以下、本発明に係る基板処理システムの一実施形態について説明する。この基板処理システムは、例えば半導体基板やガラス基板、プリント配線基板等の平板状の各種基板を受け入れて、予め定められた所定の処理を当該基板に施した後で払い出す処理システムである。ここでは一例として、液晶表示装置用、有機EL表示装置等のガラス基板に対して、レジスト液を塗布して露光し、現像、洗浄および乾燥処理を施すという一連の処理を行う処理システムを挙げて説明する。ただし、本実施形態の特徴はシステム全体の状態をユーザー(オペレーター)に示すGUI(グラフィカル・ユーザーインターフェース;Graphical User Interface)装置に特徴を有するものであり、基板に対する処理内容およびそれを実行するための装置構成については、例示のものに限定されず任意である。
図1は本発明を適用可能な基板処理システムの構成例を示す平面レイアウト図である。この基板処理システム1は、複数の処理ユニット2(2A~2K)が概略U字型の基板搬送経路に沿って配置されたレイアウトを有している。具体的には、図1の左方下部から右方に向かって、洗浄ユニット2A、脱水ベークユニット2B、塗布ユニット2C、乾燥ユニット2D、プリベークユニット2Eおよびインターフェースユニット2Fが、この順番に並べられている。
未処理の基板は、図1の左方下部からまず洗浄ユニット2Aに投入され、脱水ベークユニット2B、塗布ユニット2C、乾燥ユニット2D、プリベークユニット2Eおよびインターフェースユニット2Fの順に各処理ユニット2間を受け渡されながら、各処理ユニット2でそれぞれ所定の処理を受ける。
そして、インターフェースユニット2Fに隣接して露光ユニット2Gが配置されている。図1では露光ユニット2Gがインターフェースユニット2Fの上方に描かれているが、実際にはこれらは水平方向に隣接して配置される。したがって、インターフェースユニット2Fから露光ユニット2Gへの受け渡しにおいて、基板の搬送方向が90度変えられる。
図1の上部側では、露光ユニット2Gの左側にタイトラーユニット2Hが配置される。また、タイトラーユニット2Hのさらに左側には、現像ユニット2I、ポストベークユニット2Jおよび出力バッファーユニット2Kがこの順番で配置されている。したがって、露光ユニット2Gからタイトラーユニット2Hへの受け渡しにおいて、基板の搬送方向がさらに90度変えられ、その後、基板はタイトラーユニット2Hから現像ユニット2Iおよびポストベークユニット2Jおよび出力バッファーユニット2Kの順番で受け渡される。
したがって、基板は、略U字型の搬送経路に沿って図1における反時計回りに搬送されつつ、経路上に設けられた各処理ユニットで所定の処理を受ける。処理済みの基板は、出力バッファーユニット2Kから外部へ搬出される。
基板処理システム1を構成する各処理ユニット2(2A~2K)は、このようにガラス基板にレジスト液を塗布し露光・現像する公知の基板処理システムにおける処理ユニットと同様の構成のものを用いることが可能である。そこで、ここでは各処理ユニット2A~2Kの機能の概要について説明するが、それぞれの詳しい構造についての説明は省略する。
洗浄ユニット2Aは、搬入された基板に対しウェット洗浄処理を施して、基板を清浄化する。脱水ベークユニット2Bは、洗浄後の基板を比較的低温で加熱することにより乾燥させる。塗布ユニット2Cは、基板の表面にレジスト液を均一に塗布する。乾燥ユニット2Dが塗布後の基板を減圧下に置くことでレジスト液の溶剤成分を揮発させることでレジスト膜を形成し、プリベークユニット2Eが基板を加熱することでレジスト膜を固化させる。インターフェースユニット2Fは、レジスト膜が形成された基板を一時的に貯留する。
露光ユニット2Gは、レジスト膜が形成された基板に光を照射して、レジスト膜を所定のパターンに露光する。タイトラーユニット2Hは、個々の基板を識別するためのシリアル番号や処理条件に関する情報等を基板に書き込む。現像ユニット2Iは、露光後の基板を現像液によって現像し、さらにリンス液によりリンス処理する。ポストベークユニット2Jは、リンス処理後の基板を加熱することで、残留する液体成分を除去するとともに現像により形成されたパターンを固化させる。出力バッファーユニット2Kは、全ての処理が完了した基板を一時的に貯留し、必要に応じ外部へ払い出す。
図2は本実施形態の基板処理システムを示すブロック図である。基板処理システム1は、基板処理の主体となる少なくとも1組の処理ユニット2(2A~2K)、各処理ユニット2を統括的に制御して一連の処理を実行させる集中制御装置3、および、各処理ユニット2の動作状態を表示してオペレーターに報知するGUI装置4を備えている。
上記したように、各処理ユニット2の構成は、当該処理ユニットの設置目的に応じて様々である。典型的な構成要素は、基板に対し何らかの処理を行う主体となる処理部21、基板を一時的に保管するバッファー23、それらの間で基板を搬送する搬送ロボットやコンベアー等の搬送部25、および、それらの動作を制御するコントローラー27などである。ただし、処理ユニットによっては、これらの構成の一部が複数備えられるケースや、逆に省かれるケースがあり得る。
処理部21は基板に対して何らかの改質を行う主体であり、例えば、洗浄ユニット2Aでは基板に対し洗浄処理を施す洗浄装置であり、また塗布ユニット2Cでは基板に処理液を塗布する塗布装置である。また、脱水ベークユニット2B、乾燥ユニット2D、プリベークユニット2E、ポストベークユニット2Jでは、加熱や減圧により基板を乾燥させる乾燥装置などである。処理部21は、基板を収容するチャンバーを有する場合がある。
一つの処理ユニット2に、同一構成、同一機能を有する処理部21が複数設けられることがある。例えば、同一構成を有する複数の処理部21が多段積みされて一つの集合体を形成した状態で処理ユニット2に設けられることがある。このような処理ユニット2内の同一の処理部21の集合体を、本明細書では「モジュール」と称することがある。広義には、単一の処理部21についても一つのモジュールとみなすことができる。一つの処理ユニット2は、このようなモジュールを複数含み得る。モジュール間で処理部21の構成が同一である場合、異なる場合のいずれもがあり得る。
バッファー部23についても、同一構成のものが複数でモジュールを形成していることがあり、また単一の処理ユニット2に複数のモジュールが設けられる場合がある。例えば、処理前の基板を保管する入力バッファーと、処理後の基板を保管する出力バッファーとが個別に設けられる場合がある。また、処理ユニット2にバッファー部23が設けられないケースもあり得る。
これらの間における基板搬送を担う搬送部25は、処理ユニット2内に1基または複数設けられる場合もあり、また設けられない場合もある。また処理ユニット2の動作を司るコントローラー27は通常1組設けられるが、処理ユニット2の構成が複雑である場合には複数設けられたり、また集中制御装置3により直接制御が可能であるために省かれたりすることがあり得る。
またコントローラー27は、処理ユニット2内に設けられた各種センサーの出力などから把握される各処理部21、バッファー部23、搬送部25およびこれらに保持される基板の状態を、ステータス情報として集中制御装置3に送信する。
このような処理ユニット2が、少なくとも1組設けられる。一つの処理ユニット2は、処理前の基板を外部から受け入れ、基板に対して所定の処理を施した上で、当該基板を払い出す。処理内容の異なる処理ユニット2を複数組み合わせることで、基板に対する様々な処理を実行することができる。また、処理ユニット2内で処理内容が同じである複数の処理部21を並列動作させることで、スループット向上を図ることができる。
集中制御装置3は、これらの処理ユニット2を統括的に制御する。すなわち、集中制御装置3は、CPU31、メモリー32、ストレージ33およびインターフェース部34などを備えている。CPU31は、例えばHDD(ハードディスクドライブ)、SSD(半導体ディスク装置)などのストレージ33に予め記憶されている制御プログラムを実行して、各処理ユニット2に制御指令を与えてそれらの動作を司る。メモリー32はCPU31での演算に用いられるデータを一時的に記憶する。
インターフェース部34は、各処理ユニット2およびGUI装置4との間のデータ通信を担う。各処理ユニット2の動作に伴って刻々と変わる各処理部21や基板のステータス情報については、各処理ユニット2からインターフェース部34を介して集中制御装置3に送信される。オペレーターからの操作指示を受け付けるための入力部がさらに設けられてもよい。
GUI装置4は、このように各処理ユニット2から出力されるステータス情報を反映させたGUI画面を表示し、オペレーターに処理の進行状況を報知する。この目的のために、GUI装置4は、画像処理部41、メモリー42、ストレージ43、インターフェース部44、入力部45および表示部46などを備えている。
画像処理部41は、後述する表示画像を作成するための各種の画像処理を実行する。メモリー42は画像処理部41での演算に用いられるデータを一時的に記憶する。ストレージ43は、画像処理部41が実行すべき制御プログラムや、表示画像を作成するためのレイアウトデータなど各種の画像データを記憶する。インターフェース部44は、集中制御装置3との間のデータ通信を担う。
さらに、画像処理部4は、オペレーターからの操作入力を受け付ける入力部45と、オペレーターに各種情報を報知するための画像表示を行う表示部46とを備えている。入力部45は例えばキーボードまたはマウス等の入力デバイスを備え、表示部46は例えば液晶ディスプレイパネル等の出力デバイスを備える。入力部45と表示部46とが一体化されたタッチパネルとして構成されてもよい。
GUI装置4は基板処理システム1に少なくとも1基設けられるが、2基以上設けられてもよい。例えば、処理ユニット2の数が多くフットプリントの大きい基板処理システム1では、複数の場所でシステムの状態を確認できるようにしておくことが好ましい。また、基板処理システム1内で、GUI装置4の配設位置を変更できるように、予め複数の接続ポイントが設けられていてもよい。
集中制御装置3およびGUI装置4としては、パーソナルコンピューターやワークステーションとして一般的なハードウェア構成を有するコンピューター装置を用いることが可能である。特にGUI装置4については、タブレット型のコンピューター装置を好適に利用可能である。
次に、以下の説明で用いられる「ポジション」の概念について説明する。上記のように構成された基板処理システム1では、複数の基板が所定のタクトタイムで順次投入されて処理が行われるため、システム内には複数の基板が存在し得る。システム内で各基板がどこにあるかを管理するために、「ポジション」の概念が導入される。また、各ポジションには、それを識別するためのポジション名が与えられる。
「ポジション」は、処理部21、バッファー部23、搬送部25等を統一的に扱うための概念であり、システム内で一つの基板によって占用される最小単位の区画を指す。すなわち、システムに投入された一つの基板のある時刻における位置は、いずれか一つのポジションにより特定することができる。また原則として各ポジションは基板を一つずつ保持し得るが、1ポジションに2以上の基板が同時に存在するケースもある。例えば、大型の基板に対応できるよう構成された処理部21に対し、段取り替えにより複数の小型基板を投入するようなケースである。その他、基板に対し能動的に処理を施すか否かに関わらず、基板に対する一連の処理において一定の期間、基板を受け入れてこれを保持する主体はいずれも一つの「ポジション」となり得る。この意味において、「ポジション」は本発明における「受容部」の最小単位に対応する概念である。
例えば、それぞれが一つの基板を扱う処理部21の各々は、それぞれが一つの「ポジション」に該当する。したがって、同一構成の複数の処理部21を有するモジュールには、処理部21の数と同じだけのポジションがある。言い換えれば、同一構成の複数の処理部21が提供する複数のポジションを一つにまとめて一つのモジュールとすることができる。互いに同一機能であるから、一つのモジュール内の各ポジションには共通のポジション名が使用される。つまり、「モジュール化されたポジション」と考えればよい。
また、バッファー部23についても、それ自体は基板に対して特定の作用をしないものの、一連の処理のうちの一部の期間、基板によって占用され得ることから管理対象とされる。つまり、一つの基板を収容するバッファー部23は、単独で一つのポジションに該当する。また、複数のバッファー部23がモジュールを構成する場合、それらのバッファー部23の一つ一つが、それぞれ一つの「ポジション」として扱われる。
搬送部25のうち搬送ロボットについては、同時に一つの基板のみを扱うものは一つのポジションに該当する。ただし、多ハンド搬送ロボット(MHU)では、各ハンドが一つずつ基板を扱うことができるから、それぞれのハンドが一つのポジションに該当する。したがって、当該多ハンド搬送ロボットは、複数のポジションを含む一つのモジュールとみなされる。
また、搬送部25のうちコンベアーについても、同時に一つの基板のみを扱うものは一つのポジションに該当する。ただし、搬送路が長く、基板を載置することができる区画を複数有するものについては、載置可能な基板の数だけポジションが存在することになる。
本実施形態の定義では、一つのポジション、一つのモジュールおよび一つの処理ユニットのいずれもが、広義には本発明にいう一つの「受容部」たり得る。以下では、このような広義の受容部という意味でポジション、モジュールおよび処理ユニットを区別せず包括的に表現するとき、「ポジション等」ということがある。前記した通り、一つの処理ユニットは一つ以上のモジュールまたはポジションを含み得、また一つのモジュールは一つ以上のポジションを含み得る。したがって、一般的な概念としてはこれらの中で処理ユニットが最も規模が大きく、モジュール、ポジションの順で規模が小さくなる。
後述する各部の動作情報に基づくチャート化においては、システム全体の状態を概括的に表現するためには比較的規模の大きい構成(例えば各処理ユニット)を単位として図示されることが好ましい一方、システムの一部をより詳細に表現するためにはより規模の小さい構成(例えば各ポジション)を単位として図示されることが好ましいといえる。このため、チャートに示される構成(ポジション等)の単位については、目的に応じてその規模が適宜スケーリングされることが好ましい。
すなわち、チャート化における「ポジション等」が表す構成の規模については、必要に応じ、処理ユニット単位、モジュール単位、ポジション単位等で使い分け(またはそれらを適宜組み合わせ)ることができるが、チャート表示の基本思想としてはそれらを同等に扱うことができる。したがって、以下の説明において、典型例として例えばチャートの座標軸に「ポジション」単位での割り当てがなされている場合であっても、表示範囲の広さに応じてこれを「モジュール」単位または「処理ユニット」単位での割り当てに変更することも、技術思想としては等価である。
上記のように構成された基板処理システム1では、予め設定された一定の時間間隔(タクトタイム)で複数の基板が投入され、基板は各処理ユニット2間で受け渡されながら順次処理を受ける。タクトタイムが短いほど基板処理システム1の稼働効率が高いということができるが、基板の流れがいったん滞るとその影響はシステム全体に波及することになる。
このような乱れを早期に発見可能とし、またその原因の究明を容易にするために、この実施形態では、複数の基板のシステム内での動きを二次元チャートとして可視化し、GUI装置4の表示部46に表示させるようにしている。具体的には、集中制御装置3が、各処理ユニット2から出力される、当該処理ユニット2の動作状態を示す情報を取得し、これをGUI装置4に送信する。集中制御装置3が各処理ユニット2から取得する情報は、各ポジションに基板が受け入れられた時刻および当該ポジションから基板が払い出された時刻を表す情報を含む。
GUI装置4では、与えられる情報に基づき、画像処理部41が画像処理を実行して、必要な表示画像を作成する。作成された表示画像は表示部46に表示され、ユーザー(オペレーター)に報知される。
図3は表示画像の一例を示す図である。より詳しくは、図3(a)は表示部46に表示される画像の一例である主チャートCmの全体を示す図であり、図3(b)は主チャートCmが表す内容を説明する図であり、主チャートCmの一部を部分的に拡大し模式的に表した図に相当する。なお、モノクロ画像である図3(a)では必ずしも明りょうに現れていないが、実際の画像においては複数の基板各々に対応するデータが異なる色で図示されており、画面上での各基板の識別が可能である。
主チャートCmでは、横軸が時間軸であり、具体的には基板処理システム1の動作開始からの経過時刻を表す。また、縦軸には、上記のように基板処理システム1内に定義されるポジション名に対応する文字列が、基板の搬送順に沿って並べて記載されている。なお、各ポジション名が表す意味については、本発明とは直接関係しないため説明を省略する。以下では、説明用の仮想的なポジション名としてP1,P2,…等を用いることがある。
実際の基板処理システム1では多数のポジションが設けられており、単一の画面内に全てのポジションを表示することが適切でない場合もあり得る。このことから、縦軸においてはいくつかのポジションを一つにまとめて表示するようにしてもよい。例えば、複数のポジションを含むモジュールについては、モジュール単位で縦軸に記載してもよい。また、処理ユニット単位での記載でもよい。
このように主チャートCmではいくつかのポジションをまとめた表示としていても、後述する副チャートにおいてはポジションごとに展開して表示させることが可能である。したがって、主チャートCmには基板処理システム1において定義可能なポジションを全て示す必要はなく、管理上または画面の視認性向上のために省いてよいと考えられるポジションについては表示しないようにすることができる。
図3(b)に模式的に示すように、主チャートCmでは、複数の基板S1,S2,…が各ポジションP1,P2,…のそれぞれに滞在していた期間がバーグラフ表示される。具体的には、例えば基板S1は、時刻t11から時刻t12までの期間、ポジションP1に滞在していたことが、時間軸(横軸)に平行なバーによって示されている。時刻t11はポジションP1に基板S1が受け入れられた時刻、時刻t12は当該ポジションP1から基板S1が払い出された時刻として、集中制御装置3が各処理ユニット2から収集した情報(タイムスタンプ情報)に基づき特定可能である。
その後、基板S1は、時刻t13においてポジションP2に受け入れられ、時刻t14において当該ポジションP2から払い出されたこと、また時刻t15においてポジションP3に受け入れられ、時刻t16において当該ポジションP3から払い出されたことが、主チャートCmに表されている。
同様に、別の基板S2は、時刻t21から時刻t22までの期間はポジションP1に、時刻t23から時刻t24までの期間はポジションP2に、時刻t25から時刻t26までの期間はポジションP3に、それぞれ滞在したことが示される。さらに別の基板S3についても、各ポジションに受け入れられた時刻および払い出された時刻と、それらで特定される当該ポジションでの滞在期間とが、主チャートCmに示されている。
このように、主チャートCmでは、各基板S1,S2,…が各ポジションP1,P2,…に受け入れられた時刻と払い出された時刻とを示す情報に基づき、各基板が各ポジションに滞在した期間が、個々の基板を識別可能な態様で表されている。ここで、図3(b)に点線矢印で示すように、一つの基板に着目してバーの変遷を追うと、当該基板が各ポジションをどのタイミングで通過して行ったかを知ることができる。一方、縦軸に割り当てられた一つのポジションに着目すると、複数の基板の各々が当該ポジションをどのタイミングで通過して行ったかを知ることができる。
また、図3(a)にウィンドウWとして示すように、一部の基板についてより詳細なステータス情報やタイムスタンプ情報等を付加的に表示することができるようにしてもよい。具体的には、ユーザーが入力部45、例えばマウスを用いて画面内のいずれかのバーを指定したときに、当該バーに対応する基板に関する情報をツールチップ表示させることにより、この機能を実現可能である。
このようなチャート表示を行うことで、複数のポジションを含む基板処理システム1に投入された複数の基板の各々が、システム内でどのような動きをしたかを包括的にユーザー(オペレーター)に提示することができる。ここで、全ての基板が予め定められたタイミングで各ポジションを通過していれば、各基板のポジション間移動を示すバーの位置変化パターンはどの基板でも概ね同じ、つまり時間軸方向に平行移動すれば互いにほぼ重なり合うはずである。
一方、もし基板の流れに乱れがあれば、バーの位置変化はばらつきを持つことになる。このような乱れは、チャートにグラフ表示される位置変化パターンの規則性の崩れとして現れるため目に付きやすい。したがって、ユーザーは表示されるチャートの規則性から、基板の流れが適切であるか乱れているかを知得することが可能である。より詳しくは、不規則性の現れ方によって、特定の基板において乱れが生じているのか、あるいは特定のポジションにおいて乱れが生じているのかを見分けることも可能である。
次に、乱れの原因の特定を支援するための表示モードについて説明する。上記した主チャートCmが表示されることで、ユーザーは、乱れが生じたことおよび大まかなその発生箇所を知得することが可能である。一方、乱れのより詳細な発生箇所やその原因を特定するためには、乱れの発生箇所の周辺に関してより詳しい情報が示されることが望ましい。この目的のために、この実施形態では、主チャートCm以外に、ユーザー操作に応じて数種の副チャートを表示することを可能としている。
すなわち、表示部46に主チャートCmが表示された状態で、そのうち詳細情報を表示させたい範囲およびその際の表示モードをユーザーが入力部45を介して指定すると、指定された内容に応じて、主チャートCmに示される範囲のうち一部により詳細な情報を付加した副チャートが表示される。ユーザー指定の入力形式については任意である。また、副チャートは主チャートCmに代えて表示されてもよく、主チャートCmをバックグラウンドに残して重畳表示されてもよい。
図4は副チャートの一例を示す図である。この副チャートCs1では、特定の処理ユニット2の搬送部25に着目した表示を行う。基板処理システム1内で基板の流れが乱れる主たる原因の一つとして、搬送部25での取り合い(競合)の問題がある。すなわち、搬送部25を含む処理ユニットまたはその前後の処理ユニットのいずれかにおいて僅かな動作タイミングのずれがあったとき、搬送部25で複数基板の競合が生じることで、そのずれが拡大されてしまうことがある。例えば搬送ロボットのハンドが基板を新たに受け取るべきタイミングで当該ハンドが既に他の基板を保持していたような場合には、基板の動きが大きく停滞してしまうことになる。また、搬送部25は機械的な可動部位を必須的に含むため、動作不良を生じやすいという側面もある。したがって、乱れの原因を早期に特定するために、まず搬送部25の動きを検証することは合理的である。
図4の副チャートCs1の上部には、主チャートCmに示されるポジションのうちユーザーが指定した一部のポジションにおける基板の流れが、時間軸を拡大した状態で表示される。このとき、主チャートCmではまとめて表示されることで明確に現れていない複数のポジションが個別に表示されてもよい。
また、副チャートCs1の下部には、主チャートCmには表されない一つの搬送ロボットの動きが詳細に、かつ上図と時間軸を揃えて示されている。ここでは、搬送ロボットのハンドの動きが「MOVE(旋回)」、「FORWARD(前進)」、「BACKWORD(後退)」、「UP(上昇)」、「DOWN(下降)」に分解されて示されている。これにより、当該搬送ロボットが複数の基板を順次取り扱う過程においてどのような動きをしているかが、他のポジションにおける状態変化と併せて示される。
ユーザーは、乱れの発生箇所と搬送ロボットの動きとを対比させて、乱れが搬送ロボットの動きに起因するものであるか否かを判断することができる。具体的には例えば、搬送ロボット自体の可動部の動きの不調によって乱れが生じている状況と、前後の処理部21等での異常によって当該搬送ロボットに余分な待ち時間が生じている状況とを区別することが可能となる。
図5は副チャートの他の一例を示す図である。この副チャートCs2では、主チャートCmとは異なり、横軸に各処理ユニット2(2A~2K)が基板の搬送順に沿って割り当てられ、縦軸が時間軸となっている。そして、複数の基板の各々が各処理ユニット2A~2Kを通過した時刻(あるいは、基準時刻からの経過時間)が、折れ線グラフとして表示される。ここで、「通過」については、基板が当該処理ユニットに到達した時を指すケースと、当該処理ユニットから払い出された時を指すケースとが考えられるが、全ての処理ユニット間で統一されている限りいずれであってもよい。なお、以下の説明では前者とする。
このような表示態様では、システム内の処理ユニット2A~2Kを順次移動してゆく基板間の時間間隔が表される。本来的には一定間隔で基板が移動してゆくが、前後の基板の間隔が短くなったり長くなったりしていれば乱れが生じていることがわかる。このように主チャートCmとは視点を変えた表示を行うことで、乱れの発生の発見容易性を向上させることができる。なお、ここでは横軸を処理ユニット単位としているが、必要に応じ、これをモジュール単位またはポジション単位等とすることもできる。
図6は副チャートの他の一例を示す図である。この副チャートCs3では、横軸に各ポジション(またはモジュール、処理ユニット)を、縦軸に当該ポジション等における基板の滞在期間の長さを取り、複数の基板を対比させて各ポジション等にどれだけの期間滞在したかが、縦軸に平行な方向の棒グラフによって示される。各ポジション等では複数の基板が対等に扱われるはずであるから、本来的には滞在期間の長さが基板ごとに大きく異なることはないと考えられる。
このことから、もし特定のポジション(またはモジュール、処理ユニット)において基板ごとの滞在期間に有意なばらつきが見出されれば、当該ポジション等において何らかの乱れが生じている可能性が高いと判断することができる。例えば、相前後して連続的にシステムに投入されるいくつかの基板について滞在期間を比較するようにすれば、特定の基板において生じた乱れを検出することができる。また例えば、ユーザーへのさらなる有用な情報提供を行うために、基板ごとの滞在期間の長さを統計的に処理した結果が併せて表示されてもよい。
図7は副チャートの他の一例を示す図である。この副チャートCs4では、横軸に各ポジション(またはモジュール、処理ユニット)を割り当て、縦軸の時間軸では各ポジション等を通過する基板のインターバル時間が示される。このインターバル時間は、連続する二つの基板の間における同一のポジション等への到達時刻の差を表すものであり、図5の副チャートCs2において隣接する二つの折れ線間の縦軸方向の距離に相当するものである。その意味するところは、あるポジション等に一の基板が受け入れられた後、それに続く次の基板が受け入れられるまでの経過時間である。
複数の基板が所定のタクトタイムで適切に流れているとき、各ポジション等におけるインターバル時間も概ね一定と考えられる。したがって、インターバル時間のばらつきの有無も、基板の流れが乱れていることを示す情報となり得る。例えば特定のポジション等でインターバル時間のばらつきが大きければ、当該ポジション等へ基板が搬入されてくる前の段階で乱れが生じていると推定することができる。また、特定の基板の間についてのみ複数のポジション等でばらつきがある場合には、基板側に問題があると推定することができる。
このようなインターバル時間のばらつきについても、統計的に処理することが有効な場合がある。そこで、この場合の画面表示では、副チャートCs4の下方に、複数の基板について算出された各ポジション等でのインターバル時間の値を統計的に処理して得られる数値、すなわち最大値、最小値およびそれらの差、中央値、平均値等が、テーブルT4として表示される。
図8はこの実施形態のGUI装置の動作を示すフローチャートである。より具体的には、図8は、GUI装置4による画像表示を含む、この基板処理システム1の動作を示すフローチャートである。この動作は、集中制御装置3に設けられたCPU31が予め用意された制御プログラムを実行し、システム内の各部に所定の動作を行わせることにより実現される。
基板処理システム1では、各処理ユニット2(2A~2K)が所定の処理動作を実行することで、一定のタクトタイムで外部から搬入されてくる複数の基板に対し順次処理を実行する(ステップS101)。この間、CPU31は、各処理ユニット2A~2Kの稼働に伴って生じる各種の情報を各処理ユニットのコントローラー27から取得し、それらを収集してストレージ33に蓄積する(ステップS102)。
稼働情報としては、CPU31が各処理ユニット2A~2Kに対して出力した制御指令を含む制御信号、それに応じて処理ユニット2から返される応答信号、各処理ユニット2のコントローラー27から処理部21等に与えられる制御信号、処理ユニット2の各部に設けられたセンサー等から出力される信号等に関する情報、および、それらの信号が発生または取得された時刻に関する情報等が含まれ得る。各処理ユニット2から集中制御装置3に送信される信号は、処理ユニット2内で制御部21、搬送部25等から出力された信号をコントローラー27が処理した結果を含むものであってもよい。
GUI装置4は、ユーザーから入力部45を介してチャート表示の指示入力を受け付けると(ステップS103)、最初の表示画像としての主チャートCmを作成する。具体的には、GUI装置4は、集中制御装置3に蓄積されている稼働情報を、インターフェース部44を介して取得しストレージ43に記憶させる(ステップS104)。そして、画像処理部41が、取得された情報に基づき、主チャートCmを含む表示画像の画像データを作成する(ステップS105)。数値データに基づくグラフ作成は既知の各種ソフトウェアで実行可能であるため説明を省略する。
作成された表示画像は、表示部46に表示される(ステップS106)。ユーザーから表示終了の指示入力を受け付けると(ステップS107)、処理は終了する。また、ユーザーから表示変更の指示入力を受け付けると(ステップS108)、それに応じて、主チャートCmにツールチップ表示を加えた表示画像、または上記した副チャートCs1~Cs4のうち指示の内容に応じたものを含む表示画像に対応する画像データが作成される(ステップS109)。そして、ステップS106に戻り、新たに作成された表示画像が表示部46に表示される。
このように、この実施形態では、複数の処理ユニットを有し、それにより基板を一時的に受け入れる複数のポジション等を設けられた基板処理システム1において、システム内で順次受け渡されてゆく複数の基板各々がどのタイミングで各ポジション等に受け入れられ払い出されたかが二次元チャート(主チャートCm)として表示される。このようにシステム内での各基板の動きを包括的に表示することで、ユーザーは、それらの基板が規則的に流れているか、あるいはその規則性に乱れが生じているかを判断することができる。
一方で、このようにシステム全体を概括的に見るだけでは、乱れのより詳しい発生箇所やその原因まではわからないことがある。この問題に対応するため、この実施形態では、主チャートCmで示される座標平面のうちユーザーに指定される一部の領域について、当該領域を拡大するとともに、横軸と縦軸との関係を主チャートCmとは異なるものとした副チャートを複数種類、ユーザー操作に応じて切り替えて表示することが可能となっている。
これにより、基板の流れが生じている箇所についてのより詳しい状況を、種々の表示態様で多面的にユーザーに提示することができる。ユーザーは、システム全体における基板の流れを概括的に表す画像と、その一部の状態をより詳しく表す情報とを併用してシステムの状態を確認することができる。このように、この実施形態は、基板処理システム1において生じ得る基板の流れの乱れの発生箇所およびその原因を特定するユーザーの作業を効果的に支援することができるものである。
この効果を高めるためには、各処理ユニット2からできるだけ多くの稼働情報が得られることが理想的である。しかしながら、装置サイズやコスト上の制約等から、情報取得に必要十分なセンサー等を処理ユニット2内に配置することができない場合もあり得る。そのような場合であっても、少なくとも集中制御装置3から当該処理ユニット2に送出された制御信号、それに対する当該処理ユニット2からの応答信号およびそれらが発せられた時刻については、集中制御装置3において確実に取得可能な情報となる。
本実施形態では、主としてこのような時刻に関する情報を用いて表示画像が作成されており、センサーの検出値等は使用されていない。言い換えれば、そのような検出値を用いなくても、時刻に関する情報を適切な表示態様でユーザーに提示することで、システム内での基板の流れの乱れを検知し原因をある程度まで特定することは可能である。もちろん、他の情報を併用すれば、より精度よく乱れの原因を特定し得ると考えられる。
次に、上記のように構成された基板処理システム1において、基板の流れの乱れが検知され、その原因が特定されるに至るまでの具体的な流れについて、実際の画面表示の事例を参照しながら説明する。前提として、予め主チャートCmの表示が行われ、基板の流れに乱れが生じていることが発見されているものとする。
図9ないし図11はこの実施形態における表示画像の例を示す図である。図9は、横軸に各処理ユニット2A~2Kを配し、縦軸を時間軸として、基板ごとの各処理ユニットの通過時刻を折れ線グラフで表したものであり、図5に示す副チャートCs2に相当するものである。
図9に矢印Aで示すように、露光ユニット2Gにおいて基板間のプロットに一時的に差が生じているが、この差はすぐに解消されていることから、システム全体の動きに大きな影響を及ぼすものではないといえる。一方、矢印Bで示すように、最初に搬送された基板Saとその直後に搬送された基板Sbとの間で、主にタイトラーユニット2H以降においてプロットに開きが生じている。このことから、タイトラーユニット2H、またはその手前のいずれかの処理ユニット(例えば露光ユニット2G、インターフェースユニット2F)で遅延が生じていると考えられる。
なお、ここで露光ユニット2Gのみならず、さらにその手前のインターフェースユニット2Fまで考察の対象に含めているのは、以下の理由による。実際の基板処理システム1では、露光ユニット2Gから払い出された基板は、直接タイトラーユニット2Hに搬入されるのではない。すなわち、露光後の基板はいったんインターフェースユニット2Fに戻され、インターフェースユニット2Fからタイトラーユニット2Hへ受け渡される。このため、タイトラーユニット2Hでの遅延が、インターフェースユニット2Fに起因するものである可能性がある。
そこで、次にインターフェースユニット2Fからタイトラーユニット2Hまでの間における基板の動きをより詳細に示す画像を表示部46に表示させる。図10はこのときの表示画像の例であり、主チャートCm(図3(a))のうち、注目すべき箇所を含む一部を拡大した部分拡大図に相当する。ただし縦軸については、各部の動作を詳細に検証するために、図3(a)に示すものより細かく区分されたポジション名で区分されている。
これらのポジション名のうち、以下の検証に関わるものにつきその意味を説明する。ここでは、現在注目すべきタイトラーユニット2Hとその周辺、特に基板の搬送に関わるポジションが採り上げられており、「Titler_Interface」は、タイトラーユニット2Hに設けられた処理部21としてのタイトラー装置を表す。また、「TT_CV_Interface」は、インターフェースユニット2Fに設けられた搬送部25としてのターンテーブルコンベアーを表す。また、「MHU_U_HAND_Interface」「MHU_L_HAND_Interface」は、インターフェースユニット2Fに設けられた搬送部25としての多ハンド搬送ロボットのうち、それぞれ上側および下側のハンドを表す。また、「EXP_a_Interface」「EXP_b_Interface」は、露光ユニット2Gに設けられた処理部21としての2基の露光機、すなわち露光機A、露光機Bをそれぞれ表す。
実際のグラフでは基板ごとに色分けがなされているが、図10ではそのうち基板Sbの動きを示すバー群のみを点線で囲んで他と区別している。バーの長さは各ポジションにおける基板の滞在期間を示している。これによれば、基板Sbは露光機Bから払い出された後、インターフェースユニット2Fの多ハンド搬送ロボットの下側ハンドを用いてターンテーブルコンベアーに搬送され、さらにタイトラー装置に搬入されている。ここで、当該基板Sbは他の基板と比べて明らかに長い時間、ターンテーブルコンベアーに保持されていることがわかる。したがって、ターンテーブルコンベアーからタイトラー装置への受け渡しにおいて問題が生じていると推定される。
図11は、図10のチャートにターンテーブルコンベアーの稼働期間をバー表示で表すチャートを付加したものであり、図4に示す副チャートCs1に相当するものである。なお、図中の破線は説明のために付加したものであり実際のチャートには含まれない。これによると、上記した基板Sbがターンテーブルコンベアーに留置されている期間では、ターンテーブルコンベアーは最初に所定量だけ稼働した後、停止していることが示されている。このことは、ターンテーブルコンベアーが搬送を完了しているにも関わらず、基板Sbはタイトラー装置に払い出されずターンテーブルコンベアーに残留していることを示している。そうすると、ターンテーブルコンベアーの動作上の問題ではなく、タイトラー装置が基板を受け取ることができない状態であることが遅延の原因であると推定される。
この事例では、各部の動作状況は時刻または時間を表す情報のみで示されており、またタイトラー装置自体の詳細な動作状況を示す信号は用いられていない。それにもかかわらず、乱れの原因がタイトラー装置にある蓋然性が高いと特定することが可能である。このように、上記した本実施形態の各種チャートを組み合わせることで、システム全体の動作の乱れからその原因を特定するユーザーの作業を効果的に支援することが可能である。
以上説明したように、本実施形態においては、「ポジション等」に含まれるポジション、モジュール、処理ユニットのそれぞれが本発明の「受容部」に相当する。また、本実施形態の基板処理システム1においては、システム内の各部から稼働情報を収集する集中制御装置3、特にCPU31が本発明の「情報取得部」として機能しているが、GUI装置4を単独で本発明の「GUI装置」と考える場合には、集中制御装置3から稼働情報を取得するインターフェース部34が本発明の「情報取得部」として機能していることになる。
また、上記実施形態においては、集中制御装置3のCPU31と各処理ユニット2のコントローラー27とが協働して本発明の「制御部」として機能している。ただし、内蔵のコントローラー27が処理ユニット2内の各部に制御指令を送出し実質的にそれらの動作を制御している場合には、コントローラー27が本発明の「制御部」に相当することになる。一方、例えばコントローラー27が省かれる等、処理ユニット2内の各部が直接CPU31からの制御指令により制御されている場合には、CPU31が本発明の「制御部」に相当することになる。
また、上記実施形態では、主チャートCmおよび副チャートCs1~Cs4がいずれも本発明の「表示画像」を構成している。また、主チャートCmにおいては、縦軸が本発明の「第1の軸」に、横軸が本発明の「第2の軸」に、それぞれ対応している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、複数種の副チャートを並列的に扱っているが、システム全体から細部へ向けて進める解析作業を支援するために、主チャートおよび副チャートが解析の手順に沿った階層的な構成を有していてもよい。
また例えば、主チャートと副チャートとの画面切り替え、および副チャート間での画面切り替えについては、先のチャートを画面から消去して新しいチャートを表示する態様であってもよく、また先のチャートと部分的に重なるように新しいチャートが表示される態様であってもよい。また、複数の副チャートが同一画面に表示されることがあってもよい。
また、上記実施形態におけるチャートの表示態様(バー表示、折れ線表示等)は一例であって、本発明の表示態様はこれに限定されるものではない。数値データをグラフ化する方法としては種々のものが考案されており、本発明の実施においても、乱れの発生箇所やその原因を特定するという目的に合致する視認性を有する各種の表示方法を適用することが可能である。
また例えば、上記実施形態の基板処理システム1は複数の処理ユニット2を有しており、処理ユニット2間で基板を受け渡す搬送部25は各処理ユニット2に包含されている。しかしながら、少なくとも一部の基板搬送が、処理ユニット2とは独立した搬送機構により実行されてもよい。すなわち、本発明の「処理部」と「搬送部」とは一つの処理ユニットを構成していてもよく、また構造上互いに独立したものであってもよい。
また、上記実施形態では、システム全体の動作を統括制御する集中制御装置3とGUI装置4とが個別の装置として構成されているが、例えば一つのコンピューター装置が両者の機能を兼備する構成であってもよい。また、一つのシステム内に複数のメインパネルMPを配置する構成とする場合には、それぞれに独立したGUI装置4が設けられる必要は必ずしもなく、画像処理部41等を共用する複数の表示部46が各所に配置されるようにしてもよい。
また、上記実施形態の基板処理システム1は、本発明に係るGUI装置を装備した基板処理システムの一例として示したものであり、システム構成は上記に限定されず任意である。また、既存の基板処理システムに付加される外付けのGUI装置として、本発明が実施されてもよい。
さらに、基板は上記した液晶表示装置用ガラス基板に限定されるものではなく、有機EL表示装置用ガラス基板およびPDP用ガラス基板などのFPD用基板、半導体ウェハ、フォトマスク用ガラス基板、カラーフィルター用基板、記録ディスク用基板、太陽電池用基板、電子ペーパー用基板等の精密電子装置用基板などが本発明の「基板」に含まれる。
以上、具体的な実施形態を例示して説明してきたように、この発明に係るGUI装置においては、滞在期間を第2の軸に平行なバーによって表すチャートが表示されてもよい。このような構成によれば、複数の基板それぞれが各受容部間をどのように移動し、各受容部にどの程度滞在したかが明りょうに表示されることとなる。
また例えば、ユーザーからの操作入力を受け付ける入力部をさらに備え、画像処理部は、情報のうち一部に基づき作成したチャートである主チャートを含む表示画像と、主チャートに表されていない情報に基づき作成したチャートである副チャートを含む表示画像とを、操作入力に応じ切り替えて表示部に表示させるように構成されてもよい。
このように構成された発明では、取得された情報の一部を表す主チャートと、より詳細な情報を含む副チャートとが、ユーザーの指示によって切り替わる。したがって、主チャートに全ての情報を含ませる必要はないので、例えばシステム全体を概括的に検証するのに適した情報だけを用いて表示することができる。そして、副チャートでは、主チャートに表されない情報を詳細に示すことができる。こうすることで、乱れの発生箇所や原因を特定しようとするユーザーの作業を効果的に支援することができる。
この場合、副チャートは例えば、主チャートのうち操作入力により指定された一部の領域を拡大し、主チャートに表されていない情報を加えてグラフ化したものであってもよい。このような構成によれば、システム全体のうち特定の部分についてその状態を詳しく示すことが可能となる。したがって、ユーザーは、システム全体の状況を主チャートから把握することができ、しかも必要な場合にはその一部をより詳細に観察することができる。
また例えば、副チャートは、受容部のうち基板の搬送に関わるものに関する情報に基づくグラフであってもよい。基板の搬送を担う構成は機械的に可動な構成要素を必然的に含んでおり、そのような機械要素は非可動の構成要素に比べると不調を生じやすくなることが避けられない。つまり、他の構成要素に比して基板の流れを乱す原因となりやすい。このことから、基板搬送に関わる受容部の情報を重点的に示すことは極めて合理的である。
また例えば、副チャートは、処理の開始から受容部の各々が基板を受け入れるまたは払い出すまでの時間を表すグラフであってもよい。このようなグラフは、基板が正しい規則性を持って受容部間を受け渡されている状態と、その規則性が崩れた状態とを目視で判断するのに好適なものとなる。
また例えば、副チャートは、受容部ごとの基板の滞在時間の長さを表すグラフであってもよい。このようなグラフは、各受容部が受け入れた基板を所定のタイミングで払い出しているか否かを明確に示すものとなる。特に、複数の基板それぞれの滞在時間を比較可能に表示するようにすれば、例えば一部の基板において滞在時間が他と異なる場合にそのことを容易に発見することが可能になる。
また例えば、副チャートは、一の受容部が一の基板を払い出してから次の基板を払い出すまでのインターバル時間の長さを表すグラフであってもよい。このようなグラフは、本来は一定のインターバルで受容部間を受け渡される基板に不規則な動きがあった場合にこれを容易に発見することが可能になる。