JP7822527B2 - 電源装置及び空気調和機 - Google Patents
電源装置及び空気調和機Info
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Description
<電源装置の構成>
図1は、第1実施形態に係る電源装置100の構成図である。
図1に示す電源装置100は、単相の交流電源E1から印加される交流電圧を所定の直流電圧に変換する装置である。図1に示すように、電源装置100は、整流回路10と、力率改善回路20と、平滑コンデンサ30と、直流電圧検出部50と、電源電流検出部60と、制御部70と、を備えている。
電源電流検出部60は、交流電源E1の電源電流を検出するものであり、配線K3に設けられている。電源電流検出部60の時々刻々の検出値は、制御部70に出力される。
なお、図2Aに示す破線矢印は、電流の流れを示している。交流電源E1の電圧の極性が正である期間にスイッチング素子22がオン状態になると、図2Aの破線矢印で示すように、交流電源E1からダイオードD1、リアクトル21、スイッチング素子22、及びダイオードD4を順次に介して電流が流れる。その結果、リアクトル21に磁気エネルギが蓄えられる。また、平滑コンデンサ30に充電された電荷がインバータ回路40やモータM1に供給される。
スイッチング素子22がオン状態(図2A参照)からオフ状態(図2B参照)に切り替わると、リアクトル21に蓄えられた磁気エネルギが放出され、平滑コンデンサ30に電荷が蓄えられる。すなわち、図2Bの破線矢印で示すように、交流電源E1からダイオードD1、リアクトル21、ダイオード23、平滑コンデンサ30、及びダイオードD4を順次に介して電流が流れる。その結果、平滑コンデンサ30の直流電圧が整流回路10の出力側の直流電圧よりも高くなる。このようにして昇圧された直流電圧は、インバータ回路40で所定の交流電圧に変換され、この交流電圧がモータM1の巻線に印加される。
図1に示す制御部70は、例えば、直流電圧を所定の昇圧比で昇圧するようにスイッチング素子22を制御する(つまり、昇圧比一定制御を行う)。ここで、「昇圧比」とは、力率改善回路20の入力側の直流電圧に対して、力率改善回路20の出力側の直流電圧(平滑コンデンサ30の直流電圧)が占める比率である。昇圧比をaとすると、以下の式(1)の関係が成り立っている。なお、式(1)に含まれるKpは所定の負荷状態係数であり、isは電源電流の瞬時値である。
電源装置100(図1参照)のリアクトル21として、インダクタンスの小さいものを用いることで低コスト化を図れるが、その一方で、直流電圧や負荷状態が急変した場合に電源電流の波形が乱れやすくなる。この点について発明者らが鋭意検討した結果、力率改善回路20のスイッチング素子22を制御する際のパルス周期を所定の安定性限界周期未満にすることで、電源電流の安定化を図ることができることを見いだした。以下では、この安定性限界周期の導出について詳細に説明する。
なお、図3の各グラフの横軸は、時間である。また、図3の紙面上側には、電源電流の概略的な変化を実線で示している。ちなみに、実際には、電源電流は時々刻々に細かく変動する(例えば、図4の電源電流の波形を参照)。図3の紙面上側の破線矢印は、所定のパルス周期ΔTごとに検出される電源電流の値を線分で順次に結んだ線である。なお、ハッチング入りの三角印G1,G2は、電源電流検出部60(図1参照)の検出値を制御部70(図1参照)が読み込む際のタイミングを示している。
なお、前記した構成では、図3に示す通り、電流検出と通流比の反映をPWM周期毎、言い換えるとPWM谷毎に実施している。ただし、演算負荷率に余裕がある場合には、電流検出と通流比の反映をPWM半周期毎、言い換えるとPWM山谷毎に実施することも可能である。このように、PWM山谷毎に電流検出と通流比の反映を行うことで、同様の分析を行うと安定性限界周期ΔTstableを2倍にすることが可能となる。
なお、図8の各シミュレーション結果の横軸は、時間である。また、各シミュレーション結果の縦軸は、図8の紙面の上から順に、電圧(直流電圧及び電源電圧)、電源電流、及び通流比(オンデューティ)を示している。なお、PWMパルスの周波数を12[kHz]とし、リアクトル21(図1参照)のインダクタンスを3.5[mH]とし、直流電圧を300[V]とし、負荷状態係数Kpを0.33として、シミュレーションを行った。前記した各数値における安定性限界周期ΔTstableの値は、70.9[μs]になる。この安定性限界周期ΔTstableの値は、周波数では14.1[kHz]に対応している。
なお、図4の横軸・縦軸については、前記した比較例(図8参照)の場合と同様である。また、シミュレーションの条件は、PWMパルスの周波数が16[kHz]である点以外は、比較例の場合と同様である。この場合には、PWM制御におけるパルスの周波数(16[kHz])に対応する周期が62.5[μs]となるため、安定性限界周期ΔTstable(70.9[μs])よりも短くなっている。その結果、電源電流が安定した波形になっている他、PWMパルスの通流比も安定している。このように、PWMパルスの周期を安定性限界周期ΔTstable未満にすることで、電源電流等が安定することを確認できた。
第1実施形態によれば、負荷状態係数Kpと、直流電圧Edと、リアクトル21(図1参照)のインダクタンスLの値と、に基づいて、制御部70(図1参照)が所定の安定性限界周期ΔTstableを算出するようにしている。そして、制御部70は、PWM制御を行う際のパルス周期を安定性限界周期ΔTstable未満になるように設定する。これによって、電源電流の検出からPWM信号の出力までのフィードバックループの安定化を図ることができる。したがって、リアクトル21(図1参照)として小さなインダクタンスの素子を用いたり、PWMパルスの周波数の低くして単位時間当たりのスイッチング回数を減らしたりした場合でも、電源電流の波形の乱れを抑制しつつ、直流電圧の昇圧を安定して行うことができる。
第2実施形態に係る電源装置100A(図5参照)は、第1実施形態で説明した整流回路10(図1参照)や力率改善回路20(図1参照)に代えて、スイッチング素子Q1~Q4(図5参照)を有する力率改善回路20A(図5参照)を備えた構成になっている。また、第2実施形態は、直流電圧の昇圧や力率改善に用いられるリアクトル24(図5参照)の設置箇所が、第1実施形態とは異なっている。なお、その他については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
図5に示すように、電源装置100Aは、力率改善回路20Aと、平滑コンデンサ30と、直流電圧検出部50と、電源電流検出部60と、制御部70と、を備えている。また、電源装置100Aの出力側には、インバータ回路40が接続されている。
なお、図6Aに示す破線矢印は、電流の流れを示している。交流電源E1の電圧の極性が正である期間にスイッチング素子Q1,Q3がオン状態になる一方、残りのスイッチング素子Q2,Q4がオフ状態で維持されると、図6Aの破線矢印で示すように電流が流れる。すなわち、交流電源E1からスイッチング素子Q1,Q3及びリアクトル24を順次に介して電流が流れる。その結果、リアクトル24に磁気エネルギが蓄えられる。また、平滑コンデンサ30に充電された電荷がインバータ回路40やモータM1に供給される。
スイッチング素子Q1のオン状態(図6A、図6B参照)が維持された状態で、別のスイッチング素子Q3がオフ状態に切り替わるとともに、スイッチング素子Q4がオン状態に切り替わると、図6Bに破線矢印で示すように電流が流れる。すなわち、交流電源E1からスイッチング素子Q1、平滑コンデンサ30、スイッチング素子Q4、及びリアクトル24を順次に介して電流が流れる。
第2実施形態によれば、制御部70がスイッチング素子Q1~Q4を所定に制御することで、第1実施形態よりも昇圧時の損失を低減できるため、高効率化を図ることができる。また、リアクトル24(図5参照)として小さなインダクタンスのものを用いた場合でも、制御部70がPWM信号のパルス周期を所定の安定性限界周期ΔTstable未満に設定することで、電源電流の波形の乱れを抑制しつつ、直流電圧の昇圧を安定して行うことができる。
第3実施形態では、第1実施形態で説明した構成の電源装置100(図1参照)を備える空気調和機W1(図7参照)について説明する。なお、電源装置100の構成や処理内容については、第1実施形態と同様であるから、その説明を省略する。
なお、図7の実線矢印は、暖房サイクルにおける冷媒の流れを示している。
また、図7の破線矢印は、冷房サイクルにおける冷媒の流れを示している。
空気調和機W1は、冷房運転や暖房運転等の空調を行う機器である。図7に示すように、空気調和機W1は、室外機U1に設けられる構成として、圧縮機91と、室外熱交換器92と、室外ファン93と、膨張弁94と、四方弁95と、を備えている。また、空気調和機W1は、室内機U2に設けられる構成として、室内熱交換器96と、室内ファン97と、を備えている。
室内熱交換器96は、その伝熱管(図示せず)を通流する冷媒と、室内ファン97から送り込まれる室内空気(空調室の空気)と、の間で熱交換が行われる熱交換器である。
室内ファン97は、室内熱交換器96に室内空気を送り込むファンである。室内ファン97は、駆動源である室内ファンモータ97aを備え、室内熱交換器96の付近に設置されている。
第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の構成の電源装置100(図1参照)を空気調和機W1が備えているため、空気調和機W1の低コスト化を図ることができる他、その性能や信頼性を高めることができる。
以上、本開示に係る電源装置100,100Aや空気調和機W1について各実施形態で説明したが、これらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、各実施形態では、電源電流検出部60(図1参照)が配線K3(図1参照)に設けられる場合について説明したが、これに限らない。すなわち、配線K3に代えて、別の配線K4(図1参照)に電源電流検出部60が設けられるようにしてもよい。また、正側の直流ラインK1又は負側の直流ラインK2において、整流回路10と力率改善回路20との間に電源電流検出部60が設けられるようにしてもよい。
また、第3実施形態(図7参照)は、ルームエアコンの他、業務用エアコンやビル用マルチエアコンといったさまざまな種類の空気調和機にも適用できる。また、各実施形態は、空調給湯装置や給湯機や冷蔵庫といったさまざまな機器にも適用できる。
また、前記した機構や構成は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての機構や構成を示しているとは限らない。
20,20A 力率改善回路
21 リアクトル
22 スイッチング素子
23 ダイオード
30 平滑コンデンサ
40 インバータ回路(負荷)
50 直流電圧検出部
60電源電流検出部
70 制御部
71 通流比演算部
72 PWM信号生成部
91 圧縮機
92 室外熱交換器
93 室外ファン
94 膨張弁
95 四方弁
96 室内熱交換器
97 室内ファン
100,100A 電源装置
E1 交流電源
M1 モータ(負荷)
Q1,Q2,Q3,Q4 スイッチング素子
W1 空気調和機
Claims (4)
- スイッチング素子と、前記スイッチング素子を介した電流経路に設けられるリアクトルと、を有し、交流電源から印加される交流電圧を直流電圧に変換する際の力率を改善する力率改善回路と、
前記力率改善回路の出力側に接続される平滑コンデンサと、
前記スイッチング素子に所定のパルス信号を出力する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記パルス信号におけるパルス周期を所定の安定性限界周期未満に設定し、
前記安定性限界周期は、前記平滑コンデンサを介して電力供給を受ける負荷の運転状態が所定に反映された負荷状態係数と、前記平滑コンデンサの直流電圧と、前記リアクトルのインダクタンス値と、を含む式(10)に基づいて算出される、電源装置。
ここで、式(10)に含まれるΔT stable は前記安定性限界周期であり、Lは前記リアクトルのインダクタンス値であり、K p は前記負荷状態係数である。
- 前記安定性限界周期の更新が前記パルス周期で繰り返される、又は、前記パルス周期の所定倍の周期で繰り返されること
を特徴とする請求項1に記載の電源装置。 - 前記平滑コンデンサの直流電圧を所定の目標値に近づけるように、前記負荷状態係数がPI制御に基づいて調整されること
を特徴とする請求項1に記載の電源装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電源装置を備えるとともに、
前記電源装置から印加される直流電圧を所定の交流電圧に変換するインバータ回路と、
前記インバータ回路から印加される交流電圧で駆動するモータと、を備えるとともに、
圧縮機と、室外熱交換器と、膨張弁と、室内熱交換器と、をさらに備え、
前記負荷には、前記インバータ回路及び前記モータが含まれ、
前記モータは、前記圧縮機の駆動源である、空気調和機。
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| PCT/JP2023/046227 WO2025134375A1 (ja) | 2023-12-22 | 2023-12-22 | 電源装置及び空気調和機 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPWO2025134375A1 JPWO2025134375A1 (ja) | 2025-06-26 |
| JP7822527B2 true JP7822527B2 (ja) | 2026-03-02 |
Family
ID=96137909
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2025554333A Active JP7822527B2 (ja) | 2023-12-22 | 2023-12-22 | 電源装置及び空気調和機 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
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| WO (1) | WO2025134375A1 (ja) |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP2008113514A (ja) | 2006-10-31 | 2008-05-15 | Hitachi Ltd | 電源回路、及びこれに用いる制御回路 |
| JP2011036063A (ja) | 2009-08-04 | 2011-02-17 | Japan Steel Works Ltd:The | コロナ放電処理装置用の共振型pamインバータ電力供給装置 |
| WO2017134794A1 (ja) | 2016-02-04 | 2017-08-10 | 三菱電機株式会社 | 電力変換装置 |
-
2023
- 2023-12-22 JP JP2025554333A patent/JP7822527B2/ja active Active
- 2023-12-22 WO PCT/JP2023/046227 patent/WO2025134375A1/ja active Pending
Patent Citations (3)
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Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| WO2025134375A1 (ja) | 2025-06-26 |
| JPWO2025134375A1 (ja) | 2025-06-26 |
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