JPH0515435B2 - - Google Patents
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- JPH0515435B2 JPH0515435B2 JP58227750A JP22775083A JPH0515435B2 JP H0515435 B2 JPH0515435 B2 JP H0515435B2 JP 58227750 A JP58227750 A JP 58227750A JP 22775083 A JP22775083 A JP 22775083A JP H0515435 B2 JPH0515435 B2 JP H0515435B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、インターフエロンの製造法に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、ヒトインターフ
エロン遺伝子を組み入れた発現ベクターを持つ微
生物を、特定の合成培地に培養し、該インターフ
エロンを著量蓄積せしめ、これを採取することを
特徴とするヒトインターフエロンの製造法に関す
る。 インターフエロン(以下、「IF」と略称するこ
ともある。)は、高等動物の細胞がウイルスや核
酸などの刺激によつて誘発されて生産する蛋白質
であり、抗ウイルス作用、抗腫瘍作用などを有す
る。 ヒトのIFには、現在、α型、β型およびγ型
の3種の性状の異なるタイプが存在することが知
られており、α型およびβ型はウイルスや核酸
で、γ型はマイト−ジエンなどで誘発される。従
つてその製造法としてはヒト細胞または株化細胞
の培養による方法がとられてきたが、その生産量
は極めて少なく、大規模な臨床試験や治療薬とし
て使用するに必要な量の供給は不可能である。し
かるに、近年、遺伝子操作技術の進歩によつて、
α,β,γ型のいずれも、IF産生遺伝子を組入
れた発現ベクターを持つ大腸菌などの培養物から
生物学的に活性な蛋白質として、比較的容易に得
られるようになつた〔ネイチヤー(Nature)
284,316(1980);ネイチヤー287,411(1980);プ
ロシーデイングス・オブ・ザ・ナシヨナル・アカ
デミー・オブ・サイエンシズ・オブ・ザ・ユナイ
テツド・ステイツ・オブ・アメリカ
(Proceedings of the National Academy of
Sciences of the United States of America,
以下において、Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.Aと略称
する。)77,5230(1980);ヌクレイツク・アシツ
ズ・リサーチ(Nucleic Acids Research)8,
4057(1980);ネイチヤー295,503(1982)〕。しか
し、その生産量は、工業的なヒトIFの製造法と
しては、必ずしも十分なものとはいえない。 このような状況に鑑み、本発明者らは、IF産
生遺伝子を組入れた発現ベクターを持つ微生物の
培養法について、種々検討を重ねたところ、上記
微生物は従来主として天然物を有機窒素源とする
培地において培養されてきたが、これを特定の完
全合成培地に変換し、培養することによつて著し
く高収量のIFが得られることを見い出し、これ
に基づいてさらに研究した結果、本発明を完成し
た。 本発明は、インターフエロン産生遺伝子を組入
れた発現ベクターを持つ微生物を、L−グルタミ
ン酸と鉄イオン源とを成分既知の状態で添加した
合成培地において培養し、培養物からインターフ
エロンを採取することを特徴とするインターフエ
ロンの製造法である。 ヒトIFには、α型、β型およびγ型の3種が
知られ、特にα型については多くの分子種が存在
し、A,B,C,D,F,H,I,Jなどの遺伝
子がクローニングされ、大腸菌で発現することが
知られている(日本特開昭57−79897号公報、ヨ
ーロツパ特許出願公開No.43980公報参照)。またβ
型IF遺伝子(日本特開昭57−140793号公報参照)
およびγ型IF遺伝子(日本特開昭58−90514号公
報参照)も大腸菌で発現されるに至つているが、
これらいずれの遺伝子、またはその他のヒトIF
遺伝子であつても、宿主微生物で発現するもので
あれば、そのいずれのIF生産にも本発明を適用
することが可能である。 IF遺伝子を宿主微生物特に大腸菌で効率よく
発現させるために、その発現ベクター用のプラス
ミドとしては、ColEI 由来のpBR 322〔ジーン
(Gene)2,95(1977)〕が最もよく利用される
が、その他のプラスミドであつても、大腸菌内で
複製保持されるものであれば、いずれも用いるこ
とができる。その例としては、pBR313〔ジーン
2,75(1977)〕,pBR324,pBR325〔ジーン4,
121(1978)〕,pBR327,pBR328〔ジーン9,287
(1980)〕,pKY2289〔ジーン3,1(1987)〕,
pKY2700〔生化学52,770(1980)〕,pACYC177,
pACYC184〔ジヤーナル・オブ・バクテリオロジ
ー(Journal of Bacteriology)134,1141
(1978)〕,pRK248,pRK646,pDF41〔メソツ
ズ・イン・エンジ−モロジー(Meshods in
Enzymology)68,268(1979)〕などが挙げられ
る。 また、バクテリオフアージ、たとえばλフアー
ジを使用したλgt系のλgt・λC〔Proc.Nat.Acad.
Sci.U.S.A.71,4579(1974)〕,λgt・λB〔Proc.
Nat.Acad.Sci.U.S.A.72,3416(1975)〕,λDam
〔ジーン1,255(1977)〕やシヤロンベクター〔サ
イエンス(Science)196,161(1977);ジヤーナ
ル・オブ・ビーロロジー(Journal of
Virology)29,555(1979)〕、繊維状フアージを
使用したベクターなども発現ベクターとして使用
可能である。 IF遺伝子はプロモーターの下流に連結されて
いることが好ましく、該プロモーターとしては、
トリプトフアン(trp)プロモーター、ラクトー
ス(Iac)プロモーター、蛋白質鎖伸長因子Tu
(tufB)プロモーター、recA遺伝子プロモータ
ー、λフアージの増殖に関与するλPL,λPRプロ
モーターなどがあげられるが、これらのいずれを
用いたものであつてもよい。 IF産生遺伝子を組み入れた発現ベクターの構
築は、公知の方法に従つて行なえばよい。たとえ
ば、α型IFに関しては、ネイチヤー(Nature)
第287巻411頁(1980年)、DNA第1巻125頁
(1982年)、ニユークレイツク・アシツズ・リサー
チ第11巻2927頁(1983年)、日本特開昭57−79897
号公報(ヨーロツパ特許出願公開第43980号公報)
などに記載の方法、β型IFに関しては、ニユー
クレイツク・アシツズ・リサーチ第8巻4057頁
(1980年)、Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.A.第77巻5230
頁(1980年).ニユークレイツク・アシツズ・リ
サーチ第11巻4677頁(1983年)、日本特開昭57−
140793号公報などに記載の方法、γ型IFに関し
ては、ネイチヤー第295巻503頁(1982年)、日本
特開昭58−90514号公報、日本特開昭58−189197
号公報、日本特許出願昭58−176090号明細書(日
本特開昭59−186995号公報)、日本特許出願昭58
−45723号明細書(日本特開昭59−169494号公報)
に記載された方法などが挙げられる。 IF生産遺伝子を組入れた発現ベクターを導入
する宿主菌としては、大腸菌が用いられるが、な
かでも大腸菌K−12株由来のものが、取扱い、安
全性の面から特に好ましい。該大腸菌K−12株由
来のものとしては、たとえば大腸菌294株、
W31110株、C−600株、X1776株などが挙げられ
る。また、これらの変異株でもよい。 上記294株としては、Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.
A.73,4174(1976)に記載されている株が挙げら
れる。また、上記294株としては、ジ・アメリカ
ン・タイプ・カルチヤー・コレクシヨン(The
American Type Culture Collection、以下、
ATCCと略称する。)カタログ・オブ・ストレイ
ンズ(Catalogue of Strains)第15版1982年に
ATCC 31446として掲載されている株が挙げられ
る。さらに上記294株としては、財団法人発酵研
究所に昭和57年3月23日付けでIFO 14171として
寄託されている(日本特開昭58−189197号公報参
照)株が挙げられる。 上記W31110株としては、ATCCカタロク・オ
ブ・ストレインズ第15版1982年にATCC 27325
として掲載されている株が挙げられる。 上記C−600株としては、ATCCカタロク・オ
ブ・ストレインズ第15版1982年にATCC 23724
として掲載されている株が挙げられる。 上記X1776株としては、ザ・ジヤーナル・オ
ブ・インフエクシヤス・デイジージス(The
Journal of Infectious Diseases)137,668
(1978)に掲載されている株が挙げられる。また
上記X1776株としては、米国特許第4190495号公
報にATCC 31244(ATCCカタログ・オブ・スト
レインズ第15版1982年に掲載。)として掲載さ
れている株などが挙げられる。 IF産生遺伝子を組入れた発現ベクター(プラ
スミド、ベクターまたはフアージベクター)を宿
主菌に導入する方法としては、公知の方法に従え
ばよい。該方法としては、たとえばジヤーナル・
オブ・モレキユラー・バイオロジー(Journal of
Molecular Biology)53,159(1970)、メリツ
ズ・イン・エンジーモロジー68,253(1979)、ジ
ーン3,279(1978)などに記載の方法などが挙げ
られる。 本発明に用いられる合成培地とは、その成分が
すべて分かつているものをいう。 該合成培地は、たとえば公知の無機塩を主体と
する培地〔例、M−9培地(下記表1参照)、
Davis培地など〕を用いることができるが、また
下記の表3に示す無機塩組成のTSM−3培地な
ども有利に利用できる。 なお、種培養培地としては、通常の天然培地た
とえばニユートリエントブロスやL−ブロスなど
を用いてもよく、また表4に示す合成培地(SS
−1培地)もより有利に使用出来る。 【表】 【表】 【表】 【表】 本発明方法において用いられるL−グルタミン
酸、鉄イオン源、亜鉛イオン源および銅イオン源
は、それぞれ、成分既知の状態で添加する。 本発明方法において用いられるL−グルタミン
酸は、塩の形のものを使用してもよい。該塩とし
ては、たとえばナトリウム塩、カリウム塩、アン
モニウム塩などが挙げられる。該L−グルタミン
酸またはその塩の添加量は、合成培地1リツター
あたり、L−グルタミン酸として、約0.1ないし
10gである。 本発明方法で用いられる鉄イオン源とは、溶液
にしたときに鉄イオンとなる物質あるいは鉄イオ
ンの形で利用される物質をいう。該鉄イオン源の
例としては、たとえば塩化第1鉄、塩化第2鉄、
硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、リン酸第2鉄、硝酸第
2鉄、クエン酸第2鉄、乳酸第1鉄などが挙げら
れる。該鉄イオン源の添加量は、合成培地1リツ
ターあたり鉄イオンとして約10-5ないし10-3モル
である。 本発明においては、合成培地に、さらに亜鉛イ
オン源、銅イオン源、または亜鉛イオン源および
銅イオン源を添加すると、より目的物の収量が増
大することがあるので有利である。 上記亜鉛イオン源とは、溶液にしたときに亜鉛
イオンとなる物質あるいは亜鉛イオンの形で利用
される物質をいう。該亜鉛イオン源の例として
は、たとえば塩化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、硝酸亜
鉛、硫酸亜鉛、リン酸亜鉛などが挙げられる。該
亜鉛イオン源の添加量は、合成培地1リツターあ
たり亜鉛イオンとして約10-5ないし10-3モルであ
る。 上記銅イオン源とは、溶液にしたときに銅イオ
ンとなる物質あるいは銅イオンの形で利用される
物質をいう。該銅イオン源の例としては、たとえ
ば硫酸銅、塩化第2銅、塩化第1銅、炭酸銅、酢
酸銅などが挙げられる。該銅イオン源の添加量
は、合成培地1リツターあたり銅イオンとして約
10-5ないし10-3モルである。 また宿主菌が栄養要求性を示す場合には要求す
るアミノ酸(例、L−リジン、L−アルギニン、
L−メチオニン、L−ロイシン、L−プロリン、
L−イソロイシン、L−バリン、L−トリプトフ
アンなど)を約10ないし1000mg/の割合で適宜
添加することが必要である。ビタミン類(例、パ
ントテン酸カルシウム、塩化コリン、葉酸、i−
イノシトール、ニコチンアミド、ピリドキサール
塩酸、リボフラビン、ビタミンB1など)はビタ
ミン要求性変異株を用いない限り特に必要でない
が、ビタミンB1の約1ないし100mg/添加によ
つて醗酵が安定化する傾向があり、適宜添加する
ことが望ましい。また宿主菌がビタミン要求性で
ある場合には要求ビタミンを約1ないし100mg/
添加することが必要である。 培地に添加する炭素源は、培養期間中、約0.1
ないし5%(W/V)に保つようにすると、目的
とするIFが著量蓄積されるので有利である。該
炭素源としては、たとえばグルコース、グリセロ
ール、マルトース、ソルビトールなどが挙げられ
る。 インターフエロン遺伝子を組入れたプラスミド
には、通常抗生物質耐性の選択マークが付与され
ており、この場合には、耐性を示す抗生物質
(例、テトラサイクリン、アンピシリンなど)を
培地に添加すると、プラスミドを保持した株のみ
選択的に増殖させるために有利である。 培養は、通常、攪拌培養によつて行なれる。培
地中の酸素濃度を飽和溶存酸素濃度の約5%
(V/V)以上になるように保ちつつ培養を行な
うと、目的とするIFの生産量が増大されるので
有利である。そのために、培養途中に純酸素を空
気と混合して通気することも効果的である。 本発明の培養における培地のPHは、通常約5な
いし7.5に調製するのが好ましい。培養温度は約
15ないし45℃、さらに好ましくは約20ないし42℃
である。培養時間は、約3ないし72時間である。 本発明の発酵に於てIFは通常菌体内に蓄積さ
れるので、培養物中に蓄積されたIFを採取する
には、まず菌体を遠心分離や過によつて集め、
これによりIFを抽出することにより行なわれる。
IFを効率よく抽出させるためには、たとえば超
音波処理、リゾチーム処理、界面活性剤などの化
学薬品による処理などが行われる。 このようにして抽出されたIFの精製は、従来
からの蛋白質あるいはペプチドの精製法、たとえ
ば硫安塩析、アルコール沈澱、イオン交換カラム
クロマトグラフイー、セルロースカラムクロマト
グラフイー、ゲル過法などの適用により行なわ
れる。特にモノクローナル抗体法組合せることに
よつて極めて高純度の標品を得ることが可能であ
る。 すなわち、たとえば抽出操作を施した液を遠心
分離して上清を得、これをたとえば、モノクロー
ナル抗体カラムにかけ、カラムを洗滌後、たとえ
ば0.2M酢酸、0.1%トリトン(Triton)×100およ
び0.15M Naclで溶出する。この操作において、
インターフエロンはモノクローナル抗体カラムに
特異的に吸着されるため、高純度の標品を容易に
得ることが出来る。〔α型IFの精製については、
サイエンテイフイツク・アメリカン(Scientific
American)243,66(1980)参照。γ型IFの精製
については、日本特許出願昭58−176091号明細書
(日本特開昭59−80646号公報参照。〕 かくして得られるたとえばヒト白血球IFαA蛋
白質は、ウイ腎臓由来MDBK細胞に対する水泡
性口内炎ウイルス(VSV)の細胞変性効果阻止
試験による抗ウイルス活性測定において108U/
mg以上の比活性を示す。また、ヒト免疫IF蛋白
質は、ヒト羊膜由来のWISH細胞に対する水泡性
口内炎ウイルス(VSV)の細胞変性効果阻止試
験による抗ウイルス活性測定において107U/mg
以上の比活性を示す〔日本特許出願昭58−176091
号明細書(日本特開昭59−80646号公報参照〕。 本発明によつて製造されるヒトIF蛋白質類は、
同じ組換え体を用い、天然培地で培養して得られ
るものと、その理化学的性質、生物学的性質が全
く同じである。 したがつて、本発明の方法により製造された
IFは、従来の方法で製造されたIFと同様の目的
に同様の用法により使用することができる。 IFは、抗ウイルス作用、抗腫瘍作用、細胞増
殖阻害作用、免疫抑制作用などを有するので、
IFは、哺乳動物(例、ヒト、ウシ、ウマ、ブタ、
マウス、ラツトなど)のウイルス感染症、腫瘍な
どの治療に用いることができる。たとえばヒト
IF抗ウイルス剤、抗腫瘍剤、細胞増殖阻害剤、
免疫抑制剤として用いるには、たとえばIFを自
体公知の薬理的に許容しうる担体、賦形剤、希釈
剤などと混合して、注射剤として非経口的に静脈
注射又は筋肉注射などにより投与する。その投与
量は正常人1日当り約10万ないし1億単位好まし
くは約100万ないし5000万単位である。また、上
記ヒト以外の哺乳動物に対しての投与量は、2000
ないし200万単位/Kg/日、さらに好ましくは約
2万ないし100万単位/Kg/日である。 以下に、実験例および実施例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。 実験例 1 前記したM−9培地またはTSM−3培地に、
炭素源としてグルコースを10g/の割合で添加
し、これにグルタミン酸ナトリウムを添加した培
地と添加しない培地とに大腸菌294
(ATCC31446)/pLe IF A trp 25株(特開昭
57−79897号公報、ヨーロツパ特許出願公開第
43980号公報参照)を接種し37℃で16時間培養し
て、その生育を調べ、表5の結果を得た。 【表】 実験例 2 TSM−3培地に25g/のグルコースおよび
4g/のL−グルタミン酸ナトリウムを添加し
た培地2.5を5容ジヤーフアーメンターに仕
込み、これに表6に記した金属塩を夫々添加した
培地に、ヒト白血球IF−αA遺伝子を組入れたプ
ラスミドを持つ大腸菌294(ATCC31446)/pLe
IF A trp 25株の種培養物50mlを接種し、通気
量2.5/分、攪拌1000rpm,37℃で培養した。
培養途中、菌の生育につれて培養温度を37℃から
たとえば33℃,29℃,25℃と遂次低下させ、更に
培養途中でグルコース濃度が1%以下になつた時
2.5%宛新しくグルコースを添加して27時間培養
を続けた。また培養中PHはアンモニア水にてPH
6.8に保つた。その時の菌の生育およびヒト白血
球インターフエロンαAの生産量を調べ、表6の
結果を得た。 【表】 実験例 3 表7のL−シード培地または前記したSS−1
シード培地50mlを200ml容三角フラスコに仕込み、
これに5mg/の塩酸テトラサイクリンを添加し
た後、ヒト白血球IF−αA遺伝子を組入れたプラ
スミドを持つ大腸菌294(ATCC31446)/pLe IF
A trp 25を接種し、37℃で12時間および16時間
夫々培養した。 【表】 次に前記したTSM−3培地に25g/のグル
コース、4g/のL−グルタミン酸ナトリウ
ム、27mg/のFeCl3・6H2O,8mg/の
CuSO4・5H2O,8mg/のZnSO4・7H2O,70
mg/の塩酸チアミンおよび5mg/のテトラサ
イクリン塩酸塩を添加した培地2.5を5容ジ
ヤーフアーメンターに仕込み、これに上記種培養
物を接種して実験例2と同じ条件で培養し、生育
およびヒト白血球IFの生産性を測定し、表8の
結果を得た。 【表】 表8から明らかなように、天然培地(L−シー
ド培地)の種培養物を用いるよりも、合成培地
(SS−1シード培地)の種培養を用いた方が主醗
酵での菌の増殖が早まり、IFの生産量が増大す
ることがわかる。 実験例 4 SS−1シード培地50mlを200ml容三角フラスコ
に仕込み、これに5mg/の塩酸テトラサイクリ
ンを添加した後、ヒト白血球IF−αA遺伝子を組
入れたプラスミドを持つ大腸菌294
(ATCC31446)/pLe IF A trp 25株を接種
し、37℃で16時間培養した。次にTSM−3培地
に4g/のL−グルタミン酸ナトリウム、27
mg/の塩化第2鉄、8mg/の硫酸銅、8mg/
の硫酸亜鉛、70mg/の塩酸チアミンおよび5
mg/のテトラサイクリン塩酸塩を添加した培地
2.5宛を5容ジヤーフアーメンターに仕込み、
これにグルコースを表9に示す条件で添加した。
上記種培養物を接種した後、通気量2.5/分、
攪拌1000r.p.m.,37℃で培養を開始し、菌の増殖
につれて培養温度を37℃から33℃,29℃,25℃と
遂次低下させることによつて溶存酸素濃度が飽和
酸素濃度の10%以上になる様に保つた。培養中PH
はアンモニア水にてPH6.8に調整し、27時間培養
を続けた。その時の菌の生育およびヒト白血球
IF−αAの生産量を調べ、表9の結果を得た。 【表】 【表】 表9から明らかなように、実験No.4−1,4−
2,4−3の場合には、菌の生育およびIF−αA
の生産性が著しく高いことが分かる。 実施例 1 ヒト白血球IF−αA遺伝子を組入れた発現プラ
スミドを持つ大腸菌294(ATCC31446)/pLe IF
A trp 25株を、(1)M−9培地にグルコース5
g/、カザミノ酸5g/、ビタミンB1塩酸
塩70mg/および塩酸テトラサイクリン5mg/
添加した培地(天然培地)あるいは(2)M−9培地
にグルコース25g/,L−グルタミン酸ナトリ
ウム4g/,FeCl3・6H2O 27mg/,
CuSO4・5H2O,8mg/,ZnSO4・7H2O 8
mg/、ビタミン1塩酸塩70mg/、塩酸テトラ
サイクリン5mg/,L−プロリン50mg/およ
びL−ロイシン50mg/を添加した培地(合成培
地)夫々2.5を仕込んだ5容ジヤーフアーメ
ンターへ接種し、通気2.5/分、攪拌1000r.p.
m.,37℃で培養を開始し、途中OD3000KUで33
℃,5000KUで29℃,7000KUで25℃に温度を下
げて48時間培養を続けた。培養中容存酵素濃度は
5%以上に保たれた。途中培養液中のグルコース
濃度が1%以下に低下した時、25g/の割合で
グルコースを添加した。その結果を表10に示す。 【表】 た場合の相対的な値で表わした。
上記表10から明らかなように、(2)合成培地に本
発明の化合物を添加した培地を用いると、IFの
生産性は著しく増大した。 実施例 2 実施例1で得られた(2)合成培地培養液2を遠
心分離して菌体を集め、これを100mlの10%シユ
クロース、0.2M NaCl,10mMエチレンジアミ
ンテトラアセート(EDTA),10mMスペルミジ
ン、2mMフエニルメチルスルホニルフルオライ
ド(PMSF),0.2mg/mlリゾチームを含む50mM
Tris−HCl(PH7.6)に懸濁し、4℃で1時間攪拌
したのち、37℃で5分間保温し、これをさらに超
音波破砕器(アルテツク社製、米国)で、0℃40
秒処理した。この溶菌液を11300×1時間遠心分
離して上清95mlを集めた。 この上清95mlを1mM EDTA,0.15M NaClを
含む20mM Tris−HCl(PH7.6)(TEN)で300ml
に希釈したのち、抗IF−αA抗体カラム(29ml)
にかけた。 TENで十分洗浄したのち、さらに0.1%トウイ
ーン20(和光純薬工業株式会社製)を含む0.2M酢
酸でIF−αAを溶出し活性画分を集め、PH4.5に調
整したのちCMセルロースカラムに吸着させ、十
分洗浄後、0.15MNaClを含む0.025M酢酸アンモ
ニウム緩衝液(PH5.0)にて溶出した。再び活性
画分を集めて凍結乾燥に付し320mgのヒト白血球
IF−αA粉末を得た。 このもののSDS−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動法による分子量は、19000±1000であつた。
また、ここで得られた最終のヒト白血球IF蛋白
質の比活性は2×108 U/mgであつた。また、
その他の理化学的性状、アミノ酸組成、ペプチド
マツピングにおいて、従来の培地で生産される遺
伝子組換えヒト白血球IFと全く同一の挙動を示
した。 実施例 3 ヒト免疫IF遺伝子を組入れた発現プラスミド
を持つ大腸菌294(IFO 14171)/pHIT・trp
2101株〔日本特許出願昭58−176090号明細書(日
本特開昭59−186995号公報)参照〕を、(1)TSM
−3培地にグルコース25g/、酵母エキス20
g/および塩酸テトラサイクリン5mg/添加
した培地(天然培地)と(2)TSM−3培地にグル
コース25g/、L−グルタミン酸ナトリウム4
g/,FeCl3・6H2O 27mg/,CuSO4・
5H2O 8mg/,ZnSO4・7H2O 8mg/、
塩酸チアミン70mg/および塩酸テトラサイクリ
ン5mg/を添加した培地(合成培地)夫々2.5
を仕込んだ5容ジヤーフアーメンターに接種
し、通気2.5/分、攪拌1000r.p.m.,37℃で培養
を開始し、途中ODが2000クレツト単位になつた
時33℃に、4000クレツト単位になつた時29℃に、
6000クレツト単位になつた時25℃に下げ、26時間
培養を行つた。培養液のPHはアンモニア水で6.8
に保ち、途中培養液中のグルコース濃度が1%以
下になつた時、25g/の割合でグルコースを添
加した。その結果、天然培地(1)でIF−γ生産性
を100とすると合成培地(2)での生産性は550であつ
た。 実施例 4 実施例3で得られた合成培地培養液2.4を遠
心分離して菌体を集め、これを120mlの10%シユ
クロース、10mM EDTA,10mMスペルミヂン、
2mM PMSF,0.2mg/mlリゾチームを含む50mM
Tris−HCl(PH7.6)に懸濁し、4℃で1時間攪拌
したのち、37℃で5分間保温し、これを更に超音
波破砕器(アルテツク社製、米国)で、0℃40秒
処理した。この溶菌液を11300×gで1時間遠心
分離して上清115mlを集めた。 この上清115mlをTENで360mlに希釈したのち、
抗IF−γ抗体カラム(25ml)〔日本特許出願昭58
−176091号明細書の実施例12および13参照。〕に
かけ、TENで十分洗浄したのち、1M NaCl,
0.1%トウイーン20を含む20mMTris−HCl(PH
7.0)でさらに洗浄し、次に2Mグアニジン、塩酸
塩(シグマ社製、米国)を含むTris−HCl(PH
7.0)で溶出し、得られた活性画分100mlを0.115
%Na2HPO4,0.02%KH2PO4,0.8%NaCl,0.02
%KClからなる緩衝液に対して、4℃で18時間透
析した。 ここで得られた最終のヒト免疫IF蛋白質の量
は47mgであり、その比活性は2×107 U/mgで
あつた。 また、ここで得られた標品のSDS−ポリアクリ
ルアミド電気泳動法による分子量は、18000±
1000であり、それ以外の理化学的性状、アミノ酸
組成、ペプチドマツピングにおいて、従来の培地
で生産される遺伝子組換えヒト免疫IFと全く同
一の挙動を示した。
る。さらに詳しくは、本発明は、ヒトインターフ
エロン遺伝子を組み入れた発現ベクターを持つ微
生物を、特定の合成培地に培養し、該インターフ
エロンを著量蓄積せしめ、これを採取することを
特徴とするヒトインターフエロンの製造法に関す
る。 インターフエロン(以下、「IF」と略称するこ
ともある。)は、高等動物の細胞がウイルスや核
酸などの刺激によつて誘発されて生産する蛋白質
であり、抗ウイルス作用、抗腫瘍作用などを有す
る。 ヒトのIFには、現在、α型、β型およびγ型
の3種の性状の異なるタイプが存在することが知
られており、α型およびβ型はウイルスや核酸
で、γ型はマイト−ジエンなどで誘発される。従
つてその製造法としてはヒト細胞または株化細胞
の培養による方法がとられてきたが、その生産量
は極めて少なく、大規模な臨床試験や治療薬とし
て使用するに必要な量の供給は不可能である。し
かるに、近年、遺伝子操作技術の進歩によつて、
α,β,γ型のいずれも、IF産生遺伝子を組入
れた発現ベクターを持つ大腸菌などの培養物から
生物学的に活性な蛋白質として、比較的容易に得
られるようになつた〔ネイチヤー(Nature)
284,316(1980);ネイチヤー287,411(1980);プ
ロシーデイングス・オブ・ザ・ナシヨナル・アカ
デミー・オブ・サイエンシズ・オブ・ザ・ユナイ
テツド・ステイツ・オブ・アメリカ
(Proceedings of the National Academy of
Sciences of the United States of America,
以下において、Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.Aと略称
する。)77,5230(1980);ヌクレイツク・アシツ
ズ・リサーチ(Nucleic Acids Research)8,
4057(1980);ネイチヤー295,503(1982)〕。しか
し、その生産量は、工業的なヒトIFの製造法と
しては、必ずしも十分なものとはいえない。 このような状況に鑑み、本発明者らは、IF産
生遺伝子を組入れた発現ベクターを持つ微生物の
培養法について、種々検討を重ねたところ、上記
微生物は従来主として天然物を有機窒素源とする
培地において培養されてきたが、これを特定の完
全合成培地に変換し、培養することによつて著し
く高収量のIFが得られることを見い出し、これ
に基づいてさらに研究した結果、本発明を完成し
た。 本発明は、インターフエロン産生遺伝子を組入
れた発現ベクターを持つ微生物を、L−グルタミ
ン酸と鉄イオン源とを成分既知の状態で添加した
合成培地において培養し、培養物からインターフ
エロンを採取することを特徴とするインターフエ
ロンの製造法である。 ヒトIFには、α型、β型およびγ型の3種が
知られ、特にα型については多くの分子種が存在
し、A,B,C,D,F,H,I,Jなどの遺伝
子がクローニングされ、大腸菌で発現することが
知られている(日本特開昭57−79897号公報、ヨ
ーロツパ特許出願公開No.43980公報参照)。またβ
型IF遺伝子(日本特開昭57−140793号公報参照)
およびγ型IF遺伝子(日本特開昭58−90514号公
報参照)も大腸菌で発現されるに至つているが、
これらいずれの遺伝子、またはその他のヒトIF
遺伝子であつても、宿主微生物で発現するもので
あれば、そのいずれのIF生産にも本発明を適用
することが可能である。 IF遺伝子を宿主微生物特に大腸菌で効率よく
発現させるために、その発現ベクター用のプラス
ミドとしては、ColEI 由来のpBR 322〔ジーン
(Gene)2,95(1977)〕が最もよく利用される
が、その他のプラスミドであつても、大腸菌内で
複製保持されるものであれば、いずれも用いるこ
とができる。その例としては、pBR313〔ジーン
2,75(1977)〕,pBR324,pBR325〔ジーン4,
121(1978)〕,pBR327,pBR328〔ジーン9,287
(1980)〕,pKY2289〔ジーン3,1(1987)〕,
pKY2700〔生化学52,770(1980)〕,pACYC177,
pACYC184〔ジヤーナル・オブ・バクテリオロジ
ー(Journal of Bacteriology)134,1141
(1978)〕,pRK248,pRK646,pDF41〔メソツ
ズ・イン・エンジ−モロジー(Meshods in
Enzymology)68,268(1979)〕などが挙げられ
る。 また、バクテリオフアージ、たとえばλフアー
ジを使用したλgt系のλgt・λC〔Proc.Nat.Acad.
Sci.U.S.A.71,4579(1974)〕,λgt・λB〔Proc.
Nat.Acad.Sci.U.S.A.72,3416(1975)〕,λDam
〔ジーン1,255(1977)〕やシヤロンベクター〔サ
イエンス(Science)196,161(1977);ジヤーナ
ル・オブ・ビーロロジー(Journal of
Virology)29,555(1979)〕、繊維状フアージを
使用したベクターなども発現ベクターとして使用
可能である。 IF遺伝子はプロモーターの下流に連結されて
いることが好ましく、該プロモーターとしては、
トリプトフアン(trp)プロモーター、ラクトー
ス(Iac)プロモーター、蛋白質鎖伸長因子Tu
(tufB)プロモーター、recA遺伝子プロモータ
ー、λフアージの増殖に関与するλPL,λPRプロ
モーターなどがあげられるが、これらのいずれを
用いたものであつてもよい。 IF産生遺伝子を組み入れた発現ベクターの構
築は、公知の方法に従つて行なえばよい。たとえ
ば、α型IFに関しては、ネイチヤー(Nature)
第287巻411頁(1980年)、DNA第1巻125頁
(1982年)、ニユークレイツク・アシツズ・リサー
チ第11巻2927頁(1983年)、日本特開昭57−79897
号公報(ヨーロツパ特許出願公開第43980号公報)
などに記載の方法、β型IFに関しては、ニユー
クレイツク・アシツズ・リサーチ第8巻4057頁
(1980年)、Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.A.第77巻5230
頁(1980年).ニユークレイツク・アシツズ・リ
サーチ第11巻4677頁(1983年)、日本特開昭57−
140793号公報などに記載の方法、γ型IFに関し
ては、ネイチヤー第295巻503頁(1982年)、日本
特開昭58−90514号公報、日本特開昭58−189197
号公報、日本特許出願昭58−176090号明細書(日
本特開昭59−186995号公報)、日本特許出願昭58
−45723号明細書(日本特開昭59−169494号公報)
に記載された方法などが挙げられる。 IF生産遺伝子を組入れた発現ベクターを導入
する宿主菌としては、大腸菌が用いられるが、な
かでも大腸菌K−12株由来のものが、取扱い、安
全性の面から特に好ましい。該大腸菌K−12株由
来のものとしては、たとえば大腸菌294株、
W31110株、C−600株、X1776株などが挙げられ
る。また、これらの変異株でもよい。 上記294株としては、Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.
A.73,4174(1976)に記載されている株が挙げら
れる。また、上記294株としては、ジ・アメリカ
ン・タイプ・カルチヤー・コレクシヨン(The
American Type Culture Collection、以下、
ATCCと略称する。)カタログ・オブ・ストレイ
ンズ(Catalogue of Strains)第15版1982年に
ATCC 31446として掲載されている株が挙げられ
る。さらに上記294株としては、財団法人発酵研
究所に昭和57年3月23日付けでIFO 14171として
寄託されている(日本特開昭58−189197号公報参
照)株が挙げられる。 上記W31110株としては、ATCCカタロク・オ
ブ・ストレインズ第15版1982年にATCC 27325
として掲載されている株が挙げられる。 上記C−600株としては、ATCCカタロク・オ
ブ・ストレインズ第15版1982年にATCC 23724
として掲載されている株が挙げられる。 上記X1776株としては、ザ・ジヤーナル・オ
ブ・インフエクシヤス・デイジージス(The
Journal of Infectious Diseases)137,668
(1978)に掲載されている株が挙げられる。また
上記X1776株としては、米国特許第4190495号公
報にATCC 31244(ATCCカタログ・オブ・スト
レインズ第15版1982年に掲載。)として掲載さ
れている株などが挙げられる。 IF産生遺伝子を組入れた発現ベクター(プラ
スミド、ベクターまたはフアージベクター)を宿
主菌に導入する方法としては、公知の方法に従え
ばよい。該方法としては、たとえばジヤーナル・
オブ・モレキユラー・バイオロジー(Journal of
Molecular Biology)53,159(1970)、メリツ
ズ・イン・エンジーモロジー68,253(1979)、ジ
ーン3,279(1978)などに記載の方法などが挙げ
られる。 本発明に用いられる合成培地とは、その成分が
すべて分かつているものをいう。 該合成培地は、たとえば公知の無機塩を主体と
する培地〔例、M−9培地(下記表1参照)、
Davis培地など〕を用いることができるが、また
下記の表3に示す無機塩組成のTSM−3培地な
ども有利に利用できる。 なお、種培養培地としては、通常の天然培地た
とえばニユートリエントブロスやL−ブロスなど
を用いてもよく、また表4に示す合成培地(SS
−1培地)もより有利に使用出来る。 【表】 【表】 【表】 【表】 本発明方法において用いられるL−グルタミン
酸、鉄イオン源、亜鉛イオン源および銅イオン源
は、それぞれ、成分既知の状態で添加する。 本発明方法において用いられるL−グルタミン
酸は、塩の形のものを使用してもよい。該塩とし
ては、たとえばナトリウム塩、カリウム塩、アン
モニウム塩などが挙げられる。該L−グルタミン
酸またはその塩の添加量は、合成培地1リツター
あたり、L−グルタミン酸として、約0.1ないし
10gである。 本発明方法で用いられる鉄イオン源とは、溶液
にしたときに鉄イオンとなる物質あるいは鉄イオ
ンの形で利用される物質をいう。該鉄イオン源の
例としては、たとえば塩化第1鉄、塩化第2鉄、
硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、リン酸第2鉄、硝酸第
2鉄、クエン酸第2鉄、乳酸第1鉄などが挙げら
れる。該鉄イオン源の添加量は、合成培地1リツ
ターあたり鉄イオンとして約10-5ないし10-3モル
である。 本発明においては、合成培地に、さらに亜鉛イ
オン源、銅イオン源、または亜鉛イオン源および
銅イオン源を添加すると、より目的物の収量が増
大することがあるので有利である。 上記亜鉛イオン源とは、溶液にしたときに亜鉛
イオンとなる物質あるいは亜鉛イオンの形で利用
される物質をいう。該亜鉛イオン源の例として
は、たとえば塩化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、硝酸亜
鉛、硫酸亜鉛、リン酸亜鉛などが挙げられる。該
亜鉛イオン源の添加量は、合成培地1リツターあ
たり亜鉛イオンとして約10-5ないし10-3モルであ
る。 上記銅イオン源とは、溶液にしたときに銅イオ
ンとなる物質あるいは銅イオンの形で利用される
物質をいう。該銅イオン源の例としては、たとえ
ば硫酸銅、塩化第2銅、塩化第1銅、炭酸銅、酢
酸銅などが挙げられる。該銅イオン源の添加量
は、合成培地1リツターあたり銅イオンとして約
10-5ないし10-3モルである。 また宿主菌が栄養要求性を示す場合には要求す
るアミノ酸(例、L−リジン、L−アルギニン、
L−メチオニン、L−ロイシン、L−プロリン、
L−イソロイシン、L−バリン、L−トリプトフ
アンなど)を約10ないし1000mg/の割合で適宜
添加することが必要である。ビタミン類(例、パ
ントテン酸カルシウム、塩化コリン、葉酸、i−
イノシトール、ニコチンアミド、ピリドキサール
塩酸、リボフラビン、ビタミンB1など)はビタ
ミン要求性変異株を用いない限り特に必要でない
が、ビタミンB1の約1ないし100mg/添加によ
つて醗酵が安定化する傾向があり、適宜添加する
ことが望ましい。また宿主菌がビタミン要求性で
ある場合には要求ビタミンを約1ないし100mg/
添加することが必要である。 培地に添加する炭素源は、培養期間中、約0.1
ないし5%(W/V)に保つようにすると、目的
とするIFが著量蓄積されるので有利である。該
炭素源としては、たとえばグルコース、グリセロ
ール、マルトース、ソルビトールなどが挙げられ
る。 インターフエロン遺伝子を組入れたプラスミド
には、通常抗生物質耐性の選択マークが付与され
ており、この場合には、耐性を示す抗生物質
(例、テトラサイクリン、アンピシリンなど)を
培地に添加すると、プラスミドを保持した株のみ
選択的に増殖させるために有利である。 培養は、通常、攪拌培養によつて行なれる。培
地中の酸素濃度を飽和溶存酸素濃度の約5%
(V/V)以上になるように保ちつつ培養を行な
うと、目的とするIFの生産量が増大されるので
有利である。そのために、培養途中に純酸素を空
気と混合して通気することも効果的である。 本発明の培養における培地のPHは、通常約5な
いし7.5に調製するのが好ましい。培養温度は約
15ないし45℃、さらに好ましくは約20ないし42℃
である。培養時間は、約3ないし72時間である。 本発明の発酵に於てIFは通常菌体内に蓄積さ
れるので、培養物中に蓄積されたIFを採取する
には、まず菌体を遠心分離や過によつて集め、
これによりIFを抽出することにより行なわれる。
IFを効率よく抽出させるためには、たとえば超
音波処理、リゾチーム処理、界面活性剤などの化
学薬品による処理などが行われる。 このようにして抽出されたIFの精製は、従来
からの蛋白質あるいはペプチドの精製法、たとえ
ば硫安塩析、アルコール沈澱、イオン交換カラム
クロマトグラフイー、セルロースカラムクロマト
グラフイー、ゲル過法などの適用により行なわ
れる。特にモノクローナル抗体法組合せることに
よつて極めて高純度の標品を得ることが可能であ
る。 すなわち、たとえば抽出操作を施した液を遠心
分離して上清を得、これをたとえば、モノクロー
ナル抗体カラムにかけ、カラムを洗滌後、たとえ
ば0.2M酢酸、0.1%トリトン(Triton)×100およ
び0.15M Naclで溶出する。この操作において、
インターフエロンはモノクローナル抗体カラムに
特異的に吸着されるため、高純度の標品を容易に
得ることが出来る。〔α型IFの精製については、
サイエンテイフイツク・アメリカン(Scientific
American)243,66(1980)参照。γ型IFの精製
については、日本特許出願昭58−176091号明細書
(日本特開昭59−80646号公報参照。〕 かくして得られるたとえばヒト白血球IFαA蛋
白質は、ウイ腎臓由来MDBK細胞に対する水泡
性口内炎ウイルス(VSV)の細胞変性効果阻止
試験による抗ウイルス活性測定において108U/
mg以上の比活性を示す。また、ヒト免疫IF蛋白
質は、ヒト羊膜由来のWISH細胞に対する水泡性
口内炎ウイルス(VSV)の細胞変性効果阻止試
験による抗ウイルス活性測定において107U/mg
以上の比活性を示す〔日本特許出願昭58−176091
号明細書(日本特開昭59−80646号公報参照〕。 本発明によつて製造されるヒトIF蛋白質類は、
同じ組換え体を用い、天然培地で培養して得られ
るものと、その理化学的性質、生物学的性質が全
く同じである。 したがつて、本発明の方法により製造された
IFは、従来の方法で製造されたIFと同様の目的
に同様の用法により使用することができる。 IFは、抗ウイルス作用、抗腫瘍作用、細胞増
殖阻害作用、免疫抑制作用などを有するので、
IFは、哺乳動物(例、ヒト、ウシ、ウマ、ブタ、
マウス、ラツトなど)のウイルス感染症、腫瘍な
どの治療に用いることができる。たとえばヒト
IF抗ウイルス剤、抗腫瘍剤、細胞増殖阻害剤、
免疫抑制剤として用いるには、たとえばIFを自
体公知の薬理的に許容しうる担体、賦形剤、希釈
剤などと混合して、注射剤として非経口的に静脈
注射又は筋肉注射などにより投与する。その投与
量は正常人1日当り約10万ないし1億単位好まし
くは約100万ないし5000万単位である。また、上
記ヒト以外の哺乳動物に対しての投与量は、2000
ないし200万単位/Kg/日、さらに好ましくは約
2万ないし100万単位/Kg/日である。 以下に、実験例および実施例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。 実験例 1 前記したM−9培地またはTSM−3培地に、
炭素源としてグルコースを10g/の割合で添加
し、これにグルタミン酸ナトリウムを添加した培
地と添加しない培地とに大腸菌294
(ATCC31446)/pLe IF A trp 25株(特開昭
57−79897号公報、ヨーロツパ特許出願公開第
43980号公報参照)を接種し37℃で16時間培養し
て、その生育を調べ、表5の結果を得た。 【表】 実験例 2 TSM−3培地に25g/のグルコースおよび
4g/のL−グルタミン酸ナトリウムを添加し
た培地2.5を5容ジヤーフアーメンターに仕
込み、これに表6に記した金属塩を夫々添加した
培地に、ヒト白血球IF−αA遺伝子を組入れたプ
ラスミドを持つ大腸菌294(ATCC31446)/pLe
IF A trp 25株の種培養物50mlを接種し、通気
量2.5/分、攪拌1000rpm,37℃で培養した。
培養途中、菌の生育につれて培養温度を37℃から
たとえば33℃,29℃,25℃と遂次低下させ、更に
培養途中でグルコース濃度が1%以下になつた時
2.5%宛新しくグルコースを添加して27時間培養
を続けた。また培養中PHはアンモニア水にてPH
6.8に保つた。その時の菌の生育およびヒト白血
球インターフエロンαAの生産量を調べ、表6の
結果を得た。 【表】 実験例 3 表7のL−シード培地または前記したSS−1
シード培地50mlを200ml容三角フラスコに仕込み、
これに5mg/の塩酸テトラサイクリンを添加し
た後、ヒト白血球IF−αA遺伝子を組入れたプラ
スミドを持つ大腸菌294(ATCC31446)/pLe IF
A trp 25を接種し、37℃で12時間および16時間
夫々培養した。 【表】 次に前記したTSM−3培地に25g/のグル
コース、4g/のL−グルタミン酸ナトリウ
ム、27mg/のFeCl3・6H2O,8mg/の
CuSO4・5H2O,8mg/のZnSO4・7H2O,70
mg/の塩酸チアミンおよび5mg/のテトラサ
イクリン塩酸塩を添加した培地2.5を5容ジ
ヤーフアーメンターに仕込み、これに上記種培養
物を接種して実験例2と同じ条件で培養し、生育
およびヒト白血球IFの生産性を測定し、表8の
結果を得た。 【表】 表8から明らかなように、天然培地(L−シー
ド培地)の種培養物を用いるよりも、合成培地
(SS−1シード培地)の種培養を用いた方が主醗
酵での菌の増殖が早まり、IFの生産量が増大す
ることがわかる。 実験例 4 SS−1シード培地50mlを200ml容三角フラスコ
に仕込み、これに5mg/の塩酸テトラサイクリ
ンを添加した後、ヒト白血球IF−αA遺伝子を組
入れたプラスミドを持つ大腸菌294
(ATCC31446)/pLe IF A trp 25株を接種
し、37℃で16時間培養した。次にTSM−3培地
に4g/のL−グルタミン酸ナトリウム、27
mg/の塩化第2鉄、8mg/の硫酸銅、8mg/
の硫酸亜鉛、70mg/の塩酸チアミンおよび5
mg/のテトラサイクリン塩酸塩を添加した培地
2.5宛を5容ジヤーフアーメンターに仕込み、
これにグルコースを表9に示す条件で添加した。
上記種培養物を接種した後、通気量2.5/分、
攪拌1000r.p.m.,37℃で培養を開始し、菌の増殖
につれて培養温度を37℃から33℃,29℃,25℃と
遂次低下させることによつて溶存酸素濃度が飽和
酸素濃度の10%以上になる様に保つた。培養中PH
はアンモニア水にてPH6.8に調整し、27時間培養
を続けた。その時の菌の生育およびヒト白血球
IF−αAの生産量を調べ、表9の結果を得た。 【表】 【表】 表9から明らかなように、実験No.4−1,4−
2,4−3の場合には、菌の生育およびIF−αA
の生産性が著しく高いことが分かる。 実施例 1 ヒト白血球IF−αA遺伝子を組入れた発現プラ
スミドを持つ大腸菌294(ATCC31446)/pLe IF
A trp 25株を、(1)M−9培地にグルコース5
g/、カザミノ酸5g/、ビタミンB1塩酸
塩70mg/および塩酸テトラサイクリン5mg/
添加した培地(天然培地)あるいは(2)M−9培地
にグルコース25g/,L−グルタミン酸ナトリ
ウム4g/,FeCl3・6H2O 27mg/,
CuSO4・5H2O,8mg/,ZnSO4・7H2O 8
mg/、ビタミン1塩酸塩70mg/、塩酸テトラ
サイクリン5mg/,L−プロリン50mg/およ
びL−ロイシン50mg/を添加した培地(合成培
地)夫々2.5を仕込んだ5容ジヤーフアーメ
ンターへ接種し、通気2.5/分、攪拌1000r.p.
m.,37℃で培養を開始し、途中OD3000KUで33
℃,5000KUで29℃,7000KUで25℃に温度を下
げて48時間培養を続けた。培養中容存酵素濃度は
5%以上に保たれた。途中培養液中のグルコース
濃度が1%以下に低下した時、25g/の割合で
グルコースを添加した。その結果を表10に示す。 【表】 た場合の相対的な値で表わした。
上記表10から明らかなように、(2)合成培地に本
発明の化合物を添加した培地を用いると、IFの
生産性は著しく増大した。 実施例 2 実施例1で得られた(2)合成培地培養液2を遠
心分離して菌体を集め、これを100mlの10%シユ
クロース、0.2M NaCl,10mMエチレンジアミ
ンテトラアセート(EDTA),10mMスペルミジ
ン、2mMフエニルメチルスルホニルフルオライ
ド(PMSF),0.2mg/mlリゾチームを含む50mM
Tris−HCl(PH7.6)に懸濁し、4℃で1時間攪拌
したのち、37℃で5分間保温し、これをさらに超
音波破砕器(アルテツク社製、米国)で、0℃40
秒処理した。この溶菌液を11300×1時間遠心分
離して上清95mlを集めた。 この上清95mlを1mM EDTA,0.15M NaClを
含む20mM Tris−HCl(PH7.6)(TEN)で300ml
に希釈したのち、抗IF−αA抗体カラム(29ml)
にかけた。 TENで十分洗浄したのち、さらに0.1%トウイ
ーン20(和光純薬工業株式会社製)を含む0.2M酢
酸でIF−αAを溶出し活性画分を集め、PH4.5に調
整したのちCMセルロースカラムに吸着させ、十
分洗浄後、0.15MNaClを含む0.025M酢酸アンモ
ニウム緩衝液(PH5.0)にて溶出した。再び活性
画分を集めて凍結乾燥に付し320mgのヒト白血球
IF−αA粉末を得た。 このもののSDS−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動法による分子量は、19000±1000であつた。
また、ここで得られた最終のヒト白血球IF蛋白
質の比活性は2×108 U/mgであつた。また、
その他の理化学的性状、アミノ酸組成、ペプチド
マツピングにおいて、従来の培地で生産される遺
伝子組換えヒト白血球IFと全く同一の挙動を示
した。 実施例 3 ヒト免疫IF遺伝子を組入れた発現プラスミド
を持つ大腸菌294(IFO 14171)/pHIT・trp
2101株〔日本特許出願昭58−176090号明細書(日
本特開昭59−186995号公報)参照〕を、(1)TSM
−3培地にグルコース25g/、酵母エキス20
g/および塩酸テトラサイクリン5mg/添加
した培地(天然培地)と(2)TSM−3培地にグル
コース25g/、L−グルタミン酸ナトリウム4
g/,FeCl3・6H2O 27mg/,CuSO4・
5H2O 8mg/,ZnSO4・7H2O 8mg/、
塩酸チアミン70mg/および塩酸テトラサイクリ
ン5mg/を添加した培地(合成培地)夫々2.5
を仕込んだ5容ジヤーフアーメンターに接種
し、通気2.5/分、攪拌1000r.p.m.,37℃で培養
を開始し、途中ODが2000クレツト単位になつた
時33℃に、4000クレツト単位になつた時29℃に、
6000クレツト単位になつた時25℃に下げ、26時間
培養を行つた。培養液のPHはアンモニア水で6.8
に保ち、途中培養液中のグルコース濃度が1%以
下になつた時、25g/の割合でグルコースを添
加した。その結果、天然培地(1)でIF−γ生産性
を100とすると合成培地(2)での生産性は550であつ
た。 実施例 4 実施例3で得られた合成培地培養液2.4を遠
心分離して菌体を集め、これを120mlの10%シユ
クロース、10mM EDTA,10mMスペルミヂン、
2mM PMSF,0.2mg/mlリゾチームを含む50mM
Tris−HCl(PH7.6)に懸濁し、4℃で1時間攪拌
したのち、37℃で5分間保温し、これを更に超音
波破砕器(アルテツク社製、米国)で、0℃40秒
処理した。この溶菌液を11300×gで1時間遠心
分離して上清115mlを集めた。 この上清115mlをTENで360mlに希釈したのち、
抗IF−γ抗体カラム(25ml)〔日本特許出願昭58
−176091号明細書の実施例12および13参照。〕に
かけ、TENで十分洗浄したのち、1M NaCl,
0.1%トウイーン20を含む20mMTris−HCl(PH
7.0)でさらに洗浄し、次に2Mグアニジン、塩酸
塩(シグマ社製、米国)を含むTris−HCl(PH
7.0)で溶出し、得られた活性画分100mlを0.115
%Na2HPO4,0.02%KH2PO4,0.8%NaCl,0.02
%KClからなる緩衝液に対して、4℃で18時間透
析した。 ここで得られた最終のヒト免疫IF蛋白質の量
は47mgであり、その比活性は2×107 U/mgで
あつた。 また、ここで得られた標品のSDS−ポリアクリ
ルアミド電気泳動法による分子量は、18000±
1000であり、それ以外の理化学的性状、アミノ酸
組成、ペプチドマツピングにおいて、従来の培地
で生産される遺伝子組換えヒト免疫IFと全く同
一の挙動を示した。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 インターフエロン産生遺伝子を組入れた発現
ベクターを持つ微生物を、L−グルタミン酸と鉄
イオン源とを成分既知の状態で添加した合成培地
において培養し、培養物からインターフエロンを
採取することを特徴とするインターフエロンの製
造法。 2 培地にさらに亜鉛イオン源を成分既知の状態
で添加することを特徴とする特許請求の範囲第1
項記載の製造法。 3 培地にさらに銅イオン源を成分既知の状態で
添加することを特徴とする特許請求の範囲第1項
または第2項記載の製造法。 4 インターフエロン生産遺伝子がヒト白血球イ
ンターフエロン遺伝子である特許請求の範囲第1
項ないし3項記載の製造法。 5 インターフエロン産生遺伝子がヒト免疫イン
ターフエロン遺伝子である特許請求の範囲第1項
ないし3項記載の製造法。 6 L−グルタミン酸を約0.1ないし10g/、
鉄イオン源を約10-5ないし10-3mol/添加する
特許請求の範囲第1項ないし5項記載の製造法。 7 亜鉛イオン源を約10-5ないし10-3mol/添
加する特許請求の範囲第2ないし6項記載の製造
法。 8 銅イオン源を約10-5ないし10-3mol/添加
する特許請求の範囲第3ないし7項記載の製造
法。 9 培地中の炭素源を約0.1ないし5%に保ちつ
つ培養する特許請求の範囲第1ないし8項記載の
製造法。 10 培地中の酸素濃度を飽和溶存酸素濃度の約
5%以上になるように保ちつつ培養する特許請求
の範囲第1ないし9項記載の製造法。
Priority Applications (8)
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| JP58227750A JPS60118196A (ja) | 1983-11-30 | 1983-11-30 | インタ−フェロンの製造法 |
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| JP58227750A JPS60118196A (ja) | 1983-11-30 | 1983-11-30 | インタ−フェロンの製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
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