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JP7844206B2 - 医療デバイス - Google Patents
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JP7844206B2 - 医療デバイス - Google Patents

医療デバイス

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JP7844206B2 JP2022046717A JP2022046717A JP7844206B2 JP 7844206 B2 JP7844206 B2 JP 7844206B2 JP 2022046717 A JP2022046717 A JP 2022046717A JP 2022046717 A JP2022046717 A JP 2022046717A JP 7844206 B2 JP7844206 B2 JP 7844206B2
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Description

本発明は、病変部に光を照射する治療に用いられる医療デバイスに関する。
がんの局所治療として、腫瘍細胞選択性を有する光反応物質を用いて行う光線力学的療法や光免疫療法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。なかでも、光感受性物質(親水性フタロシアニン)を用いた治療法は、腫瘍に集積した光感受性物質に対して励起光(例えば、近赤外線)を照射することで、正常細胞などの非標的細胞を破壊せずに、標的細胞を特異的に破壊することができ、副作用を軽減しながら高い治療効果が得られることを期待されている。(特許文献2を参照)
特開2000-7693号公報 特開2020-138940号公報
治療において光を病変部に照射する際、光の照射状態が治療範囲や治療効果に密接に関係するため、治療を確実に行うためには適切な光の照射状態を維持することが必要となる。しかしながら、実際の治療においては、空間的制約や体勢による制約、光照射方法による照射範囲の制約等によって、励起光を適切な状態で照射した状態を一定時間維持することが困難な場合が想定される。このため、適切な光照射状態を維持できる手技やデバイスが求められている。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、病変部へ励起光を均一に照射でき、かつ病変部に対する照射状態を安定的に維持できる医療デバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る医療デバイスは、腫瘍に集積した光感受性物質に対して励起光を照射し腫瘍細胞を破壊する医療デバイスであって、先端部および基端部を備える長尺な管体であり、光を透過可能な窓部を備えたシャフト部と、前記シャフト部の内部に配置されて先端方向へ向かって所定の発散角で前記光感受性物質の励起光を出射する光出射部と、前記シャフト部の内部の前記光出射部よりも先端側に配置され、前記光出射部から出射された励起光を前記シャフト部の軸心と直交する側方へ発散角を有して反射させて前記窓部を透過させる反射部と、調節部と、前記励起光が照射される照射対象までの距離を検出する距離検出部と、前記光出射部または前記反射部を前記シャフト部の軸心に沿って移動させる駆動部と、を有し、前記調節部は、前記シャフト部の軸心に沿う前記光出射部と前記反射部との離間距離を変更させるように構成された制御部を有し、前記制御部は、前記距離検出部の検出結果に基づいて、前記光出射部と前記反射部との離間距離を調節する
上記のように構成した医療デバイスは、シャフト部の内部で光出射部と反射部との離間距離を変更可能であるため、所定の発散角を有して光出射部から出射された励起光を望ましい範囲へ広げるための距離をシャフト部の内部に変更可能に確保できる。このため、医療デバイスに近接する病変部に対して望ましい範囲に発散させた励起光を照射できる。したがって、病変部へ励起光を均一に照射でき、かつ病変部に対する照射状態を安定的に維持できる。
前記医療デバイスは、前記励起光が照射される照射対象までの距離を検出する距離検出部を有する。これにより、距離検出部によって隆起病変部の高さを測定して、治療可能か否かを判別することが可能となる。また、治療の際に、窓部と病変部との距離が適切に維持されているかを判別可能となる。
前記調節部は、前記シャフト部の軸心に沿う前記光出射部と前記反射部との離間距離を変更させるように構成された制御部を有する。これにより、医療デバイスは、制御部により、光出射部と反射部との離間距離を自動で適切に調節できるため、操作性が向上する。
前記医療デバイスは、前記光出射部または前記反射部を前記シャフト部の軸心に沿って移動させる駆動部を有し、前記制御部は、前記距離検出部の検出結果に基づいて、前記光出射部と前記反射部との離間距離を調節する。これにより、医療デバイスから照射対象までの距離に応じて、照射対象における励起光の照射範囲が適切となるように駆動部を自動で調節できるため、操作性が向上する。
前記医療デバイスは、前記照射対象の画像を検出する画像検出部を有し、前記制御部は、前記画像検出部の結果に基づいて、前記励起光の出射を停止させてもよい。これにより、励起光による治療が完了したことを画像から判別して、励起光の出射を自動で停止させることができるため、操作性が向上する。
前記制御部は、前記画像検出部の検出結果に基づいて、照射対象に照射された前記励起光の積算エネルギを算出し、当該照射対象に照射された前記励起光の積算エネルギの算出結果に基づいて、前記励起光の出射を停止させてもよい。これにより、励起光の照射が十分に行われたことを自動で判別して照射を停止でき、操作性が向上する。
前記医療デバイスは、情報を外部へ報知可能な報知部を有し、前記制御部は、前記距離検出部の前記検出結果に基づいて、前記報知部に情報を報知させてもよい。前記医療デバイスは、情報を外部へ報知可能な報知部を有し、前記制御部は、前記画像検出部の前記検出結果に基づいて、前記報知部に情報を報知させてもよい。前記医療デバイスは、情報を外部へ報知可能な報知部を有し、前記制御部は、前記照射対象に照射された前記励起光の積算エネルギの算出結果に基づいて、前記報知部に情報を報知させてもよい。これにより、術者は、検出結果を報知部から認識することができ、励起光を用いた治療を適切に行うことができる。
前記反射部は、前記シャフト部に対して着脱可能であってもよい。これにより、病変部の大きさ、形状、位置、治療方法等の状況に応じて、望ましい反射部を選択して使用できる。
前記シャフト部は、前記窓部の近傍で開口して液体を窓部へ供給可能な洗浄用ルーメンを有してもよい。これにより、窓部が汚れて窓部から励起光を出射不能となることを抑制できる。
本実施形態に係る医療デバイスを示す斜視図である。 医療デバイスの光出射部付近の縦断面図であり、(A)は光出射部を基端側に配置した状態、(B)は光出射部を先端側に配置した状態を示す。 医療デバイスの反射部を示す斜視図であり、(A)は本実施形態、(B)は第1変形例、(C)は第2変形例を示す。 医療デバイスの第3変形例を示す縦断面図であり、(A)は反射部およびシャフト脱着部をシャフト本体から離脱させた状態、(B)は反射部およびシャフト脱着部をシャフト本体に連結した状態を示す。 医療デバイスの第4変形例を示す縦断面図である。 医療デバイスの第5変形例を示す縦断面図である。 医療デバイスの第6変形例を示す縦断面図である。 第6変形例の使用例を説明するための病変部の平面図である。 医療デバイスの第7変形例を示す縦断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法は、説明の都合上、誇張されて実際の寸法とは異なる場合がある。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。本明細書において、デバイスの生体に接触する側を「先端側」、操作する側を「基端側」と称することとする。
本実施形態に係る医療デバイス10は、腫瘍の治療に使用される。腫瘍の種類は特に限定されないが、例えば、子宮体がんや卵巣がん等の婦人科がんに適用することができる。本医療デバイス10は、標的細胞の腫瘍に集積した光感受性物質に、光感受性物質の励起光である近赤外線を照射して、標的細胞を破壊する光免疫療法に用いられる。標的細胞は、がん細胞や、前がん病変の細胞等の腫瘍細胞である。この治療方法では、腫瘍細胞の表面にある特有の抗原のみに特異的に結合する抗体と、その抗体に結合された光感受性物質とを、薬剤として使用する。抗体は、特に限定されないが、例えば、パニツムバブ、トラスツズマブ、HuJ591、ペルツズマブ、ラパチニブ、パルボシクリブ、オラパリブ等である。光感受性物質は、例えば、約700nmの波長の近赤外線に反応する物質(IR700)である親水性フタロシアニンであるが、これに限定されない。IR700は、約660~740nmの波長の近赤外線を受けると、水溶性を担保している官能基のリガンドが切れ、水溶性から疎水性へ構造変化を生じる。この構造変化によって膜たんぱく質が引き抜かれ、細胞膜に穴が開いて細胞内に水が入り込むことで、腫瘍細胞を破裂させて破壊することができる。また、IR700は、近赤外線を受けて励起され、励起波長と異なる波長の蛍光を発する。例えば、IR700は、689nmの波長の近赤外線を受けて励起されると、704nmの波長の蛍光を発する。IR700は、光反応により蛍光を発しつつ構造変化し、腫瘍細胞を破壊して薬剤としての役割を果たすと、蛍光を発しなくなる。
本実施形態の医療デバイス10は、腫瘍細胞に対し開腹で、または腹腔鏡下でアプローチする治療に適合するように構成される。図1、2に示すように、本実施形態に係る医療デバイス10は、光感受性物質の励起光を病変部へ照射する光照射部20と、術者が手で操作する筐体40と、筐体40から先端へ向かって延びるシャフト部30と、光出射部22から出射された励起光を反射させる反射部60と、励起光の照射対象までの距離を検出する距離検出部70と、筐体40から先端へ向かって延びてシャフト部30を覆う管状部50と、調節部80と、情報を外部へ報知する報知部90とを有している。医療デバイス10は、光照射部20の姿勢を調節する姿勢調節部11を有している。
シャフト部30は、先端部および基端部を備える長尺な管体であり、光照射部20および反射部60が配置されるルーメン31が形成されている。シャフト部30の先端部の外周面の一部には、光を透過可能な窓部32が形成されている。窓部32は、励起光を、ルーメン31側からシャフト部30の軸心Xと垂直な側方Yへ透過可能である。窓部32は、透明な樹脂やガラスにより形成される。窓部32の面は、透過する励起光が歪まないように、平面であること、あるいは厚さが薄いことが好ましい。なお、窓部32は、貫通孔であってもよい。シャフト部30は、可撓性を有するとともに、管状部50に収容可能な範囲に、湾曲した部位を有することが好ましい。
管状部50は、図1に示すように、シャフト部30の一部を覆う管体である。管状部50の基端側には、姿勢調節部11の1つである回転操作部51が設けられる、術者は、回転操作部51を回転させることで、シャフト部30を、軸心Xを中心として回転操作することができる。
光照射部20は、図1~2に示すように、長尺な照射用光導波路21と、照射用光導波路21の先端側に配置された光出射部22とを有している。照射用光導波路21は、光を伝播する長尺な線材である。照射用光導波路21は、例えば1本の光ファイバにより形成される。なお、照射用光導波路21は、複数本の光ファイバにより形成されてもよい。照射用光導波路21は、シャフト本体34部の内部に配置されており、照射用光導波路21の基端部は、光を出力する光出力装置(図示しない)に接続可能である。照射用光導波路21は、光出力装置から近赤外線を受け、近赤外線を光出射部22へ伝播することができる。なお、照射用光導波路21は、光ファイバ以外の光導波路により形成されてもよい。
光出射部22は、先端方向へ向かって、先端方向に対して所定の発散角θで拡がる励起光を出射する。光出射部22は、例えば光ファイバの切断された断端に接続されたレンズやディフューザである。光出射部22は、電力により光を発するLED等であってもよい。
反射部60は、図2~3に示すように、反射面61を有するミラーであり、ルーメン31の光出射部22よりも先端側に配置されている。反射部60は、基端側に配置される光出射部22から受ける励起光を、略90度の角度で反射させて、側方Yへ出射する。反射部60の反射面61は平面であり、反射される励起光の発散角θは歪まずにほぼ維持される。反射部60は、図3(A)に示すように、基端側に略45度の角度で傾斜した反射面61を有する円柱形状であるが、図3(B)に示すように四角柱形状や、図4(C)に示すように多角柱形状であってもよい。また、反射部60は、プリズムであってもよい。プリズムである場合はプリズム内面で反射するように、図示したミラーとは逆の状態で配置する。
反射部60は、図4(A)および4(B)に示すように、シャフト部30の先端部に位置するシャフト脱着部33とともに、シャフト脱着部33の基端側のシャフト本体34から脱着可能であってもよい。これにより、術者は、病変部Lの大きさ、形状、位置、治療方法等に対応して、適切な反射部60を有するシャフト脱着部33を選択して、望ましい形態に変更できる。
なお、本実施形態では、シャフト部30のルーメン31内で反射部60は移動せずに光出射部22が移動可能となっているが、図5に示すように、シャフト部30の内部で光出射部22は移動せずに反射部60が移動可能であってもよい。この場合、ルーメン31内に、反射部60を軸心Xに沿って移動させる駆動シャフト35が配置される。駆動シャフト35は、例えば筐体40の内部に配置される駆動源により駆動される。反射部60が軸心Xに沿って移動しても反射部60から反射される励起光をシャフト部30の外部へ出射できるように、窓部32は軸心Xに沿って長く形成される。また、反射部60は、駆動シャフト35により回転駆動されて、軸心Xを中心に回転可能であってもよい。これにより、励起光の照射方向を回転方向へ調節することができる。この場合、励起光を透過する窓部32は、周方向に360度にわたって形成されることが好ましく、円筒形状または多角筒形状であることが好ましい。駆動シャフト35を駆動させる駆動源は、後述する制御部81によって制御されることが好ましい。
距離検出部70は、図1~2に示すように、窓部32から照射対象(病変部L)までの側方Yに沿う距離を検出できるように、窓部32の近くに配置される。例えば、距離検出部70は、シャフト部30の外周面に、窓部32と隣接して配置される。距離検出部70は、例えばレーザ式、LED式、超音波式等の非接触の変位センサである。なお、距離検出部70は、図6に示すように、接触子71が突出可能な接触式の変位センサであってもよい。または、距離検出部70は、所定の距離以内か否かを検出する近接センサであってもよい。または、距離検出部は、光出射部22および反射部60により形成されてもよい。例えば、窓部32から照射対象までの距離が適切となると、照射対象に照射される光の焦点が合うため、術者は、目視や腹腔鏡などの内視鏡等によって照射対象の表面を観察することで、窓部32から照射対象までの距離を認識できる。なお、この際に照射される光は、励起光であってもよいが、励起光でなくてもよい。また、窓部32から照射対象までの距離が適切となると、照射対象に照射される光のエッジが明確となり、術者は、それを目視や内視鏡等によって認識してもよい。また、窓部32に対する照射対象の姿勢(角度)が適切(例えば平行)となると、照射対象に照射される光が楕円から真円となり、術者は、それを目視や内視鏡等によって認識してもよい。なお、照射対象の表面の観察は、後述の画像検出部100により行ってもよい。
距離検出部70が設けられることで、術者は、隆起病変部Lの高さを測定して、励起光を用いた治療が可能か否かを判別することができる。また、術者は、治療の際に、距離検出部70の検出結果から、窓部32と病変部Lとの距離が適切に維持されているかの判別することができる。
筐体40は、図1に示すように、術者が把持する把持部52が設けられる筐体本体55と、術者がシャフト部30の管状部50からの突出状態を操作する進退移動操作部53と、術者が光出射部22からの励起光の出射を操作する照射操作部54と、を有している。
進退移動操作部53は、筐体本体55に対して回転可能に連結されている。進退移動操作部53は、筐体本体55の内部で、シャフト部30の基端部に連結されている。なお、シャフト部30は、軸心Xを中心とする回転を阻害されないように、回転可能に進退移動操作部53に対して連結される。術者が把持部52を把持した状態で進退移動操作部53を移動させると、シャフト部30は、その軸心Xに沿って進退移動が可能である。したがって、術者は、進退移動操作部53の操作により、シャフト部30を管状部50の先端から出没させることができる。また、シャフト部30は、回転操作部51から回転力を受けて回転可能である。
術者が照射操作部54を操作することで、光出射部22には、筐体40内の光出力装置(図示しない)から励起光が照射用光導波路21へ出力される。なお、光出力装置は筐体40外に配置されてもよい。
管状部50から突出したシャフト部30は、一方向に湾曲した形状を有している。これにより、軸心Xを中心としてシャフト部30を回転させることで、光出射部22を様々な方向に向けることができる。シャフト部30は変形可能な材料で形成されており、管状部50に収納された際には、直線状の形状となることができる。
調節部80は、シャフト部30の軸心Xに沿う光出射部22と反射部60との離間距離を変更するように構成される。調節部80は、制御部81と、駆動部24とを有する。制御部81は、例えばマイクロコントローラなどの論理回路を中核として構成される。制御部81は、光出射部22を軸心Xに沿って移動させる駆動部24を制御する。制御部81は、筐体40の内部に配置されるが、医療デバイス10に接続可能な外部装置に配置されてもよい。
制御部81は、距離検出部70から検出結果を受信し、窓部32から照射対象までの距離に応じて光出射部22を軸心Xに沿って移動させるように、駆動部24を制御する。
医療デバイス10は、図7に示すように、励起光の照射対象(病変部L)を撮像する画像検出部100を有してもよい。画像検出部100は、シャフト部30の外周面の窓部32に隣接して配置される。画像検出部100は、例えばCCDセンサやCMOSセンサである。画像検出部100は、検出結果を制御部81へ送信できる。
制御部81は、画像検出部100から受信した画像を解析して、励起光を照射中の病変部Lの表面の光の状態から、病変部Lへ励起光が入射されているか否かを判別できる。このとき、例えば、図8に示すように、術者が事前に生体表面の病変部Lを囲む複数個所に、または病変部Lをリング状に囲むように色素C等を付着させていれば、制御部81は、色素Cを画像から識別することが容易である。そして、制御部81は、色素Cが付着された位置の画像の色の変化等から、色素Cが付着された位置の全体に励起光が照射されているか否かを判別し、結果として病変部Lに励起光が照射されたか否かを判別できる。制御部81は、判別結果を、例えばモニター等の画像表示装置や、スピーカー等の音出力装置などの報知部90(図1を参照)から、術者に報知することができる。報知部90は、筐体40に配置されてもよく、または医療デバイス10に接続可能な外部装置に配置されてもよい。
また、制御部81は、画像検出部100から受信した画像を解析して、励起光を照射中の病変部Lの表面の光の状態から、病変部Lに必要な量の励起光が照射されたか否かを判別することもできる。制御部81は、励起光を照射中の病変部Lの表面の光の状態から、病変部Lに照射された励起光のエネルギを算出する。そして、制御部81は、励起光が出射されている間、病変部Lへ入力される励起光のエネルギを積算し続け、積算エネルギが治療のために必要な閾値に到達した場合に、光出射部22における励起光の出射を停止させるか、または報知部90により術者に報知してもよい。
また、報知部90は、制御部81により制御されて、距離検出部70(図1、2および6を参照)により検出された距離を報知したり、適切な距離であるか否かを報知したり、距離の変化状況の検出結果を報知したりすることができてもよい。
また、図9に示すように、シャフト部30は、窓部32の近傍で開口して液体を窓部32へ供給可能な洗浄用ルーメン36を有してもよい。これにより、洗浄用ルーメン36から窓部32へ液体(例えば水や生理食塩液)を供給し、体液等が付着した窓部32を洗浄することができる。
本実施形態の医療デバイス10は、面発光する窓部32の光を出射する面を生体から離すか、または生体に当接させて励起光を照射できる。医療デバイス10は、隆起病変または浸潤病変への適用に適している。またデバイス操作時に窓部32が生体に当接してしまったことで体液等が付着してしまった場合においても、その場で窓部32を洗浄することができる。
次に、本実施形態に係る医療デバイス10を用いた治療方法を説明する。
始めに、光感受性物質を、体内に投与する。光感受性物質を体内に投与する方法は、光感受性物質を腫瘍細胞まで到達させることができるのであれば特に限定されないが、例えば血管内投与であり、本実施形態では静脈内投与である。静脈内投与から約12~36時間経過後に、本実施形態の医療デバイス10による光照射の処置を行う。
本実施形態において術者は、前述のように、開腹で、または腹腔鏡下で病変部Lにアプローチする。術者は、腹腔鏡等の内視鏡下で病変部Lにアプローチする。術者は、シャフト部30の先端部を収納した管状体を生体内に挿入し、先端部が病変部L近傍に到達したら、進退移動操作部53を操作して、窓部32および距離検出部70を含む部位を管状部50から突出させる。そして、術者は、回転操作部51を操作することで窓部32の向きを変えながら、図2に示すように、窓部32を、病変部Lへ向ける。窓部32は、病変部Lから離れることが好ましいが、病変部Lに接触してもよい。
術者は、筐体40の照射操作部54を操作する。これにより、制御部81は、距離検出部70から検出結果を受信し、窓部32から照射対象である病変部Lまでの離間距離に応じて、光出射部22を軸心Xに沿って移動させる駆動部24を制御する。制御部81は、窓部32から病変部Lまでの離間距離が短い場合には、図2(A)に示すように、光出射部22を反射部60から離すように基端方向へ移動させる。また、制御部81は、窓部32から病変部Lまでの離間距離が長い場合には、光出射部22を反射部60へ近づけるように先端方向へ移動させる。これにより、光出射部22から反射部60を介して病変部Lまでの照射距離を、適切に維持することができる。または、制御部81は、光出射部22から反射部60を介して病変部Lまでの距離を所定の値となるように制御するのではなく、病変部Lの大きさ等に合わせて、照射範囲(照射対象(病変部L)に照射された励起光の範囲)を調節してもよい。したがって、光出射部22から所定の発散角θで出射された励起光は、反射部60にて反射された後も発散しつつ側方Yへ向かい、望ましい範囲まで広がって照射対象へ到達できる。
制御部81は、窓部32から病変部Lまでの離間距離を調節した後に、光出力装置を制御して、光出射部22へ励起光を供給する。これにより、光出射部22の光出射面から病変部Lに励起光を照射することができる。
励起光を照射すると、腫瘍に集積した光感受性物質に、励起光が到達する。これにより、励起光により励起された光感受性物質に化学変化が生じ、さらに光感受性物質の構造変化が起こることで細胞膜に穴が開く。これにより、励起光を照射された腫瘍細胞が破壊される。
制御部81は、励起光を照射している間、励起光の照射距離または照射範囲が一定となるように、光出射部22と反射部60の離間距離を調節することができる。
術者は、光照射部20から励起光を照射しつつ、励起光により励起された光感受性物質が発する蛍光を確認する。励起光の照射状態および蛍光の確認は、透光性を有する光透過部および照射用光導波路21を介して行うことができる。すなわち、照射用の光透過部および照射用光導波路21を、蛍光の検出用として併用し、照射用光導波路21を介して検出された蛍光を、例えば外部の表示装置(図示しない)に表示させることで、励起光の照射状態および蛍光を確認できる。なお、励起光の照射状態および蛍光の確認のために、他の光検出部が、光透過部の内部や、支持部の近傍に配置されてもよい。
術者は、表示装置等により蛍光が消失したと判断する場合や、所定時間が経過したと判断する場合に、励起光を照射した範囲において腫瘍細胞の破壊が十分に行われたと判断する。他にも腫瘍細胞が存在している場合、術者は、光出射面を他の病変部L周辺に当接させ、励起光の照射を実施する。
以上のように、本実施形態に係る医療デバイス10は、腫瘍に集積した光感受性物質に対して励起光を照射し腫瘍細胞を破壊する医療デバイス10であって、先端部および基端部を備える長尺な管体であり、光を透過可能な窓部32を備えたシャフト部30と、シャフト部30の内部に配置されて先端方向へ向かって所定の発散角θで光感受性物質の励起光を出射する光出射部22と、シャフト部30の内部の光出射部22よりも先端側に配置され、光出射部22から出射された励起光をシャフト部30の軸心Xと直交する側方Yへ発散角θを有して反射させて窓部32を透過させる反射部60と、調節部80と、を有し、調節部80は、シャフト部30の軸心Xに沿う光出射部22と反射部60との離間距離を変更するように構成される。
上記のように構成した医療デバイス10は、シャフト部30の内部で光出射部22と反射部60との離間距離を変更可能であるため、所定の発散角θを有して光出射部22から出射された励起光を望ましい範囲へ広げるための距離をシャフト部30の内部に変更可能に確保できる。このため、医療デバイス10に近接する病変部Lに対して望ましい範囲に発散させた励起光を照射できる。したがって、病変部Lへ励起光を均一に照射でき、かつ病変部Lに対する照射状態を安定的に維持できる。
医療デバイス10は、励起光が照射される照射対象までの距離を検出する距離検出部70を有する。これにより、距離検出部70によって隆起病変部Lの高さを測定して、治療可能か否かを判別することが可能となる。また、治療の際に、窓部32と病変部Lとの距離が適切に維持されているかを判別可能となる。
調節部80は、シャフト部30の軸心Xに沿う光出射部22と反射部60との離間距離を変更させる制御部81を有する。これにより、医療デバイス10は、制御部81により、光出射部22と反射部60との離間距離を自動で適切に調節できるため、操作性が向上する。
医療デバイス10は、光出射部22または反射部60をシャフト部30の軸心Xに沿って移動させる駆動部24を有し、制御部81は、距離検出部70の検出結果に基づいて、光出射部22と反射部60との離間距離を調節してもよい。これにより、医療デバイス10から照射対象までの距離に応じて、照射対象における励起光の照射範囲が適切となるように駆動部24を自動で調節できるため、操作性が向上する。
医療デバイス10は、照射対象の画像を検出する画像検出部100を有し、制御部81は、画像検出部100の結果に基づいて、励起光の出射を停止させてもよい。これにより、励起光による治療が完了したことを画像から判別して、励起光の出射を自動で停止させることができるため、操作性が向上する。
制御部81は、画像検出部100の検出結果に基づいて、照射対象に照射された励起光の積算エネルギを算出し、当該算出結果に基づいて、励起光の出射を停止させてもよい。これにより、励起光の照射が十分に行われたことを自動で判別して照射を停止でき、操作性が向上する。
医療デバイス10は、情報を外部へ報知可能な報知部90を有し、制御部81は、得られる少なくとも1つの検出結果に基づいて、報知部90に情報を報知させてもよい。これにより、術者は、検出結果を報知部90から認識することができ、励起光を用いた治療を適切に行うことができる。
反射部60は、シャフト部30に対して着脱可能であってもよい。これにより、病変部Lの大きさ、形状、位置、治療方法等の状況に応じて、望ましい反射部60を選択して使用できる。
シャフト部30は、窓部32の近傍で開口して液体を窓部32へ供給可能な洗浄用ルーメン36を有してもよい。これにより、窓部32が汚れて窓部32から励起光を出射不能となることを抑制できる。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、本明細書に記載された各々の構成は、適宜組み合わせてもよい。また、光出射部22と反射部60との離間距離の変更は、制御部81ではなく、術者の判断によって行われてもよい。この場合、術者は、駆動部24の動作を調節可能なスイッチ機構を操作するか、または駆動部24を使用せずに手動によって、光出射部22と反射部60との離間距離を変更できる。
10 医療デバイス
11 姿勢調節部
20 光照射部
21 照射用光導波路
22 光出射部
24 駆動部
30 シャフト部
31 ルーメン
32 窓部
33 シャフト脱着部
34 シャフト本体
35 駆動シャフト
36 洗浄用ルーメン
40 筐体
50 管状部
51 回転操作部
52 把持部
53 進退移動操作部
54 照射操作部
55 筐体本体
60 反射部
61 反射面
70 距離検出部
80 調節部
81 制御部
90 報知部
100 画像検出部
L 病変部
X 軸心
Y 側方

Claims (8)

  1. 腫瘍に集積した光感受性物質に対して励起光を照射し腫瘍細胞を破壊する医療デバイスであって、
    先端部および基端部を備える長尺な管体であり、光を透過可能な窓部を備えたシャフト部と、
    前記シャフト部の内部に配置されて先端方向へ向かって所定の発散角で前記光感受性物質の励起光を出射する光出射部と、
    前記シャフト部の内部の前記光出射部よりも先端側に配置され、前記光出射部から出射された励起光を前記シャフト部の軸心と直交する側方へ発散角を有して反射させて前記窓部を透過させる反射部と、
    調節部と、
    前記励起光が照射される照射対象までの距離を検出する距離検出部と、
    前記光出射部または前記反射部を前記シャフト部の軸心に沿って移動させる駆動部と、を有し、
    前記調節部は、前記シャフト部の軸心に沿う前記光出射部と前記反射部との離間距離を変更させるように構成された制御部を有し、
    前記制御部は、前記距離検出部の検出結果に基づいて、前記光出射部と前記反射部との離間距離を調節する、医療デバイス。
  2. 前記照射対象の画像を検出する画像検出部を有し、
    前記制御部は、前記画像検出部の検出結果に基づいて、前記励起光の出射を停止させる請求項に記載の医療デバイス。
  3. 前記制御部は、前記画像検出部の検出結果に基づいて、照射対象に照射された前記励起光の積算エネルギを算出し、当該照射対象に照射された前記励起光の積算エネルギの算出結果に基づいて、前記励起光の出射を停止させる請求項に記載の医療デバイス。
  4. 情報を外部へ報知可能な報知部を有し、
    前記制御部は、前記距離検出部の検出結果に基づいて、前記報知部に情報を報知させる請求項のいずれか1項に記載の医療デバイス。
  5. 情報を外部へ報知可能な報知部を有し、
    前記制御部は、前記画像検出部の検出結果に基づいて、前記報知部に情報を報知させる請求項2に記載の医療デバイス。
  6. 情報を外部へ報知可能な報知部を有し、
    前記制御部は、前記照射対象に照射された前記励起光の積算エネルギの算出結果に基づいて、前記報知部に情報を報知させる請求項3に記載の医療デバイス。
  7. 前記反射部は、前記シャフト部に対して着脱可能である請求項1~のいずれか1項に記載の医療デバイス。
  8. 前記シャフト部は、前記窓部の近傍で開口して液体を窓部へ供給可能な洗浄用ルーメンを有する請求項1~のいずれか1項に記載の医療デバイス。
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