JPH0140044B2 - - Google Patents
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- JPH0140044B2 JPH0140044B2 JP55183324A JP18332480A JPH0140044B2 JP H0140044 B2 JPH0140044 B2 JP H0140044B2 JP 55183324 A JP55183324 A JP 55183324A JP 18332480 A JP18332480 A JP 18332480A JP H0140044 B2 JPH0140044 B2 JP H0140044B2
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- polymerization
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Description
本発明は均一な重合度分布を有する低重合度ポ
リ酢酸ビニル(以下PVAcと略記する)及び低重
合度ポリビニルアルコール(以下PVAと略記す
る)の連続的製造方法に関する。 更に詳しくはn個の反応器(ただしn1)か
らなる多段式連続重合装置による酢酸ビニル(以
下VAcと略記する)のメタノール溶液重合にお
いて、各段の反応器に対してメルカプタンを次式
(1)に従つて連続的に供給し、かつ最終反応器の出
口以降、ストリツピング工程に入るまでの間にお
いて重合を僅かに進めることを特徴とする、均一
な重合度分布を有する低重合度ポリ酢酸ビニルの
連続的製造方法、および該PVAcを常法によりケ
ン化することからなる均一な重合度分布を有する
低重合度ポリビニルアルコールの連続的製造方法
に関する。 0〔X〕m/〔X〕m=xn−xn-1/1−xn・Cx+1− 〔X〕m−1/〔X〕m ……(1) (ただし、〔X〕はメルカプタンのモル濃度、x
は重合率、Cxはメルカプタンへの連鎖移動定数
をそれぞれ表わし、添字mはm番目の反応器を意
味し、0〔X〕mはm番目の反応器に供給するメル
カプタンの第1反応器に供給するVAcとメタノ
ールの総量に対するモル濃度を、〔X〕mはm番
目の反応器におけるメルカプタンのモル濃度を意
味し、mは1mnであり、m=1の場合には
xn-1=x0=0、〔X〕m-1=〔X〕0=0である。) 従来よりメルカプタンをVAcの重合系に応用
することは知られてはいるが、そのいずれもがい
わゆるバツチ式重合法によるものであり、しかも
これらの方法により均一な重合度分布を有する低
重合度PVAcが得られているか否かについては明
らかにされておらず、ましてや多段式連続重合法
に応用された例は未だ存在しない。かかる連続重
合系にメルカプタンを供給するという概念それ自
体は特に目新しいとは言えないが目的とする重合
度、しかもその分布の均一なものを得るためには
如何なる割合でメルカプタンを各段に供給すべき
かについては当業者といえどもそう容易に設定で
きるものではない。また本発明において使用され
るメタノールの如き連鎖移動定数の小さい溶媒中
での連続溶液重合においては、重合度500以下の
PVAcを効率よく製造することは極めて困難であ
り、通常はVAcの濃度を50%以下に下げたりあ
るいは反応液中のPVAcの濃度を著しく高めるた
めの工夫をこらしたりすることが常識であり、こ
れらは生産性の低下を来たすという点で望ましい
ものではなかつた。またたとえ、かかる方法によ
つても重合度300以下、とりわけ200以下の
PVAc、ひいてはPVAを製造することは至難の
業であり、工業的には不可能といつても過言では
ない。 VAcの重合溶剤として連鎖移動定数が20×
10-4以上であるアルコール(例えばエタノール、
イソプロパノールetc)を用いることにより低重
合度PVAを製造する方法が提案されているが重
合溶剤としてメタノールを使用することは以下の
理由により極めて有利であり、メタノール以外の
利用を工業的に行なうことはPVAの製造コスト
を著しく高めることになる。即ちメタノールの役
割は第1に重合温度制御であり、VAcとメタノ
ールの共沸によつて重合熱の除去が行なわれ、し
かも共沸温度が約60℃という、得られたPVAの
性状にとつて好ましい温度を与えるものである。
第2には重合終了後のPVAcのメタノール溶液に
は多量の未重合VAcが残存しているが、その
VAcの除去にもメタノールとの共沸が有効に使
われているのである。第3にもつとも重要な点と
して、PVAcからケン化によつてPVAが製造さ
れる時にはPVAcのメタノール溶液であることが
必須条件であることである。何故ならばケン化反
応はPVAc中のアセチル基のメタノールによるメ
タノーリシスであり、アルカリは触媒の役割を果
しているだけであるからである。従つて重合溶媒
としてメタノール以外の溶媒を使用すればケン化
時には前記溶媒とメタノールとの溶媒置換などは
ん雑な操作を必要とすることになる。このように
PVAを工業的に製造する場合、VAcの重合時に
メタノール以外の溶媒を使用することは明らかに
不利である。 一般にメルカプタンのように激しい連鎖移動を
引きおこす物質を重合系に加えると重合度が激し
く低下することはよく知られている事実である。
しかしながらVAcの重合の場合には全く意外な
ことに重合度は計算通りには低下しないことを本
発明者らは認めた。例えばバツチ重合法でn−ブ
チルメルカプタンを用いて重合度100のPVAcを
製造するには、n−ブチルメルカプタンの連鎖移
動定数(以下Cxと略記する)50(文献値)を用い
ると、メルカプタンとVAcとのモル比を約2×
10-4とすればよいことは理論の教えるところであ
る。そこでその濃度のn−ブチルメルカプタンを
VAcとメタノール(70/30重量比)に加え、ア
ゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと略記す
る)を0.016重量%を加え、60℃で重合を行ない、
3時間後に重合を停止し、常法によりポリマーを
取り出して(重合率51%)、重合度を測定したと
ころ、実に1772であつた。n−ブチルメルカプタ
ンのCxは50よりも22の方が正しいというのが本
発明者等の測定結果であるがそれを考慮しても上
の条件では重合度は230程度となるはずである。
確かにメルカプタン非存在下での重合度1900に比
べれば重合度は低下しているがその程度は僅かで
あり、目標重合度100(又は230)に対する差は大
きすぎて問題外である。 ラジカル重合で理論と実際とを比べる場合は重
合率を10%以下に抑えるのが常套手段である。そ
こで本発明者等も重合時間を短縮して30分間と
し、同様にして重合度を測定したところ1382であ
つた。この場合は若干は理論値に近づいたには違
いないが理論値100(もしくは230)との差には余
りにも大きいと言わざるを得ない。本発明者等は
このようにして生じたポリマーについて検討を加
えた結果、重合率2%まではかなり理論に近い重
合度で、末端にn−ブチルメルカプタン残基を有
するポリマーが得られていること、重合率10%を
越えるともはやn−ブチルメルカプタンは重合系
に殆んど存在せず、生成ポリマーの末端にはn−
ブチルメルカプタン残基が殆んど入らないこと、
従つて重合率51%のものは約80%程度がメルカプ
タンの影響をうけない(末端にメルカプタン残基
を含まず重合度も低下していない)ポリマーであ
り、低重合度物を僅かに含んでいるに過ぎないこ
となどが明らかになつた。重合系で最も簡単なバ
ツチ重合でさえ、このようにメルカプタンの影響
は複雑であることに注目されなければならない。 本発明はかかる複雑な挙動をとるメルカプタン
を連続重合系に応用し、目的の重合度を有し、所
定の割合で末端にメルカプタン残基を有する
PVAを充分量含み、かつ重合度分布の狭いPVA
を製造する方法を最終的には提供するものであ
る。 本発明はn個の反応器(ただしn1)を有す
る多段式連続重合装置によるVAcのメタノール
溶液重合において、連鎖移動剤としてメルカプタ
ン類を使用して均一な重合度分布を有する低重合
度PVAcを、更には該PVAcを常法によりケン化
することにより均一な重合度分布を有する低重合
度PVAを製造する方法において、各段の反応器
に対してメルカプタンを次式(1)によつて連続的に
供給し、かつ最終反応器の出口以降、ストリツピ
ング工程に入るまでの間において重合を僅かに進
めることを特徴とするものである。 0〔X〕m/〔X〕m=xn−xn-1/1−xn・Cx+1−〔
X〕m−1/〔X〕m (ただし、〔X〕はメルカプタンのモル濃度、x
は重合率、Cxはメルカプタンへの連鎖移動定数
を表わし、添字mはm番目の反応器を意味し、0
〔X〕mはm番目の反応器に供給するメルカプタ
ンの第1反応器に供給する酢酸ビニルとメタノー
ルの総量に対するモル濃度を、〔X〕mはm番目
の反応器におけるメルカプタンのモル濃度を意味
し、mは1mmであり、m=1の場合には
xn-1=x0=0、〔X〕m-1=〔X〕0=0である。) いま、連続重合で第1反応器での重合率をx1、
第2反応器での重合率をx2、第m反応器での重合
率をxnのように表現すると、それぞれの反応器
中で連続重合されて製造されるPVAcの重合度P
は次式(2)で書き表わすことができる故、これより
メルカプタンの濃度(〔X〕1、〔X〕2、〔X〕mで
表わすものとする)はそれぞれ計算可能である。 1/P=CM+xn/1−xnCP+1/1−xnCS〔S〕/〔M
〕0 +1/1−xnCX〔X〕m/〔M〕0 ……(2) (ただしCM、CP、CSはそれぞれモノマー、ポリ
マーおよび溶媒への連鎖移動定数であり、〔S〕
は溶媒の濃度、〔M〕0は仮想的なVAcモノマーの
初濃度、〔X〕mはm番目の反応器中でのメルカ
プタンの濃度である。) しかしながら、各反応器での濃度がわかつたと
しても、かかる濃度を常に一定に維持するための
各反応器に対するメルカプタンの供給条件を定め
ることは容易なことではない。 本発明者等はこの点に関し鋭意研究の結果(1)式
に従つてメルカプタンを供給すれば目的が達せら
れることを見出し本発明に到達したものである。
(1)式をより具体的に書き直すと次のようになる。 第1反応器 0〔X〕1/〔X〕1=x1/1−x1・Cx+
1 (1−1) 第2反応器 0〔X〕2/〔X〕2=x2−x1/1−x2・Cx
+1− 〔X〕1/〔X〕2 (1−2) 第m反応器 0〔X〕m/〔X〕m=xn−xn-1/1−xn・Cx+1−〔
X〕m−1/〔X〕m (1−3) 例えば第1反応器の重合率を30%、第2反応器
のそれを60%とし、Cx=22とすると、0 〔X〕1/〔X〕1=10.4、0〔X〕2/〔X〕2=15.5の
ように計算され、 (ただし、〔X〕1/〔X〕2=2とした)、(2)式から
決定される〔X〕1および〔X〕2の濃度を維持する
ためのメルカプタンの連続供給量はこれらの値の
それぞれ10.4倍および15.5倍であることがわか
る。このように目標の重合度を達成するため、メ
ルカプタンの連続的供給量を(1)式により決定し、
均一な重合度分布をもつた低重合度PVAc又は
PVAを多段式連続重合法により製造することは
従来全く知られていなかつたことである。 また本発明でn個の多段式連続重合装置による
VAcのメタノール溶液重合を行なう場合、各段
の反応器に対してメルカプタンを前式(1)に従つて
連続的に供給すると共に、最終反応器の出口以
降、ストリツピング工程に入るまでの間において
重合を僅かに進めることが極めて重要である。 これは殆んど完全にメルカプタンの消費を起さ
せ、回収率にメルカプタンが混入すること及び製
品にメルカプタンが混入することを防止するため
である。例えば反応器が1個の連続重合の場合を
例にとつて説明すると、反応器に連続的に供給さ
れるメルカプタンは大部分は消費されてはいるが
その一部は出口からVAcのストリツピング工程
に入ることになり、好ましくないことが起る。そ
のためこの場合は反応器出口からストリツピング
装置に入るまでの間で例えば配管中の滞留時間を
やや長くとり、この間で重合が僅かに進むように
することが必要である。 この場合の重合率は表示しにくいが残留する
VAcモノマーに対する重合率で表わすと5%以
上が必要である。より好ましくは10%以上とする
のがよい。この処理で残留するメルカプタンは激
減する。 本発明方法において使用される連続重合装置で
は反応器内の撹拌が十分に行なわれていることが
重要であるが、撹拌速度などは装置の容量、形態
などにより異なるものの通常工業的に行われてい
る方法では十分な撹拌速度下に反応液の還流が十
分に行われているので撹拌は十分になされている
ものと見て差し支えない。 本発明で用いられるメルカプタンはアルキルメ
ルカプタン、置換アルキルメルカプタンなどがあ
る。これらを例示するとn−プロピルメルカプタ
ン、sec−プロピルメルカプタン、n−ブチルメ
ルカプタン、sec−ブチルメルカプタン、t−ブ
チルメルカプタン、n−ベンチルメルカプタン、
n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカ
プタン、n−デシルメルカプタン、n−ドデシル
メルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−
ヘキサデシルメルカプタン、n−オクタデシルメ
ルカプタン、2−メルカプトエタノール、チオグ
リセロール、チオグリコール酸及びその塩、2−
メルカプトプロピオン酸及びその塩、3−メルカ
プトプロピオン酸及びその塩などがある。低沸点
のためやや制御しにくいがメチルメルカプタン、
エチルメルカプタンも使用可能である。これらは
1種又は2種以上が使用され得る。これらのメル
カプタンは単独又は重合溶剤などの不活性溶剤で
希釈されて連続的に供給される。ここでいう連続
とは必ずしも厳密な意味での連続である必要はな
く、脈流として加えられることなども包含され
る。上記メルカプタンは連鎖移動を受ける結果、
PVAcあるいはPVAの片末端に末端基として導
入されるので、導入されたメルカプタン残基を有
効に利用することもできる。かかる観点からはア
ルキル鎖長のできるだけ長いものを使用すると有
利な場合がある。又、メルカプタン残基が最終目
的生成物であるPVAの性質を損なつてはならな
い場合にはアルキル鎖長の短かいメルカプタン或
いは親水基で置換された置換アルキルメルカプタ
ンが有利に使用される。 本発明において溶媒としてメタノールが用いら
れる理由は前述した通り、VAcとの共沸による
蒸発潜熱で重合熱を制御しやすいこと、重合終了
後の脱VAc工程でメタノール蒸気を吹き込み、
PVAcのメタノール溶液としてケン化反応に供す
るのに有利であることなどの理由による。VAc
とメタノールの比率はとくに規定されるものでは
ないが、通常VAcが50重量%以上で連続的に供
給するのが有利である。重合開始剤はとくに規定
されるものではないがアゾビスイソブチロニトリ
ル(以下AIBNと略記することがある)のような
アゾ型開始剤が有利である。開始剤の量は当然の
ことながら重合速度に合せて適当量使用されるが
第1反応器に供給するのみでなく、重合速度によ
つては第2反応器以降に連続的に供給してもよ
い。 (1)式において〔X〕m、0〔X〕mは前述したよ
うに、それぞれ、m番目の反応器におけるメルカ
プタンのモル濃度及びm番目の反応器に供給され
るメルカプタンの第1反応器に供給するVAcと
メタノールとの総量に対するモル濃度を表わすが
この単位は重量であつてもよいことは無論であ
る。〔X〕mは(2)式で重合率xnを決めればCM、
CP、CS、CXは定数であるからVAcモノマーの仮
想的初濃度との比で出てくる。VAcの仮想的初
濃度とは重合率0の時(連続重合ではこれは存在
しないのだが)のVAcの濃度のことであり、こ
れは実質的にはVAcと溶剤からなる溶液を考慮
した場合の値として計算されうる。したがつて
〔X〕mはこの仮想的VAc初濃度とのモル比とし
て計算され、続いて0〔X〕mが同様にして仮想的
VAc初濃度とのモル比として計算され、これら
は当然重量表示その他の方法で表示されることも
可能である。本発明で使用されるメルカプタンへ
の連鎖移動定数Cxはその文献値の数が少なく、
その値の信頼性にも問題がないとはいえないので
あらかじめ常法により求めておくことが望まし
く、この作業は当業者であればさほど困難なこと
ではない。 本発明方法においては0〔X〕m/〔X〕mは計
算され数値化されてしまうがその数値を極めて正
確に採用した場合のみが本発明の範囲に入るとい
うわけではない。この計算値からずれた場合には
目標とする重合度がずれることは当然であるが、
さらに重合度分布にも影響を与えることになる。
一定速度で供給さるべき0〔X〕mを意図的ないし
は偶然に変化させられた場合も同様に重合度及び
その分布が変化する。しかしながら高分子化学に
おいて採用している重合度及び重合度分布は綿密
な意味ではないので常識の範囲での重合度のず
れ、或いは重合度分布の変化は当然、本発明にお
いても考慮されて然るべきである。 本発明では重合の結果、得られるPVAcは公知
の方法でケン化され、PVAとなる。ケン化は完
全ケン化、部分ケン化いずれであつてもよく、と
くに制限されるものではない。 以下実施例をあげて本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例により何等制限され
るものではない。 実施例 1 一段式連続重合装置によるVAcのメタノール
溶液重合において、重合度200を目標として、条
件の設定を行なつた。即ち、VAc80重量%、メ
タノール約20重量%、AIBN0.05重量%(対
VAc)、重合率70%(x1=0.70)とすると(2)式よ
り〔X〕1/〔M〕0=0.530×10-4となる。(但しCx
=22とした)。(1−1)式より0〔X〕1/〔X〕1=
52.3となり、連続添加するn−ドデシルメルカプ
タンとVAcとの重量比は65.1×10-4となる。以上
の設定に基づいて以下の実験を行なつた。VAc
を200部/時間、メタノールを50部/時間、
AIBNを0.100部/時間およびn−ドデシルメル
カプタン1.30部/時間を連続的に還流状態の反応
器中に導入し、液量を一定に保ちながら反応器外
に抜き出した重合率は70%に保つた。生成した
PVAcの重合度はアセトン中の粘度測定より186
であつた。反応器外で残留VAcを除去するため
にメタノール蒸気を吹き込んでPVAcのメタノー
ル溶液としたが、この操作に先立ち、重合系から
抜きとつた反応液を約60℃で15分間加熱状態にお
くことにより、残留するn−ドデシルメルカプタ
ンの消費操作を行なつた。この間の重合率は約4
%(残留するVAcに対して13.3%)であつた。
PVAcおよび常法によつてケン化して得たPVA
(重合度195)ではメルカプタン臭は感じられなか
つた。 比較例 1 実施例1におけるn−ドデシルメルカプタンの
連続供給量を1.2倍にする以外は実施例1と同様
にして酢酸ビニルの重合を行つた。結果を表1に
示す。 比較例 2 実施例1におけるn−ドデシルメルカプタンの
連続供給量を0.8倍にする以外は実施例1と同様
にして酢酸ビニルの重合を行つた。結果を表1に
併せて示す。
リ酢酸ビニル(以下PVAcと略記する)及び低重
合度ポリビニルアルコール(以下PVAと略記す
る)の連続的製造方法に関する。 更に詳しくはn個の反応器(ただしn1)か
らなる多段式連続重合装置による酢酸ビニル(以
下VAcと略記する)のメタノール溶液重合にお
いて、各段の反応器に対してメルカプタンを次式
(1)に従つて連続的に供給し、かつ最終反応器の出
口以降、ストリツピング工程に入るまでの間にお
いて重合を僅かに進めることを特徴とする、均一
な重合度分布を有する低重合度ポリ酢酸ビニルの
連続的製造方法、および該PVAcを常法によりケ
ン化することからなる均一な重合度分布を有する
低重合度ポリビニルアルコールの連続的製造方法
に関する。 0〔X〕m/〔X〕m=xn−xn-1/1−xn・Cx+1− 〔X〕m−1/〔X〕m ……(1) (ただし、〔X〕はメルカプタンのモル濃度、x
は重合率、Cxはメルカプタンへの連鎖移動定数
をそれぞれ表わし、添字mはm番目の反応器を意
味し、0〔X〕mはm番目の反応器に供給するメル
カプタンの第1反応器に供給するVAcとメタノ
ールの総量に対するモル濃度を、〔X〕mはm番
目の反応器におけるメルカプタンのモル濃度を意
味し、mは1mnであり、m=1の場合には
xn-1=x0=0、〔X〕m-1=〔X〕0=0である。) 従来よりメルカプタンをVAcの重合系に応用
することは知られてはいるが、そのいずれもがい
わゆるバツチ式重合法によるものであり、しかも
これらの方法により均一な重合度分布を有する低
重合度PVAcが得られているか否かについては明
らかにされておらず、ましてや多段式連続重合法
に応用された例は未だ存在しない。かかる連続重
合系にメルカプタンを供給するという概念それ自
体は特に目新しいとは言えないが目的とする重合
度、しかもその分布の均一なものを得るためには
如何なる割合でメルカプタンを各段に供給すべき
かについては当業者といえどもそう容易に設定で
きるものではない。また本発明において使用され
るメタノールの如き連鎖移動定数の小さい溶媒中
での連続溶液重合においては、重合度500以下の
PVAcを効率よく製造することは極めて困難であ
り、通常はVAcの濃度を50%以下に下げたりあ
るいは反応液中のPVAcの濃度を著しく高めるた
めの工夫をこらしたりすることが常識であり、こ
れらは生産性の低下を来たすという点で望ましい
ものではなかつた。またたとえ、かかる方法によ
つても重合度300以下、とりわけ200以下の
PVAc、ひいてはPVAを製造することは至難の
業であり、工業的には不可能といつても過言では
ない。 VAcの重合溶剤として連鎖移動定数が20×
10-4以上であるアルコール(例えばエタノール、
イソプロパノールetc)を用いることにより低重
合度PVAを製造する方法が提案されているが重
合溶剤としてメタノールを使用することは以下の
理由により極めて有利であり、メタノール以外の
利用を工業的に行なうことはPVAの製造コスト
を著しく高めることになる。即ちメタノールの役
割は第1に重合温度制御であり、VAcとメタノ
ールの共沸によつて重合熱の除去が行なわれ、し
かも共沸温度が約60℃という、得られたPVAの
性状にとつて好ましい温度を与えるものである。
第2には重合終了後のPVAcのメタノール溶液に
は多量の未重合VAcが残存しているが、その
VAcの除去にもメタノールとの共沸が有効に使
われているのである。第3にもつとも重要な点と
して、PVAcからケン化によつてPVAが製造さ
れる時にはPVAcのメタノール溶液であることが
必須条件であることである。何故ならばケン化反
応はPVAc中のアセチル基のメタノールによるメ
タノーリシスであり、アルカリは触媒の役割を果
しているだけであるからである。従つて重合溶媒
としてメタノール以外の溶媒を使用すればケン化
時には前記溶媒とメタノールとの溶媒置換などは
ん雑な操作を必要とすることになる。このように
PVAを工業的に製造する場合、VAcの重合時に
メタノール以外の溶媒を使用することは明らかに
不利である。 一般にメルカプタンのように激しい連鎖移動を
引きおこす物質を重合系に加えると重合度が激し
く低下することはよく知られている事実である。
しかしながらVAcの重合の場合には全く意外な
ことに重合度は計算通りには低下しないことを本
発明者らは認めた。例えばバツチ重合法でn−ブ
チルメルカプタンを用いて重合度100のPVAcを
製造するには、n−ブチルメルカプタンの連鎖移
動定数(以下Cxと略記する)50(文献値)を用い
ると、メルカプタンとVAcとのモル比を約2×
10-4とすればよいことは理論の教えるところであ
る。そこでその濃度のn−ブチルメルカプタンを
VAcとメタノール(70/30重量比)に加え、ア
ゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと略記す
る)を0.016重量%を加え、60℃で重合を行ない、
3時間後に重合を停止し、常法によりポリマーを
取り出して(重合率51%)、重合度を測定したと
ころ、実に1772であつた。n−ブチルメルカプタ
ンのCxは50よりも22の方が正しいというのが本
発明者等の測定結果であるがそれを考慮しても上
の条件では重合度は230程度となるはずである。
確かにメルカプタン非存在下での重合度1900に比
べれば重合度は低下しているがその程度は僅かで
あり、目標重合度100(又は230)に対する差は大
きすぎて問題外である。 ラジカル重合で理論と実際とを比べる場合は重
合率を10%以下に抑えるのが常套手段である。そ
こで本発明者等も重合時間を短縮して30分間と
し、同様にして重合度を測定したところ1382であ
つた。この場合は若干は理論値に近づいたには違
いないが理論値100(もしくは230)との差には余
りにも大きいと言わざるを得ない。本発明者等は
このようにして生じたポリマーについて検討を加
えた結果、重合率2%まではかなり理論に近い重
合度で、末端にn−ブチルメルカプタン残基を有
するポリマーが得られていること、重合率10%を
越えるともはやn−ブチルメルカプタンは重合系
に殆んど存在せず、生成ポリマーの末端にはn−
ブチルメルカプタン残基が殆んど入らないこと、
従つて重合率51%のものは約80%程度がメルカプ
タンの影響をうけない(末端にメルカプタン残基
を含まず重合度も低下していない)ポリマーであ
り、低重合度物を僅かに含んでいるに過ぎないこ
となどが明らかになつた。重合系で最も簡単なバ
ツチ重合でさえ、このようにメルカプタンの影響
は複雑であることに注目されなければならない。 本発明はかかる複雑な挙動をとるメルカプタン
を連続重合系に応用し、目的の重合度を有し、所
定の割合で末端にメルカプタン残基を有する
PVAを充分量含み、かつ重合度分布の狭いPVA
を製造する方法を最終的には提供するものであ
る。 本発明はn個の反応器(ただしn1)を有す
る多段式連続重合装置によるVAcのメタノール
溶液重合において、連鎖移動剤としてメルカプタ
ン類を使用して均一な重合度分布を有する低重合
度PVAcを、更には該PVAcを常法によりケン化
することにより均一な重合度分布を有する低重合
度PVAを製造する方法において、各段の反応器
に対してメルカプタンを次式(1)によつて連続的に
供給し、かつ最終反応器の出口以降、ストリツピ
ング工程に入るまでの間において重合を僅かに進
めることを特徴とするものである。 0〔X〕m/〔X〕m=xn−xn-1/1−xn・Cx+1−〔
X〕m−1/〔X〕m (ただし、〔X〕はメルカプタンのモル濃度、x
は重合率、Cxはメルカプタンへの連鎖移動定数
を表わし、添字mはm番目の反応器を意味し、0
〔X〕mはm番目の反応器に供給するメルカプタ
ンの第1反応器に供給する酢酸ビニルとメタノー
ルの総量に対するモル濃度を、〔X〕mはm番目
の反応器におけるメルカプタンのモル濃度を意味
し、mは1mmであり、m=1の場合には
xn-1=x0=0、〔X〕m-1=〔X〕0=0である。) いま、連続重合で第1反応器での重合率をx1、
第2反応器での重合率をx2、第m反応器での重合
率をxnのように表現すると、それぞれの反応器
中で連続重合されて製造されるPVAcの重合度P
は次式(2)で書き表わすことができる故、これより
メルカプタンの濃度(〔X〕1、〔X〕2、〔X〕mで
表わすものとする)はそれぞれ計算可能である。 1/P=CM+xn/1−xnCP+1/1−xnCS〔S〕/〔M
〕0 +1/1−xnCX〔X〕m/〔M〕0 ……(2) (ただしCM、CP、CSはそれぞれモノマー、ポリ
マーおよび溶媒への連鎖移動定数であり、〔S〕
は溶媒の濃度、〔M〕0は仮想的なVAcモノマーの
初濃度、〔X〕mはm番目の反応器中でのメルカ
プタンの濃度である。) しかしながら、各反応器での濃度がわかつたと
しても、かかる濃度を常に一定に維持するための
各反応器に対するメルカプタンの供給条件を定め
ることは容易なことではない。 本発明者等はこの点に関し鋭意研究の結果(1)式
に従つてメルカプタンを供給すれば目的が達せら
れることを見出し本発明に到達したものである。
(1)式をより具体的に書き直すと次のようになる。 第1反応器 0〔X〕1/〔X〕1=x1/1−x1・Cx+
1 (1−1) 第2反応器 0〔X〕2/〔X〕2=x2−x1/1−x2・Cx
+1− 〔X〕1/〔X〕2 (1−2) 第m反応器 0〔X〕m/〔X〕m=xn−xn-1/1−xn・Cx+1−〔
X〕m−1/〔X〕m (1−3) 例えば第1反応器の重合率を30%、第2反応器
のそれを60%とし、Cx=22とすると、0 〔X〕1/〔X〕1=10.4、0〔X〕2/〔X〕2=15.5の
ように計算され、 (ただし、〔X〕1/〔X〕2=2とした)、(2)式から
決定される〔X〕1および〔X〕2の濃度を維持する
ためのメルカプタンの連続供給量はこれらの値の
それぞれ10.4倍および15.5倍であることがわか
る。このように目標の重合度を達成するため、メ
ルカプタンの連続的供給量を(1)式により決定し、
均一な重合度分布をもつた低重合度PVAc又は
PVAを多段式連続重合法により製造することは
従来全く知られていなかつたことである。 また本発明でn個の多段式連続重合装置による
VAcのメタノール溶液重合を行なう場合、各段
の反応器に対してメルカプタンを前式(1)に従つて
連続的に供給すると共に、最終反応器の出口以
降、ストリツピング工程に入るまでの間において
重合を僅かに進めることが極めて重要である。 これは殆んど完全にメルカプタンの消費を起さ
せ、回収率にメルカプタンが混入すること及び製
品にメルカプタンが混入することを防止するため
である。例えば反応器が1個の連続重合の場合を
例にとつて説明すると、反応器に連続的に供給さ
れるメルカプタンは大部分は消費されてはいるが
その一部は出口からVAcのストリツピング工程
に入ることになり、好ましくないことが起る。そ
のためこの場合は反応器出口からストリツピング
装置に入るまでの間で例えば配管中の滞留時間を
やや長くとり、この間で重合が僅かに進むように
することが必要である。 この場合の重合率は表示しにくいが残留する
VAcモノマーに対する重合率で表わすと5%以
上が必要である。より好ましくは10%以上とする
のがよい。この処理で残留するメルカプタンは激
減する。 本発明方法において使用される連続重合装置で
は反応器内の撹拌が十分に行なわれていることが
重要であるが、撹拌速度などは装置の容量、形態
などにより異なるものの通常工業的に行われてい
る方法では十分な撹拌速度下に反応液の還流が十
分に行われているので撹拌は十分になされている
ものと見て差し支えない。 本発明で用いられるメルカプタンはアルキルメ
ルカプタン、置換アルキルメルカプタンなどがあ
る。これらを例示するとn−プロピルメルカプタ
ン、sec−プロピルメルカプタン、n−ブチルメ
ルカプタン、sec−ブチルメルカプタン、t−ブ
チルメルカプタン、n−ベンチルメルカプタン、
n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカ
プタン、n−デシルメルカプタン、n−ドデシル
メルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−
ヘキサデシルメルカプタン、n−オクタデシルメ
ルカプタン、2−メルカプトエタノール、チオグ
リセロール、チオグリコール酸及びその塩、2−
メルカプトプロピオン酸及びその塩、3−メルカ
プトプロピオン酸及びその塩などがある。低沸点
のためやや制御しにくいがメチルメルカプタン、
エチルメルカプタンも使用可能である。これらは
1種又は2種以上が使用され得る。これらのメル
カプタンは単独又は重合溶剤などの不活性溶剤で
希釈されて連続的に供給される。ここでいう連続
とは必ずしも厳密な意味での連続である必要はな
く、脈流として加えられることなども包含され
る。上記メルカプタンは連鎖移動を受ける結果、
PVAcあるいはPVAの片末端に末端基として導
入されるので、導入されたメルカプタン残基を有
効に利用することもできる。かかる観点からはア
ルキル鎖長のできるだけ長いものを使用すると有
利な場合がある。又、メルカプタン残基が最終目
的生成物であるPVAの性質を損なつてはならな
い場合にはアルキル鎖長の短かいメルカプタン或
いは親水基で置換された置換アルキルメルカプタ
ンが有利に使用される。 本発明において溶媒としてメタノールが用いら
れる理由は前述した通り、VAcとの共沸による
蒸発潜熱で重合熱を制御しやすいこと、重合終了
後の脱VAc工程でメタノール蒸気を吹き込み、
PVAcのメタノール溶液としてケン化反応に供す
るのに有利であることなどの理由による。VAc
とメタノールの比率はとくに規定されるものでは
ないが、通常VAcが50重量%以上で連続的に供
給するのが有利である。重合開始剤はとくに規定
されるものではないがアゾビスイソブチロニトリ
ル(以下AIBNと略記することがある)のような
アゾ型開始剤が有利である。開始剤の量は当然の
ことながら重合速度に合せて適当量使用されるが
第1反応器に供給するのみでなく、重合速度によ
つては第2反応器以降に連続的に供給してもよ
い。 (1)式において〔X〕m、0〔X〕mは前述したよ
うに、それぞれ、m番目の反応器におけるメルカ
プタンのモル濃度及びm番目の反応器に供給され
るメルカプタンの第1反応器に供給するVAcと
メタノールとの総量に対するモル濃度を表わすが
この単位は重量であつてもよいことは無論であ
る。〔X〕mは(2)式で重合率xnを決めればCM、
CP、CS、CXは定数であるからVAcモノマーの仮
想的初濃度との比で出てくる。VAcの仮想的初
濃度とは重合率0の時(連続重合ではこれは存在
しないのだが)のVAcの濃度のことであり、こ
れは実質的にはVAcと溶剤からなる溶液を考慮
した場合の値として計算されうる。したがつて
〔X〕mはこの仮想的VAc初濃度とのモル比とし
て計算され、続いて0〔X〕mが同様にして仮想的
VAc初濃度とのモル比として計算され、これら
は当然重量表示その他の方法で表示されることも
可能である。本発明で使用されるメルカプタンへ
の連鎖移動定数Cxはその文献値の数が少なく、
その値の信頼性にも問題がないとはいえないので
あらかじめ常法により求めておくことが望まし
く、この作業は当業者であればさほど困難なこと
ではない。 本発明方法においては0〔X〕m/〔X〕mは計
算され数値化されてしまうがその数値を極めて正
確に採用した場合のみが本発明の範囲に入るとい
うわけではない。この計算値からずれた場合には
目標とする重合度がずれることは当然であるが、
さらに重合度分布にも影響を与えることになる。
一定速度で供給さるべき0〔X〕mを意図的ないし
は偶然に変化させられた場合も同様に重合度及び
その分布が変化する。しかしながら高分子化学に
おいて採用している重合度及び重合度分布は綿密
な意味ではないので常識の範囲での重合度のず
れ、或いは重合度分布の変化は当然、本発明にお
いても考慮されて然るべきである。 本発明では重合の結果、得られるPVAcは公知
の方法でケン化され、PVAとなる。ケン化は完
全ケン化、部分ケン化いずれであつてもよく、と
くに制限されるものではない。 以下実施例をあげて本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例により何等制限され
るものではない。 実施例 1 一段式連続重合装置によるVAcのメタノール
溶液重合において、重合度200を目標として、条
件の設定を行なつた。即ち、VAc80重量%、メ
タノール約20重量%、AIBN0.05重量%(対
VAc)、重合率70%(x1=0.70)とすると(2)式よ
り〔X〕1/〔M〕0=0.530×10-4となる。(但しCx
=22とした)。(1−1)式より0〔X〕1/〔X〕1=
52.3となり、連続添加するn−ドデシルメルカプ
タンとVAcとの重量比は65.1×10-4となる。以上
の設定に基づいて以下の実験を行なつた。VAc
を200部/時間、メタノールを50部/時間、
AIBNを0.100部/時間およびn−ドデシルメル
カプタン1.30部/時間を連続的に還流状態の反応
器中に導入し、液量を一定に保ちながら反応器外
に抜き出した重合率は70%に保つた。生成した
PVAcの重合度はアセトン中の粘度測定より186
であつた。反応器外で残留VAcを除去するため
にメタノール蒸気を吹き込んでPVAcのメタノー
ル溶液としたが、この操作に先立ち、重合系から
抜きとつた反応液を約60℃で15分間加熱状態にお
くことにより、残留するn−ドデシルメルカプタ
ンの消費操作を行なつた。この間の重合率は約4
%(残留するVAcに対して13.3%)であつた。
PVAcおよび常法によつてケン化して得たPVA
(重合度195)ではメルカプタン臭は感じられなか
つた。 比較例 1 実施例1におけるn−ドデシルメルカプタンの
連続供給量を1.2倍にする以外は実施例1と同様
にして酢酸ビニルの重合を行つた。結果を表1に
示す。 比較例 2 実施例1におけるn−ドデシルメルカプタンの
連続供給量を0.8倍にする以外は実施例1と同様
にして酢酸ビニルの重合を行つた。結果を表1に
併せて示す。
【表】
比較例 3
実施例1のn−ドデシルメルカプタンを連続供
給する代わりに、全仕込み総量を5分割して間ケ
ツ的に供給する以外は実施例1と同様にして酢酸
ビニルを重合したところ、生成PVAcの重合度は
1200と極めて大きくなり、目標重合度200の低重
合度PVAcは得られなかつた。 実施例 2 二段式連続重合装置を用いて重合度100のPVA
を得ることを目標に以下の実験を行なつた。先ず
条件としてVAc70重量%、メタノール約30重量
%、第1反応器の重合率40%(x1=0.40)、第2
反応器の重合率80%(x2=0.80)と設定し、(2)式
を用いてn−ドデシルメルカプタンとVAcとの
モル比を計算すると、第1反応器では〔X〕1/
〔M〕0=2.53×10-4、第2反応器では〔X〕2/
〔M〕0=0.714×10-4となる。(1−1)式から第
1反応器に供給されるn−ドデシルメルカプタン
と第1反応器に存在するn−ドデシルメルカプタ
ンとの比(0〔X〕1/〔X〕1)は15.7と計算され、
同じく(1−2)式から第2反応器に供給される
n−ドデシルメルカプタンと第2反応器に存在す
るn−ドデシルメルカプタンとの比(0〔X〕2/
〔X〕2)は41.5と計算される。これらより、0〔X〕
1/〔M〕0=39.7×10-4、0〔X〕2/〔M〕0=29.7×
10-4(いずれもモル比)となり、重量比ではそれ
ぞれ93.3×10-4および69.5×10-4となる。 以上の設定条件に基づき、VAc200部/時間、
メタノール85.7部/時間、AIBN0.05部/時間及
びn−ドデシルメルカプタン1.87部/時間を連続
的に還流状態の第1反応器中に導入し、液量を一
定に保ちながら第2反応器に送液した。第2反応
器にはn−ドデシルメルカプタン1.39部/時間を
連続的に供給した。第1反応器、第2反応器出口
での重合度(アセトン中で測定したPVAcの)は
それぞれ97、93であり、反応の初期を除いて比較
的安定していた。 第2反応器から抜きとつた反応液を約60℃で20
分間加熱状態におくことにより、残留するn−ド
デシルメルカプタンの消費操作を行なつた。この
間の重合率は約3%(残留するVAcに対し15%)
であつた。残留VAcを除去するためにメタノー
ル蒸気を吹き込んでPVAcのメタノール溶液を
得、常法によりケン化してPVA(重合度103)を
えたが、メルカプタン臭は感じられなかつた。 実施例 3 一段式連続重合装置によるVAcのメタノール
溶液重合においてVAc75重量%、メタノール約
25重量%、AIBN0.037重量%(対VAc)の連続
仕込条件で重合度550のPVAを得るための実験を
行なつた。第1反応器の重合率を70%(x1=
0.70)とした。(2)式から第1反応器の2−メルカ
プトエタノール(CX=22をあらかじめ求めた)
とVAcとのモル比を算出すると、0.078×10-4と
なる(ただし、CM=CP=CS=2×10-4を用い
た)。(1−1)式より0〔X〕1/〔X〕1=52.3とな
り、これより第1反応器に連続仕込みされる2−
メルカプトエタノールと、第1反応器中のそれと
の比が求まるので、0.078×10-4×52.3=4.1×
10-4が供給されるVAcとのモル比となる。重量
換算するとVAcとの重量比は3.7×10-4となる。 以上の設定にしたがつて以下のようにして実験
を行なつた。第1反応器にVAcモノマーを440
部/時間、メタノールを147部/時間、AIBNを
0.163部/時間、2−メルカプトエタノールを
0.25部/時間(但しメタノールと混合して供給)
の速度で連続的に仕込み、液量を一定に保ちなが
ら第1反応器から反応液を系外に抜きとつた。 第1反応器の出口でのサンプリングの結果、滞
留時間の1〜1.5倍付近で重合率はほぼ一定とな
り70%となつた。重合度(PVAにしてからの粘
度測定による)は530であつた。反応器外で反応
終了後の反応液から残存するVAcを除去するた
めにメタノール蒸気を吹き込んでPVAcのメタノ
ール溶液としたが、この操作に先立ち、重合系か
ら抜きとつた反応液を約60℃で20分間加熱状態に
しておくことにより残留する2−メルカプトエタ
ノールの消費操作を行なつた。この間の重合率は
約3%(残留するVAcに対して10%)であつた。 PVAcおよび常法によつてケン化してえた
PVA(重合度560)ではメルカプタン臭は感じら
れなかつた。
給する代わりに、全仕込み総量を5分割して間ケ
ツ的に供給する以外は実施例1と同様にして酢酸
ビニルを重合したところ、生成PVAcの重合度は
1200と極めて大きくなり、目標重合度200の低重
合度PVAcは得られなかつた。 実施例 2 二段式連続重合装置を用いて重合度100のPVA
を得ることを目標に以下の実験を行なつた。先ず
条件としてVAc70重量%、メタノール約30重量
%、第1反応器の重合率40%(x1=0.40)、第2
反応器の重合率80%(x2=0.80)と設定し、(2)式
を用いてn−ドデシルメルカプタンとVAcとの
モル比を計算すると、第1反応器では〔X〕1/
〔M〕0=2.53×10-4、第2反応器では〔X〕2/
〔M〕0=0.714×10-4となる。(1−1)式から第
1反応器に供給されるn−ドデシルメルカプタン
と第1反応器に存在するn−ドデシルメルカプタ
ンとの比(0〔X〕1/〔X〕1)は15.7と計算され、
同じく(1−2)式から第2反応器に供給される
n−ドデシルメルカプタンと第2反応器に存在す
るn−ドデシルメルカプタンとの比(0〔X〕2/
〔X〕2)は41.5と計算される。これらより、0〔X〕
1/〔M〕0=39.7×10-4、0〔X〕2/〔M〕0=29.7×
10-4(いずれもモル比)となり、重量比ではそれ
ぞれ93.3×10-4および69.5×10-4となる。 以上の設定条件に基づき、VAc200部/時間、
メタノール85.7部/時間、AIBN0.05部/時間及
びn−ドデシルメルカプタン1.87部/時間を連続
的に還流状態の第1反応器中に導入し、液量を一
定に保ちながら第2反応器に送液した。第2反応
器にはn−ドデシルメルカプタン1.39部/時間を
連続的に供給した。第1反応器、第2反応器出口
での重合度(アセトン中で測定したPVAcの)は
それぞれ97、93であり、反応の初期を除いて比較
的安定していた。 第2反応器から抜きとつた反応液を約60℃で20
分間加熱状態におくことにより、残留するn−ド
デシルメルカプタンの消費操作を行なつた。この
間の重合率は約3%(残留するVAcに対し15%)
であつた。残留VAcを除去するためにメタノー
ル蒸気を吹き込んでPVAcのメタノール溶液を
得、常法によりケン化してPVA(重合度103)を
えたが、メルカプタン臭は感じられなかつた。 実施例 3 一段式連続重合装置によるVAcのメタノール
溶液重合においてVAc75重量%、メタノール約
25重量%、AIBN0.037重量%(対VAc)の連続
仕込条件で重合度550のPVAを得るための実験を
行なつた。第1反応器の重合率を70%(x1=
0.70)とした。(2)式から第1反応器の2−メルカ
プトエタノール(CX=22をあらかじめ求めた)
とVAcとのモル比を算出すると、0.078×10-4と
なる(ただし、CM=CP=CS=2×10-4を用い
た)。(1−1)式より0〔X〕1/〔X〕1=52.3とな
り、これより第1反応器に連続仕込みされる2−
メルカプトエタノールと、第1反応器中のそれと
の比が求まるので、0.078×10-4×52.3=4.1×
10-4が供給されるVAcとのモル比となる。重量
換算するとVAcとの重量比は3.7×10-4となる。 以上の設定にしたがつて以下のようにして実験
を行なつた。第1反応器にVAcモノマーを440
部/時間、メタノールを147部/時間、AIBNを
0.163部/時間、2−メルカプトエタノールを
0.25部/時間(但しメタノールと混合して供給)
の速度で連続的に仕込み、液量を一定に保ちなが
ら第1反応器から反応液を系外に抜きとつた。 第1反応器の出口でのサンプリングの結果、滞
留時間の1〜1.5倍付近で重合率はほぼ一定とな
り70%となつた。重合度(PVAにしてからの粘
度測定による)は530であつた。反応器外で反応
終了後の反応液から残存するVAcを除去するた
めにメタノール蒸気を吹き込んでPVAcのメタノ
ール溶液としたが、この操作に先立ち、重合系か
ら抜きとつた反応液を約60℃で20分間加熱状態に
しておくことにより残留する2−メルカプトエタ
ノールの消費操作を行なつた。この間の重合率は
約3%(残留するVAcに対して10%)であつた。 PVAcおよび常法によつてケン化してえた
PVA(重合度560)ではメルカプタン臭は感じら
れなかつた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 n個(ただしn1)の反応器からなる多段
式連続重合装置による酢酸ビニルのメタノール溶
液重合において、各段の反応器に対してメルカプ
タンを次式(1)に従つて連続的に供給し、かつ最終
反応器の出口以降、ストリツピング工程に入るま
での間において重合を僅かに進めることを特徴と
する、均一な重合度分布を有する低重合度ポリ酢
酸ビニルの連続的製造方法。 0〔X〕m/〔X〕m=xn−xn-1/1−xn・Cx+1− 〔X〕m−1/〔X〕m ……(1) ただし、〔X〕はメルカプタンのモル濃度、x
は重合率、Cxはメルカプタンへの連鎖移動定数
を表わし、添字mはm番目の反応器を意味し、0
〔X〕mはm番目の反応器に供給するメルカプタ
ンの第1反応器に供給する酢酸ビニルとメタノー
ルとの総量に対するモル濃度、〔X〕mはm番目
の反応器におけるメルカプタンのモル濃度を意味
し、mは1mnであり、m=1の場合には
xn-1=x0=0、〔X〕m-1=〔X〕0=0である。 2 最終反応器の出口以降、ストリツピング工程
に入るまでの間における重合が、最終反応器の出
口における未反応酢酸ビニルモノマーに対する重
合率で表わして5%以上である、特許請求の範囲
第1項に記載の均一な重合度分布を有する低重合
度ポリ酢酸ビニルの連続的製造方法。 3 n個(ただしn1)の反応器からなる多段
式連続重合装置による酢酸ビニルのメタノール溶
液重合において、各段の反応器に対してメルカプ
タンを次式(1)に従つて連続的に供給し、かつ最終
反応器の出口以降、ストリツピング工程に入るま
での間において重合を僅かに進めることによつて
均一な重合度分布を有する低重合度ポリ酢酸ビニ
ルを得、次いで常法によりケン化することからな
る均一な重合度分布を有する低重合度ポリビニル
アルコールの連続的製造方法。 0〔X〕m/〔X〕m=xn−xn-1/1−xn・Cx+1− 〔X〕m−1/〔X〕m ……(1) ただし、〔X〕はメルカプタンのモル濃度、x
は重合率、Cxはメルカプタンへの連鎖移動定数
を表わし、添字mはm番目の反応器を意味し、0
〔X〕mはm番目の反応器に供給するメルカプタ
ンの第1反応器に供給する酢酸ビニルとメタノー
ルとの総量に対するモル濃度、〔X〕mはm番目
の反応器におけるメルカプタンのモル濃度を意味
し、mは1mnであり、m=1の場合には
xn-1=x0=0、〔X〕m-1=〔X〕0=0である。 4 最終反応器の出口以降、ストリツピング工程
に入るまでの間における重合が、最終反応器の出
口における未反応酢酸ビニルモノマーに対する重
合率で表わして5%以上である、特許請求の範囲
第3項に記載の均一な重合度分布を有する低重合
度ポリビニルアルコールの連続的製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18332480A JPS57105410A (en) | 1980-12-23 | 1980-12-23 | Continuous preparation of polyvinyl acetate and polyvinyl alcohol having low polymerization degree |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18332480A JPS57105410A (en) | 1980-12-23 | 1980-12-23 | Continuous preparation of polyvinyl acetate and polyvinyl alcohol having low polymerization degree |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS57105410A JPS57105410A (en) | 1982-06-30 |
| JPH0140044B2 true JPH0140044B2 (ja) | 1989-08-24 |
Family
ID=16133706
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18332480A Granted JPS57105410A (en) | 1980-12-23 | 1980-12-23 | Continuous preparation of polyvinyl acetate and polyvinyl alcohol having low polymerization degree |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS57105410A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP3895770A1 (en) | 2020-04-14 | 2021-10-20 | Azone Co., Ltd. | Connecting structure for plate members and assembly using the same |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5349023A (en) * | 1991-12-12 | 1994-09-20 | Kuraray Co., Ltd. | Vinyl alcohol copolymer having terminal amino group |
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