JP7828762B2 - フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
このため、4-メチル-1-ペンテン系重合体を含み、厚さの均質なフィルムが求められ、特に4-メチル-1-ペンテン系重合体を含むインフレーションフィルムが求められていた。
さらに、特許文献2に記載の樹脂組成物は、ブロー成形は可能であったとしても、バブルの安定性は不十分であり、膜厚の均一なインフレーションフィルムを成形するにはさらなる改良が必要である。
本発明は、例えば以下の〔1〕~〔9〕の事項に関する。
要件(X-1):JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定した密度が0.82~0.88g/m3。
要件(X-2):示差走査熱量測定(DSC)で測定した融点(Tm)が、190℃~250℃。
要件(X-3):融解エンタルピーΔHが35J/g未満。
要件(X-4):DSCにより下記の測定方法で測定した215℃での半結晶化時間が220秒以上であるか、または計測されない。
半結晶化時間の測定方法:(株)パーキンエルマー製のDSC8500を用いて、500℃/分の昇温速度で30℃から280℃まで昇温し、10分間温度を保持した後、500℃/分の降温速度で215℃まで降温したときの215℃状態での半結晶化時間を計測する。
要件(X-5):4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位の含有量が90.0モル%以上、100モル%未満であり、エチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィン(4-メチル-1-ペンテンを除く)から導かれる構成単位の含有量が0モル%を超え、10.0モル%以下である。
要件(X-6):135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が1.5~8.0dl/gである。
要件(X-7):260℃で測定した溶融張力(メルトテンション:MT)が25mN以上である。
〔5〕インフレーションフィルムである、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のフィルム。
〔6〕包装用である、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載のフィルム。
要件(X-1):JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定した密度が0.82~0.88g/m3。
要件(X-2):示差走査熱量測定(DSC)で測定した融点(Tm)が、190℃~250℃。
要件(X-3):融解エンタルピーΔHが35J/g未満。
要件(X-4):DSCにより下記の測定方法で測定した215℃での半結晶化時間が220秒以上であるか、または計測されない。
半結晶化時間の測定方法:(株)パーキンエルマー製のDSC8500を用いて、500℃/分の昇温速度で30℃から280℃まで昇温し、10分間温度を保持した後、500℃/分の降温速度で215℃まで降温したときの215℃状態での半結晶化時間を計測する。
〔9〕〔1〕~〔6〕のいずれかに記載のフィルムを製造する、〔7〕または〔8〕に記載のフィルムの製造方法。
<4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)>
本発明に係る4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)は、少なくとも1種の4-メチル-1-ペンテン系重合体を含む。本発明において、4-メチル-1-ペンテン系重合体とは、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位を有する重合体あるいは共重合体であって、4-メチル-1-ペンテンの単独重合体または4-メチル-1-ペンテンと共重合可能なモノマーとの共重合体である。共重合体としては、好ましくは、4-メチル-1-ペンテンと、エチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィン(4-メチル-1-ペンテンを除く)から選ばれる1種以上のオレフィンとの共重合体が挙げられる。
また4-メチル-1-ペンテン系重合体を構成する全構成単位100モル%中、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位の含有割合は、通常80モル%以上、好ましくは90モル%以上である。
4-メチル-1-ペンテン系重合体は、例えば、後述する4-メチル-1-ペンテン系重合体の製造方法により製造することができる。また、4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)が後述する特性を満たす範囲で、市販の4-メチル-1-ペンテン系重合体を単独であるいは組み合わせて用いることもできる。
4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)を構成する4-メチル-1-ペンテン系重合体は、例えば、4-メチル-1-ペンテンと、必要に応じてエチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィンと、さらに必要に応じて前記他の重合性モノマーとを重合することにより得ることができる。本発明の4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)を構成する4-メチル-1-ペンテン系重合体は、前記重合をメタロセン触媒の存在下で行うことにより好適に製造することができる。
メタロセン化合物(a)と、
担体(b)とから少なくとも構成される触媒が挙げられる。
メタロセン化合物(a)は、例えば、一般式(1)または(2)で表される。
R1~R14は、それぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基またはケイ素含有基である。R1からR4までの隣接した置換基は、互いに結合して環を形成してもよい。R5からR12までの隣接した置換基は、互いに結合して環を形成してもよい。
Aは、不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい炭素数2~20の2価の炭化水素基である。Aは、Yと共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含んでいてもよい。
Qは、ハロゲン原子、炭素数1~20の炭化水素基、アニオン配位子、または孤立電子対で配位可能な中性配位子である。jが2以上であるときは、各々のQは同一でも異なってもよい。
jは、1~4の整数、好ましくは2である。
R13およびR14は、それぞれ独立に水素原子、炭化水素基または置換炭化水素基であることが好ましい。
R2bからR12bにおけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
フルオレン環部分は公知のフルオレン誘導体から得られる構造であれば特に制限されないが、R4bおよびR5bは、分子量の観点から、好ましくは水素原子である。
あるいは、n=1である場合、R9bおよびR10bが互いに結合して環を形成していることがより好ましく、当該環がシクロヘキサン環等の6員環であることが特に好ましい。この場合、R11bは水素原子であることが好ましい。
R12bは、アルキル基であることが好ましい。
jは1~4の整数であり、好ましくは2である。
担体(b)は、好ましくは粒子状であり、その表面および内部にメタロセン化合物(a)を固定化させることで、前記メタロセン触媒が形成される。このような形態の触媒は一般にメタロセン担持触媒と呼ばれる。
担体(b)は、有機アルミニウム化合物(b-1)、有機ホウ素化合物(b-2)、もしくは無機化合物(b-3)、またはこれらから選ばれる2種以上の複合体を主成分とする。
一般式(5)中、R1は炭素数2~20の炭化水素基、好ましくは炭素数2~15の炭化水素基、より好ましくは炭素数2~10の炭化水素基である。炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基が挙げられる。
固体状アルミノキサンは、触媒担体として機能する。このため、固体状アルミノキサンの他に、触媒担体として、例えば、シリカ、アルミナ、シリカ・アルミナ、塩化マグネシウム等の固体状無機担体、またはポリスチレンビーズ等の固体状有機担体を用いなくともよい。
固体状アルミノキサンは、例えば、国際公開第2010/055652号および国際公開第2014/123212号に記載された方法により調製することができる。
メタロセン触媒は、さらに必要に応じて、有機化合物成分(c)を含有することもできる。有機化合物成分(c)は、必要に応じて、重合性能および生成ポリマーの物性を向上させる目的で使用される。有機化合物成分(c)としては、前述の有機アルミニウム化合物(b-1)を用いうる。その他に例えば、アルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物、アミド、ポリエーテルおよびスルホン酸塩が挙げられる。
本発明に係る4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)に含まれる、4-メチル-1-ペンテン共重合体を得るための4-メチル-1-ペンテンと、必要に応じてエチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィンとの重合は、溶解重合、懸濁重合等の液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できる。液相重合法においては、不活性炭化水素溶媒を用いることができ、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロロベンゼン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;これらから選ばれる2種以上の混合溶媒が挙げられる。また、4-メチル-1-ペンテンを含むオレフィン自身を重合溶媒として用いることができる。
方法(i):成分(a)と成分(b)を任意の順序で重合器に添加する方法。
方法(ii):成分(a)を成分(b)に担持した触媒成分を重合器に添加する方法。
また、成分(b)に成分(a)が担持された固体触媒成分においては、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン等のオレフィンが予備重合されていてもよく、予備重合された固体触媒成分上に、さらに触媒成分が担持されていてもよい。
本発明に係る4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)が2種類の4-メチル-1-ペンテン系重合体の混合組成物である場合、第一の4-メチル-1-ペンテン系重合体と第二の4-メチル-1-ペンテン系重合体とを別々に製造して所望の配合比で混合してもよく、また、例えば、第一の4-メチル-1-ペンテン系重合体をスラリー重合により製造する工程(1)と、工程(1)で得られた重合体の存在下で、第二の4-メチル-1-ペンテン系重合体を、第一および第二の重合体の合計量を100質量%とした場合に第二の重合体の量が所望の質量%となるように、スラリー重合により製造する工程(2)とを有する多段重合法によっても製造することができる。
工程(1)では、第一の4-メチル-1-ペンテン系重合体をスラリー重合により製造する。工程(1)において、4-メチル-1-ペンテンと、必要に応じて用いられるエチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィン(4-メチル-1-ペンテンを除く)からなる群より選ばれる少なくとも1つの単量体との比は、それぞれから導かれる構成単位の量が所望の量比となるように設定される。
工程(2)では、工程(1)で得られた第一の4-メチル-1-ペンテン系重合体の存在下で、第二の4-メチル-1-ペンテン共重合体をスラリー重合により製造する。工程(2)において、4-メチル-1-ペンテンと、必要に応じて用いられるエチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィン(4-メチル-1-ペンテンを除く)からなる群より選ばれる少なくとも1つの単量体との供給量比は、それぞれから導かれる構成単位の量が所望の量比となるように設定される。
工程(2)で得られた、第一の4-メチル-1-ペンテン系重合体および第二の4-メチル-1-ペンテン系重合体を含有する4-メチル-1-ペンテン系重合体粒子を含むスラリーを、固液分離する、例えば濾過することにより、前記粒子を分離回収することができる。
上記多段重合法で得られた4-メチル-1-ペンテン系重合体粒子、例えば上記固液分離工程で得られた粒子に対しては、上記方法で製造した後に、必要に応じて公知の触媒失活処理工程、触媒残渣除去工程、乾燥工程等の後処理工程を行ってよい。
以上のようにして、第一の4-メチル-1-ペンテン系重合体および第二の4-メチル-1-ペンテン系重合体の混合物を得ることができる。
本発明の重合体組成物(X)は、従来公知の添加剤を含有することができる。
添加剤としては、例えば、二次抗酸化剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、充填剤、塩酸吸収剤が挙げられる。添加剤の含有量は特に制限されないが、共重合体(A)および(B)等を含む重合体成分100質量部に対して、それぞれ、通常は0~50質量部、好ましくは0~10質量部である。
本発明の4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)は、1種または2種以上の添加剤を含有することができる。
本発明に係る4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)は、従来の4-メチル-1-ペンテン系重合体が有する優れた耐熱性、透明性、軽量性、離型性、耐汚染性などの物性を備えながら、従来の4-メチル-1-ペンテン系重合体を含む重合体組成物よりも長い半結晶化時間を有し、延伸性を有する。このため本発明に係る4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)を含むフィルムは、膜厚が均質で膜厚精度(厚薄精度)に優れたものとすることができる。
前記密度は、好ましくは0.82~0.86g/m3であり、より好ましくは0.82~0.84g/m3である。
4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)の密度が前記範囲にあることにより、軽量なフィルムとすることができる。
前記融点(Tm)は、好ましくは190℃~245℃の範囲にあり、より好ましくは200℃~240℃、さらに好ましくは200~235℃、より一層好ましくは210℃~235℃、特に好ましくは220~235℃である。
4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)の前記融点(Tm)が前記範囲にあることにより、耐熱性を付与することができる。
前記融解エンタルピーΔHは、4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)を用いて、JIS K7122に準拠して測定した値である。
前記融解エンタルピーΔHは、好ましくは5~30J/gであり、より好ましくは8~27J/gである。
4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)の前記融解エンタルピーΔHが前記範囲にあることにより、フィルムへの成形性が向上するという効果が得られる。
半結晶化時間(Tc1/2)の測定方法:(株)パーキンエルマー製のDSC8500を用いて、500℃/分の昇温速度で30℃から280℃まで昇温し、10分間温度を保持した後、500℃/分の降温速度で215℃まで降温したときの215℃状態での半結晶化時間を計測する。
前記半結晶化時間は、230秒以上であるか、または計測されないことが好ましく、240秒以上であるか、または計測されないことがより好ましく、300秒以上であるか、または計測されないことがさらに好ましく、400秒以上であるか、または計測されないことがまたさらに好ましく、500秒以上であるか、または計測されないことが特に好ましい。
4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)の前記半結晶化時間が、前記条件を満たすことにより、溶融成形時の結晶化速度が遅くなり、延伸性が向上し、フィルムへの成形性が優れたものとなるという効果が得られる。
4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位の含有量は、好ましくは91.0~99.5モル%、より好ましくは92.0~99.0モル%である。エチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィン(4-メチル-1-ペンテンを除く)から導かれる構成単位の含有量は、好ましくは0.5~9.0モル%、より好ましくは1.0~8.0モル%である。
4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)の構成単位含有量が、前記条件を満たすことにより、フィルムを耐熱性、透明性、離型性に優れたものとすることができる。
前記極限粘度[η]は、好ましくは1.6~7.0dL/g、より好ましくは1.7~6.0dL/g、さらに好ましくは1.8~5.0dL/g、より一層好ましくは1.9~4.5dL/g、特に好ましくは2.0~4.0dL/gである。
4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)は、前記範囲を満たす極限粘度を有することにより、延伸を伴う方法でフィルムを形成することができ、特にインフレーション成形に適したものとなる。
前記溶融張力は、好ましくは26mN以上、より好ましくは26~100mN、さらに好ましくは26.5~50mNである。溶融張力は、例えば重合体の分子量のコントロールにより調整することができる。
4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)が、前記範囲を満たす比較的高い溶融張力を有することにより、延伸を伴う方法でフィルムを形成することができ、特にインフレーション成形に適したものとなる。
本発明のフィルムは、上述の4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)を含む。好ましくは、本発明のフィルムは、上述の4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)からなるものであって、上述の4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)を成形して得られたものである。
また、本発明のフィルムは、4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)を含むことにより、離型性にも優れる。
本発明のフィルムは、インフレーション成形により得られるインフレーションフィルムであることが好ましい。
本発明に係るインフレーションフィルムは、上述の4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)をインフレーション成形することにより製造することができる。
以下において、各物性値等は、以下の方法により測定あるいは評価した。
重合体組成物(または各重合体)中の4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位の含有量、およびエチレンまたはα-オレフィン(4-メチル-1-ペンテンを除く)含有量は、以下の装置および条件により、13C-NMRにより測定した結果から算出した。
重合体または重合体組成物の極限粘度[η]は、デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した。すなわち重合パウダー、ペレットまたは樹脂塊約20mgをデカリン15mLに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5mL追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿したときのηsp/Cの値を極限粘度として求めた(下式参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定した。
セイコーインスツル(株)製のDSC測定装置(DSC220C)により、発熱・吸熱曲線を求め、昇温時の融解ピーク位置の温度を融点(Tm)とした。また、前記融解ピークにおける融解ピーク面積を融解エンタルピー(ΔH)とした。
熱量測定は、以下のようにして行った。0.5mm厚の射出試験片から試料約5mgを切り出し、測定用アルミパンにつめ、10℃/分の加熱速度で20℃から280℃に昇温し、280℃で5分間保持した後、10℃/分の冷却速度で20℃まで降温し、20℃で5分間保持した後、再度10℃/分の加熱速度で20℃から280℃に昇温し、再度50℃/分の冷却速度で50℃まで降温した。2回目の昇温時に発現した融解ピークを、融点(Tm)とした。
融解ピークが複数ある場合には、ピーク温度の高い方の値を融点(Tm)とし、前記高い方の融点におけるピーク面積を融解エンタルピー(ΔH)とした。
(株)パーキンエルマー製のDSC測定装置(DSC8500)により、発熱・吸熱曲線を求め、215℃のピーク面積の半分となる時間を半結晶化時間(Tc1/2)とした。測定は、以下のようにして行った。0.5mm厚の射出試験片から試料約5mgを切り出し、測定用アルミパンにつめ、500℃/分の加熱速度で30℃から280℃に昇温し、280℃で10分間保持した後、500℃/分の冷却速度で215℃まで降温し、測定した。
東洋精機製作所の装置であるキャピログラフ1Dを用いた。260℃に設定した溶融炉(径9.55 mm)にサンプルを仕込み十分溶融させた後に、押出速度15mm/minにて、L/D:8/2.095mm、流入角 180°であるキャピラリーを通過させ、キャピラリー下部から58cmの位置に固定した滑車を通過させ、溶融樹脂を15m/minの速度で巻取った際に滑車部にかかる応力を測定し、その応力を溶融張力とした。
インフレーション成形においてのバブルの安定性を以下の基準で評価した。
◎:バブルが長時間にわたり安定し、良好なフィルムが得られた。
○:バブルに微動が生じるが、安定成形が可能であった。
×:バブルが上下に変動し、フィルム幅の変動が生じるか、または、成形ができなかった。
1cm間隔で厚さを、厚み測定ダイヤルゲージにて50点測定して平均値を算出した。また、そのバラツキの標準偏差(σ)の2倍の値(2σ)を、上記平均値で除して、%(×100)で表示した値をもって厚薄精度とした。
その値が25未満のものを〇、25以上のものを×として評価した。
JIS K6768に従い、フィルムの上にぬれ試薬混合液を数滴滴下して、直ちに綿棒を使用して試験用混合液を広げ、2秒経過した時点での液膜の中央部の状態が、破れを生じないでもとの状態を維持しているとき、"濡れている"と判定し、破れが生じているときは、"濡れていない"と判定した。濡れていない混合液組成から、ちょうどフィルムを濡らすと判定された混合液組成に切り替わったときの表面張力(mN/m)を記録した。
なお、表面張力は離型性の指標である。
国際公開2017/150265の比較例1([0158])に記載の重合方法に準じて、α-オレフィンを表1に記載のα-オレフィンに変更し、得られる共重合体中の物性が表1の値になるように、4-メチル-1-ペンテン、α-オレフィン、水素の使用割合を変更することによって、4-メチル-1-ペンテン共重合体A-1~A-4を得た。
国際公開2006/054613号の比較例9に記載の重合方法に準じて、4-メチル-1-ペンテン、その他のα-オレフィン(1-ヘキサデセン、1-オクタデセン等質量混合物)、水素の割合を変更することによって、表1に記載の4-メチル-1-ペンテン系重合体A-5およびA-6を得た。
特開2018-162408号公報の製造例1([0182]~[0185])に記載の重合方法に準じて、α-オレフィンを表1に記載のα-オレフィンに変更し、得られる共重合体中の物性が表1の値になるように、4-メチル-1-ペンテン、α-オレフィン、水素の使用割合を変更することによって、4-メチル-1-ペンテン共重合体B-1およびB-2を得た。
重合体組成物の製造
上記で得られた重合体A-1 70質量部と、重合体B-1 30質量部に対して、耐熱安定剤としてn-オクタデシル-3-(4'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネートを0.5質量部配合した。次いで、得られた混合物を、(株)プラスチック工学研究所社製二軸押出機BT-30(スクリュー系30mmφ、L/D=46)を用い、設定温度270℃、樹脂押出量60g/minおよび200rpmの条件で造粒し重合体組成物のペレットを得た。物性を表2に示す。
得られたペレットを用い、20mmφインフレーション成形機(リングダイ径30mmφ、リップ開度0.7mmφ)によりフィルム成形を行った。成形条件は押出機温度285℃、ダイス温度260℃、引取速度7m/分、リングダイ径に対してバブル径が60mmφすなわち膨比(バブル比)が2.0になるように調整し、フィルム厚さ20μmを狙い上吹き方向に空冷にて製膜を行った。バブルが長時間に渡り安定し、良好なフィルムが得られた。得られたフィルムについて物性を評価した。結果を表2に示す。
実施例1において、使用する4-メチル-1-ペンテン重合体を、上記で得られた重合体A-2 32質量部と、重合体B-2 68質量部とに変更したこと以外は、実施例1と同様に造粒、製膜を行った。バブルに微動が生じるが、安定した成形が可能であった。得られたフィルムについて物性を評価した。結果を表2に示す。
実施例1において、使用する4-メチル-1-ペンテン重合体を、上記で得られた重合体A-3 100質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様に造粒、製膜を行った。バブルが長時間に渡り安定し、良好なフィルムが得られた。得られたフィルムについて物性を評価した。結果を表2に示す。
実施例1において、使用する4-メチル-1-ペンテン重合体を、上記で得られた重合体A-4 100質量部に変更した以外は、実施例1と同様に造粒、製膜を行った。バブルが長時間に渡り安定し、良好なフィルムが得られた。得られたフィルムについて物性を評価した。結果を表2に示す。
実施例1において、使用する4-メチル-1-ペンテン重合体を、上記で得られた重合体A-5 100質量部に変更した以外は、実施例1と同様に造粒、製膜を行った。バブルが上下に変動し、フィルム幅の変動が生じた。得られたフィルムについて物性を評価した。結果を表2に示す。
使用する4-メチル-1-ペンテン重合体を、前記製造例で得られた重合体A-6 100質量部に変更した以外は実施例1と同様に造粒、製膜を行った。バブル比が2.0となるように膨らませようとするとバブルの蛇行が生じて製膜ができなかった。
比較例2において、バブルを広げずに、すなわちバブル比を1.0として延伸・膨張(空気によるインフレーション)を行わずに製膜したこと以外は、比較例2と同様に造粒、製膜を行った。フィルム厚さ20μmを狙い吐出量を下げたところバブルが上下に変動し、フィルム幅の変動が生じた。フィルム厚さ40μmを狙い吐出量を調整したところ、バブルが長時間にわたり安定し、良好なフィルムが得られた。得られたフィルムについて物性を評価した。結果を表2に示す。
Claims (9)
- 下記要件(X-1)~(X-4)を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)を含むことを特徴とするフィルム。
要件(X-1):JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定した密度が0.82~0.88g/m3。
要件(X-2):示差走査熱量測定(DSC)で測定した融点(Tm)が、190℃~250℃。
要件(X-3):融解エンタルピーΔHが35J/g未満。
要件(X-4):DSCにより下記の測定方法で測定した215℃での半結晶化時間が220秒以上であるか、または計測されない。
半結晶化時間の測定方法:(株)パーキンエルマー製のDSC8500を用いて、500℃/分の昇温速度で30℃から280℃まで昇温し、10分間温度を保持した後、500℃/分の降温速度で215℃まで降温したときの215℃状態での半結晶化時間を計測する。 - 前記4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)が、下記要件(X-5)および(X-6)を満たす、請求項1に記載のフィルム。
要件(X-5):4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位の含有量が90.0モル%以上、100モル%未満であり、エチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィン(4-メチル-1-ペンテンを除く)から導かれる構成単位の含有量が0モル%を超え、10.0モル%以下である。
要件(X-6):135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が1.5~8.0dl/gである。 - 前記4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)が、下記要件(X-7)を満たす、請求項1または2に記載のフィルム。
要件(X-7):260℃で測定した溶融張力(メルトテンション:MT)が25mN以上である。 - 平均の厚さが0.1~100μmである、請求項1~3のいずれか1項に記載のフィルム。
- インフレーションフィルムである、請求項1~4のいずれか1項に記載のフィルム。
- 包装用である、請求項1~5のいずれか1項に記載のフィルム。
- 下記要件(X-1)~(X-4)を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)を、インフレーション成形する工程を含むことを特徴とするフィルムの製造方法。
要件(X-1):JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定した密度が0.82~0.88g/m3。
要件(X-2):示差走査熱量測定(DSC)で測定した融点(Tm)が、190℃~250℃。
要件(X-3):融解エンタルピーΔHが35J/g未満。
要件(X-4):DSCにより下記の測定方法で測定した215℃での半結晶化時間が220秒以上であるか、または計測されない。
半結晶化時間の測定方法:(株)パーキンエルマー製のDSC8500を用いて、500℃/分の昇温速度で30℃から280℃まで昇温し、10分間温度を保持した後、500℃/分の降温速度で215℃まで降温したときの215℃状態での半結晶化時間を計測する。 - インフレーション成形時の膨比(バブル比)が1.0を超える、請求項7に記載のフィルムの製造方法。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載のフィルムを製造する、請求項7または8に記載のフィルムの製造方法。
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