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JPH0774996B2 - 定性推論システム - Google Patents
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JPH0774996B2 - 定性推論システム - Google Patents

定性推論システム

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JPH0774996B2
JPH0774996B2 JP4151246A JP15124692A JPH0774996B2 JP H0774996 B2 JPH0774996 B2 JP H0774996B2 JP 4151246 A JP4151246 A JP 4151246A JP 15124692 A JP15124692 A JP 15124692A JP H0774996 B2 JPH0774996 B2 JP H0774996B2
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栄二 大平
優 大木
広 新庄
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、装置などの挙動や自然
現象などの因果関係を定性的に解析可能な定性推論シス
テムに係り、特に、正帰還などの不安定な系を含む電子
回路などの設計支援に適用した場合において生じる状態
の遷移の曖昧性を削減可能な定性推論システムの曖昧性
削減方式に関する。
【0002】
【従来の技術】定性推論システムは、解析対象の変数
を、現在の値(または値の範囲)と、その値の変化の状
態で捕らえる。変化の状態とは、増加、減少、一定の3
状態である。そして、装置などの挙動は、アナログ的に
解析するのではなく、挙動の変化する点のみをディジタ
ル的に解析する。挙動の変化する点とは、氷を熱する場
合を例にとると、温度が0度の時と100度の時であ
る。すなわち、氷が水、水が蒸気に変化する点であり、
この点を境界標(ランドマーク)と呼ぶ。この離散的に
解析される点の状態を瞬間的な状態、ある瞬間的な状態
とつぎの瞬間的な状態との間の状態を区間の状態と呼
ぶ。1個以上のランドマークにおいて、この瞬間的な状
態が起こる。定性推論システムは、瞬間的な状態と区間
の状態、および、その状態遷移の順序を求める。
【0003】さて、ここで、上記の氷を熱する場合の例
では、ランドマークを持つ変数が温度のみである。この
ため、初期状態として、例えば、温度が−10度から値
が増加状態であると与えられれば、(1)温度が−10
度のときの瞬間的な状態、(2)温度が−10度から0
度のときの区間の状態、(3)ランドマークが0度のと
きの瞬間的な状態、(4)温度が0度から100度のと
きの区間の状態、(5)ランドマークが100度のとき
の瞬間的な状態と状態が遷移することが求められる。し
かし、ランドマークを持つ変数が複数ある場合は、どの
変数のランドマークが時間的に最初に到達するものかを
その値だけからでは判断できない。すなわち、曖昧性が
生じることになる。
【0004】従来の定性推論システムでは、この曖昧性
を生成−テスト法を中心として解消する。これは、可能
なすべての変数の状態を枚挙して、それらの組合せのう
ちでその組合せの仮定が矛盾せず、制約条件を満たすも
ののみを得る方法である。可能な変数の状態とは、区間
から瞬間に移る場合は、変数がランドマークに達する場
合と達しない場合であり、瞬間から区間に移る場合は、
ランドマークに留まる場合と、移行する場合である。こ
れらについては、例えば、「定性推論;知識情報処理シ
リーズ別巻1、共立出版」などにおいて、述べられてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】定性推論システムは、
一般にはシミュレータとして用いられており、シミュレ
ーションに用いる場合は、変数の変化の状態が求まるた
め、次に遷移する状態はある程度限定して求められる。
一方、定性推論を用いた設計支援では、設計したい素子
の値を与えないままシミュレーションを行うことによ
り、遷移する各状態の制約をすべて満たす素子の値を求
める。このように、設計対象の素子の値が未知であるた
め、変数の変化の状態が求まらない場合が多い。このた
め、時間の曖昧性がさらに増加し、次に遷移する状態を
求める生成−テスト法の処理が増大してしまう問題が生
じる。例えば、図4のシュミットトリガ回路の2つのト
ランジスタは、そのベース・エッミタ間電圧が0.7V
を超えるか否かによって、onするかoffするかが決
まる。ここで、前状態で、2つのトランジスタのベース
・エッミタ間電圧の変化の状態が求まらなかったなら
ば、両者のトランジスタが次の状態でonするかoff
するかが決まらない。このため、2つのトランジスタが
それぞれonする場合とoffする場合の4つの状態を
生成し、各状態が存在可能か否かをテストする必要があ
る。この処理をエンビジョニング処理と呼ぶ。
【0006】ここで求められる4つの状態は、実は、互
いに独立して存在可能な状態ではなく、順序性をもった
状態である。すなわち、正帰還となるon・onの状態
を介して、on・offからoff・on、逆にoff
・onからon・offに状態遷移する。尚off・o
ffの状態は制約を満たさない存在しえないものであ
る。しかし、ここでは、トランジスタのベース・エッミ
タ間電圧の変化の方向が求まらないため、システムは、
それぞれの状態に遷移する場合を仮定して処理を行う。
そして、各状態への遷移が矛盾しない限り、更に次の状
態の推論を行ってしまい、上記の正しい状態の遷移を求
めることができないという問題がある。また、仮に3つ
の状態におけるトランジスタのベース・エミッタ間電圧
の変化の状態が求まったとしても、各状態の後続する状
態遷移の推論を行って、その結果が他の状態の後続する
状態遷移とオーバラップすることが分かったとき初めて
順序性が求まる。例えば、ある条件で枝分かれした各状
態は、それぞれ次のように状態遷移することが推論され
る。
【0007】 off・on −> on・on −> on・off on・on −> on・off on・off −> on・off これにより、各状態はoff・on状態、on・on状
態、on・off状態と状態遷移することが初めて分か
る。このため、処理量が増大してしまう問題があった。
【0008】さらに、上述した正帰還のような不安定な
系では、数式処理では正しい解を得られない。これは、
このような不安定な系では時間遅れを考慮する必要があ
るためである。例えば、次の2つの数式からなる正帰還
の系において、 e=x+y、y=10*e x=1とおくと、yは限りなく増え続けるはずなのに、
数式処理するとy=−10*x/9となってしまう。こ
のため、数式処理による制約のテストを行うことができ
ないため、この正帰還のような不安定な状態は、多くの
場合、常に成立させざるをえなくなり、むだな推論を行
ってしまう問題がある。
【0009】本発明の目的は、正帰還のような不安定な
状態をも含む系の状態遷移の曖昧性を処理量を増やすこ
となく解消することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】解析対象であるオブジェ
クトの構造を記述する構造情報ファイルと、上記オブジ
ェクトの変数間の各種の関係式を少なくとも登録する知
識ベースと、上記オブジェクトの変数間の各種の関係式
のうち、推論に必要な関係式を登録するワーキングメモ
リと、上記ワーキングメモリに登録された上記オブジェ
クトの変数間の関係式に基づいて、上記オブジェクトの
変数の値または値の範囲、および上記オブジェクトの変
数の変化の状態を求めるために制約問題を解く制約ソル
バーと、上記構造情報ファイル、上記知識ベース、上記
ワーキングメモリおよび上記制約ソルバーを用いて、物
理量に基づく上記オブジェクトの挙動を定性的に推論す
る推論手段とを備えた定性推論システムにおいて、上記
構造情報ファイルに記述された上記オブジェクトの構造
と上記知識ベースに登録された上記オブジェクトの変数
の関係式に従って、所定の仮定に基いて上記制約ソルバ
ーにて上記仮定を解析し、各オブジェクトに矛盾する状
態が存在しないように各オブジェクトの変数の状態と各
オブジェクトの変数の現在の瞬間の値を求める瞬間状態
内解析手段と、上記瞬間状態内解析手段で求められた各
オブジェクトの変数の状態から上記オブジェクト全体が
正帰還が否かを判定し、正帰還でなければ、上記知識ベ
ースに登録された上記オブジェクトの変数の関係式に従
って、上記瞬間状態内解析手段で求めた各オブジェクト
の変数の現在の瞬間の値から、次に挙動が変化する各オ
ブジェクトの変数のランドマークを推定し、正帰還であ
れば、正帰還時の各オブジェクトの変数の変化の方向を
求め、上記知識ベースに登録された上記オブジェクトの
変数の関係式に従って、上記瞬間状態内解析手段で求め
た各オブジェクトの変数の現在の瞬間の値から、上記変
化の方向に基いて順次遷移して安定した状態における各
オブジェクトの変数のランドマークを推定する第1のラ
ンドマーク推定手段と、上記瞬間状態内解析手段で求め
た各オブジェクトの変数の現在の瞬間の値と、上記第1
のランドマーク推定手段で推定された次に挙動が変化す
る各オブジェクトの変数のランドマークの値を制約条件
として与え、上記構造情報ファイルに記述された上記オ
ブジェクトの構造と上記知識ベースに登録された上記オ
ブジェクトの変数の関係式に従って、上記制約条件に基
いて上記制約ソルバー にて各オブジェクトの変数の現在
の瞬間の値から次に挙動が変化する各オブジェクトの変
数のランドマークまでの区間の状態を解析し、各オブジ
ェクトの変数の値の範囲を求める区間状態内解析手段
と、上記知識ベースに登録された上記オブジェクトの変
数の関係式に従って、上記第1のランドマーク推定手段
にて推定されたランドマークのうち、上記区間状態内解
析手段で求めた各オブジェクトの変数の値の範囲に含ま
れるものをランドマークと推定する第2のランドマーク
推定部とを上記推論手段に備えたことにより、上記目的
を達成する。
【0011】
【0012】
【作用】正帰還のような不安定な状態は、単独で存在す
るか、安定な安定の2状態の間にのみ存在するかのどち
らかである。このため、正帰還のような不安定な状態と
安定な状態とが存在する場合、不安定な状態が安定な状
態のいずれかに遷移するか否かを調べればむだな不安定
な状態に対する推論を行うことなく全ての状態遷移を求
められる。
【0013】さらに、2つ以上の安定な状態が求まった
場合、不安定な状態が遷移する安定な状態のみならず、
不安定な状態に遷移する安定な状態をも調べることによ
りむだな推論を行うことなく全ての状態遷移を求められ
る。
【0014】
【実施例】本発明の一実施例を図1により説明する。図
1において、知識ベース1には、オブジェクトや物理法
則の知識が登録される。電子回路におけるトランジスタ
のオブジェクトの例を図3に示す。ここでは、トランジ
スタは、ベース、コレクタ、エミッタの各端子毎の電
圧、電流、抵抗や電流増幅率(beta)など,を変数
として持つことが記述される。さらに、トランジスタ
は、ベース・エミッタ間電圧(vbe@Tr)を条件と
して、onとoffの2状態を持つことが定義される。
すなわち、ベース・エミッタ間電圧が0.7Vを超える
ときがonで、0.7V以下の場合がoffとなる。そ
して、各状態において成り立つ変数間の関係式が定義さ
れる。例えば、on状態では、コレクタ電流(ir@c
!Tr)は、ベース電流に電流増幅率を乗じたものとい
う関係(beta@Tr*ir@b!Tr)が定義され
る。すなわち、ベース・エミッタ間電圧が0.7Vを超
えるとき、トランジスタはon状態の変数間の関係式の
モデルで構成される。
【0015】次に、本発明を図4に示すシュミットトリ
ガ回路の設計の支援に応用した場合を例に説明する。シ
ュミットトリガ回路の構造の記述の一例を図5に示す。
これは図1の構造情報ファイル2に登録する。ここで
は、シュミットトリガ回路は、2つのトランジスタ(T
r1,Tr2)と5つの抵抗(RL1など)から構成さ
れ、それぞれがどう接続されているかが記述されている
(connect(・・・))。また、挙動解析時の初
期条件(図5の入力電圧vr@Inp=0Vなど)もこ
こに登録する。ここで、設計対象の素子(抵抗RE)の
値は、図のregistance@RE>0.0のよう
に、具体的な値を与えない。
【0016】また、図6に示す設計仕様は、図7のよう
なIF−THEN型のプロダクションルールで表現し、
知識ベース1に登録する。すなわち、入力電圧<7.4
Vのときは、出力電圧(Tr2のコレクタ電圧)=8.
4〜8.6V、入力電圧=7.4Vのときは、出力電圧
=8.4〜12.0V、入力電圧>7.4Vのときは、
出力電圧=12.0Vである。以上の条件で入力電圧を
0Vから上昇させながらシミュレーションを行うことに
より、遷移する各状態の制約をすべて満たす抵抗REの
値を求めることができる。
【0017】さて、推論部3では、まず瞬間状態内解析
部31が起動し、初期設定を行なう。すなわち、構造情
報ファイル2から初期条件などを取り込みワーキングメ
モリ4に登録する。つぎに、構造情報ファイル2に記述
された構造を構築する。構造情報ファイル2には、図5
に示すように、回路は2つのトランジスタと5つの抵抗
から構成されていると書かれているので、知識ベース1
から2つのトランジスタと5つの抵抗のオブジェクトを
コピィーして、ワーキングメモリ4に登録する。具体的
には、知識ベース1に記述された図3のオブジェクトの
変数間の関係式が登録される。ここで、トランジスタの
場合、回路の全ての素子が登録されるまで、ベース・エ
ミッタ間電圧が決定されない場合が多い。このため、ト
ランジスタを登録する場合、on状態の変数間の関係式
を登録していいのか、off状態の変数間の関係式を登
録していいのが決められない。このような場合は、トラ
ンジスタTr1とTr2のそれぞれのベース・エミッタ
間電圧が0.7Vを超えるときと、0.7V以下の場合
の4通りの組合せの仮定に基づいて解析を行なう。トラ
ンジスタTr1とTr2のどちらのベース・エミッタ間
電圧も0.7V超えるとの仮定を行なうと、トランジス
タTr1とTr2は共にon状態の変数間の関係式がワ
ーキングメモリ4に登録される。制約ソルバー5は、ワ
ーキングメモリ4に登録される式を計算し、変数の値、
あるいは値の範囲、及び変数の変化の状態を求める。こ
の制約ソルバー5は、例えば、線形計画法などで実現で
きる。
【0018】図5のシュミットトリガ回路の初期状態
(入力電圧=0V)においては、トランジスタTr1が
offで、Tr2がonのときのみ、矛盾することなく
解析できる。それ以外は、仮定が矛盾する存在しえない
状態である。そして、トランジスタTr1のベース・エ
ミッタ間電圧Vbeは−6.7V、トランジスタTr2
のVbeは、0.73Vであることが求まる。また、抵
抗REの値は、1885〜2000の範囲に制限され
る。但し、各変数の変化状態は求まらない。
【0019】つぎに、ランドマーク推定部32は、まず
生成された回路が正帰還か否かを図2の正帰還判定部3
21で調べる。求められた状態(Tr1がoffで、T
r2がon)は正帰還ではないので、ランドマーク検出
部323で瞬間状態内解析部31の結果に基づいて、値
が変化している各変数のランドマークを求める。ランド
マークとしては、オブジェクトの条件や上述した設計仕
様の条件部などから求める。ここで、状態が変化してい
る変数は入力電圧だけなので、図7の設計仕様の条件部
から入力電圧=7.4Vが次のランドマークとして求め
られる。
【0020】区間状態内解析部33は、ワーキングメモ
リ4をクリアした後、初期条件として、各変数に瞬間状
態内解析部31で求められた現在の瞬間の状態の値と、
推定された次のランドマークの値の範囲を制約条件とし
て与えた後、瞬間状態内解析部31と同様に構造情報フ
ァイル2に記述された構造を構築する。すなわち、0.
0V<入力電圧<7.4Vが初期条件としてワーキング
メモリ4に登録される。以上に基づいて構造を構築する
と、入力電圧=0Vの初期状態と同様に、トランジスタ
Tr1がoffで、Tr2がonのときのみ、矛盾する
ことなく解析できる。このときのトランジスタTr1の
ベース・エミッタ間電圧Vbeは、−6.7V〜0.6
7Vに、トランジスタTr2のVbeは、約0.703
Vの値の範囲が計算される。各変数の変化状態は同様に
求まらない。
【0021】ランドマーク推定部34は、ランドマーク
推定部32と同じ処理であるため、設計仕様の条件部か
ら入力電圧=7.4Vをランドマークとして求める。こ
のランドマーク入力電圧=7.4Vに基づいて、再度瞬
間状態内解析部31が起動される。ここでは、トランジ
スタTr1、Tr2が共にoffのときのみ、仮定が矛
盾する存在しえない状態であり、それ以外の3状態は矛
盾なく成立する結果が得られる。
【0022】つぎに、ランドマーク推定部32は、正帰
還判定部321で生成された回路が正帰還か否かを判定
する。ここでは、トランジスタTr1、Tr2が共にo
nの状態が正帰還で、他の2状態は正帰還ではないと判
定される。瞬間状態内解析部31の結果から、状態on
・onは、Tr1とTr2のどちらのベース・エミッタ
間電圧Vbeも0.7Vを超えると仮定されたもので、
Tr1のVbeは増加、Tr2のVbeは減少している
ことが分かる。すなわち、これからTr1のVbe>
0.7、Tr2のVbe=<0.7がランドマークとし
てランドマーク検出部323で求められる。
【0023】さて、状態on・offでは、Tr1のV
be=約0.703V,Tr2のVbe=約−1.0
V,また、状態off・onでは、Tr1のVbe=約
0.67V、Tr2のVbe=約0.703Vと求めら
れる。このため、上記の状態on・onのランドマーク
から次状態として状態on・offへの遷移が可能であ
ることが分かる。また、状態on・onの各Vbeの変
化の方向から、状態off・onは、状態on・onへ
の遷移が可能であることが分かるため、この3つの状態
は、状態off・on、状態on・on、状態on・o
ffの順に遷移すると判定できる。これにより、次の区
間状態内解析部33は、状態on・offのみを対象に
推論を行えば良いことになり、状態の遷移の曖昧性を1
/3に減らすことができる。
【0024】ここで、正帰還の処理は、例えば次のよう
な手順で実現できる。図2において、正帰還判定部32
1で以下の1、2、および3のaまでの処理を行い、正
帰還処理部322で、残りの処理を行う。 (1)因果関係ネットワークの生成 次の条件の基で、等式と変数をノードとするネットワー
クを生成する。 (a)リンクは、等式から変数、または、変数から等式
に張られる。 (b)n変数からなる等式では、n−1個の変数からの
リンクが入力方向で、1個のリンクのみ変数への出力方
向である。 (c)変数ノードにも複数の入力リンクを許す。 (2)帰還ループの検出 (a)外部入力変数を起点として、分岐点の式を検出す
る。 (b)分岐点を起点として、ネットワークのループを検
出する。 (c)ループがあれば、その開ループ伝達関数を計算す
る。 (d)ループがなければ、次のノードに移行し(a)以
降の処理を続ける。 (3)帰還タイプの判定 (a)開ループ伝達関数の絶対値が1以上で、ループが
正の帰還であれば正帰還である。 (b)正帰還であれば、ループ内の各変数を、ループの
起点の等式の出力変数の関数として簡単化する。 (c)さらに、求められた、各変数の式から各変数の変
化の状態を求める。ここで、ループ起点の出力変数の変
化の方向は、外部入力変数からたどれるループ起点の等
式の入力変数の変化の方向のみで決まる。
【0025】以上の処理を次の3つの式があった場合を
例に説明する。
【0026】 e=x+y、y=10*e、x=−3*inp まず、等式と変数をノードとする因果関係ネットワーク
の生成を行う。この処理により得られるネットワークの
1つを図7に示す。次に、この因果関係ネットワークか
ら帰還ループを検出する。具体的には、まず、外部入力
変数(ノード1の変数inp)を起点として、分岐点の
式を検出する。分岐点の式とは、3個以上の変数から構
成される等式であり、ノード4の等式が検出される。こ
のノード4の出力変数eをたどって、それがノード4の
入力に到達するか否かを調べる。ここでは、ノード6、
7を通って再びノード4に入力することが分かる。すな
わち、ループであることが分かる。ループが判明した
ら、式を簡単化してループの開ループ伝達関数を計算す
る。すなわち、式の代入を行い、ループ終端の変数
(y)をループ始点の変数(e)の関数として求める。
ここでは、関係式は単にノード6の等式そのものであ
る。
【0027】この結果、ループの開ループ伝達関数は1
0で1以上であり、ループ終端の変数(y)は、入力変
数(x)に対して正で入力しているため、正帰還と判定
される。
【0028】さて、正帰還であれば、正帰還処理部32
2でループ内の各変数の変化の方向を求める。変数はy
のみである。ここで、外部入力変数(Inp)は増加し
ているため、変数(x)も増加である。また、ノード4
の等式で、変数(x)と出力変数(e)は同符号である
ため、変数(e)も増加である。これにより、変数
(y)も増加であることが求められる。
【0029】以上の処理により、正帰還の判定ならびに
正帰還時の各変数の変化の方向を求めることができる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、正帰還などの不安定な
状態における状態遷移の曖昧性を減らすことができるた
め、推論の処理量を削減でき、高速な推論を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のブロック図である。
【図2】本発明のランドマーク推定部の一実施例のブロ
ック図である。
【図3】本発明のオブジェクトの知識表現を、トランジ
スタを例として示した図である。
【図4】シュミットトリガ回路の回路図である。
【図5】本発明をシュミットトリガ回路の設計支援に応
用したときの、回路の構造や初期値などの記述例を示し
た図である。
【図6】シュミットトリガ回路の設計仕様を、縦軸を出
力電圧、横軸を入力電圧として示した図である。
【図7】シュミットトリガ回路の設計仕様の記述例を示
した図である。
【図8】因果関係ネットワークを示した図である。
【符号の説明】
1‥知識ベース、2‥構造情報ファイル、3‥推論部、
4‥ワーキングメモリ、5‥制約ソルバー、31‥状態
内解析部、32‥ランドマーク推定部、33‥区間解析
部、34‥ランドマーク推定部、321‥正帰還判定
部、322‥正帰還処理部、323‥ランドマーク検出
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 ICOT TECHNICAL REP ORT TR−738(1992−2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】解析対象であるオブジェクトの構造を記述
    する構造情報ファイルと、 上記オブジェクトの変数間の各種の関係式を少なくとも
    登録する知識ベースと、 上記オブジェクトの変数間の各種の関係式のうち、推論
    に必要な関係式を登録するワーキングメモリと、 上記ワーキングメモリに登録された上記オブジェクトの
    変数間の関係式に基づいて、上記オブジェクトの変数の
    値または値の範囲、および上記オブジェクトの変数の変
    化の状態を求めるために制約問題を解く制約ソルバー
    と、 上記構造情報ファイル、上記知識ベース、上記ワーキン
    グメモリおよび上記制約ソルバーを用いて、物理量に基
    づく上記オブジェクトの挙動を定性的に推論する推論手
    段とを備えた定性推論システムにおいて、 上記構造情報ファイルに記述された上記オブジェクトの
    構造と上記知識ベースに登録された上記オブジェクトの
    変数の関係式に従って、所定の仮定に基いて上記制約ソ
    ルバーにて上記仮定を解析し、各オブジェクトに矛盾す
    る状態が存在しないように各オブジェクトの変数の状態
    と各オブジェクトの変数の現在の瞬間の値を求める瞬間
    状態内解析手段と、 上記瞬間状態内解析手段で求められた各オブジェクトの
    変数の状態から上記オブジェクト全体が正帰還が否かを
    判定し、正帰還でなければ、上記知識ベースに登録され
    た上記オブジェクトの変数の関係式に従って、上記瞬間
    状態内解析手段で求めた各オブジェクトの変数の現在の
    瞬間の値から、次に挙動が変化する各オブジェクトの変
    数のランドマークを推定し、正帰還であれば、正帰還時
    の各オブジェクトの変数の変化の方向を求め、上記知識
    ベースに登録された上記オブジェクトの変数の関係式に
    従って、上記瞬間状態内解析手段で求めた各オブジェク
    トの変数の現在の瞬間の値から、上記変化の方向に基い
    て順次遷移して安定した状態における各オブジェクトの
    変数のランドマークを推定する第1のランドマーク推定
    手段と、 上記瞬間状態内解析手段で求めた各オブジェクトの変数
    の現在の瞬間の値と、 上記第1のランドマーク推定手段
    で推定された次に挙動が変化する各オブジェクトの変数
    のランドマークの値を制約条件として与え、上記構造情
    報ファイルに記述された上記オブジェクトの構造と上記
    知識ベースに登録された上記オブジェクトの変数の関係
    式に従って、上記制約条件に基いて上記制約ソルバーに
    て各オブジェクトの変数の現在の瞬間の値から次に挙動
    が変化する各オブジェクトの変数のランドマークまでの
    区間の状態を解析し、各オブジェクトの変数の値の範囲
    を求める区間状態内解析手段と、 上記知識ベースに登録された上記オブジェクトの変数の
    関係式に従って、上記第1のランドマーク推定手段にて
    推定されたランドマークのうち、上記区間状態内解析手
    段で求めた各オブジェクトの変数の値の範囲に含まれる
    ものをランドマークと推定する第2のランドマーク推定
    部とを上記推論手段に備えたことを特徴とする定性推論
    システム。
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