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JP7823352B2 - 線材の整列巻取り方法 - Google Patents
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JP7823352B2 - 線材の整列巻取り方法 - Google Patents

線材の整列巻取り方法

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Description

本発明は、線材の整列巻取り方法に関する。
線材の製造工程において、線材をドラム(ボビンとも言う)に多層にわたり整列して巻き取る装置がある。
例えば、回転して線材を巻回するドラムと、そのドラム周面に向けて線材を案内するガイドローラと、ドラムの両鍔間でガイドローラを往復移動させるトラバーサを有し、線材がドラムの周面に多層状に巻回されるようにトラバーサの移動を制御する制御手段を有する線材の巻取り装置がある。
例えば、特許文献1によれば、制御手段は、線材がドラムの一方の鍔に至った後、他方の鍔に向かって折り返す時、所要長さ折り返して停止し、鍔端まで戻した後、他方の鍔端に向かって移動する。両鍔間のトラバーサの往路と復路とを少なくとも3つのゾーンに区分けして、線材のドラムに対する入線角度θをぞれぞれの区分けで、進行方向に向かって順々に小さくしていることが開示されている。
また、例えば、特許文献2によれば、巻取り開始からボビンの回転角度が250~360度になるまでトラバースを行わずにボビンを回転させ線材を巻き取る。その後、トラバースを開始して隣り合う線材が互いに接する状態を保持しながら線材の巻き取りを行い、ボビンを回転させるモータの回転速度の変化に基づいて、巻取り層が層上がりした動作を検知し、トラバーサを停止させる。その時点のボビン位置から回転角度が250~360度になると、トラバースの方向を反転させてトラバースを再開する処理を行う。このようにして、巻き取り処理から再開処理までを繰り返して複数層の整列巻き取りを行うことが開示されている。
特開2017-036107号公報 特開2020-7115号公報
線材の整列巻きを実現するためには、ドラム両端にある鍔での折り返し処理を正確なタイミングで素早く実行する必要がある。この折り返し処理が適切に行われないと、鍔と線材の間、若しくは線材間に隙間が発生したり、線材が正常に折り返せず、重ね巻きになってしまうといった不具合が生じる可能性がある。
特許文献1では、ドラムの鍔の端に巻回先端が至ると、所要長さ折り返し、再度、鍔の方向に戻す操作を行っているが、巻回先端が鍔に到達して直ぐに折り返し動作を行うと、ドラム鍔と線材の間に隙間が発生し、複数層に渡って線材を巻き取る場合に線材の巻き乱れとなる恐れがある。
特許文献2では、モータの回転速度の変化で巻き取り層の層上がり動作を検知している。この手段での層上がり動作の検知では、線材は既にボビンの鍔端には接触していると考えられる。巻き取る線材の巻回先端がボビンの鍔に接触すると直ぐに線材の折り返し動作を行わなければ、ボビン鍔と線材の間に隙間が発生し、複数層に渡って線材を巻き取る場合に線材の巻き乱れとなる恐れがある。
そこで本発明では、線材間の隙間、重ね巻きや巻き乱れといった不具合の発生を抑制し、複数層に渡って適正な線材の整列巻きを実現する方法を提供することを目的とする。
本発明は、ドラムに線材を多層整列巻きする線材の整列巻取り方法であって、
前記ドラムに入線する前記線材を上面から撮像した画像を取得し、
予め適正な入線角度の画像を学習させた深層学習システムによって、前記ドラムに入線する前記線材の前記入線角度を判定して制御する入線角度制御工程と、
前記線材の巻き位置を定めるトラバーサと前記ドラムの鍔との位置状態を把握するトラバーサ位置判定工程と、
前記トラバーサを逆方向へ移動させて折り返しを行う線材折り返し工程と、を有し、
前記トラバーサ位置判定工程では、
前記線材と前記ドラムの鍔とを同一視野内に収めた画像を取得し、
前記線材と前記ドラムの鍔との距離の関係を深層学習システムに学習させ、
前記深層学習システムによって前記距離を算出し、
前記線材折り返し工程では、
前記距離が所定の範囲となった場合に、前記距離が所定の範囲となった時の前記ドラムの位置を基準位置とし、
前記ドラムが前記基準位置から計測した第1の基準角度回転した後、前記入線角度を0度にし、
前記トラバーサの移動を停止させた状態で巻取りを行い、
前記ドラムが前記基準位置から計測した第2の基準角度回転した後、前記トラバーサを逆方向へ移動させて折り返しを行うことを特徴とする。
本発明によれば、線材間の隙間、重ね巻きや巻き乱れといった不具合の発生を抑制し、複数層に渡って適正な線材の整列巻きを実現する方法を提供することができる。
実施形態における、線材の整列巻取り装置の概略図(上面図)である。 実施形態における、線材の整列巻取り装置の概略図(平面図)である。 実施形態における、線材の整列巻取り方法のフローチャート(1)である。 実施形態における、線材の整列巻取り方法のフローチャート(2)である。 実施形態において、線材の入線角度の状態を説明する概略図である。 実施形態において、ドラム鍔端部での折り返し制御を説明する概略図である。 実施形態において、ドラム鍔端部での折り返し制御を説明する概略図である。 他の実施形態における、線材の整列巻取り方法のフローチャート(1)である。 他の実施形態における、線材の整列巻取り方法のフローチャート(2)である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<線材の整列巻取り装置>
図1は、実施形態における線材の整列巻取り装置の概略図(上面図)で、図2は平面図である。本実施形態の線材の整列巻取り装置は、例えば、撚線工程で巻き取られた線材1を、歪取りのために熱処理工程を通した後、被覆工程へ送るためにドラム2に整列巻きするものである。
線材1は本実施形態の対象であり、これをドラム2に多層整列巻きする。線材1の材質は特に限定されるものではなく、例えば、銅、アルミ、繊維等が適用できる。また、線材1の線種として、撚線だけでなく、被覆線、平角線等であっても適用できる。
ドラム2を回転させるドラム回転用モータ5と、線材1を巻き位置へ誘導するガイドローラ11と、ガイドローラ11をドラム2の軸方向に移動させ、線材1のドラム2の巻き位置を定めるトラバーサ10を備えている。更に、ドラム2における線材1の入線角度θを検出するためのカメラ7aと、ドラム鍔(8L、8R)の端部に線材が接触するタイミングを検出するためのカメラ7bと、ドラム鍔(8L、8R)の端部から逆方向へのトラバース開始タイミングを検出するためのカメラ7c、7dを備え、それぞれのカメラで撮像した動画を処理する処理部20と、処理部20で得られた検出結果をトラバーサ10の制御に反映させる制御部21を有する。
ドラム2は、両側に鍔8L、8Rを有し、ドラム回転用モータ5によりドラム回転軸3を中心として回転し、その回転は線材1の巻取速度が一定となるように制御される。そのため、線材1の巻径が大きくなればドラムの回転数は減少する。ドラム2には、ドラム回転変位検出用のロータリーエンコーダ4が設置されており、その検出値に基づき、ドラム2の回転数を制御盤(図示せず)の画面に表示している。
ドラム2にはトラバーサ10が付設されており、このトラバーサ10はトラバーサ移動用のボールねじ回転モータ15により、ボールねじを駆動することでドラムに平行に図示の矢印方向に往復運動する。また、トラバーサ移動用のボールねじ回転モータ15には、ロータリーエンコーダ14が設置されており、トラバーサ10の位置検出を行っている。
カメラ7aは、ドラム2にガイドローラ11から入線する線材1を上面から撮像できるように配置されている。これにより、線材1の撮像を行い、深層学習等を用いた画像処理を処理部20で行うことで、入線角度θが所望の角度よりも大きいのか小さいのかを判定することができる。判定結果を基にして、制御部21からの指示によりトラバーサ10の位置を素早く移動させることにより、入線角度θを所望の範囲内に維持することが可能となる。
カメラ7bは、ドラム2にガイドローラ11から入線する線材1がドラム胴面に到達する入線位置を撮像できるようにドラム2の上方、且つ、ドラム胴面から鍔外周面の間に配置されている。このように配置することで、入線する線材1がドラム胴面に接触する場所での入線状態を詳細に撮像することができる。
カメラ7bにより撮像された動画から、入線する線材1がドラム鍔8L、8Rに接触した状態と、線材1が接触する前のドラム鍔8L、8Rとの間に隙間がある状態と、線材1が接触後、層上がりした状態の、それぞれの状態の画像を取得し、深層学習等を用いた画像処理を処理部20で行うことで、線材1がドラム鍔8L、8Rに接触するタイミングを検出することができる。
線材1がドラム鍔8L、8Rに接触すると入線角度θを保持したままでは、鍔との接触の外力等により、線材1が引き戻され、大きな隙間が発生してしまう恐れがある。そこで、接触を検出した場合、素早く入線角度θが0度となるようにトラバーサ10を早送りすることで、巻き乱れを防ぐことができる。なお、ここでいう0度とは、厳密に0度の場合だけでなく、0度近傍も含む、すなわち、製造上の誤差程度は許容する趣旨である。
また、同時にトラバーサ10の位置を入線角度θが0度となる位置で停止させ、線材1をドラム鍔8L、8Rに接触させ、綺麗に巻き取りを行うことが好ましい。また、トラバーサ10を停止させずに、移動速度を非常に小さくすることも可能であるが、制御性の観点からは、トラバーサ10を停止させる態様が好ましい。
ドラム鍔8Lと8Rに接触後、入線角度θが0度で、トラバーサ10を停止させた状態で、ドラム2へ線材1を巻き取らせている。このトラバーサ10の停止状態を解除して、逆方向へのトラバースを再開させる必要がある。再開させるタイミングが早過ぎると、鍔と整列線の間に大きな隙間が生じてしまい層数を重ねていくと大きな巻き乱れにつながってしまう。逆に、再開させるタイミングが遅過ぎると、先に巻かれた線材1の上に重ねて巻き取ることになってしまうため、これも巻き乱れの原因となる。また、重ね巻き状態になってから、逆方向にトラバースを行うと、鍔に接触して巻き取られている線材1の隣に線落ちする際に、大きな反動となり、先に巻き取られた線材と線材の間の谷部に納まるのではなく、山を乗り越えて、隣の谷部まで動いてしまう、乗り上がりの状態が発生してしまう。これもまた、層数を重ねていくと大きな巻き乱れの原因となる。
本実施形態では、カメラ7c、7dをドラム鍔8L、8Rの線材1がドラム2に入線し、鍔に接触する箇所を撮影できる場所に設置し、トラバース停止後の巻取状態を撮影して画像を取得し、深層学習を用いた画像処理を処理部20で行うことで重ね巻き状態になる前後を検出させ、逆方向にトラバースを再開させるタイミングを制御部21に送り、制御部21からトラバーサ10を駆動させることが可能となる。
前記カメラ7aと7bはトラバーサ10と連動して移動するように設置されており、常に線材1を同一視野角からの撮像ができるようになっている。また、カメラ7bはドラム鍔8L、8Rのそれぞれに線材1が接触する状態が撮像できる位置に固定して利用することもできる。
<線材の整列巻取り方法>
次に、本実施形態における線材の整列巻取り方法を、図3および図4のフローチャートを用いて説明する。
(準備工程)
S1~S4は巻き取りの自動運転を始める前の準備作業となる。S1は線材1をドラム鍔8L、8Rに設けられた貫通穴から外に出し、フック等で固定し、ドラム2を回転させることでドラム胴面に線材を巻き取られるようにする作業である。
S2は巻取る線材1の線径に合わせた周速、ドラム鍔8L、8R間を移動するトラバーサ10の速度、ドラム鍔8L、8R間の座標などを装置の制御盤のタッチパネルから入力し設定を行う。S3は巻取り自動運転を開始する前の貫通孔から通した線材1をドラム胴面と鍔との角部に綺麗に沿わせるために低速でドラム2を回転させる。S4は前記低速回転状態で、線材1の巻取初期の整列巻き状態を作業者が調整治具を用いて補助する。貫通孔から通した線材1はほぼ直角に強制的に曲げ、ドラム胴面と鍔の角部に沿わせるに巻取りを開始し、その後、5回巻き程度まで調整することで、後の整列巻きの作業性を向上させることができる。
S5はS4までの巻取初期状態の調整が完了後、S2で設定した条件による自動巻取り運転が開始されるステップである。
(入線角度制御工程)
S6からS9では、トラバーサ10のガイドローラ11からドラム2に線材1が入線する角度制御を行う。S6ではカメラ7aにより入線する線材1の上面から撮像を行い、S7では、予め適正な入線角度の画像、小さ過ぎる入線角度の画像、大き過ぎる入線角度の画像を多く集め、それらを学習させた深層学習のシステムが構成されており、その深層学習システムに取得した画像を入力することで、その画像の入線角度の判定をS8で行う。入線角度θが適正範囲(Yes)であれば、次のステップに進み、適正範囲から外れていれば(No)、ステップ9に進み、範囲内となるようにトラバース操作によって角度調整を行う。
S9では、図5に示すように左方向にトラバース中である線材1の入線角度θが大き過ぎる場合は、線材1が既にドラム2に巻き取られている右隣りの線材を乗り越え、重なってしまう可能性が大きくなるため、トラバーサ10を左側に早送りし、入線角度θを適正な角度へと調整を行う。一方、線材1の入線角度θが小さ過ぎる場合は、線材1が既にドラム2に巻き取られている右隣りの線材との間に隙間が発生し易くなり、層数が重なるに連れて、巻き乱れの要因となってしまうため、トラバーサ10を右側に早送りし、入線角度θを適正な角度へと調整を行う。
(トラバーサ位置判定工程)
S10では、トラバーサ10に対して設けられた、移動用ボールねじ回転モータの変位計測用のロータリーエンコーダ14から把握した位置状態により、線材1がドラム鍔8L、8Rに近付いているかどうかを判断し、入線角度調整のみを行えば良いのか、ドラム鍔8L、8Rへの接触検知を行う必要があるのかを判定する。判定がYesの場合は、次のステップに進み、Noの場合は、(a)の入線角度判定のステップとなる。
(線材折り返し工程)
S11からS19はドラム鍔8L、8Rでの、整列巻きの折り返し動作を行う。S11ではカメラ7bによりドラム2へ巻き取られる線材1とドラム鍔8L、8Rを同一視野内で撮像する。ここで、同一視野内に入らない位置で線材1が巻き取られている場合は、S10のトラバーサ位置判定でNoの判定となり、S11は実施されない。
S12では予め線材1がドラム鍔8L、8Rに接触する前の画像、接触した画像を多く集め、それらを学習させた深層学習のシステムが構成されており、取得した画像をその深層学習システムに入力することで、その画像の状態が線材1とドラム鍔8L、8Rとが、接触前の状態であるか、接触した状態であるかの判定をS13にて行う。
S13での判定がYesの場合は、(b)の次のステップに進み、Noの場合は、S11に戻る。
S14では、線材1がドラム鍔8L、8Rに接触したまま、入線角度θを保持し続けると、様々な外乱の影響により、線材1が弾かれ、整列巻きされた層の上に巻き戻される可能性があるため、図6(a)のような状態になると素早くトラバーサ10を移動させ、図6(b)のように入線角度θを0度とする必要がある。ここでAで示す部分は、巻き取り状態を線材1の断面方向から見た状態を示す挿入図である。
この際、トラバーサ10が巻取り動作を行っている時のように、この場合では右から左へ移動したままでは、線材1がドラム鍔8Lの角部で接触し、左側へ折れ曲がり、摺動してしまうと、線材1にダメージが入る恐れがある。そこでS15では、入線角度θを0度とした際には、トラバーサ10の移動も停止することが好ましい。なお、トラバーサ10を停止させずに、移動速度を非常に小さくすることも可能であるが、制御性の観点からは、トラバーサ10を停止させる態様が好ましい。
トラバーサ10の動きを停止したままで行う線材1のドラム2への巻取は、線材1がドラム鍔8L、8Rに接触した位置を基準として、およそドラムが360度(一巻き分)回転するまで保持することが好ましい。これによって、鍔端部で巻き乱れが発生することを抑制することができる。線材1がドラム鍔8L、8Rに接触して、直ぐにトラバーサ10が逆方向へのトラバースを開始してしまうと、鍔と線材1が接する部分の巻き取りが行われず、その部分は大きな落ち込みとなってしまい、上に巻き取る層からすると大きな段差となってしまう。
一方で、線材1がドラム鍔8L、8Rに接触後、ドラムが360度以上回転してもトラバーサ10が停止したまま、線材1のドラム2への巻取を継続した場合、下の層の上に重ね巻きされてしまい、大きな巻き乱れとなってしまう。また、重ね巻きが進んだ状態になってから逆方向へのトラバースを再開した場合、重ね巻きされた線材1がその隣の巻取される位置に落ちる時に、大きな反動が発生してしまい、本来巻き取られる位置からズレてしまい、大きな隙間が生じてしまう。極端な場合には、その隣の線材と線材の間の谷部までズレてしまい、線材1本分の隙間となることがある。
そこで、S16では、カメラ7cと7dにより、トラバーサ10が停止している状態でドラム2の鍔端部へ入線する線材1の状態と既に巻き取られている線材1の状態とを撮像する。
S17では予め線材1がトラバーサ10の停止後に線材1の巻取状態が重ね巻きになる前の画像と重ね巻き状態になった直後の画像を多く集め、それらを学習させた深層学習のシステムが構成されており、取得した画像をその深層学習システムに入力することで、その画像内の線材1が重ね巻き前の状態であるか、重ね巻きになり始めた状態であるかの判定をS18にて行う。
S18での判定がYesの場合は、次のステップに進み、Noの場合は、(c)の重ね巻き検知用動画撮像のステップに戻る。
S19では、重ね巻き検知後、直ぐに図7(a)のようにトラバーサ10の早送りをドラム鍔8Lまたは8Rとは反対方向に行い、鍔に近接していた線材1をトラバース方向の隣の列に落す。同時にS20にて、逆方向のトラバースを開始する。
S21では、S19でトラバーサ10を入線位置より先行させ線材1を重ね巻きになる前に隣の列に落しているため、そのままでは線材1が下層の整列線の山を乗り越え、隣の整列線と整列線の間の谷部に移ってしまい大きな隙間を発生させてしまうため、素早くトラバーサ10を逆方向に早送りし、入線角度θの調整を行う(図7(b))。
S22にて、指定方向へのトラバース状態となり、その後、再び(a)のステップに戻り、S6の入線角度調整ステップへと戻る。これら一連のステップを線材1の巻取長さが所望の長さになるまでループさせる。
<線材の整列巻取り方法:他の実施形態>
次に、線材の整列巻取り方法の他の実施形態を、図8および図9のフローチャートを用いて説明する。
(準備工程)
S101~S104は巻き取りの自動運転を始める前の準備作業となる。S101は線材1をドラム鍔8L、8Rに設けられた貫通穴から外に出し、フック等で固定し、ドラム2を回転させることでドラム胴面に線材を巻き取られるようにする作業である。
S102は巻取る線材1の線径に合わせた周速、ドラム鍔8L、8R間を移動するトラバーサ10の速度、ドラム鍔8L、8R間の座標などを装置の制御盤のタッチパネルから入力し設定を行う。S3は巻取り自動運転を開始する前の貫通孔から通した線材1をドラム胴面と鍔との角部に綺麗に沿わせるために低速でドラム2を回転させる。S104は前記低速回転状態で、線材1の巻取初期の整列巻き状態を作業者が調整治具を用いて補助する。貫通孔から通した線材1はほぼ直角に強制的に曲げ、ドラム胴面と鍔の角部に沿わせるに巻取りを開始し、その後、5回巻き程度まで調整することで、後の整列巻きの作業性を向上させることができる。
S105はS104までの巻取初期状態の調整が完了後、S102で設定した条件による自動巻取り運転が開始されるステップである。
(入線角度制御工程)
S106からS109では、トラバーサ10のガイドローラ11からドラム2に線材1が入線する角度制御を行う。S106ではカメラ7aにより入線する線材1の上面から撮像を行い、S107では、予め適正な入線角度の画像、小さ過ぎる入線角度の画像、大き過ぎる入線角度の画像を多く集め、それらを学習させた深層学習のシステムが構成されており、その深層学習システムに取得した画像を入力することで、その画像の入線角度の判定をS108で行う。入線角度θが適正範囲(Yes)であれば、次のステップに進み、適正範囲から外れていれば(No)、ステップ109に進み、範囲内となるようにトラバース操作によって角度調整を行う。
(トラバーサ位置判定工程)
S110では、トラバーサ10に対して設けられた、移動用ボールねじ回転モータの変位計測用のロータリーエンコーダ14から把握した位置状態により、線材1がドラム鍔8L、8Rに近付いているかどうかを判断し、入線角度調整のみを行えば良いのか、ドラム鍔8L、8Rへの接触検知を行う必要があるのかを判定する。判定がYesの場合は、次のステップに進み、Noの場合は、(a)の入線角度判定のステップとなる。
(線材折り返し工程)
S111からS119はドラム鍔8L、8Rでの、整列巻きの折り返し動作を行う。S111ではカメラ7bによりドラム2へ巻き取られる線材1とドラム鍔8L、8Rを同一視野内で撮像する。ここで、同一視野内に入らない位置で線材1が巻き取られている場合は、S110のトラバーサ位置判定でNoの判定となり、S111は実施されない。
S112では、画像内の線材1とドラム鍔8L、8Rとの距離の関係を学習させることで、入力する画像の線材1とドラム鍔8L、8Rとの距離を出力する。この場合、線材1とドラム鍔8L、8Rとの距離が0となる接触判定だけでなく、線材1とドラム鍔8L、8Rとの距離が所定の範囲となるタイミングを判定することも可能となる。
S113での判定がYesの場合は、(b)の次のステップに進み、Noの場合は、S111に戻る。本実施形態では、線材1とドラム鍔8L、8Rとの距離が(線材1の径)±(線材1の径の25%)の範囲となった時に(b)のステップに進むとする。
S114では、S113での判定時のドラム2の位置を基準位置(0度)とし、基準位置からの回転角度の計測を行う。
S115では、計測された回転角度が、定めた基準角度α(第1の基準角度:300度<α<360度)より大きくなった時に次のステップに進み、基準角度αに満たない場合は、再度、角度計測を実施する。
S116では、ドラム2が基準角度α回転した後、トラバース早送りにより入線角度θを0度とする。
S117では、入線角度θが0度になると同時にトラバーサを停止させ、トラバーサ停止の状態でドラム2に線材1を巻き取っていく。
S118では、S114から継続されている回転角度の計測を行う。
S119では、計測された回転角度が、定めた基準角度β(第2の基準角度:660度<β<720度)より大きくなった時に次のステップに進み、基準角度βに満たない場合は、再度、角度計測を実施する。
S120では、ドラム2が基準角度β回転した後、直ぐに図7(a)のようにトラバーサ10の早送りをドラム鍔8Lまたは8Rとは反対方向に行い、鍔に近接していた線材1をトラバース方向の隣の列に移動させる。同時にS121にて、逆方向のトラバースを開始する。
S122では、S120でトラバーサ10を入線位置より先行させ線材1を重ね巻きになる前に隣の列に落しているため、そのままでは線材1が下層の整列線の山を乗り越え、隣の整列線と整列線の間の谷部に移ってしまい大きな隙間を発生させてしまうため、素早くトラバーサ10を逆方向に早送りし、入線角度θの調整を行う(図7(b))。
S123にて、指定方向へのトラバース状態となり、その後、再び(a)のステップに戻り、S106の入線角度調整ステップへと戻る。これら一連のステップを線材1の巻取長さが所望の長さになるまでループさせる。
以上、本発明について、上記実施形態を用いて説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。発明の趣旨を損なわない範囲にて、内容を変更することができる。
1 線材
2 ドラム
3 ドラム回転軸
4 ロータリーエンコーダ
5 ドラム回転用モータ
7a カメラ
7b カメラ
7c カメラ
7d カメラ
8L ドラム鍔
8R ドラム鍔
10 トラバーサ
11 ガイドローラ
14 ロータリーエンコーダ
15 ボールねじ回転モータ
20 処理部
21 制御部
A 巻き取り状態を線材の断面方向から見た状態

Claims (1)

  1. ドラムに線材を多層整列巻きする線材の整列巻取り方法であって、
    前記ドラムに入線する前記線材を上面から撮像した画像を取得し、
    予め適正な入線角度の画像を学習させた深層学習システムによって、前記ドラムに入線する前記線材の前記入線角度を判定して制御する入線角度制御工程と、
    前記線材の巻き位置を定めるトラバーサと前記ドラムの鍔との位置状態を把握するトラバーサ位置判定工程と、
    前記トラバーサを逆方向へ移動させて折り返しを行う線材折り返し工程と、を有し、
    前記トラバーサ位置判定工程では、
    前記線材と前記ドラムの鍔とを同一視野内に収めた画像を取得し、
    前記線材と前記ドラムの鍔との距離の関係を深層学習システムに学習させ、
    前記深層学習システムによって前記距離を算出し、
    前記線材折り返し工程では、
    前記距離が所定の範囲となった場合に、前記距離が所定の範囲となった時の前記ドラムの位置を基準位置とし、
    前記ドラムが前記基準位置から計測した第1の基準角度回転した後、前記入線角度を0度にし、
    前記トラバーサの移動を停止させた状態で巻取りを行い、
    前記ドラムが前記基準位置から計測した第2の基準角度回転した後、前記トラバーサを逆方向へ移動させて折り返しを行うことを特徴とする線材の整列巻取り方法。
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