以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1は本発明の一実施の形態であるインバート用ブロックを車両等が通過するトンネルの円周方向に沿うように2つ接続してトンネルの底部地盤に設置された状態を示す平面図、図2はトンネルの底部地盤に埋設された図1のインバート用ブロックとトンネルの下半とをトンネルの円周方向から示す断面図、図3は本発明の一実施の形態であるインバート用ブロックを構成する両端部の内の設置方向先端部および両端部以外のエレメントの短手方向に沿った断面図、図4は本発明の一実施の形態であるインバート用ブロックを構成する両端部の内の設置方向後端部のエレメントの短手方向に沿った断面図である。
図1および図2に示すように、本実施の形態のインバート用ブロック10は、トンネルTの底部地盤に、トンネルTの円周方向に対して2個連結して逆アーチ状をなして設置されて埋設されるものである。本実施の形態において、1個のインバート用ブロック10の幅は1車線の幅に対応している。したがって、本実施の形態のインバート用ブロック10は、2車線(片側2車線の一方通行あるいは片側1車線の対面通行)になったトンネルTの底部地盤に敷設される。
なお、実際の設置工程においては、インバート用ブロック10を一車線全域に設置した後に、もう一方の車線全域に、既設のインバート用ブロック10と連結しながらインバート用ブロック10を設置する。また、トンネルによっては、インバート用ブロックを3個以上トンネルTの円周方向に連結して逆アーチ状をなすようにしてもよい。
図1に示すように、インバート用ブロック10は、設置されるトンネルTの円周方向に長くなった長尺形状を呈しており、長手側で軸方向に向けて相互に接続された4個の鋼製のエレメント10eで構成されている。そして、これら長尺形状のエレメント10eはトンネルTの円周方向に長く設置されている。すなわち、両端に位置するエレメント10e-1,10e-4と、これらのエレメント10e-1,10e-4の間に位置する2個のエレメント10e-2,10e-3とが、トンネルTの円周方向に長く設置され、トンネルTの軸方向(設置方向)に相互に並列に連結されている。なお、エレメント10eの個数は4個である必要はなく、2個以上であれば、つまり複数個であればよい。
インバート用ブロック10は、各エレメント10eに分かれた上板10ts、下板10usおよび側板10sfを備えている。すなわち、インバート用ブロック10は、これらのエレメント10eが一体になることで上板10ts、下板10usおよび側板10sfからなる箱型の中空構造となっている。また、側板10sfは、長手方向に沿った側板10sf(トンネルの軸方向に位置する側板10sf)である長手方向側板10sf-1、および短手方向に沿った側板10sf(トンネルの円周方向に位置する側板10sf)である短手方向側板10sf-2からなる。そして、両端のエレメント10e-1,10e-4は、上板10ts、下板10us、長手方向側板10sf-1、および短手方向側板10sf-2を備えている。また、エレメント10e-2,10e-3は、上板10ts、下板10us、および短手方向側板10sf-2を備えている。なお、これら上板10ts、下板10usおよび側板10sfは、各エレメント10e毎に相互に溶接されている。
なお、図2および図8(後述する)においては、インバート用ブロック10が仮舗装により埋設されている状態を示している。仮舗装に至るまでの詳細は後述するが、本実施の形態における仮舗装は、インバート用ブロック10上に路床RBが形成され、路床RBの上に舗装路層L(下層路盤L1(砕石(クラッシャーラン))、上層路盤L2(粒度調整砕石)、基層L3(粗粒度アスファルトコンクリート)、表層L4(密粒度アスファルトコンクリート)が順次積層された層)を形成したものである。
ここで、図3および図4に示すように、エレメント10e同士が接続される部位である長手側に形成されたエレメント10eの接続用開口部10eaの内側には、上下板10ts,10usと直角をなすリブ10ebが相互に対向して長手方向に沿って延びるように溶接されている。このリブ10ebには、上方向からの荷重を支持するための支持部材11が設置されている。図2に示すように、支持部材11はトラス状となっており、上から荷重に対して圧縮力が発生するが、曲げモーメントを受けにくくなっている。また、トラス状により、支持部材11間に隙間が形成され、これによって、中空構造のインバート用ブロック10を構成する各エレメント10eの内部空間が相互に連通されている。
なお、支持部材11はトラス状である必要はなく、例えば縦格子状など、上方向からの荷重を支持するとともに、エレメント10eの内部が相互に連通される空間(詳しくは、後工程にて打設されるコンクリートが一方のエレメント10eから他方のエレメント10eへ流れ込むことができる程度の空間)が形成される構造となっていればよい。
また、エレメント10e同士が接続される部位には、双方のエレメント10eに跨がるように配置される接続板10ed,10efが設けられている。詳しくは、一方のエレメント10eの上板10tsの下面に、トンネルの軸方向(設置方向)に長くなった図示しない長孔(貫通孔)が形成された接続板10edが、上板10tsからはみ出すようにして当該上板10tsの長手側の全長に亘って取り付けられている。また、一方のエレメント10eの下板10usの下面に、スポンジ系のシール材10eeが上面に貼着された接続板10efが、下板10usからはみ出すようにして下板10usの長手側の全長に亘って取り付けられている。したがって、接続板10ed,10efのはみ出した部分が他方のエレメント10eの上板10tsと下板10usと重なり合うことで、当該接続板10ed,10efが双方のエレメント10eに跨がるように配置されるようになる。さらに、他方のエレメント10eの上板10tsには、接続板10edに形成された前述の長孔を貫通してナット10ecと螺合する接続ボルト10egが上側から締め付け可能に取り付けられている。
このように、接続ボルト10egは、接続板10edに形成されてトンネルの軸方向(設置方向)に長くなった長孔を貫通している。そして、当該長孔が調整代となって、エレメント10e同士の接続時における設置方向のズレの影響を受けずに接続ボルト10egがナット10ecと螺合できるようになっている。すなわち、接続ボルト10egとナット10ecとの長孔に対する締結位置が調整できることから、設置される地盤の状態によって、エレメント10e同士を密着して設置できるときには、密着した状態における長孔の位置で接続ボルト10egとナット10ecとを螺合することができ、エレメント10e同士が密着することができずに設置方向にズレたときには、そのズレた状態における長孔の位置で接続ボルト10egとナット10ecとを螺合することができる。但し、エレメント10e同士の接続時における設置方向のズレを考慮する必要がない場合には、接続板10edに形成された貫通孔は、長孔ではなく接続ボルト10egが貫通できる径の丸孔であってもよい。
なお、エレメント10e同士を密着して設置したときには、双方のエレメント10eの上板10ts相互間、下板10us相互間および短手方向側板10sf-2相互間には僅かの隙間しか形成されないが、エレメント10e同士が設置方向にズレて設置したときには、上板10ts相互間、下板10us相互間および短手方向側板10sf-2相互間には、ズレた寸法だけの隙間が形成されることになる。そして、これらの隙間(エレメント10e同士を密着して設置したときに形成される僅かの隙間、およびエレメント10e同士が設置方向にズレて設置したときに形成されるズレ分に対応した隙間)は、上板10ts相互間では接続板10edにより、下板10us相互間では接続板10efにより、短手方向側板10sf-2相互間では閉塞板10eh(後述する)により、それぞれ閉塞される。
また、シール材10eeは、エレメント10e同士の接続されたときに他方のエレメント10eの下板10usにより上から押さえつけられて潰れる(例えば、1mm以下に潰れる)ことでシールされるようになっている。
したがって、接続ボルト10egをナット10ecと螺合することにより、上側の接続板10edを介して隣接する2つのエレメント10eが相互に接続されるとともに、下側の接続板10efのシール材10eeが潰れてシールされ、中空になったインバート用ブロック10内に外部から土砂が進入しにくくなっている。
なお、シール材10eeは、上板10tsに設けられた接続板10edの上面にも、その全長に亘って設けられていてもよい。
エレメント10eの下板10usを貫通した支持ボルト15が下方に突出して取り付けられている。この支持ボルト15は、エレメント10eを地盤に設置したときに、支持ボルト15の下端と地盤との間に台座16を挟んで当該エレメント10eの高さを調整するもので、エレメント10eの長手方向の両端部に設けられている。
また、エレメント10eにおける下板10usの各支持ボルト15が貫通する孔の位置には、支持ボルト15と螺合するナット17が溶接により固定されている。
インバート用ブロック10の端部に位置してインバート用ブロック10の形成時に最初に設置されるエレメント10e-1(始端部エレメント)には長手方向の両端部に2本ずつ、合計4本の支持ボルト15が設けられており、それ以外のエレメント10e-2,10e-3,10e-4には長手方向の両端部に1本ずつ、合計2本の支持ボルト15が設けられている。これは、エレメント10e-1は最初に設置されるために4本の支持ボルト15で安定させておく必要があるのに対して、エレメント10e-2,10e-3,10e-4は既設のエレメント10e-1,10e-2,10e-3にそれぞれ後続して順次接続されることから2本の支持ボルト15で安定が図れるからである。但し、支持ボルト15の本数は前述した4本あるいは2本に限定されるものではなく、本実施の形態に示す以上の本数であればよい。なお、図示する場合には、エレメント10e-2,10e-3,10e-4に設けられた支持ボルト15の位置は、長手方向の両端部のエレメント設置方向側となっているが、この位置ではなくてもよく、例えばエレメント設置方向と反対側であってもよい。
なお、図3に示すように、最初に設置されるエレメント10e-1のエレメント設置方向と反対側の支持ボルト15(図3のエレメント10e-1の左側に示された支持ボルト15)の位置は奥部となるために、作業者が接続用開口部10eaから手を入れても届きにくくなる。そこで、当該位置の支持ボルト15は、エレメント10eを上下方向に貫通したボルト孔H4内に収容されるとともに、頭部にレンチ孔(六角レンチ孔など)が形成されている。そして、ボルト孔H4の上部から長い棒レンチ(六角棒レンチなど)を入れて支持ボルト15を回してエレメント10e-1の高さを調整するようにしている。
また、同じく図3に示すように、エレメント10e-1のエレメント設置方向側に位置する支持ボルト15(図3のエレメント10e-1の右側に示された支持ボルト15)、およびエレメント10e-1とエレメント10e-4(インバート用ブロック10の端部に位置してインバート用ブロック10の形成時に最後に設置されるエレメント:終端部エレメント)との間に位置するエレメント10e-2,10e-3の支持ボルト15(図3のエレメント10e-2,10e-3に示された支持ボルト15)は、作業者が接続用開口部10eaから手を入れて届く位置であるため、接続用開口部10eaから回転可能な位置に設けられている。
さらに、図4に示すように、エレメント10e-4の支持ボルト15は、当該エレメント10e-4が隣接するエレメント10e-3と接続されることにより、作業者が接続用開口部10eaから手を入れることができなくなるために、エレメント10e-4と地盤との隙間から回転可能な位置に設けられている。この場合、図示するように、支持ボルト15の頭部15a(つまり、支持ボルトを回す部分)がエレメント10e-4と地盤との間になるようにするため、支持ボルト15は下板10usの下方から上方に向けてねじ込まれている。
ここで、インバート用ブロック10の側板10sfの構造について、図5および図6を用いて説明する。図5は隣接するエレメントの短手方向側板を示す説明図、図6は隣接するエレメントの短手方向側板と閉塞板との関係を示す説明図であり、(a)は隣接するエレメントの連結前を、(b)は隣接するエレメントの連結後を示している。
インバート用ブロック10は、エレメント10e毎に分かれた側板10sf(長手方向側板10sf-1、短手方向側板10sf-2)を備えている。そして、相互に隣接したエレメント10eの短手方向側板10sf-2の間には、前述したように、接続板10edに形成された長孔に対する接続ボルト10egとナット10ecとの締結位置に応じた隙間が形成される(図6(a)参照)。
そして、この隙間をそのままにしておくと、中空になったインバート用ブロック10内に土砂が入り込んだり、後工程でコンクリートを打設した場合に当該コンクリートが隙間から漏出することになる。そこで、図5および図6(a)に示すように、エレメント10e同士(ここでは、エレメント10e-1とエレメント10e-2)を連結した際に2枚の短手方向側板10sf-2の間に形成される隙間を閉塞するために、閉塞板10ehが設けられている。
この閉塞板10ehは、一方のエレメント10e(図示する場合には、エレメント10e-2)の短手方向側板10sf-2の側端部の外面に、一部が隣接するエレメント(図示する場合には、エレメント10e-1)の短手方向側板10sfに重なるようにトンネル軸方向にはみ出して溶接されている。これにより、エレメント10e同士(ここでは、エレメント10e-1とエレメント10e-2)を連結したときに形成される前述の隙間が、閉塞板10ehにより閉塞されることになる。なお、エレメント10e同士を連結したならば、他方のエレメント10e(ここでは、エレメント10e-1)と閉塞板10ehとの間も溶接しておくか、予め設けておいたシール材でシールするようにしておくのが望ましい。
さて、図1において、複数本(ここでは2本)のH型鋼の杭12が立設されている。この杭12は、2つの車線を区画するためのガードレールの支柱と地盤掘削時の横矢板(インバート用ブロック10の設置のために地盤を掘削する際における土留め壁としての横矢板)の親杭とを兼用している。したがって、インバート用ブロック10を構成するエレメント10eには、杭12との干渉を回避するための凹部が形成されている。
また、図1に示すように、インバート用ブロック10の設置方向(トンネル軸方向)両端に位置するエレメント10e-1,10e-4には、ナットが内側に固定された連結孔13が上板10tsに形成されている。この連結孔13は、隣接するインバート用ブロック10同士を連結プレート(図示せず)を介して連結するためのものである。すなわち、連結プレートに形成された貫通孔を通してボルトを連結孔13内のナットと螺合することにより、連結プレートがインバート用ブロック10に固定される。そして、隣接するインバート用ブロック10にも同じ連結プレートをボルト止めすることにより、連結プレートを介して相互に隣接したインバート用ブロック10が連結される。なお、連結孔13は、本実施の形態のように複数箇所ではなく、1箇所だけでもよい。
また、図2に示すように、各エレメント10eの上板10tsの長手方向の2カ所には、エレメント10eをクレーン(クローラクレーンなど)のワイヤで吊ってトンネルTの底部地盤に設置するために、ワイヤ先端に取り付けられたフックが係合可能な吊り金具14が設けられている。
さらに、図1および図3,図4に示すように、各エレメント10eには、トンネルの底部地盤に設置した際にエレメント10eと地盤との間にグラウトを注入してエレメント10eと地盤との間の空隙を埋めるためのグラウト注入孔H3が設けられている。このグラウト注入孔H3は、エレメント10eを上下方向に貫通した筒状になっている(つまり、中空になった内部空間と隔絶されている)。したがって、上部のグラウト注入孔H3から注入されたグラウトは、筒状のグラウト注入孔H3内を通ってエレメント10eと地盤との間に充填される。
図1に示すように、インバート用ブロック10の上板10tsには、後工程において、中空構造となった内部にコンクリートを打設するためのコンクリート打設孔H1、および打設されたコンクリートが吹き出すコンクリート吹出孔H2が形成されている。
図示するように、コンクリート打設孔H1は、トンネルTの底部地盤に設置されたときにおけるインバート用ブロック10の上板10tsの低い位置(設置されるトンネルTの側壁と反対側の中央付近)の1カ所に形成され、コンクリート吹出孔H2は、トンネルTの底部地盤に設置されたときにおけるインバート用ブロック10の上板10tsの高い位置(設置されるトンネルTの側壁側の隅部)の2箇所に形成されている。なお、コンクリート打設孔H1およびコンクリート吹出孔H2の数および形成位置は本実施の形態に示す場合には限定されない。但し、コンクリート吹出孔H2は、コンクリート打設時において内部の空気がスムーズに排出されるように、設置されるトンネルTの側壁側の隅部に形成されているのが望ましい。
ここで、4個(偶数個)のエレメント10eで構成された本実施の形態のインバート用ブロック10においては、コンクリート打設孔H1は、中央部に位置する2個のエレメント10e(10e-2,10e-3)の内のエレメント10e-2に形成されている。但し、エレメント10eが偶数個の場合であってこれらのエレメント10eがトンネルTの軸方向に勾配をつけて設置される場合には、コンクリート打設孔H1は、中央部に位置する2個のエレメント10eの内でより低い位置に設置されたエレメント10eに形成するのが望ましい。なお、奇数個のエレメント10eで構成されたインバート用ブロック10においては、コンクリート打設孔H1は、中央に位置するエレメント10eに形成される。
なお、コンクリート打設孔H1は2カ所以上に形成されていてもよく(つまり、少なくとも設置されるトンネルTの側壁と反対側の1カ所に形成されていればよく)、コンクリート吹出孔H2は、3カ所以上にされていてもよい(つまり、少なくとも設置されるトンネルTの側壁側の両側の2カ所に形成されていればよい)。
また、後工程において、インバート用ブロック10がトンネルTの底部地盤に埋設された状態でコンクリートが打設されることから、図2に示すように、コンクリート打設孔H1およびコンクリート吹出孔H2には、接続管Pが上方に向けてそれぞれ取り付けられている。これにより、インバート用ブロック10が埋設された地盤から接続管Pを露出するだけで、インバート用ブロック10内へのコンクリートの打設およびインバート用ブロック10内からのコンクリートの吹き出しが可能になる。なお、接続管Pの先端には、コンクリートの打設以外のときに土砂が内部に入り込むことを防止するための蓋(図示せず)が着脱可能に装着されている。
本実施の形態において、接続管Pは直径6インチ程度の鋼管であり、後工程においてコンクリートを打設する際にジョイントを介して接続される圧送管(ポンプ車に装着されてコンクリートを圧送するための管)と同じ径となっている。但し、接続管Pの直径はコンクリート打設孔H1およびコンクリート吹出孔H2の径や圧送管の径に応じて決定されるものであり、本実施の形態の6インチに限定されるものではない。
ここで、後工程(インバート用ブロック10を設置した後の工程)においてインバート用ブロック10にコンクリートを打設する際のコンクリートの流れについて、図7および図8を用いて説明する。図7は図1のインバート用ブロックに打設したコンクリートの流動方向を示す平面図、図8は図7の断面図である。
前述のように、コンクリート打設孔H1は、トンネルTの底部地盤に設置されたときにおけるインバート用ブロック10の上板10tsの低い位置に形成され、コンクリート吹出孔H2は、トンネルTの底部地盤に設置されたときにおけるインバート用ブロック10の上板10tsの高い位置に形成されている。
したがって、図7および図8に示すように、エレメント10e-2に形成されたコンクリート打設孔H1(より詳しくは、コンクリート打設孔H1に取り付けられた接続管P)からインバート用ブロック10内にコンクリートCが打設されると、コンクリートCはコンクリート打設孔H1の直下から支持部材11の隙間を通って他のエレメント10e-1,10e-3,10e-4へと流れ込むとともに、中空構造となった内部の空気をコンクリート吹出孔H2から押し出すようにして充填されていく。そして、最も高い位置に形成されたコンクリート吹出孔H2(より詳しくは、コンクリート吹出孔H2に取り付けられた接続管P)からコンクリートCが吹き出したならば、インバート用ブロック10の内部全域にコンクリートCが充填されたと推測されることになる。
図8に示すように、コンクリート打設孔H1に取り付けられた接続管Pとコンクリート吹出孔H2に取り付けられた接続管Pの先端は、舗装路層Lを構成する基層L3と上層路盤L2との境界(つまり、路盤層(下層路盤L1、上層路盤L2)とアスファルト層(基層L3、表層L4)との境界)に位置している。したがって、後工程において埋設されたインバート用ブロック10内にコンクリートCを打設する際には、表層L4および基層L3の2層(つまり、アスファルト層)を剥離して接続管Pの先端を露出させて蓋を取り、図示しないジョイントを介してコンクリート打設孔H1に取り付けられた接続管Pとポンプ車からの圧送管とを接続すればよい。
このように、コンクリート打設孔H1およびコンクリート吹出孔H2に接続管Pを取り付けておくことにより、インバート用ブロック10内にコンクリートを打設する場合、アスファルト層である基層L3および表層L4を剥離して接続管Pの先端を露出させれば足り、路床RBまで撤去してインバート用ブロック10自体を露出させる必要がなくなるので、コンクリートの打設を容易に行うことが可能になる。
なお、本実施の形態では、下層路盤L1、上層路盤L2、基層L3および表層L4が順次積層されて舗装路層Lが形成されており、接続管Pの先端は基層L3と上層路盤L2との境界に位置しているが、舗装路層Lの構成および接続管Pの先端位置は、これに限定されるものではない。つまり、舗装路層Lは路盤層および路盤層に積層されたアスファルト層で形成され、接続管Pの先端位置は路盤層とアスファルト層との境界または境界よりも下(つまり、アスファルト層の下部)になっていればよい。なお、接続管Pの先端位置が路盤層とアスファルト層との境界よりも下になっている場合には、インバート用ブロック10内にコンクリートCを打設する際には、表層L4および基層L3の2層(つまり、アスファルト層)および路盤層の一部を剥離して接続管Pの先端を露出させる。
但し、本実施の形態のように、接続管Pの先端位置が路盤層とアスファルト層との境界(ここでは、上層路盤L2と基層L3との境界)に位置していれば、路盤層(ここでは、下層路盤L1および上層路盤L2)まで剥離しなくても、アスファルト層(ここでは、基層L3および表層L4)を剥離するだけで、接続管Pの先端を容易に露出することができる。
ここで、剥離する仮舗装の範囲は、図9に示すように、コンクリートを打設するインバート用ブロック10が埋設されている部分の全域でもよいし、図10に示すように、接続管Pの周辺だけでもよい。但し、高速道路を施工する場合には、コンクリートを打設するインバート用ブロック10が埋設されている部分の全域の仮舗装を剥離するのが望ましい。また、一般道を施工する場合には、接続管Pの周辺の仮舗装を剥離するだけでもよい。
以上説明したように、トンネル底部の舗装路内に埋設された本実施の形態のインバート用ブロック10は、長手側で軸方向に向けて相互に接続された長尺形状の4個の鋼製のエレメント10eで構成されており、上板10ts、下板10usおよび側板10sfを備えた中空構造となっている。そして、エレメント10e同士が接続される長手側に形成された当該エレメント10eの接続用開口部10eaの内側には、双方のエレメント10eの内部空間を連通させるとともに上方向からの荷重を支持する支持部材11が設置されている。
さらに、上板10tsには、中空構造となった内部にコンクリートを打設するためのコンクリート打設孔H1、および打設されたコンクリートが吹き出すコンクリート吹出孔H2が形成され、これらコンクリート打設孔H1およびコンクリート吹出孔H2には、接続管Pが上方を向けて取り付けられている。そして、接続管Pの先端は、舗装を構成する基層L3と上層路盤L2との境界に位置している。
これにより、インバート用ブロック10内にコンクリートを打設する場合、基層L3および表層L4を剥離して接続管Pの先端を露出させればよく、路床RBまで撤去してインバート用ブロック10自体を露出させる必要がなくなるので、コンクリートの打設を容易に行うことが可能になる。
したがって、本実施の形態のインバート用ブロック10を用いることにより、トンネルにおける盤膨れ防止の施工を、短い工期で、低コスト且つ容易に行うことが可能になる。
続いて、以上に説明したインバート用ブロック10をトンネルTに設置する際の工程について、図11~図26を用いて説明する。ここでは、一例として、片側2車線の一方通行となっているトンネルT内の一方の車線下にインバート用ブロック10を設置する場合について説明する。
図11は図1のインバート用ブロックをトンネルの軸方向に沿って連続的に設置するための一工程である掘削機械搬入工程を示す説明図、図12は図11に続く初期掘削工程を示す説明図、図13は図12に続く床付け機械搬入工程を示す説明図、図14は図13に続く掘削・床付け工程を示す説明図、図15は図14に続く荷下ろし・運搬機械搬入工程を示す説明図、図16は図15に続く部材運搬車両の入場および後退工程を示す説明図、図17は図16に続く部材荷下ろし工程を示す説明図、図18は図17に続く部材仮置き工程を示す説明図、図19は図18に続く部材据付工程を示す説明図、図20は図19に続く裏込め注入工程を示す説明図、図21は図20に続く埋め戻し機械搬入工程を示す説明図、図22は図21に続く埋め戻し工程を示す説明図、図23は図22に続く転圧工程を示す説明図、図24は図23に続く重機搬出および舗装用機械搬入工程を示す説明図、図25は図24に続く仮舗装工程を示す説明図、図26は図25に続く仮舗装剥離および掘削工程を示す説明図である。なお、これらの図面において、(a)は平面から見た説明図、(b)はトンネルの軸方向断面から見た説明図となっている。
先ず、図11に示すように、一方の車線はインバート用ブロック10を敷設するために一般車両の通行が規制される規制帯とし、他方の車線は一般車両が通行可能な通行帯としておく。そして、掘削機械としてのバックホー(例えば、0.45クラスのバックホー)20が搭載されたトレーラ21を通行帯から規制帯へと進入させ、当該バックホー20を降ろして規制帯に搬入する(掘削機械搬入工程)。なお、トレーラ21は規制帯の終端部(進入口と反対側の端部)よりトンネルの外に退出する。
ここで、本実施の形態においては、地盤を掘削するための重機としてバックホーが用いられているが、バックホー以外の油圧ショベルを用いてもよい。
次に、図12に示すように、ダンプトラック(例えば、10tダンプ)22を通行帯から規制帯へと進入させ、掘削した土砂の積み込み位置まで後退させておく。そして、バックホー20で規制帯の土砂を掘削してダンプトラック22に積載していく(初期掘削工程)。なお、ダンプトラック22は、規定重量まで土砂を積載したならば、規制帯の終端部よりトンネルの外に退出する。
次に、図13に示すように、床付け機械としての小型のバックホー(例えば、0.1クラスのバックホー)23が搭載されたトレーラ21を通行帯から規制帯へと進入させ、バックホー20と掘削済みの範囲(バックホー20で掘削された範囲)Sとの間にバックホー23を降ろす(床付け機械搬入工程)。なお、トレーラ21は、前方にバックホー20があって規制帯を進行することができないために、通行帯に導入された図示しない速度規制車により当該速度規制車に後続の一般車両の速度を規制することにより安全を確保しておいて、速度規制車より前方になるタイミングで規制帯から通行帯に出てトンネルの外に退出する。
次に、図14に示すように、バックホー20で規制帯の土砂を掘削してダンプトラック22に積載するとともに、小型のバックホー23で掘削済みの範囲Sの床付け面を平面に堀り揃える(掘削・床付け工程)。なお、ダンプトラック22は、規定重量まで土砂を積載したならば、規制帯の終端部よりトンネルの外に退出する。
次に、図15に示すように、荷下ろし・運搬機械としてのクローラクレーン(例えば、4.9t吊りクローラクレーン)24が搭載されたトレーラ(図示せず)を通行帯から規制帯へと進入させ、掘削済みの範囲Sの手前(掘削済みの範囲Sの掘削・床付けをする方向と反対側)にクローラクレーン24を下ろす(荷下ろし・運搬機械搬入工程)。なお、トレーラは、前方に掘削済みの範囲Sがあって規制帯を進行することができないために、通行帯に導入された図示しない速度規制車により当該速度規制車に後続の一般車両の速度を規制することにより安全を確保しておいて、速度規制車より前方になるタイミングで規制帯から通行帯に出てトンネルの外に退出する。また、この間も、掘削・床付け工程(図14参照)は継続して行われる。
次に、図16に示すように、エレメント10eを積載した部材運搬車両としてのダンプトラック(例えば、4tダンプ)25を、通行帯から規制帯の掘削済みの範囲Sとクローラクレーン24との間に進入させ、クローラクレーン24の近くまで後退させる(部材運搬車両の入場および後退工程)。なお、この間も、掘削・床付け工程(図14参照)は継続して行われる。
次に、図17に示すように、ダンプトラック25に積載したエレメント10eをクローラクレーン24で下ろす(部材荷下ろし工程)。なお、この間も、掘削・床付け工程(図14参照)は継続して行われる。
次に、図18に示すように、荷下ろししたエレメント10eを掘削済みの範囲Sの手前に仮置きする(部材仮置き工程)。なお、この間も、掘削・床付け工程(図14参照)は継続して行われる。また、エレメント10eを積載してきたダンプトラック25は、前方に掘削済みの範囲Sがあって規制帯を進行することができないために、通行帯に導入された図示しない速度規制車により当該速度規制車に後続の一般車両の速度を規制することにより安全を確保しておいて、速度規制車より前方になるタイミングで規制帯から通行帯に出てトンネルの外に退出する。なお、この間も、掘削・床付け工程(図14参照)は継続して行われる。
次に、図19に示すように、クローラクレーン24により、荷下ろししたエレメント10eを掘削済みの範囲Sに据え付ける(部材据付工程)。すなわち、図示するように、エレメント10eの長手方向をトンネル円周方向に向け、クローラクレーン24によってエレメント10eをトンネルTの軸方向(設置方向)に沿って据え付ける。そして、支持ボルト15の伸縮量を調整して4つのエレメント10e相互間の高さを揃え、接続ボルト10egをナット10ecと螺合してエレメント10e同士を接続し、これらのエレメント10eを一体化したインバート用ブロック10を形成する(図3,図4参照)。
なお、前述のように、本実施の形態では、1体のインバート用ブロック10を形成するために4つのエレメント10eを据え付ける。これらのエレメント10eによるトンネルTの軸方向の長さは、例えば3mとなっている。但し、当該長さは、据え付けるエレメント10eの個数やエレメント10eの幅により異なるもので、3mとの数値に限定されるものではない。なお、この間も、掘削・床付け工程(図14参照)は継続して行われる。
ここで、エレメント10eの設置する(据え付ける)作業、設置されたエレメント10e同士の高さを揃える作業、および高さの揃えられたエレメント10eを接続してインバート用ブロック10を形成する作業は、1つずつのエレメント10e単位で行ってもよいし、インバート用ブロック10を構成する全てのエレメント10eで一括して行ってもよい。
詳しくは、エレメント10eを1つずつ設置して高さを揃えて接続する作業を繰り返してインバート用ブロック10を形成するようにしてもよい。あるいは、インバート用ブロック10を構成するエレメント10eを1つずつ設置して高さを揃える作業を繰り返し、全てのエレメント10eを一括して接続してインバート用ブロックを形成するようにしてもよい。あるいは、インバート用ブロック10を構成する全てのエレメント10eを一括して設置し、インバート用ブロック10を構成する全てのエレメント10eの高さを一括して揃え、インバート用ブロック10を構成する全てのエレメント10eを一括して接続してインバート用ブロックを形成するようにしてもよい。
次に、1体のインバート用ブロック10を形成したならば、図20に示すように、インバート用ブロック10と設置地盤との間にグラウト(裏込め材)Gを注入する(裏込め材注入工程)。なお、本実施の形態にいて、グラウトGには、短時間で高強度に達する早期強度発現性に優れた早強タイプが用いられる。但し、早強タイプ以外のグラウトを用いてもよい。
この工程では、先ず、注入されたグラウトGが流出しないようにインバート用ブロック10の側面(詳しくは、トンネル軸方向端側のエレメント10e-4の側面、およびインバート用ブロック10のトンネル側壁側の側面)にコンクリートパネル(コンパネ)などの流出防止壁Wを立設し、さらに流出防止壁Wの外側に土嚢Dをおいてに当該流出防止壁Wが倒れないようにしておく。そして、グラウトGおよびグラウトGを圧送するためのポンプなどのグラウト圧送設備GEを積載したダンプトラック(例えば、2tダンプ)26を規制帯に進入させ、各エレメント10eに設けられたグラウト注入孔H3(図1,図3,図4参照)からインバート用ブロック10の底面と設置地盤との間にグラウトGを注入する。なお、本実施の形態では、1日分施工後にグラウトを注入するようにしている。但し、グラウトの注入タイミングは1日分施工後に限定されるものではなく、他の注入タイミングであってもよい。また、流出防止壁Wの転倒を防止する部材としては土嚢D以外であってもよい。
なお、裏込め材注入工程から後述する埋め戻し工程前までの間に、各エレメント10eに形成されたコンクリート打設孔H1と当該コンクリート吹出孔H2に接続管P(図2,図8参照)を取り付ける。また、内部に土砂が入り込まないように、当該接続管Pの先端に蓋(図示せず)をしておく。但し、図20~図26において、接続管Pの図示は省略されている。また、この間も、掘削・床付け工程(図14参照)は継続して行われる。
次に、グラウトが硬化したならば、流出防止壁Wおよび土嚢Dを撤去し、図21に示すように、路床材で埋め戻すためのバックホー(例えば、0.45クラスのバックホー)27および埋め戻した路床材を押し固めるための転圧ローラ28を規制帯に搬入する(埋め戻し機械搬入工程)。なお、この間も、掘削・床付け工程(図14参照)は継続して行われる。
次に、図22に示すように、埋め戻し用の土砂(路床材)を積載したダンプトラック(例えば、4tダンプ)29を通行帯から規制帯へと進入させて、バックホー27と転圧ローラ28との間に導入する。そして、バックホー27でダンプトラック29の路床材をインバート用ブロック10(すなわち、相互に接続されて一体化されたエレメント10e)の上に移載して当該部分を埋め戻す(埋め戻し工程)。図22および次の図23において、符号ESは埋め戻し土である路床材を示している。なお、路床材が移載されて空になったダンプトラック29は、規制帯から通行帯に移ってトンネルの外に退出する。また、この間も、掘削・床付け工程(図14参照)は継続して行われる。さらに、図示する場合には、1つのインバート用ブロック10を形成する個数だけのエレメント10eを設置した後に埋め戻しているが、複数のインバート用ブロック10を形成する個数だけのエレメント10eを設置した後に埋め戻すようにしてもよいことはもちろんである。
次に、図23に示すように、路床材ESを転圧ローラ28で押し固めて路床RB(図24)を形成する(転圧工程)。この転圧工程では、路床材ESが押し固められるために、形成された路床RBの表面は周辺の路面よりも低くなっている(図24参照)。なお、この間も、掘削・床付け工程(図14参照)は継続して行われる。
そして、例えば、土曜日および日曜日には規制帯も一般車両に開放するために月曜日~金曜日を1作業単位とした場合、以上に説明した掘削・床付け工程(図14)から転圧工程(図23)までの各工程を月曜日~木曜日にわたって順次繰り返して、インバート用ブロック10がトンネルの軸方向に沿って連続的に設置されたインバート用ブロック連続構造体を形成し、これらを路床材ESが押し固められた路床RBで埋設する。ここで、相互に隣接するインバート用ブロック10については、前述のように、連結プレートに形成された貫通孔を通してボルトを連結孔13内のナットと螺合することにより連結して、高さを揃えるようにする。
なお、1作業単位および1作業単位における工程の進め方は、本実施の形態に説明するものに限定されることはなく、自由に設定することができるのはもちろんである。
さて、木曜日の最後の転圧工程(図23)の終了後は、図24に示すように、転圧ローラ28以外の各種の掘削用重機をトンネルから搬出するとともに、アスファルトフィニッシャ33など舗装用重機を搬入する(掘削用重機搬出および舗装用重機搬入工程)。なお、作業の進捗状況によっては、図24に示すように、埋め戻された掘削済みの範囲Sには、インバート用ブロック10が埋設された範囲と、埋設されていない範囲とが存在する。
次に(本実施の形態の場合では、金曜日に)、図25に示すように、月曜日~木曜日で掘削した掘削済みの範囲Sに仮舗装を行う(仮舗装工程)。これは、前述のように、土曜日および日曜日には規制帯も一般車両に開放することにより、工事のための片側通行による一般車両への影響を最小限とするためである。なお、本実施の形態において、仮舗装では、路床RBの上に、下層路盤L1、上層路盤L2、基層L3および表層L4を順次積層した舗装路層Lを形成することで行われる。また、仮舗装完了後は、搬入された舗装用重機を撤去し、規制帯を開放する。
次に(本実施の形態では、翌週の月曜日に)、図26に示すように、インバート用ブロック10が埋設されていない掘削済みの範囲Sの仮舗装をバックホー20で剥ぐ(仮舗装剥離工程)。そして、前述した掘削・床付け工程(図14)から転圧工程(図23)までの各工程を月曜日~木曜日にわたって順次繰り返していく。さらに、木曜日の最後の転圧工程(図23)の終了後は掘削用重機搬出および舗装用重機搬入工程(図24)を実行し、金曜日には仮舗装工程工程(図25)を実行する。
以上のようにして複数個の連続したインバート用ブロック10(インバート用ブロック連続構造体)をトンネルTの一車線の一部あるいは全体に埋設したならば、次のプロセスとして、埋設したインバート用ブロック10内にコンクリートを打設する。そこで、次に、インバート用ブロック10にコンクリートを打設する工程について図27~図30を用いて説明する。
図27は埋設されたインバート用ブロック内にコンクリートを打設するための一工程である仮舗装撤去工程を示す説明図、図28は図27に続くコンクリート打設開始工程を示す説明図、図29は図28に続くコンクリート打設実行工程を示す説明図、図30は図29に続く再仮舗装工程を示す説明図である。なお、これらの図面において、(a)は平面から見た説明図、(b)はトンネルの軸方向断面から見た説明図となっている。
先ず、図27に示すように、掘削機械としてのバックホー(例えば、0.45クラスのバックホー)30により仮舗装を剥離して、コンクリート打設孔H1およびコンクリート吹出孔H2に取り付けられた接続管Pの先端を露出させる(仮舗装剥離工程)。なお、前述のように、本実施の形態において、接続管Pの先端は、舗装路層Lを構成する基層L3と上層路盤L2との境界に位置しているので、表層L4および基層L3の2層(アスファルト層)を剥離し、上層路盤L2および下層路盤L1の2層(路盤層)は剥離しない。但し、図27~図29において、表層L4、基層L3、上層路盤L2および下層路盤L1の図示は省略されている。
なお、前述のように、接続管Pの先端を露出させるために剥離する仮舗装の範囲は、接続管Pの周辺だけでもよいし、コンクリートを打設するインバート用ブロック10が埋設されている全面でもよいが、ここでは後者の剥離範囲としている。
また、本実施の形態では、既設のインバート用ブロック10内にコンクリートを打設するに際しては、図27および以下に述べる図28,図29に示すように、前述した掘削・床付け工程(図14)から転圧工程(図23)までの各工程が異なる範囲で並行して実行される。このように、埋設された既設のインバート用ブロック10内へのコンクリートの打設と、未掘削範囲に対するインバート用ブロック10の設置・埋設とが相互に異なる範囲で並行して行われることにより、より短い工期で一連の作業を完了することが可能になる。
さて、図27に示す仮舗装剥離工程で接続管Pの先端を露出させたならば、次に、図28に示すように、生コンクリート(生コン)を運搬するミキサ車31、およびミキサ車31とドッキングして生コンをホッパに受け入れ、装備したポンプ(図示せず)により圧送管32aで当該生コンを圧送するコンクリートポンプ車32を規制帯に導入する。また、コンクリート打設孔H1およびコンクリート吹出孔H2に取り付けられた接続管Pの先端の蓋を外し、ジョイントを用いて、コンクリート打設孔H1に取り付けられた接続管P(ここでは、最もコンクリートポンプ車32に近い位置に埋設されたインバート用ブロック10の接続管P)にコンクリートポンプ車32の圧送管32aを接続する。そして、インバート用ブロック10内へのコンクリートの打設を開始する(コンクリート打設開始工程)。なお、ミキサ車31は、必要な量の生コンをコンクリートポンプ車32のホッパに投入したならば、通行帯に出てトンネルの外に退出する。
ここで、本実施の形態においては、打設されるコンクリートには、高流動コンクリートが用いられている。高流動コンクリートは、使用する水を通常のコンクリートより少なくし、高い流動性を有するコンクリートであるため、振動を加えたり締め固めをしなくてもインバート用ブロック10内の隅々まで確実に充填されるからである。但し、打設されるコンクリートとして、普通コンクリートや流動化コンクリートなど、高流動コンクリート以外のコンクリートを用いてもよいことはもちろんである。
図28に示すコンクリート打設開始工程でコンクリートの打設を開始したならば、コンクリートポンプ車32の圧送管32aを埋設された各インバート用ブロック10のコンクリート打設孔H1に取り付けられた接続管Pに順次接続してコンクリートを圧送し、打設を行う。
各インバート用ブロック10内へのコンクリートの打設に際しては、2箇所のコンクリート吹出孔H2に取り付けられた接続管Pのうちで最初にコンクリートが吹き出した方の接続管Pには、吹き出してきた時点で蓋をして漏出を阻止する。また、コンクリート吹出孔H2に取り付けられた他方の接続管Pも、コンクリートが吹き出してきた時点で蓋をする。そして、コンクリート吹出孔H2に取り付けられた2本の接続管Pに蓋をしたならば、コンクリート打設孔H1に取り付けられた接続管Pにも蓋をする。
このようにして、図29に示すように、埋設されたインバート用ブロック10内へのコンクリートの打設を実行し(コンクリート打設実行工程)、インバートを作製する。ここで、前述のように、インバート用ブロック10の設置・埋設と埋設された既設のインバート用ブロック10内へのコンクリートの打設とが並行して行われる。しかしながら、インバート用ブロック10内へコンクリートを打設することでインバートが作製されることから、最終段階では、このように並行して行われることはなく、既設のインバート用ブロック10内へのコンクリートの打設だけが行われることになる。
そして、埋設された全てのインバート用ブロック10内へのコンクリートの打設を行ってインバートを作製したならば、図30に示すように、剥離した基層L3および表層L4を上層路盤L2の上に順次積層して、再仮舗装を行う(再仮舗装工程)。ここで、接続管Pの周辺範囲だけの仮舗装を剥離した場合には、再仮舗装においては、基層L3および表層L4を順次積層するのに代えて、例えば粗粒度アスファルトコンクリートなどを剥離箇所に充填するようにしてもよい。なお、図30において、接続管Pの図示は省略されている。また、インバート用ブロック10を埋設するために掘削した掘削済みの範囲Sには仮舗装を行う(図25参照)。
このようにして、トンネルTの一車線に埋設されたインバート用ブロック10内にコンクリートの打設が行われ、インバートが作製される。そして、トンネルTの一方の車線の全体にインバート用ブロック10の埋設(図11~図26)とコンクリートの打設(図27~図30)とを行ってインバートを作製したならば、他方の車線についても、同様にしてインバート用ブロック10の埋設とコンクリートの打設とを行い、インバートを作製する。したがって、トンネルの軸方向に複数個が連続したインバート用ブロック10であるインバート用ブロック連続構造体がトンネルの軸方向に対して複数列(本実施の形態では2列)になって設置される。そして、トンネルTの円周方向で相互に対向した2個のインバート用ブロック10(2個のインバート)によってトンネルTの円周方向に沿って逆アーチ状が形成される(図2参照)。なお、他方の車線にインバート用ブロック10を設置するときに、既にコンクリートの打設まで行った一方の車線における向かい合ったインバート用ブロック10とボルトで締結する。
最後に、再仮舗装されているトンネルT内の全範囲を剥離して、最後の仕上げ工程である本舗装(本来の厚みで行われる舗装)を行うことで、一連の工程が終了する。
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。