以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明は、左側通行の法規を有する国で、車両が左側通行で走行することを前提とする。右側通行の法規を有する国では、車両が右側通行で走行するため、以下の説明の左と右を対称にして読み替えるものとする。
[運転支援システムの構成]
図1は、本発明に係る運転支援システム10を示すブロック図である。運転支援システム10は車載システムであり、自律走行制御により、車両の乗員(ドライバーを含む)により設定された目的地まで車両を走行させる。自律走行制御とは、後述する運転支援装置を用いて車両の走行動作を自律的に制御することをいい、当該走行動作には、加速、減速、発進、停車、右方向又は左方向への転舵、車線変更、幅寄せなど、あらゆる走行動作が含まれる。また、自律的に走行動作を制御するとは、運転支援装置が、車両の装置を用いて走行動作の制御を行うことをいう。つまり、運転支援装置は、予め定められた範囲内でこれらの走行動作に介入し、制御する。介入されない走行動作については、ドライバーによる手動の操作が行われる。
図1に示すように、運転支援システム10は、撮像装置11、測距装置12、状態検出装置13、地図情報14、位置検出装置15、ナビゲーション装置16、車両制御装置17、表示装置18、及び運転支援装置19を備える。運転支援システム10を構成する装置は、CAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続され、互いに情報を授受できる。
撮像装置11は、画像により車両の周囲の対象物を認識する装置であり、たとえば、CCDなどの撮像素子を備えるカメラ、超音波カメラ、赤外線カメラなどのカメラである。撮像装置11は、一台の車両に複数を設けることができ、たとえば、車両のフロントグリル部、左右ドアミラーの下部及びリアバンパ近傍に配置できる。これにより、車両の周囲の対象物を認識する場合の死角を減らすことができる。
測距装置12は、車両と対象物との相対距離および相対速度を演算するための装置であり、たとえば、レーザーレーダー、ミリ波レーダーなど(LRFなど)、LiDAR(light detection and ranging)ユニット、超音波レーダーなどのレーダー装置又はソナーである。測距装置12は、一台の車両に複数設けることができ、たとえば、車両の前方、右側方、左側方及び後方に配置できる。これにより、車両の周囲の対象物との相対距離及び相対速度を正確に演算できる。
撮像装置11及び測距装置12にて検出する対象物は、道路の車線境界線、中央線、路面標識、中央分離帯、ガードレール、縁石、高速道路の側壁、道路標識、信号機、横断歩道、工事現場、事故現場、交通制限などである。また、対象物には、自車両以外の自動車(他車両)、自動二輪車(オートバイ)、自転車、歩行者など、車両の走行に影響を与える可能性がある障害物も含まれている。撮像装置11及び測距装置12の検出結果は、必要に応じて、運転支援装置19により所定の時間間隔で取得される。
また、撮像装置11及び測距装置12の検出結果は、運転支援装置19にて統合又は合成(いわゆるセンサフュージョン)することができ、これにより、検出した対象物の不足する情報を補完できる。たとえば、位置検出装置15により取得した、車両が走行する位置である自己位置情報と、車両と対象物の相対位置(距離と方向)とにより、運転支援装置19にて対象物の位置情報を算出できる。算出された対象物の位置情報は、運転支援装置19にて、撮像装置11及び測距装置12の検出結果、並びに地図情報14などの複数の情報と統合され、車両の周囲の走行環境情報となる。また、撮像装置11及び測距装置12の検出結果と、地図情報14とを用いて、車両の周囲の対象物を認識し、その動きを予測することもできる。
状態検出装置13は、車両の走行状態を検出するための装置であり、車速センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ(たとえばジャイロセンサ)、舵角センサ、慣性計測ユニットなどが挙げられる。これらの装置については、特に限定はなく、公知のものを用いることができる。また、これらの装置の配置及び数は、車両の走行状態を適切に検出できる範囲内で適宜に設定できる。各装置の検出結果は、必要に応じて、運転支援装置19により所定の時間間隔で取得される。
地図情報14は、走行経路の生成、走行動作の制御などに用いられる情報であり、道路情報、施設情報及びそれらの属性情報を含む。道路情報及び道路の属性情報には、道路の幅、道路の曲率半径、路肩の構造物、道路交通法規(制限速度、車線変更の可否)、道路の合流地点と分岐地点、車線数の増加・減少位置などの情報が含まれている。地図情報14は、レーンごとの移動軌跡を把握できる高精細地図情報であり、各地図座標における二次元位置情報及び/又は三次元位置情報、各地図座標における道路・レーンの境界情報、道路属性情報、レーンの上り・下り情報、レーン識別情報、接続先レーン情報などを含む。
高精細地図情報の道路・レーンの境界情報は、車両が走行する走路とそれ以外との境界を示す情報である。車両が走行する走路とは、車両が走行するための道であり、走路の形態は特に限定されない。境界は、車両の進行方向に対して左右それぞれに存在し、形態は特に限定されない。境界は、たとえば、路面標示又は道路構造物であり、路面標示としては車線境界線、中央線などが挙げられ、道路構造物としては中央分離帯、ガードレール、縁石、トンネル、高速道路の側壁などが挙げられる。なお、交差点内のような走路境界が明確に特定できない地点では、予め、走路に境界が設定されている。この境界は架空のものであって、実際に存在する路面標示または道路構造物ではない。
地図情報14は、運転支援装置19、車載装置、又はネットワーク上のサーバに設けられた記録媒体に読み込み可能な状態で記憶されている。運転支援装置19は、必要に応じて地図情報14を取得する。
位置検出装置15は、車両の現在位置を検出するための測位システムであり、特に限定されず、公知のものを用いることができる。位置検出装置15は、たとえば、GPS(Global Positioning System)用の衛星から受信した電波などから車両の現在位置を算出する。また、位置検出装置15は、状態検出装置13である車速センサ、加速度センサ及びジャイロセンサから取得した車速情報及び加速度情報から車両の現在位置を推定し、推定した現在位置を地図情報14と照合することで、車両の現在位置を算出してもよい。
ナビゲーション装置16は、地図情報14を参照して、位置検出装置15により検出された車両の現在位置から、乗員(ドライバーを含む)により設定された目的地までの走行経路を算出する装置である。ナビゲーション装置16は、地図情報14の道路情報及び施設情報などを用いて、車両が現在位置から目的地まで到達するための走行経路を検索する。走行経路は、車両が走行する道路、走行車線及び車両の走行方向の情報を少なくとも含み、たとえば線形で表示される。検索条件に応じて、走行経路は複数存在し得る。ナビゲーション装置16にて算出された走行経路は、運転支援装置19に出力される。
車両制御装置17は、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)などの車載コンピュータであり、車両の走行を律する車載機器を電子的に制御する。車両制御装置17は、車両の走行速度を制御する車速制御装置171と、車両の操舵操作を制御する操舵制御装置172を備える。車速制御装置171及び操舵制御装置172は、運転支援装置19から入力された制御信号に応じて、これらの駆動装置及び操舵装置の動作を自律的に制御する。これにより、車両は、設定した走行経路に従って自律的に走行できる。車速制御装置171及び操舵制御装置172による自律的な制御に必要な情報、たとえば車両の走行速度、加速度、操舵角度及び姿勢は、状態検出装置13から取得する。
車速制御装置171が制御する駆動装置としては、走行駆動源である電動モータ及び/又は内燃機関、これら走行駆動源からの出力を駆動輪に伝達するドライブシャフトや自動変速機を含む動力伝達装置、動力伝達装置を制御する駆動装置などが挙げられる。また、車速制御装置171が制御する制動装置は、たとえば、車輪を制動する制動装置である。車速制御装置171には、運転支援装置19から、設定した走行速度に応じた制御信号が入力される。車速制御装置171は、運転支援装置19から入力された制御信号に基づいて、これらの駆動装置を制御する信号を生成し、駆動装置に当該信号を送信することで、車両の走行速度を自律的に制御する。
一方、操舵制御装置172が制御する操舵装置は、ステアリングホイールの操舵角度に応じて操舵輪を制御する操舵装置であり、たとえば、ステアリングのコラムシャフトに取り付けられるモータなどのステアリングアクチュエータが挙げられる。操舵制御装置172は、運転支援装置19から入力された制御信号に基づき、設定した走行経路に対して所定の横位置(車両の左右方向の位置)を維持しながら車両が走行するように、操舵装置の動作を自律的に制御する。この制御には、撮像装置11及び測距装置12の検出結果、状態検出装置13で取得した車両の走行状態、地図情報14及び位置検出装置15で取得した車両の現在位置の情報のうちの少なくとも一つを用いる。
表示装置18は、車両の乗員に必要な情報を提供するための装置であり、たとえば、インストルメントパネルに設けられた液晶ディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ(HUD)などのプロジェクターである。表示装置18は、車両の乗員が、運転支援装置19に指示を入力するための入力装置を備えてもよい。入力装置としては、ユーザの指触又はスタイラスペンによって入力されるタッチパネル、ユーザの音声による指示を取得するマイクロフォン、車両のステアリングホイールに取付けられたスイッチなどが挙げられる。また、表示装置18は、出力装置としてのスピーカーを備えてもよい。
運転支援装置19は、運転支援システム10を構成する装置を制御して協働させることで車両の走行を制御し、設定された目的地まで車両を走行させるための装置である。目的地は、たとえば車両の乗員が設定する。運転支援装置19は、たとえばコンピュータであり、プロセッサであるCPU(Central Processing Unit)191と、プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)192と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)193とを備える。CPU191は、ROM192に格納されたプログラムを実行し、運転支援装置19が有する機能を実現するための動作回路である。
運転支援装置19は、自律走行制御により、設定された目的地まで車両を走行させる運転支援機能を有する。運転支援装置19は、運転支援機能として、自車両の周囲の走行環境を認識する環境認識機能と、走行環境の認識結果に基づいて判定を行う判定機能と、走行軌跡を生成する軌跡生成機能と、走行軌跡に沿って自車両を走行させる走行制御機能とを有する。ROM192に格納されたプログラムはこれらの機能を実現するためのプログラムを備え、CPU191がROM192に格納されたプログラムを実行することで、これらの機能が実現される。図1には、各機能を実現する機能ブロックを便宜的に抽出して示す。
[機能ブロックの機能]
以下、図1に示す支援部20、認識部21、判定部22、生成部23及び制御部24の各機能ブロックが有する機能について、図2を用いて説明する。
支援部20は、自律走行制御により、設定された目的地まで車両を走行させる運転支援機能を有する。図2は、運転支援装置19が、支援部20の運転支援機能により自車両V1の走行を自律制御する走行シーンの一例を示す平面図である。図2に示す道路は片側1車線の道路であり、車線L1を走行する車両は図面の下側から上側へ走行し、車線L2を走行する車両は図面の上側から下側へ走行するものとする。つまり、図2に示す車線L1及び車線L2は、互いに対向車線である。なお、車線L1を自車線とも言うものとする。
図2に示す走行シーンでは、自車両V1は、自車線L1の位置P1を走行している。また、自車両V1の前方の位置Paに駐車車両Vaが駐車しており、駐車車両Vaの前方の位置Pbに駐車車両Vbが駐車している。つまり、駐車車両Vaと、駐車車両Vaの前方の駐車車両Vbとは、自車両V1の走行方向に沿って自車線L1に停止している。そして、自車両V1は、図2に示す走行シーンにおいて、図面の下側から上側に向かって車線L1を走行するものとする。
この場合、自車両V1は、駐車車両Vaを回避して走行を継続するために、回避動作を実行する。回避動作とは、駐車車両Vaなどの障害物を回避するための一連の走行動作である。具体的には、自車両V1の進行方向の右側又は左側に転舵し、障害物の側方を走行して障害物を追い抜き、再び自車両V1の進行方向の右側又は左側に転舵し、追い抜いた障害物の前方の位置まで移動することである。回避動作の終了後、障害物の前方における自車両V1の道路の幅方向の位置は、たとえば位置P1と同じ位置になる。
この回避動作は、主に認識部21、判定部22、生成部23及び制御部24の有する各機能により制御される。
認識部21は、自車両V1の周囲の走行環境を認識する環境認識機能を有する。運転支援装置19は、認識部21の環境認識機能により、撮像装置11及び測距装置12を用いて、自車両V1の周囲の走行環境を認識する。走行環境とは、自車両V1が、現在の走行状態を維持できるか、走行状態を変更する必要があるかを判定するための情報であり、たとえば、対象物の種類及び位置、障害物が存在する場合はその種類及び位置、路面状況などの道路状況、天気などの情報が含まれる。運転支援装置19は、撮像装置11及び測距装置12の検出結果に対して、パターンマッチング、センサフュージョンなどの適宜の処理を行い、走行環境を認識する。
図2に示す走行シーンでは、位置P1を走行する自車両V1は、撮像装置11及び測距装置12の検出結果を用いて、自車両V1の前方に存在する駐車車両Vaを認識する。なお、図2に示す走行シーンでは、駐車車両Vaに遮られるため、位置P1から駐車車両Vbは認識できないものとする。
判定部22は、認識した走行環境に基づいて、走行軌跡の生成に必要な判定を行う機能を有する。運転支援装置19は、認識部21の環境認識機能により認識した走行環境に基づいて、判定部22の判定機能により、自車線L1の隣接車線L2を走行して障害物を回避するか否かを判定する。障害物を回避する場合に、自車両V1が隣接車線L2を走行する必要があるか否かを判定するときは、障害物の位置及び大きさ並びに自車両V1の大きさに基づいて判定する。たとえば、障害物の停止位置が自車線L1の中央より左側であり、自車線L1において、障害物の側方に自車両V1が走行するスペースが存在する場合は、障害物を回避するために、自車両V1が隣接車線L2を走行する必要はないと判定する。これに対して、障害物の停止位置が自車線L1の中央より右側であり、自車線L1に自車両V1が走行するスペースが存在しない場合は、障害物を回避するために、自車両V1が隣接車線L2を走行する必要があると判定する。
図2に示す走行シーンでは、撮像装置11及び測距装置12の検出結果から、自車線L1において、駐車車両Vaの右側に、自車両V1が駐車車両Vaと接触せずに走行するためのスペースが存在しないと認識される。そのため、運転支援装置19は、図2に示す走行シーンにおいて、自車両V1が、駐車車両Vaを回避するために隣接車線L2を走行する必要があると判定する。
生成部23は、自車両V1周辺の走行環境及びそれに基づく判定結果に応じて、自車両V1の走行軌跡を生成する軌跡生成機能を有する。運転支援装置19は、障害物側方の通過位置を設定し、設定した通過位置を走行する走行軌跡を生成する。障害物側方の通過位置は、自車両V1が障害物と接触せず、確実に障害物を回避できる位置に設定する。運転支援装置19は、走行軌跡を生成する場合に、障害物との接触を回避するために、障害物の周囲に進入禁止範囲を設定してもよい。
図2に示す走行シーンでは、運転支援装置19は、駐車車両Vaの周囲に進入禁止範囲A1を設定し、駐車車両Vaの右側であり、進入禁止範囲A1に含まれない位置P2を通過位置に設定する。そして、図2に示す、位置P1から位置P2まで走行する走行軌跡T1を生成する。走行軌跡T1は、自車両V1の最大操舵角、最大横加速度、最大ヨーレート及び最大操舵速度を超えない範囲内で、自車両V1の移動距離が最も小さくなるように生成される。
制御部24は、走行軌跡に沿って自車両を走行させる走行制御機能を有する。運転支援装置19は、制御部24の走行制御機能により、車両制御装置17を介して自車両V1の駆動装置及び操舵装置を自律制御し、自車両V1を走行軌跡に追従するように走行させる。図2に示す走行シーンでは、運転支援装置19は、操舵制御装置172を介して自車両V1の操舵装置を制御し、走行軌跡T1に沿って、位置P1から位置P2まで自車両V1を走行させる。
運転支援装置19は、走行軌跡T1に沿って走行する間に、自車両V1と駐車車両Vaとの道路の幅方向の位置がずれて、駐車車両Vaの前方の走行環境を認識できるようになる。図2に示す走行シーンでは、運転支援装置19は、自車両V1が自車線L1と隣接車線L2との境界に到達した時に、駐車車両Vaの前方の走行環境を認識できるようになるものとする。この場合、運転支援装置19は、認識部21の環境認識機能により、自車線L1と隣接車線L2との境界に到達した時に、駐車車両Vaの前方に、別の駐車車両Vbが駐車していることを認識する。
運転支援装置19は、駐車車両Vbを認識すると、自車線L1において、駐車車両Vbの右側に、自車両V1が駐車車両Vbと接触せずに走行するためのスペースが存在するか否かを判定する。図2に示す走行シーンでは、自車線L1において、自車両V1が、駐車車両Vbと接触せずに走行するスペースが存在しない。そのため、運転支援装置19は、判定部22の判定機能により、自車両V1が、駐車車両Vbを回避するために隣接車線L2を走行する必要があると判定する。運転支援装置19は、生成部23の軌跡生成機能により、駐車車両Vbの周囲に進入禁止範囲A2を設定し、駐車車両Vbの右側であり、進入禁止範囲A2に含まれない位置P3を通過位置に設定する。そして、図2に示す、位置P2から位置P3まで走行する走行軌跡T2を生成する。
運転支援装置19は、走行軌跡T2を生成すると、制御部24の走行制御機能により、走行軌跡T2に沿って、位置P2から位置P3まで自車両V1を走行させる。運転支援装置19は、走行軌跡T2に沿って走行する間に、認識部21の環境認識機能により、駐車車両Vbの前方の走行環境を認識する。図2に示す走行シーンでは、駐車車両Vbの前方には障害物が存在せず、自車両V1が走行するスペースが存在すると認識される。そこで、運転支援装置19は、生成部23の軌跡生成機能により、自車線L1に戻る位置P4を設定し、位置P3から位置P4まで走行する走行軌跡T3を生成する。運転支援装置19は、制御部24の走行制御機能により、走行軌跡T3に沿って、位置P3から位置P4まで自車両V1を走行させる。運転支援装置19は、自車両V1が位置P4に到達した時点で回避動作を終了させ、自車線L1を走行する通常の自律走行制御に移行する。
ここまで、図2に示す走行シーンにおける運転支援について説明した。なお、上述の位置P1を、回避動作が開始する開始位置とも言い、位置P4を、回避動作が終了する終了位置とも言うこととする。また、後方の駐車車両Vaを第1障害物とも言い、後方の駐車車両Va側方の通過位置P2を第1通過位置とも言うこととする。さらに、前方の駐車車両Vbを第2障害物とも言い、前方の駐車車両Vb側方の通過位置P3を第2通過位置とも言うこととする。
次に、図2に示す走行シーンにおいて、隣接車線L2を走行する対向車両が存在する場合について、図3A~3Cを用いて説明する。
図3Aに示す走行シーンは、隣接車線L2の位置Pcを走行する対向車両Vcが存在すること以外は、図2に示す走行シーンと同じである。この場合、運転支援装置19は、自車両V1が、走行軌跡T1に沿って第1通過位置P2まで走行する間に、認識部21の環境認識機能により、隣接車線L2を走行する対向車両Vcを認識する。
運転支援装置19は、対向車両Vcを認識すると、判定部22の判定機能により、対向車両Vcを回避する必要があるか否かを判定する。具体的には、自車両V1及び対向車両Vcの位置並びに自車両V1及び対向車両Vcの走行速度に基づいて、対向車両Vcが第2障害物側方の第2通過位置P3に到達する前に、自車両V1が第2通過位置P3を通過できるか否かを判定する。又はこれに代えて、対向車両Vcが、終了位置P4に対応する隣接車線L2の位置を通過する前に、自車両V1が終了位置P4に到達できるか否かを判定する。
運転支援装置19は、対向車両Vcを回避する必要がないと判定した場合は、図2に示す走行軌跡T2及びT3のような、第1障害物及び第2障害物(駐車車両Va及び駐車車両Vb)を回避する走行軌跡に沿った走行を継続する。これに対して、運転支援装置19は、対向車両Vcを回避する必要があると判定した場合は、生成部23の軌跡生成機能により、第1障害物と第2障害物との間に、自車両V1を待避させる待避位置を設定する。そして、制御部24の走行制御機能により、自車両V1を設定した待避位置まで走行させる。
待避位置とは、自車両V1が対向車両Vcを回避するために、隣接車線L2から自車線L1に一時的に戻る位置であり、第1障害物と第2障害物との間に設定される。自車両V1が待避位置まで走行することで、対向車両Vcは、隣接車線L2の走行を継続できる。対向車両Vcが自車両V1の側方を通過した後、自車両V1は、回避動作を再開する。円滑に回避動作を再開するため、自車両V1が、隣接車線L2を走行する対向車両Vcを回避できる範囲内で、自車線L1と隣接車線L2との境界にできる限り近い位置に待避位置を設定する。
また、自車両V1は、対向車両Vcを回避できれば、待避位置で停車する必要はない。つまり、自車両V1は、待避位置を徐行して通過してもよい。さらに、自車両V1は、待避位置P5を徐行で通過する場合又は待避位置P5に停車する場合に、待避位置P5において、自車両V1の車体の前後方向が、自車線L1と隣接車線L2の境界と並行(平行)になるように走行する。駐車車両Vbによって、自車両V1の撮像装置11及び測距装置12の死角となる領域が広がることを抑制し、対向車両Vcを認識しやすくするためである。
待避位置は、第2障害物の位置に応じて設定する。たとえば、第2障害物の自車線L1の幅方向の位置が、道路の路肩から離れているほど、第2障害物から離れた位置に待避位置を設定する。自車両V1と第2障害物が接近している場合、第2障害物が路肩から離れて隣接車線L2に近いほど、自車両V1の検出装置で隣接車線L2の走行環境(特に対向車両Vc)を認識しにくくなるからである。つまり、第2障害物により、撮像装置11及び測距装置12の検出範囲に死角が生じやすくなるからである。
また、運転支援装置19は、第2障害物の高さが高いほど、第2障害物から離れた位置に待避位置を設定する。自車両V1と第2障害物が接近している場合に、第2障害物の高さが高いと、撮像装置11及び測距装置12の検出範囲に死角が生じやすくなるからである。より具体的には、第2障害物が歩行者である場合は、第2障害物が駐車車両である場合より、第2障害物から離れた位置に待避位置を設定する。駐車車両より歩行者の方が行動を予測しにくいため、より離れた位置に待避位置を設定し、回避をより確実にする。さらに、第2障害物が駐車車両である場合は、第2障害物が植栽を含む構造物である場合より、第2障害物から離れた位置に待避位置を設定する。駐車車両をより確実に回避するためである。なお、植栽を含む構造物とは、歩道及び中央分離帯に植えられた街路樹などであり、植栽を含む構造物が障害物になるとは、たとえば、街路樹から伸びた枝葉が自車線L1に進入し、障害物になることを言う。
図3Aに示す走行シーンでは、対向車両Vcが、自車両V1より先に、駐車車両Vb側方の第2通過位置P3に到達するため、対向車両Vcを回避する必要があると判定される。運転支援装置19は、生成部23の軌跡生成機能により、駐車車両Vbの位置Pbが自車線L1の左側(つまり路肩側)に寄っていることを踏まえて、たとえば図3Aに示す位置P5を待避位置に設定する。そして、第1通過位置P2から待避位置P5まで走行する走行軌跡Txを生成し、走行軌跡Txに沿った走行を試みる。
ところが、図3Aに示すように、駐車車両Vaと駐車車両Vbとの車間距離D1が短いと、自車両V1は、走行軌跡Txに沿って走行できない場合がある。たとえば、図3Aに示す走行シーンでは、自車両V1が位置Pxを走行しているときに、自車両V1の車体の一部が進入禁止範囲A1に含まれてしまう。そのため、自車両V1は、走行軌跡Txに沿って待避位置P5まで到達できない。
そこで、運転支援装置19は、待避位置P5を設定するとともに、判定部22の判定機能により、第1障害物と第2障害物との距離が所定距離未満であるか否かを判定する。そして、第1障害物と第2障害物との距離が所定距離未満であると判定した場合は、第1障害物側方の第1通過位置を、第1障害物と第2障害物との距離が所定距離以上である場合より、第1障害物から離れた位置に設定する。これに対して、第1障害物と第2障害物との距離が所定距離より長いと判定された場合は、第1障害物側方の第1通過位置を補正せず、維持する。
所定距離は、自車両V1が第1障害物を回避して待避位置P5まで走行するために必要な距離に対応した距離である。所定距離は、設定された第1通過位置P2と、第2障害物の位置に基づいて設定される。具体的には、第2障害物の位置から、第2障害物の位置に応じて設定された待避位置P5までの距離と、第1通過位置P2から、第1障害物を回避して待避位置P5まで走行するために必要な距離とを算出し、算出したこれらの距離を足し合わせて所定距離とする。第2障害物の位置から待避位置P5までの距離と、第1通過位置P2から待避位置P5まで走行するために必要な、道路の走行方向の移動距離とが、障害物同士の間で確保できなければ、自車両V1は、第1通過位置P2から待避位置P5まで走行できないからである。特に、第1通過位置P2から、第1障害物を回避して待避位置P5まで走行するために必要な距離は、道路の走行方向の移動距離として算出してもよい。
又はこれに代えて、自車両V1の全長及び全幅、最小旋回半径、最大操舵角、最大横加速度、最大ヨーレート並びに最大操舵速度などに基づいて、あらかじめ所定距離を設定していてもよい。たとえば、第2障害物の位置、属性、高さなどに基づいて、隣接車線L2の走行環境が最も認識しにくい第2障害物に対して設定される待避位置P5を求め、第2障害物の位置から待避位置P5までの距離の最大値を算出する。これに、自車両V1が走行する道路において、自車両V1が車線変更するために必要な走行距離を足し合わせた距離を、所定距離に設定する。
所定距離の設定に必要な第1障害物及び第2障害物の位置情報は、測距装置12の検出結果から取得する。また、第1障害物の回避に必要な距離の算出には、たとえば、自車両V1の全長及び全幅並びに最小旋回半径を用いる。また、第1障害物と第2障害物との距離が所定距離未満であるか否かの判定は、待避位置P5を設定する前、待避位置P5を設定した後又は待避位置P5を設定すると同時のいずれの時点でも行ってもよい。
運転支援装置19は、自車両V1が、隣接車線L2において自律走行制御による走行を継続できる範囲内で、第1障害物からできる限り離れた位置を第1通過位置P2に設定する。この場合に、自車両V1が待避位置P5まで走行する間に、自車両V1の最大操舵角、最大横加速度、最大ヨーレート及び最大操舵速度を超えないようにする。待避位置P5までより確実に走行するためである。
図3Aに示す走行シーンでは、駐車車両Vaと駐車車両Vbとの車間距離D1が所定距離未満で、自車両V1が待避位置P5まで走行できないため、運転支援装置19は、生成部23の軌跡生成機能により、図3Bに示す位置P6を新たな第1通過位置に設定する。又はこれに代えて、設定された第1通過位置P2を、道路の幅方向に沿って位置P6まで移動し、第1通過位置を補正する。そして、開始位置P1から第1通過位置P6まで走行する走行軌跡T4を生成する。
なお、運転支援装置19は、自車線L1における第1障害物の幅方向の位置に基づいて、第1通過位置を設定してもよい。たとえば、図3Bに示す走行シーンにおいて、駐車車両Vaの位置Paが、自車線L1と隣接車線L2の境界に近い場合は、駐車車両Vaの位置Paが道路の路肩側に近い場合よりも、自車線L1と隣接車線L2の境界から離れた位置に第1通過位置を設定する。これと同様に、運転支援装置19は、自車線L1における第2障害物の幅方向の位置に基づいて、第2通過位置を設定してもよい。たとえば、駐車車両Vbの位置Pbが、自車線L1と隣接車線L2の境界から離れている場合は、駐車車両Vbの位置Pbが隣接車線L2に近い場合よりも、自車線L1と隣接車線L2の境界に近い位置に第2通過位置を設定する。
走行軌跡T4が生成されると、運転支援装置19は、制御部24の走行制御機能により、自車両V1を走行軌跡T4に沿って走行させる。運転支援装置19は、自車両V1が第1通過位置P6まで走行する間に、第1通過位置P6から待避位置P5まで走行する走行軌跡T5を生成する。そして、自車両V1を、走行軌跡T5に沿って、第1通過位置P6から待避位置P5まで走行させる。図3Aに示す走行シーンと異なり、進入禁止範囲A1と自車両V1との間に、待避位置P5まで走行する操舵操作を行うための間隔が確保されているため、自車両V1は、自律走行制御により待避位置P5に到達できる。また、図3Aに示す走行軌跡Txよりも曲率の小さい走行軌跡T5を生成できる。これにより、自車両V1の挙動変化が小さくなり、乗員に違和感を与えることを抑制できる。
走行軌跡T5に到達すると、自車両V1は停車し、対向車両Vcが自車両V1の側方を通過するのを待つ。そして、対向車両Vcが、図3Cに示す位置Pdまで走行した時点で、対向車両Vcの回避が完了したと判定し、回避動作を再開する。運転支援装置19は、生成部23の軌跡生成機能により、待避位置P5から第2通過位置P3まで走行する走行軌跡T6を生成し、制御部24の走行制御機能により、自車両V1を待避位置P5から第2通過位置P3まで走行させる。自車両V1が第2通過位置P3まで到達した後は、図2に示す走行シーンと同様に、走行軌跡T3に沿って終了位置P4まで走行する。
ここまで、図3A~3Cに示す走行シーンにおける運転支援について説明した。なお、本実施形態では、第1通過位置P6から待避位置P5まで走行することと、待避位置P5から第2通過位置P3まで走行することは、回避動作の一部に含まれるものとする。
次に、図3Aに示す走行シーンにおいて、駐車車両Vaと駐車車両Vbとの車間距離がさらに短い場合について、図4A~4Cを用いて説明する。
図4Aに示す走行シーンは、駐車車両Vaの駐車位置が位置Qaであり、駐車車両Vbの駐車位置が位置Qbであること以外は、図3Aに示す走行シーンと同じである。位置Qaは、図3Aに示す位置Paよりも前方の位置である。また、位置Qbは、図3Aに示す位置Pbよりも隣接車線L2に近い位置である。この場合、運転支援装置19は、図3Aに示す走行シーンと同様に対向車両Vcを回避する必要があると判定し、駐車車両Vbの後方に待避位置の設定を試みる。
図4Aに示す走行シーンでは、駐車車両Vbの位置が、図3Aに示す走行シーンより隣接車線L2に近いため、設定される待避位置Pyは、待避位置P5よりも駐車車両Vbから離れた位置になる。ところが、図4に示す走行シーンでは、駐車車両Vaと駐車車両Vbとの車間距離D2が、図3Aに示す車間距離D1より短いため、待避位置Pyが進入禁止範囲A1に含まれる。そのため、図4Aに示す走行シーンでは、図3Aに示す走行シーンと同じ方法で待避位置を設定できない。
このように、自車両V1が、自律走行制御では待避位置に到達できない場合、運転支援装置19は、生成部23の軌跡生成機能により、設定された待避位置を、走行方向に沿って前方に移動する。これにより、自車両V1が到達できる待避位置が設定できる。具体的には、運転支援装置19は、自車両V1が、第1通過位置から、第1障害物を回避して待避位置まで走行するために必要な距離を算出し、当該距離が確保できる位置まで、設定された待避位置を移動させる。第1通過位置から待避位置まで走行するために必要な距離は、道路の走行方向の移動距離として算出してもよい。
図4Aに示す走行シーンでは、まず、図3Aに示す走行シーンと同様に、駐車車両Vaと駐車車両Vbとの車間距離D2が所定距離未満であるか否かを判定する。車間距離D2は車間距離D1よりも短いため、車間距離D2が所定距離未満であると判定される。この判定経過に基づいて、運転支援装置19は、図4Aに示す位置P7を第1通過位置に設定する。そして、運転支援装置19は、開始位置P1から第1通過位置P7まで走行する走行軌跡T7を生成する。
運転支援装置19は、開始位置P1から第1通過位置P7まで走行する間に、生成部23の軌跡生成機能により、図4Aに示す待避位置Pyを、図4Bに示す位置P8まで移動する。位置P8は、自車両V1が第1通過位置P7から自律走行制御で到達できる位置である。位置P8が待避位置として設定されると、運転支援装置19は、第1通過位置P7から待避位置P8まで走行する走行軌跡T8を生成し、走行軌跡T8に沿って自車両V1を走行させる。
走行軌跡T8に到達すると、自車両V1は停車し、対向車両Vcが自車両V1の側方を通過するのを待つ。そして、対向車両Vcが、図4Cに示す位置Pdまで走行した時点で、対向車両Vcの回避が完了したと判定し、回避動作を再開する。運転支援装置19は、生成部23の軌跡生成機能により、待避位置P8から第2通過位置P3まで走行する走行軌跡Tyの生成を試みる。
ところが、4Cに示す走行シーンでは、駐車車両Vbの位置が隣接車線L2に近いため、自車両V1が走行軌跡Tyに沿って走行すると、進入禁止範囲A2に進入してしまう。そこで、運転支援装置19は、自車両V1が自律走行制御により走行できる範囲内で、第2障害物側方の第2通過位置を、第2障害物から離れた位置に設定する。この場合に、自車両V1が第2通過位置まで走行する間に、自車両V1の最大操舵角、最大横加速度、最大ヨーレート及び最大操舵速度を超えないようにする。これにより、第2障害物の回避をより確実にする。
図4Cに示す走行シーンでは、運転支援装置19は、生成部23の軌跡生成機能により、図3Bに示す位置P9を新たな第2通過位置に設定する。又はこれに代えて、設定された第2通過位置P3を、道路の幅方向に沿って位置P9まで移動し、第2通過位置を補正する。そして、運転支援装置19は、待避位置P8から第2通過位置P9まで走行する走行軌跡T9を生成する。
走行軌跡T9が生成されると、運転支援装置19は、制御部24の走行制御機能により、自車両V1を待避位置P8から第2通過位置P9まで走行させる。自車両V1が第2通過位置P9まで到達した後、運転支援装置19は、第2通過位置P9から終了位置P4まで走行する走行軌跡T10を生成する。そして、走行軌跡T10に沿って、自車両V1を終了位置P4まで走行させ、回避動作を終了させる。
ここまで、図4A~4Cに示す走行シーンにおける運転支援について説明した。上述した説明では、開始位置P1及び終了位置P4は移動しなかったが、運転支援装置19は、自車両V1の周囲の走行環境に応じて、開始位置P1及び終了位置P4を移動させてもよい。たとえば、第1障害物の自車線L1の幅方向の位置が、道路の路肩より隣接車線L2に近い場合は、第1障害物の自車線L1の幅方向の位置が、隣接車線L2より路肩に近い場合と比べて、開始位置P1を、自車両V1の走行方向手前に移動する。たとえば、図4Aに示す走行シーンにおいて、駐車車両Vaの位置が自車線L1の右側である場合は、駐車車両Vaの位置が自車線L1の左側である場合より、開始位置P1を自車両V1の走行方向手前に移動する。これにより、駐車車両Vaの位置が自車線L1の左側である場合より、自車両V1の回避行動を早く開始し、前方の駐車車両Vbをより早く認識できる。
また、運転支援装置19は、隣接車線L2を走行する他車両を回避するために、第1障害物の自車線L1の幅方向の位置が、隣接車線L2より路肩に近い場合と比べて、回避行動を早く開始できない場合は、第1障害物の位置が、隣接車線L2より路肩に近い場合と比べて、自車両V1が第1障害物に接近するときの走行速度を遅く設定する。たとえば、図4Aに示す走行シーンにおいて、隣接車線L2の対向車両が、第1通過位置P7の近くを走行している場合は、開始位置P1を自車両V1の走行方向手前に移動しても、対向車両を回避するために、回避動作を開始できない。この場合は、自車両V1が駐車車両Vaに接近するときの走行速度を低下させる。駐車車両Vaの手前で減速することで、駐車車両Vaと自車両V1との車間距離を維持し、できる限り駐車車両Vaから離れた位置で回避動作を開始できるようにする。なお、運転支援装置19は、対向車両の回避に時間がかかる場合は、自車両V1を駐車車両Vaの手前の位置で停車させてもよい。
ここまで、本実施形態の運転支援装置19による運転支援について説明してきた。なお、上述の図2、図3A~3C及び図4A~4Cに示す走行シーンでは、車線L1と隣接車線L2は互いに対向車線であるとしたが、隣接車線L2は必ずしも対向車線である必要はない。運転支援装置19は、道路が片側2車線の道路であり、車線L1及び隣接車線L2を走行する車両の走行方向が同じ方向である場合も、上述の運転支援を実行できる。この場合、上述の対向車両は並走車両と読み替えるものとする。
[システムにおける処理]
図5A~5Bを参照して、運転支援装置19が情報を処理する際の手順を説明する。図5A~5Bは、本実施形態の運転支援システム10において実行される、情報の処理を示すフローチャートの一例である。以下に説明する処理は、運転支援装置19のプロセッサであるCPU191により所定の時間間隔で実行される。
まず、図5AのステップS1にて、環境認識機能により、撮像装置11及び測距装置12などを用いて第1障害物を検出する。ステップS2にて、判定機能により、検出結果から、第1障害物が存在するか否かを判定する。第1障害物が存在しないと判定された場合は、ステップS1に進み、第1障害物の検出を繰り返す。第1障害物が存在すると判定された場合は、ステップS3に進み、判定機能により、隣接車線L2を走行して第1障害物を回避する必要があるか否かを判定する。
隣接車線L2を走行して第1障害物を回避する必要がないと判定した場合は、ステップS4に進み、通常の回避動作で第1障害物を回避する。その後、ステップS33に進み、回避動作を終了させ、ルーチンの実行を終了する。これに対して、隣接車線L2を走行して第1障害物を回避する必要があると判定した場合は、ステップS5に進み、環境認識機能により、隣接車線L2の障害物を検出する。
続くステップS6にて、判定機能により、回避動作が開始できるか否かを判定する。回避動作が開始できないと判定された場合は、ステップS7に進み、走行制御機能により、自車両V1の走行速度をより遅い速度に設定し、自車両V1を減速させる。その後、ステップS6に進み、再度、回避動作が開始できるか否かを判定する。これに対して、回避動作が開始できると判定された場合は、ステップS8に進む。
ステップS8にて、軌跡生成機能により、第1障害物側方の第1通過位置を設定し、続くステップS9にて、第1通過位置を走行し、第1障害物を回避する走行軌跡を生成する。ステップS10にて、走行制御機能により、第1障害物を回避する走行軌跡に沿って自車両V1を走行させ、続くステップS11にて、第2障害物を検出する。
ステップS12にて、検出結果から、第2障害物が存在するか否かを判定する。第2障害物が存在しないと判定された場合は、ステップS13に進み、第1障害物を回避する走行軌跡に沿った走行を継続させる。これに対して、第2障害物が存在すると判定された場合は、ステップS14に進む。
ステップS14にて、軌跡生成機能により、第2障害物側方の第2通過位置を設定し、続くステップS15にて、環境認識機能により、隣接車線L2の障害物を検出する。ステップS16にて、判定機能により、隣接車線L2の障害物を回避する必要があるか否かを判定する。隣接車線L2の障害物を回避する必要がないと判定した場合は、ステップS17に進み、第2通過位置を走行し、第1障害物及び第2障害物を回避する走行軌跡を生成する。続くステップS18にて、第1障害物及び第2障害物を回避する走行軌跡に沿って自車両V1を走行させ、ステップS33に進み、回避動作を終了させ、ルーチンの実行を終了する。これに対して、隣接車線L2の障害物を回避する必要があると判定した場合は、図5BのステップS19に進む。
図5BのステップS19にて、軌跡生成機能により待避位置を設定し、続くステップS20にて、第1障害物と第2障害物との距離を算出する。ステップS21にて、第1障害物と第2障害物の距離が所定距離未満であるか否かを判定する。第1障害物と第2障害物の距離が所定距離未満であると判定した場合は、ステップS22に進み、第1障害物側方の第1通過位置を、第1障害物から離れる方向に移動する。その後、ステップS23に進む。これに対して、第1障害物と第2障害物の距離が所定距離以上であると判定した場合は、ステップS22を経ずにステップS23に進む。
ステップS23にて、軌跡生成機能により、待避位置を通過し、第1障害物と第2障害物を回避する走行軌跡を生成し、続くステップS24にて、判定機能により、自車両V1が待避位置まで走行できるか否かを判定する。自車両V1が待避位置まで走行できないと判定した場合は、ステップS25に進み、設定した待避位置を走行方向前方に移動させる。続くステップS26にて、第2障害物側方の第2通過位置を、第2障害物から離れる方向に移動し、ステップS27にて、待避位置を通過し、第1障害物と第2障害物を回避する走行軌跡を補正する。その後、ステップS24に進み、再度、自車両V1が待避位置まで走行できるか否かを判定する。
これに対して、自車両V1が待避位置まで走行できると判定した場合は、ステップS28に進み、自車両V1を待避位置まで走行させる。ステップS29にて、隣接車線L2の障害物を検出し、ステップS30にて、隣接車線L2の障害物を回避して発車できるか否かを判定する。発車できないと判定した場合は、ステップS30の判定を繰り返す。これに対して、発車できると判定した場合は、ステップS31に進み、待避位置から発車する。そして、ステップS32にて、設定された走行軌跡に沿って走行し、第2通過位置を通過し、終了位置P4まで走行する。その後、ステップS33に進み、回避動作を終了させ、ルーチンの実行を終了する。
[本発明の実施態様]
以上のとおり、本実施形態によれば、プロセッサを用いて、自車両V1の走行方向に沿って自車線L1に停止している第1障害物と、前記第1障害物の前方の第2障害物とを、前記自車線L1の隣接車線L2を走行して回避する運転支援方法において、前記プロセッサは、前記第1障害物と前記第2障害物との間に、前記自車両V1を待避させる待避位置を設定し、前記第1障害物と前記第2障害物との距離が所定距離未満であるか否かを判定し、前記第1障害物と前記第2障害物との距離が前記所定距離未満であると判定した場合は、前記第1障害物側方の第1通過位置を、前記第1障害物と前記第2障害物との距離が前記所定距離以上である場合より、前記第1障害物から離れた位置に設定し、前記自車両V1を自律走行制御により前記待避位置まで走行させる、運転支援方法が提供される。これにより、障害物同士の間に設定された待避位置まで走行できない事態を抑制できる。また、待避位置まで走行する走行軌跡の曲率を小さくでき、円滑な走行が実現できる。さらに、第2障害物との間隔を確保でき、隣接車線L2を走行する他車両を認識しやすくなる。これに加えて、待避位置からの移動が円滑になり、不要な操舵操作と速度の低下を抑制できる。
また、本実施形態の運転支援方法によれば、前記プロセッサは、前記第2障害物の前記自車線L1の幅方向の位置が、道路の路肩から離れているほど、前記第2障害物から離れた位置に前記待避位置を設定する。これにより、第2障害物との間隔を確保でき、隣接車線L2を走行する他車両を認識しやすくなる。また、待避位置からの移動が円滑になり、不要な操舵操作と速度の低下を抑制できる。
また、本実施形態の運転支援方法によれば、前記プロセッサは、前記第2障害物の高さが高いほど、前記第2障害物から離れた位置に前記待避位置を設定する。これにより、隣接車線L2を走行する他車両を認識しやすくなる。また、自車両V1の検出装置の死角を低減できる。
また、本実施形態の運転支援方法によれば、前記プロセッサは、前記第2障害物が駐車車両である場合は、前記第2障害物が植栽を含む構造物である場合より、前記第2障害物から離れた位置に前記待避位置を設定し、前記第2障害物が歩行者である場合は、前記第2障害物が前記駐車車両である場合より、前記第2障害物から離れた位置に前記待避位置を設定する。これにより、待避位置からの移動が円滑になり、第2障害物をより確実に回避できる。
また、本実施形態の運転支援方法によれば、前記プロセッサは、前記自車両V1が、前記隣接車線L2を走行する他車両を回避できる範囲内で、前記自車線L1と前記隣接車線L2との境界に近い位置に前記待避位置を設定する。これにより、隣接車線L2を走行する他車両を認識しやすくなる。また、待避位置からの移動が円滑になり、不要な操舵操作と速度の低下を抑制できる。
また、本実施形態の運転支援方法によれば、前記プロセッサは、前記自車線L1における前記第1障害物及び前記第2障害物の前記自車線L1の幅方向の位置に基づいて、前記第1通過位置を設定する。これにより、待避位置まで走行する走行軌跡の曲率を小さくでき、円滑な走行が実現できる。
また、本実施形態の運転支援方法によれば、前記プロセッサは、前記自車両V1が、前記隣接車線L2において前記自律走行制御を継続できる範囲内で、前記第1通過位置を、前記第1障害物から離れた位置に設定する。これにより、第1障害物をより確実に回避できる。
また、本実施形態の運転支援方法によれば、前記プロセッサは、前記自車両V1が前記待避位置まで走行する場合に、前記自車両V1の最大操舵角、最大横加速度、最大ヨーレート及び最大操舵速度を超えない範囲内で、前記第1通過位置を、前記第1障害物から離れた位置に設定する。これにより、待避位置まで走行する走行軌跡の曲率を小さくでき、円滑な走行が実現できる。
また、本実施形態の運転支援方法によれば、前記プロセッサは、前記自車両V1が、前記自律走行制御では前記待避位置に到達できない場合は、前記待避位置を前記走行方向に沿って前方に移動する。これにより、より確実に待避位置に到達し、隣接車線L2を走行する他車両の交通を阻害することを抑制できる。
また、本実施形態の運転支援方法によれば、前記プロセッサは、前記自車両V1が前記自律走行制御により走行できる範囲内で、前記第2障害物側方の第2通過位置を、前記第2障害物から離れた位置に設定する。これにより、これにより、第2障害物を回避する走行軌跡の曲率を小さくでき、円滑な走行が実現できる。
また、本実施形態の運転支援方法によれば、前記プロセッサは、前記第1障害物の前記自車線L1の幅方向の位置が、道路の路肩より前記隣接車線L2に近い場合は、前記位置が、前記隣接車線L2より前記路肩に近い場合と比べて、前記自車両V1の回避行動を早く開始する。これにより、第2障害物を早い段階で認識でき、第1通過位置を早い時点で設定できる。その結果、待避位置まで円滑に走行できる。
また、本実施形態の運転支援方法によれば、前記プロセッサは、前記隣接車線L2を走行する他車両を回避するために、前記位置が、前記隣接車線L2より前記路肩に近い場合と比べて、前記回避行動を早く開始できない場合は、前記位置が、前記隣接車線L2より前記路肩に近い場合と比べて、前記自車両V1が前記第1障害物に接近するときの走行速度を遅く設定する。これにより、回避動作を開始する位置を走行方向手前に移動でき、第2障害物を早い段階で認識できる。
また、本実施形態によれば、自車両V1の走行方向に沿って自車線L1に停止している第1障害物と、前記第1障害物の前方の第2障害物とを、前記自車線L1の隣接車線L2を走行して回避する場合に、前記第1障害物と前記第2障害物との間に、前記自車両V1を待避させる待避位置を設定する生成部23と、前記第1障害物と前記第2障害物との距離が所定距離未満であるか否かを判定する判定部22と、前記自車両V1を自律走行制御により前記待避位置まで走行させる制御部24と、を備え、前記生成部23は、前記判定部22が、前記第1障害物と前記第2障害物との距離が前記所定距離未満であると判定した場合は、前記第1障害物側方の第1通過位置を、前記第1障害物と前記第2障害物との距離が前記所定距離以上である場合より、前記第1障害物から離れた位置に設定する、運転支援装置19が提供される。これにより、障害物同士の間に設定された待避位置まで走行できない事態を抑制できる。また、待避位置まで走行する走行軌跡の曲率を小さくでき、円滑な走行が実現できる。さらに、第2障害物との間隔を確保でき、隣接車線L2を走行する他車両を認識しやすくなる。これに加えて、待避位置からの移動が円滑になり、不要な操舵操作と速度の低下を抑制できる。