以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。実施例は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でもよい。
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
各種情報の例として、「テーブル」、「リスト」、「キュー」等の表現にて説明することがあるが、各種情報はこれら以外のデータ構造で表現されてもよい。例えば、「XXテーブル」、「XXリスト」、「XXキュー」等の各種情報は、「XX情報」としてもよい。識別情報について説明する際に、「識別情報」、「識別子」、「名」、「ID」、「番 号」等の表現を用いるが、これらについてはお互いに置換が可能である。
同一あるいは同様の機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。また、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
実施例において、プログラムを実行して行う処理について説明する場合がある。ここで、計算機は、プロセッサ(例えばCPU、GPU)によりプログラムを実行し、記憶資源(例えばメモリ)やインターフェースデバイス(例えば通信ポート)等を用いながら、プログラムで定められた処理を行う。そのため、プログラムを実行して行う処理の主体を、プロセッサとしてもよい。
同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体は、演算部であれば良く、特定の処理を行う専用回路を含んでいてもよい。ここで、専用回路とは、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)等である。
プログラムは、プログラムソースから計算機にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読み取り可能な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサと配布対象のプログラムを記憶する記憶資源を含み、プログラム配布サーバのプロセッサが配布対象のプログラムを他の計算機に配布してもよい。また、実施形態において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
なお本発明は多岐にわたる内容を含むことから、各実施例の概要を予め示しておくと、以下のようである。まず実施例1ではプラントにおいて、作業員がICタグを持ってプラントに入構し、ICタグを現地のリーダライタにタッチすることで部屋の入退室時刻をICタグに記録し、作業者自身がICタグをプラント外に持ち出し、データを回収することについて、実施例2では記録したデータから作業者ごとの個人移動履歴を推定することについて、実施例3では管理者がゲート端末に記録された未回収の他者ゲート通過レコードを回収することについて、実施例4ではゲート端末のタイムスタンプ生成部の時刻を更新することについて、実施例5では可搬式記憶端末のデータ容量に余裕が無いときに、記録されていたデータをゲート端末の再書き込みバッファに移行することで、データ容量に空きを作ることについて、実施例6では作業者が作業の着完時刻をICタグに記録することについて、実施例7では記録したデータから作業者ごとの個人作業履歴を推定することについて、実施例8では作業者が実施する予定の作業のメニューを事前に登録しておくことについて、実施例9ではゲート端末で作業者が次に実施する作業を推定することについて、実施例10では可搬式記憶端末をゲート端末に近接させる以外の手段で作業者のゲート通過を検知し、その検知結果を可搬式記憶端末で回収することについて、実施例11では記録したデータから作業者ごとの個人作業履歴を推定することについて、実施例12では可搬式記憶端末をゲート端末に近接させる以外の手段で作業者の作業の状況を検知し、その検知結果を可搬式記憶端末で回収することについて、実施例13では記録したデータから作業ごとの作業履歴(各作業履歴)を推定することについて、それぞれ説明する。
実施例1について図1から図14Bを用いて説明する。実施例1では、プラントにおいて、作業員がICタグを持ってプラントに入構し、ICタグを現地のリーダライタにタッチすることで部屋の入退室時刻をICタグに記録し、作業者自身がICタグをプラント外に持ち出し、データを回収する方法について説明する。
実施例1によれば、タッチ時間が短くICタグへの書き込みに失敗した場合でも、作業員に再書き込みを求めることなく、短時間で書き込み手続きを完了した上で、書き込み失敗したデータを回収することができる。
図1は、本発明の実施例1に係る作業履歴計測システムを使用する作業者の動作を示す図である。作業者101は可搬式記憶端末102を携行する。プラント内にはゲート端末103が設置される。ゲート端末103はリーダライタ103Aを備える。作業者101が可搬式記憶端末102をリーダライタ103Aに近接させることで、リーダライタ103Aと可搬式記憶端末102の通信が実行される。ゲート端末103はモニタ103Bを備えていてもよい。モニタ103Bには、現在時刻や、ゲート端末103の設置場所の名称が表示されるとよい。
ここで作業者101とは、プラント内において、保全作業を行う保全作業員や、工事作業を行う工事作業員、加工作業を行う加工作業員、点検作業を行う点検作業員、清掃を行う清掃員、機材や荷物の運搬を行う運搬員、見学を行う見学者、その他あらゆる作業や業務を行う作業員が含まれる。また、これらを監督するリーダーや班長、リーダーや班長を監督する指導員や監督者も作業者101に含まれる。
プラントは、発電所、化学プラント、食品プラント、組み立て工場、工事現場、建設現場など、作業者101が業務を行うあらゆる場所が含まれる。また、ビルや、ショッピングモール、駅、空港、劇場、博物館などにおいても本実施例は適用できる。
可搬式記憶端末102は、作業者101が携行でき、所定の箇所に近接することで通信が可能であり、内部にデータを格納できる記憶領域を備えたものである。例えば、ICカード、RFID(Radio Frequency Identification)タグ、NFC(Near Field Communication)タグ、磁気カード、携帯電話、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、などを含む。可搬式記憶端末102は、電池を備えずに外部から供給された電源ないし電磁波を用いて駆動するパッシブタイプの通信を行ってもよいし、電池を内蔵して通信を行うアクティブタイプの通信を行ってもよい。可搬式記憶端末102をICタグと表記することもあるが、両者は同義とする。
リーダライタ103Aは、可搬式記憶端末102の近接を検知でき、可搬式記憶端末102に読み書きができる機能を備える。図1に示すようにタッチを促す形態であってもよいし、ビーコンのようにタッチせずとも可搬式記憶端末102の近接を検知できる形態であってもよい。
可搬式記憶端末102とリーダライタ103A間の通信方式は、近距離無線通信(NFC)、UHF(Ultra High Frequency)帯の無線通信、HF(High Frequency)帯の無線通信、920MHz帯の無線通信、電磁誘導方式の無線通信、電波方式の無線通信、WiFiによる無線通信、Bluetoothによる無線通信、Zigbeeによる無線通信、などが含まれる。
可搬式記憶端末102とリーダライタ103Aの近接の方法は、本実施例ではタッチ動作を想定する。タッチとは、作業者101がICタグを意図的にリーダライタ103Aにかざして、短時間待機してから、ICタグを離す動作である。なお、本実施例では説明を省くが、作業者101がリーダライタ103Aに近づくことで、作業者101が意識せずとも通信が実施される方法(ビーコン方式など)であってもよい。
図2Aは、本発明の実施例1に係る作業履歴計測システムの全体構成例を示すブロック図である。可搬式記憶端末102は個人ID(102A)と保存済みレコード102Bを記録している。個人ID(102A)は、作業者101を一意に特定できる識別記号である。社員番号や、氏名や、作業者101ごとに割り振った何らかの数字などが考えられる。保存済みレコード102Bは、自己ゲート通過レコード102Cと他者ゲート通過レコード102Dで構成される。これらの説明については後述する。以下、自己ゲート通過レコード102Cや他者ゲート通過レコード102Dをまとめて「レコード」と表記することがある。
初期化端末104は可搬式記憶端末102に個人ID(102A)を書き込むために使用される。例えば、監督者が作業員ごとにNFCタグを用意し、NFCタグに作業者101の個人ID(102A)を書き込むことが考えられる。個人ID(102A)は上書きすることもできる。一度使用したNFCタグに別の個人ID(102A)を上書きして、再利用することもできる。
ゲート端末103は可搬式記憶端末102に自己ゲート通過レコード102Cと他者ゲート通過レコード102Dを書き込む。ゲート端末103は、ゲートID(103C)と再書き込みバッファ103Fを記録しており、また、通信部103Dとタイムスタンプ生成部103Eを備える。ゲートID(103C)は、ゲート端末103の設置個所を一意に特定できる識別記号である。部屋の名称や、場所の名称や、設置個所ごとに割り振った何らかの数字などが考えられる。再書き込みバッファ103Fの説明については後述する。通信部103Dは可搬式記憶端末102との通信を実現するものである。例えば、リーダライタ103Aや、ビーコン、アンテナモジュールなどが考えられる。
タイムスタンプ生成部103Eは、現在時刻を保持するものである。可搬式記憶端末102がタッチされた時刻を記録するために使用される。プラントはネットワーク環境を備えないことがある。ネットワーク環境が無い場合、ゲート端末103はネットワーク上の時刻同期源(NTP(Network Time Protocol)サーバなど)と時刻同期することができないため、各ゲート端末103がタイムスタンプ生成部103Eを備えて現在時刻を保持する必要がある。
読み出し部105は1つ以上の可搬式記憶端末102に記録されたデータを読み出し、個人ID(102A)とゲートID(103C)とタイムスタンプ103Gを出力する。
図2Bは本発明の実施例1に係る自己ゲート通過レコード102Cの構成例を示すブロック図である。自己ゲート通過レコード102Cは、ゲートID(103C)とタイムスタンプ103Gを含むデータである。ゲートID(103C)は、可搬式記憶端末102をタッチしたゲート端末103が持つゲートID(103C)である。タイムスタンプ103Gは、可搬式記憶端末102をタッチした際の時刻である。自己ゲート通過レコード102Cは他にも情報を含んでもよい。
図2Cは本発明の実施例1に係る他者ゲート通過レコード102Dの構成例を示すブロック図である。他者ゲート通過レコード102Dは、個人ID(102A)とゲートID(103C)とタイムスタンプ103Gを含むデータである。個人ID(102A)は、リーダライタ103Aにタッチした可搬式記憶端末102が持つ個人ID(102A)である。ゲートID(103C)とタイムスタンプ103Gについては、図2Bで述べた自己ゲート通過レコード102Cと同様である。他者ゲート通過レコード102Dは他にも情報を含んでもよい。
図3Aは本発明の実施例1に係る作業履歴計測システムの再書き込みバッファ103Fにデータが無い場合の動作例を示す図である。図3Aではプラントを簡略化し、プラントは作業エリア1と作業エリア2とその他のエリアに分かれているように表現されている。プラントはさらに多数のエリアに分かれていてもよい。なお作業者がゲートを通過する都度、移動履歴が生成されるものとする。
ゲートは各エリアを行き来する境界点を表現している。ゲートの場所は、部屋の出入口や、建物の出入口、敷地の出入口、作業エリアの出入口、なんらかのエリア(柵やフェンスで囲われて形成されてもよい)の内外の境界点、などが考えられる。例えばエリアが部屋である場合、ゲートは部屋のドアが考えられる。ゲートには物理的なドアが無くても構わない。例えばフェンス等で囲われた区画を作業エリアと見なす場合、フェンスの内外を移動する通路部分をゲートと見なすことができる。
ゲート端末103は各ゲートの付近に設置される。ゲート端末103は各ゲートに対応するゲートID(103C)を記録している。作業者101はゲートを通過する際に、自身が可搬している可搬式記憶端末102をゲート端末103の通信部103Dに近接(タッチ)することで、可搬式記憶端末102とゲート端末103間の通信処理を発生させる。
通信処理は、タッチされた可搬式記憶端末102に書き込まれたデータを読み込み、内容を解釈して、追記するレコードを可搬式記憶端末102に書き込む。具体的には、通信部103Dが可搬式記憶端末102に記録されたデータ(特に個人ID(102A))を読み込み、タイムスタンプ生成部103Eが現在時刻のタイムスタンプ103Gを出力し、通信部103DがゲートID(103C)とタイムスタンプ103Gからなる自己ゲート通過レコード102Cを可搬式記憶端末102に書き込む。これで一連の通信処理が完了する。なお、ここでは再書き込みバッファ103Fにはデータが記録されていない。再書き込みバッファ103Fにデータが記録されている場合の通信処理については図3Cで後述する。
初期化端末は可搬式記憶端末102に個人ID(102A)を書き込むことで初期化を行う。初期化された可搬式記憶端末102には、個人ID(102A)以外のデータは記録されていない。作業者101がプラント内でゲートを通過時にゲート端末103にタッチをすることで、可搬式記憶端末102には自己ゲート通過レコード102Cが蓄積されていく。図3Aでは、作業者101は3つのゲートでタッチを行ったため、最終的に3つの自己ゲート通過レコード102Cが可搬式記憶端末102に記録された。
読み出し部105は、可搬式記憶端末102に保存されたデータ(個人ID(102A)と自己ゲート通過レコード102C)を読み出し、個人ID(102A)とゲートID(103C)とタイムスタンプ103Gを出力する。出力されたデータの扱い方は、作業員管理システムのデータベースに記録する、記憶媒体(ハードディスクやUSBメモリやCDやDVDなど)に記録する、画面上に表示する、表管理ソフトに記録する、紙にプリントアウトする、などが考えられる。
図3Bは本発明の実施例1に係る作業履歴計測システムの再書き込みバッファ103Fにデータを書き込む場合の動作例を示す図である。図3Aの動作例との違いは、ゲート2におけるタッチで発生した通信処理において、書き込みに失敗した点にある。
このときゲート端末103は、可搬式記憶端末102から読み込んだ個人ID(102A)と、タッチが行われたタイムスタンプ103Gからなるデータを再書き込みバッファ103Fに記録する。可搬式記憶端末102にはゲート2で自己ゲート通過レコード102Cが書き込まれないため、最終的には、図3Aと異なり、2つの自己ゲート通過レコード102Cが記録される。再書き込みバッファ103Fに記録されたデータは、同じゲートを通過する別の作業者(後続の作業者101(B))がゲート2でタッチした際に、後続の作業者の可搬式記憶端末507に書き込まれることで、回収される(再書き込みバッファ103Fのデータを書き込む動作例については図3Cで後述する)。
この動作例により、作業者101のゲートでの手続きを短縮化できる。この効果について具体的に述べる。作業者101(A)が急いでゲートを通過する際、可搬式記憶端末102とゲート端末103を短時間しかタッチさせない(タッチ時間が短い)ことが考えられる。タッチ時間が短いと、レコードの書き込みが失敗する確率が高くなる。しかし作業者101(A)は急いでいるため、書き込みが失敗したことに気が付かず、ゲートを通過し、次のエリアに移動してしまうことがある。ここで、書き込むべきレコードを再書き込みバッファ103Fに格納しておくことで、後続の作業者101(B)が再書き込みバッファ103Fからレコードを回収することができる。これにより、作業者101(A)はレコードの書き込みに失敗したかどうかを極力気にすることなく、短時間でゲートを通過できるようになる。
ここで、書き込み失敗時に、自動改札機のように作業者101(A)に再書き込み(再タッチ)を求めることもできる。しかしその場合、作業者101(A)は一旦引き返して再タッチする必要があり、ゲートを通過する手続きに時間がかかる。プラントは大勢の作業者101が同一のゲートを通過することがあり、一人当たりの手続き時間は極力短く済むことが求められる。特に、作業者101が厳重な防護服を着用するプラントでは、ICタグの取り回しが難しく、タッチ時間が不十分となることが多く、書き込み失敗する可能性が高い。書き込み失敗のたびに作業者101に再タッチを求めると、ゲートで作業者101の待ち行列ができてしまい、作業の効率を悪化させることが予想される。このような観点から、作業者101には再タッチを求めずにスムーズにゲートを通過できるようにした上で、書き込み失敗したデータを別の手続きで回収する方法が有効である。
図3Bでは、書き込みに失敗したことを条件として再書き込みバッファ103Fに記録する動作例を示したが、予め設定できる所定の条件であれば、どんな条件であってもよい。所定の条件は、例えば、可搬式記憶端末102に記録されるレコードが偶数個目のとき、可搬式記憶端末102に記録されるレコードが5の倍数個目のとき、レコードのタイムスタンプ103Gが特定の期間にあるとき(例えば、朝のプラント入域時間である午前8時から午前9の期間にあるとき)、複数の作業者101が同じゲートを短時間に大勢通過したとき(例えば、5分間に20人の作業者101が同一ゲートを通過し、該当のゲートが混雑していたと予想されるとき)、個人ID(102A)が特定の個人ID(102A)のとき(例えば、プラント長や監督者など注目度の高い役職の個人ID(102A)であるとき)、可搬式記憶端末102に記録されたデータ量が一定のデータ量を超えたとき(例えば、可搬式記憶端末102のデータ容量の90%に達しており、データを追記できなくなる懸念があるとき)、作業者101が非定常なゲートを通過するとき(例えば、個人ID(102A)ごとに定常的に通過するゲートを設定しておき、作業者101が非定常なゲートを通過して、非定常な作業が実施されたと予想されるとき)、特定のゲートID(103C)であるとき(例えば、定常的には作業員が立ち入りしないエリアに作業者101が立ち入りし、非定常な作業が実施されたと予想されるとき)、ゲート端末103に不具合が発生したとき(例えば、ゲート端末103の内部プログラムがエラーを出力し、ゲート端末103のメンテナンスが必要と考えられるとき)、可搬式記憶端末102に不具合が発生したとき(例えば、可搬式記憶端末102がゲート端末103にエラー応答をし、可搬式記憶端末102の交換が必要と考えられるとき)、などが考えられる。
また、所定の条件を設定しない(条件=any)ことにしてもよい。つまり、ゲート端末103が自己ゲート通過レコード102Cを書き込む際には、常に再書き込みバッファ103Fに記録を行ってもよい。
図3Cは、本発明の実施例1に係る作業履歴計測システムの再書き込みバッファ103Fにデータが存在する場合の動作例を示す図である。図3Aの動作例との違いは、ゲート2のゲート端末103の再書き込みバッファ103Fにデータが記録されている点にある。このとき、ゲート2のゲート端末103は、再書き込みバッファ103Fに記録された個人ID(102A)とタイムスタンプ103Gから他者ゲート通過レコード102Dを作成し、可搬式記憶端末102に書き込む。ゲート2では、自己ゲート通過レコード102Cと他者ゲート通過レコード102Dがそれぞれ書き込まれることになる。
最終的には、作業者101(A)の可搬式記憶端末102には、作業者101(A)自身のゲート通過を記録した自己ゲート通過レコード102C3つと、ゲート2で回収した作業者101(B)の他者ゲート通過レコード102Dの1つが記録される。これらのデータ(個人ID(102A)と自己ゲート通過レコード102Cと他者ゲート通過レコード102D)は、読み出し部105が読み出し、個人ID(102A)とゲートID(103C)とタイムスタンプ103Gを出力する。
図3Cでは、ゲートで一つの他者ゲート通過レコード102Dを書き込みする例を示した。再書き込みバッファ103Fに複数のデータが保存されている場合には、一度のタッチで複数の他者ゲート通過レコード102Dをまとめて書き込みしてもよい。
本動作例の特徴は、ある人物が持つICタグに、他者に紐づくデータを書き込みする点にある。例えば、交通系ICカードなどのユースケースでは、プライバシーやセキュリティの観点から、他者のデータを書き込みすることは受け入れられない。一方で、プラントの作業実態を把握するというユースケースでは、監督者による作業員の業務管理の一環と見なせるため、プライバシーの問題は小さい。データは不特定多数に公開されるのではなく、労務管理されるプラント内の作業員に限定して開示されるため、セキュリティの問題も小さい。また、プラント業務は、作業員が事務所で準備をし、プラント内で作業した後、事務所に戻ってくるという業務フローが多い。この性質上、全作業者のICタグを読み出し部105(例えば事務所に設置される)で読み出してマージする運用が可能であるため、本動作例が実現できる。
図4Aは本発明の実施例1に係るゲート端末103の第1構成例を示すブロック図である。ゲート端末103は、リーダライタ103Aを備えた情報処理装置である。例えば、NFCリーダライタモジュールを備えたシングルボードコンピュータで構成される。リーダライタ103Aとコンピュータは物理的に分かれた構成でもよい。例えば、USB接続式のリーダライタ103AとPCで構成されてもよい。
ゲート端末103はリーダライタ103Aの他に、CPU103H、RTCモジュール103L、メモリ103I、ストレージ103Jなどで構成される。CPU103Hはリーダライタ103Aを制御し、メモリ103Iに読み書きを行う。RTCモジュール103Lはタイムスタンプ生成部103Eに該当し、CPU103Hにタイムスタンプ103Gを出力する。ストレージ103JはゲートID(103C)と制御プログラム103Kを記録する。ゲートID(103C)は制御プログラム103Kの中に書き込まれていてもよし、ストレージ103J内に別ファイルとして格納されてもよい。
ゲート端末103で実行される各種の処理は主にCPU103Hで演算されてもよい。以下では、CPU103Hが実行するとは明記しない。また、各種の処理は制御プログラム103Kに従って実行されてもよい。以下では、制御プログラム103Kに従うとは明記しない。
メモリ103Iは制御プログラム103Kを読み込み、また、再書き込みバッファ103Fを記録する。再書き込みバッファ103Fはメモリ103Iではなくストレージ103Jに保存されてもよい。または、物理的に別の外部ストレージ(USBメモリなど)に保存されてもよい。
RTCモジュール103Lはゲート端末103のシャットダウン時でもタイムスタンプ103Gを保持するために必要なモジュールである。仮に、ゲート端末103に常時通電ができる場合には、CPUクロックでタイムスタンプ103Gをカウントできるため、RTCモジュール103Lは必要ではないこともある。この場合はCPU103Hがタイムスタンプ生成部103Eの働きをする。
ゲートID(103C)は、ストレージ103Jに保存せず、外部から入力してもよい。例えば、ゲートID(103C)を指定する外部スイッチ(サムロータリスイッチなど)を用意し、スイッチの値を読み込むことでゲートID(103C)を指定してもよい。
図4Bは、本発明の実施例1に係るゲート端末103の第2構成例を示すブロック図である。図4Aの構成例との違いは、メモリ103Iにバッファ存在ステータス値103Mが記録されている点である。バッファ存在ステータス値103Mは、再書き込みバッファ103Fにデータが存在するかどうかを記録する。例えば、データが存在する場合にはTrue値を、データが存在しない場合にはFalse値とすることが考えられる。ゲート端末103は、タッチされるたびに、再書き込みバッファ103Fにデータが存在するかどうかを確認する必要がある。CPU103Hは、バッファ存在ステータス値103Mを参照することで、再書き込みバッファ103Fにデータが存在するかどうかを高速に確認することができる。
図4Cは、本発明の実施例1に係るゲート端末103の第3構成例を示すブロック図である。図4Aの構成例との違いは、モニタ103Bを備える点である。モニタ103Bには、タイムスタンプ103GやゲートID(103C)を表示することが考えられる。また、ゲート端末103の設置場所の名称を表示することが考えられる。
図5Aは、本発明の実施例1に係る通信部103Dの書き込み成功時の処理例を示すシーケンス図である。作業者101が可搬式記憶端末102を通信部103Dにタッチすること(ICタグをリーダライタ103Aにかざす)をトリガーに通信処理が開始する。まず、通信部103Dが可搬式記憶端末102の個人ID(102A)と保存済みレコード102Bの読み取りリクエストを送り、返答を受け取る。次に、通信部103Dがタイムスタンプ生成部103Eにタイムスタンプ103Gを要求し、返答を付けとる。次に、再書き込みバッファ103Fのデータを読み込み、再書き込みバッファ103Fのデータを受け取る。
通信部103Dは、ゲートID(103C)とタイムスタンプ103Gから自己ゲート通過レコード102Cを作成し、再書き込みバッファ103Fから受け取った個人ID(102A)とゲートID(103C)とタイムスタンプ103Gから他者ゲート通過レコード102Dを作成し、可搬式記憶端末102に各レコードの書き込みリクエストを送る。可搬式記憶端末102から書き込み成功返答を受け取ったら、再書き込みバッファ103F内のデータを削除する。作業者101はタッチを終了し(ICタグをリーダライタ103Aから離す)、通信処理が完了する。
書き込み成功後に再書き込みバッファ103F内のデータを削除する理由は、後続の作業者の可搬式記憶端末507に2重書き込みすることを防ぐためである。仮に、再書き込みバッファ103Fのデータの削除を行わず、積極的に2重書き込みを行った場合、多くの作業者101の可搬式記憶端末102に同じ他者ゲート通過レコード102Dが存在することになる。読み出し部105で重複したレコードを除外することができるため、システム上は問題ない。ただし、可搬式記憶端末102は一般にデータ容量が小さいため、十分に多くのデータを記録することはできない。2重書き込みを繰り返すと、多くの作業者101の可搬式記憶端末102のデータ量を圧迫してしまう。このため、基本的には2重書き込みは避けるべきである。
図5Bは、本発明の実施例1に係る通信部103Dの書き込み失敗時の処理例を示すシーケンス図である。図5Aの処理例との違いは、可搬式記憶端末102が書き込み失敗返答をする点である。書き込み失敗の原因としては、ICタグの内部処理におけるエラーなどが考えられる。通信部103Dは、書き込み失敗応答を受け取った場合、可搬式記憶端末102から読み出した個人ID(102A)とタイムスタンプ103Gを再書き込みバッファ103Fに書き込む。
他者ゲート通過レコード102Dを書き込むことができなかったため、再書き込みバッファ103Fのデータは後続の作業者の可搬式記憶端末507に再度書き込む必要がある。そのため、再書き込みバッファ103Fのデータを削除しない。
書き込み失敗返答を受け取った場合、リトライ回数を指定し、書き込みを何度か繰り返すことは有効である。リトライをして書き込み成功した後の処理は、図5Aの処理例で書き込み成功した後の処理と同様である。
図5Cは、本発明の実施例1に係る通信部103Dの書き込みタイムアウト時の第1処理例を示すシーケンス図である。図5Aの処理例との違いは、通信部103Dが可搬式記憶端末102に書き込み処理をしている間に、作業者101がICタグをリーダライタ103Aから離すことで、正常に書き込みが行われなかった点である。この場合、可搬式記憶端末102は既にリーダライタ103Aの通信距離から離れており、リクエストの返答ができない。通信部103Dから見ると返答がタイムアウトしたように見える。返答がタイムアウトした後の処理は、図5Bの処理例で書き込み失敗した後の処理と同様である。
書き込みがタイムアウトした場合、リトライ回数を指定し、書き込みを何度か繰り返すことは有効である。リトライをして書き込み成功した後の処理は、図5Aの処理例で書き込み成功した後の処理と同様である。
図5Dは、本発明の実施例1に係る通信部103Dの書き込みタイムアウト時の第2処理例を示すシーケンス図である。図5Cの処理例との違いは、通信部103Dが書き込みを実行する前に作業者101がタッチを終了する点である。可搬式記憶端末102はリーダライタ103Aの通信距離から離れているため、可搬式記憶端末102に書き込むことはできない。通信部103Dから見ると、書き込みリクエストの返答がタイムアウトしたように見える。返答がタイムアウトした後の処理は、図5Bの処理例で書き込み失敗した後の処理と同様である。
図5Eは、本発明の実施例1に係る通信部103Dの読み込み失敗時の処理例を示すシーケンス図である。図5Aの処理例との違いは、可搬式記憶端末102が読み込み失敗の返答をする点である。読み込み失敗の原因としては、ICタグの内部処理におけるエラーなどが考えられる。この場合、通信処理は終了する。
読み込み失敗返答を受け取った場合、リトライ回数を指定し、読み込みを何度か繰り返すことは有効である。リトライをして読み込み成功した後の処理は、図5Aの処理例で読み込み成功した後の処理と同様である。
図5Fは、本発明の実施例1に係る通信部103Dの読み込み部分成功時の処理例を示すシーケンス図である。図5Aの処理例との違いは、通信部103Dが読み取りを完了する前に作業者101がタッチを終了する点である。可搬式記憶端末102はリーダライタ103Aの通信距離から離れているため、読み取りを完了することはできない。ただし、全ての保存済みレコード102Bを読み取ることはできないとしても、個人ID(102A)だけは読み取りに成功する(部分成功する)可能性がある。この場合には、タイムスタンプ生成部103Eにタイムスタンプ103Gを要求した上で、読み取った個人ID(102A)とタイムスタンプ103Gを再書き込みバッファ103Fに書き込むことができる。
個人ID(102A)だけ読み取りに成功する状況について説明する。ICタグへの読み込みリクエストは、一般に、ICタグの全てのデータを一度に読み取るリクエストではなく、データの一部を分割して読み取るリクエストである。そのため、全てのデータを読み取るためには、複数回の読み取りリクエストを成功させる必要がある。複数回の読み取りリクエストを処理している間にICタグが離れると、ICタグが離れるまでに送った読み取りリクエストは成功する。このことから、序盤の回の読み取りリクエストで個人ID(102A)を読み出すように読み取りリクエストを工夫することで、個人ID(102A)だけでも読み出すことに成功する可能性を高めることができる。
図5Fの処理例によれば、通信部103Dは個人ID(102A)の読み取りさえ成功できればよく、必ずしも毎回レコードの書き込みを行う必要はない。朝の入域時間帯などの作業者101がゲート通過で混雑するときは、読み取りだけを実行するようにし、夕方の出域時間帯などゲートが混雑していないときに、再書き込みバッファ103Fからデータを回収する、という運用例は効果的である。
図5Gは、本発明の実施例1に係る通信部103Dの読み込みタイムアウト時の処理例を示すシーケンス図である。図5Fの処理例との違いは、読み取りリクエストがタイムアウトする点である。この場合、通信処理は終了する。
読み込みがタイムアウトした場合、リトライ回数を指定し、読み込みを何度か繰り返すことは有効である。リトライをして読み込み成功した後の処理は、図5Aの処理例で読み込み成功した後の処理と同様である。
図6Aは、本発明の実施例1に係るタッチ時に音で通知するゲート端末103のインターフェースを示す図である。リーダライタ103Aに可搬式記憶端末102をかざすことでタッチが開始される。可搬式記憶端末102とリーダライタ103A間の通信が発生したことを作業者101に知らせるために、リーダライタ103Aから「ピッ」という通知音600を鳴らすことが考えられる。通知音600の種類や、通知音600を鳴らす機器については、この限りではない。例えば、通知音600を鳴らすスピーカーを備えていてもよい。
図6Bは、本発明の実施例1に係るタッチ時に光で通知するゲート端末103のインターフェースを示す図である。可搬式記憶端末102とリーダライタ103A間の通信が発生したことを作業者101に知らせるために、リーダライタ103Aの通信インジケータ601を光らせることが考えられる。通信インジケータ601は例えばLEDなどが考えられる。作業者101が視認できる方法であれば、光を発する機器については、この限りではない。
図6Cは、本発明の実施例1に係るモニタ103Bを備えるゲート端末103のインターフェースを示す図である。リーダライタ103Aとモニタ103Bが接続されており、モニタ103Bには現在時刻103ZとゲートID(103C)(ゲートID(103C)に紐づくゲートの名称でもよい)を表示することが考えられる。
図6Dは、本発明の実施例1に係るモニタ103Bを備えてタッチ時にポップアップ103Yで通知するゲート端末103のインターフェースを示す図である。可搬式記憶端末102とリーダライタ103A間の通信が発生したことを作業者101に知らせるために、モニタ103Bにポップアップ103Yを表示する。ポップアップ103Yには、個人ID(102A)や、書き込みする自己ゲート通過レコード102Cの要素(タイムスタンプ103GとゲートID(103C))を表示することが考えられる。
図6Eは、本発明の実施例1に係るモニタ103Bを備えてタッチ時に自己ゲート通過レコード102Cをポップアップ103Yに表示して通知するゲート端末103のインターフェースを示す図である。図6Dとの違いは、ポップアップ103Yに、可搬式記憶端末102に記録された自己ゲート通過レコード102Cの履歴を表示する点である。作業者101は、ポップアップ103Yに表示された自己ゲート通過レコード102Cの履歴を確認することで、これまでのゲート通過時にタッチ漏れをしていないか確認することができる。また、各エリア間の移動にどれくらいの時間がかかったのか、その場で知ることができる。
図6Fは、本発明の実施例1に係るモニタ103Bを備えてタッチ時に他者ゲート通過レコード102Dの記録をポップアップ103Yに表示して通知するゲート端末103のインターフェースを示す図である。図6Dとの違いは、ポップアップ103Yに、記録した他者ゲート通過レコード102Dの件数を表示する点である。作業者101は、ポップアップ103Yに表示された件数を確認することで、他者ゲート通過レコード102Dを回収したことを、その場で知ることができる。
また、図には記載していないが、可搬式記憶端末102に記録できるデータ量から、追記できるレコード件数を計算し、その値をポップアップ103Yに表示することも効果的である。
図7Aは、本発明の実施例1に係る再書き込みバッファ103Fにデータが存在することを示すインジケータを備えるゲート端末103のインターフェースを示す図である。ゲート端末103の再書き込みバッファ103Fにデータが記録されている場合、いずれかの作業員がそのデータを回収する必要がある。そのため、再書き込みバッファ103Fにデータが記録されていることを視認できるように、再書き込みバッファインジケータ701をゲート端末103が備えることが考えられる。再書き込みバッファインジケータ701は、例えばLEDなどが考えられる。
図7Bは、本発明の実施例1に係るモニタ103Bを備えて再書き込みバッファ103Fにデータが存在することを示すインジケータを表示するゲート端末103のインターフェースを示す図である。モニタ103Bに再書き込みバッファポップアップ702が表示されている。再書き込みバッファポップアップ702には、再書き込みバッファ103Fには、データが記録されていることを視認できる文言やイラストが表示される。例えば「再書き込みデータあり!!」という文言を表示することが考えられる。
図8Aは、本発明の実施例1に係る可搬式記憶端末102のデータを読み書きする処理例を示すブロック図である。可搬式記憶端末102には個人ID(102A)と、保存済みレコード102Bが保存されている。保存済みレコード102Bは、自己ゲート通過レコード102Cと他者ゲート通過レコード102Dで構成される。なお、可搬式記憶端末102には、この他のデータが保存されていてもよい。
ゲート端末103は、個人ID(102A)と保存済みレコード102Bを読み出して、内容を解釈し、新規書き込みレコード301を可搬式記憶端末102に書き込む。新規書き込みレコード301は、自己ゲート通過レコード102C、または他者ゲート通過レコード102D、または自己ゲート通過レコード102Cと他者ゲート通過レコード102Dの組み合わせで構成される。書き込み時には、保存済みレコード102Bは削除されない。つまり、新規書き込みレコード301は、可搬式記憶端末102に追記の形式で書き込まれる。
書き込みする際には、可搬式記憶端末102の記憶領域のどのアドレスに書き込みするか指定する必要がある。図8Aでは新規書き込みレコード301が保存済みレコード102Bの末尾に追加されるように表現した。ゲート端末103が保存済みレコード102Bを読み出す理由は、新規書き込みレコード301を書き込むアドレスを特定するためである。例えば、個人ID(102A)と保存済みレコード102Bにより記憶領域のアドレス100番目までが既に記録されている場合、新規書き込みレコード301はアドレス101番目から書き込みすればよいことが分かる。
書き込むアドレスを特定する別の方法としては、保存済みデータの量を示す保存済みレコード末尾アドレス302を用意する方法が考えられる。
図8Bは、本発明の実施例1に係る保存済みレコード末尾アドレス302を備える可搬式記憶端末102のデータを読み書きする処理例を示すブロック図である。可搬式記憶端末102は、可搬式記憶端末102に保存済みのデータの末尾アドレス(保存済みレコード末尾アドレス302)を持つ。ゲート端末103は、保存済みレコード末尾アドレス302を読み出すことで、新規書き込みレコード301を書き込むアドレスを特定できる。この方法の場合、ゲート端末103は、保存済みレコード102Bを全て読み出す必要が無いので、ゲート端末103の読み出しにかかる処理時間を短縮することができ、通信が失敗する確率を低減できる。
また、新規書き込みレコード301を書き込むアドレスは、必ずしもデータの末尾でなくてもよい。個人ID(102A)と保存済みレコード102Bと新規書き込みレコード301を格納する順番には、制限はない。既に書き込まれた保存済みレコード102Bの順番を入れ替えてもよい。例えば、タイムスタンプ103Gで昇順になるように、保存済みレコード102Bと新規書き込みレコード301をソートした上で、保存済みレコード102Bと新規書き込みレコード301を書き込み直してもよい。
図8Cは、本発明の実施例1に係る可搬式記憶端末102のデータ量が飽和した際に別の可搬式記憶端末102に個人ID(102A)を転記する処理例を示すブロック図である。可搬式記憶端末102は一般にデータ容量が大きくない。多くのレコードを保存してデータ量が飽和すると、新規レコードを書き込みできなくなる。この場合は、異なる可搬式記憶端末102に個人ID(102A)を転記し、2つの可搬式記憶端末102を併用することが考えられる。
ゲート端末103は、容量が飽和した可搬式記憶端末303から個人ID(102A)と保存済みレコード102Bを読み出す。ここで保存済みレコード102Bのデータ量が多く、新しいレコードを書き込むことができないとゲート端末103が判定した場合には、個人IDを転記する可搬式記憶端末304に個人ID(102A)と新規書き込みレコード301を書き込む。個人IDを転記する可搬式記憶端末304はデータ量に余裕があるため、さらにレコードを書き込むことができる。
個人IDを転記する可搬式記憶端末304の提供方法としては、例えば、ゲート端末103の付近に、転記用の可搬式記憶端末102を何個か配置しておく。作業者101は、1つ目の可搬式記憶端末102の容量が飽和した際には、転記用の可搬式記憶端末102を持ち出し、個人ID(102A)を転記して、2つ目の可搬式記憶端末102として持ち出せばよい。
図9は、本発明の実施例1に係る読み出し部105が可搬式記憶端末102のデータを読み出す処理例を示す図である。3人の作業者101(A)、101(B)、101(C)が使用した3つの可搬式記憶端末102のデータを読み出す例を示す。各可搬式記憶端末102には、自分自身のゲート通過記録である自己ゲート通過レコード102Cと、再書き込みバッファ103Fから回収した他者のゲート通過記録である他者ゲート通過レコード102Dが記録されている。読み出し部105では、これらのデータを読み出し、作業ID(201)とゲートID(103C)とタイムスタンプ103Gを出力することができる。
図10Aは、本発明の実施例1に係る可搬式記憶端末102に書き込まれるデータ構造の第1構成例を示す図である。可搬式記憶端末102のデータ容量が小さいため、書き込むデータはなるべくデータ量が小さいデータ構造で書き込むことが望ましい。図10Aの構成例は、初期設定値と、自己ゲート通過レコード102C、区切り文字、他者ゲート通過レコード102Dを直列に繋げたデータ構造である。初期設定値には個人ID(102A)が含まれる。個人ID(102A)のバイト数を固定にすることで、初期設定値と自己ゲート通過レコード102Cの間に区切り文字は不要となる。自己ゲート通過レコード102Cは複数のレコードが書き込まれるが、各レコードのバイト数を固定とすることで、自己ゲート通過レコード102C間の区切り文字は不要となる。他者ゲート通過レコード102Dも同様に、複数のレコードが書き込まれるが、バイト数を固定とすることで区切り文字は不要である。自己ゲート通過レコード102Cと他者ゲート通過レコード102Dを区別するために、区切り文字が必要となる。
このデータ構造では、区切り文字の数が最少で済むためデータ量を小さくできる。しかしながら、書き込み時間が長いのが難点である。なぜならば、新しいレコードを追記する際に、自己ゲート通過レコード102Cと他者ゲート通過レコード102Dの順番を整列して、データを書き直す必要があるからである。例えば、図10Aのように自己ゲート通過レコード102Cと他者ゲート通過レコード102Dが既に書き込まれた状況で、新しく自己ゲート通過レコード102Cを書き込む場合には、個人ID(102A)と区切り文字の間のアドレスに新しいレコードを配置する。この場合、新しいレコードよりも後ろのアドレスに書き込まれていたデータは、自己ゲート通過レコード102Cの長さの分だけ後ろのアドレスに書き直す必要がある。このため、書き込みに時間がかかってしまう。
図10Bは、本発明の実施例1に係る可搬式記憶端末102に書き込まれるデータ構造の第2構成例を示す図である。本構成例は、自己ゲート通過レコード102Cと他者ゲート通過レコード102Dを整理することなく、全てのレコードの間に区切り文字を備えたデータ構造である。
このデータ構造では、図10Aの構成例における書き込み時間が長いという難点を解消できる。レコードを整列する必要がないため、新しいレコードを書き込む際には、常に末尾のアドレスに書き込めばよく、既に書き込まれたレコードを書き直す必要がない。このため、書き込みにかかる時間が短い。しかしながら、レコードの総数から1を引いた数だけの区切り文字が必要となるため、図10Aの構成例と比べるとデータ量が大きい。
なお、可搬式記憶端末102のデータ構造は、図10Aと図10Bで示した構成例に限定されるものではなく、他の構造であってもよい。必要に応じて、例示していないデータがデータ構造に含まれてもよい。
図11Aは、本発明の実施例1に係る可搬式記憶端末102に書き込まれるデータ量の第1構成例を示す図である。アスキー文字形式で書き込むことを想定し、1文字=1Byte単位でデータを書き込む際に必要なデータ量の例を示す。1Byteは2の8乗=256通りを表現できる。2Byteは2の16乗=65536通りを表現できる。4Byteは2の32乗=4294967296通りを表現できる。
個人ID(102A)は、プラントの作業者101の人数よりも多い必要がある。作業者101の人数によって必要データ量は異なる。例えば作業員が1000人の場合には、1Byteでは256人しか記録できないため、データ量が足りない。この場合は2Byteに設定するとよい。
ゲートID(103C)は、個人ID(102A)と同様に、ゲート端末103を設置するゲートの数によって必要データ量が異なる。例えばゲート数が100カ所の場合には、1Byteを設定するとよい。
タイムスタンプ103Gは、4ByteのUNIX(UNIXは登録商標)時間を設定するとよい。UNIX時間は1970年1月1日0時0分0秒からの経過秒であり、4Byteで4294967296秒まで記録できると、日本時間2106年2月7日15時28分16秒までカウントすることができる。区切り文字は、どんな文字でもよい。例えばカンマ1文字を区切り文字とする場合は1Byteとなる。
このデータ量を用いて、図10Bのデータ構造で記録する場合、例えば自己ゲート通過レコード102C30個と他者ゲート通過レコード102D5個を記録すると221Byteとなる。NFCの規格であるFeliCa Lite-S(FeliCaは登録商標)では、ユーザーメモリー容量が224Byteであり、FeliCa Lite-SのNFCタグに書き込むことができる。
図11Bは、本発明の実施例1に係る可搬式記憶端末102に書き込まれるデータ量の第2構成例を示す図である。図11Aの構成例との違いは、タイムスタンプ103Gを絶対時刻ではなく、初期時刻からの経過時間で表現している点である。初期設定値として初期時刻を4ByteのUNIX時刻で記録する。各レコードのタイムスタンプ103Gは、初期時刻からの経過分と経過秒で記録する。経過分として2Byteを設定すると、0~65535分=1092.25時間=約45日間を記録できる。経過秒として1Byteを設定すると、0~255秒を設定できる。この場合、各レコードのタイムスタンプ103Gは3Byteとなるため、図11Aの構成例と比べると、レコード1個当たりのデータ量を1Byte節約することができる。
経過分のByte数は、作業期間によって異なってよい。例えば3か月におよぶプラント作業を記録する場合には、2Byteの経過分では不十分なため、経過分を3Byteにするか、1Byteの経過日を設定することが考えられる。
作業者101の行動管理の時間分解能が、分単位で十分である場合には、経過秒を記録しない方法も効果的である。これにより、経過秒に必要な1Byteを節約することができる。
図11Cは、本発明の実施例1に係る可搬式記憶端末102に書き込まれるタイムスタンプ103Gのデータ量の構成例を示す図である。タイムスタンプ103Gの表現方法は様々あり、例を示す。例えば、年を記録する場合は、2000年~2099年を記録するには0~99を表現する必要があり、1byteを設定するとよい。例えば、月日時分を記録する場合には、月と日と時間と分を連結した1つの数字と見なすと、1月1日0時0分は01010000と表現でき、12月31日23時59分は12312359と表現できる。4Byteあればこの期間に該当する数字を表現できる。
他にも、タイムスタンプ103Gを数字ではなく文字として記録する方法も考えられる。例えば12月を文字で表現する場合は、’12’のように2文字で表現できるため、2Byteを設定するとよい。文字として記録する場合には、組み合わせに必要なByte数を設定する。例えば時分秒を文字として記録する場合は、合計6文字なので6Byteを設定する。
タイムスタンプ103Gの表現方法は図11A、図11B、図11Cで例示した方法の組み合わせでもよいし、別の表現方法を用いてもよい。
図12Aは、本発明の実施例1に係る可搬式記憶端末102の処理例を示すフロー図である。可搬式記憶端末102は、まず初期化端末によって個人ID(102A)が書き込まれる(ステップ1200)。その後、可搬式記憶端末102は作業者101によって可搬される。プラント内で作業者101が作業をする中で、作業者101が可搬式記憶端末102をゲート端末103にタッチした際に、ゲート端末103からレコードが書き込まれる(ステップ1201。後述の書き込みサブルーチンに入る)。これを作業者101の作業が終了するまで繰り返す(ステップ1202)。作業が終了した後は、読み出し部105によって記録されたデータを読み出しされる(ステップ1203)。
図12Bは、本発明の実施例1に係るゲート端末103の書き込みサブルーチンの処理例を示すフロー図である。ゲート端末103の書き込みサブルーチンでは、まずタイムスタンプ生成部103Eからタイムスタンプ103Gを読み出す(ステップ1204)。次に可搬式記憶端末102から個人ID(102A)と、可搬式記憶端末102に記録されたレコードを読み込む(ステップ1205。後述の読み込み成功判定サブルーチンに入る)。個人ID(102A)の読み込みに失敗した場合には(ステップ1206のNO判定)、書き込みサブルーチンは終了する。レコードの読み込みに失敗した場合には(ステップ1207のNO判定)、可搬式記憶端末102への書き込みを諦める。なぜならば、図8Aで示したように、新規レコードを書き込む記憶領域のアドレスが特定できないからである。このとき、自己ゲート通過レコード102Cのデータ(個人ID(102A)とタイムスタンプ103G)を再書き込みバッファ103Fに記録する(ステップ1216)。
ここで、図8Bで示したように、保存済みレコード末尾アドレス302を読み込むことができた場合には、書き込むべきアドレスが特定できるので、書き込みを行ってもよい。一方で、レコードの読み込みに失敗した場合には、図5Fや図5Gで示したように、既にタッチが終了している可能性が高く、書き込みができない可能性は高い。以上の理由から、レコードの読み込みに失敗したときには、基本的には、個人ID(102A)とタイムスタンプ103Gを再書き込みバッファ103Fに記録し、書き込みサブルーチンを終了する。
レコードの読み込みに成功した場合には(ステップ1207のYES判定)、ゲートID(103C)とタイムスタンプ103Gからなる自己ゲート通過レコード102Cを作成する(ステップ1208)。自己ゲート通過レコード102Cを書き込む前に、再書き込みバッファ103Fにデータ(個人ID(102A)とタイムスタンプ103G)があるか確認する(ステップ1209)。データがある場合には(ステップ1209のYES判定)、個人ID(102A)とゲートID(103C)とタイムスタンプ103Gからなる他者ゲート通過レコード102Dを作成し(ステップ1212)、自己ゲート通過レコード102Cと合わせて可搬式記憶端末102に書き込む(ステップ1213。後述する書き込み成功判定サブルーチンに入る)。書き込みに成功した場合には(ステップ1214のYES判定)、二重書き込みを防止するために、書き込みした他者ゲート通過レコード102Dのデータ(個人ID(102A)とタイムスタンプ103G)を再書き込みバッファ103Fから削除する(ステップ1215)。書き込みに失敗した場合には(ステップ1211のNO判定、またはステップ1214のNO判定)、自己ゲート通過レコード102Cのデータ(個人ID(102A)とタイムスタンプ103G)を再書き込みバッファ103Fに記録する(ステップ1216)。
図12Cは、ゲート端末103の読み込み成功判定サブルーチンの処理例を示すフロー図である。まず個人ID(102A)の読み込みリクエストを可搬式記憶端末102に送信する(ステップ1217)。可搬式記憶端末102から個人ID(102A)が返答されなかったら(ステップ1218のNo判定)、個人ID(102A)の読み込み失敗と判定する(ステップ1223)。個人ID(102A)が返答されたら(ステップ1218のYes判定)、次に、保存済みレコード120Bの読み込みリクエストを送信する(ステップ1219)。保存済みレコード102Bが返答されなかったら(ステップ1221のNo判定)、レコード読み込み失敗と判定する(ステップ1224)。保存済みレコード102Bが返答されたら(ステップ1221のYes判定)、レコード読み込み成功と判定する(ステップ1222)。
図12Dは、ゲート端末103の書き込み成功判定サブルーチンの処理例を示すフロー図である。リトライ回数を設定し、書き込みリトライを行うサブルーチンとなっている(ステップ1225、ステップ1230、ステップ1231の組み合わせ)。可搬式記憶端末102に書き込みリクエストを送信(ステップ1226)すると、応答がタイムアウトするか(ステップ1227のNo判定)、書き込み失敗応答があるか(ステップ1228のNo判定)、書き込み成功応答がある(ステップ1228のYes判定)結果となる。書き込み成功応答ではない場合(ステップ1227のNo判定、またはステップ1228のNo判定)にはリトライを行う。リトライ回数を超過してなお書き込み成功応答が得られない場合には(ステップ1231のNo判定)、書き込み失敗と判定する(ステップ1232)。書き込み成功応答があった場合には(ステップ1228のYes判定)、書き込み成功と判定する(ステップ1229)。
図12Eは、本発明の実施例1に係る作業者101の始業から終業までの動作例を示すフロー図である。始業後(ステップ1233)、作業者101はまず自分の個人ID(102A)が書き込まれた可搬式記憶端末102があるか確認する(ステップ1234)。例えば事務所のICタグ収納ボックスにICタグが保管されていることが考えられる。自分のIDが書き込まれた可搬式記憶端末102が無い場合には(ステップ1234のNo判定)、初期化端末を用いて自分の個人ID(102A)が書き込まれた可搬式記憶端末102を用意する(ステップ1240)。作業者101は可搬式記憶端末102を携行してプラントへ向かう(ステップ1235)。プラント内では、エリア移動時に可搬式記憶端末102をゲート端末103にタッチすることで、可搬式記憶端末102にゲート移動の記録を残す(ステップ1236)。これを作業終了まで繰り返す(ステップ1237)。作業終了後は、使用した可搬式記憶端末102を読み出し部105のリーダライタ103Aにタッチすることで、記録したデータを(監督者などに)提出する(ステップ1238)。提出後、可搬式記憶端末102に記録したデータを削除してもよい。使い終わったICタグは、例えばICタグ収納ボックスに収納し、作業者101は終業となる(ステップ1239)。
この動作例では1日の始業から終業までの記録をするように表現しているが、複数日をまたいで記録してもよい。例えば、期間が1週間にわたる保守作業においては、1週間分をまとめて記録してもよい。その場合、分析部106のリーダライタ103Aにタッチする手続きを毎日行う必要がなくなるため、作業者101の負担が減る。また、読み出し部105のリーダライタ103Aの台数が少ない場合には、全作業員が毎日リーダライタ103Aを使用すると混雑することが予想される。この場合、2日に1回の頻度で読み出し部105のリーダライタ103Aにタッチする運用とするなど、頻度を減らして読み出し部105の混雑緩和を図ってもよい。しかしながら、可搬式記憶端末102はデータ容量が小さいため、データ容量がひっ迫する前に可搬式記憶端末102内のデータを削除できるよう、読み出し頻度を設定することが望ましい。
図13は、本発明の実施例1に係る作業班の構成例を示す図である。プラントでは、班長と班員からなる作業班で作業を行うことがある。班長と班員はまとまって移動することが多い。この場合は、班長のみが可搬式移動端末を携行して記録すれば十分であり、班員は班長と同じ移動経路を辿ったと推定することができる。これにより、人数が多い班員はゲート端末103にタッチしなくてもよい。タッチする人数を減らすことで、作業班がゲートを通過する際の手続きを簡略化することができる。
図14Aは、本発明の実施例1に係るゲート設定端末と初期化端末の第1設置例を示すプラント平面図である。このプラントのエリアは、事務所、監視棟、通路、更衣室、作業部屋で構成される。事務所は作業員が毎朝訪れるエリアであり、可搬式記憶端末102の初期化を行う初期化端末が設置される。各エリア間を移動する境界点(出入口など)にはゲート端末103が設置される。この設置例では、エリア移動が発生した時刻を記録することができる。
図14Bは、本発明の実施例1に係るゲート設定端末と初期化端末の第2設置例を示すプラント平面図である。図14Aの設置例との違いは、ゲート端末103が各エリアの境界点ではなく、エリアの中に設置されている点である。この設置例では、エリアの中に滞在していた時刻を記録することができる。
図14Aと図14Bの設置例を比較すると、エリアの滞在期間を正確に測定したい場合には図14Aの設置例が望ましい。エリアごとの入退時刻を記録できるからである。図14Bの設置例の場合は、エリアに入場してから、エリアの中のゲート端末103にタッチするまでの時間が測定誤差となる。作業者101が入場してからすぐにタッチすれば誤差は小さいが、タッチを忘れて作業を開始してしまい、時間が経過してから思い出してタッチすることが考えられる。この場合は計測誤差が大きくなる。
ゲート端末103の設置容易性の観点では、図14Bの方が優れている可能性がある。ゲート端末103を長期間稼働させるためにコンセント電源が必要になるが、エリアの出入口の付近にはコンセント電源が無い可能性があり、設置のため電源工事が必要になる可能性がある。
ゲート端末103の設置方法は、図14Aと図14Bのどちらの設置例でもよく、また、両者の組み合わせでもよい。
本発明の実施例2について図15から図21Cを用いて説明する。実施例2では、実施例1で示したデータの回収方法に加えて、記録したデータから作業者101ごとの個人移動履歴106Eを推定する。
図15は、本発明の実施例2に係る分析部106を備える作業履歴計測システムの全体構成例を示すブロック図である。図2Aの全体構成例との違いは、読み出し部105の出力を入力として受け取る分析部106を備える点である。
個人レコード集計部106Aは、読み出し部105が出力した個人ID(102A)とゲートID(103C)とタイムスタンプ103Gからなる自己ゲート通過レコード102Cと他者ゲート通過レコード102Dを、個人ID(102A)ごとに集計する。集計結果をもって個人移動履歴推定部106Bは個人ごとの移動履歴(個人移動履歴106E)を推定し、出力する。
図16は、本発明の実施例2に係る分析部106を備える作業履歴計測システムの再書き込みバッファ103Fにデータが存在する場合の動作例を示す図である。図3Cとの違いは、分析部106を備えることで、システムが個人移動履歴106Eを出力する点である。
図17は、本発明の実施例2に係る分析部106が個人移動履歴106Eを推定する処理例を示す図である。本処理例では3人の作業員が使用した3つの可搬式記憶端末102を読み出す。各可搬式記憶端末102には自己ゲート通過レコード102Cと他者ゲート通過レコード102Dが記録されており、これらを全て読み出して、個人ごとにレコードを集計する。例えば作業員Bは、ゲート2で書き込みに失敗したため、ゲート2を移動したレコードが可搬式記憶端末102に書き込まれていない。しかし、作業員Aがゲート2でデータを回収したことで、作業員Aの可搬式記憶端末102に作業員Bのゲート2通過レコードが記録されていたため、作業員Bの全てのレコードを回収することができた。
個人ごとに、ゲートID(103C)とタイムスタンプ103Gから、個人移動履歴106Eを推定することができる。推定結果は、ガントチャート形式で表示すると分かりやすい。これにより、各作業エリアでの滞在時間や、作業エリアの移動にかかった時間、いつもより多くの時間がかかっていたエリア移動などの分析を効率よく実施できる。また、分析から得られた知見よって、ムリ・ムダ・ムラの改善活動などにつなげることができる。例えば、特定のゲートの移動に極端に時間がかかっているという知見が得られれば、ゲートを並列に通れるようにゲートを複線化させる改修工事を行うなどの改善活動を行うことが考えられる。例えば、事務所から現場までの移動に多くの時間がかかっているという知見が得られれば、現場に近い場所に事務所を立て直すなどの改善活動を行うことが考えられる。
本処理例では個人移動履歴106Eの推定結果をガントチャート形式で表示する例を示したが、推定結果の扱い方はこれに限らず、作業員管理システムのデータベースに記録する、記憶媒体(ハードディスクやUSBメモリやCDやDVDなど)に記録する、画面上にグラフ形式で表示する、表管理ソフトに記録する、紙にプリントアウトする、などが考えられる。
図18は、本発明の実施例2に係る分析部106が出力する個人移動履歴106Eの構成例を示す図である。個人移動履歴106Eは、最も単純には、本構成例で示すように、個人ごとにタイムスタンプ103GとゲートID(103C)を表にまとめた形で示すことが考えられる。
図19は、本発明の実施例2に係る読み出し部105と分析部106の処理例を示すフロー図である。読み出し部105は可搬式記憶端末102に書き込まれた個人ID(102A)と保存済みレコード102Bを読み出す(ステップ1241)。この後、保存済みレコード102Bを削除してもよい(ステップ1242)。読み出し部105は、分析対象の全員の作業者101の可搬式記憶端末102を読み出すまで、分析を保留する(ステップ1243)。全員の可搬式記憶端末102を読み出した後は(ステップ1243のYes判定)、読み出したレコードをまとめて、個人ID(102A)ごとに集計する(ステップ1244)。具体的には、例えば、読み出したレコードをデータベースに登録し、個人ID(102A)を指定したクエリによってデータベースからデータを抽出する工程に該当する。個人ID(102A)ごとに集計したデータを用いて、個人ごとの移動履歴を推定する(ステップ1245)。
ステップ1242について説明する。読み出し部105が可搬式記憶端末102のレコードを読み出した後は、可搬式記憶端末102のデータ量を空けるために、読み出し部105が可搬式記憶端末102に書き込まれたレコードを削除してもよい。削除しない場合には、次回の読み出し時に今回読み出したデータも重複して読み出すことになる。この場合、完全に一致するレコードが重複することなるが、重複したレコードは容易に排除できるため、重複することは問題にはならない。
図20Aは、本発明の実施例2に係る個人移動履歴推定部106Bの処理例を示すフロー図である。レコードに記録されたタイムスタンプ103GをT、ゲートID(103C)をGとする。レコードをタイムスタンプ103Gが早い順にソートし(ステップ1246)、タイムスタンプ103Fが早い順に1つずつ読み出していき(ステップ1247)、前後2つのレコードのタイムスタンプT1とT2の期間に作業員はG1からG2に移動したと判定する(ステップ1249、ステップ1250、ステップ1251、ステップ1252、ステップ1253の組み合わせ)。
重複したレコードは無視する(ステップ1248)。重複とは、タイムスタンプ103GとゲートID(103C)が一致することである。レコードが重複する原因としては、図19で述べたように、読み出し部105でデータを削除せずに2回読み出した場合にレコードが重複する。他に重複する原因としては、例えば、図5Cで述べたように、ゲート端末103が可搬式記憶端末102に書き込み中に作業者101がタッチを終了(ICタグをリーダライタ103Aから離す)し、書き込みがタイムアウトしたときが考えられる。
このとき、可搬式記憶端末102には正しく自己ゲート通過レコード102Cが書き込まれた可能性があるが、ゲート端末103は書き込みが成功したかどうかを判定できない。そのため、ゲート端末103は、レコードが欠損しないように再書き込みバッファ103Fにデータを記録し、後続の作業者101にデータを回収させる。もし書き込みに成功していた場合には、読み出し部105で全ての可搬式記憶端末102を読み出したときに、レコードが重複することになる。
図20Bは、本発明の実施例2に係る個人移動履歴推定部106Bが出力する個人移動履歴106Eの構成例を示す図である。図20Aの処理例によって、図20Bに示す個人移動履歴106Eが出力される。記録されたタイムスタンプ(T1、T2、T3)の瞬間において作業者101が居たゲートID(103C)(G1、G2、G3)が分かる。一方で、記録されたタイムスタンプ103Gの間の期間に作業者101が居たエリアは特定できない。
図21Aは、本発明の実施例2に係るゲートIDエリア対応表2100の構成例を示す図である。個人移動履歴推定部106Bが、2つのゲートID(103C)の組み合わせでエリアを特定するためのゲートID(103C)対応表が考えられる。例えば、前後2つのレコードのゲートID(103C)がG1とG4であった場合には、その期間に作業者101は作業エリアに居たと推定する。
図21Bは、本発明の実施例2に係るゲートIDエリア対応表2100を備える個人移動履歴推定部106Bの処理例を示すフロー図である。図20Aの処理例との違いは、ゲートID(103C)対応表を参照することで(ステップ1254)、記録されたタイムスタンプ103Gの間の期間に作業者101が滞在したエリアを判定する点(ステップ1255)である。
図21Cは、本発明の実施例2に係るゲートIDエリア対応表2100を備える個人移動履歴推定部106Bが出力する個人移動履歴106Eの構成例を示す図である。図20Bの構成例との違いは、ゲートIDエリア対応表2100を参照したことで、記録されたタイムスタンプ103Gの間の期間に作業者101が居たエリアを特定できる点である。
本発明の実施例3について図22から図23を用いて説明する。実施例3では、実施例1で示したデータの回収方法に加えて、管理者400がゲート端末103に記録された未回収の他者ゲート通過レコード102Dを回収する。
実施例1では、ゲート端末103に記録された他者ゲート通過レコード102Dを回収するために、作業者101がゲート端末103にタッチする必要があった。しかし、データが存在するゲート端末103を必ずしも後続の作業者101がタッチするとは限らない。そのため、ゲート端末103には未回収のデータが残ってしまう懸念がある。実施例3はこのような課題を解決するために考えられたものである。実施例3では、管理者400がプラント内を巡回し、ゲート端末103からデータを回収する。
図22は、本発明の実施例3に係る作業履歴計測システムの管理者可搬式記憶端末401の動作例を示す図である。図3Cとの違いは、作業者101ではなく管理者400がゲート端末103から他者ゲート通過レコード102Dを回収する点にある。管理者400は管理者可搬式記憶端末401を携行し、プラント内のゲート端末103に管理者可搬式記憶端末401をタッチすることでゲート端末103と通信を行う。
再書き込みバッファ103Fにデータが存在する場合には、そのデータから作成される他者ゲート通過レコード102Dを管理者可搬式記憶端末401に書き込む。ここで、自己ゲート通過レコード102Cは書き込みする必要はない。管理者400の移動履歴は分析しないからである。最終的に、管理者可搬式記憶端末401には、各ゲート端末103から回収した他者ゲート通過レコード102Dが記録される。読み出し部105が管理者可搬式記憶端末401に記録されたデータを読み出し、個人ID(102A)とゲートID(103C)とタイムスタンプ103Gを出力する。
管理者可搬式記憶端末401は自己ゲート通過レコード102Cを書き込みしないため、管理者可搬式記憶端末401には個人ID(102A)に相当する管理者IDのような識別子を書き込む必要はない。
図23は、本発明の実施例3に係る読み出し部105が可搬式記憶端末102と管理者可搬式記憶端末401のデータを読み出す処理例を示す図である。読み出し部105は、作業者101が携行する可搬式記憶端末102と、管理者400が携行する管理者可搬式記憶端末401からデータを読み出し、個人ID(102A)とゲートID(103C)とタイムスタンプ103Gを出力する。
管理者400がデータを回収する目的は、ゲート端末103から未回収のデータをもれなく回収し、読み出し部105が出力するデータに未回収のデータ(欠損データ)が無いようにするためである。そのため、読み出し部105が出力して分析を行う前に、管理者400がプラント内を巡回し、データを回収することが望ましい。例えば、毎日分析を行うのであれば、毎日の終業後に管理者400が巡回することが考えられる。例えば、1週間に1回の頻度で分析を行うのであれば、週末の休日に管理者400が巡回することが考えられる。例えば、1ヵ月間の保守作業に置いて、全工程終了後に分析を行うのであれば、全工程が完了して撤収作業をしている間に管理者400が巡回することが考えられる。管理者400が巡回する頻度は、分析する頻度に合わせて柔軟に決定すればよい。
本発明の実施例4について図24から図25を用いて説明する。実施例4では、実施例1で示したデータの回収方法に加えて、ゲート端末103のタイムスタンプ103G生成部103Eの時刻を更新する方法を含む。
実施例1では、ゲート端末103はネットワークに繋がっていないため、NTPサーバ等の時刻源と時刻同期することができない。そのため、ゲート端末103の設置時にタイムスタンプ生成部103Eの時刻を設定した後は、ゲート端末103は時刻同期することができないため、時刻にズレが生じてしまう。実施例4はこのような課題を解決するために考えられたものである。実施例4では、時計設定者402がプラント内を巡回し、ゲート端末103のタイムスタンプ生成部103Eの時刻を更新する。
図24は、本発明の実施例4に係る作業履歴計測システムの時計設定可搬式端末107の構成例を示すブロック図である。時計設定可搬式端末107は時刻情報107Aを保持する。初期化端末は時計設定可搬式端末107の時刻情報107Aを更新する。ゲート端末103の通信部103Dは、時計設定可搬式端末107の時刻情報107Aを読み込み、タイムススタンプ生成部の時刻を更新する。
時計設定可搬式端末107は、例えば、RTCモジュール103Lなどの時刻情報107Aを保持できる機器を備えたICタグである。他には、例えば、OS時刻を保持するスマートフォンやタブレットやスマートウォッチやパソコンである。初期化端末は、時計設定可搬式端末107に時刻を設定できる手段であれば何でもよく、例えばリーダライタ103Aや、ネットワーク越しに通信される遠隔地のNTPサーバが考えられる。また、時計設定可搬式端末107にキーボードなどのインターフェースを接続し、手入力で時刻を設定してもよい。
タイムスタンプ生成部103Eの実態は、例えばRTCモジュール103Lである。RTCモジュール103Lは、ゲート端末103の電源シャットアウト中にも時刻を保持することができる。RTCモジュール103Lは温度補正機能を内蔵した精度の高いものでも1ヶ月あたり9秒程度のズレが生じることがある。このため、例えばゲート端末103を設置してから3か月経過すると、±27秒程度の時刻ズレが生じると考えられ、ゲート端末103の個体間に54秒程度の時刻ズレが生じる懸念がある。時刻ズレによって、レコードに書き込まれるタイムスタンプ103Gが不正確になる。得られたレコードの前後関係が逆になる懸念がある。
図25は、本発明の実施例4に係る作業履歴計測システムの時計設定可搬式端末107の動作例を示す図である。時計設定者402が時計設定可搬式端末107を携行してプラント内を巡回し、ゲート端末103と通信することでタイムスタンプ生成部103Eの時刻を更新する。
時計設定者402が巡回する頻度は、許容できる時刻ズレの大きさによって設定することが望ましい。許容できる時刻ズレの大きさは、レコードに書き込むタイムスタンプ103Gの時間分解能による。タイムスタンプ103Gの表現は図11Cで示したように様々あるが、例えば、分単位のタイムスタンプ103Gを表現する場合は、時刻ズレが1分間を超えると分析結果に不正確さが生じるため、各ゲート間の時刻ズレが1分間以内であることが望ましい。そのため、RTCモジュール103Lの時刻ズレが1分間に達する前に時刻を更新できるように、時計設定者402の巡回頻度を設定すればよい。秒単位のタイムスタンプ103Gを表現する場合には、より高頻度に巡回することが望ましい。
本発明の実施例5について図26から図28を用いて説明する。実施例5では、実施例1で示したデータの回収方法に加えて、可搬式記憶端末102のデータ容量に余裕が無いときに、記録されていたデータをゲート端末103の再書き込みバッファ103Fに移行することで、データ容量に空きを作る方法を含む。
実施例1では、可搬式記憶端末102に記録されるデータ量は増え続けるため、データ量が飽和する可能性がある。実施例5はこのような課題を解決するために考えられたものである。実施例5では、可搬式記憶端末102のデータ容量に余裕が無いとき、記録されているデータの一部を再書き込みバッファ103Fに移行し、データ容量に空きを作ることができる。
図26は、本発明の実施例5に係る可搬式記憶端末102に記録されたデータを再書き込みバッファ103Fに移行する動作例を示す図である。作業者101が容量ひっ迫した可搬式記憶端末501をゲート端末103にタッチした際、ゲート端末103が、容量ひっ迫していると判断した場合には、容量ひっ迫した可搬式記憶端末501に記録されたデータの一部を再書き込みバッファ103Fに記録した上で、記録したデータを容量ひっ迫した可搬式記憶端末501から削除する。容量ひっ迫した可搬式記憶端末501からゲート端末103の再書き込みバッファ103Fにデータを移動することになるため、これを「移行」と表現する。なお、図中では表現していないが、データを移行する前後に、容量ひっ迫した可搬式記憶端末501に自己ゲート通過レコード102Cを書き込みしてもよい。
図27Aは、本発明の実施例5に係る容量ひっ迫した可搬式記憶端末501に記録されたデータを再書き込みバッファ103Fに移行する第1処理例を示すブロック図である。可搬式記憶端末102にはデータ容量に制限があり、作業者101が作業中にデータ量が上限に達する可能性がある。データ量が上限に達するとレコードを追記できなくなる。そこで、データ量が上限に達したとき、または上限に近づいたときに、ゲート端末103は、容量ひっ迫した可搬式記憶端末501の一部のレコードを再書き込みバッファ103Fに移行することで、容量ひっ迫した可搬式記憶端末501のデータ量を空けることができる。これにより該当の可搬式記憶端末102は、さらにレコードを記録することができるようになる。
移行の具体的な手順は、まず、移行する一部のレコードを再書き込みバッファ103Fに記録(転記)する。その後、移行したレコードを可搬式記憶端末102から削除する。再書き込みバッファ103Fに移行されたレコードは、データ量に余裕のある可搬式記憶端末102を持つ後続の作業者101が回収できる。以下では、レコードの移行を行ったゲート端末103を、移行先ゲート端末502と呼ぶ。
データの移行を実行する条件としては、例えば、可搬式記憶端末102に記録されるデータ量が、最大データ容量の80%を超えたとき、を条件とすることが考えられる。移行するデータの量としては、例えば、可搬式記憶端末102に保存されているレコードの半分の量とすることが考えられる。
図27Bは、本発明の実施例5に係る容量ひっ迫した可搬式記憶端末501に記録されたデータを再書き込みバッファ103Fに移行する第2処理例を示すブロック図である。レコードの移行を行った場合、移行先ゲート端末502の再書き込みバッファ103Fには一時的に大容量のレコードが格納される。後続の作業者101によって再書き込みバッファ103Fのレコードは回収されるが、一人の作業者101の可搬式記憶端末102では全てのレコードを回収することができず、複数の作業者101で分割して回収すると考えられる。このとき、移行先ゲート端末502の再書き込みバッファ103Fには、長期間回収されないデータが存在してしまう。
分析部106で個人移動履歴106Eを推定する際に、ゲート端末103に未回収のデータが存在すると、正しく個人移動履歴106Eを推定することができない。そのため、分析部106が未回収のデータの存在有無を把握できることが求められる。そこで、レコードの移行を行った際に、容量ひっ迫した可搬式記憶端末501に移行情報504を書き込むことが有効である。
移行情報504は、移行先ゲート端末502のゲートID(103C)(移行先ゲートID503)、移行を実施した時刻(移行時刻505)、移行先ゲート端末502の再書き込みバッファ103Fに残るデータ量(残バッファデータ量506)で構成される。分析部106は、容量ひっ迫した可搬式記憶端末501から移行情報504を読み出すことで、未回収のデータが存在するかどうか、および、どのゲート端末103に未回収データが存在するかを特定することができる。
図27Cは、本発明の実施例5に係る後続の作業者の可搬式記憶端末507が移行されたデータを回収する処理例を示すブロック図である。後続の作業者の可搬式記憶端末507は、移行先ゲート端末502から再書き込みバッファ103Fに記録されたデータを書き込み(回収)する。再書き込みバッファ103Fには大容量のデータが記録されているため、全てのデータを回収することはできない可能性がある。
このとき、回収すると同時に、回収情報を書き込むことが有効である。回収情報は、回収した移行先ゲートID503と、回収を実行した時刻(回収時刻)、残バッファデータ量506で構成される。分析部106は、可搬式記憶端末102から読み出した移行情報504と回収情報を照らし合わせて、最終的に未回収のデータが存在するかどうか、および、どのゲート端末103に未回収データが存在するかを特定することができる。
未回収データが存在するゲート端末103を特定するための具体的な手順は、例えば以下の手順が考えられる。読み出した移行情報504と回収情報から、まず、移行先ゲートID503ごとに情報を分類する。ゲートID(103C)ごとに、移行時刻505と回収時刻が最も時刻が新しい情報を選び、そのときの残バッファデータ量506を参照すればよい。
特定した残バッファデータ量506が0ではない場合、つまり未回収データが存在する場合には、正しい個人履歴を推定することができない。この場合には、まず該当の移行先ゲート端末502のデータを回収し、その後に個人移動履歴106Eの推定を行うとよい。
図28は、本発明の実施例5に係る未回収レコードが存在するゲート端末103の所在地を表示する画面例を示す図である。未回収データが存在するゲート端末103は、図に示すような管理画面で提示することが考えられる。管理画面では、ゲート端末103の位置がプラント平面図の上に表示される。未回収データが存在するゲート端末103については、未回収レコード量が表示される。これにより、どのゲート端末103のデータを回収するべきか明瞭に把握できる。未回収レコード量が表示されたゲート端末103については、例えば実施例3で示した管理者400がプラント内を巡回し、未回収データを回収すればよい。
本発明の実施例6について図29Aから図33を用いて説明する。実施例6では、実施例1で示したデータの回収方法に加えて、作業者101が作業の着完時刻をICタグに記録する方法を含む。
実施例1では、ゲートの通過時刻に基づく作業者101の移動履歴を分析できるが、エリアの移動を伴わないイベントを分析することができない。具体的には、同一のエリア(作業部屋など)にとどまって複数の作業を実施する場合、各作業の着完時刻を分析することができない。実施例6はこのような課題を解決するために考えられたものである。実施例6では、作業者101がゲート端末103で作業を選択することができ、作業の着完時刻をICタグに記録することができる。
図29Aは、本発明の実施例6に係る作業ID選択部103Nを備える作業履歴計測システムの全体構成例を示すブロック図である。図2Aの全体構成例との違いは、ゲート端末103が作業ID選択部103Nと作業記録再書き込みバッファ103Oを持ち、可搬式記憶端末102が自己作業記録レコード102Eと他者作業記録レコード102Fを持ち、読み出し部105が作業ID(201)を出力する点にある。作業ID(201)は、作業を一意に特定できる識別記号である。
作業ID選択部103Nは、作業者101が、これから着工する作業、または完了した作業に紐づく作業ID(201)を選択できる機能を持つ。可搬式記憶端末102には、ゲートの通過時刻を記録するゲート通過レコードに加えて、作業の着完時刻を記録する作業記録レコードが書き込まれる。自己作業記録レコード102Eと他者作業レコードの違いは、ゲート通過レコードと同じため、説明を省略する。作業記録再書き込みバッファ103Oは、作業記録レコードを対象にした再書き込みバッファ103Fと同じ機能のため、説明を省略する。
作業ID選択部103Nは、作業ID(201)の他に、作業の開始または終了を表す開始終了属性202や、作業の品質結果を表す品質属性203を選択できてもよい。また、この他に様々な属性を選択できてもよい。
図29Bは、本発明の実施例6に係る自己作業記録レコード102Eの第1構成例を示すブロック図である。作業ID(201)は、作業ID選択部103Nで選択した作業ID(201)である。タイムスタンプ103Gは、可搬式記憶端末102をタッチした際の時刻である。自己作業記録レコード102Eは他にも情報を含んでもよい。
図29Cは、本発明の実施例6に係る自己作業記録レコード102Eの第2構成例を示すブロック図である。開始終了属性202は、作業ID選択部103Nで選択した開始終了属性202である。
図29Dは、本発明の実施例6に係る自己作業記録レコード102Eの第3構成例を示すブロック図である。品質属性203は、作業ID選択部103Nで選択した品質属性203である。
図29Eは、本発明の実施例6に係る他者作業記録レコード102Fの構成例を示すブロック図である。個人ID(102A)は、作業ID選択部103Nで作業ID(201)を選択し、可搬式記憶端末102をタッチした作業者101の個人ID(102A)である。
図30は、本発明の実施例6に係る作業ID選択部103Nを備える作業履歴計測システムの動作例を示す図である。作業室にはノートパソコンを備えたゲート端末103が設置されている。ノートパソコンの画面上には作業ID(201)を選択できる作業ID選択部103Nの画面が表示されており、作業者101はマウス操作によって実施する作業の作業ID(201)を選択できる。作業ID(201)を選択し、ゲート端末103に可搬式記憶端末102をタッチすることで、自己作業記録レコード102Eが可搬式記憶端末102に記録される。例えば作業者Aが作業Aを選択し、記録した後、作業者Aは作業Aを実施する。作業者Aは、作業Aを終了し、作業Bを開始する前に、再びゲート端末103を操作し、作業Bを選択して可搬式記憶端末102に記録する。これを作業Cでも実施する。
最終的に、作業者Aの可搬式記憶端末102には、作業A、作業B、作業Cの自己作業記録レコード102Eが記録される。読み出し部105は、可搬式記憶端末102から自己ゲート通過レコード102C、他者ゲート通過レコード102D(図では表現していないが、実施例1と同様に記録されていてもよい)、自己作業記録レコード102E、他者作業記録レコード102Fを読み出し、個人ID(102A)、ゲートID(103C)、作業ID(201)、タイムスタンプ103Gを出力する。
他者作業記録レコード102Fは、実施例1で述べた他者ゲート通過レコード102Dと同様の手順で記録される。すなわち、他の作業者101が所定の条件(例えば書き込み失敗)を満たした際に、作業記録再書き込みバッファ103Oに作業記録データが記録される。後続の作業者101がゲート端末103にタッチする際、作業記録再書き込みバッファ103Oにデータが存在する場合には、他者作業記録レコード102Fを後続の作業者の可搬式記憶端末507に記録する。
図30では、作業者Aが実施した全ての作業について自己作業記録レコード102Eを記録したが、一部の作業だけを記録しても構わない。例えば、作業Bについての自己作業記録レコード102Eだけを記録してもよい。作業者101にとっては、作業のたびにゲート端末103での書き込み手続きを実行するのは手間がかかるため、なるべく記録回数が少ない方が望ましい。例えば、作業室に入室してすぐに作業Aを開始するという作業予定の場合は、更衣室に入室する自己ゲート通過レコード102Cのタイムスタンプ103Gと、作業Aを開始する自己作業記録レコード102Eのタイムスタンプ103Gが近い時刻であると予想される。
この場合は、作業Aを開始する自己作業記録レコード102Eの記録を省略しても、分析する上では大きな影響が無い。同様に、作業Cを終了してすぐに作業室を退室するという作業予定の場合には、作業Cの終了を記録する自己作業記録レコード102Eは省略しても、分析する上では大きな影響は無い。
図31は、本発明の実施例6に係る作業ID選択部103Nを備えるゲート端末103の構成例を示すブロック図である。図4Aとの違いは、ゲート端末103がマウス103Pやキーボード103Qやタッチペン103Rを備える点と、メモリ103Iが作業記録再書き込みバッファ103Oを備える点である。作業者101が作業ID(201)を選択できるインターフェースであれば、マウス103Pやキーボード103Qやタッチペン103Rのどれか一つを備えていればよいし、この他のインターフェースであってもよい。作業者101が厳重な防護服を着用するプラントにおいては、作業者101が繊細な操作をすることが難しいため、なるべく単純な操作のインターフェースが望ましい。例えばタッチペン103Rで、タッチパネル式の画面に表示したボタンを選択するインターフェースは効果的である。また、タッチペン103Rを備えず、タッチパネル式のモニタ103Bを作業者101の指で操作するインターフェースも効果的である。
図32Aは、本発明の実施例6に係る作業ID選択部103Nのボタン選択式インターフェースを示す図である。可搬式記憶端末102をリーダライタ103Aにかざすと、モニタ103B上に作業ID(201)を選択するボタンが表示される。ボタンを、マウス103Pやタッチペン103R等で押下すると、可搬式記憶端末102に自己作業記録レコード102Eが書き込まれる。
図32Bは、本発明の実施例6に係る開始終了属性202を選択できる作業ID選択部103Nのボタン選択式インターフェースを示す図である。図32Aとの違いは、作業の開始または終了を選択できる点である。選択した開始または終了の結果は、開始終了属性202として自己作業記録レコード102Eに追加される。
図32Cは、本発明の実施例6に係る開始終了属性202を選択できる作業ID選択部103Nのラジオボタン選択式インターフェースを示す図である。図32Bとの違いは、ボタンではなく、ラジオボタンで選択する点である。
図32Dは、本発明の実施例6に係る開始終了属性202を選択できる作業ID選択部103Nのドロップダウンリスト選択式インターフェースを示す図である。図32Bとの違いは、ボタンではなく、ドロップダウンリストで選択する点である。
図32Eは、本発明の実施例6に係る非作業イベントを選択できる作業ID選択部103Nのボタン選択式インターフェースを示す図である。図32Bとの違いは、打合せや準備などの非作業イベントを選択できる点である。打合せや準備や片付けは、業務管理上は作業と定義されていない可能性があるが、便宜的に作業ID(201)を割り当てて記録できるようにしておくことが望ましい。例えば、作業開始前の準備に多大な工数がかかっている場合には、準備の開始と終了時刻を記録しておくことで、準備にかかる時間を正確に把握できる。計測した時間をもって、準備時間を作業に含めるよう作業の定義を変更することで、業務管理を適切化できる可能性がある。
他にも、トラブルや巡視対応など、非定常に発生するイベントを記録できるようにしておくことは効果的である。非定常なイベントへの対応にかかった時間は、監督者が把握することが難しいが、時刻を記録しておくことで監督者が把握できるようになる。これにより、真に作業にかかった時間(レンチタイムと呼ばれる)と、作業ができなかった時間(非レンチタイムや、ロスコストと呼ばれる)を分析できるようになる。
図32Fは、本発明の実施例6に係る自由記述欄をもつ作業ID選択部103Nのボタン選択式インターフェースを示す図である。図32Eとの違いは、自由記述欄が設けられている点である。キーボード103Qで自由記述欄にメッセージを記入し、可搬式記憶端末102に記録することができる。作業現場では様々な非定常イベントが発生するため、ボタンやドロップダウンリストなどでプリセットされた作業事象だけでは十分に現場の状況を記録できないことがある。自由記述欄を設けることで、作業者101から監督者に具体的な事象を伝達することができ、情報伝達がスムーズに行えると考えられる。
図33は、本発明の実施例6に係る作業品質属性203を選択できる作業ID選択部103Nのボタン選択式インターフェースを示す図である。図32Aとの違いは、作業の品質を選択できる点である。選択した品質の結果は、品質属性203として自己作業記録レコード102Eに追加される。プラントにおける作業では、品質保証(QA)や品質管理(QC)の観点から、作業の品質を記録することがある。作業の品質は、作業の実施後に確認される。そのため、作業の終了時刻を記録するタイミングで品質情報もまとめて記録しておくことは、業務フロー上は自然な流れである。品質情報をデジタル的に管理することができる観点でも、効果的である。
本発明の実施例6について図34から図36を用いて説明する。実施例7では、実施例6で示した作業の着完時刻をICタグに記録する方法に加えて、記録したデータから作業者101ごとの個人作業履歴106Fを推定する。
図34は、本発明の実施例7に係る分析部106と作業ID選択部103Nを備える作業履歴計測システムの全体構成例を示すブロック図である。図29Aの全体構成例との違いは、読み出し部105の出力を入力として受け取る分析部106を備える点である。
図35は、本発明の実施例7に係る分析部106と作業ID選択部103Nを備える作業履歴計測システムの動作例を示す図である。図30の動作例との違いは、読み出し部105の出力を入力として受け取る分析部106を備える点である。
個人レコード集計部106Aは、読み出し部105が出力した個人ID(102A)とゲートID(103C)とタイムスタンプ103Gからなる自己ゲート通過レコード102Cと他者ゲート通過レコード102D、および個人ID(102A)と作業ID(201)とタイムスタンプ103Gからなる自己作業記録レコード102Eと他者作業記録レコード102Fを、個人ID(102A)ごとに集計する。集計結果をもって、個人移動履歴推定部106Bは個人ごとの移動履歴(個人移動履歴106E)を推定し、個人作業履歴推定部106Cは個人ごとの作業履歴(個人作業履歴106F)を推定し、出力する。
図36は、本発明の実施例2に係る分析部106が個人移動履歴106Eと個人作業履歴106Fを推定する処理例を示す図である。本処理例では2人の作業員が使用した2つの可搬式記憶端末102を読み出す。各可搬式記憶端末102には自己ゲート通過レコード102Cと他者ゲート通過レコード102Dと自己作業記録レコード102Eと他者作業記録レコード102Fが記録されており、これらを全て読み出して、個人ごとにレコードを集計する。
個人ごとに、ゲートID(103C)とタイムスタンプ103Gから個人移動履歴106Eを推定し、作業ID(201)とタイムスタンプ103Gから個人作業履歴106Fを推定することができる。推定結果は、ガントチャート形式で表示すると分かりやすい。これにより、各作業にかかった時間や、複数の作業の間に発生した空白時間、いつもより多くの時間がかかっていた作業などの分析を効率よく実施できる。また、分析から得られた知見よって、ムリ・ムダ・ムラの改善活動などにつなげることができる。例えば、特定の作業に極端に時間がかかっているという知見が得られれば、作業人数を増やすように作業仕様を変更するなどの改善活動を行うことが考えられる。例えば、同一の作業について10回分の作業時間が得られれば、それらの平均値から作業の標準時間を設定することができると考えられる。
本処理例では個人移動履歴106Eと個人作業履歴106Fの推定結果をガントチャート形式で表示する例を示したが、推定結果の扱い方はこれに限らず、作業員管理システムのデータベースに記録する、記憶媒体(ハードディスクやUSBメモリやCDやDVDなど)に記録する、画面上にグラフ形式で表示する、表管理ソフトに記録する、紙にプリントアウトする、などが考えられる。
本発明の実施例8について図37から図39を用いて説明する。実施例8では、実施例6で示した作業の着完時刻をICタグに記録する方法に加えて、作業者101が実施する予定の作業のメニューを事前に登録しておく方法を含む。
実施例6では、作業ID選択部103Nにて作業者101が作業を選択する必要があるが、作業の種類が多い場合には画面上の選択肢が多いため、選択する手続きが煩雑になる。実施例8はこのような課題を解決するために考えられたものである。実施例8では、作業者101に関連する作業を事前に登録しておくことで、作業ID選択部103Nにおける選択肢を減らし、選択する手続きを簡略化する。
図37は、本発明の実施例8に係る可搬式記憶端末102に初期登録作業ID(102G)を登録する作業履歴計測システムの全体構成例を示すブロック図である。図29Aとの違いは、可搬式記憶端末102に初期登録作業ID(102G)が記録されている点である。初期登録作業ID(102G)は、1個以上の作業ID(201)をまとめたものであり、作業者101が実施する予定の作業群(作業メニュー)である。初期化端末が可搬式記憶端末102に初期登録IDを書き込む。作業ID選択部103Nは、初期登録作業ID(102G)を読み込み、解釈して、作業ID選択部103Nの選択肢に反映する。
図38は、本発明の実施例8に係る可搬式記憶端末102に初期登録作業ID(102G)を登録する作業履歴計測システムの動作例を示す図である。図30との違いは、初期化端末が可搬式記憶端末102に個人ID(102A)だけでなく初期登録作業ID(102G)を書き込み(初期化)している点である。ゲート端末103の作業ID選択部103Nでは、初期登録作業ID(102G)に基づいて選択肢を取捨選択して表示する。これにより、作業者101のゲート端末103での手続きを簡略化できる。
プラントの作業では、各作業者101の作業メニューは、作業者101がプラントに入域する前に確定していることが多い。作業者101は作業メニューに従ってプラント内で作業する。作業メニューに含まれない作業事象は、基本的には非定常な事象である。作業者101が作業メニューに含まれない作業を行うことは、少ないと考えられる。このような性質から、初期化端末が事前に作業メニューを書き込むことが可能となっている。
初期化端末は、可搬式記憶端末102に書き込みができるリーダライタ103Aなどが考えられる。作業メニューは、作業者101を管理する工程管理システム等から作業スケジュールを読み出すことで作成されてもよいし、初期化端末に接続されたキーボード103Qやマウス103P等を用いて手入力で作成されてもよい。
図39は、本発明の実施例8に係る初期登録作業ID(102G)を提示する作業ID選択部103Nのボタン選択式インターフェースを示す図である。図32Aとの違いは、初期登録作業ID(102G)に基づいて選択肢を限定している点である。このゲート端末103では9種類の作業ID(201)を選択することができる。タッチされた可搬式記憶端末102に記録された初期登録作業ID(102G)に基づいて選択肢を限定することで、作業者101は3種類の選択肢だけを確認すればよいので、選択作業が簡略化されている。
本発明の実施例9について図40から図41Bを用いて説明する。実施例9は、実施例8で示した作業者101が実施する予定の作業のメニューを事前に登録しておく方法に加えて、ゲート端末103で作業者101が次に実施する作業を推定する方法を含む。
実施例8では、作業者101がゲート端末103で次に実施する作業を自分で選択する必要があった。作業メニューが多数にわたる場合(例えば作業種類が10種類ある場合)、選択する作業の選択肢が多いため、選択する手続きが煩雑であった。実施例9はこのような課題を解決するために考えられたものである。実施例9では、自己作業記録レコード102Eを元に、作業者101が次に実施すべき作業を推定し、選択肢に反映することで、選択する手続きを簡略化することができる。
図40は、本発明の実施例9に係る初期登録作業ID(102G)と自己作業記録レコード102Eから次作業を推定する作業履歴計測システムの全体構成例を示すブロック図である。図37との違いは、ゲート端末103が次作業推定部103Fを備える点にある。次作業推定部103Fは、可搬式記憶端末102に記録された初期登録作業ID(102G)と自己作業記録レコード102Eを読み込み、作業者101が次に実施すべき作業(次作業)を推定し、推定結果を作業ID選択部103Nに反映する。作業者101がタッチした際に次作業の推定が実行される。自己作業記録レコード102Eには作業者101が実施してきた作業の履歴が記録されているため、タッチした時点で既に完了した作業を特定できる。特定した結果と、初期登録作業ID(102G)に記録された作業メニューを照らし合わせることで、作業者101がまだ完了していない作業を推定することができる。
ここで、次作業が推定できるのは、自己作業記録レコード102Eに作業履歴が正しく記録されている場合に限る。例えばタッチ時に書き込みに失敗し、自己作業記録レコード102Eに欠損がある場合には、正しく次作業を推定することはできない。
次作業推定部103Fは、作業記録再書き込みバッファ103Oに記録されたデータも照らし合わせて次作業を推定してもよい。これにより、書き込みに失敗して自己作業記録レコード102Eに欠損があった場合でも、正しく次作業を推定できる可能性がある。例えば、同一の作業エリアで2種類の作業を実施する作業者101を考える。1個目の作業を記録するためにタッチして、書き込みに失敗した場合、可搬式記憶端末102には己作業記録レコードは書き込みされないが、ゲート端末103の作業記録再書き込みバッファ103Oにはデータが残る。2個目の作業を記録するためタッチする際、可搬式記憶端末102のデータは欠損しているが、作業記録再書き込みバッファ103Oには1個目の作業の記録が残っているため、正しく次作業を推定することができる。なお次作業推定部103Fは、他者作業記録レコード102Fに記録されたレコードも照らし合わせて次作業を推定してもよい。
図41Aは、本発明の実施例9に係る次作業推定部が読み込む初期登録作業ID(102G)と自己作業記録レコード102Eの構成例を示す図である。作業者101は3種類の作業(作業A-1、作業A-2、作業A-3)を実施する予定である。可搬式記憶端末102の自己作業記録レコード102Eには、作業A-1と作業A-2を実施した記録がある。この場合、作業者101が次に実施する作業は作業A-3であると推定できる。
図41Bは、本発明の実施例9に係る次作業推定部103Fが推定した次作業を提示する作業ID選択部103Nのボタン選択式インターフェースを示す図である。ここでは、図41Aで示したように、作業者101は次に作業A-3を実施すべきと推定された場合の例を示す。モニタ103Bには、作業メニューが提示された上で、既に完了した作業については作業完了マーク801が表示されている。現在の作業進捗を表す箇所には作業進捗マーク802が表示されている。作業進捗が正しいかどうかを、Yes/Noボタンでシンプルに操作できるシンプル作業選択ボタン803が表示されている。作業者101は、モニタ103Bに表示された作業進捗を確認し、表示されている進捗が正しい場合にはYESボタンを押すだけで作業選択が完了できるため、選択する手続きが簡略化されている。もし作業進捗に誤りがある場合には、NOボタンを押して、正しい作業を選択する画面に遷移するとよい。
本発明の実施例10について図42から図44を用いて説明する。実施例10は、実施例1で示したデータの回収方法に加えて、可搬式記憶端末102をゲート端末103に近接させる以外の手段で作業者101のゲート通過を検知し、その検知結果を可搬式記憶端末102で回収する方法を含む。
実施例1では、作業者101のゲート通過を記録するために、可搬式記憶端末102をリーダライタ103Aに近接させる必要がある。一方で、ゲートには客観的に作業者101のゲート通過を検知できる設備が設置されていることがあり、その設備の検知結果を反映できない。実施例10はこのような課題を解決するために考えられたものである。実施例10では、別の検知装置の結果を、ゲート端末103を経由して可搬式記憶端末102に書き込むことで、検知結果を回収することができる。
図42は、本発明の実施例10に係る客観ゲート通過検知部103Sを備える作業履歴計測システムを使用する作業者101の動作を示す図である。ゲートには客観的に作業者101のゲート通過を検知できる設備(客観ゲート通過検知部103S)が設置されている。客観ゲート通過検知による検知結果は、ゲート端末103のリーダライタ103Aを経由して可搬式記憶端末102に書き込みされる。モニタ103Bには、例えば一定期間にゲートを通過した作業員の人数が表示されており、この結果を可搬式記憶端末102で回収する。
客観ゲート通過検知部103Sとしては、例えば、ウォークスルー型の人感ゲートが考えられる。作業者101が個人識別できるICタグを持つことで、人感ゲートを通過した作業者101の個人ID(102A)を特定することも可能である。他には、例えば、社員証をタッチすることで開くセキュリティドアが考えられる。社員証の情報から個人ID(102A)を特定することも可能である。他には、例えば、監視カメラが考えられる。ゲートを通過する作業者101を顔認識で人物特定することで、個人ID(102A)を特定することも可能である。
客観ゲート通過検知部103Sでは、可搬式記憶端末102を携行しない作業者101A、101B、101C、101Dのゲート通過情報も入手することができる。可搬式記憶端末102を携行する作業者101Eがデータを回収する。例えば、図13で示したように、作業班の班長が可搬式記憶端末102を携行し、班員は携行しないことが考えられるが、班員のゲート通過については客観ゲート通過検知部103Sで検知し、その検知結果を班長の可搬式記憶端末102で回収する、といった使い方は効果的である。これにより、班員はタッチしなくとも、班員のゲート通過情報を回収できる。または、作業班は可搬式記憶端末102を携行せずに作業をし、実施例3で示した管理者400がプラントを巡回して客観ゲート通過検知部103Sで検知したデータを回収するといった使い方も効果的である。
図43Aは、本発明の実施例10に係る客観ゲート通過検知部103Sを備える作業履歴計測システムの全体構成例を示すブロック図である。図2Aの全体構成例との違いは、ゲート端末103が客観ゲート通過検知部103Sと客観ゲート通知バッファを備え、可搬式記憶端末102に客観ゲート通過レコード102Hを書き込みする点である。
客観ゲート通過検知部103Sで検知された結果のデータは、客観ゲート通過バッファ103Tに記録される。再書き込みバッファ103Fのデータと同様に、可搬式記憶端末102がゲート端末103と通信する際に、客観ゲート通過バッファ103Tのデータは可搬式記憶端末102に書き込みされる。
図43Bは、本発明の実施例10に係る客観ゲート通過レコード102Hの第1構成例を示すブロック図である。客観ゲート通過レコード102Hは、個人ID(102A)とゲートID(103C)とタイムスタンプ103Gで構成される。なお、ゲートを通過する手段が個人ID(102A)を特定できない方法の場合には、個人ID(102A)を記録できないため、個人ID(102A)は空欄となる。
図43Bは、本発明の実施例10に係る客観ゲート通過レコード102Hの第2構成例を示すブロック図である。図43Cの構成例との違いは、客観ゲート通過検知手段ID(102I)を備える点である。客観ゲート通過検知手段ID(102I)は、検知手段を一意に特定するための識別記号であり、例えば、人感ゲートやセキュリティドアやカメラなどである。ゲート端末103は複数の客観ゲート検知部を備える可能性があるため、分析時にどの検知部で検知した結果なのかを把握できるようにするために、客観ゲート検知手段IDを記録しておくことは効果的である。
図44は、本発明の実施例10に係る客観ゲート通過検知部103Sを備える作業履歴計測システムの動作例を示す図である。図3Bの動作例との違いは、ゲート2のゲート端末103が客観ゲート通過検知部103Sを備える点である。作業者Bはゲート2ではゲート端末103にタッチを行わない。ウォークスルー型の人感ゲートが作業者Bのゲート通過を検知し、検知結果を客観ゲート通過バッファ103Tに記録する。客観ゲート通過バッファ103Tに記録されたデータは、後続の作業者101がゲート2のゲート端末103にタッチすることで回収される。
本発明の実施例11について図45から図47を用いて説明する。実施例11は、実施例10で示した客観ゲート通過検知部103Sで作業者101のゲート通過を検知する方法に加えて、記録したデータから作業者101ごとの個人作業履歴106Fを推定する。
図45は、本発明の実施例11に係る分析部106と客観ゲート通過検知部103Sを備える作業履歴計測システムの全体構成例を示すブロック図である。図43Aの全体構成例との違いは、読み出し部105の出力を入力として受け取る分析部106備える点である。
図46は、本発明の実施例11に係る分析部106と客観ゲート通過検知部103Sを備える作業履歴計測システムの全体構成例を示すブロック図である。図44の動作例との違いは、読み出し部105の出力を入力として受け取る分析部106を備える点である。
個人レコード集計部106Aは、読み出し部105が出力した個人ID(102A)とゲートID(103C)とタイムスタンプ103Gからなる自己ゲート通過レコード102Cと他者ゲート通過レコード102Dと客観ゲート通過レコード102H(図では図示していないが、可搬式記憶端末102に記録されている可能性がある)を、個人ID(102A)ごとに集計する。集計結果をもって、個人移動履歴推定部106Bは個人移動履歴106Eを推定し、出力する。
図47は、本発明の実施例11に係る分析部106が個人移動履歴106Eを推定する処理例を示す図である。本処理例では2人の作業員が使用した2つの可搬式記憶端末102を読み出す。各可搬式記憶端末102には自己ゲート通過レコード102Cと他者ゲート通過レコード102Dと客観ゲート通過レコード102Hが記録されており、これらを全て読み出して、個人ごとにレコードを集計する。ここで、作業者Cは可搬式記憶端末102を使用していないが、客観ゲート通過検知部103Sが作業者Cのゲート通過を検知したことで、集計されたレコードには作業員Cのレコードが含まれている。
本発明の実施例12について図48Aから図49を用いて説明する。実施例12は、実施例1で示したデータの回収方法に加えて、可搬式記憶端末102をゲート端末103に近接させる以外の手段で作業者101の作業の状況を検知し、その検知結果を可搬式記憶端末102で回収する方法を含む。
実施例1では、ゲートの通過時刻に基づく作業者101の移動履歴を分析できるが、エリアの移動を伴わないイベントを分析することができない。また、実施例6では、作業者101が作業の着完時刻をICタグに記録することができるが、記録するためには作業ID(201)の選択とタッチをする必要があり、作業者101の手間が増える。
実施例12はこのような課題を解決するために考えられたものである。実施例12では、作業の状況を客観的に検知できる別の検知装置(客観作業検知部103U)を設けて、検知結果を可搬式記憶端末102に書き込んで回収することで、作業者101の手間を増やさずに作業の状況を記録することができる。
図48Aは、本発明の実施例12に係る客観作業検知部103Uを備える作業履歴計測システムの全体構成例を示すブロック図である。図2Aとの違いは、ゲート端末103が客観作業検知部103Uと客観作業記録バッファ103Vを備えて、ゲート端末103が可搬式記憶端末102に客観作業記録レコード102Jを書き込み、読み出し部105が作業ID(201)を出力する点にある。客観作業検知部103Uとしては、例えば、カメラが考えられる。作業室における作業者101の状態を映像認識で特定する方法が考えられる。他には、例えば、工具の使用状況を検知できるデジタル工具が考えられる。
図48Bは、本発明の実施例12に係る客観作業記録レコード102Jの第1構成例を示すブロック図である。客観作業記録レコード102Jは、作業ID(201)とタイムスタンプ103Gで構成される。客観作業記録レコード102Jは、この他にも、開始終了属性202や、品質属性203など、他の情報を含んでもよい。
図48Cは、本発明の実施例12に係る客観作業記録レコード102Jの第2構成例を示すブロック図である。図48Bの構成例との違いは、客観作業記録検知手段ID(102W)を備える点である。客観作業記録検知手段ID(102W)は、検知手段を一意に特定するための識別記号である、例えば、カメラやデジタル工具などである。ゲート端末103は複数の客観作業検知部103Uを備える可能性があるため、分析時にどの検知部で検知した結果なのかを把握できるようにするために、客観作業検知手段IDを記録しておくことは効果的である。
図49は、本発明の実施例12に係る客客観作業検知部103Uを備える作業履歴計測システムの動作例を示す図である。作業室内のゲート端末103は、客観作業検知部103Uであるカメラを備える。カメラは作業の実施状況を検知し、検知結果をゲート端末103に記録する。作業者101は作業室のゲート端末103にタッチする際に、ゲート端末103に記録された検知結果を、客観作業記録レコード102Jとして回収する。
図49に示す動作例では、作業室のゲート端末103は作業ID選択部103Nを備えていないが、備えていてもいい。作業ID選択部103Nによる主観的な作業記録と、客観作業検知部103Uによる客観的な作業記録を併用することは効果的である。例えば、一連の作業メニューの中で重要な作業の着完時刻は主観的にタッチで記録した上で、その他の作業は客観的に自動的に記録することで、作業者101の負担を減らした上で重要な作業についての記録を正確に残すことができる。
本発明の実施例13について図50から図52を用いて説明する。実施例13は、実施例12で示した客観作業検知部103Uで作業者101の作業の状況を検知する方法に加えて、記録したデータから作業ごとの作業履歴(各作業履歴106G)を推定する。
図50は、本発明の実施例13に係る作業履歴推定部と客観作業検知部103Uを備える作業履歴計測システムの全体構成例を示すブロック図である。図48Aの全体構成例との違いは、読み出し部105の出力を入力として受け取る各作業履歴推定部106Dを備える点である。各作業履歴推定部106Dは各作業履歴106Gを出力する。
図51は、本発明の実施例13に係る各作業履歴推定部106Dと客観作業検知部103Uを備える作業履歴計測システムの動作例を示す図である。図49の動作例との違いは、読み出し部105の出力を入力として受け取る各作業履歴推定部106Dを備える点である。
図52は、本発明の実施例13に係る各作業履歴推定部106Dが各作業履歴106Gを推定する処理例を示す図である。本処理例では2人の作業員が使用した2つの可搬式記憶端末102を読み出す。各可搬式記憶端末102には自己ゲート通過レコード102Cと他者ゲート通過レコード102Dと客観作業記録レコード102Jが記録されている。各作業履歴推定部106Dは、客観作業記録レコード102Jを抽出し、作業ID(201)ごとにレコードを集計し、作業ID(201)ごとに各作業履歴106Gを推定する。推定結果はガントチャートなどで可視化することや、作業管理システムに格納することが考えられる。
ここで、作業は特定の個人ID(102A)に対応しないように表現している。例えば、複数名の作業者101が関わり、一つの装置を保守するような作業を想定している。このため客観作業記録レコード102Jには個人ID(102A)が含まれておらず、最終的な推定結果も、個人ID(102A)に紐づかないように可視化されている。一方で、実施例6で示したように、個人ID(102A)に紐づく作業を客観作業検知部103Uが検知してもよい。この場合は、個人ID(102A)ごとに作業ID(201)を集計した上で、個人作業履歴106Fを推定すればよい。