JPH0359971B2 - - Google Patents
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- JPH0359971B2 JPH0359971B2 JP59172684A JP17268484A JPH0359971B2 JP H0359971 B2 JPH0359971 B2 JP H0359971B2 JP 59172684 A JP59172684 A JP 59172684A JP 17268484 A JP17268484 A JP 17268484A JP H0359971 B2 JPH0359971 B2 JP H0359971B2
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- Japan
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- toughness
- stainless steel
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- austenitic stainless
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
- C22C38/001—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing N
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
- C22C38/18—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
- C22C38/40—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
- C22C38/58—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with more than 1.5% by weight of manganese
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Hard Magnetic Materials (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は極低温構造用オーステナイト系ステン
レス鋼に係り、特に液体ヘリウム温度(4〓)か
らLNG温度(111〓)に至る極低温で使用する、
耐力靭性共に優れた安定オーステナイト系ステン
レス鋼に関するものである。 (従来の技術) 極低温で使用される材料の需要は、LNGのタ
ンク、配管、液体水素を燃料とするロケツト等の
容器、液体ヘリウム温度で使用しなければならな
い超電導磁石用構造材料等、エネルギーの転換と
も相俟つて、年々増加の傾向にあり、近い将来に
は核融合装置、リニアモータカー、超電導発電機
等に飛躍的需要増加が見込まれる。 極低温で使用される材料の必要特性としては、
まず安全面から使用温度で脆性破壊を起さないこ
とが挙げられ、ついで、高強度、特に高耐力、さ
らに、超電導等磁石用材料として使用する場合に
は、非磁性であることが挙げられる。 オーステナイト系ステンレス鋼は、極低温に至
るまで延性を保つため、低温用材料としての可能
性があり、従来からいくつかの用途に用いられて
いる。しかしながら、オーステナイト系ステンレ
ス鋼は、低温での耐力が低いという欠点があり、
構造用材料としては、強度の点から充分とはいえ
ない。 この低耐力を改善するための、最も効果的な手
段としてNの添加があることは、従来より良く知
られており、含窒素オーステナイト系ステンレス
鋼として実用に供されている。耐力の増加度は、
N量が多いほど大きく、また温度が低くなるほど
大になるが、N添加により、低温の靭性が劣化す
る欠点があるとされ、せいぜいN量が0.20%以下
のものが極低温用として、SUS304LN,
SUS316LNなどの名称で実用化されているに過
ぎない。しかしながら、この程度のN添加量で
は、極低温で要求される高耐力は得られないの
で、最近では他の鋼種、たとえば高マンガン・オ
ーステナイト鋼などが極低温用材料の有力な候補
として脚光を浴びるようになつて来た。したがつ
て、4〓において1000Mpa(メガパスカル)以上
の高耐力とVノツチシヤルピー試験でのエネルギ
ー吸収値100J(ジユール)以上の高靭性を有し、
しかも完全に非磁性である安定オーステナイト系
ステンレス鋼の開発が強く望まれている次第であ
る。 ここで、第1図は、C:0.02%、Si:0.8%、
Mn:0.5%、Cr:25%、Ni:13%の成分をもつ
オーステナイト系ステンレス鋼におけるN量と
0.2%耐力との関係を示したものである。同図か
ら明らかなように、4〓において1000Mpa以上
の耐力を得ようとするならば少なくとも0.234%
以上のN添加を必要とすることがわかる。Nを更
に増加することにより、低温の耐力は更に上昇す
るが、Nの溶解度に限度があり、オーステナイト
系ステンレス鋼においてはCr量が20%の場合で、
Nの固溶限は0.2%、25%で0.3%程度となる。し
たがつて4〓で1000Mpa以上の耐力を有する高
窒素ステンレス鋼を得ようとするならば、Cr量
は20%以上が必要である。このようにNを大量に
添加することにより、極低温用構造材料に必要な
耐力が確保できることは、公知の事実であるが、
Nの添加により、低温での靭性値が急激に低下
し、材料が脆化するため、実用に供することは難
しいとされて来た。 なおNを高めに添加したオーステナイト系ステ
ンレス鋼については先に特公昭54−24364号公報
によつて提案された0.001〜0.20%、Si0.1〜6.0%、
Mn0.1〜10.0%、Cr15.0〜35.0%、Ni3.5〜22.0%、
Mo0.01〜6.0%、N0.001〜0.5%を基本成分とし且
つCr+Ni+Mo+Si22.5%としAl0.01〜0.07%、
Ca0.001〜0.02%を必須とする鋼が知られている
が、同鋼は熱間加工性が良く地疵が発生せず且つ
海水中での耐孔食性や800℃近傍での耐熱性を期
待して開発されたものであつて、前記のような4
〓にも達する極低温における構造材料としての検
討は行なわれていなかつた。 そこで本発明者らの一部はこれらの点に鑑み、
重量%でC0.05%以下、N0.2〜0.50%、Si1.0%以
下、Mn4.0%以下、Cr20〜35%、Ni8〜25%を含
有し、残部が実質的にFeであり、且つ非金属介
在物量が、清浄度0.1%以下である極低温構造用
オーステナイト系ステンレス鋼を特願昭58−
118880号により既に提案している。このステンレ
ス鋼は液体ヘリウム温度(4〓)からLNG温度
(111〓)に至る極低温における耐力靭性共に優れ
た性質を有し、極低温用構造材料として使用する
場合必要とする特性を具備している。 (発明が解決しようとする問題点) ところでこの必要特性を検討の結果これらの特
性の内でも特に、極低温用構造材料に要求される
低温での耐力は4〓で1000Mpa以上にしVノツ
チシヤルピー試験でのエネルギー吸収値100J以上
での高靭性のレベルにまで向上せしめる事が鋼構
造物の安全性および使用寿命の見地から非常に好
ましいという結論を得た。 そこで本発明者等の一部は前述のNを含むNi
−Cr系オーステナイト系ステンレス鋼について
さらに数多くの実験を行つた結果、極低温での靭
性を劣化させるのは非金属介在物や析出物の内で
も特にAlを含む酸化物介在物および析出物であ
ること、従つてAl量を極力低減したり熱処理に
より析出Alを固溶Alにすれば、極低温での靭性
が改善されることかつAlとNの割合N/Alの原
子比が大きいほど低温靭性に有利であることなど
を見出した。さらにまた電子顕微鏡やEDX、介
在物分析などミクロ調査の結果から低温衝撃靭性
はAl2O3やAlNが多いほど低くとくに大型のも
の,形状が角ばつたもの,細長いものは球状介在
物に比べ好ましくないことを実験的に確認した。 本発明は先に提案した極低温用オーステナイト
ステンレス鋼を以上の知見に基いて改良した結果
得られたものであつてその目的とするところは、
極低温で一段と高耐力、高靭性を有しかつ非磁性
である極低温構造用安定オーステナイト系ステン
レス鋼を提供するにある。 (問題点を解決するための手段) 本発明の要旨とするところは、重量%でC:
0.05%以下、Si:1.0%以下、Mn:4.0%以下、
Cr:22.5〜35%、Ni:8〜25%、全Al:0.002〜
0.07%、N:0.234〜0.50%を含有し、且つNとAl
の割合が原子比で10以上481以下であり、残部が
実質的にFeであることを特徴とする極低温耐力、
靭性に優れた構造用オーステナイト系ステンレス
鋼にある。 以下に本発明について詳細に説明する。 まず、Cはオーステナイト安定化元素ではある
が、Crと結合して炭化物を作り易く、靭性劣化
の原因となるので低く抑えるべきであり、0.05%
以下とした。 次に、Nは低温での耐力確保のため少くとも
0.234%以上必要である。N量は多いほど耐力は
大きくなるが、Nを0.50%超固溶状態で含むこと
は難しく、Nが析出物の形で存在しても、低温耐
力の増加にはほとんど役に立たず、かえつて靭性
を劣化させるので、Nの上限を0.50%とした。 Siは、製鋼時における脱酸のために必要な元素
であるが、フエライト安定化元素であり、1.0%
を超えると、安定オーステナイト組織を得にくく
なるので、1.0%以下とした。 Mnは、Nの溶解度を大きくする作用があり、
Nを多量に添加する場合にきわめて有効な元素で
あるが、Crが20%以上の鋼では、フエライト安
定化元素であり、4.0%を超えて含有すると、δ
フエライトが出やすくなり低温靭性を急激に劣化
するので、含有量上限を4.0%と定めた。 Crは、Nの固溶量と大きな関係があり、Cr量
が22.5%の時Nの固溶量は約0.25%であり、Crが
増加すると共にNの固溶量も増加する。ただし、
Crはフエライト安定化元素であり、安定なオー
ステナイトを維持するためには、Cr量に見あつ
てNi量を増加させねばならず、後述のようにNi
があまり多くなると、極低温において強磁性を示
すおそれがあるので、Crの添加量は35%が限度
である。したがつて本発明鋼のCr量を22.5〜35%
と定めた。 Niは、オーステナイト安定化のために必要な
元素でありCrとのバランスで決まるが、Nもま
たオーステナイト安定化元素であるため、Nを含
まない一般の安定オーステナイトステンレス鋼ほ
どの多量は必要としない。本発明者らの試験結果
によれば、低温でも安定なオーステナイトを得る
ためには、本発明鋼では8%以上のNiが必要で
あり、Niが25%を超えると、極低温において、
強磁性を帯びる危険性があるため、Ni量は8〜
25%とした。 次に本発明において全Alの含有量を0.07%以下
と限定した理由は次の実験結果に基くものであ
る。即ち第2図はC:0.03%、N:0.15〜0.51%、
Si0.8%、Mn1.0%、Cr25%、Ni13%の成分を持
つ鋼においてAl量と77〓および4〓における
JIS4号衝撃試験片によるVノツチシヤルピー衝撃
吸収エネルギー値との関係を示すものである。同
図から明らかなようにAl量は衝撃吸収エネルギ
ー値と大きな相関を有し、4〓においても100J以
上の十分な靭性を得ようとするにはAl量を0.07%
以下に抑える必要があることが判る。すなわち
Al量が0.07%を超えると4〓における衝撃吸収エ
ネルギー値が100Jに達しないという不都合を生ず
る。よつてAl量は0.07%以下に限定する必要があ
る。また、Al量は低ければ低い程、衝撃吸収エ
ネルギーが高くなるが、経済性も考慮した現状の
製鋼技術では自ずから限界があるので、Alの下
限は0.002%とする。 さらに、本発明においてはN/Alの原子比を
10以上とすることを極めて重要な骨子の一つとす
るものである。即ち、第3図は第2図と同一成分
範囲の合金についてAlとNの割合N/Alの原子
比を4〓の衝撃吸収エネルギーとの関係を示した
ものであるが第3図から明らかな如く、衝撃、吸
収エネルギー値を100J以上にするためにはN/
Al値を10以上にすることが必須であることが判
る。N/Alの原子比は大きくなればなる程、極
低温での衝撃吸収エネルギーは高くなるが、前記
理由でもつてNには上限が、Alには下限がある
ので、これらから、N/Alの原子比の上限は481
とする。 以上述べた以外の元素については、介在物、析
出物生成の原因となるため、できるだけ低く抑え
ることがのぞましい。なおこの場合清浄度として
は0.1%以下であることが有効である。 次に本発明鋼の効果を実施例についてさらに具
体的に述べる。 実施例 供試鋼No.1〜13の化学成分を第1表に示した。
同表中No.1〜7までの鋼は本発明鋼であり、4
〓,77〓のいずれの温度においても衝撃吸収エネ
ルギー値が高い。No.8〜11及びNo.13の材料はいず
れもAl含有量が0.07%超で本発明鋼の範囲より多
い。またNo.10、No.12の材料はCrが本発明の下限
を下まわつている。またNo.11の材料はNが本発明
の上限を上まわつている。このため衝撃吸収エネ
ルギーがいずれも低い。しかもNo.8〜13の材料は
N/Alの原子比がいずれも10未満である。衝撃
吸収エネルギーが低いのは主としてこの点に起因
するものであることが明らかである。
レス鋼に係り、特に液体ヘリウム温度(4〓)か
らLNG温度(111〓)に至る極低温で使用する、
耐力靭性共に優れた安定オーステナイト系ステン
レス鋼に関するものである。 (従来の技術) 極低温で使用される材料の需要は、LNGのタ
ンク、配管、液体水素を燃料とするロケツト等の
容器、液体ヘリウム温度で使用しなければならな
い超電導磁石用構造材料等、エネルギーの転換と
も相俟つて、年々増加の傾向にあり、近い将来に
は核融合装置、リニアモータカー、超電導発電機
等に飛躍的需要増加が見込まれる。 極低温で使用される材料の必要特性としては、
まず安全面から使用温度で脆性破壊を起さないこ
とが挙げられ、ついで、高強度、特に高耐力、さ
らに、超電導等磁石用材料として使用する場合に
は、非磁性であることが挙げられる。 オーステナイト系ステンレス鋼は、極低温に至
るまで延性を保つため、低温用材料としての可能
性があり、従来からいくつかの用途に用いられて
いる。しかしながら、オーステナイト系ステンレ
ス鋼は、低温での耐力が低いという欠点があり、
構造用材料としては、強度の点から充分とはいえ
ない。 この低耐力を改善するための、最も効果的な手
段としてNの添加があることは、従来より良く知
られており、含窒素オーステナイト系ステンレス
鋼として実用に供されている。耐力の増加度は、
N量が多いほど大きく、また温度が低くなるほど
大になるが、N添加により、低温の靭性が劣化す
る欠点があるとされ、せいぜいN量が0.20%以下
のものが極低温用として、SUS304LN,
SUS316LNなどの名称で実用化されているに過
ぎない。しかしながら、この程度のN添加量で
は、極低温で要求される高耐力は得られないの
で、最近では他の鋼種、たとえば高マンガン・オ
ーステナイト鋼などが極低温用材料の有力な候補
として脚光を浴びるようになつて来た。したがつ
て、4〓において1000Mpa(メガパスカル)以上
の高耐力とVノツチシヤルピー試験でのエネルギ
ー吸収値100J(ジユール)以上の高靭性を有し、
しかも完全に非磁性である安定オーステナイト系
ステンレス鋼の開発が強く望まれている次第であ
る。 ここで、第1図は、C:0.02%、Si:0.8%、
Mn:0.5%、Cr:25%、Ni:13%の成分をもつ
オーステナイト系ステンレス鋼におけるN量と
0.2%耐力との関係を示したものである。同図か
ら明らかなように、4〓において1000Mpa以上
の耐力を得ようとするならば少なくとも0.234%
以上のN添加を必要とすることがわかる。Nを更
に増加することにより、低温の耐力は更に上昇す
るが、Nの溶解度に限度があり、オーステナイト
系ステンレス鋼においてはCr量が20%の場合で、
Nの固溶限は0.2%、25%で0.3%程度となる。し
たがつて4〓で1000Mpa以上の耐力を有する高
窒素ステンレス鋼を得ようとするならば、Cr量
は20%以上が必要である。このようにNを大量に
添加することにより、極低温用構造材料に必要な
耐力が確保できることは、公知の事実であるが、
Nの添加により、低温での靭性値が急激に低下
し、材料が脆化するため、実用に供することは難
しいとされて来た。 なおNを高めに添加したオーステナイト系ステ
ンレス鋼については先に特公昭54−24364号公報
によつて提案された0.001〜0.20%、Si0.1〜6.0%、
Mn0.1〜10.0%、Cr15.0〜35.0%、Ni3.5〜22.0%、
Mo0.01〜6.0%、N0.001〜0.5%を基本成分とし且
つCr+Ni+Mo+Si22.5%としAl0.01〜0.07%、
Ca0.001〜0.02%を必須とする鋼が知られている
が、同鋼は熱間加工性が良く地疵が発生せず且つ
海水中での耐孔食性や800℃近傍での耐熱性を期
待して開発されたものであつて、前記のような4
〓にも達する極低温における構造材料としての検
討は行なわれていなかつた。 そこで本発明者らの一部はこれらの点に鑑み、
重量%でC0.05%以下、N0.2〜0.50%、Si1.0%以
下、Mn4.0%以下、Cr20〜35%、Ni8〜25%を含
有し、残部が実質的にFeであり、且つ非金属介
在物量が、清浄度0.1%以下である極低温構造用
オーステナイト系ステンレス鋼を特願昭58−
118880号により既に提案している。このステンレ
ス鋼は液体ヘリウム温度(4〓)からLNG温度
(111〓)に至る極低温における耐力靭性共に優れ
た性質を有し、極低温用構造材料として使用する
場合必要とする特性を具備している。 (発明が解決しようとする問題点) ところでこの必要特性を検討の結果これらの特
性の内でも特に、極低温用構造材料に要求される
低温での耐力は4〓で1000Mpa以上にしVノツ
チシヤルピー試験でのエネルギー吸収値100J以上
での高靭性のレベルにまで向上せしめる事が鋼構
造物の安全性および使用寿命の見地から非常に好
ましいという結論を得た。 そこで本発明者等の一部は前述のNを含むNi
−Cr系オーステナイト系ステンレス鋼について
さらに数多くの実験を行つた結果、極低温での靭
性を劣化させるのは非金属介在物や析出物の内で
も特にAlを含む酸化物介在物および析出物であ
ること、従つてAl量を極力低減したり熱処理に
より析出Alを固溶Alにすれば、極低温での靭性
が改善されることかつAlとNの割合N/Alの原
子比が大きいほど低温靭性に有利であることなど
を見出した。さらにまた電子顕微鏡やEDX、介
在物分析などミクロ調査の結果から低温衝撃靭性
はAl2O3やAlNが多いほど低くとくに大型のも
の,形状が角ばつたもの,細長いものは球状介在
物に比べ好ましくないことを実験的に確認した。 本発明は先に提案した極低温用オーステナイト
ステンレス鋼を以上の知見に基いて改良した結果
得られたものであつてその目的とするところは、
極低温で一段と高耐力、高靭性を有しかつ非磁性
である極低温構造用安定オーステナイト系ステン
レス鋼を提供するにある。 (問題点を解決するための手段) 本発明の要旨とするところは、重量%でC:
0.05%以下、Si:1.0%以下、Mn:4.0%以下、
Cr:22.5〜35%、Ni:8〜25%、全Al:0.002〜
0.07%、N:0.234〜0.50%を含有し、且つNとAl
の割合が原子比で10以上481以下であり、残部が
実質的にFeであることを特徴とする極低温耐力、
靭性に優れた構造用オーステナイト系ステンレス
鋼にある。 以下に本発明について詳細に説明する。 まず、Cはオーステナイト安定化元素ではある
が、Crと結合して炭化物を作り易く、靭性劣化
の原因となるので低く抑えるべきであり、0.05%
以下とした。 次に、Nは低温での耐力確保のため少くとも
0.234%以上必要である。N量は多いほど耐力は
大きくなるが、Nを0.50%超固溶状態で含むこと
は難しく、Nが析出物の形で存在しても、低温耐
力の増加にはほとんど役に立たず、かえつて靭性
を劣化させるので、Nの上限を0.50%とした。 Siは、製鋼時における脱酸のために必要な元素
であるが、フエライト安定化元素であり、1.0%
を超えると、安定オーステナイト組織を得にくく
なるので、1.0%以下とした。 Mnは、Nの溶解度を大きくする作用があり、
Nを多量に添加する場合にきわめて有効な元素で
あるが、Crが20%以上の鋼では、フエライト安
定化元素であり、4.0%を超えて含有すると、δ
フエライトが出やすくなり低温靭性を急激に劣化
するので、含有量上限を4.0%と定めた。 Crは、Nの固溶量と大きな関係があり、Cr量
が22.5%の時Nの固溶量は約0.25%であり、Crが
増加すると共にNの固溶量も増加する。ただし、
Crはフエライト安定化元素であり、安定なオー
ステナイトを維持するためには、Cr量に見あつ
てNi量を増加させねばならず、後述のようにNi
があまり多くなると、極低温において強磁性を示
すおそれがあるので、Crの添加量は35%が限度
である。したがつて本発明鋼のCr量を22.5〜35%
と定めた。 Niは、オーステナイト安定化のために必要な
元素でありCrとのバランスで決まるが、Nもま
たオーステナイト安定化元素であるため、Nを含
まない一般の安定オーステナイトステンレス鋼ほ
どの多量は必要としない。本発明者らの試験結果
によれば、低温でも安定なオーステナイトを得る
ためには、本発明鋼では8%以上のNiが必要で
あり、Niが25%を超えると、極低温において、
強磁性を帯びる危険性があるため、Ni量は8〜
25%とした。 次に本発明において全Alの含有量を0.07%以下
と限定した理由は次の実験結果に基くものであ
る。即ち第2図はC:0.03%、N:0.15〜0.51%、
Si0.8%、Mn1.0%、Cr25%、Ni13%の成分を持
つ鋼においてAl量と77〓および4〓における
JIS4号衝撃試験片によるVノツチシヤルピー衝撃
吸収エネルギー値との関係を示すものである。同
図から明らかなようにAl量は衝撃吸収エネルギ
ー値と大きな相関を有し、4〓においても100J以
上の十分な靭性を得ようとするにはAl量を0.07%
以下に抑える必要があることが判る。すなわち
Al量が0.07%を超えると4〓における衝撃吸収エ
ネルギー値が100Jに達しないという不都合を生ず
る。よつてAl量は0.07%以下に限定する必要があ
る。また、Al量は低ければ低い程、衝撃吸収エ
ネルギーが高くなるが、経済性も考慮した現状の
製鋼技術では自ずから限界があるので、Alの下
限は0.002%とする。 さらに、本発明においてはN/Alの原子比を
10以上とすることを極めて重要な骨子の一つとす
るものである。即ち、第3図は第2図と同一成分
範囲の合金についてAlとNの割合N/Alの原子
比を4〓の衝撃吸収エネルギーとの関係を示した
ものであるが第3図から明らかな如く、衝撃、吸
収エネルギー値を100J以上にするためにはN/
Al値を10以上にすることが必須であることが判
る。N/Alの原子比は大きくなればなる程、極
低温での衝撃吸収エネルギーは高くなるが、前記
理由でもつてNには上限が、Alには下限がある
ので、これらから、N/Alの原子比の上限は481
とする。 以上述べた以外の元素については、介在物、析
出物生成の原因となるため、できるだけ低く抑え
ることがのぞましい。なおこの場合清浄度として
は0.1%以下であることが有効である。 次に本発明鋼の効果を実施例についてさらに具
体的に述べる。 実施例 供試鋼No.1〜13の化学成分を第1表に示した。
同表中No.1〜7までの鋼は本発明鋼であり、4
〓,77〓のいずれの温度においても衝撃吸収エネ
ルギー値が高い。No.8〜11及びNo.13の材料はいず
れもAl含有量が0.07%超で本発明鋼の範囲より多
い。またNo.10、No.12の材料はCrが本発明の下限
を下まわつている。またNo.11の材料はNが本発明
の上限を上まわつている。このため衝撃吸収エネ
ルギーがいずれも低い。しかもNo.8〜13の材料は
N/Alの原子比がいずれも10未満である。衝撃
吸収エネルギーが低いのは主としてこの点に起因
するものであることが明らかである。
【表】
(発明の効果)
以上の如く、本発明は極低温で一段と高耐力、
高靭性を有しかつ非磁性である極低温構造用安定
オーステナイト系ステンレス鋼を提供するもので
あるから、産業上裨益するところが極めて大であ
る。
高靭性を有しかつ非磁性である極低温構造用安定
オーステナイト系ステンレス鋼を提供するもので
あるから、産業上裨益するところが極めて大であ
る。
第1図は4〓、77〓、300〓における0.2%耐力
に及ぼすNの影響を示す図、第2図は4〓、77〓
の衝撃吸収エネルギーに及ぼすAlの影響を示す
図、第3図は4〓の衝撃吸収エネルギーに及ぼす
AlとNの原子比N/Alとの関係を示す図である。
に及ぼすNの影響を示す図、第2図は4〓、77〓
の衝撃吸収エネルギーに及ぼすAlの影響を示す
図、第3図は4〓の衝撃吸収エネルギーに及ぼす
AlとNの原子比N/Alとの関係を示す図である。
Claims (1)
- 1 重量%で、C:0.05%以下、Si:1.0%以下、
Mn:4.0%以下、Cr:22.5〜35%、Ni:8〜25
%、全Al:0.002〜0.07%、N:0.234〜0.50%を
含有し、且つNとAlの割合が原子比で10以上481
以下であり、残部が実質的にFeであることを特
徴とする極低温耐力、靭性に優れた構造用オース
テナイト系ステンレス鋼。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
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