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JP7848618B2 - タイヤ - Google Patents
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JP7848618B2 - タイヤ - Google Patents

タイヤ

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Description

本発明は、タイヤに関する。
下記特許文献1には、車両への装着の向きが指定されたトレッド部を有するタイヤが記載されている。前記トレッド部は、外側ショルダー横溝が形成された外側ショルダー陸部、及び、内側ショルダー横溝が形成された内側ショルダー陸部を含んでいる。前記外側ショルダー横溝は、一対の外側溝壁面を有している。前記内側ショルダー横溝は、一対の内側横溝壁面を有している。前記一対の外側溝壁面には、踏面まで緩傾斜で延びる外側横踏面側部が設けられている。前記一対の内側横溝壁面には、踏面まで緩傾斜で延びる内側横踏面側部が設けられている。
特開2016-159892号公報
車両の走行進路に、例えば、人や物などが急に飛び出してくることがある。このようなときには、これらとの衝突を避けるために、車両を大きく旋回させつつ制動することがある。このため、タイヤには、旋回時の制動性能を向上することが求められている。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出なされたもので、旋回時の制動性能を向上することができるタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明は、トレッド部を有するタイヤであって、前記トレッド部は、車両への装着の向き及びタイヤ回転方向が指定されており、前記トレッド部は、車両装着時に車両の外側に位置する外側トレッド端と、車両装着時に車両の内側に位置する内側トレッド端と、タイヤ軸方向に延びる複数の横溝とを含み、前記複数の横溝は、タイヤ赤道よりも前記外側トレッド端側に配された外側横溝と、タイヤ赤道よりも前記内側トレッド端側に配された内側横溝とを含み、前記外側横溝及び前記内側横溝は、それぞれ、タイヤ回転方向の先着側の第1溝壁を含み、前記各第1溝壁の溝縁の少なくとも一部には、それぞれ、第1面取り部が形成されており、前記横溝の横断面において、前記外側横溝の前記第1面取り部の仮想面取り断面積So1は、前記内側横溝の前記第1面取り部の仮想面取り断面積Si1よりも大きい、タイヤである。
本発明のタイヤは、上記の構成を採用することで、旋回時の制動性能を向上することができる。
本発明のタイヤの一実施形態を示すトレッド部の平面図である。 (A)は、図1のA-A線断面図、(B)は、図1のB-B線断面図である。 横溝の横断面図である。 (A)は、第1外側横溝8Aの横断面図、(B)は、第2外側横溝8Bの横断面図である。 制動時の横溝の変形を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本発明の一実施形態を示すタイヤ1のトレッド部2を展開した平面図である。本発明のタイヤ1は、例えば、乗用車用の空気入りタイヤに用いられる。但し、本発明のタイヤ1は、例えば、重荷重用、自動二輪車用の空気入りタイヤ、及び、内部に圧縮空気が充填されない非空気式タイヤに用いられてもよい。
トレッド部2は、車両への装着の向きが規定されている。これにより、タイヤ1は、車両装着時に車両外側に位置する外側トレッド端T1と、車両内側に位置する内側トレッド端T2とを有する。また、本発明のトレッド部2は、タイヤ回転方向Rが指定されている。
外側トレッド端T1及び内側トレッド端T2は、空気入りタイヤの場合、正規状態のタイヤ1に正規荷重が負荷されキャンバー角0°で平面に接地したときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置である。前記「正規状態」とは、各種の規格が定められた空気入りタイヤ1の場合、タイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。各種の規格が定められていないタイヤや、非空気式タイヤの場合、前記正規状態は、タイヤの使用目的に応じた標準的な使用状態であって無負荷の状態を意味する。本明細書において、特に断りがない場合、タイヤ1の各部の寸法等は、前記正規状態で測定された値である。また、外側トレッド端T1と内側トレッド端T2との間のタイヤ軸方向の距離がトレッド幅TWである。
前記「正規リム」は、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば"標準リム"、TRAであれば"Design Rim"、ETRTOであれば"Measuring Rim"である。
前記「正規内圧」は、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば"最高空気圧"、TRAであれば表"TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES"に記載の最大値、ETRTOであれば"INFLATION PRESSURE"である。
前記「正規荷重」は、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば"最大負荷能力"、TRAであれば表"TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES"に記載の最大値、ETRTOであれば"LOAD CAPACITY"である。各種の規格が定められていないタイヤの場合、「正規荷重」は、上述の規格に準じ、タイヤを使用する上で適用可能な最大の荷重を指す。
本実施形態のトレッド部2には、タイヤ軸方向に延びる複数の横溝4が設けられている。複数の横溝4は、タイヤ赤道Cよりも外側トレッド端T1側に配された外側横溝8と、タイヤ赤道Cよりも内側トレッド端T2側に配された内側横溝9とを含んでいる。
外側横溝8及び内側横溝9は、それぞれ、タイヤ回転方向Rの先着側の第1溝壁10を含んでいる。また、外側横溝8及び内側横溝9は、それぞれ、タイヤ回転方向Rの後着側の第2溝壁11を含んでいる。トレッド平面視において、第1溝壁10及び第2溝壁11は、それぞれ、外側横溝8及び内側横溝9の長手方向に延びている。
図2(A)は、図1のA-A線断面図であり、外側横溝8の横断面が示される。図2(B)は、図1のB-B線断面図であり、内側横溝9の横断面が示される。図2に示されるように、各第1溝壁10の溝縁10eの少なくとも一部には、それぞれ、第1面取り部13A、13Bが形成されている。
図5は、面取り部の設けられていない横溝4が、制動によって変形する状態を示す断面図である。図5では、タイヤが図の左側から右側に向かって進行しており、進行方向が符号Aで示される。図5に示されるように、一般に、制動時は、横溝4の第1溝壁10の溝縁eがトレッド部2の踏面(トレッド踏面)2a側に引き込まれるように大きく変形し、第1溝壁10に繋がるトレッド踏面2aの接地面積を小さくする傾向にある。しかしながら、本実施形態では、制動時において、第1面取り部13が路面に接地するように変形するので、接地面積の低下を抑えることができる。これにより、基本的な制動性能が向上する。
また、一般に、外側トレッド端T1側が旋回外側となるときの外側トレッド端T1側のトレッド部2は、内側トレッド端T2側が旋回外側となるときの内側トレッド端T2側のトレッド部2よりも、大きな横力が作用する。図2に示されるように、本発明では、横溝4の横断面において、外側横溝8の第1面取り部13Aの仮想面取り断面積So1は、内側横溝9の第1面取り部13Bの仮想面取り断面積Si1よりも大きく形成されている。これにより、外側トレッド端T1側が旋回外側となるような走行の制動時においても、第1面取り部13Aが路面に十分に接地するように変形し、外側横溝8が繋がる陸部の接地面積の低下を抑える。したがって、本発明のタイヤ1は、旋回時の制動性能性能を向上することができる。
図1に示されるように、本実施形態のトレッド部2は、タイヤ周方向に連続して延びる周方向溝3が設けられている。周方向溝3は、本実施形態では、外側トレッド端T1に隣接する第1周方向溝21と、第1周方向溝21よりも内側トレッド端T2側に位置する第2周方向溝22と、第2周方向溝22よりも内側トレッド端T2側に位置する第3周方向溝23とを含んでいる。第2周方向溝22は、例えば、タイヤ赤道Cよりも外側トレッド端T1側に位置している。第3周方向溝23は、例えば、タイヤ赤道Cよりも内側トレッド端T2側に位置している。なお、周方向溝3は、3本に限定されるものではなく、4本以上であってもよい。
トレッド部2は、例えば、外側ショルダー陸部5Aと、外側クラウン陸部5Bと、内側ショルダー陸部5Cと、内側クラウン陸部5Dとが形成されている。外側ショルダー陸部5Aは、例えば、外側トレッド端T1と第1周方向溝21との間に区分される。外側クラウン陸部5Bは、例えば、第1周方向溝21と第2周方向溝22との間に区分される。内側ショルダー陸部5Cは、例えば、内側トレッド端T2と第3周方向溝23との間に区分される。内側クラウン陸部5Dは、例えば、第3周方向溝23と第2周方向溝22との間に区分される。外側クラウン陸部5B及び内側クラウン陸部5Dは、例えば、陸部を横断する横溝が形成されないリブ状体として形成される。なお、各陸部5A~5Dは、図示の態様に限定されるものではない。
横溝4は、本実施形態では、直線状に延びている。横溝4は、例えば、波状やジグザグ状や円弧状に延びていても良い。横溝4は、本実施形態では、タイヤ軸方向に対して傾斜している。横溝4は、例えば、タイヤ軸方向と平行に延びていても良い。横溝4及び周方向溝3は、本明細書では、溝幅が1.5mmを超える溝状体のものであり、幅が1.5mm以下の切込み状のサイプとは明瞭に区別される。横溝4の溝幅W1は、例えば、トレッド幅TWの0.5%~5.0%が望ましい。横溝4の溝深さD1(図3に示す)は、例えば、3~8mmが望ましい。
外側横溝8は、本実施形態では、外側ショルダー陸部5Aに設けられている。外側横溝8は、例えば、外側クラウン陸部5Bに設けられても良い。本実施形態の外側横溝8は、外側ショルダー陸部5Aを横断している。外側横溝8は、例えば、一端が外側ショルダー陸部5A内に終端しても良いし、両端が外側ショルダー陸部5A内に終端しても良い。
内側横溝9は、本実施形態では、内側ショルダー陸部5Cに設けられている。本実施形態の内側横溝9は、内側ショルダー陸部5Cを横断している。内側横溝9は、例えば、一端が内側ショルダー陸部5C内に終端しても良いし、両端が内側ショルダー陸部5C内に終端しても良い。
外側横溝8の第1面取り部13Aは、例えば、第1溝壁10Aの長さの70%以上に設けられるのが望ましく、80%以上に設けられるのがさらに望ましく、85%以上に設けられるのが一層望ましい。外側横溝8の第1面取り部13Aは、本実施形態では、第1溝壁10Aの全長さに亘って形成されている。同様に、内側横溝9の第1面取り部13Bは、例えば、第1溝壁10Bの長さの70%以上に設けられるのが望ましく、80%以上に設けられるのがさらに望ましく、85%以上に設けられるのが一層望ましい。内側横溝9の第1面取り部13Bは、本実施形態では、第1溝壁10Bの全長さに亘って形成されている。後述する面取り部についても、同様にその長さが規定される。
図2(A)、(B)に示されるように、各第2溝壁11の溝縁11eの少なくとも一部には、それぞれ、第2面取り部14A、14Bが形成されている。
制動時には、上述の通りの作用により、第1溝壁10が第2溝壁11よりも接地面積を小さくする。このため、横溝4の横断面において、内側横溝9の第1面取り部13Bの仮想面取り断面積Si1は、内側横溝9の第2面取り部14Bの仮想面取り断面積Si2よりも大きく形成して、制動時に接地面積を大きくする効果を発揮させるのが望ましい。仮想面取り断面積Si1が仮想面取り断面積Si2よりも過度に大きいと、トレッド踏面2aの表面積が小さくなり、旋回時や直進時を含み安定した走行性能(操縦安定性能)を図れないそれがある。このため、仮想面取り断面積Si1は、仮想面取り断面積Si2の1.1倍以上が望ましく、1.2以上がさらに望ましく、1.3以上が一層望ましく、1.8以下が望ましく、1.7以下がさらに望ましく、1.6以下が一層望ましい。
制動時において、外側横溝8は、内側横溝9と同様に、第1溝壁10が第2溝壁よりも接地面積を小さくする。このため、横溝4の横断面において、外側横溝8の第1面取り部13Aの仮想面取り断面積So1は、外側横溝8の第2面取り部14Aの仮想面取り断面積So2よりも大きく形成されている。旋回走行時の制動性能と操縦安定性能とを高めるために、仮想面取り断面積So1は、仮想面取り断面積So2の1.1倍以上が望ましく、1.2倍以上がさらに望ましく、1.3以上が一層望ましく、1.8倍以下が望ましく、1.7倍以下がさらに望ましく、1.6以下が一層望ましい。
さらに、旋回時の制動性能を高めるために、横溝4の横断面において、仮想面取り断面積So1と仮想面取り断面積So2との比(So1/So2)は、仮想面取り断面積Si1と仮想面取り断面積Si2との比(Si1/Si2)よりも大きいのが望ましい。旋回走行時の制動性能と操縦安定性能とをバランスよく高めるために、比(So1/So2)/(Si1/Si2)は、1.1以上が望ましく、1.2以上がさらに望ましく、1.3以上が一層望ましく、1.8以下が望ましく、1.7以下がさらに望ましく、1.6以下が一層望ましい。
図3は、横溝4の横断面図である。図3に示されるように、各第1溝壁10は、第1面取り部13と横溝4の溝底4sとを繋いで、第1面取り部13よりもトレッド踏面2aの法線n1に対して小さな角度で傾斜する第1本体部15をさらに含んでいる。第2溝壁11は、第2面取り部14と溝底4sとを繋いで、第4面取り部34よりもトレッド踏面2aの法線n1に対して小さな角度で傾斜する第2本体部16をさらに含んでいる。横溝4の断面形状は、図示の態様に限定されるものではない。
各面取り部(後述する面取り部を含む)の仮想面取り断面積Sは、本明細書では、第1仮想線m1と、第2仮想線m2と、各面取り部13、14とで囲まれる領域の面積である。第1仮想線m1は、トレッド踏面2aを横溝4側に滑らかに延長させた線分である。第2仮想線m2は、横溝4の溝壁の各本体部15、16をタイヤ半径方向外側に滑らかに延長させた線分である。_
、横溝4の長さ方向において仮想面取り断面積Sが変化する場合は、仮想面取り断面積Sの最大値と最小値との平均値が採用される。
各面取り部の仮想面取り断面積Sは、0.5mm以上であるのが望ましい。これにより、制動力が作用した場合、接地面積を効果的に大きくすることができる。仮想面取り断面積Sが過度に大きい場合、この面取り部13に繋がるトレッド踏面2aの面積が小さくなり、トレッド剛性が低下するおそれがある。このため、仮想面取り断面積Sは、0.8mm以上がより望ましく、1.1mm以上が一層望ましく、2.0mm以下が望ましく、1.7mm以下がより望ましく、1.4mm以下が一層望ましい。
図3に示されるように、各面取り部(後述する面取り部を含む)のタイヤ半径方向の長さHaは、横溝4の溝深さD1の5%以上が望ましく、8%以上がより望ましく、11%以上が一層望ましく、20%以下が望ましく、17%以下がより望ましく、14%以下が一層望ましい。また、第1面取り部13の法線n1に対する角度α1、及び、第2面取り部14の法線n1に対する角度α1は、30度以上が望ましく、35度以上がより望ましく、40度以上が一層望ましく、60度以下が望ましく、55度以下がより望ましく、50度以下が一層望ましい。さらに、第1本体部15の法線n1に対する角度α2、及び、第2本体部16の法線n1に対する角度α2は、-15度~+15度が望ましい。
図1に示されるように、外側横溝8は、本実施形態では、タイヤ軸方向に対して第1角度θ1を有する第1外側横溝8Aと、タイヤ軸方向に対して第1外側横溝8Aよりも大きい第2角度θ2を有する第2外側横溝8Bとを含んでいる。
図4(A)は、第1外側横溝8Aの横断面図である。図4(B)は、第2外側横溝8Bの横断面図である。そして、以下の関係を満足するのが望ましい。
Sa1/Sa2>Sb1/Sb2
ここで、
Sa1は、第1外側横溝8Aの第1面取り部13eの仮想面取り断面積、
Sa2は、第1外側横溝8Aの第2面取り部14eの仮想面取り断面積、
Sb1は、第2外側横溝8Bの第1面取り部13iの仮想面取り断面積、及び
Sb2は、第2外側横溝8Bの第2面取り部14iの仮想面取り断面積である。
第1外側横溝8Aは、第2外側横溝8Bに比して、制動力が大きく作用して溝縁の変形が大きくなるので、接地面積が小さくなりやすい。このため、上記関係を満足させることで、第1外側横溝8Aの第1面取り部13eによる接地面積の増加を図り、制動性能及び操縦安定性能を大きくすることができる。
制動性能と操縦安定性能とをバランスよく高めるために、比(Sa1/Sa2)と比(Sb1/Sb2)との比((Sa1/Sa2)/(Sb1/Sb2))は、1.1以上が望ましく、1.2以上がさらに望ましく、1.3以上が一層望ましく、1.8以下が望ましく、1.7以下がさらに望ましく、1.6以下が一層望ましい。この場合、第1外側横溝8Aの角度θ1と第2外側横溝8Bの角度θ2との差(θ2-θ1)は、20~50度とされる。
例えば、外側ショルダー陸部5Aには、第2外側横溝8Bが設けられず、第1外側横溝8Aのみが設けられてもよい。この場合、第1外側横溝8Aの角度θ1は、5度以上が望ましく、10度以上がさらに望ましく、45度以下が望ましく、30度以下がさらに望ましい。
図1に示されるように、第1外側横溝8A及び第2外側横溝8Bは、本実施形態では、タイヤ周方向に交互に並んでいる。これにより、外側ショルダー陸部5Aのタイヤ周方向の剛性の変化が小さくなり、旋回性能が維持される。
外側横溝8は、タイヤ赤道Cから外側トレッド端T1側に向かってタイヤ回転方向Rの後着側に延びている。本実施形態では、第1外側横溝8A及び第2外側横溝8Bのそれぞれが、タイヤ赤道Cから外側トレッド端T1側に向かってタイヤ回転方向Rの後着側に延びている。同様に、内側横溝9は、タイヤ赤道Cから内側トレッド端T2側に向かってタイヤ回転方向Rの後着側に延びている。このような外側横溝8及び内側横溝9は、制動力をタイヤ軸方向の両側に分散できるので、操縦安定性能を高めることができる。
周方向溝3は、本実施形態では、外側トレッド端T1側の外側溝壁31と、内側トレッド端T2側の内側溝壁32とを含んでいる。外側溝壁31には、第3面取り部33が形成されている。また、内側溝壁32には、第4面取り部34が形成されている。本実施形態では、第1周方向溝21、第2周方向溝22及び第3周方向溝23のそれぞれの外側溝壁31には、第3面取り部33が設けられており、それぞれの内側溝壁32には、第4面取り部34が設けられている。このような第3面取り部33及び第4面取り部34は、左右のいずれかの旋回においても、トレッド踏面2aの接地面積を増加させるので、旋回時の制動性能を高める。
相対的に大きな横力が作用する外側トレッド端T1側が旋回外側となる走行では、外側溝壁31及び内側溝壁32は、ともに内側トレッド端T2側に移動するように変形する。換言すると、この旋回走行では、内側溝壁32の溝縁は、トレッド踏面2a側に移動し、外側溝壁31の溝縁は、外側溝壁31を有する周方向溝3の溝中心線側に移動する。このため、内側溝壁32の溝縁は、トレッド踏面2aに邪魔をされてスムーズな変形ができず、接地面積の減少を招くおそれが高い。他方、前記溝中心線側に移動する外側溝壁31の溝縁は、相対的に自由に変形できるので、接地面積の減少が抑えられる。したがって、第4面取り部34の仮想面取り断面積S4を、第3面取り部33の仮想面取り断面積S3よりも大きくすることで、前記旋回走行において、内側溝壁32の第4面取り部34がスムーズに変形して、接地面積の減少を有効に抑えることができる。
このような作用をさらに発揮させるために、第4面取り部34の仮想面取り断面積S4は、第3面取り部33の仮想面取り断面積S3の1.1倍以上であるのが望ましい。仮想面取り断面積S4が仮想面取り断面積S3よりも過度に大きい場合、内側溝壁32が繋がるトレッド踏面2aの面積が小さくなり、そのトレッド剛性が過度に低下するおそれがある。または、第3面取り部33の仮想面取り断面積S3が小さくなり、旋回時の接地面積の低下を抑えられなくなるおそれがある。このため、仮想面取り断面積S4は仮想面取り断面積S3の1.15倍以上がさらに望ましく、1.3倍以下が望ましく、1.25倍以下がさらに望ましい。
第1周方向溝21の第4面取り部34の仮想面取り断面積S4a(図示省略)は、第2周方向溝22の第4面取り部34の仮想面取り断面積S4b(図示省略)よりも大きいのが望ましい。これにより、相対的に大きな横力が作用する外側トレッド端T1が旋回外側となる旋回走行において、第1周方向溝21の内側溝壁32に繋がる陸部のトレッド剛性の低下を大きく抑制することができる。上述の作用を効果的に発揮するために、第2周方向溝22の第4面取り部34の仮想面取り断面積S4bは、第3周方向溝23の第4面取り部34の仮想面取り断面積S4c(図示省略)よりも大きいのが望ましい。
タイヤ赤道Cよりも外側トレッド端T1側に位置するトレッド部2のランド比は、タイヤ赤道よりも内側トレッド端T2側に位置する前記トレッド部のランド比の0.52倍以上が望ましく、0.55倍以上がさらに望ましく、0.65倍以下が望ましく、0.62倍以下がさらに望ましい。ランド比は、本明細書では、トレッド踏面2aの面積R1と、周方向溝3及び横溝4を埋めて得られる仮想のトレッド部踏面の面積R2との比(R1/R2)である。
本実施形態のトレッド部2は、タイヤ赤道Cの両側で非対称のトレッドパターンである。そして、このようなトレッドパターンでは、外側トレッド端T1側のトレッド部2と内側トレッド端T2側のトレッド部2とでは、トレッド剛性が均一となっていない。しかしながら、本発明のタイヤ1は、外側横溝8及び内側横溝9の第1溝壁10A、10Bに第1面取り部13A、13Bを設けている。また、本発明のタイヤ1は、外側横溝8の第1面取り部13Aの仮想面取り断面積So1を、内側横溝9の第1面取り部13Bの仮想面取り断面積Si1よりも大きくしている。これにより、旋回走行時に大きな横力が作用して変形が起こりやすい外側トレッド端T1側のトレッド踏面2aの接地面積の低下を抑えることができるので、優れた旋回時の制動性能を発揮することができる。
以上、本発明の一実施形態が詳細に説明されたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されることなく、種々の態様に変更して実施され得る。
図1の基本パターンを有するタイヤが、表1の仕様に基づき試作された。そして、各テストタイヤの旋回時の制動性能についてテストがされた。各テストタイヤの共通仕様、及び、テスト方法は、以下の通りである。
外側ショルダー陸部:第1外側横溝のみが設けられる。
Si1:実施例及び比較例にて同じである。
<旋回時の制動性能>
各テストタイヤが下記テスト車両の全輪に装着された。テストドライバーが、前記テスト車両をドライアスファルト路面のテストコースにて走行させた。このとき、テスト車両を急に旋回しつつ制動したときの安定感や操作性に関する制動性能がテストドライバーの官能により評価された。結果は、比較例1を100とする評点で示される。数値が大きい程、優れている。
タイヤサイズ:245/40R18
リム:18×8.5J
内圧(kPa):230(全輪)
車両:排気量2500ccの後輪駆動車
テストの結果が表1に示される。
テストの結果、実施例のタイヤは、優れた旋回時の制動性能を有していることが確認できた。
[付記]
本発明は以下の態様を含む。
[本発明1]
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部は、車両への装着の向き及びタイヤ回転方向が指定されており、
前記トレッド部は、車両装着時に車両の外側に位置する外側トレッド端と、車両装着時に車両の内側に位置する内側トレッド端と、タイヤ軸方向に延びる複数の横溝とを含み、
前記複数の横溝は、タイヤ赤道よりも前記外側トレッド端側に配された外側横溝と、タイヤ赤道よりも前記内側トレッド端側に配された内側横溝とを含み、
前記外側横溝及び前記内側横溝は、それぞれ、タイヤ回転方向の先着側の第1溝壁を含み、
前記各第1溝壁の溝縁の少なくとも一部には、それぞれ、第1面取り部が形成されており、
前記横溝の横断面において、前記外側横溝の前記第1面取り部の仮想面取り断面積So1は、前記内側横溝の前記第1面取り部の仮想面取り断面積Si1よりも大きい、
タイヤ。
[本発明2]
前記内側横溝及び前記外側横溝は、それぞれ、タイヤ回転方向後着側の第2溝壁を含み、
前記各第2溝壁の溝縁の少なくとも一部には、それぞれ、第2面取り部が形成されており、
前記横溝の横断面において、前記内側横溝の前記第1面取り部の仮想面取り断面積Si1は、前記内側横溝の前記第2面取り部の仮想面取り断面積Si2よりも大きい、本発明1に記載のタイヤ。
[本発明3]
前記仮想面取り断面積Si1は、前記仮想面取り断面積Si2の1.1倍以上である、本発明2に記載のタイヤ。
[本発明4]
前記横溝の横断面において、前記外側横溝の前記第1面取り部の仮想面取り断面積So1は、前記外側横溝の前記第2面取り部の仮想面取り断面積So2よりも大きい、本発明2又は3に記載のタイヤ。
[本発明5]
前記仮想面取り断面積So1は、前記仮想面取り断面積So2の1.1倍以上である、本発明4に記載のタイヤ。
[本発明6]
前記横溝の横断面において、前記仮想面取り断面積So1と前記仮想面取り断面積So2との比(So1/So2)は、前記仮想面取り断面積Si1と前記仮想面取り断面積Si2との比(Si1/Si2)よりも大きい、本発明4又は5に記載のタイヤ。
[本発明7]
前記外側横溝は、タイヤ軸方向に対して第1角度を有する第1外側横溝と、タイヤ軸方向に対して前記第1外側横溝よりも大きい第2角度を有する第2外側横溝とを含み、
以下の関係を満足する、本発明2ないし6のいずれかに記載のタイヤ。
Sa1/Sa2>Sb1/Sb2
ここで、
Sa1は、前記第1外側横溝の前記第1面取り部の仮想面取り断面積、
Sa2は、前記第1外側横溝の前記第2面取り部の仮想面取り断面積、
Sb1は、前記第2外側横溝の前記第1面取り部の仮想面取り断面積、及び
Sb2は、前記第2外側横溝の前記第2面取り部の仮想面取り断面積である。
[本発明8]
前記第1外側横溝及び前記第2外側横溝は、タイヤ周方向に交互に並んでいる、本発明7に記載のタイヤ。
[本発明9]
タイヤ赤道よりも前記外側トレッド端側に位置する前記トレッド部のランド比は、タイヤ赤道よりも前記内側トレッド端側に位置する前記トレッド部のランド比の0.52~0.65倍である、本発明1ないし8のいずれかに記載のタイヤ。
1 タイヤ
2 トレッド部
4 横溝
8 外側横溝
9 内側横溝
10 第1溝壁
10e 溝縁
13 第1面取り部
14 第1外側途切れ端
Wa 第1陸部の幅
Wb 第2陸部の幅
T1 外側トレッド端

Claims (9)

  1. トレッド部を有するタイヤであって、
    前記トレッド部は、車両への装着の向き及びタイヤ回転方向が指定されており、
    前記トレッド部は、車両装着時に車両の外側に位置する外側トレッド端と、車両装着時に車両の内側に位置する内側トレッド端と、タイヤ軸方向に延びる複数の横溝とを含み、
    前記複数の横溝は、タイヤ赤道よりも前記外側トレッド端側に配された外側横溝と、タイヤ赤道よりも前記内側トレッド端側に配された内側横溝とを含み、
    前記外側横溝及び前記内側横溝は、それぞれ、タイヤ回転方向の先着側の第1溝壁を含み、
    前記各第1溝壁の溝縁の少なくとも一部には、それぞれ、第1面取り部が形成されており、
    前記横溝の横断面において、前記外側横溝の前記第1面取り部の仮想面取り断面積So1は、前記内側横溝の前記第1面取り部の仮想面取り断面積Si1よりも大きい、
    タイヤ。
  2. 前記内側横溝及び前記外側横溝は、それぞれ、タイヤ回転方向後着側の第2溝壁を含み、
    前記各第2溝壁の溝縁の少なくとも一部には、それぞれ、第2面取り部が形成されており、
    前記横溝の横断面において、前記内側横溝の前記第1面取り部の仮想面取り断面積Si1は、前記内側横溝の前記第2面取り部の仮想面取り断面積Si2よりも大きい、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記仮想面取り断面積Si1は、前記仮想面取り断面積Si2の1.1倍以上である、請求項2に記載のタイヤ。
  4. 前記横溝の横断面において、前記外側横溝の前記第1面取り部の仮想面取り断面積So1は、前記外側横溝の前記第2面取り部の仮想面取り断面積So2よりも大きい、請求項2に記載のタイヤ。
  5. 前記仮想面取り断面積So1は、前記仮想面取り断面積So2の1.1倍以上である、請求項4に記載のタイヤ。
  6. 前記横溝の横断面において、前記仮想面取り断面積So1と前記仮想面取り断面積So2との比(So1/So2)は、前記仮想面取り断面積Si1と前記仮想面取り断面積Si2との比(Si1/Si2)よりも大きい、請求項4に記載のタイヤ。
  7. 前記外側横溝は、タイヤ軸方向に対して第1角度を有する第1外側横溝と、タイヤ軸方向に対して前記第1外側横溝よりも大きい第2角度を有する第2外側横溝とを含み、
    以下の関係を満足する、請求項2に記載のタイヤ。
    Sa1/Sa2>Sb1/Sb2
    ここで、
    Sa1は、前記第1外側横溝の前記第1面取り部の仮想面取り断面積、
    Sa2は、前記第1外側横溝の前記第2面取り部の仮想面取り断面積、
    Sb1は、前記第2外側横溝の前記第1面取り部の仮想面取り断面積、及び
    Sb2は、前記第2外側横溝の前記第2面取り部の仮想面取り断面積である。
  8. 前記第1外側横溝及び前記第2外側横溝は、タイヤ周方向に交互に並んでいる、請求項7に記載のタイヤ。
  9. タイヤ赤道よりも前記外側トレッド端側に位置する前記トレッド部のランド比は、タイヤ赤道よりも前記内側トレッド端側に位置する前記トレッド部のランド比の0.52~0.65倍である、請求項1に記載のタイヤ。
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