JPH0257003B2 - - Google Patents
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- JPH0257003B2 JPH0257003B2 JP18413983A JP18413983A JPH0257003B2 JP H0257003 B2 JPH0257003 B2 JP H0257003B2 JP 18413983 A JP18413983 A JP 18413983A JP 18413983 A JP18413983 A JP 18413983A JP H0257003 B2 JPH0257003 B2 JP H0257003B2
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Description
本発明は光学部品の製造方法に関する。
従来光学部品であるレンズ、ミラーおよびフイ
ルターなどの多くはガラスで形成されていた。 ガラスには多くの種類があり、要求に応じた光
学特性を有する光学部品が形成できる他、平面や
球面の光学表面が研磨により高精度で形成できる
からである。しかし、研磨は加工時間が長くかか
り、また加工コストも高くなる欠点がある。ま
た、特に非球面光学素子を形成する場合、加工コ
ストは一層高くなる欠点がある。 これらの欠点を解消する光学部品の他の製造法
として、透明な樹脂を型に注入して成形加工し
て、いわゆるプラスチツクレンズを製造する方法
がある。この方法では研磨加工が不要で、適当な
成形条件を選べば低コストで大量生産が可能であ
る。しかし、光学部品としての高い光学精度を備
えたものをつくるのは容易でなく、また、物理的
あるいは化学的性質においてもガラス材料に比べ
て劣つており、特に、熱膨張率や熱による屈折率
変化が大きく、加工に際して内部に歪やひけが生
じやすい欠点がある。 このようなガラス材料と樹脂材料のもつ双方の
欠点を補う方法として、両者の材料を併用した光
学部品の製造方法がある。この方法は、形成しよ
うとする光学部品の光学表面を有するマスターと
ガラス基板とを近接して配置し、その間隙に樹脂
を挾んで又は注入して固化することによつて、ガ
ラス基板とマスターとの間に光学表面を有する樹
脂層を形成し、次いでマスターとガラス基板とを
分離することで、ガラス基板と樹脂層とからなる
光学部品を形成するものである。 この方法では、多くはガラス基板をある程度高
精度に研磨することが必要であるが、樹脂層によ
つて光学部品としての光学精度を得ることができ
るため、ガラス自体の研磨工程を大幅に省略で
き、また、樹脂層は薄膜になつているので、熱膨
張や熱による屈折率の変化による影響が小さく、
歪やひけの発生も最少限に押えることができる。
非球面レンズなどの非球面を備えた光学部品もマ
スターの形状を非球面にすることによつて球面の
場合と全く同様に容易に形成できる。このマスタ
ーを用いる方法の最も大きい問題点は、マスター
とガラス基板との間に樹脂層を形成後、マスター
とガラス基板とを分離する際、樹脂層とマスター
が樹脂層の光学表面を損傷することなく分離する
ことが容易でない点にある。そこで従来この問題
に対処するために、樹脂材料中にマスターとの接
着性を阻止して離型を容易にする物質を混入する
方法があり、シリコーンオイル、各種ワツクス類
などが用いられている。これらの物質は多くの場
合樹脂材料との相溶性がないか、又は低いもので
あつて、成形した樹脂層の表面に滲み出して離型
の効果を果すものである。したがつて樹脂層の機
械的特性、透明性、表面物性等を劣化させること
が多い。また成形した樹脂層の表面に他の光学部
品の接着を行う等の二次加工に際しては、接着剤
に接着性を低下させるので好ましいことではな
い。 一方離型剤を樹脂材料中に混入しないで、マス
ターの表面に塗布して離型層とし、樹脂材料とマ
スターとの接着を防ぐ方法も一般的に利用されて
いる方法である。 このような離型層としてはシリコーンオイル、
シリコーングリース、シリコーンワニス、カルナ
バワツクス、ミネラルワツクス、フツ素樹脂の粉
末またはコーテイング被膜、水溶性樹脂、グリセ
リン、各種の油膜類、ステアリン酸塩等が用いら
れている。しかしながら、これらの離型剤では、
十分な離型効果が期待できなかつたものである。
特に従来の離型剤ではレンズ、ミラー等の光学部
品の精密成形では、成形材料がアクリル樹脂、エ
ポキシ樹脂等の液状モノマー又はオリゴマーが多
く利用されている。このような液状材料の注入の
際、なかんずくエポキシ樹脂のようにとくに接着
性のすぐれた材料の場合はとくにマスターとの接
着が起りやすい。 また、光学部品の場合は、樹脂層表面の成形精
度が問題とされるため、離型層はできるだけ薄い
ことが望まれるが、従来の離型剤では、薄くでき
ないか、薄くすると部分的に離型層が剥離してし
まう問題があつた。 このような難点を避ける一つの方法として、従
来、金・銀・銅などの金属蒸着膜を離型層に利用
する方法が知られている。それにはまずマスター
表面にこれらの金属をスパツタリング、真空蒸着
などの手段できわめて薄い膜として形成する。こ
の上に所望の樹脂材料をたとえばキヤステイング
などで注型し離型を行う。このとき離型用の金属
蒸着層は成形品の表面に付着して型から外されて
くる。したがつて次の工程として成形品表面に付
着した離型層の金属膜を取除く必要があり、酸・
アルカリ等で化学的に溶解したり、粘着テープ等
を用いて引きはがす機械的手段が利用されてい
る。 そのため成形品の表面が薬品の影響をうけて肌
荒れを起したりキズが入るなどの弊害が生じると
ともに離型層除去の工程が必要となるなどの欠点
が生じてくる。 而して本発明は離型性が良好で、離型作用の持
続性に優れ、且つ薄く形成できる離型層を用いる
ことによつて、光学精度の高い表面を有する光学
部品の製造方法を提供することを主たる目的とす
る。 本発明は表面に離型層を有するマスターとガラ
ス基板との間に形成される間隙に樹脂を介在させ
ることによりガラス基板表面に樹脂層を形成した
後、マスターを分離してガラス基板と樹脂層から
なる光学部品を製造する方法において、フツ素置
換炭化水素基とアルコキシシラン基若しくはハロ
ゲン化シラン基とを有する化合物からなる離型層
を形成後、多価アルコールの存在下で離型層を形
成する化合物がマスター表面に化学結合するよう
に離型層を処理することを特徴とするものであ
る。 本発明による光学部品の製造方法の代表的な態
様は第1図〜第5図に示される。 第1図は、ガラス、金属などの基板1の上にマ
スター2が固定されている部材を示す。マスター
2の表面は成形しようとする光学表面精度を有し
ており、ガラス、金属などで形成されている。こ
のマスター2上に第2図に示すように離型層3を
形成する。この離型層はフツ素帯換炭化水素基と
アルコキシシラン基若しくはハロゲン化シラン基
とを有する化合物で形成する。 一方、第3図に示すように、ガラス基板4を支
持部材5に固定載置し、ガラス基板4の上には樹
脂6を少量滴下しておく。次に第4図に示すよう
に、ガラス基板4の上にマスター2を重ねること
によつて、マスター2とガラス基板4との間隙に
樹脂が充満し固化して樹脂層8が形成できる。マ
スターとガラス基板との所望の間隙はスペーサー
7によつて確保される。次に、マスター2をガラ
ス基板から分離することによつて、第5図に示す
ような光学表面を有する樹脂層8とガラス基板4
から成る光学部品が形成できるものである。マス
ターの表面が平面の場合、球面の場合および非球
面の場合にはそれぞれ、フイルター、球面レンズ
および非球面レンズあるいは、ミラー、球面ミラ
ー、非球面ミラーなどの光学部品が成形できるも
のである。なお、ミラーの場合には、樹脂層を形
成後、その上に、Al、Agなどの金属を蒸着して
形成できるものである。 本発明に用いる離型剤の代表的なものは、フツ
素置換炭化水素基と、次の一般式で示されるアル
コキシシラン基(1)又はハロゲン化シラン基(2)を有
するものである。 −Si(OR〓)oR〓(3−n) −(1) −SiXnR〓(3−m) −(2) ここで、R〓およびR〓はアルキル基(例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基な
ど)、nおよびmは1、2または3、R〓はアルキ
ル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基など)又はアルコキシ基(例えば、
メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基など(であ
る。Xはハロゲン原子(例えば、Cl、Br、I)
である。また、R〓、R〓、R〓又はXがSiに2以上
結合している場合には、上記の基又は原子の範囲
内で例えば、2つのR〓がアルキル基とアルコキ
シ基であるように異つていてもよい。 フツ素置換炭化水素基としては、特に分子構造
の一端にCF3(CF2)a−基や
ルターなどの多くはガラスで形成されていた。 ガラスには多くの種類があり、要求に応じた光
学特性を有する光学部品が形成できる他、平面や
球面の光学表面が研磨により高精度で形成できる
からである。しかし、研磨は加工時間が長くかか
り、また加工コストも高くなる欠点がある。ま
た、特に非球面光学素子を形成する場合、加工コ
ストは一層高くなる欠点がある。 これらの欠点を解消する光学部品の他の製造法
として、透明な樹脂を型に注入して成形加工し
て、いわゆるプラスチツクレンズを製造する方法
がある。この方法では研磨加工が不要で、適当な
成形条件を選べば低コストで大量生産が可能であ
る。しかし、光学部品としての高い光学精度を備
えたものをつくるのは容易でなく、また、物理的
あるいは化学的性質においてもガラス材料に比べ
て劣つており、特に、熱膨張率や熱による屈折率
変化が大きく、加工に際して内部に歪やひけが生
じやすい欠点がある。 このようなガラス材料と樹脂材料のもつ双方の
欠点を補う方法として、両者の材料を併用した光
学部品の製造方法がある。この方法は、形成しよ
うとする光学部品の光学表面を有するマスターと
ガラス基板とを近接して配置し、その間隙に樹脂
を挾んで又は注入して固化することによつて、ガ
ラス基板とマスターとの間に光学表面を有する樹
脂層を形成し、次いでマスターとガラス基板とを
分離することで、ガラス基板と樹脂層とからなる
光学部品を形成するものである。 この方法では、多くはガラス基板をある程度高
精度に研磨することが必要であるが、樹脂層によ
つて光学部品としての光学精度を得ることができ
るため、ガラス自体の研磨工程を大幅に省略で
き、また、樹脂層は薄膜になつているので、熱膨
張や熱による屈折率の変化による影響が小さく、
歪やひけの発生も最少限に押えることができる。
非球面レンズなどの非球面を備えた光学部品もマ
スターの形状を非球面にすることによつて球面の
場合と全く同様に容易に形成できる。このマスタ
ーを用いる方法の最も大きい問題点は、マスター
とガラス基板との間に樹脂層を形成後、マスター
とガラス基板とを分離する際、樹脂層とマスター
が樹脂層の光学表面を損傷することなく分離する
ことが容易でない点にある。そこで従来この問題
に対処するために、樹脂材料中にマスターとの接
着性を阻止して離型を容易にする物質を混入する
方法があり、シリコーンオイル、各種ワツクス類
などが用いられている。これらの物質は多くの場
合樹脂材料との相溶性がないか、又は低いもので
あつて、成形した樹脂層の表面に滲み出して離型
の効果を果すものである。したがつて樹脂層の機
械的特性、透明性、表面物性等を劣化させること
が多い。また成形した樹脂層の表面に他の光学部
品の接着を行う等の二次加工に際しては、接着剤
に接着性を低下させるので好ましいことではな
い。 一方離型剤を樹脂材料中に混入しないで、マス
ターの表面に塗布して離型層とし、樹脂材料とマ
スターとの接着を防ぐ方法も一般的に利用されて
いる方法である。 このような離型層としてはシリコーンオイル、
シリコーングリース、シリコーンワニス、カルナ
バワツクス、ミネラルワツクス、フツ素樹脂の粉
末またはコーテイング被膜、水溶性樹脂、グリセ
リン、各種の油膜類、ステアリン酸塩等が用いら
れている。しかしながら、これらの離型剤では、
十分な離型効果が期待できなかつたものである。
特に従来の離型剤ではレンズ、ミラー等の光学部
品の精密成形では、成形材料がアクリル樹脂、エ
ポキシ樹脂等の液状モノマー又はオリゴマーが多
く利用されている。このような液状材料の注入の
際、なかんずくエポキシ樹脂のようにとくに接着
性のすぐれた材料の場合はとくにマスターとの接
着が起りやすい。 また、光学部品の場合は、樹脂層表面の成形精
度が問題とされるため、離型層はできるだけ薄い
ことが望まれるが、従来の離型剤では、薄くでき
ないか、薄くすると部分的に離型層が剥離してし
まう問題があつた。 このような難点を避ける一つの方法として、従
来、金・銀・銅などの金属蒸着膜を離型層に利用
する方法が知られている。それにはまずマスター
表面にこれらの金属をスパツタリング、真空蒸着
などの手段できわめて薄い膜として形成する。こ
の上に所望の樹脂材料をたとえばキヤステイング
などで注型し離型を行う。このとき離型用の金属
蒸着層は成形品の表面に付着して型から外されて
くる。したがつて次の工程として成形品表面に付
着した離型層の金属膜を取除く必要があり、酸・
アルカリ等で化学的に溶解したり、粘着テープ等
を用いて引きはがす機械的手段が利用されてい
る。 そのため成形品の表面が薬品の影響をうけて肌
荒れを起したりキズが入るなどの弊害が生じると
ともに離型層除去の工程が必要となるなどの欠点
が生じてくる。 而して本発明は離型性が良好で、離型作用の持
続性に優れ、且つ薄く形成できる離型層を用いる
ことによつて、光学精度の高い表面を有する光学
部品の製造方法を提供することを主たる目的とす
る。 本発明は表面に離型層を有するマスターとガラ
ス基板との間に形成される間隙に樹脂を介在させ
ることによりガラス基板表面に樹脂層を形成した
後、マスターを分離してガラス基板と樹脂層から
なる光学部品を製造する方法において、フツ素置
換炭化水素基とアルコキシシラン基若しくはハロ
ゲン化シラン基とを有する化合物からなる離型層
を形成後、多価アルコールの存在下で離型層を形
成する化合物がマスター表面に化学結合するよう
に離型層を処理することを特徴とするものであ
る。 本発明による光学部品の製造方法の代表的な態
様は第1図〜第5図に示される。 第1図は、ガラス、金属などの基板1の上にマ
スター2が固定されている部材を示す。マスター
2の表面は成形しようとする光学表面精度を有し
ており、ガラス、金属などで形成されている。こ
のマスター2上に第2図に示すように離型層3を
形成する。この離型層はフツ素帯換炭化水素基と
アルコキシシラン基若しくはハロゲン化シラン基
とを有する化合物で形成する。 一方、第3図に示すように、ガラス基板4を支
持部材5に固定載置し、ガラス基板4の上には樹
脂6を少量滴下しておく。次に第4図に示すよう
に、ガラス基板4の上にマスター2を重ねること
によつて、マスター2とガラス基板4との間隙に
樹脂が充満し固化して樹脂層8が形成できる。マ
スターとガラス基板との所望の間隙はスペーサー
7によつて確保される。次に、マスター2をガラ
ス基板から分離することによつて、第5図に示す
ような光学表面を有する樹脂層8とガラス基板4
から成る光学部品が形成できるものである。マス
ターの表面が平面の場合、球面の場合および非球
面の場合にはそれぞれ、フイルター、球面レンズ
および非球面レンズあるいは、ミラー、球面ミラ
ー、非球面ミラーなどの光学部品が成形できるも
のである。なお、ミラーの場合には、樹脂層を形
成後、その上に、Al、Agなどの金属を蒸着して
形成できるものである。 本発明に用いる離型剤の代表的なものは、フツ
素置換炭化水素基と、次の一般式で示されるアル
コキシシラン基(1)又はハロゲン化シラン基(2)を有
するものである。 −Si(OR〓)oR〓(3−n) −(1) −SiXnR〓(3−m) −(2) ここで、R〓およびR〓はアルキル基(例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基な
ど)、nおよびmは1、2または3、R〓はアルキ
ル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基など)又はアルコキシ基(例えば、
メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基など(であ
る。Xはハロゲン原子(例えば、Cl、Br、I)
である。また、R〓、R〓、R〓又はXがSiに2以上
結合している場合には、上記の基又は原子の範囲
内で例えば、2つのR〓がアルキル基とアルコキ
シ基であるように異つていてもよい。 フツ素置換炭化水素基としては、特に分子構造
の一端にCF3(CF2)a−基や
【式】基などのパーフルオロ基
(aおよびa′は整数)をもつフツ素置換炭化水素
基が好ましく、また、パーフルオロ基の長さが炭
素数にして2個以上が好ましく、CF3(CF2)a−
のCFCにつゞくCF2基の数は5以上が適切であ
る。 またパーフルオロ基は直鎖である必要はなく、
たとえば
基が好ましく、また、パーフルオロ基の長さが炭
素数にして2個以上が好ましく、CF3(CF2)a−
のCFCにつゞくCF2基の数は5以上が適切であ
る。 またパーフルオロ基は直鎖である必要はなく、
たとえば
【式】のように分岐構
造を有していてもよい。この場合にはa′は4以上
が好ましい。このように本発明における離型性
は、このパーフルオロ基によつて発揮されるもの
である。 本発明で使用する離型剤の、パーフルオロ基の
ない方の一端は少くとも1つのアルコキシシラン
基あるいはハロゲン化シラン基を有している。ア
ルコキシシラン基−SiOR〓およびハロゲン化シラ
ン基−SiXは水分と反応して−SiOとなりさらに
これがガラス、金属等の型材料の表面に存在する
−OH基との間で脱水縮合又は水素結合等を起し
て結合する。 すなわち本発明に使用する離型剤はその一端で
成形用のマスターの表面に化学結合し、他端にパ
ーフルオロ基を配向してマスター型表面を被うこ
ととなり、薄くて耐久性に優れ均一な離型層を形
成することができる。 パーフルオロ基とアルコキシシラン基又はハロ
ゲン化シラン基の珪素原子とは直接結合されてい
てもよい構造単位として、−(CH2)l−、−O−
(CH2)l−O−、−NH−(CH2)l−NH−、−
(CH2)−O−(CH2)−l−、−(CH2)l−NH−
(OH2)l−、−CONH−(CH2)l−、−COO
(CH2)l−等の構造を介して結合されていても
よい。これらの構造は可能なかぎり短いものでl
は3又はそれ以下がよい。具体的な化合物例とし
ては、下記のものを挙げることができる。 (1) CF3−(CF2)7−(CH2)3−NH−(CH2)3−Si
(OCH3)3 (2) CF3−(CF2)7−O−(CH2)3−O−Si
(OCH3)3 (3) CF3−(CF2)7−NH−(CH2)3−NH−Si
(OCH3)3 (4) CF3−(CF2)7−(CH2)3−O−(CH2)3−Si
(OCH3)3 (5) CF3−(CF2)6−CONH−(OH2)3−SI
(OC2H5)3C (6) CF3−(CF2)7−(CH2)3−Si(OCH3)3 (7) CF3−(CF2)6−COO−(CH2)3−Si(OCH3)3 (8) CF3−(CF2)7−(CH2)3−NH−(CH2)3−
SiCl3 (9) CF3−(CF2)7−O−(CH2)3−O−SiCl3 上記のフツ素離型剤は通常は固体であるが、こ
れをマスター表面に適用するには有機溶剤に溶解
した溶液とする必要がある。離型剤の分子構造に
よつて異つてくるが、多くはその溶媒としてフツ
化炭化水素系の溶剤又はそれに若干の有機溶媒を
混合したものが適している。たとえば、CCl2F−
CCl2F、CCl2F−CClF2あるいはこれらとメタノ
ール、エタノール、アセトン、トリクロルエチレ
ンなど相溶性のある有機溶媒を混合したものを用
いることができる。溶媒の濃度はとくに限定はな
いが必要とする離型膜はとくに薄いことが特徴で
あるので、濃度は低いもので充分であり1〜3重
量%でよい。 この溶液をマスターの表面に塗布するには浸漬
塗布、スプレー塗布、ハケ塗に等の通常の塗布方
法を用いることができる。とくに光学部品ではホ
コリ・ゴミ等の付着は好ましくないので、塗布す
る溶液、塗布雰囲気、型そのもの等はホコリを取
除いておく必要がある。塗布後は通常は自然乾燥
で溶媒を蒸発させて乾燥塗膜とするが、このとき
塗布された膜厚はとくに規定するべきものではな
いが、20μ以下が適当である。 離型層はマスター表面と強度に密着するよう
に、多価アルコールの存在下で離型剤をマスター
表面に化合結合するように処理することが有効で
ある。このための処理の例としては、アミン又は
酸による処理が挙げられる。例えば、離型剤の塗
布が終つたマスターは、アミンを含有する処理液
中で加熱処理される。こゝで用いるアミンは1級
アミン、2級アミン、3級アミンの何れでもよい
が、とくに1級アミンと2級アミンが有効であ
る。具体的にはたとえばエチルアミン、プロピル
アミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシル
アミン等の1級アミンや2級アミンとしてはジエ
チルアミン等がある。これらのアミンはいずれも
水溶性のアミンで、少くとも20重量%まで水に溶
解する。 これらのアミンは処理液から離型層中に拡散
し、離型剤のアルコキシシラン又はハロゲン化シ
ランの基と反応して、下地のマスター表面の−
OHとの脱水縮合を促進することがその目的であ
るので、分子構造はなるべく簡単な構造を持ちか
つ分子量も小さく、離型剤層内に拡散しやすいも
のが適している。これらアミンの濃度は15重量%
以下望みくは0.5〜3重量%程度が適している。 この処理液のもう一つの作用は離型剤末端の−
Si−OR〓又はSiXを−SiOHに加水分解すること
にあるので、この処理液は水を有することが要件
である。したがつて処理液としてはアミンの水溶
液を用いる。 この処理液中での処理は60〜95℃の温度で0.5
〜3時間程度条件下で行われるのがよい。温度は
反応促進剤の意味では高温である方がよいが、95
℃を越えると水が沸騰を起し、気泡が激しく発生
してマスター表面を攻撃して離型剤層を機械的に
脱落させることがあるので上記の通り60〜95℃が
適切である。 また、本発明の好ましい具体例では、アミン化
合物又は酸の水溶液を予めマスターの表面に塗布
し、これを乾燥した後に、前述と同様にパーフル
オロ基とアルコキシシラン基若しくは、ハロゲン
化シラン基を少なくとも有する離型剤を塗布する
ことによつて離型膜を形成することもできる。 アミンは離型処理に際してあらかじめマスター
の表面に塗布されるが、このときマスター材料と
して用いられるガラス又は金属の表面に存在する
−OH基との間に水素結合を起すかあるいは単純
な吸着を起すなどしてマスター表面に結合する。
次に離型剤がこの上に塗布され、後述の熱水処理
が行われるときに、離型剤分子構造の末端の−
SiOR〓又は−SiXを−SiOHに加水分解し、さら
に型表面の−OHと脱水縮合を起す際に、これら
のアミンは触媒作用を発揮する。したがつて水の
存在は必須であるので、あらかじめ使用するアミ
ンも水溶液として使用するのが妥当である。しか
しながら次に使用される離型剤は、水と相溶性が
ないので、このアミン処理の後にマスターの表面
が液体の水あるいはアミンで濡れた状態では、離
型剤を塗布する時にその溶液から離型剤が析出し
て均一な塗膜となり得ない。そこでアミン溶液塗
布後のマスターは一応乾燥状態にする必要があ
る。しかし型表面から完全にアミンを無くするこ
とは無意味であるので、乾燥は風乾かあるいは60
〜70℃程度の温度で短時間に止めるべきである。 次に、このようにアミンをあらかじめ塗布し、
乾燥したマスターの上に前述の離型剤を塗布する
工程が用いられる。離型剤の塗布が終つたマスタ
ーは、次に熱水中で処理を行う。この処理は水を
離型剤層を通してマスター表面に拡散させ、あら
かじめ塗布されているアミンと共に先に記した離
型剤中のアルコキシシラン基又はハロゲン化シラ
ン基を加水分解しかつマスター表面の−OH基と
結合させる化学反応を促進するために必要な処理
である。したがつて反応促進の目的からはより高
い温度が好ましいが、水が沸騰を起すと気泡によ
つて離型層が破壊され、ピンホールの発生等があ
るので注意しなければならない。したがつて好ま
しい処理温度は60〜95℃、時間は0.5〜3時間程
度が良好な結果を得る。 本発明の別の好ましい具体例では、パーフルオ
ロ基とアルコキシシラン基若しくはハロゲン化シ
ラン基を少なくとも有する離型処理剤をマスター
の上に塗布し、次いで酸の水溶液に浸漬すること
によつて離型層を形成することができる。 離型剤の塗布後の型は、特に酸の水溶液中で加
熱処理する。こゝで用いる酸としては、塩酸、硝
酸、硫酸、リン酸などの無機酸、ギ酸、酢酸、シ
ユウ酸、トルエンスルフオン酸などの有機酸が利
用できる。これらの酸は処理液から離型剤塗膜中
を拡散しマスター表面との界面に至つて離型剤の
アルコキシシラン基又はハロゲン化シラン基と反
応してこれらを加水分解して−SiOHとすると共
にさらにマスター表面に存在する−OH基との間
で縮合を起させる触媒としての作用をする。なお
このとき−SiOR〓又は−SiXを−SiOHとするに
は水の存在が必要であるので、これらの酸は水溶
液として使用され、その濃度は5重量%又はそれ
以下とし、処理液のPHが3.0又はそれ以下とする
濃度であることが望ましい。この処理液中での処
理条件は60〜95℃で0.5〜50時間程度である。温
度は反応促進の目的からすれば高温の方が好まし
いが、95℃を超えると沸騰が起り、気泡によつて
離型剤が脱落することがあり好ましいことではな
い。 アミン、酸いずれの場合も水溶液として処理す
ることになるが、このときの処理条件は反応促進
の面からはなるべく高温がよく、一方では処理液
が沸騰すると気泡によつて離型層が脱落させられ
る危険がある。そのために60〜95℃程度の温度で
たとえば0.5〜50時間の処理を行う。しかしなが
らはげしい沸騰は起らなくても離型処理をした表
面には小さな気泡が多数発生してくる場合があ
る。これはたとえば60℃のような比較的低い温度
においても起る現象である。離型剤を塗布された
マスターの表面は疎水性となつているため、この
ように一度発生した気泡は機械的撹拌等を行つて
もその表面エネルギーの関係から容易に取除くこ
とができない。さらに一度マスターを処理液から
取り出して水分を取つてから再度処理液中に入れ
るというような方法で一度発生した気泡を完全に
取り除いても再度気泡は発生する。このように気
泡が付着した離型層の部分は当然処理液と接触で
きないので上記の化学処理が進行しない。又場合
によると気泡は離型層の表面ではなく、その内部
から発生してきて離型層に孔をあけて下地を露出
させてしまう場合もある。そこで、アミン又は酸
の処理液の媒体としてエチレングリコール、ポリ
エチレングリール、グリセリン等の水と完全に相
溶性のある高沸点の2価アルコール又は3価アル
コールなどの多価アルコールを用いる。すなわち
多価アルコールに上記反応の要件としてのアミン
又は酸と溶解した溶液を処理溶液とするものであ
る。種々実験の結果、水の含有量が気泡発生にと
つて重要な関係があることがわかり上記多価アル
コールに対し溶解する水の濃度を15重量%以下、
5重量%以上が好ましい結果を得る。処理に用い
るアミン又は、酸はそれぞれ数重量%程度必要に
応じた濃度とすればよい。 以上は離型層を直接マスター上に塗布する方法
について記したが、この他に、あらかじめアミン
溶液又は酸溶液によつてマスターを処理した後に
離型剤を塗布する方法も開発した。この場合は離
型剤塗布後は上記2方法と同様の工程で、水のみ
によつて加熱処理を行うのであるが、この際も小
さな気泡が発生し、かつその気泡の挙動は上記と
全く同じである。したがつてこの方法を用いる場
合は離型剤塗布後の熱処理のとき、水のみで処理
するのではなく、上記の多価アルコールに例えば
15重量%以下、5重量%以上の水を溶解した溶液
を使用する。このようにすることによつて、処理
中に気泡が発生することなく、ピンホールや欠陥
のない離型層を型上に形成することができる。 このようにして形成された離型層は必要に応じ
て薄膜化処理される。この薄膜化処理は、上記し
たアミン又は酸による処理によつてマスター表面
に化学結合によつて密着している離型剤を少くな
くこともマスター表面に均一に残して他の離型剤
を除去することによつて行う。この除去手段とし
ては、離型層の摺擦処理、離型層表面の溶剤によ
る溶解除去など適宜選択すればよいが、特にフツ
化炭化水素系などの溶媒中に入れ超音波洗浄を行
うことで余分な離型剤が溶解させたり、又は一度
樹脂を離型層の表面で硬化してから分離すること
でマスター表面に結合した薄い離型層のみが除去
されずに残すことが好適である。 なお場合によつてはマスター表面との結合を促
進してさらに強固な離型層とするためにこの後
100〜150℃の温度で1〜2時間の熱処理を行つて
もよい。 樹脂層形成用の樹脂としては、例えばメチルメ
タアクリレートなどのアクリル系モノマー又はオ
リゴマー、スチレン又はスチレンを主体とする共
重合を目的とするコモノマーの混合体又はそのオ
リゴマー、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂等のプレポリマー等の材料を使用することがで
きる。 実施例 1 直径約50mm厚さ10mmのBK−7ガラスの円形の
基板に表面を非球面に研磨仕上げを行つたマスタ
ー(直径約25mm)をエポキシ系接着剤で接着して
マスター部材を作る。これをフツ素系有機シロキ
サン化合物FS−116(ダイキン工業株式会社製商
品名)をフツ素系溶媒ダイフロンS−3(ダイキ
ン工業株式会社製、商品名)で約3倍に希釈した
溶液中に浸漬して表面に均一にFS−116を塗布し
て自然乾燥する。次にn−プロピルアヨン1重量
%、水5重量%、エチレングリコール94重量%の
組成よりなる処理液中で90℃1時間処理した。こ
の処理中に被処理表面には気泡の発生は全くみと
められなかつた。処理後液から引上げたマスター
は水滴を拭きとつた後にダイフロンS−3中に入
れて超音波洗浄を約3分間行つた。超音波洗浄を
行つた後は余分なFS−116がとれて外観上未処理
の表面と全く区別がつかない状態になつた。次に
第3図に示すように黄銅製の支持部材5の中心部
に凹球面を持つたレンズ状のSF−4ガラスより
なるガラス基板4を置きこの上に置かれるマスタ
ーとガラス基板4との間に、最大部分で約0.3mm
最小部分で約0.1mmの間隙を作るように作製した
スペーサー7を置く。ついで透明なエポキシ樹脂
エポテツク301−2(エポキシテクノロジー社
製、商品名)の少量をガラス基板の凹部におき、
この上から第4図に示すようにマスターを挿入す
る。これを恒温槽に入れ、80℃3時間加熱処理し
て樹脂を硬化し、徐冷してから取り出す。次いで
マスターを支持部材5から引出すとマスターの表
面に硬化したエポキシ樹脂を介してガラス基板が
付着して取り出されてくる。マスターの表面に添
つてカミソリの刃を当て、軽く衝撃を加えるとガ
ラス基板は硬化した樹脂層とともに容易にマスタ
ーから離型でき、第5図に示すようなガラス基板
と樹脂層よりなるレンズが成形された。この非球
面レンズの表面はきわめて精度の高い非球面をな
しておりすぐれた光学部品ができた。 このマスターを用いて、離型処理を追加せず
に、レンズの成形をつゞけたところ7回まで離型
が可能であつた。なお、FS−116の赤外吸収スペ
クトルを第6図に示す。このチヤートから明らか
なように、FS−116はCF3(CF2)n基とSi
(OCH3)3基とを有する化合物であることがわか
る。図中11はC−Fの振動スペクトル、12は
SiOCH3の振動スペクトル、13はSiOの振動ス
ペクトルを示している。 実施例 2 実施例1において、FS−116塗布後のマスター
を、n−プロピルアミン・水・エチレングリコー
ル溶液で処理した後の、ダイフロンS−3中での
超音波洗浄を行わずに、実施例1と同様のレンズ
成形実験を行つた。成形後のレンズの離型は、き
わめて容易であり、追加の離型処理を行わずに7
回まで離型できた。成形レンズの表面は第1回目
の成形レンズではやゝ干渉縞にみだれが見られた
が、2回目以後の面では異常はなく良好であつ
た。 実施例 3 n−C8F17CH2CH2Si(OCH3)3の化学構造を有
する液晶配向用特殊シランLP−8T(信越化学工
業株式会社製、商品名)をダイフロンS−3で約
2重量%の濃度の溶液とし、これを実施例2にお
けるFS−116の代りに用いて実施例2と全く同様
のレンズの成形実験を行つた。マスターと成形レ
ンズとの離型はきわめて容易で、マスター表面に
カミソリの刃を当て軽く衝撃を与えることで容易
に離型できた。さらに離型処理を追加せずに成形
をつゞけたところ7回まで離型が可能であつた。
成形レンズの樹脂表面の精度は、第1回目をのぞ
いて、マスターと同様のすぐれた精度を示した。
第1回目のものは光学干渉縞に1/2λ程度のみだ
けがみられた。 実施例 4 フツ素系有機シロキサン化合物 C7F15CONHCH2CH2CH2SI(OCH3)3の約2重
量%のダイフロンS−3溶液を用いて実施例1で
用いたマスターの塗布処理を行つた。これを
HCl3重量%、水5重量%、エチレングリコール
92重量%の組成よりなる処理液中で90℃1時間処
理した。この処理中にマスター表面には気泡の発
生は全くみられなかつた。その後これをダイフロ
ンS−3中に入れて約3分間超音波洗浄を行つて
このマスター表面に付着している上記化合物を洗
い落したところ、未処理のマスター表面と外観上
全く同じであつた。このマスターを用いて実施例
1と同様のプロセスでレンズの成形を行つたとこ
ろ、きわめて容易にレンズが離型できた。この離
型効果は7回まで有効であり、また成形レンズの
樹脂面の精度はきわめて良好であつた。 実施例 5 フツ素系有機シロキサン化合物 C7F15COOCH2CH2CH2Si(OCH3)3の約2重量
%のダイフロンS−3溶液を用いて、実施例1で
用いたマイスターの塗布処理を行つた。これをn
−ブチルアミン1重量%、水5重量%グリセリン
94重量%の組成よりなる処理液中に入れ、90℃約
1時間の熱処理を行つた。その後これをダイフロ
ンS−3中に入れ約5分間超音波洗浄を行つてマ
スター表面に付着している上記化合物を洗い落し
たところ、表面は未処処理マスターと全く区別の
つかない外観を呈した。このマスターを用いて実
施例1と同様のレンズの成形を行つたところ、レ
ンズの離型はきわめて容易にできた。この離型効
果は7回の成形まで有効であつた。また成形後の
面の精度はきわめて高く、マスターの表面を忠実
に転写していた。 実施例 6 金型用金属材料YSSマルエージング鋼YAG(日
立金属株式会社製、商品名)を用いて第1図に示
すマスター部材を一体ものとして研削仕上げで作
成した。マスター表面の部分は非球面の研磨仕上
げとした。このマスターをFS−116の約3重量%
のダイフロンS−3溶液に浸漬塗布し、次いでこ
れをn−ブチルアミン1重量%、水5重量%、エ
チレングリコール94重量%の組成よりなる処理液
中に入れて90℃約1時間の熱処理を行つた。これ
をダイフロンS−3中に入れ約5分間超音波洗浄
を行つた。マスター表面は、未処理のものと同じ
外観を呈した。このマスターを用いて実施例1と
同じプロセスでレンズの成形を行つた。成形後の
レンズとマスターとはカミソリ刃を用いて離型を
行つたところ、きわめて容易に離型することがで
きた。このマスターは追加の離型処理を行わずに
7回まで離型が可能であつて、いずれもマスター
表面を忠実に転写したすぐれた面精度を示した。 比較例 1 実施例1で用いたマスターの表面にシリコーン
系ペースト状離型剤KS−61(信越化学工業株式会
社製、商品名)を不織布を用いて塗布した。この
ときマスターを約60℃に加熱し、離型剤を軟しく
てできるだけマスター表面を平滑になるように拭
き上げた。このマスターを用いて、実施例1に示
したプロセスでレンズの成形を行つた。樹脂硬化
後カミソリの刃を用いて離型しようとしたが部分
的にはく離が起つたがレンズをはずすことはでき
なかつた。 比較例 2 実施例1で用いたマスター表面にシリコーンワ
ニス離型剤KS−700(信越化学工業株式会社製、
商品名)を、n−ヘキサンを用いて約10倍に希釈
したものを塗布した。これを不織布を用いて光学
的曲面の精度を害さぬようきれいに拭き上げてか
ら、270℃で1時間焼付け後徐冷した。次いでこ
のマスターを用いて実施例1と同様のレンズの成
型実験を行つたところ、レンズは離型性不十分
で、カミソリ刃の打撃部のガラス基板にヒビが入
つてしまつた。 比較例 3 実施例1で用いたマスターを約80℃に加熱して
おき、このマスターの表面にカルナウバワツクス
(融点約65℃)をこすりつけて溶解しながら塗布
する。次に不織布を用いて余分に付着してとけて
いるカルナウバワツクスを拭きとり表面を平滑な
処理面に拭き上げてから常温にもどす。このマス
ターを用いて実施例1と同様にしてレンズの成形
を行つたが離型が不充分で一部レンズが割れてし
まつた。離型できた部分のレンズの樹脂表面には
離型剤の拭きムラにもとずく微小な凹凸が、その
表面の反射像でみられた。
が好ましい。このように本発明における離型性
は、このパーフルオロ基によつて発揮されるもの
である。 本発明で使用する離型剤の、パーフルオロ基の
ない方の一端は少くとも1つのアルコキシシラン
基あるいはハロゲン化シラン基を有している。ア
ルコキシシラン基−SiOR〓およびハロゲン化シラ
ン基−SiXは水分と反応して−SiOとなりさらに
これがガラス、金属等の型材料の表面に存在する
−OH基との間で脱水縮合又は水素結合等を起し
て結合する。 すなわち本発明に使用する離型剤はその一端で
成形用のマスターの表面に化学結合し、他端にパ
ーフルオロ基を配向してマスター型表面を被うこ
ととなり、薄くて耐久性に優れ均一な離型層を形
成することができる。 パーフルオロ基とアルコキシシラン基又はハロ
ゲン化シラン基の珪素原子とは直接結合されてい
てもよい構造単位として、−(CH2)l−、−O−
(CH2)l−O−、−NH−(CH2)l−NH−、−
(CH2)−O−(CH2)−l−、−(CH2)l−NH−
(OH2)l−、−CONH−(CH2)l−、−COO
(CH2)l−等の構造を介して結合されていても
よい。これらの構造は可能なかぎり短いものでl
は3又はそれ以下がよい。具体的な化合物例とし
ては、下記のものを挙げることができる。 (1) CF3−(CF2)7−(CH2)3−NH−(CH2)3−Si
(OCH3)3 (2) CF3−(CF2)7−O−(CH2)3−O−Si
(OCH3)3 (3) CF3−(CF2)7−NH−(CH2)3−NH−Si
(OCH3)3 (4) CF3−(CF2)7−(CH2)3−O−(CH2)3−Si
(OCH3)3 (5) CF3−(CF2)6−CONH−(OH2)3−SI
(OC2H5)3C (6) CF3−(CF2)7−(CH2)3−Si(OCH3)3 (7) CF3−(CF2)6−COO−(CH2)3−Si(OCH3)3 (8) CF3−(CF2)7−(CH2)3−NH−(CH2)3−
SiCl3 (9) CF3−(CF2)7−O−(CH2)3−O−SiCl3 上記のフツ素離型剤は通常は固体であるが、こ
れをマスター表面に適用するには有機溶剤に溶解
した溶液とする必要がある。離型剤の分子構造に
よつて異つてくるが、多くはその溶媒としてフツ
化炭化水素系の溶剤又はそれに若干の有機溶媒を
混合したものが適している。たとえば、CCl2F−
CCl2F、CCl2F−CClF2あるいはこれらとメタノ
ール、エタノール、アセトン、トリクロルエチレ
ンなど相溶性のある有機溶媒を混合したものを用
いることができる。溶媒の濃度はとくに限定はな
いが必要とする離型膜はとくに薄いことが特徴で
あるので、濃度は低いもので充分であり1〜3重
量%でよい。 この溶液をマスターの表面に塗布するには浸漬
塗布、スプレー塗布、ハケ塗に等の通常の塗布方
法を用いることができる。とくに光学部品ではホ
コリ・ゴミ等の付着は好ましくないので、塗布す
る溶液、塗布雰囲気、型そのもの等はホコリを取
除いておく必要がある。塗布後は通常は自然乾燥
で溶媒を蒸発させて乾燥塗膜とするが、このとき
塗布された膜厚はとくに規定するべきものではな
いが、20μ以下が適当である。 離型層はマスター表面と強度に密着するよう
に、多価アルコールの存在下で離型剤をマスター
表面に化合結合するように処理することが有効で
ある。このための処理の例としては、アミン又は
酸による処理が挙げられる。例えば、離型剤の塗
布が終つたマスターは、アミンを含有する処理液
中で加熱処理される。こゝで用いるアミンは1級
アミン、2級アミン、3級アミンの何れでもよい
が、とくに1級アミンと2級アミンが有効であ
る。具体的にはたとえばエチルアミン、プロピル
アミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシル
アミン等の1級アミンや2級アミンとしてはジエ
チルアミン等がある。これらのアミンはいずれも
水溶性のアミンで、少くとも20重量%まで水に溶
解する。 これらのアミンは処理液から離型層中に拡散
し、離型剤のアルコキシシラン又はハロゲン化シ
ランの基と反応して、下地のマスター表面の−
OHとの脱水縮合を促進することがその目的であ
るので、分子構造はなるべく簡単な構造を持ちか
つ分子量も小さく、離型剤層内に拡散しやすいも
のが適している。これらアミンの濃度は15重量%
以下望みくは0.5〜3重量%程度が適している。 この処理液のもう一つの作用は離型剤末端の−
Si−OR〓又はSiXを−SiOHに加水分解すること
にあるので、この処理液は水を有することが要件
である。したがつて処理液としてはアミンの水溶
液を用いる。 この処理液中での処理は60〜95℃の温度で0.5
〜3時間程度条件下で行われるのがよい。温度は
反応促進剤の意味では高温である方がよいが、95
℃を越えると水が沸騰を起し、気泡が激しく発生
してマスター表面を攻撃して離型剤層を機械的に
脱落させることがあるので上記の通り60〜95℃が
適切である。 また、本発明の好ましい具体例では、アミン化
合物又は酸の水溶液を予めマスターの表面に塗布
し、これを乾燥した後に、前述と同様にパーフル
オロ基とアルコキシシラン基若しくは、ハロゲン
化シラン基を少なくとも有する離型剤を塗布する
ことによつて離型膜を形成することもできる。 アミンは離型処理に際してあらかじめマスター
の表面に塗布されるが、このときマスター材料と
して用いられるガラス又は金属の表面に存在する
−OH基との間に水素結合を起すかあるいは単純
な吸着を起すなどしてマスター表面に結合する。
次に離型剤がこの上に塗布され、後述の熱水処理
が行われるときに、離型剤分子構造の末端の−
SiOR〓又は−SiXを−SiOHに加水分解し、さら
に型表面の−OHと脱水縮合を起す際に、これら
のアミンは触媒作用を発揮する。したがつて水の
存在は必須であるので、あらかじめ使用するアミ
ンも水溶液として使用するのが妥当である。しか
しながら次に使用される離型剤は、水と相溶性が
ないので、このアミン処理の後にマスターの表面
が液体の水あるいはアミンで濡れた状態では、離
型剤を塗布する時にその溶液から離型剤が析出し
て均一な塗膜となり得ない。そこでアミン溶液塗
布後のマスターは一応乾燥状態にする必要があ
る。しかし型表面から完全にアミンを無くするこ
とは無意味であるので、乾燥は風乾かあるいは60
〜70℃程度の温度で短時間に止めるべきである。 次に、このようにアミンをあらかじめ塗布し、
乾燥したマスターの上に前述の離型剤を塗布する
工程が用いられる。離型剤の塗布が終つたマスタ
ーは、次に熱水中で処理を行う。この処理は水を
離型剤層を通してマスター表面に拡散させ、あら
かじめ塗布されているアミンと共に先に記した離
型剤中のアルコキシシラン基又はハロゲン化シラ
ン基を加水分解しかつマスター表面の−OH基と
結合させる化学反応を促進するために必要な処理
である。したがつて反応促進の目的からはより高
い温度が好ましいが、水が沸騰を起すと気泡によ
つて離型層が破壊され、ピンホールの発生等があ
るので注意しなければならない。したがつて好ま
しい処理温度は60〜95℃、時間は0.5〜3時間程
度が良好な結果を得る。 本発明の別の好ましい具体例では、パーフルオ
ロ基とアルコキシシラン基若しくはハロゲン化シ
ラン基を少なくとも有する離型処理剤をマスター
の上に塗布し、次いで酸の水溶液に浸漬すること
によつて離型層を形成することができる。 離型剤の塗布後の型は、特に酸の水溶液中で加
熱処理する。こゝで用いる酸としては、塩酸、硝
酸、硫酸、リン酸などの無機酸、ギ酸、酢酸、シ
ユウ酸、トルエンスルフオン酸などの有機酸が利
用できる。これらの酸は処理液から離型剤塗膜中
を拡散しマスター表面との界面に至つて離型剤の
アルコキシシラン基又はハロゲン化シラン基と反
応してこれらを加水分解して−SiOHとすると共
にさらにマスター表面に存在する−OH基との間
で縮合を起させる触媒としての作用をする。なお
このとき−SiOR〓又は−SiXを−SiOHとするに
は水の存在が必要であるので、これらの酸は水溶
液として使用され、その濃度は5重量%又はそれ
以下とし、処理液のPHが3.0又はそれ以下とする
濃度であることが望ましい。この処理液中での処
理条件は60〜95℃で0.5〜50時間程度である。温
度は反応促進の目的からすれば高温の方が好まし
いが、95℃を超えると沸騰が起り、気泡によつて
離型剤が脱落することがあり好ましいことではな
い。 アミン、酸いずれの場合も水溶液として処理す
ることになるが、このときの処理条件は反応促進
の面からはなるべく高温がよく、一方では処理液
が沸騰すると気泡によつて離型層が脱落させられ
る危険がある。そのために60〜95℃程度の温度で
たとえば0.5〜50時間の処理を行う。しかしなが
らはげしい沸騰は起らなくても離型処理をした表
面には小さな気泡が多数発生してくる場合があ
る。これはたとえば60℃のような比較的低い温度
においても起る現象である。離型剤を塗布された
マスターの表面は疎水性となつているため、この
ように一度発生した気泡は機械的撹拌等を行つて
もその表面エネルギーの関係から容易に取除くこ
とができない。さらに一度マスターを処理液から
取り出して水分を取つてから再度処理液中に入れ
るというような方法で一度発生した気泡を完全に
取り除いても再度気泡は発生する。このように気
泡が付着した離型層の部分は当然処理液と接触で
きないので上記の化学処理が進行しない。又場合
によると気泡は離型層の表面ではなく、その内部
から発生してきて離型層に孔をあけて下地を露出
させてしまう場合もある。そこで、アミン又は酸
の処理液の媒体としてエチレングリコール、ポリ
エチレングリール、グリセリン等の水と完全に相
溶性のある高沸点の2価アルコール又は3価アル
コールなどの多価アルコールを用いる。すなわち
多価アルコールに上記反応の要件としてのアミン
又は酸と溶解した溶液を処理溶液とするものであ
る。種々実験の結果、水の含有量が気泡発生にと
つて重要な関係があることがわかり上記多価アル
コールに対し溶解する水の濃度を15重量%以下、
5重量%以上が好ましい結果を得る。処理に用い
るアミン又は、酸はそれぞれ数重量%程度必要に
応じた濃度とすればよい。 以上は離型層を直接マスター上に塗布する方法
について記したが、この他に、あらかじめアミン
溶液又は酸溶液によつてマスターを処理した後に
離型剤を塗布する方法も開発した。この場合は離
型剤塗布後は上記2方法と同様の工程で、水のみ
によつて加熱処理を行うのであるが、この際も小
さな気泡が発生し、かつその気泡の挙動は上記と
全く同じである。したがつてこの方法を用いる場
合は離型剤塗布後の熱処理のとき、水のみで処理
するのではなく、上記の多価アルコールに例えば
15重量%以下、5重量%以上の水を溶解した溶液
を使用する。このようにすることによつて、処理
中に気泡が発生することなく、ピンホールや欠陥
のない離型層を型上に形成することができる。 このようにして形成された離型層は必要に応じ
て薄膜化処理される。この薄膜化処理は、上記し
たアミン又は酸による処理によつてマスター表面
に化学結合によつて密着している離型剤を少くな
くこともマスター表面に均一に残して他の離型剤
を除去することによつて行う。この除去手段とし
ては、離型層の摺擦処理、離型層表面の溶剤によ
る溶解除去など適宜選択すればよいが、特にフツ
化炭化水素系などの溶媒中に入れ超音波洗浄を行
うことで余分な離型剤が溶解させたり、又は一度
樹脂を離型層の表面で硬化してから分離すること
でマスター表面に結合した薄い離型層のみが除去
されずに残すことが好適である。 なお場合によつてはマスター表面との結合を促
進してさらに強固な離型層とするためにこの後
100〜150℃の温度で1〜2時間の熱処理を行つて
もよい。 樹脂層形成用の樹脂としては、例えばメチルメ
タアクリレートなどのアクリル系モノマー又はオ
リゴマー、スチレン又はスチレンを主体とする共
重合を目的とするコモノマーの混合体又はそのオ
リゴマー、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂等のプレポリマー等の材料を使用することがで
きる。 実施例 1 直径約50mm厚さ10mmのBK−7ガラスの円形の
基板に表面を非球面に研磨仕上げを行つたマスタ
ー(直径約25mm)をエポキシ系接着剤で接着して
マスター部材を作る。これをフツ素系有機シロキ
サン化合物FS−116(ダイキン工業株式会社製商
品名)をフツ素系溶媒ダイフロンS−3(ダイキ
ン工業株式会社製、商品名)で約3倍に希釈した
溶液中に浸漬して表面に均一にFS−116を塗布し
て自然乾燥する。次にn−プロピルアヨン1重量
%、水5重量%、エチレングリコール94重量%の
組成よりなる処理液中で90℃1時間処理した。こ
の処理中に被処理表面には気泡の発生は全くみと
められなかつた。処理後液から引上げたマスター
は水滴を拭きとつた後にダイフロンS−3中に入
れて超音波洗浄を約3分間行つた。超音波洗浄を
行つた後は余分なFS−116がとれて外観上未処理
の表面と全く区別がつかない状態になつた。次に
第3図に示すように黄銅製の支持部材5の中心部
に凹球面を持つたレンズ状のSF−4ガラスより
なるガラス基板4を置きこの上に置かれるマスタ
ーとガラス基板4との間に、最大部分で約0.3mm
最小部分で約0.1mmの間隙を作るように作製した
スペーサー7を置く。ついで透明なエポキシ樹脂
エポテツク301−2(エポキシテクノロジー社
製、商品名)の少量をガラス基板の凹部におき、
この上から第4図に示すようにマスターを挿入す
る。これを恒温槽に入れ、80℃3時間加熱処理し
て樹脂を硬化し、徐冷してから取り出す。次いで
マスターを支持部材5から引出すとマスターの表
面に硬化したエポキシ樹脂を介してガラス基板が
付着して取り出されてくる。マスターの表面に添
つてカミソリの刃を当て、軽く衝撃を加えるとガ
ラス基板は硬化した樹脂層とともに容易にマスタ
ーから離型でき、第5図に示すようなガラス基板
と樹脂層よりなるレンズが成形された。この非球
面レンズの表面はきわめて精度の高い非球面をな
しておりすぐれた光学部品ができた。 このマスターを用いて、離型処理を追加せず
に、レンズの成形をつゞけたところ7回まで離型
が可能であつた。なお、FS−116の赤外吸収スペ
クトルを第6図に示す。このチヤートから明らか
なように、FS−116はCF3(CF2)n基とSi
(OCH3)3基とを有する化合物であることがわか
る。図中11はC−Fの振動スペクトル、12は
SiOCH3の振動スペクトル、13はSiOの振動ス
ペクトルを示している。 実施例 2 実施例1において、FS−116塗布後のマスター
を、n−プロピルアミン・水・エチレングリコー
ル溶液で処理した後の、ダイフロンS−3中での
超音波洗浄を行わずに、実施例1と同様のレンズ
成形実験を行つた。成形後のレンズの離型は、き
わめて容易であり、追加の離型処理を行わずに7
回まで離型できた。成形レンズの表面は第1回目
の成形レンズではやゝ干渉縞にみだれが見られた
が、2回目以後の面では異常はなく良好であつ
た。 実施例 3 n−C8F17CH2CH2Si(OCH3)3の化学構造を有
する液晶配向用特殊シランLP−8T(信越化学工
業株式会社製、商品名)をダイフロンS−3で約
2重量%の濃度の溶液とし、これを実施例2にお
けるFS−116の代りに用いて実施例2と全く同様
のレンズの成形実験を行つた。マスターと成形レ
ンズとの離型はきわめて容易で、マスター表面に
カミソリの刃を当て軽く衝撃を与えることで容易
に離型できた。さらに離型処理を追加せずに成形
をつゞけたところ7回まで離型が可能であつた。
成形レンズの樹脂表面の精度は、第1回目をのぞ
いて、マスターと同様のすぐれた精度を示した。
第1回目のものは光学干渉縞に1/2λ程度のみだ
けがみられた。 実施例 4 フツ素系有機シロキサン化合物 C7F15CONHCH2CH2CH2SI(OCH3)3の約2重
量%のダイフロンS−3溶液を用いて実施例1で
用いたマスターの塗布処理を行つた。これを
HCl3重量%、水5重量%、エチレングリコール
92重量%の組成よりなる処理液中で90℃1時間処
理した。この処理中にマスター表面には気泡の発
生は全くみられなかつた。その後これをダイフロ
ンS−3中に入れて約3分間超音波洗浄を行つて
このマスター表面に付着している上記化合物を洗
い落したところ、未処理のマスター表面と外観上
全く同じであつた。このマスターを用いて実施例
1と同様のプロセスでレンズの成形を行つたとこ
ろ、きわめて容易にレンズが離型できた。この離
型効果は7回まで有効であり、また成形レンズの
樹脂面の精度はきわめて良好であつた。 実施例 5 フツ素系有機シロキサン化合物 C7F15COOCH2CH2CH2Si(OCH3)3の約2重量
%のダイフロンS−3溶液を用いて、実施例1で
用いたマイスターの塗布処理を行つた。これをn
−ブチルアミン1重量%、水5重量%グリセリン
94重量%の組成よりなる処理液中に入れ、90℃約
1時間の熱処理を行つた。その後これをダイフロ
ンS−3中に入れ約5分間超音波洗浄を行つてマ
スター表面に付着している上記化合物を洗い落し
たところ、表面は未処処理マスターと全く区別の
つかない外観を呈した。このマスターを用いて実
施例1と同様のレンズの成形を行つたところ、レ
ンズの離型はきわめて容易にできた。この離型効
果は7回の成形まで有効であつた。また成形後の
面の精度はきわめて高く、マスターの表面を忠実
に転写していた。 実施例 6 金型用金属材料YSSマルエージング鋼YAG(日
立金属株式会社製、商品名)を用いて第1図に示
すマスター部材を一体ものとして研削仕上げで作
成した。マスター表面の部分は非球面の研磨仕上
げとした。このマスターをFS−116の約3重量%
のダイフロンS−3溶液に浸漬塗布し、次いでこ
れをn−ブチルアミン1重量%、水5重量%、エ
チレングリコール94重量%の組成よりなる処理液
中に入れて90℃約1時間の熱処理を行つた。これ
をダイフロンS−3中に入れ約5分間超音波洗浄
を行つた。マスター表面は、未処理のものと同じ
外観を呈した。このマスターを用いて実施例1と
同じプロセスでレンズの成形を行つた。成形後の
レンズとマスターとはカミソリ刃を用いて離型を
行つたところ、きわめて容易に離型することがで
きた。このマスターは追加の離型処理を行わずに
7回まで離型が可能であつて、いずれもマスター
表面を忠実に転写したすぐれた面精度を示した。 比較例 1 実施例1で用いたマスターの表面にシリコーン
系ペースト状離型剤KS−61(信越化学工業株式会
社製、商品名)を不織布を用いて塗布した。この
ときマスターを約60℃に加熱し、離型剤を軟しく
てできるだけマスター表面を平滑になるように拭
き上げた。このマスターを用いて、実施例1に示
したプロセスでレンズの成形を行つた。樹脂硬化
後カミソリの刃を用いて離型しようとしたが部分
的にはく離が起つたがレンズをはずすことはでき
なかつた。 比較例 2 実施例1で用いたマスター表面にシリコーンワ
ニス離型剤KS−700(信越化学工業株式会社製、
商品名)を、n−ヘキサンを用いて約10倍に希釈
したものを塗布した。これを不織布を用いて光学
的曲面の精度を害さぬようきれいに拭き上げてか
ら、270℃で1時間焼付け後徐冷した。次いでこ
のマスターを用いて実施例1と同様のレンズの成
型実験を行つたところ、レンズは離型性不十分
で、カミソリ刃の打撃部のガラス基板にヒビが入
つてしまつた。 比較例 3 実施例1で用いたマスターを約80℃に加熱して
おき、このマスターの表面にカルナウバワツクス
(融点約65℃)をこすりつけて溶解しながら塗布
する。次に不織布を用いて余分に付着してとけて
いるカルナウバワツクスを拭きとり表面を平滑な
処理面に拭き上げてから常温にもどす。このマス
ターを用いて実施例1と同様にしてレンズの成形
を行つたが離型が不充分で一部レンズが割れてし
まつた。離型できた部分のレンズの樹脂表面には
離型剤の拭きムラにもとずく微小な凹凸が、その
表面の反射像でみられた。
第1図は本発明に用いるマスターの断面図であ
る。第2図は表面に離型層を形成したマスターの
断面図である。第3図は光学部品を形成するため
にガラス基板を支持部材に配置した状態の断面図
である。第4図はガラス基板とマスターを重ねた
状態の断面図である。第5図は形成された光学部
品の断面図である。第6図は実施例で用いた離型
剤の赤外吸収スペクトル特性を示すグラフであ
る。 1……基板、2……マスター、3……離型層、
4……ガラス基板、5……支持部材、6……樹
脂、7……スペーサー、8……樹脂層。
る。第2図は表面に離型層を形成したマスターの
断面図である。第3図は光学部品を形成するため
にガラス基板を支持部材に配置した状態の断面図
である。第4図はガラス基板とマスターを重ねた
状態の断面図である。第5図は形成された光学部
品の断面図である。第6図は実施例で用いた離型
剤の赤外吸収スペクトル特性を示すグラフであ
る。 1……基板、2……マスター、3……離型層、
4……ガラス基板、5……支持部材、6……樹
脂、7……スペーサー、8……樹脂層。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 表面に離型層を有するマスターとガラス基板
との間に形成される間隙に樹脂を介在させること
によりガラス基板表面に樹脂層を形成した後、マ
スターを分離してガラス基板と樹脂層からなる光
学部品を製造する方法において、フツ素置換炭化
水素基とアルコキシシラン基若しくはハロゲン化
シラン基とを有する化合物からなる離型層を形成
後、多価アルコールの存在下で離型層を形成する
化合物がマスター表面に化学結合するように離型
層を処理することを特徴とする光学部品の製造方
法。 2 マスター表面にフツ素置換炭化水素基とアル
コキシシラン基若しくはハロゲン化シラン基とを
有する化合物を塗布後、塗布した化合物の一部を
マスター表面全体に均一に残して他を除去するこ
とにより形成した離型層である特許請求の範囲第
1項記載の光学部品の製造方法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18413983A JPS6073818A (ja) | 1983-09-30 | 1983-09-30 | 光学部品の製造方法 |
| US06/653,727 US4566930A (en) | 1983-09-30 | 1984-09-24 | Process for producing optical members |
| GB08424543A GB2148783B (en) | 1983-09-30 | 1984-09-28 | Process for producing optical members |
| DE19843436004 DE3436004A1 (de) | 1983-09-30 | 1984-10-01 | Verfahren zur herstellung von optischen bauelementen |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18413983A JPS6073818A (ja) | 1983-09-30 | 1983-09-30 | 光学部品の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6073818A JPS6073818A (ja) | 1985-04-26 |
| JPH0257003B2 true JPH0257003B2 (ja) | 1990-12-03 |
Family
ID=16148049
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18413983A Granted JPS6073818A (ja) | 1983-09-30 | 1983-09-30 | 光学部品の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6073818A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011104910A (ja) * | 2009-11-19 | 2011-06-02 | Tokyo Electron Ltd | テンプレート処理方法、プログラム、コンピュータ記憶媒体、テンプレート処理装置及びインプリントシステム |
-
1983
- 1983-09-30 JP JP18413983A patent/JPS6073818A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6073818A (ja) | 1985-04-26 |
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