を用いて説明する。研磨パッド3は、図2(a)のように、研磨層4と、クッション層6とを含む。研磨パッド3の形状は円盤状が好ましいが、特に限定されるものではなく、また、大きさ(径)も、研磨パッド3を備える研磨装置1のサイズ等に応じて適宜決定することができ、例えば、直径10cm~2m程度とすることができる。
なお、本発明の研磨パッド3は、好ましくは図2(a)に示すように、研磨層4がクッション層6に接着層7を介して接着されている。
研磨パッド3は、クッション層6に配設された両面テープ等によって研磨装置1の研磨定盤10に貼付される。研磨パッド3は、研磨装置1によって被研磨物8を押圧した状態で回転駆動され、被研磨物8を研磨する(図1参照)。
(構成)
研磨パッド3は、被研磨物8を研磨するための層である研磨層4を備える。研磨層4を構成する材料は、特定のポリウレタン樹脂である。
研磨層4の大きさ(径)は、研磨パッド3と同様であり、直径10cm~2m程度とすることができ、研磨層4の厚みは、通常1~5mm程度とすることができる。
研磨層4は、研磨装置1の研磨定盤10と共に回転され、その上にスラリー9を流しながら、スラリー9の中に含まれる化学成分や砥粒を、被研磨物8と一緒に相対運動させることにより、被研磨物8を研磨する。
研磨層4は、中空微小球体4Aが分散されていてもよい。中空微小球体4Aが分散されている場合は、研磨層4が摩耗されると中空微小球体4Aが研磨面に露出され研磨面に微少な空隙が生じ、この微少な空隙がスラリーを保持することで被研磨物8の研磨をより進行させることができる。
本発明の研磨パッドにおける研磨層4に含有してもよい中空微小球体4Aは、研磨層4の研磨面や研磨層4の断面に中空体として確認でき、当該中空体は、通常、2~200μmの開口径(中空微小球体4Aの直径)を有する。平均気泡径としては、好ましくは、5μm以上20μm未満である。中空微小球体4Aの形状は、球状、楕円状、及びこれらに近い形状のものが挙げられる
本発明の研磨層4の被研磨物8側の表面には、溝加工を設けることができる。溝は、特に限定されるものではなく、研磨層4の周囲に連通しているスラリー排出溝、及び研磨層4の周囲に連通していないスラリー保持溝のいずれでもよく、また、スラリー排出溝とスラリー保持溝の両方を有してもよい。スラリー排出溝としては、格子状溝、放射状溝などが挙げられ、スラリー保持溝としては、同心円状溝、パーフォレーション(貫通孔)などが挙げられ、これらを組み合わせることもできる。
ポリウレタン樹脂発泡体からなる研磨層4は、パルスNMR法によって80℃で測定される研磨層における結晶相の含有重量割合(CC80)に対する、パルスNMR法によって80℃で測定される前記研磨層における非晶相の含有重量割合(NC80)の比(NC80/CC80)が、2.6~3.1であり、かつ、パルスNMR法によって40℃で測定される研磨層における結晶相の含有重量割合(CC40)に対する、パルスNMR法によって40℃で測定される研磨層における非晶相の含有重量割合(NC40)の比(NC40/CC40)が、0.5~0.9であることを特徴としている。
さらに、40℃における非晶相と結晶相の割合も重要である。40℃における非晶相と結晶相の割合が特定範囲以外だと、ディフェクト性能、段差解消性能及び耐摩耗性が悪化することになるものであるからである。40℃における結晶相に対する非晶相の含有重量割合(NC40)の比(NC40/CC40)が、0.9を超える場合は、非晶相の割合が結晶相の割合に対して多すぎるため耐摩耗性が悪化することがあり、0.5未満であれば、非晶相の割合が結晶相の割合に対して少なすぎる段差解消性能やディフェクト性能が悪化することがある。NC40/CC40の下限は、好ましくは0.5以上であり、より好ましくは0.6以上である。NC40/CC40の上限は、好ましくは0.9以下であり、より好ましくは0.8以下である。
研磨層4の80℃にける結晶相(CC80)は、19.0~22.0重量%であることが好ましい。CC80が19.0~22.0重量%だと、研磨パッドが適した硬さとなりディフェクト性能や段差解消性能が向上するため好ましい。
なお、上記のスピン-スピン緩和時間は、例えば、JEOL製の「JNM-MU25」を用い、Solid Echo法による測定を実施することなどで求めることができる。
(構成)
本発明の研磨パッド3は、クッション層6を有する。クッション層6は、研磨層4の被研磨物8への当接をより均一にすることが望ましい。クッション層6の材料としては、樹脂を含浸させた含浸不織布、合成樹脂やゴム等の可撓性を有する材料、気泡構造を有する発泡体等のいずれから構成されていてもよい。例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリブタジエン、シリコーン等の樹脂や天然ゴム、ニトリルゴム、ポリウレタンゴム等のゴムなどが挙げられる。密度及び圧縮弾性率の調整の観点で、含浸不織布が好ましく、不織布に含浸させる樹脂材料にポリウレタンを用いることが好ましい。
接着層7は、クッション層6と研磨層4を接着させるための層であり、通常、両面テープ又は接着剤から構成される。両面テープ又は接着剤は、当技術分野において公知のもの(例えば、接着シート)を使用することができる。
研磨層4およびクッション層6は、接着層7で貼り合わされている。接着層7は、例えば、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系から選択される少なくとも1種の粘着剤で形成することができる。例えば、アクリル系粘着剤が用いられ、厚みが0.1mmに設定することができる。
ここで、段差解消性能とは、研磨に伴い段差(凹凸)を有するパターンウエハの段差を少なくする性能のことを言う。段差解消性能を測定する実験の模式図を図3に示す。被研磨物において3500オングストロームの段差がある場合、段差解消性能が高い研磨パッド(点線)と、相対的に段差解消性能が低い研磨パッド(実線)を用いた場合の段差の解消状態を示す。図3の(a)の時点では差がないものの、研磨が進み、研磨量が2000オングストロームのときに、良好な段差解消性能がある研磨パッド(点線)は、相対的に段差解消性能が低い研磨パッド(実線)に比べて、段差が少ないことが示されており((b))、段差解消性能が高い研磨パッドは、相対的に早く段差が解消する((c))。点線で示す研磨パッドは、実線の研磨パッドよりも相対的に段差解消性能が高いと言える。
本発明の研磨パッド3の製造方法について説明する。
研磨層の材料としては、本発明では、主成分としてはポリウレタン樹脂である。具体的な主成分の材料としては、例えば、イソシアネート末端プレポリマーと硬化剤とを反応させて得られるポリウレタン樹脂発泡体材料を挙げることができる。
本発明で用いられるイソシアネート末端プレポリマーは、ポリイソシアネート化合物と、ポリプロピレングリコールやポリエステルジオール等の高分子量ポリオールとを反応させることにより得ることができるものであり、イソシアネート基を分子末端に含むものである。イソシアネート末端プレポリマーは、市販のものがあればそれを用いることができるが、通常は、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを部分的に反応させたものをプレポリマーとして用いる。前記反応に特に制限はなく、ポリウレタン樹脂の製造において公知の方法及び条件を用いて付加重合反応すればよい。例えば、40℃に加温したポリオール化合物に、窒素雰囲気にて撹拌しながら50℃に加温したポリイソシアネート化合物を添加し、30分後に80℃まで昇温させ更に80℃にて60分間反応させるといった方法で製造することができる。
イソシアネート末端プレポリマーは、ポリイソシアネート化合物を原料として用いる。
本明細書において、ポリイソシアネート化合物とは、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物を意味する。
ポリイソシアネート化合物としては、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有していれば特に制限されるものではない。例えば、分子内に2つのイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物としては、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)、2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、ナフタレン-1,4-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネー卜(MDI)、4,4’-メチレン-ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、キシリレン-1、4-ジイソシアネート、4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン-1,2-ジイソシアネート、ブチレン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,4-ジイソシアネート、p-フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン-1,4-ジイソチオシアネート、エチリジンジイソチオシアネート等を挙げることができる。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、複数のポリイソシアネート化合物を組み合わせて用いてもよい。
本明細書において、「ポリオール」とは、分子内に2つ、またはそれ以上の水酸基(OH)を有する化合物を意味する。また、「高分子量」とは、分子量500以上のことを言う。
本発明では、イソシアネート末端プレポリマーの原料としての高分子量ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、ブチレングリコール等のジオール化合物、トリオール化合物等;ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(又はポリテトラメチレンエーテルグリコール)(PTMG)等のポリエーテルポリオール化合物;ポリエステルジオールを挙げることができる。
中でも結晶相と非晶相との割合を調整しやすい観点から、ポリプロピレングリコールとポリエステルジオールを組み合わせて使用することが好ましい。以下、ポリプロピレングリコールとポリエステルについて、説明する。
なお、数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC)により測定することができる。なお、ポリウレタン樹脂からポリオール化合物の数平均分子量を測定する場合は、アミン分解等の常法により各成分を分解した後、GPCによって推定することもできる。
ポリエステルジオールは、例えば、ジカルボン酸化合物と、ジオール化合物とを反応させることにより得ることができる。
ジカルボン酸化合物としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸;無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和結合含有ジカルボン酸;1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸;オルトフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、ジフェン酸およびこれらの無水物等の芳香族ジカルボン酸;等が挙げられ、単独でも組み合わせても用いることができる。
また、ポリエステルジオールは、高分子量ポリオール全体に対して、70重量%以下が好ましい。70重量%を超えると、段差解消性能が悪くなってしまう場合がある。好ましくは、ポリエステルジオールは、高分子量ポリオール全体に対して50~70重量%である。
ポリプロピレングリコールとポリエステルジオールの合計量は、高分子量ポリオール全体に対して80重量%以上であることが好ましい。80重量%以上であれば、効果が顕著に表れるためである。
本発明の研磨層4の製造のために、イソシアネート末端プリポリマー、硬化剤、任意選択的な添加剤、及び任意選択的な中空微小球体を準備する。イソシアネート末端プレポリマーについては、すでに説明したので、ここでは、硬化剤、添加剤、及び中空微小球体について説明する。
本発明の研磨層4の製造方法では、混合工程において硬化剤(鎖伸長剤ともいう)をイソシアネート末端プレポリマーなどと混合させる。硬化剤を加えることにより、その後の成形体成形工程において、ウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物の主鎖末端が硬化剤と結合してポリマー鎖を形成し、硬化することができる。
硬化剤としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジアミン、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(MOCA)、4-メチル-2,6-ビス(メチルチオ)-1,3-ベンゼンジアミン、2-メチル-4,6-ビス(メチルチオ)-1,3-ベンゼンジアミン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス[3-(イソプロピルアミノ)-4-ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2-ビス[3-(1-メチルプロピルアミノ)-4-ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2-ビス[3-(1-メチルペンチルアミノ)-4-ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2-ビス(3,5-ジアミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,6-ジアミノ-4-メチルフェノール、トリメチルエチレンビス-4-アミノベンゾネート、及びポリテトラメチレンオキサイド-di-p-アミノベンゾネート等の多価アミン化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、3-メチル-1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、2,3-ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3-メチル-4,3-ペンタンジオール、3-メチル-4,5-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリメチロールメタン、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール等の多価アルコール化合物が挙げられる。また、多価アミン化合物が水酸基を有していてもよく、このようなアミン系化合物として、例えば、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等を挙げることができる。多価アミン化合物としては、ジアミン化合物が好ましく、例えば、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(メチレンビス-o-クロロアニリン)(以下、MOCAと略記する。)を用いることがさらに好ましい。
研磨層4の材料として、酸化剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。本発明においては、本発明の効果を阻害するものでなければ、特に限定されるものではない。
研磨層4は、必要により、外殻を有し、内部が中空状である中空微小球体4Aを含む。上記したように、中空微小球体4Aの材料としては、市販のものを使用することができる。あるいは、常法により合成することにより得られたものを使用してもよい。中空微小球体4Aの外殻の材質としては、特に制限されないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシエーテルアクリライト、マレイン酸共重合体、ポリエチレンオキシド、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル及び有機シリコーン系樹脂、並びにそれらの樹脂を構成する単量体を2種以上組み合わせた共重合体が挙げられる。また、市販品の中空微小球体としては、以下に限定されないが、例えば、エクスパンセルシリーズ(アクゾ・ノーベル社製商品名)、マツモトマイクロスフェア(松本油脂(株)社製商品名)などが挙げられる。
混合工程では、前記準備工程で得られた、イソシアネート末端プレポリマー、硬化剤、任意選択的な添加剤、任意選択的な中空微小球体を混合機内に供給して攪拌・混合する。混合工程は、上記各成分の流動性を確保できる温度に加温した状態で行われるが、加熱しすぎると、中空微小球体が、膨張してしまい、所定の開口分布を有さなくなってしまうため、注意が必要である。
成形体成形工程では、前記混合工程で調製された成形体成形用混合液を30~100℃に予熱した型枠内に流し込み一次硬化させた後、100~150℃程度で10分~5時間程度加熱して二次硬化させることにより硬化したポリウレタン樹脂(ポリウレタン樹脂成形体)を成形する。このとき、イソシアネート末端プレポリマー、硬化剤が反応してポリウレタン樹脂発泡体を形成することにより該混合液は硬化する。
イソシアネート末端プレポリマーは、粘度が高すぎると、流動性が悪くなり混合時に略均一に混合することが難しくなる。温度を上昇させて粘度を低くするとポットライフが短くなり、却って混合斑が生じて得られる発泡体に含まれる中空微小球体の大きさにバラツキが生じる。特に、反応温度が高すぎると、未膨張タイプの中空微小球体を用いた場合、必要以上に膨張してしまい、所望の開孔を得られなくなる。反対に粘度が低すぎると混合液中で気泡が移動してしまい、中空微小球体が略均等に分散した発泡体を得ることが難しくなる。このため、イソシアネート末端プレポリマーは、温度50~80℃における粘度を500~4000mPa・sの範囲に設定することが好ましい。このことは、例えば、イソシアネート末端プレポリマーの分子量(重合度)を変えることで粘度を設定することができる。イソシアネート末端プレポリマーは、50~80℃程度に加熱され流動可能な状態とされる。
クッション層6は、樹脂を含浸してなる含浸不織布で構成することが好ましい。不織布に含浸させる樹脂としては、好ましくは、ポリウレタン及びポリウレタンポリウレア等のポリウレタン系、ポリアクリレート及びポリアクリロニトリル等のアクリル系、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル及びポリフッ化ビニリデン等のビニル系、ポリサルホン及びポリエーテルサルホン等のポリサルホン系、アセチル化セルロース及びブチリル化セルロース等のアシル化セルロース系、ポリアミド系並びにポリスチレン系などが挙げられる。不織布の密度は、樹脂含浸前の状態(ウェッブの状態)で、好ましくは0.3g/cm3以下であり、より好ましくは0.1~0.2g/cm3である。また、樹脂含浸後の不織布の密度は、好ましくは0.7g/cm3以下であり、より好ましくは0.25~0.5g/cm3である。樹脂含浸前及び樹脂含浸後の不織布の密度が上記上限以下であることにより、加工精度が向上する。また、樹脂含浸前及び樹脂含浸後の不織布の密度が上記下限以上であることにより、基材層に研磨スラリーが浸透することを低減することができる。不織布に対する樹脂の付着率は、不織布の重量に対する付着させた樹脂の重量で表され、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは75~200重量%である。不織布に対する樹脂の付着率が上記上限以下であることにより、所望のクッション性を有することができる。
接合工程では、形成された研磨層4およびクッション層6を接着層7で貼り合わせる(接合する)。接着層7には、例えば、アクリル系粘着剤を用い、厚さが0.1mmとなるように接着層7を形成する。すなわち、研磨層4の研磨面と反対側の面にアクリル系粘着剤を略均一の厚さに塗布する。研磨層4の研磨面Pと反対側の面と、クッション層6の表面と、を塗布された粘着剤を介して圧接させて、研磨層4およびクッション層6を接着層7で貼り合わせる。そして、円形等の所望の形状に裁断した後、汚れや異物等の付着が無いことを確認する等の検査を行い、研磨パッド3を完成させる。
表1に記載の割合になるように、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)、高分子量ポリオールを混合し、PP1とPP2をそれぞれ調製し、それを表2の割合になるように混合し得られるNCO当量約520のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー100部に、殻部分がアクリロニトリル-塩化ビニリデン共重合体からなり、殻内にイソブタンガスが内包された未膨張タイプの中空微小球体3.5部を添加混合し、混合液を得た。得られた混合液を第1液タンクに仕込み、保温した。次に、第1液とは別途に、硬化剤としてMOCA23.1部を第2液タンクに仕込み、第2液タンク内で保温した。第1液タンク、第2液タンクの夫々の液体を、注入口を2つ具備した混合機に夫々の注入口からプレポリマー中の末端イソシアネート基に対する硬化剤に存在するアミノ基及び水酸基の当量比を表わすR値が0.90となるように注入した。注入した2液を混合攪拌しながら80℃に予熱した成形機の金型へ注入した後、型締めをし、30分間、加熱し一次硬化させた。一次硬化させた成形物を脱型後、オーブンにて120℃で4時間二次硬化し、ウレタン成形物を得た。得られたウレタン成形物を25℃まで放冷した後に、再度オーブンにて120℃で5時間加熱してから1.3mmの厚みにスライスし、研磨層1~4を得た。
ポリエステル繊維からなる不織布をウレタン樹脂溶液(DIC社製、商品名「C1367」)に浸漬した。浸漬後、1対のローラ間を加圧可能なマングルローラを用いて樹脂溶液を絞り落として、不織布に樹脂溶液を略均一に含浸させた。次いで、室温の水からなる凝固液中に浸漬することにより、含浸樹脂を凝固再生させて樹脂含浸不織布を得た。その後、樹脂含浸不織布を凝固液から取り出し、さらに水からなる洗浄液に浸漬して、樹脂中のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を除去した後、乾燥させた。乾燥後、バフィング処理により表面のスキン層を除去し厚み1.3mmのクッション層を作製した。
研磨層1~4およびクッション層を厚さ0.1mmの両面テープ(PET基材の両面にアクリル系樹脂からなる接着剤を備えるもの)で接合した。
なお、表1において、TDIは2,4-トルエンジイソシアネート、PPG1000は数平均分子量1000のポリプロピレングリコールを、エステルは、アジピン酸とブタンジオールとを反応させて得られた数平均分子量1000のポリエステルジオールである。
研磨層1~4について、以下の条件パルスNMR測定を実施した。緩和時間に応じて、結晶相、中間相、非晶相にわけて、それぞれの割合を計算した。結果を表3及び表4にまとめる。
装置 Bruker社 Minispec mq20 (20MHz)
核種 1H
測定 T2
測定手法 Solid echo法
acquisition Scale 0.4msec
Scan 128回
Recycle Delay 0.5sec
測定温度 40℃、80℃
装置温度が測定温度に達して試料をセットしてから60分後に測定を開始した。試料は、上記の装置、条件にて、試料ペレット8mmφ約50mgを10枚用意して試料管に充填したものを用いた。
表3におけるT(1)は結晶相に対応する緩和時間、T(2)は中間相に対応する緩和時間、T(3)は非晶相に対応する緩和時間を示す。
研磨層1~4及び研磨層1~4を用いた実施例1乃至2及び比較例1乃至2の研磨パッドの特性に関する測定を行った。結果を表5に記載する。測定方法は以下に記す。
研磨層の密度(g/cm3)は、日本工業規格(JIS K 6505)に準拠して測定した。
研磨層のD硬度は、日本工業規格(JIS-K-6253)に準拠して、D型硬度計を用いて測定した。ここで、測定試料は、少なくとも総厚さ4.5mm以上になるように、必要に応じて複数枚の研磨層を重ねることで得た。
研磨層1~4をそれぞれ用いた研磨パッドについて、小型摩擦摩耗試験機を用いて、下記条件にて摩耗試験を行った。得られた摩耗試験結果において、0.15mm以下のとき、○と表記し、0.15mmを超えるときに×と表記した。
使用研磨機:小型摩擦摩耗試験機
圧子側:PAD(17φ)
定盤側:♯180サンドペーパー
荷重:300g
液:水
流量:45ml/分
定盤回転数:40rpm
時間:10分
厚み測定荷重:300g
(研磨条件)
使用研磨機:F-REX300X(荏原製作所社製)
Disk:A188(3M社製)
研磨剤温度:20℃
研磨定盤回転数:85rpm
研磨ヘッド回転数:86rpm
研磨圧力:3.5psi
研磨スラリー(金属膜):CSL-9044C(CSL-9044C原液:純水=重量比1:9の混合液を使用) (フジミコーポレーション製)
研磨スラリー流量:200ml/min
研磨時間:60秒
被研磨物(金属膜):Cu膜基板
パツドブレーク:35N 10分
コンディショニング:Ex-situ、35N、4スキャン
研磨パッドを、研磨装置の所定位置にアクリル系接着剤を有する両面テープを介して設置し、上記研磨条件にて研磨加工を施した。段差解消性能は、120μm/120μm、100μm/100μm、50μm/50μm、10μm/10μmの各配線幅におけるディッシングを段差・表面粗さ・微細形状測定装置(KLAテンコール社製、P-16+)で測定することにより評価した。
7000オングストローム膜厚、3000オングストロームの段差を有するパターンウエハに対して、1回の研磨量が1000オングストロームになるように研磨レートを調整して研磨を実施し、段階的に研磨を行い都度ウエハの段差測定を実施した。すべての配線幅において、研磨量が6000オングストローム以下で段差が解消したものを○、研磨量が6000オングストロームを超えた後に解消したものや段差が解消しなかったものを×と表記した。
研磨処理枚数が16枚目・26枚目・51枚目の基板を、表面検査装置(KLAテンコール社製、Surfscan SP2XP)の高感度測定モードを用いて、大きさが155nm以上となるディフェクト(表面欠陥)を検出した。検出された各ディフェクトについて、レビューSEMを用いて撮影したSEM画像の解析を行い、スクラッチの個数を計測した。実務上必要と考えられる10個以下のスクラッチ数であれば○と表記し、10個を超えるスクラッチ数であれば×と表記した。
3 研磨パッド
4 研磨層
4A 中空微小球体
6 クッション層
7 接着層
8 被研磨物
9 スラリー
10 研磨定盤
Claims (9)
- イソシアネート末端プレポリマー及び硬化剤由来のポリウレタン樹脂発泡体からなる研磨層を有する研磨パッドであって、
パルスNMR法によって80℃で測定される前記研磨層における結晶相の含有重量割合(CC80)に対する、パルスNMR法によって80℃で測定される前記研磨層における非晶相の含有重量割合(NC80)の比(NC80/CC80)が、2.6~3.1であり、
パルスNMR法によって40℃で測定される前記研磨層における結晶相の含有重量割合(CC40)に対する、パルスNMR法によって40℃で測定される前記研磨層における非晶相の含有重量割合(NC40)の比(NC40/CC40)が、0.5~0.9である、研磨パッド。 - 下記式(1)から得られる数値が1.9より大きく2.2より小さい、請求項1に記載の研磨パッド。
- 前記CC80が、19.0~22.0重量%である、請求項1又は2に記載の研磨パッド。
- 前記NC40が、22.0~27.0重量%である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の研磨パッド。
- 前記イソシアネート末端プレポリマーが、ポリイソシアネート化合物由来構成単位と、高分子量ポリオール由来構成単位とを含み、
前記高分子量ポリオール由来構成単位は、少なくともポリプロピレングリコール構成単位と、ポリエステルジオール構成単位とからなる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の研磨パッド。 - 前記ポリプロピレングリコール構成単位が、前記高分子量ポリオール由来構成単位に対して、60重量%未満である、請求項5に記載の研磨パッド。
- 前記ポリエステルジオール構成単位を形成するためのポリエステルジオールが、600~2500の数平均分子量である、請求項5又は6に記載の研磨パッド。
- 前記イソシアネート末端プレポリマーのNCO当量が500~600である、請求項1に記載の研磨パッド。
- ポリウレタン樹脂発泡体からなる研磨層を有する研磨パッドの製造方法であって、
イソシアネート末端プレポリマーと、硬化剤とを混合し、反応させ、前記ポリウレタン樹脂発泡体を得る工程と、
前記ポリウレタン樹脂発泡体を成形し、研磨層の形状にする工程と、を含み、
パルスNMR法によって80℃で測定される前記研磨層における結晶相の含有重量割合(CC80)に対する、パルスNMR法によって80℃で測定される前記研磨層における非晶相の含有重量割合(NC80)の比(NC80/CC80)が、2.6~3.1であり、
40℃で測定される前記研磨層における結晶相の含有重量割合(CC40)に対する、パルスNMR法によって40℃で測定される前記研磨層における非晶相の含有重量割合(NC40)の比(NC40/CC40)が、0.5~0.9である、研磨パッドの製造方法。
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