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JP7828866B2 - 故障ツリー生成装置及び故障ツリー生成方法 - Google Patents
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JP7828866B2 - 故障ツリー生成装置及び故障ツリー生成方法 - Google Patents

故障ツリー生成装置及び故障ツリー生成方法

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Description

本発明は、故障ツリー生成装置及び故障ツリー生成方法に関する。
製品の不具合事象の原因究明、及び、設計段階で発生し得る故障原因の洗い出しに、FTA(Fault Tree Analysis)という手法が用いられる。FTAは、製品の不具合事象を取り上げ、その故障原因を順次洗い出して階層状に展開していくことで、不具合事象の原因を系統的に探索する解析技法である。
この解析結果は、製品の不具合事象を頂上とし、その原因を下位階層とするツリー構造となる。このツリー構造は、故障ツリーと呼ばれる。故障ツリーの頂上に位置する製品の不具合事象は、頂上事象(上位側の起点)と呼ばれる。故障ツリーにおいて、頂上事象より下位階層の原因は、中間事象と呼ばれる。
特許文献1の知識情報変換装置は、ルール形式の知識情報を有向グラフ形式の知識情報に変換する。
特開平7-262019号公報
故障ツリーを作成する際、不具合事象に対して、適切にその原因を発見することが望ましい。なぜならば、原因の発見に漏れが生じると、不具合事象が特定できず不具合事象の原因究明が長期化し、設計段階での検討漏れに繋がるからである。また、重複が生じると、同じ原因を繰り返し検討することになり、無駄な作業が発生するからである。
特許文献1の知識情報変換装置は、具体的には、“IF点火フラグ不良-THEN排気ガスシリンダ温度高”というルール形式の知識情報から、“点火フラグ不良”の原因は“排気ガスシリンダ温度高”であるという因果関係を生成できる。しかし、この技術では、“点火フラグ不良”の原因が“排気ガスシリンダ温度高”だけであるのか否か、つまり、因果関係が適切に展開されているか否かまではわからない。
そこで、本発明は、不具合事象に対する原因が適切に展開された故障ツリーを作成することを目的とする。
本発明の故障ツリー生成装置は、物理現象に関する数式を格納する数式データベースと、前記数式に基づき、不具合事象の因果関係を生成する数式ベース因果モデル生成部と、前記不具合事象の因果関係を組み合わせた数式ベース故障ツリーを生成する数式ベース故障ツリー生成部と、前記数式ベース故障ツリーを出力する出力部と、を備え、前記数式ベース故障ツリーは、結果となる事象及び原因となる事象を、ともに物理量の大小にて表現し、前記数式は、線形の数式であり、前記結果となる事象の物理量及び前記原因となる事象の物理量の関係を表現すること、を特徴とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、不具合事象に対する原因が適切に展開された故障ツリーを作成することができる。
故障ツリー生成装置の構成を説明する図である。 数式データベースの一例を示す図である。 因果モデルの一例を示す図である。 数式ベース因果モデル生成処理を説明する図である。 数式ベース因果モデル生成処理を説明する図である。 数式ベース因果モデル生成処理を説明する図である。 数式ベース因果モデルの一例である。 数式ベース因果モデルの一例である。 数式ベース因果モデルの一例である。 数式ベース故障ツリーの一例である。 不具合情報ベース因果モデルの一例である。 故障ツリーの一例である。 故障ツリー生成装置の構成を説明する図である。
〈実施例1〉
(故障ツリー生成装置)
図1は、故障ツリー生成装置101の構成を説明する図である。故障ツリー生成装置101及び情報端末102が存在する。これらは、ネットワーク103を介して通信可能である。故障ツリー生成装置101は、一般的なコンピュータであり、中央制御装置104、入力装置105、出力装置106、主記憶装置107及び補助記憶装置108を有する。これらは、バスで相互に接続されている。
主記憶装置107における、頂上事象入力部109、数式ベース因果モデル生成部110、数式ベース故障ツリー生成部111、不具合情報ベース因果モデル生成部112、不具合情報ベース因果モデル組合せ部113、及び、出力部119は、プログラムである。以降、“〇〇部は、”と主体を記した場合、それは、中央制御装置104が補助記憶装置108から各プログラムを読み出し、主記憶装置107にロードしたうえで、各プログラムの機能(詳細後記)を実現することを意味するものとする。
頂上事象入力部109は、ユーザが頂上事象を入力するのを受け付ける。
数式データベース114は、数式を格納する。
数式ベース因果モデル生成部110は、数式データベース114に格納されている数式の左辺の変数と右辺の変数との関係から、因果関係を生成する。数式ベース因果モデル生成部110が生成した因果関係は、数式ベース因果モデルと呼ばれる。
数式ベース因果モデル生成部110は、数式ベース因果モデルを数式ベース因果モデルデータベース115に格納する。数式ベース因果モデル生成部110の処理の詳細及び数式ベース因果モデルの形態については、後記する。
数式ベース故障ツリー生成部111は、頂上事象入力部109が受け付けた頂上事象に関する数式ベース因果モデルを、数式ベース因果モデルデータベース115から検索し、検索結果としての因果関係同士を組み合わせることで、数式ベース故障ツリーを生成する。
不具合情報データベース116は、不具合情報を格納する。
不具合情報ベース因果モデル生成部112は、不具合情報データベース116に格納されている不具合情報に記載されている不具合事象の因果関係を、自然言語処理を用いて抽出し、不具合情報ベース因果モデルを生成する。不具合情報は、例えば、文章で不具合事象が示されている情報等が挙げられる。
また、不具合情報ベース因果モデル生成部112は、不具合情報ベース因果モデルを不具合情報ベース因果モデルデータベース117に格納する。
不具合情報ベース因果モデル組合せ部113は、数式ベース故障ツリー生成部111が生成した数式ベース故障ツリーに対して、不具合情報ベース因果モデルデータベース117に蓄積されている不具合情報ベース因果モデルを組み合わせ、組み合わせた結果を出力する。
出力部119は、数式ベース故障ツリーを含む様々な情報を、出力装置106に出力する。
情報端末102もまた、一般的なコンピュータであり、故障ツリー生成装置101と同様に、中央制御装置、入力装置、出力装置、主記憶装置及び補助記憶装置(図示せず)を有する。ユーザが故障ツリー生成装置101を直接的に操作することができない場合、ユーザは、情報端末102を使用し、ネットワーク108を介して故障ツリー生成装置101を遠隔操作する。
(数式データベース)
図2は、数式データベース114の一例を示す図である。数式データベース114においては、ID(Identifier)欄201に記憶されたIDに関連付けて、製品・部品欄202には製品・部品が、左辺の変数欄203には左辺の変数が、右辺の変数欄204には右辺の変数が記憶されている。
ID欄201のIDは、数式を一意に特定する識別子である。ここでのIDとしての“1”、“2”、“3”、・・・は、数式(1)、(2)、(3)、・・・を特定している。
製品・部品欄202の製品・部品は、数式の適用対象となる製品又は部品を示す。
左辺の変数欄203の左辺の変数は、数式の左辺の変数(目的変数)である。
右辺の変数欄204の右辺の変数は、数式の右辺の変数(説明変数)である。
例えば、軸を円筒に圧入して締結する部品の場合、軸に生じる摩擦力“F”は、数式(1)によって求められる。
ここで、“μ”は、円筒と軸間の摩擦係数である。“P”は、円筒と軸間の内部圧力である。“A”は、接合部の面積である。“d”は、円筒の内径である。
数式(1)に関する情報として、数式データベース114の1行目において、製品・部品欄202に“軸と円筒の締結部品”205が、左辺の変数欄203に“軸:摩擦力”206が、右辺の変数欄204に“円筒と軸間:摩擦係数,円筒と軸間:内部圧力,接合部:面積,円筒:内径”207が格納されている。
左辺の変数及び右辺の変数は、“部品:変数”のような形式で、対象とする部品及び変数の組として格納される。例えば、右辺の変数である“円筒と軸間の摩擦係数”は、“円筒と軸間:摩擦係数”のような形式で格納される。右辺の変数が複数ある場合は、個々の右辺の変数は、“,”で区切って格納される。
また、円筒と軸間の内部圧力“P”は、数式(2)によって求められる。
ここで、“d”は、円筒の内径である。“d”は、円筒の外径である。“E”は、軸の弾性係数である。“Δ”は、軸の締めしろである。
数式(2)に関する情報として、数式データベース114の2行目において、製品・部品欄202に“軸と円筒の締結部品”208が、左辺の変数欄203に“円筒と軸間:内部圧力”209が、右辺の変数欄204に“円筒:内径,円筒:外径,軸:弾性係数,軸:締めしろ”210が格納されている。
さらに、接合部の面積“A”は、数式(3)によって求められる。
ここで、“d”は、円筒の内径である。“L”は、軸の挿入長さである。
数式(3)に関する情報として、数式データベース114(図2)の3行目において、製品・部品欄202に“軸と円筒の締結部品”211が、左辺の変数欄203に“接合部:面積”212が、右辺の変数欄204に“円筒:内径,軸:挿入長さ”213が格納されている。
(数式及び変数)
実施例1の数式は、物理現象に関する数式である。この数式は、常に成立することが保証・証明されている自然法則であるともいえる。一般的に、製品は、このような数式を使用して設計・運用される。ここでの数式は、等式であってもよいし、不等式であってもよい。さらに数式は、複数の変数を含む。一般的に、数式は、その内容を変えることなく変形され得る。変形の仕方に応じて、左辺に含まれる変数及びその数は変化し、右辺に含まれる変数及びその数も変化する。
実施例1の数式は、わかりやすさのために、数式(1)~(3)のように、左辺に1つの変数を含み、右辺に他の1又は複数の変数を含むものとする。左辺に含まれる変数(左辺の変数)は、“目的変数”とも呼ばれ、右辺に含まれる変数(右辺の変数)は、“説明変数”とも呼ばれる。説明変数は、因果関係の原因に相当し、目的変数は、因果関係の結果に相当する。目的変数及び説明変数は、製品が示す任意の物理量である。
(不具合事象の漏れ・重複の防止)
数式(1)~(3)を見た者は、すべての目的変数及びすべての説明変数の存在に気付く。例えば、数式(1)において、“μ”及び“P”の存在に気付く一方、“A”及び“d”の存在には気付かないということは、通常あり得ない。また、数式(1)の説明変数の1つである“P”は、数式(2)の目的変数である。同様に、数式(1)の説明変数の他の1つである“A”は、数式(3)の目的変数である。つまり、“P”及び“A”は、“F”の直ぐ下位の階層に含まれている。これらのことは、同一階層における不具合事象の漏れ・重複を防止する。そこで、出力部119は、出力装置106又は情報端末102に数式(1)~(3)を出力して、ユーザが不具合事象の漏れ・重複がないことを確認するのを促してもよい。
(因果モデル)
数式ベース因果モデル生成部110は、数式データベース114に格納されている数式の目的変数及び説明変数の関係から、数式ベース因果モデルを生成する。不具合情報ベース因果モデル生成部112は、不具合情報データベース116に格納されている不具合情報に記載されている不具合事象の因果関係を、自然言語処理を用いて抽出し、不具合情報ベース因果モデルを生成する。ここで、因果モデルとは、因果関係をモデル化したものである。
図3は、因果モデルの一例を示す図である。因果モデルを構成する個々の要素(例えば符号301)は、部品(例えば符号302)及び現象(例えば符号303)で構成される事象である。現実世界で発生する“事象”が因果モデルの“要素”で表されることから、実施例1は、“事象”及び“要素”の両者を使用するが、両者の本質的な意味は同じである。この各要素が、因果関係の順に連鎖的に表現される。図3の例においては、右の要素(原因)が左の要素(結果)を引き起こす。要素同士を繋ぐ関係として、AND条件304及びОR条件305がある。AND条件304は、繋がれた要素が全て発生した場合に、左の要素が引き起こされることを表す。ОR条件305は、繋がれた要素のうちの少なくとも1つが発生した場合に、左の要素が引き起こされることを表す。
図3の例では、部品D308に現象D309が発生する、又は、部品E310に現象E311が発生することによって、部品B306に現象B307が発生する。さらに、部品B306に現象B307が発生し、かつ、部品C312に現象C313が発生することによって、部品A302に現象A303が発生する。
数式から生成された因果モデルは、数式ベース因果モデルと呼ばれ、不具合情報に記載された不具合事象の因果関係から生成された因果モデルは、不具合情報ベース因果モデルと呼ばれる。
(数式ベース因果モデル生成処理)
数式ベース因果モデル生成部110は、数式データベース114に格納されている数式の目的変数及び説明変数の関係から、数式ベース因果モデルを生成する。この処理は、以下の3つのステップからなる。これらのステップの途中で、図4A、図4B及び図5を参照する。
(ステップ1)
数式ベース因果モデル生成部110は、目的変数の不適を不具合事象とし、さらに、その原因として、目的変数大の要素及び目的変数小の要素を生成する。具体的には、数式ベース因果モデル生成部110は、例えば、後記する数式(4)では、図4Aのように、目的変数“部品A:変数A”に対して“不適”の文字列を追加して“部品A:変数A不適”401のようにする。数式(4)の各変数は“部品:変数”の形式で表現されている。例えば、数式(1)の左辺は、“軸:摩擦力”のような形式で表現される。
変数(目的変数及び説明変数)のそれぞれは、その製品が正常に動作する“正常範囲”を有する。正常範囲とは、その製品が示し得る物理量の範囲のうち、任意の上限基準値及び任意の下限基準値の間の範囲である。変数の値が正常範囲を外れると、その製品に不具合事象が生じる。変数の値が正常範囲を外れる場合として、変数の値が正常範囲の上限基準値よりも大きくなる場合、及び、変数の値が正常範囲の下限基準値よりも小さくなる場合がある。このような理由から、数式ベース因果モデル生成部110は、“部品A:変数A不適”401の原因として、“部品A:変数A”に対して“大”及び“小”の文字列を追加して“部品A:変数A大”402及び“部品A:変数A小”403の要素を生成する。数式ベース因果モデル生成部110は、ユーザが上限基準値及び下限基準値を入力するのを受け付けてもよいし、それらを受け付けるまでもなく、過去の経験値に基づき、自動的に設定してもよい。
数式(4)の右辺の“f”は、関数を表す。数式(4)は、1個の目的変数及びN個の説明変数を有する。
(ステップ2)
数式ベース因果モデル生成部110は、ステップ1で生成した目的変数大及び目的変数小の原因を、説明変数が不適となった場合と考え、説明変数不適を要素として生成する。数式ベース因果モデル生成部110は、例えば、数式(4)の場合では、図4Bのように、ステップ1で生成した“部品A:変数A大”402及び“部品A:変数A小”403に対して、“部品B1:変数B1不適”404、“部品B2:変数B2不適”405、・・・、“部品BN:変数BN不適”406を追加する。図4Bでは、“部品A:変数A小”403に追加された“部品B1:変数B1不適”404、“部品B2:変数B2不適”405、・・・、“部品BN:変数BN不適”406の記載を省略している。
(ステップ3)
数式ベース因果モデル生成部110は、ステップ2で生成した説明変数不適の原因として、説明変数大及び説明変数小の要素を生成する。これは、ステップ1と同様に、変数は、正常範囲を有し、変数の値がその範囲を外れると、その製品に不具合事象が生じる。そして、変数の値が正常範囲を外れる場合として、変数の値が正常範囲の上限基準値よりも大きくなる場合、及び、変数の値が正常範囲の下限基準値よりも小さくなる場合があるという考え方に基づく。
数式ベース因果モデル生成部110は、例えば、数式(4)の場合では、図5のように、ステップ2で生成した“部品B1:変数B1不適”404、“部品B2:変数B2不適”405、・・・、“部品BN:変数BN不適”406のそれぞれに対して、“部品B1:変数B1大”501及び“部品B1:変数B1小”502等を追加する。図5では省略しているが、“部品A:変数A小”にも“部品A:変数A大”と同じ原因が追加される。
ステップ1~3では、数式ベース因果モデル生成部110は、目的変数及び説明変数があれば、数式ベース因果モデルを生成することができる。実施例1では、数式ベース因果モデル生成部110は、図2で示した数式データベース114の左辺の変数欄203及び右辺の変数欄204のそれぞれから変数を取得して、数式ベース因果モデルを生成する。
数式ベース因果モデル生成部110は、例えば、数式(1)に基づき因果モデルを生成する場合、左辺の変数欄203から“軸:摩擦力”206を、右辺の変数欄204から“円筒と軸間:摩擦係数,円筒と軸間:内部圧力,接合部:面積,円筒:内径”207を取得して数式ベース因果モデルを生成する。
図6、図7及び図8は、それぞれ、数式(1)、(2)及び(3)に基づき生成された数式ベース因果モデルの一例である。数式ベース因果モデル生成部110は、生成した数式ベース因果モデルを、数式ベース因果モデルデータベース115に格納する。
(数式ベース故障ツリー生成処理)
数式ベース故障ツリー生成部111は、頂上事象入力部109が受け付けた頂上事象に関する数式ベース因果モデルを、数式ベース因果モデルデータベース115から検索する。数式ベース故障ツリー生成部111は、検索の結果該当した複数の数式ベース因果モデルを組み合わせて数式ベース故障ツリーを生成する。
例えば、頂上事象として“軸:摩擦力不適”を頂上事象入力部109が受け付けた場合、数式ベース故障ツリー生成部111は、“軸:摩擦力不適”を含む数式ベース因果モデルを、数式ベース因果モデルデータベース115から検索する。この結果、数式(1)に基づき生成した数式ベース因果モデル(図6)が該当する。
数式ベース故障ツリー生成部111は、次に、該当したこの数式ベース因果モデルの個々の要素を含む数式ベース因果モデルを、さらに数式ベース因果モデルデータベース115から検索する。数式(1)に基づき生成した数式ベース因果モデルの要素の一つである“円筒と軸間:内部圧力大”で検索した結果、数式(2)に基づき生成した数式ベース因果モデル(図7)が該当する。数式(1)に基づき生成した数式ベース因果モデルの要素の一つである“接合部:面積大”で検索した結果、数式(3)に基づき生成した数式ベース因果モデル(図8)が該当する。
数式ベース故障ツリー生成部111は、これら該当した数式ベース因果モデル(図7及び図8)を、数式(1)に基づき生成した数式ベース因果モデル(図6)に組み合わせる。数式ベース故障ツリー生成部111は、さらに組み合わせた数式ベース因果モデルの個々の要素で検索し、該当する数式ベース因果モデルがあった場合、それらを組み合わせる。このような処理を繰り返し行った結果生成されたものは、数式ベース故障ツリーと呼ばれる。
図9は、数式ベース故障ツリーの一例である。図9の数式ベース故障ツリーは、図6の数式ベース因果モデルに対し、図7の数式ベース因果モデル及び図8の数式ベース因果モデルを組み合わせた結果であり、結果となる事象及び原因となる事象を物理量の大小にて表現する。以上の処理により、頂上事象に対して漏れなくかつ重複なく故障ツリーを生成することができる。
(不具合情報ベース因果モデル生成処理)
不具合情報ベース因果モデル生成部112は、不具合情報データベース116に格納される不具合情報に記載されている不具合事象の因果関係を、自然言語処理を用いて抽出し、不具合情報ベース因果モデルを生成する。不具合情報とは、実際に発生した不具合事象及びその原因が記載された文章である。例えば、“軸の材料不適により、円筒と軸間の摩擦係数小となった”、“円筒の設計ミスにより、円筒の内径大となった”のような文章が記載される。
図10は、不具合情報ベース因果モデルの一例である。不具合情報ベース因果モデル生成部112は、自然言語処理により、不具合情報から不具合情報ベース因果モデル1001及び1002(図10)を生成する。具体的には、不具合情報ベース因果モデル生成部112は、自然言語の文言から部品及び現象を抽出し、抽出結果のうち、関連度の強い部品及び現象の組を事象(要素)とし、事象間の因果関係を解析することで、事象を因果関係の順に配置する。
不具合情報が“軸の材料不適により、円筒と軸間の摩擦係数小となった”である場合、不具合情報ベース因果モデル生成部112は、この不具合情報の文言から、部品として“軸”及び“円筒と軸間”を抽出し、現象として“材料不適”及び“摩擦係数小”を抽出する。不具合情報ベース因果モデル生成部112は、不具合情報の文言を、予め準備されている部品・現象の辞書と照合することによって、部品及び現象を抽出してもよい。
不具合情報ベース因果モデル生成部112は、続いて、抽出した部品と現象との間の単語数に基づき関連度を求め、関連度の高い部品及び現象を組にする。不具合情報ベース因果モデル生成部112は、例えば、“軸”及び“材料不適”を組にして“軸:材料不適”を要素とし、“円筒と軸間”及び“摩擦係数小”を組にして“円筒と軸間:摩擦係数小”を要素とする。
不具合情報ベース因果モデル生成部112は、続いて、不具合情報に含まれる“により”のような文言から、その前後に因果関係があることを認識し、不具合情報ベースの因果モデル(例えば図10符号1001)を生成する。不具合情報ベース因果モデル生成部112は、不具合情報の文言を、予め準備された因果関係の表現の辞書と照合することによって、因果関係を認識してもよい。不具合情報ベース因果モデル生成部112は、生成した不具合情報ベース因果モデルを不具合情報ベース因果モデルデータベース117に格納する。
(不具合情報ベース因果モデル組合せ処理)
不具合情報ベース因果モデル組合せ部113は、数式ベース故障ツリー生成部111が生成した数式ベース故障ツリーに対して、不具合情報ベース因果モデルデータベース117に蓄積されている不具合情報ベース因果モデルを組み合わせ、組み合わせた結果を出力する。
不具合情報ベース因果モデル組合せ部113は、例えば、数式ベース故障ツリーが図9の通りである場合、その中に含まれる要素である“円筒と軸間:摩擦係数小”及び“円筒:内径大”で、不具合情報ベース因果モデルデータベース117を検索する。すると、図10の不具合情報ベース因果モデル1001及び1002が該当する。不具合情報ベース因果モデル組合せ部113は、これらを図9の数式ベース故障ツリーに組み合わせることによって、故障ツリー(図11)を生成する。
図11は、前記した故障ツリーの一例である。
出力装置106は、数式ベース故障ツリー(図9)及び故障ツリー(図11)を画面上に表示する。数式ベース故障ツリー(図9)に対し不具合情報ベース因果モデル(図10)を組み合わせることによって、数式だけでは表現されない詳細な不具合事象も含む故障ツリーを生成することができる。以上の処理によって、不具合事象に対して漏れなくかつ重複なくその原因が展開された故障ツリーを生成することができる。
〈実施例2〉
(故障ツリー生成装置)
図12もまた、故障ツリー生成装置101の構成を説明する図である。
実施例2の故障ツリー生成装置101の構成は、実施例2においてスコア算出部118(図1)が追加されていることを除けば、実施例1と同様である。実施例2において、スコア算出部118は、生成された故障ツリーの各要素に対してスコアを算出し表示する。スコア算出部118は、任意の基準に対してスコアが大きい又は小さい原因を特定の態様で表示してもよい。特定の態様で表示するとは、任意の基準に対してスコア(相関)が小さい原因を非表示とすること、及び、任意の基準に対してスコアが大きい原因を強調表示することを含む。スコアを算出する方法としては、以下の2つがある。
第1の方法は、数式を利用する方法である。例えば、数式(1)に基づき数式ベース因果モデルを生成した結果は、図6のようになる。スコア算出部118は、“軸:摩擦力大”の原因として、最終的に“円筒と軸間:摩擦係数大”及び“円筒と軸間:摩擦係数小”の2つの要素を生成する。
数式(1)では、説明変数“円筒と軸間:摩擦係数”が増加すると、目的変数“軸:摩擦力”は増加する。逆に、説明変数“円筒と軸間:摩擦係数”が減少すると、目的変数“軸:摩擦力”は減少する。つまり、“軸:摩擦力大”の原因としては、“円筒と軸間:摩擦係数大”の方が妥当である。この場合、“円筒と軸間:摩擦係数小”のスコアよりも“円筒と軸間:摩擦係数大”のスコアの方が大きくなる。スコア算出部118は、このように、説明変数の値を変化させたときに目的変数に及ぼす影響からスコアを算出する。
第2の方法は、過去の実績、つまり、過去の不具合情報を利用する方法である。具体的には、スコア算出部118は、故障ツリーにおける不具合事象とその原因の候補となる事象が同時に記載される不具合情報の件数に基づきスコアを算出する。この件数が大きいほど、スコアも大きい。
例えば、スコア算出部118は、不具合情報データベース116を検索し、“軸:摩擦力大”及び“円筒と軸間:摩擦係数大”の両方を含む不具合情報の件数、並びに、“軸:摩擦係数力大”及び“円筒と軸間:摩擦係数小”の両方を含む不具合情報の件数を求める。仮に、“軸:摩擦力大”及び“円筒と軸間:摩擦係数大”の両方を含む不具合情報の件数が多い場合、“軸:摩擦力大”の原因として、“円筒と軸間:摩擦係数大”の方が妥当である、又は、確からしいと言え、そのスコアも大きい。
以上より明らかなように、スコアとは、故障ツリーの結果となる事象及び原因となる事象の相関である。このように要素ごとにスコアを算出することによって、例えばスコアの小さい要素を削除又は無効化することができる。このことにより、故障ツリーが収束せずに発散して行くことを防ぎ、ユーザにとって真に意味のある要素のみからなる故障ツリーを生成することができる。
実施例1及び2の故障ツリー生成装置は、以下の効果を奏する。
(1)故障ツリー生成装置は、ユーザが見落としがちな変数を含む数式から、漏れのない故障ツリーを生成することができる。
(2)故障ツリー生成装置は、結果の物理量及び原因の物理量を変数として含む数式を活用することができる。
(3)故障ツリー生成装置は、数式から生成された理論的な故障ツリーに対し、ユーザが有する経験的な知見を組み合わせることができる。
(4)故障ツリー生成装置は、不具合事象発生を変数の値が不適となる場合として定義することができる。
(5)故障ツリー生成装置は、変数の値の不適を、所定の基準に対する変数の値の大小として定義することができる。
(6)故障ツリー生成装置は、結果と原因の相関を算出することによって因果関係の利用価値を算出することができる。
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
101 故障ツリー生成装置
102 情報端末
103 ネットワーク
104 中央制御装置
105 入力装置
106 出力装置
107 主記憶装置
108 補助記憶装置
109 頂上事象入力部
110 数式ベース因果モデル生成部
111 数式ベース故障ツリー生成部
112 不具合情報ベース因果モデル生成部
113 不具合情報ベース因果モデル組合せ部
114 数式データベース
115 数式ベース因果モデルデータベース
116 不具合情報データベース
117 不具合情報ベース因果モデルデータベース
118 スコア算出部
119 出力部

Claims (6)

  1. 物理現象に関する数式を格納する数式データベースと、
    前記数式に基づき、不具合事象の因果関係を生成する数式ベース因果モデル生成部と、
    前記不具合事象の因果関係を組み合わせた数式ベース故障ツリーを生成する数式ベース故障ツリー生成部と、
    前記数式ベース故障ツリーを出力する出力部と、
    を備え、
    前記数式ベース故障ツリーは、
    結果となる事象及び原因となる事象を、ともに物理量の大小にて表現し、
    前記数式は、
    線形の数式であり、
    前記結果となる事象の物理量及び前記原因となる事象の物理量の関係を表現すること、
    を特徴とする故障ツリー生成装置。
  2. 実際に発生した不具合事象及び当該不具合事象の原因が記載された不具合情報から抽出した因果関係を、前記数式ベース故障ツリーに組み合わせることによって故障ツリーを生成する不具合情報ベース因果モデル組合せ部を備えること、
    を特徴とする請求項1に記載の故障ツリー生成装置。
  3. 前記不具合事象は、
    前記数式の目的変数の値が不適になる場合であり、
    前記不具合事象の原因は、
    前記数式の説明変数の値が不適になる場合であること、
    を特徴とする請求項1に故障ツリー生成装置。
  4. 前記数式の目的変数の値及び説明変数の値が不適になる場合とは、
    前記数式の目的変数の値及び説明変数の値が任意の基準に対して大である場合又は小である場合であること、
    を特徴とする請求項に記載の故障ツリー生成装置。
  5. 前記故障ツリーの結果となる事象及び原因となる事象の相関を、前記不具合情報から又は前記数式の目的変数及び説明変数の関係から算出し、
    前記相関が任意の基準に対して大きい又は小さい原因を任意の態様で表示するスコア算出部を備えること、
    を特徴とする請求項に記載の故障ツリー生成装置。
  6. 数式データベースは、
    物理現象に関する数式を格納しており、
    数式ベース因果モデル生成部は、
    前記数式に基づき、不具合事象の因果関係を生成し、
    数式ベース故障ツリー生成部は、
    前記不具合事象の因果関係を組み合わせた数式ベース故障ツリーを生成し、
    出力装置は、
    前記数式ベース故障ツリーを出力
    前記数式ベース故障ツリーは、
    結果となる事象及び原因となる事象を、ともに物理量の大小にて表現し、
    前記数式は、
    線形の数式であり、
    前記結果となる事象の物理量及び前記原因となる事象の物理量の関係を表現すること、
    を特徴とする故障ツリー生成方法。
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