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JPH0618124B2 - チップ部品の電極処理装置 - Google Patents
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JPH0618124B2 - チップ部品の電極処理装置 - Google Patents

チップ部品の電極処理装置

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JPH0618124B2
JPH0618124B2 JP62153705A JP15370587A JPH0618124B2 JP H0618124 B2 JPH0618124 B2 JP H0618124B2 JP 62153705 A JP62153705 A JP 62153705A JP 15370587 A JP15370587 A JP 15370587A JP H0618124 B2 JPH0618124 B2 JP H0618124B2
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shaped cylindrical
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は電子機器の軽量化,薄形化,小形化に寄与する
電子部品の一種であるチップ抵抗器などのチップ部品の
電極処理装置に関するものである。
従来の技術 従来、この種のチップ部品は、第2図に示すような構成
であった。第2図は例として角板形チップ抵抗器の断面
図を示しており、1はアルミナなどの絶縁基板、2は低
抗体、3は銀系電極膜、4はニッケル(Ni)膜、5は電
気メッキ法で析出されたはんだ(Sn−Pb系合金)〔また
はスズ(Sn)あるいは鉛(Pb)〕膜、6は上記低抗体
2を保護するためのガラス被覆膜である。
このように従来のチップ部品は、電極部の最外層に低融
点金属メッキ膜または低融点合金メッキ膜(以下、これ
らを低融点金属メッキ膜と総称する)を有し、また下地
層(ここではニッケル膜5)として上記低融点金属メッ
キ膜よりも融点が高く、しかも低融点金属メッキ膜と親
和性のよい材料からなる高融点合金膜または高融点合金
膜(以下、これらを高融点金属膜と総称する)が形成さ
れた構造となっている。
このような従来の構成のチップ部品では、電極部の最外
層が低融点金属メッキ膜から構成され、その表面が粗面
になっており、表面積が非常に大きなものとなってい
る。このため、これらの膜は異物の吸蔵やガスの吸着が
しやすくなり、長期間保存した場合には電極表面が酸化
などの化学変化を起こし、プリント基板への実装はんだ
付け時にはんだ付け不良を発生させる可能性が大である
という問題点があった。また、表面を平滑なものとする
ために低融点金属メッキ膜を光沢メッキで構成した場合
には、不純物(有機物)を含んでいるためにはんだ付け
性が悪いという致命的な欠点を有している。
さて、上述したような電極部の表面が粗面になっている
低融点金属メッキ膜を平滑な面とするための電極処理装
置としては、雰囲気炉,赤外線炉,熱風炉,熱板などを
用いる加熱電極処理装置あるいはベーパーフェイズソル
ダリング法(VPS法)を利用する装置などが知られてい
る。その中より、一例として赤外線加熱器を利用したチ
ップ部品の電極処理装置について、以下に説明する。
第3図はこの赤外線加熱器を利用した電極処理装置の概
略構成図を示すものである。
第3図において、7は第2図に示したような構造を有す
るチップ部品、8はチップ部品整列機、9はフラックス
塗布機、10は赤外線加熱器、11は冷却器、12は電極
処理済チップ部品取出し機、13はベルト駆動部、14
は電極処理装置架台、15はチップ部品搬送ベルト、1
6はベルト洗浄器である。
そして、チップ部品の電極部の低融点金属メッキ膜を溶
融させる工程としては、チップ部品整列→フラック
ス塗布→加熱溶融→冷却固化→チップ部品取出し
の5工程からなっている。すなわち、ベルト駆動部13
により搬送されるチップ部品搬送ベルト15上にチップ
部品整列機8よりチップ部品7を供給し、次の工程でチ
ップ部品7にフラックスを塗布した後、トンネル式の赤
外線加熱器10でフラックスを塗布した電極部を加熱溶
融させ、続いてその溶融部を冷却器11によって冷却固
化させ、その後電極処理済チップ部品取出し機12でも
って電極処理の済んだチップ部品7を取出す訳である。
また、チップ部品搬送ベルト15はベルト洗浄器16で
洗浄された後、再びチップ部品7がその上に供給される
ようになっている。
発明が解決しようとする問題点 このような従来の電極処理装置では、各工程に独立の設
備が必要な上に、チップ部品搬送ベルトがフラックスで
汚れるため、洗浄器を設置しなければならない。また、
そのようなことより設備が大きくならざるを得なく、し
かも各設備間のタイミングをとるために(搬送ベルトで
搬送されるチップ部品の移送速度と、フラックス塗布や
チップ部品取出しのタイミングとを同期させるため)、
精度が必要な設備にならざるを得ないという基本的な問
題点をもつものであった。
以下に、この上述した電極処理装置のもつ問題点につい
て列挙する。
チップ部品の電極部を溶融した際に、互いのチップ
部品の電極部がくっつかないように個々のチップ部品の
間隔をとり整列しなければならなく、このことが量産性
を阻害する大きな要因となる。
空気中にて加熱溶融させるため、溶融金属表面の酸
化防止としてフラックスが必要である。
フラックスを使用するため、フラックスが加熱され
てチップ部品に焼付き、チップ部品の洗浄が困難であ
る。
加熱部はトンネル式になっているため、空気が自由
に出入りし、温度を安定化させることが難しい。
搬送ベルトも同時に加熱されているため、加熱およ
び冷却に時間がかかることになり、非常に長い炉が必要
となるとともに、しかも急冷するためには冷却器が必要
となる。
搬送ベルトにフラックスが付着し、設備の故障の原
因にもなるので、搬送ベルトの洗浄を実施しなければな
らない。
設備全体からみても機械的に動く部分が多く、その
上にフラックスを使用しているため、フラックスが設備
の動く部分に付着して故障を起こし、設備の稼働率を落
とす原因となりやすい。このように第3図に示す赤外線
加熱器を利用した電極処理装置では、多くの問題点を有
しており、その改善が強く求められている。
また、上述したところの他の電極処理装置においても、
大なり小なり、この赤外線加熱器を利用した電極処理装
置と類似した問題点を有している。そして、チップ部品
の寸法は一般的に、3.2mm×1.6mmと小さく、さらには最
近では2.0mm×1.25mmといった非常に小さいチップ部品
が使用されるようになってきており、ますますその小形
化傾向が強くなっている。このようにチップ部品の寸法
が非常に小さいこともあり、また上述したように従来知
られているところの電極処理装置が非常に多くの問題点
を有していることもあって、現在のチップ部品において
は電極部の表面を平滑なものとする処理がほとんどなさ
れていないのが実情である。
さて、本発明者は先にこのようなチップ部品の電極処理
装置のもつ欠点を除去するものとして、特願昭61−1
93284号で第4図に示すような構成のチップ部品の
電極処理装置を提案している。この装置は、内部にオイ
ルなどの高沸点液体18を満たし、かつ一方の端に電極
部の最外層に低融点金属メッキ膜を有したチップ部品7
を投入する投入部を備えたU字型の筒状容器17と、上
記高沸点液体18に温度勾配をもたせるように上記U字
型の筒状容器17の一方の端に配された加熱器19を備
え、かつ上記U字型の筒状容器17の加熱器19のない
他方の端は開口部になっており、その開口部は処理済の
チップ部品7を取出す取出し口になっている。
この第4図の装置において、チップ部品7の電極部表面
の処理方法について、以下に説明する。まず、電極処理
を行う段階では、加熱器19でU字型の筒状容器17の
上部(一方の端)を250〜280℃に加熱しておく。
この時、U字型の筒状容器17には高沸点液体18とし
てのやし油が入っているため、この高沸点液体18が2
50〜280℃に加熱される。この加熱された高沸点液
体18は比重が小になり、下部の比重が大である低温部
(U字型の筒状容器17の底部側)へは対流せずに投入
部側の上部のみで対流を起こす。そのためにU字型の筒
状容器17内における高沸点液体18に上部より下部へ
向かって高温状態から低温状態となる温度勾配ができ、
底部側は常温を保つことができる。そして、上記のよう
な準備の整ったところへ、高沸点液体18の液面上方の
投入部よりU字型の筒状容器17内にパーツフィーダ2
0から電極部の最外層に低融点金属メッキ膜を有するチ
ップ部品7を投入する。この投入により、チップ部品7
は高沸点液体18中を落下していく。この時、高沸点液
体18とチップ部品7の摩擦のために、チップ部品7は
個々に分離された状態で落下し、250〜280℃に加
熱された高温部で電極部の最外層に設けられた低融点金
属メッキ膜が溶融され、温度勾配の付いている低温部側
に落下していき、その低温部側で溶融部が固化され、表
面が滑らかな電極を有した処理済チップ部品27として
U字型の筒状容器17内における底部側に溜まる。この
時、U字形の筒状容器17の底部側は常温であるので、
処理済チップ部品27同志がくっつく心配はない。そし
て、電極表面処理を済んだチップ部品27の取出しにつ
いては、加熱器19の設けられていない側の開口部より
連続的に処理済チップ部品27を取出すために、磁石2
2の付いたベルト21をベルト駆動部23を介してU字
型の筒状容器17の他方の端の開口部よりその容器17
の底部まで達するように全体にループを形成した形でた
らし込み、第4図に示す矢印の方向にベルト21を回転
させることにより、底部に溜まった処理済チップ部品2
7を磁石22により吸着させながら引上げ、取出し口と
しての開口部より外に出た処理済チップ部品27を容器
26内に収納する。その後、取出された処理済チップ部
品27は、洗浄することで完成品となる。
この本発明者が先に提案した電極処理装置によれば、低
融点金属(低融点合金)からなる膜または層が容器中に
おける高沸点液体の高温部側で溶融され、低温部側で冷
却されるため、溶融時に表面張力が働き、表面積は小さ
くなっており、この状態で冷却されることによって、メ
ッキ膜などで形成された低融点金属膜(低融点合金膜)
のものと比較して極めて表面積が小さくなり、しかも表
面も平滑になって保存中に異物の付着やガスの吸着が極
端に少ないチップ部品を得ることができることとなる。
また、溶融時に表面あるいはくぼみの内部に吸着,吸蔵
していた異物,ガス類も放出されるので、最外層の膜自
体も不純物を含まない清潔な膜になり、はんだ濡れ性お
よびはんだ付け信頼性の向上につながるチップ部品が得
られることとなる。そして、電極処理としては、高沸点
液体中をチップ部品が高温部側より低温部側に移動する
だけであり、複雑な設備を使用することなく、簡単にし
て実施することができる。また、このように高沸点液体
中で溶融,冷却が行われ、しかも低温部側ではチップ部
品の電極同志がくっつくことはないため、チップ部品を
電極処理時に整列させることなく、バラバラの状態で多
量に投入するだけで処理ができ、しかもチップ部品が液
体と接触しているために加熱,冷却が短時間で終了する
ことにより、非常に量産性が高いものとなる。さらに、
高沸点液体中にて溶融,冷却が行われ、空気と触れる機
会がないので、溶融時でも電極部表面が酸化される心配
がないものである。また、液体中で溶融処理を行うとい
うことは、空気と比較して、溶融体(低融点金属や低融
点合金など)と接触している高沸点液体の比重が大で、
しかも粘度が大であるため、周囲より溶融した金属に圧
力をかけることになり、溶融金属表面状態が波打たずに
平滑な面になり、厚みも均一なものができることとな
る。なお、高沸点液体として天然植物系オイルなどのオ
イルやグリセリンといったフラックスの作用を有した液
体を使用することにより、フラックスは不要となり、そ
のために設備は簡素化されるとともに処理済チップ部品
の洗浄も非常に容易なものとなる。
このように本発明者が先に提案した電極処理装置におい
ては、従来の装置の欠点を大幅に解決するものである
が、処理済チップ部品を取出すために、高沸点液体中に
ベルトを投入しなければならないため、ベルト材料の選
定,ベルトの構造,ベルトを駆動する駆動部の構造,処
理済チップ部品の容器への移し替え方法などに特別の工
夫を要するものである。
本発明は上述したようなチップ部品の電極部がもつ問題
点を解決し、チップ部品の電極部表面積を小にし、しか
も平滑化してはんだ濡れ性の改善と長期の保存に対して
はんだ付けの信頼性を向上させることのできる電極処理
装置を提供することを第1の目的としている。また、本
発明の第2の目的は従来知られているところの電極処理
装置のもつ問題点を解決し、機械的に動く部分をなく
し、チップ部品を整列することなく投入しても、溶融時
に互いのチップ部品の電極部同志がくっつくことなく、
溶融処理が可能で、溶融温度も制度よくコントロールす
ることができ、しかもフラックスを使用せずに量産性よ
くチップ部品の電極処理を行うことを目的とするもので
ある。さらに、本発明の第3の目的は、本発明者が先に
提案した電極処理装置のもつ欠点、すなわち処理済チッ
プ部品を取出すために使用するベルトにまつわる不具合
を除去し、かつ処理済チップ部品の取出しを容易にした
装置を提供することである。
問題点を解決するための手段 以上のような問題点を解決するために本発明は、内部に
オイルなどの高沸点液体を満たし、かつ一方の電極部の
最外層に低融点金属または低融点合金からなる膜または
層を有したチップ部品を投入する投入部を備えたS字型
の筒状容器と、上記高沸点液体に温度勾配をもたせるよ
うに上記S字型の筒状容器の一方の端に配された加熱器
と、上記S字型の筒状容器の外壁に沿って可動させるこ
とができるように設けられた磁石とを備え、かつ上記S
字型の筒状容器の他方の端は開口部になっており、この
開口部は上記S字型の筒状容器の底部に溜った処理済の
チップ部品を上記磁石を用いて外部に取出す取出し口と
なっている構成としたものである。また、好ましい実施
形態としては、高沸点液体として、天然植物系オイル,
天然動物系オイル,天然鉱物系オイル,合成シリコン系
オイルまたはグリセリンのいずれか1つを用いてなるも
のである。
作 用 この構成によれば、低融点金属(低融点合金)からなる
膜または層が容器中における高沸点液体の高温部側で溶
融され、低温部側で冷却されるため、溶融時に表面張力
が働き、表面積は小さくなっており、この状態で冷却さ
れることによって、高いものとなる。さらに、高沸点液
体中にて溶融,冷却が行われ、空気と触れる機会がない
ので、溶融時でも電極部表面が酸化される心配がないも
のである。また、液体中で溶融処理を行うということ
は、空気と比較して、溶融体(低融点金属や低融点合金
など)と接触している高沸点液体の比重が大で、しかも
粘度が大であるため、周囲より溶融した金属に圧力をか
けることになり、溶融金属表面状態が波打たずに平滑な
面になり、厚みも均一なものができることとなる。な
お、高沸点液体として天然植物系オイルなどのオイルや
グリセリンといったフラックスの作用を有した液体を使
用することにより、フラックスは不要となり、そのため
に設備は簡素化されるとともに処理済チップ部品の洗浄
も非常に容易なものとなる。また、筒状容器がS字型
で、低温部取出口を常に開放状態で下方に向けておける
ので、電極処理済チップ部品を取出す場合には、高沸点
液体の液面を変化させることなく、しかも高沸点液体中
に空気を混入させることなく、チップ部品の投入のタイ
ミングとは無関係で連続的に取出しが可能なものであ
る。そして、高沸点液体中に処理済チップ部品の取出し
のためにベルトを投入するといった必要もなく、構成が
簡単なものである。
実施例 以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説
明する。
第1図は本発明におけるチップ部品の電極処理装置の一
例を示す概略構成図である。
第1図において、7は第2図に示したような構造を有す
るチップ部品で、第3図,第4図と同一符号を付してあ
る。28は例えば高さ200cm,チップ部品7の投入口
側から取出口側にかけての大部分の外径が約10cmのガ
ラス製のS字型をした筒状容器で、ここでは縦型に設置
されている。29はこの容器28中に入れられた天然植
物系オイルであるやし油、30は上記S字型の筒状容器
28の上部外周に設けられたマントルヒータなどの加熱
器、31は上記S字型の筒状容器28の上面開口部32
より上記チップ部品7をその容器28内に投入するため
のパーツフィーダである。
また、33は上記S字型の筒状容器28の底吹から取出
口側にかけての外壁に沿って可動させることができる分
割可能なリング状永久磁石(電磁石を使用する場合は、
分割できなくてもよい)であり、上記磁石33を底部A
点に移動させ、電極処理済の済んだチップ部品34を上
記S字型の筒状容器28の内壁に吸着させ、低温側やし
油液面35から離れた上部B点にしばらく放置させ、処
理済チップ部品34に付着しているやし油29をできる
限り低温側やし油液面35の方へ回収し、その後、取出
口開口部36の上部C点まで移動させ、そのC点で上記
永久磁石33を分割し、上記S字型の筒状容器28の外
壁より分離させることができる構成となっている。そし
て、処理済チップ部品34は、容器37内に落下し取出
される。また、38は高温側やし油液面である。
次に、この第1図の装置を用いて、チップ部品7の電極
部表面を処理する方法について説明する。まず、電極処
理を行う段階では、加熱器30でガラス製のS字型の筒
状容器28の上部を250〜280℃に加熱する。この
時、S字型の筒状容器28の内部にやし油29が入って
いるため、やし油29が250〜280℃に加熱され
る。この加熱されたやし油29は比重が小になり、下部
の比重が大である低温部へは対流せずに上記のみで対流
を起こす。そのためにS字型の筒状容器28内における
やし油29に上部より下部へ向かって高温状態から低温
状態となる温度勾配ができ、底部側は常温を保つことが
できる。上記のような準備の整ったところへ、やし油2
9の高温部やし油液面38の上方の上面開口部32より
S字型の筒状容器28内にパーツフィーダ31からチッ
プ部品7を投入する。ここで、この実施例で使用したチ
ップ部品7は角板形チップ抵抗器で、電極部の構造が、
最下層はAg−Pd,中間層はNi最外層(低融点金属メッキ
膜)にはSn:Pb=60:40の厚み7〜10μmの電気
メッキ膜を有したものである。また、上記最外層材料の
融点は、180〜190℃である。
そして、上記仕様のチップ部品7をパーツフィーダ31
を使い、250個/分の速度で加熱された高温部やし油
液面38に落下投入する。これにより、チップ部品7は
高温部やし油液面38に当り、やし油29中を落下して
いく。この時、やし油29とチップ部品7の摩擦のため
に、チップ部品7は個々に分離された状態で落下し、2
50〜280℃に加熱された高温部で電極の最外層であ
るSn−Pb合金メッキ膜が溶融され、温度勾配の付いてい
る低温部に落下していき、やし油29の温度があよそ1
80℃以下になった部分を通過した時点より溶融部が固
化され、表面が滑らかな電極を有した処理済のチップ部
品34としてS字型の筒状容器28内における底部側の
A点に溜まる。この時、S字型の筒状容器28の底部は
常温あるので、処理済チップ部品34同志が接触しても
電極同志がくっつく心配はない。そして、電極表面処理
の済んだチップ部品34の取出しについては、リング状
永久磁石33をA点に移動させ、その磁力により電極処
理済チップ部品34をS字型筒状容器28の内壁に吸着
させ、その状態で低温部やし油液面35の上部B点にま
で移動させ、そのB点でしばらく停止させて処理済チッ
プ部品34に付着しているやし油29をできる限り分離
落下させる。その後、取出口開口部36の上部C点に永
久磁石33を移動させ、そのC点で永久磁石33を分割
し、S字型の筒状容器28の外壁より離すと磁石が弱ま
り、処理済チップ部品34は取出口開口部36より容器
37中に落下し、取出しは終了する。この工程を繰り返
すことにより、投入に影響されることなく、連続的な取
出し作業が可能となる。
このようにしてチップ部品7の低融点金属メッキ膜の溶
融処理が行われる。また、取出された処理済チップ部品
34は、その後、洗浄するだけで完成品となる。
この電極処理装置によれば、やし油29が流れ出ること
が少なく、S字型の筒状容器28内の液面35,38を
変化させることも少ない。
ここで、上記の一実施例においては、高沸点液体として
天然植物系オイルであるやし油を使用した場合について
説明したが、これはその他に天然動物系オイル,天然好
物系オイル,合成シリコン系オイル、またはグリセリン
などのフラックスの作用を有した材料が同様の効果をも
つものとして使えるものであり、さらにはこれらの材料
にとどまらず、チップ部品の電極部における溶融体(低
融点金属膜)の融点よりも高い沸点を有する高沸点液体
であれば使用可能なものである。また、加熱器としてマ
ントルヒータなどをS字型の筒状容器の上部外周に設置
した実施例について説明したが、これはS字型の筒状容
器の上方内部に密閉型シーズヒータを設け、内部より高
沸点液体を加熱するようにしてもよいものである。
そして、本発明装置において溶融されるチップ部品の電
極部最外層としては、電気メッキや化学メッキで構成さ
れた低融点金属メッキ膜(低融点合金メッキ膜)に限ら
れることはなく、溶射や蒸着などにより形成された低融
点金属膜(低融点合金膜)であても差支えないものであ
る。また、これらの低融点金属膜(低融点合金膜)を構
成する材料としては、上記実施例のはんだの他に、一般
によく用いられるスズや、さらには鉛などが使用可能な
ものである。
そして、低融点金属膜(低融点合金膜)の融点は100
〜550℃、膜厚は1μm以上であることが好ましい。
まず、融点が100℃未満の場合ははんだ付けした後、
再融点金属膜が部品使用中に自己発熱で溶融してしまう
ことがあり、550℃を超える場合は低抗体や被覆膜が
破壊されてしまい、チップ部品としての性能を保持でき
なくなる恐れがある。また、膜厚が1μm未満の場合、
熱処理後に均一な膜が形成できなく、実装時におけるは
んだ付けの信頼性が落ちることになり、保管中に酸化し
てしまうことにもなる。この膜厚は、8〜15μmであ
れば非常にはんだ付けがしやすいことが実験により確認
されている。
さらに、本発明による電極処理装置は、鉄や磁性合金な
どのはんだ付け可能な金属膜または合金膜を有し、最外
層に低融点金属ペーストあるいは低融点合金ペーストを
塗布し乾燥させた層を有するチップ部品についても、適
用できるものである。この場合、下地層としてのはんだ
付け可能な金属膜(合金膜)の融点が高沸点液体の融点
よりも高いことはもちろんである。そして、この低融点
金属(低融点合金)ペーストを塗布し乾燥させた層を最
外層に有するチップ部品を本発明装置にて電極処理した
場合、低融点金属(低融点合金)ペーストによる層は電
気メッキ膜や化学メッキ膜で構成されてなるものより、
はんだ付け信頼性に関係する厚みを厚くしかも均一に作
る上で有利なものである。また、低融点金属(低融点合
金)ペースト中には通常クラックスが含まれているが、
このフラックスは溶融時に高沸点液体に溶解するため、
焼付くこともなく、効果を阻害することはないものであ
る。そして、この構造のチップ部品においては、低融点
金属(低融点合金)ペーストによる層の厚みは、乾燥状
態で3μm以上であることが好ましく、特に25〜10
0μmの厚みが適している。
発明の効果 以上のように本発明におけるチップ部品の電極処理装置
は構成されているものであり、数多くの特徴を有してい
る。まず、低融点金属(低融点合金)からなる膜または
層が容器中における高沸点液体の高温部側で溶融され、
低温部側で冷却されるため、溶融時に表面張力が働き、
表面積は小さくなっており、この状態で冷却されること
により、メッキ膜などで形成された低融点金属膜(低融
点合金膜)のものと比較して極めて表面積が小さくな
り、しかも表面も平滑になって保存中に異物の付着やガ
スの吸着が極端に少ないチップ部品を得ることができる
こととなる。また、溶融時に表面あるいはくぼみの内部
に吸着,吸蔵していた異物,ガス類も放出されるので、
最外層の膜自体も不純物を含まない清潔な膜になり、は
んだ濡れ性およびはんだ付け信頼性が向上するチップ部
品が得られることとなる。そして、電極処理としては、
高沸点液体中をチップ部品が高温部側より低温部側に移
動するだけであり、複雑な設備を使用することなく、簡
単にして実施することができる。また、このように高沸
点液体中で溶融,冷却が行われ、しかも低温部側ではチ
ップ部品の電極同志がくっつくことはないため、チップ
部品を電極処理時に整列させることなく、バラバラの状
態で多量に投入するだけで処理ができ、しかもチップ部
品が液体と接触しているために加熱,冷却が短時間で終
了することにより、非常に量産性が高いものとなる。さ
らに、高沸点液体中にて溶融,冷却が行われ、空気と触
れる機会がないので、溶融時でも電極部表面が酸化され
る心配がないものである。また、液体中で溶融処理を行
うということは、空気と比較して、溶融体(低融点金属
や低融点合金など)と接触している高沸点液体の比重が
大で、しかも粘度が大であるため、周囲より溶融した金
属に圧力をかけることになり、溶融金属表面状態が波打
たずに平滑な面になり、厚みも均一なものができること
となる。なお、高融点液体として天然植物系オイルなど
のオイルやグリセリンといったフラックスの作用を有し
た液体を使用することにより、フラックスは不要とな
り、そのために設備は簡素化されるとともに処理済チッ
プ部品の洗浄も非常に容易なものとなる。
さらに、本発明の効果を以下に列挙する。
チップ部品を整列することなく投入できるので、チ
ップ部品の寸法に関係なく同一設備で処理することがで
きる。また、寸法の異なったチップ部品を混合して処理
することもできる。
フラックスを使用することなく処理できるため、チ
ップ部品の洗浄が容易であり、しかもフラックスの焼付
きがなく、出来上りがきれいである。
熱媒体が高沸点液体のため、温度コントロールも精
度が高く、高沸点液体とチップ部品が接触しているた
め、熱伝導が早く、溶融および固化の処理が短時間でで
き、しかも溶融処理の信頼性が高い。すなわち、溶融の
失敗がないものとなる。
高沸点液体に温度勾配を付けているため、処理済チ
ップ部品を低温部に一度に山積状態で溜めることがで
き、まとめて一度に取出しが可能で、取出し作業が非常
に簡素化できる。
高沸点液体の種類または比重を選びことにより、チ
ップ部品の液体中の通過時間を変えることができる。ま
た、高沸点液体の温度勾配を変えることにより、比重が
変化するのでチップ部品の液体中の通過時間を同じく変
えることができる。これにより、チップ部品の低融点金
属または低融点合金からなる膜または層の種類あるいは
寸法形状が変わっても容易に対処することができる。
機械的に動く部分が少なく、特に高沸点液体中での
可動部が全くないので、設備の故障が皆無といってよ
く、稼働率が飛躍的に向上する。
S字型の筒状容器のため、処理済チップ部品の取出
し時の高沸点液体の持出しによる液面の下りが少なく、
しかも高沸点液体中に空気を混入させることなく、チッ
プ部品の投入のタイミングとは無関係で、連続的に取出
しが可能なものである。
また、液面が下った時でも高沸点液体の補充が常温のま
ま低温部開口部側よりでき、電極処理を一時停止するこ
となく、連続的な処理が可能であり、品質の安定化およ
び量産性に適している。
磁石に電磁石を使用した場合は、S字型筒状容器の
外壁より、磁石を分離することなく、電流を遮断するの
みで電極処理済チップ部品の取出しができるので、設備
が簡素化できる。
処理済チップ部品の取出しを磁石を利用して行うよ
うにしたため、高沸点液体中に処理済チップ部品の取出
しのためにベルトを投入するといった必要もなく、構成
が簡単となるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明におけるチップ部品の電極処理装置の一
実施例を示す概略構成図、第2図はチップ部品の一種で
ある角板形チップ抵抗器を示す断面図、第3図は従来知
られているところのチップ部品の電極処理を実施するた
めの装置の一例を示す概略構成図、第4図は本発明者が
先に提案したチップ部品の電極処理装置の概略構成図で
ある。 1……絶縁基板、2……抵抗体、3……銀系電極膜、4
……ニッケル膜、5……はんだ膜、6……ガラス被覆
膜、7……チップ部品、28……S字型の筒状容器、2
9……やし油(高沸点液体)、30……加熱器、31…
…バーツフィーダ、32……上面開口部、33……磁石
(リング状永久磁石)、34……処理済チップ部品、3
5……低温部やし油液面、36……取出口開口部、37
……容器、38……高温部やし油液面。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部にオイルなどの高沸点液体を満たし、
    かつ一方の端に電極部の最外層に低融点金属または低融
    点合金からなる膜または層を有したチップ部品を投入す
    る投入部を備えたS字型の筒状容器と、上記高沸点液体
    に温度勾配をもたせるように上記S字型の筒状容器の一
    方の端に配された加熱器と、上記S字型の筒状容器の外
    壁に沿って可動させることができるように設けられた磁
    石とを備え、かつ上記S字型の筒状容器の他方の端は開
    口部になっており、この開口部は上記S字型の筒状容器
    の底部に溜った処理済のチップ部品を上記磁石を用いて
    外部に取出す取出し口となっている構成としたチップ部
    品の電極処理装置。
  2. 【請求項2】高沸点液体として、天然植物系オイル,天
    然動物系オイル,天然鉱物系オイル,合成シリコン系オ
    イルまたはグリセリンのいずれか1つを用いてなる特許
    請求の範囲第1項記載のチップ部品の電極処理装置。
  3. 【請求項3】加熱器として外部より加熱するマントルヒ
    ータまたは内部より加熱する密閉型シーズヒータを用い
    てなる特許請求の範囲第1項記載のチップ部品の電極処
    理装置。
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