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JPH0114965B2 - - Google Patents
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JPH0114965B2 - - Google Patents

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JPH0114965B2
JPH0114965B2 JP57185791A JP18579182A JPH0114965B2 JP H0114965 B2 JPH0114965 B2 JP H0114965B2 JP 57185791 A JP57185791 A JP 57185791A JP 18579182 A JP18579182 A JP 18579182A JP H0114965 B2 JPH0114965 B2 JP H0114965B2
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slab
hot working
hic
less
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JP57185791A
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Takaharu Konno
Kazuomi Toyoda
Akira Ito
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Publication date
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Publication of JPH0114965B2 publication Critical patent/JPH0114965B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D7/00Modifying the physical properties of iron or steel by deformation
    • C21D7/13Modifying the physical properties of iron or steel by deformation by hot working

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は硫化水素あるいはさらに二酸化炭素を
含む湿潤環境下(以後サワー環境と言う)におい
て、特にこれを高濃度に含むサワー環境下におい
て、極めて優れた耐水素誘起割れ特性を有する鋼
材に関するものである。 サワー環境において使用されるラインパイプ、
タンク類等の鋼材には水素誘起割れ(以後HICと
言う)と称する割れが発生し、構造物の破損につ
ながることが知られている。HICの発生機構は、
サワー環境下で起る鋼材表面の腐食によつて生じ
た原子状の水素が鋼材中に侵入し、鋼材中の
MnSや酸化物系クラスター状介在物のような層
状な広がりをもつ介在物のまわりに集積して割れ
が生じるものと考えられている。 介在物を起点に発生したHICは、鋼材中の成
分、組織、硬さ等の不均質な部分に沿つて伝播・
助長する。この不均質部分は特に鋳片の最終凝固
部つまり均等冷却で凝固した鋳片の所謂中心部に
相当する位置(以下中心偏析帯と言う。)に発生
しやすく、この位置にHICが発生しやすいことも
知られている。 この問題を解決するため、従来次に示すような
方法が試みられている。 (1) 鋼材表面の腐食を抑制するか、あるいは表面
に安定被膜を形成する元素であるCu、Ni、Cr
等を添加して、腐食に伴う鋼中への侵入水素を
低減させる方法。 (2) S含有量の低減あるいはCa、REM等を添加
し、MnSを減少させ、あるいは有害度の小さ
い球状介在物に形態制御し、HICの発生を抑制
する方法。 (3) C、Mn、P等の含有量を低減し、あるいは
鋳片を均熱拡散処理して、中心偏析帯の濃縮し
た成分を稀釈し、HICの伝播・助長を抑制する
方法。 (4) 適切な熱延方法により鋼材の組織や硬さを均
一化し、HICの伝播・助長を抑制する方法。 しかし、従来試みられた方法には次のような問
題点を有している。即ち(1)の方法に関しては、石
油・天然ガス用ラインパイプを例にとると、通常
定期的に行われる内部清掃の際に内部を通す器具
(ピグ;Pigと称す)によつてパイプの内面に傷
を生じることがあり、一度傷を生ずるとこれが原
因となつて局部的な腐食が発生する。そのため、
(1)の方法のみでは十分な効果は望み得ず、他の方
法を併用しているのが一般的である。 (2)の方法に関しては、HICの発生起点となる
MnSを消滅させるためにSを低減する方法が試
みられている。しかし鋳片の最終凝固部は合金お
よび不純物元素を多く含む濃化溶鋼が存在するの
でMnSが発生しやすく、最終凝固部を含む鋳片
全断面においてMnSを消滅させる程度までSを
低減させることは、現在の工業的規模の生産工程
においては極めて困難である。従つて、Ca、
REM等を添加しMnSを形態制御する方法がSを
低減させる方法とともに試みられてきた。 しかし、CaあるいはREMを過剰に添加すると
クラスター状介在物が多く生成し有害となり、添
加量が不足するとMnSを完全に形態制御できず
目的を達し得ない。 そのため、MnSを完全に形態制御し、かつク
ラスター状介在物を生じさせない適正なCaある
いはREM添加量をSおよびO含有量との関係に
おいて求めようとする試みが種々行われている。 しかし、母溶鋼あるいは鋼材全断面の平均S、
OおよびCa含有量の関係式で経験的に数値規制
を求めた従来の方法では、鋳片の中心偏析帯の
MnSを完全に形態制御し、HICの発生を無くし、
耐水素誘起割れ性の優れた鋼材を得るには、前述
の如く、最終凝固部の溶鋼成分が設計成分即ち母
溶鋼あるいは鋼材の平均成分と大きく異ることか
ら、その信頼度において劣り、極めて不十分なも
のである。 (3)の方法に関しては、C、Mnの低減は、経済
的理由を考慮して鋼材の強度および靭性を確保す
る点から自ずから下限が規制され、Pの低減につ
いても、実質的に無害な程度まで低減すること
は、現在の工業的規模の生産工程においては作業
上および経済的障害が極めて大きい。また鋳片を
均熱拡散して偏析を軽減する方法も、耐水素誘起
割れ性の優れた鋼材を得るには極めて長時間かつ
高温の均熱(例えば1200℃以上の温度で3時間)
が必要であり、製造コストさらには省エネルギー
の観点から問題である。 上記に鑑み本発明者等は、種々実験検討を重
ね、鋳片の中心偏析帯のS、O、Ca含有量の関
係式からなるMnSの形態制御の度合を示す指数
とHIC発生率の間に、母溶鋼あるいは鋼材全断面
の平均S、O、Ca含有量に基く形態制御指数を
用いた従来の方法に比べて極めて明瞭な関係があ
り、この偏析帯のS、O、Ca含有量からなる形
態制御指数が適正範囲を満足した鋳片から、耐水
素誘起割れ性の優れた鋼材が信頼度高く得られる
ことを見出した。 つまり本発明者等は耐水素誘起割れ性の優れた
鋼材を開発するための研究を鋭意行つた過程にお
いて、HICが殆ど全て鋼材の厚み方向最終凝固部
つまり均等冷却を行つた鋳片では厚み方向の中心
に相当する中心偏析帯部分に発生しており、その
部分を詳細に調査した結果、MnSが存在するこ
とを確認した。 本発明者等は中心偏析帯の合金および不純物元
素の偏析を軽減ないし消滅させる方法とともにこ
のMnSを消滅せしめることが不可欠と考え、Ca
添加によるMnSの形態制御を行い、母溶鋼のS、
O、Ca含有量からなる形態制御指数を求め、そ
の溶鋼から製造された鋼材のHIC発生率との関係
を求めるべく試行錯誤したが、満足すべき明瞭な
関係が見出せなかつた。しかるにHIC発生位置に
おけるMnSの形態制御された度合、即ち鋳片の
厚み方向最終凝固部に相当する厚み中心部の形態
制御指数とHIC発生率を対応させることを試みた
結果、鋳片の厚み方向最終凝固部の形態制御指数
と当該鋳片を熱間圧延した鋼材から切出した試験
片のHIC発生率が第1図の関係にあることを得
た。しかもこの関係は第2図に示すところの、前
に述べた溶鋼の形態制御指数と当該溶鋼から製造
された鋼材のHIC発生率との関係に比べて極めて
明瞭な関係があることを見出した。 このことは、従来のように比較的甘いサワー環
境で使用される鋼材で、かつHIC発生率について
の保証すべき品質水準が低い場合は、実用上溶鋼
のS、O、Ca含有量に基く形態制御指数を用い
た大まかな管理つまり全体レベルを改善する方法
で、それほど大きな問題を生じることはなかつた
ものが、現在のように苛酷なサワー環境で使用さ
れ、かつHIC発生による構造物破損の与える自然
環境の破壊、人的災害の発生等社会的影響の大な
ることを考慮したHIC防止基準の場合、もはや従
来の考え方は通用せず、より事実にもとづいた、
より優れた方法つまり、全体レベルを改善するの
みでなく、真の問題点の改善を行うことにより、
信頼度の高い耐水素誘起割れ性の優れた鋼材を開
発すべきであることを認識せしめると共に、この
発見によつて、真のHIC対策がなされることを示
すものである。 この知見をもとに、更に実験検討を重ねた結果
鋳片の熱間圧延をオーステナイト温度域あるいは
オーステナイト・フエライト二相共存温度域で温
度を限定し、かつ断面減少率を限定して実施する
か、最終熱間圧延の圧延終了温度、冷却停止点お
よびそこまでの冷却速度を限定するか、更に両者
を併用することにより耐HIC性は更に向上するこ
とを見出した。 本発明者等は上記の知見をもとにC、Mn、P
等の偏析を軽減ないし消滅させることが、偏析帯
に相当する位置のHICの発生、伝播・助長を無く
すには不可欠と考え、凝固する迄の段階でC、
Mn、P等の偏析を実質上無害な程度まで低減す
ることを検討し、現在の工業的規模の生産工程に
は経済的に極めて困難であり、これにかえて、鋳
片内に発生した或る程度の偏析を均熱拡散により
実質上無害な程度に低減することがコスト的にも
有利な方法で、しかもこれを効果的に実施するに
は、比較的低いオーステナイト温度域で鋳片に十
分な加工を加え、加熱拡散処理に供することが、
鋳片内の偏析元素の拡散を著しく促進、助長させ
ることができ、HICの伝播・助長を抑制する効果
大なることを見出した。 本発明は以上の知見に基き、実用上経済的で、
かつ信頼度の高い耐水素誘起割れ性の優れた鋼材
を製造する方法を見出したもので、その特徴とす
るところは、 1 S:0.004%以下、O:0.004%以下、Ca:
0.008%以下を含有する溶鋼を連続鋳造して最
終凝固部に相当する位置のS、O、Caの含有
量が 1.0≦〔%Ca〕{1−72〔%O〕}/1.25〔%S〕≦2.5 を満足する鋳片を得て、この鋳片を加熱し800
℃以上の高温で最終熱間加工を終了し、加工終
了後の平均冷却速度5〜40℃/secで、400℃以
上600℃以下の範囲まで冷却し、その後放冷す
ることを特徴とする、耐水素誘起割れ性の優れ
た鋼材の製造方法。 2 S:0.004%以下、O:0.004%以下、Ca:
0.008%以下を含有する溶鋼を連続鋳造して最
終凝固部に相当する位置のS、O、Caの含有
量が 1.0≦〔%Ca〕{1−72〔%O〕}/1.25〔%S〕≦2.5 を満足する鋳片を得て、この鋳片に1200℃以下
のオーステナイト温度域あるいはAr1温度以上
Ac3温度以下のオーステナイト・フエライト二
相共存温度域で、断面減少率20%以上の一次熱
間加工を施し、その後、鋳片の中心温度を1000
℃以上で30分以上保定し、その後800℃以上の
高温で最終熱間加工を終了し、加工終了後の平
均冷却温度5〜40℃/secで、400℃以上600℃
以下の範囲まで冷却し、その後放冷することを
特徴とする耐水素誘起割れ性の優れた鋼材の製
造方法である。 尚、本発明でAr1温度とは鉄または鋼を冷却し
た場合にオーステナイトからフエライトへの変態
が終了する温度、Ac3温度とは鉄または鋼を加熱
した場合にフエライトからオーステナイトへの変
態が終了する温度をいう。 以下本発明の構成要件の限定理由について述べ
る。 まず、鋳片の最終凝固部に相当する位置のS、
O、Ca含有量からなる関係式が1.0≦
〔%Ca〕・{1−72〔%O〕}/1.25〔%S〕≦2.5を
満足するように したのはCaがSよりも酸素との親和力が強いこ
とから酸素と結合したCaを差引いた残りのCa(有
効Ca)がSと原子量比で結合し、S量に見合う
だけの有効CaがあればMnSは完全に形態制御さ
れていることを示すものであり、酸素との結合に
消費されるCa量に見合う修正代を、鋼材中の介
在物の数量およびその構成成分元素量等を調査し
て求めた事実に基くものである。 従つて、上記式が1.0であつても必ずしもMnS
を完全に皆無にし得ない操業技術もあるので実用
上好ましくは下限1.2以上とし、上限の2.5をクラ
スター状介在物発生の危険性およびCa添加量を
必要最少限に抑える経済的理由から好ましくは
2.0以下とする。 尚、ここで用いた鋳片の厚み方向最終凝固部、
つまり厚み中心部のS、O、Caの含有量は、鋳
片の厚み中心部5〜10mmの位置を成分分析したも
のである。これは鋼材にHICが発生する位置即ち
鋼の厚み中心部のHIC発生部の厚みに相当する値
を圧延での圧下比を考慮して求めたものである。 1200℃以下のオーステナイト温度域あるいは
Ar1温度以上Ac3温度以下のオーステナイト・フ
エライト二相温度共存域で、断面減少率20%以上
の一次熱間加工を行い、かかる処理を行つた鋳片
の最終凝固部に相当する位置のS、O、Ca含有
量が1.0≦〔%Ca〕・{1−72〔%O〕}/1.25〔%S
〕≦2.5を満足 するとしたのは、双方の要件を満足する鋳片から
製造された鋼材においては、さらに優れた耐水素
誘起割れ性を示すことから限定した。 即ち、鋳片の中心偏析帯部(鋳片厚み方向最終
凝固部)のS、O、Ca含有量が1.0≦
〔%Ca〕・{1−72〔%O〕}/1.25〔%S〕≦2.5を
満足した鋳片に 上記の一次熱間加工を施さない鋼材においては、
PH5.2の比較的甘いサワー環境では第1図に示す
如くHICの発生皆無あるいは実質上無害な程度に
なるものの、第3図のスラブ一次熱間加工なしの
如くPH4.0の厳しいサワー環境では有害視される
程度のHICの発生がしばしば現出する。 ところが、かかる上記の一次熱間加工を施した
鋼材においては、第3図のスラブ処理ありの如く
PH4.0の厳しいサワー環境においても、信頼度高
くHIC皆無の鋼材を得ることができるのである。 また、この要件を満足する鋳片はその後におい
て後述する偏析の拡散促進処理を行う場合、その
効果を著しく増大させ、経済的および省エネルギ
ーの観点から有利な方法でしかもその結果耐水素
誘起割れ性を向上する。 また、最終熱間加工を行うにおいて、800℃以
上好ましくは850℃以上の温度で最終熱間加工を
終了し、加工終了後平均冷却速度5〜40℃/sec
で400℃以上600℃以下の範囲まで冷却し、その後
放冷する方法を必須条件としたのは、かかる条件
を満足しない場合は鋼材中、特に厚み方向最終凝
固部つまり中心偏析帯に相当する位置にバンド状
の不均一組織を生じ、あるいは異常硬化した硬さ
不均一部を生じて、HICの発生および伝播を阻止
し得ないからである。 第6図は最終熱間加工終了温度および冷却停止
温度とHIC発生率の関係を示すものであるが、最
終熱間加工終了温度が800℃以上で冷却停止温度
が400〜600℃の領域ではPH4.0の苛酷なサワー環
境下においても全くHICの発生なはく、優れた耐
水素誘起割れ特性を有している。 即ち、最終熱間加工終了温度が800℃未満では
バンド状組織が発生し、冷却停止温度が600℃超
においてもバンド状組織が発生する。また冷却停
止温度が400℃未満では中心偏析帯に相当する位
置に異常硬化した硬さ不均一部を生じる。加工終
了後の平均冷却速度が5℃/sec未満では第7図
に示すようにHIC発生率が増加する。その理由は
やはりバンド状組織の発生による。また、40℃/
sec超では厚み方向最終凝固部つまり中心偏析帯
に相当する位置に異常硬化した硬さ不均一部を生
じるため、やはりHIC発生率が高くなる。 最終熱間圧延における前述の構成要件を満足し
た鋼材においては、鋼材中の組織および硬さが均
一となり、HICの伝播・助長が阻止され、優れた
耐水素誘起割れ性が得られる。 第4図は、前記した加工による偏析元素の拡散
促進効果の一つである拡散定数の増大効果と一次
熱間加工温度との関係を示したもので、本発明は
この効果を活用してHIC特性を更に改善できるも
のである。偏析元素としては、Si−Mn系普通鋼
のPに着目し、各一次熱間加工温度において鋳片
の断面減少率45%の加工を加え、その後、1100℃
において保定した場合の効果である。破線Aは一
次熱間加工を加えなかつた場合の1100℃における
Pの拡散定数、実線Bは一次熱間加工を加えた場
合の1100℃におけるPの拡散定数を示す。あらか
じめ一次熱間加工を加えておくことにより、その
後の高温保定における拡散定数の値が、一次熱間
加工を加えなかつた場合に比べ増大していること
がわかる。その場合、一次熱間加工による拡散定
数の増大効果は一次熱間加工温度が1200〜1150℃
以下で顕著であり、1200℃以上ではほとんど効果
はない。 鋳片に一次熱間加工を加えるためには、変形抵
抗を低くする観点からはオーステナイト温度域で
加工するのがよいが、加工の効果を与えるために
はオーステナイト・フエライト二相共存温度域で
加工してもよい。特に、鋳片または鋼片を加熱し
て熱間加工を行う場合には、全体がオーステナイ
ト化する以前に加工をすることがしばしば実際的
である。鋳片の一次熱間加工量は大きい方がその
後の偏析元素の拡散を促進する効果が大きく、実
質的な効果を得るためには鋳片の断面減少率で20
%以上が必要である。鋳片の断面減少率が20%未
満の一次熱間加工量では偏析元素の拡散に対する
効果が少ない。 第5図は、拡散定数の増大効果と一次熱間加工
量との関係を示したものである。第4図と同様に
偏析元素としてはSi−Mn系普通鋼のPに着目し、
1000℃において鋳片に各断面減少率の一次熱間加
工を加え、その後、1100℃において保定した場合
の結果である。破線Cは一次熱間加工を加えなか
つた場合の1100℃におけるPの拡散定数、実線D
は一次熱間加工を加えた場合の1100℃におけるP
の拡散定数を示す。一次熱間加工による拡散定数
の増大効果は、熱間加工における鋳片の断面減少
率が20%以上の場合に顕著であり、20%以下では
ほとんど効果がない。 一次熱間加工工程には鋳片を加熱して加工温度
に到達させてもよいし、連続鋳造鋳片のような場
合には凝固後の冷却過程で加工に入つてもよい。 次に鋳片の一次熱間加工後の加熱拡散条件にお
ける保定について述べる。鋳片の一次熱間加工に
より導入された欠陥を媒介とする偏析元素の拡散
が十分に行われるように、鋳片の中心温度が1000
℃以上で保定は30分以上が必要である。鋳片内に
存在する偏析の状態(偏析領域の大きさ、偏析
比、偏析元素等)および所要の鋼材特性により必
要保定時間は異なり、例えば、通常の連続鋳造鋳
片から製造された鋼板が硫化水素飽和PH3の溶液
中で、割れの発生が著しく低減するためには1時
間以上の保定が必要である。また、保定時間が著
しく長くなる場合は経済的に本発明の効果が減少
するので、5時間の保定時間を上限とする。なお
保定時間とは拡散が効率的におこる温度範囲での
積算時間であつて一定温度に保たれる時間を意味
しない。尚、偏析比とは、ある合金元素もしくは
不純物元素の平均濃度と偏析領域での最高濃度と
の比をさす。鋳片の一次熱間加工工程からその後
の加熱拡散工程へは、一次熱間加工および高温保
定の設定温度条件に従つて、連続的に移行しても
よいし、再加熱によつて移行してもよい。この一
次熱間加工後の加熱拡散工程の温度は1000℃以上
と指定したが合金元素もしくは不純物元素の拡散
常数は温度にたいして連続的に変化するものであ
り、1000℃以下であつても保定時間を十分に長く
とれば均一化は可能である。ただ長時間を要する
ので経済的な利点が減少し、実用性が低下する。
また加熱拡散工程の温度は一次熱間加工温度より
も高い場合に拡散促進効果が大きいことは経験的
に見出されたことであり、1000℃以上でかつ一次
熱間加工開始温度よりも高くすることが有効であ
る。尚、加熱拡散工程の上限温度に対しても経済
的な利点を考慮すれば、1250℃以下であることが
望ましい。 従来から鋼材の製造においては鋼塊あるいは連
続鋳造鋳片の分塊圧延が行われている。この場合
の分塊圧延の目的は、鋼材圧延機の能力の範囲内
で圧延後の鋼材から所定寸法の製品が歩留りよく
得られるように、鋼片の大きさを調整することに
ある。最近、省エネルギーの観点から分塊圧延時
の加熱温度および圧延温度を低下させる傾向にあ
るが、これは鋼塊あるいは連続鋳造鋳片内に存在
する偏析を偏析元素の拡散により軽減せしめると
の観点から行われているものではない。むしろ、
一般的には分塊圧延時の加熱温度および圧延温度
の低下は偏析軽減効果に対して逆の作用をもたら
すと考えるのが普通である。また分塊圧延後の鋼
片の圧延に先だつ再加熱工程は、鋼片を圧延に必
要な温度に均熱化させることが目的であり、本発
明の中心をなす鋳片の一次熱間加工工程と組み合
わされた高温保定工程とは目的、作用、効果とも
に異なるものである。従つて、本発明における一
次熱間加工および保定は上記の鋼塊あるいは連続
鋳造鋳片の分塊圧延とは本質的に異る全く新しい
目的のもとに全く新しい作用効果をもたらすもの
である。 尚本発明においては、化学成分について特に限
定するものではないが、好ましい範囲を示せば、
Cは主として脱酸剤および強度確保の目的で添加
するものであり、耐サワー性、靭性および溶接性
確保の面からできるだけ少い方がよく、両者の兼
合いから適当な含有量が決定されるもので、通常
0.02〜0.14%(重量比−以下同)が望ましい。 Mnは主として強度および靭性確保の目的で添
加するが、耐サワー性の確保およびコストの点か
らできるだけ少い方がよく、0.5〜1.4%が好まし
く、 Siは脱酸剤として添加するものであるが、過大
な添加は靭性劣化を招くおそれがあり、0.40%以
下が望ましい。 Alは同じく脱酸の目的で添加するものである
が、過大な添加は酸化物系介在物の増加、靭性劣
化等を招くおそれがあり、好ましくは0.08%以
下、 Pは耐サワー性の面からできるだけ少い方がよ
く、工業的規模における通常の製造方法において
は、好ましき範囲を0.015%以下(尚、さらに好
ましくは0.006%以下)、 SはPと同様にできるだけ少い方がよく、
0.004%以下、 Oは介在物生成の面からできるだけ少い方がよ
く、0.004%以下とする。 尚、CaはSおよびO含有量に基いて、必要添
加量が決まるものであるが、SおよびOをできる
だけ低くして、Ca添加量を必要最少限にするこ
とが酸化物系クラスター状介在物の増加を避ける
意味から望ましく、Ca添加コストをも考えて
0.008%以下とする。 上記成分の他に、本発明の鋼材の特性を損うこ
となく鋼材の腐食防止、水素浸入の低減による耐
サワー性の確保、強度、靭性並びに溶接性の確保
等の目的で必要に応じて、Cu;0.1〜0.5%、Ni;
0.1〜0.5%、Nb;0.01〜0.1%、V;0.01〜0.1%、
Ti;0.003〜0.05%、Mo≦0.50%、B;0.0005〜
0.005%等の一種又は二種以上の元素を添加する
ことは好ましい。 次に本発明の実施例について述べる。 連続鋳造鋳片より降伏強さが30〜56Kg/mm2であ
るラインパイプ用素材の製造を行つた。ラインパ
イプはその使用環境から、前述の如く水素誘起割
れが発生し、破損につながることがある。 そこで本発明を実施することにより、HICの発
生しやすい苛酷なサワー環境(PH5.2からPH3.0へ
とPHが低くなるほど厳しい条件となる)において
もHIC皆無あるいは実質的に無害な程度の優れた
耐水素誘起割れ用鋼材を製造することを意図し
た。 成分、鋳片の一次熱間加工条件、均熱拡散条
件、最終熱間圧延条件と、得られたラインパイプ
用素材の水素誘起割れ試験結果を第1表に示す。
【表】
【表】
【表】
【表】 水素誘起割れ試験は、硫化水素飽和状態にある
人工海水においてPH5.2、PH4.5、PH4.0とした試験
液、同じく硫化水素飽和状態にある0.5%NaCl溶
液においてPH3.5、PH3.0とした試験液を25℃に保
ち、その中に試験片を96時間浸漬し、超音波深傷
(UST)によりHICの発生面積率でHICの発生状
況を調べる方法をとつた。 No.1〜4は鋳片の厚み中心部の
〔%Ca〕・{1−72〔%O〕}/1.25〔%S〕が1.0未
満および2.5超 の比較例である。一方、No.5〜9は本発明(1)の条
件の一部を実施した比較例であり、PH5.2ないし
PH4.5の比較的甘いサワー環境において、比較鋼
No.1〜4がHIC発生率5〜10%であるのに対し
て、比較例No.5〜9はHIC皆無ないし0.5%以下
の実質上無害と考えてさしつかえない程度となつ
ており、このことから鋳片の厚み中心部の
〔%Ca〕・{1−72〔%O〕}/1.25〔%S〕を1.0以
上2.5以下と限 定した理由の妥当性が明確である。 次にNo.10〜15、No.28〜43は本発明(1)の一部と(2)
の一部を実施した比較例、No.16〜27は本発明(1)の
実施例をそれぞれ示す。 PH4.5ないしPH4.0のHIC発生率をNo.5〜9とNo.
10〜15で比較すると、最終熱間圧延に先立つ加熱
温度と保定時間を限定した理由の妥当性が明確で
あり、No.5〜9とNo.16〜24で比較すると、最終熱
間圧延における圧延終了温度、冷却停止温度およ
びその間の平均冷却速度を限定した理由の妥当性
が明確である。 PH4.0ないしPH3.5のHIC発生率をNo.16〜24とNo.
25〜27で比較すると、最終熱間圧延に先立つ加熱
温度と保定時間を限定した理由の妥当性が上記に
加えて明確であり、また、PH4.0のHIC発生率を
No.5〜9とNo.28〜38で比較すると、鋳片の熱間加
工における加熱温度と断面減少率を限定した理由
の妥当性が明確であり、PH3.5ないしPH3.0のHIC
発生率をNo.28〜38とNo.39〜43で比較すると、最終
熱間圧延に先立つ加熱温度と保定時間を限定した
理由の妥当性が上記に加えて更に明確となる。 最後にNo.44〜49は本発明(2)の実施例であり、極
めて苛酷なサワー環境であるPH3.0においても
HIC皆無となつており、本発明鋼(1)〜(4)の実施例
であるNo.5〜43がHIC皆無とならないのと比較す
ると、本発明における各構成要件を全て満足する
ことを必須とした理由の妥当性が明確である。 尚、本発明は鋼塊からなる鋼片および連続鋳造
鋳片のいずれにおいても適用が可能であるが、同
一母溶鋼全体を均一な凝固状態に保つことがより
困難な連鋳材において適用の効果が大きい。また
本発明における加工には圧延の他、プレス、鍛造
を用いることができ、また本発明は鋼板、形鋼、
棒鋼、鋼管等の製造に適用できる。 以上の如く本発明は、従来不可能であつた苛酷
なサワー環境下における耐水素誘起割れ皆無ない
し実質的無害な程度を完全に保証し得る、極めて
優れた耐水素誘起割れ用鋼材の製造を初めて可能
にしたものである。 即ち、従来最大の懸案であつた鋼材の厚み方向
中心部に発生する水素誘起割れを少なくとも鋳片
の厚み方向最終凝固部のS、O、Caを所定値に
管理し、更には鋳片を低温で一次熱間加工し、加
えて低温・短時間の均熱拡散、最終熱間加工での
加工温度、冷却停止温度およびその間の冷却速度
を限定して、経済的に完全に消滅したものであ
る。 かかる鋼材の使用環境が益々苛酷さを増し、鋼
材に対する耐水素誘起割れ性保証の信頼性が高度
に要求されるようになりつつある現状において本
発明の及ぼす効果は極めて多大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は鋳片の中心偏析帯部の
〔%Ca〕・{1−72〔%O〕}/1.25〔%S〕値と耐サ
ワー特性の関 係を示す図、第2図は母溶鋼の
〔%Ca〕・{1−72〔%O〕}/1.25〔%S〕値と耐サ
ワー特性の関 係を示す図、第3図(鋼片の中心偏析帯の
〔%Ca〕・{1−72〔%O〕}/1.25〔%S〕=1.0〜2
.5)は偏析拡 散の促進を意図するスラブ処理の有無と耐サワー
特性の関係を示す図、第4図は鋳片処理での熱間
加工温度とPの拡散定数の関係を示す図、第5図
は鋳片熱間加工での断面減少率とPの拡散定数の
関係を示す図、第6図(鋼片の中心偏析帯の
〔%Ca〕・{1−72〔%O〕}/1.25〔%S〕=1.0〜2
.5)は最終熱 間圧延での圧延終了温度および圧延終了後の冷却
停止温度と耐サワー特性の関係を示す図、第7図
(鋼片の中心偏析帯の〔%Ca〕・{1−72〔%O〕}/
1.25〔%S〕 =1.0〜2.5)は最終熱間圧延終了後の平均冷却速
度と耐サワー特性の関係を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 S:0.004%以下、O:0.004%以下、Ca:
    0.008%以下を含有する溶鋼を連続鋳造して最終
    凝固部に相当する位置のS、O、Caの含有量が 1.0≦〔%Ca〕{1−72〔%O〕}/1.25〔%S〕≦2
    .5 を満足する鋳片を得て、この鋳片を加熱し800℃
    以上の高温で最終熱間加工を終了し、加工終了後
    の平均冷却速度5〜40℃/secで、400℃以上600
    ℃以下の範囲まで冷却し、その後放冷することを
    特徴とする、耐水素誘起割れ性の優れた鋼材の製
    造方法。 2 S:0.004%以下、O:0.004%以下、Ca:
    0.008%以下を含有する溶鋼を連続鋳造して最終
    凝固部に相当する位置のS、O、Caの含有量が 1.0≦〔%Ca〕{1−72〔%O〕}/1.25〔%S〕≦2
    .5 を満足する鋳片を得て、この鋳片に1200℃以下の
    オーステナイト温度域あるいはAr1温度以上Ac3
    温度以下のオーステナイト・フエライト二相共存
    温度域で、断面減少率20%以上の一次熱間加工を
    施し、その後、鋳片の中心温度を1000℃以上で30
    分以上保定し、その後800℃以上の高温で最終熱
    間加工を終了し、加工終了後の平均冷却温度5〜
    40℃/secで、400℃以上600℃以下の範囲まで冷
    却し、その後放冷することを特徴とする耐水素誘
    起割れ性の優れた鋼材の製造方法。
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