JPH0637694B2 - 鉄損の低い含けい素鋼板 - Google Patents
鉄損の低い含けい素鋼板Info
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- JPH0637694B2 JPH0637694B2 JP62225149A JP22514987A JPH0637694B2 JP H0637694 B2 JPH0637694 B2 JP H0637694B2 JP 62225149 A JP62225149 A JP 62225149A JP 22514987 A JP22514987 A JP 22514987A JP H0637694 B2 JPH0637694 B2 JP H0637694B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 数年前のエネルギー危機を境にして、電力損失のより少
ない電気機器を求める傾向が一段と強まり、それらの鉄
心材料として、鉄損のより低い電磁鋼板が要請されるよ
うになった。
ない電気機器を求める傾向が一段と強まり、それらの鉄
心材料として、鉄損のより低い電磁鋼板が要請されるよ
うになった。
この発明は、上記の要請に有利に応えるもので、鉄損特
性はもとよりのこと被膜密着性にも優れる含けい素鋼板
に関するものである。
性はもとよりのこと被膜密着性にも優れる含けい素鋼板
に関するものである。
(従来の技術) けい素鋼板の鉄損は、うず電流損とヒステリシス損から
なる。けい素鋼板の鉄損を減少させる有効な手段として
板厚を減少させる方法があり、この方法は主にうず電流
損を減少させることにより、鉄損の低減ひいては省エネ
ルギーに大きく貢献している。しかしながら板厚が11mi
l 以下になってくると全鉄損に占めるヒステリシス損の
割合が急激に増大してくる。ヒステリシス損に影響する
因子としては、結晶粒の方位、不純物の程度、表面被膜
の影響および鋼板表面の粗度等が挙げられる。
なる。けい素鋼板の鉄損を減少させる有効な手段として
板厚を減少させる方法があり、この方法は主にうず電流
損を減少させることにより、鉄損の低減ひいては省エネ
ルギーに大きく貢献している。しかしながら板厚が11mi
l 以下になってくると全鉄損に占めるヒステリシス損の
割合が急激に増大してくる。ヒステリシス損に影響する
因子としては、結晶粒の方位、不純物の程度、表面被膜
の影響および鋼板表面の粗度等が挙げられる。
ヒステリシス損を低下させる方法とくに鋼板の表面性状
を改善することによるヒステリシス損の低減方法として
は、たとえば特公昭52-24499号公報では、仕上げ焼鈍後
の方向性けい素鋼板を酸洗により表面酸化物を除去した
後、表面を鏡面状態に化学研磨あるいは電解研磨する方
法が提案されている。また特公昭56-4150 号公報には、
一方向性けい素鋼板の表面の非金属物質を除去し、次い
でその表面を化学研磨あるいは電解研磨した上にセラミ
ックス薄膜を施す技術が開示されている。さらに特開昭
60-89589号公報には、アルミナを主成分とする焼鈍分離
剤を用いて行った2次再結晶後の方向性けい素鋼板の表
面酸化物を除去後、化学研磨あるいは電解研磨する技術
が開示されている。またさらに特開昭60-39123号公報に
は、アルミナを主成分とする焼鈍分離剤を用いて表面の
酸化物の量を規制した上で、酸洗なしに直接化学研磨あ
るいは電解研磨を施す技術が開示されている。
を改善することによるヒステリシス損の低減方法として
は、たとえば特公昭52-24499号公報では、仕上げ焼鈍後
の方向性けい素鋼板を酸洗により表面酸化物を除去した
後、表面を鏡面状態に化学研磨あるいは電解研磨する方
法が提案されている。また特公昭56-4150 号公報には、
一方向性けい素鋼板の表面の非金属物質を除去し、次い
でその表面を化学研磨あるいは電解研磨した上にセラミ
ックス薄膜を施す技術が開示されている。さらに特開昭
60-89589号公報には、アルミナを主成分とする焼鈍分離
剤を用いて行った2次再結晶後の方向性けい素鋼板の表
面酸化物を除去後、化学研磨あるいは電解研磨する技術
が開示されている。またさらに特開昭60-39123号公報に
は、アルミナを主成分とする焼鈍分離剤を用いて表面の
酸化物の量を規制した上で、酸洗なしに直接化学研磨あ
るいは電解研磨を施す技術が開示されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、これらの技術はいずれも、鉄損低減効果
は非常に明確であるにもかかわらず、今日工業的に実施
されるまでには至っていない。
は非常に明確であるにもかかわらず、今日工業的に実施
されるまでには至っていない。
その理由は、化学研磨の場合、研磨液として用いられる
HF+H2O2やH3PO4 +H2O2などが高価なためコスト高にな
るからである。同じく電解研磨の場合も、研磨液として
通常用いられるりん酸系浴、硫酸系浴、りん酸−硫酸系
浴および過塩素酸系浴などはいずれも、高濃度の酸を主
成分とし、しかも添加物としてクロム酸塩、ふっ酸、有
機化合物などを使用するためコスト高となり、しかも大
量に鋼板を処理するには、均質性、生産性および液の早
期劣化など未解決の問題も多いからである。
HF+H2O2やH3PO4 +H2O2などが高価なためコスト高にな
るからである。同じく電解研磨の場合も、研磨液として
通常用いられるりん酸系浴、硫酸系浴、りん酸−硫酸系
浴および過塩素酸系浴などはいずれも、高濃度の酸を主
成分とし、しかも添加物としてクロム酸塩、ふっ酸、有
機化合物などを使用するためコスト高となり、しかも大
量に鋼板を処理するには、均質性、生産性および液の早
期劣化など未解決の問題も多いからである。
さらにもう一つの工業化を防げるおおきな欠点は、鏡面
研磨された表面には絶縁コートがのりにくいことであ
る。
研磨された表面には絶縁コートがのりにくいことであ
る。
すなわち従来知られているりん酸塩系コートやセラミッ
クコートは鏡面故に密着性が悪く現実の使用に耐え得な
かったのである。
クコートは鏡面故に密着性が悪く現実の使用に耐え得な
かったのである。
この発明は、上記の問題を有利に解決するもので電解研
磨あるいは化学研磨による鏡面化処理を施こさずとも磁
気的に平滑な面すなわちヒステリシス損の原因となる磁
壁の移動を妨害するようなことがない面を形成し、磁性
的には勿論のこと被膜密着性にも優れた表面状態になる
含けい素鋼板を提案することを目的とする。
磨あるいは化学研磨による鏡面化処理を施こさずとも磁
気的に平滑な面すなわちヒステリシス損の原因となる磁
壁の移動を妨害するようなことがない面を形成し、磁性
的には勿論のこと被膜密着性にも優れた表面状態になる
含けい素鋼板を提案することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) さて発明者らは、種々の表面が鉄損に及ぼす影響につい
て再検討した結果、以下に述べる知見を得た。
て再検討した結果、以下に述べる知見を得た。
すなわちその第1は、ヒステリシス損に対して大きく影
響を与えているのは、主として表面酸化物であり、表面
の凹凸に関しては必ずしも鏡面状態である必要はないこ
とである。ここに鏡面状態とは光学的な概念であり、定
量的に定義づけられてはいないが、通常表面平均粗さRa
で0.4 μm以下好適には0.1 μm以下のことを指す。
響を与えているのは、主として表面酸化物であり、表面
の凹凸に関しては必ずしも鏡面状態である必要はないこ
とである。ここに鏡面状態とは光学的な概念であり、定
量的に定義づけられてはいないが、通常表面平均粗さRa
で0.4 μm以下好適には0.1 μm以下のことを指す。
第2図に、酸化物が表面に存在する従来の方向性けい素
鋼板、その後に鏡面化処理を施した方向性けい素鋼板お
よびその後さらに酸洗を施して表面を荒らした方向性け
い素鋼板の各鉄損を比較して示したが、同図から明らか
ように酸洗によって鏡面が失われても、鉄損はさほど劣
化していない。
鋼板、その後に鏡面化処理を施した方向性けい素鋼板お
よびその後さらに酸洗を施して表面を荒らした方向性け
い素鋼板の各鉄損を比較して示したが、同図から明らか
ように酸洗によって鏡面が失われても、鉄損はさほど劣
化していない。
このように低ヒステリシス損のけい素鋼板を得るために
は、必ずしも鏡面にする必要はなくいわゆる磁気的に平
滑な表面にすればよいわけであるから、電解研磨や化学
研磨は必ずしも必要不可欠の条件ではなくもっと自由に
化学処理等が選択できるわけである。
は、必ずしも鏡面にする必要はなくいわゆる磁気的に平
滑な表面にすればよいわけであるから、電解研磨や化学
研磨は必ずしも必要不可欠の条件ではなくもっと自由に
化学処理等が選択できるわけである。
しかしながらけい素鋼板の磁気的平滑化のプロセス中
に、鋼板表面に歪みが入ることは鉄損を劣化させるため
に極力回避すべきであることはいうまでもない。
に、鋼板表面に歪みが入ることは鉄損を劣化させるため
に極力回避すべきであることはいうまでもない。
ここで電解研磨法を特徴づけている鏡面化現象について
説明する。電解研磨においては被研磨面を陽極として、
強酸・強アルカリの電解液中で電流を通すと、電解反応
によって金属は表面からイオンとなって溶出するが、金
属表面と電解液との間には粘性膜が生じる。この粘性膜
が表面の凸部では薄いので、より多くの電流が流れるた
め、凸部が凹部より多く溶け出し、金属表面は凹凸のな
い鏡面に仕上げられるとされている。したがって化学研
磨や電解研磨は、結晶粒度や方位に全く依存せずに金属
表面を平滑にする方法であるともいえる。いいかえれば
化学研磨や電解研磨で得られる面は、下地の結晶に無関
係に平滑化することにより、高い光沢を有するというこ
とで特徴づけられるものである。
説明する。電解研磨においては被研磨面を陽極として、
強酸・強アルカリの電解液中で電流を通すと、電解反応
によって金属は表面からイオンとなって溶出するが、金
属表面と電解液との間には粘性膜が生じる。この粘性膜
が表面の凸部では薄いので、より多くの電流が流れるた
め、凸部が凹部より多く溶け出し、金属表面は凹凸のな
い鏡面に仕上げられるとされている。したがって化学研
磨や電解研磨は、結晶粒度や方位に全く依存せずに金属
表面を平滑にする方法であるともいえる。いいかえれば
化学研磨や電解研磨で得られる面は、下地の結晶に無関
係に平滑化することにより、高い光沢を有するというこ
とで特徴づけられるものである。
次に第2の知見は、塩化物水溶液でけい素鋼を電解処理
した場合に鋼板表面の結晶粒方位の違いによって表面性
状が大きく異なることである。
した場合に鋼板表面の結晶粒方位の違いによって表面性
状が大きく異なることである。
従来塩化物による電解処理は鏡面研磨面を得るという点
に関して実効に乏しいために実施されることはなかった
が、発明者らは前述した第1の知見によって、広く電解
処理の可能性を探っていたため、塩化物についても確認
実験を行ったところ上述の特異な現象を見出すに至った
のである。
に関して実効に乏しいために実施されることはなかった
が、発明者らは前述した第1の知見によって、広く電解
処理の可能性を探っていたため、塩化物についても確認
実験を行ったところ上述の特異な現象を見出すに至った
のである。
第3図に面方位の差異によって、電解処理後の結晶面の
モルホロジーが異なることを表わした顕微鏡組織写真を
示す。
モルホロジーが異なることを表わした顕微鏡組織写真を
示す。
第3図Aは、結晶粒の{110 }面が圧延面に対して5゜
傾いている場合であり、独得の網目状表面モルホロジー
を呈している。この網目状粒は結晶粒の如くみえる窪み
が粒内に分散隣接することによって形成され電解エッチ
ングによって得られるグレイニング面に酷似しているの
でグレイニング様面と呼称する。
傾いている場合であり、独得の網目状表面モルホロジー
を呈している。この網目状粒は結晶粒の如くみえる窪み
が粒内に分散隣接することによって形成され電解エッチ
ングによって得られるグレイニング面に酷似しているの
でグレイニング様面と呼称する。
第3図Bは、同じ11゜傾いている場合であり、鱗状モル
ホロジーを呈している。さらに第3図Cは、25゜傾いて
いる場合であって木肌状組織となっている。これらの特
異なモルホロジーを有する面は第3図A〜Cにも見られ
るとおり網目状組織Aですら鏡面ではなく、マクロ的外
観では、結晶粒界の出現した酸洗面の様相を呈してい
る。
ホロジーを呈している。さらに第3図Cは、25゜傾いて
いる場合であって木肌状組織となっている。これらの特
異なモルホロジーを有する面は第3図A〜Cにも見られ
るとおり網目状組織Aですら鏡面ではなく、マクロ的外
観では、結晶粒界の出現した酸洗面の様相を呈してい
る。
さらに重要なことは、かかる特異な網目状組織を有する
表面は{110 }面を有するけい素鋼板を塩化物水溶液を
電解液として電解処理した時のみ得られることであり、
しかも上記の網目状組織は磁性的に平滑な面であること
である。
表面は{110 }面を有するけい素鋼板を塩化物水溶液を
電解液として電解処理した時のみ得られることであり、
しかも上記の網目状組織は磁性的に平滑な面であること
である。
第1図に、主として{110 }面のみによって構成された
素材をNaClで電解処理した時に得られた素材の鉄損の改
善代について調べた結果を示す。また同図には比較のた
め、混酸(CrO3 10%,H3PO4)で電解研磨により鏡面とし
た方向性けい素鋼板の鉄損改善代についての調査結果も
併せて示した。
素材をNaClで電解処理した時に得られた素材の鉄損の改
善代について調べた結果を示す。また同図には比較のた
め、混酸(CrO3 10%,H3PO4)で電解研磨により鏡面とし
た方向性けい素鋼板の鉄損改善代についての調査結果も
併せて示した。
同図より明らかなように、塩化物浴を用いたときの方が
鉄損の改善代は大きい。
鉄損の改善代は大きい。
なお上記の実験は、NaCl電解液として濃度20%のものを
用い、電流密度:100A/dm2 で10秒間の条件で電解処理
を施した。
用い、電流密度:100A/dm2 で10秒間の条件で電解処理
を施した。
さらにイオンブレーティングでTiN を被成した場合にも
良好な鉄損の向上効果がみられた。
良好な鉄損の向上効果がみられた。
この発明に従う鋼板の鉄損が、従来法の電解研磨、化学
研磨等による鏡面を有する製品に比して良好な値を示す
物理的理由はまだ完全に解明されたわけではないが、第
1に磁気的に平滑であるためには、幾何的な平滑度をそ
れほど高く要求されないこと、第2にこの発明では、粒
界が段差状あるいは溝状の凹部を形成するので、磁区の
細幅化が生じ、それにより鉄損の減少が望めること、第
3に電解研磨法によると鏡面に生じる酸化被膜による劣
化が生じると考えられるが、この発明鋼板では生じない
ことなどによるものと推察される。
研磨等による鏡面を有する製品に比して良好な値を示す
物理的理由はまだ完全に解明されたわけではないが、第
1に磁気的に平滑であるためには、幾何的な平滑度をそ
れほど高く要求されないこと、第2にこの発明では、粒
界が段差状あるいは溝状の凹部を形成するので、磁区の
細幅化が生じ、それにより鉄損の減少が望めること、第
3に電解研磨法によると鏡面に生じる酸化被膜による劣
化が生じると考えられるが、この発明鋼板では生じない
ことなどによるものと推察される。
ところでけい素鋼板においてはその表面には絶縁コート
を具備して用いることが多く、また磁歪、鉄損などの磁
気特性をさらに良好にするために、絶縁コートに張力性
を付与したり、あるいは、張力コートと絶縁コートの2
重コーティングを行ったりする。しかしながら従来の磁
気的平滑面を得る手段である鏡面研磨によって得られた
表面は、これらのコーティングを施こし難いだけでな
く、コートの密着性が不良であった。
を具備して用いることが多く、また磁歪、鉄損などの磁
気特性をさらに良好にするために、絶縁コートに張力性
を付与したり、あるいは、張力コートと絶縁コートの2
重コーティングを行ったりする。しかしながら従来の磁
気的平滑面を得る手段である鏡面研磨によって得られた
表面は、これらのコーティングを施こし難いだけでな
く、コートの密着性が不良であった。
この点この発明鋼板の表面は、網目状粒の境界に凸部を
有するだけでなく、結晶粒界が段差や溝状の凹部を形成
しているのでコーティング被膜の密着性は極めて良好で
ある。
有するだけでなく、結晶粒界が段差や溝状の凹部を形成
しているのでコーティング被膜の密着性は極めて良好で
ある。
次表1に、(H3PO4 +CrO3)溶液中で電解研磨を施して
得た方向性けい素鋼板およびNaCl中で電解処理をした得
た方向性けい素鋼板それぞれに、りん酸塩張力コーティ
ングを施したものおよびTiNコーティングをイオンプレ
ーティングしたもの(板厚はいずれも0.30mm)の密着性
について調べた結果を示す。なお密着性は各鋼板を20mm
φの円筒に巻き付け、被膜はく離が全く生じなかったも
のを密着性良好なもの、一方少しでも被膜のはく離が生
じたものは密着性が不良なものとした。
得た方向性けい素鋼板およびNaCl中で電解処理をした得
た方向性けい素鋼板それぞれに、りん酸塩張力コーティ
ングを施したものおよびTiNコーティングをイオンプレ
ーティングしたもの(板厚はいずれも0.30mm)の密着性
について調べた結果を示す。なお密着性は各鋼板を20mm
φの円筒に巻き付け、被膜はく離が全く生じなかったも
のを密着性良好なもの、一方少しでも被膜のはく離が生
じたものは密着性が不良なものとした。
同表に示したとおり、この発明におけるコーティングの
密着性は非常に優れていた。
密着性は非常に優れていた。
(作 用) この発明の素材であるけい素鋼板は、板面に対する(11
0) 面の傾きが10゜以内の結晶粒が全体の80vol %以上
を占める結晶構造となっている必要がある。というのは
板面に対する(110) 面の傾きが10゜を越えると、塩化物
浴による電解処理面が網目状から鱗状さらには木肌状の
組織となり磁気的平滑さを失うからである。
0) 面の傾きが10゜以内の結晶粒が全体の80vol %以上
を占める結晶構造となっている必要がある。というのは
板面に対する(110) 面の傾きが10゜を越えると、塩化物
浴による電解処理面が網目状から鱗状さらには木肌状の
組織となり磁気的平滑さを失うからである。
また上記の如き好適方位の結晶粒の割合が80vol%に満
たないと磁気的に非平滑である面が多い故に鉄損が電解
処理により増大するからである。なおかかる鋼板は通常
の方向性けい素鋼用素材を仕上げ焼鈍して得ることがで
きるが、その際分離剤としてはMgO を用いる必要はな
く、むしろAl2O3 等酸化物被膜層のできにくいものが好
ましい。特にアルカリ金属や塩化物等をAl2O3 に混入し
て酸化物の形成を阻止したものが好適である。
たないと磁気的に非平滑である面が多い故に鉄損が電解
処理により増大するからである。なおかかる鋼板は通常
の方向性けい素鋼用素材を仕上げ焼鈍して得ることがで
きるが、その際分離剤としてはMgO を用いる必要はな
く、むしろAl2O3 等酸化物被膜層のできにくいものが好
ましい。特にアルカリ金属や塩化物等をAl2O3 に混入し
て酸化物の形成を阻止したものが好適である。
またこの発明鋼板の表面は、結晶粒界がR maxで0.4 μ
m以上の段差状または溝状の凹部を形成すると共に、該
表面の結晶粒の表面が凸部の境界を介して窪みが隣接し
た面、すなわちグレイニング(Grainig)様面を呈してい
なければならない。
m以上の段差状または溝状の凹部を形成すると共に、該
表面の結晶粒の表面が凸部の境界を介して窪みが隣接し
た面、すなわちグレイニング(Grainig)様面を呈してい
なければならない。
なんとなれば、この凸部の境界面と凹部の結晶粒界によ
って発明鋼板の表面に施されるコーティングの密着性が
増大するとともに、段差状あるいは溝状の粒界によって
磁区幅が微細になり鉄損が改善されるからである。
って発明鋼板の表面に施されるコーティングの密着性が
増大するとともに、段差状あるいは溝状の粒界によって
磁区幅が微細になり鉄損が改善されるからである。
ここに磁気的に平滑なグレイニング様面は、水溶性塩化
物の電解液による電解処理によって容易に得ることがで
きる。
物の電解液による電解処理によって容易に得ることがで
きる。
ここで述べる水溶性塩化物とは、NaCl,HCl,NH4Cl お
よび各種金属の塩化物を意味する。これらはいずれも
{110 }面を有するけい素鋼板に対し磁気的平滑化効果
を有するものであるが、陰極への金属の析出を防止でき
る点からもアルカリ金属やアルカリ土類金属の塩化物あ
るいはNH4Cl やHCl,AlCl3などが好適である。
よび各種金属の塩化物を意味する。これらはいずれも
{110 }面を有するけい素鋼板に対し磁気的平滑化効果
を有するものであるが、陰極への金属の析出を防止でき
る点からもアルカリ金属やアルカリ土類金属の塩化物あ
るいはNH4Cl やHCl,AlCl3などが好適である。
また結晶粒界の凹部の深さをRmax で0.4 μm以上に限
定したのは、該深さが0.4 μmに満たないと鉄損特性お
よび被膜密着性の改善効果に乏しいからである。
定したのは、該深さが0.4 μmに満たないと鉄損特性お
よび被膜密着性の改善効果に乏しいからである。
かかる一連の処理を施すことによって磁気特性の効果的
な向上を図ることができるが、この発明では、グレイニ
ング様面に張力付与型の極薄被膜を被成すことによって
磁気特性のより一層の向上を図ることができる。薄型被
膜は従来より知られるコロイダルシリカを含有するりん
酸塩系コーティングでもよいし、ドライあるいはウエッ
トのめっきで形成してもよい。
な向上を図ることができるが、この発明では、グレイニ
ング様面に張力付与型の極薄被膜を被成すことによって
磁気特性のより一層の向上を図ることができる。薄型被
膜は従来より知られるコロイダルシリカを含有するりん
酸塩系コーティングでもよいし、ドライあるいはウエッ
トのめっきで形成してもよい。
すなわちCVD 法やPVD 法(イオンプレーティングやイオ
ンインプラティンション)などの蒸着法又はめっき等に
よって、Ti,Nb,Si,V,Cr,Al,Mn,B,Ni,Co,M
o,Zr,Ta,Hf,Wの窒化物および/ 又は炭化物ならび
にAl,Si,Mn,Mg,Zn,Tiの酸化物のうちから選んだ少
なくとも1種より主として成る極薄被膜を鋼板表面に強
固に被成するのである。
ンインプラティンション)などの蒸着法又はめっき等に
よって、Ti,Nb,Si,V,Cr,Al,Mn,B,Ni,Co,M
o,Zr,Ta,Hf,Wの窒化物および/ 又は炭化物ならび
にAl,Si,Mn,Mg,Zn,Tiの酸化物のうちから選んだ少
なくとも1種より主として成る極薄被膜を鋼板表面に強
固に被成するのである。
なおかかる被膜の材質としては、上掲したもののほか、
熱膨脹係数が低く鋼板に強固に付着するものであれば何
であってもよい。
熱膨脹係数が低く鋼板に強固に付着するものであれば何
であってもよい。
さらに必要により常法に従って張力付与型低熱膨張の上
塗り絶縁被膜を被成することもできる。
塗り絶縁被膜を被成することもできる。
(実施例) 実施例1 C:0.03%,Si:3.3%,Mn:0.06 %,Se:0.02 %,Sb:0.0
2 %を含有する含けい素鋼熱延板を、冷延により0.23mm
厚に仕上げたのち、脱炭焼鈍を行った。得られた焼鈍板
の一部は比較材Aとして残し、残部に対しAl2O3 を主成
分とする(NaCl を0.1 %含有)焼鈍分離剤を塗布したの
ちコイルに巻いてから仕上げ焼鈍を施して比較材Bとし
た。一部は、エメリーとバフで鏡面に研磨して比較材C
とし、また一部はクロム酸とりん酸の混合液(1:9) で電
解研磨により鏡面化して比較材C′とし、さらに一部は
硫酸酸洗を施して表面層より4μm除去して比較材Dと
した。
2 %を含有する含けい素鋼熱延板を、冷延により0.23mm
厚に仕上げたのち、脱炭焼鈍を行った。得られた焼鈍板
の一部は比較材Aとして残し、残部に対しAl2O3 を主成
分とする(NaCl を0.1 %含有)焼鈍分離剤を塗布したの
ちコイルに巻いてから仕上げ焼鈍を施して比較材Bとし
た。一部は、エメリーとバフで鏡面に研磨して比較材C
とし、また一部はクロム酸とりん酸の混合液(1:9) で電
解研磨により鏡面化して比較材C′とし、さらに一部は
硫酸酸洗を施して表面層より4μm除去して比較材Dと
した。
また75%の濃度のNaCl電解液に浸漬した(比較材E)も
のと浸漬の上ステンレスを対陰極として100A/dm2の電解
処理を10秒間施した(適合例)ものとを作りそれぞれに
ついて磁性を測定した。
のと浸漬の上ステンレスを対陰極として100A/dm2の電解
処理を10秒間施した(適合例)ものとを作りそれぞれに
ついて磁性を測定した。
また表面のモルホロジーについても観察した。なお同じ
電解処理を比較材Aにも施した。
電解処理を比較材Aにも施した。
その結果を、以下に示す。
比較材A 電解処理前後でHcが5%増大し、磁気的平滑
化ができていない。
化ができていない。
表面モルホロジーはほとんど(90%以上)が木肌状組織
であった。
であった。
比較材B 仕上げ焼鈍後の鋼板の鉄損はW17/50で0.95W/
kgであった。30粒の2次粒を調べたところ{110 }面10
゜以内が100 %であった。
kgであった。30粒の2次粒を調べたところ{110 }面10
゜以内が100 %であった。
比較材C エメリーとバフによる鏡面仕上げ材の鉄損は
W17/50で1.32W/kgであった。
W17/50で1.32W/kgであった。
比較材C′ 電解研磨による鏡面仕上げ材の鉄損はW17/
50で0.86W/kgであった。
50で0.86W/kgであった。
比較材D 鉄損W17/50は1.01W/kgであった。
比較材E 鉄損W17/50は0.97W/kgであった。
適合例 鉄損W17/50は0.80W/kgであり、また組織は網
目状組織(グレイニング様面)になっていた。
目状組織(グレイニング様面)になっていた。
ついで比較材B,C,C′,Dと適合例に対してイオン
プレーティングでTiN を1μm厚に蒸着したところ次の
結果を得た。
プレーティングでTiN を1μm厚に蒸着したところ次の
結果を得た。
コーティングの密着性については、20mmφの曲げテスト
で、適合例及び比較材B,Dは良好であったが、比較材
CとC′は剥離した。
で、適合例及び比較材B,Dは良好であったが、比較材
CとC′は剥離した。
実施例2 C:0.03%,Si:3.2%,Mn:0.08 %,S:0.02 %およびAl:
0.02 %を含有する含けい素鋼熱延板を、0.30mmまで冷
延した後、脱炭焼鈍を施こし、ついでMgO を焼鈍分離剤
として塗布後、仕上げ焼鈍を行った。仕上げ焼鈍後の鉄
損はW17/50で1.02W/kgであった。結晶粒30粒につき、そ
の方位をX線で調べたところ30粒とも{110 }の面から
のずれは10゜以下であった。さらに上記鋼板の表面フォ
ルステライトを被膜を酸洗で除去した後、NH4Cl100%の
液中で、素材を陽極として50A/dm2,2000クーロン/dm2
の条件下に電解処理を施したところ、得られた鋼板の表
面は美麗なグレイニング様面を呈し、また鉄損はW17/50
=0.83W/ kgであった。
0.02 %を含有する含けい素鋼熱延板を、0.30mmまで冷
延した後、脱炭焼鈍を施こし、ついでMgO を焼鈍分離剤
として塗布後、仕上げ焼鈍を行った。仕上げ焼鈍後の鉄
損はW17/50で1.02W/kgであった。結晶粒30粒につき、そ
の方位をX線で調べたところ30粒とも{110 }の面から
のずれは10゜以下であった。さらに上記鋼板の表面フォ
ルステライトを被膜を酸洗で除去した後、NH4Cl100%の
液中で、素材を陽極として50A/dm2,2000クーロン/dm2
の条件下に電解処理を施したところ、得られた鋼板の表
面は美麗なグレイニング様面を呈し、また鉄損はW17/50
=0.83W/ kgであった。
さらにSi3N4をイオングレーティングでコーテング(厚
み1μm)したところ鉄損はW17/50=0.71W/kgまで低減
した。
み1μm)したところ鉄損はW17/50=0.71W/kgまで低減
した。
また被膜の密着性は良好であった。
(発明の効果) かくしてこの発明によれば、鉄損特性に優れたけい素鋼
板を安定してしかも安価に得ることができる。
板を安定してしかも安価に得ることができる。
第1図は、方向性けい素鋼板の表面をりん酸浴または塩
化物浴で電解処理した場合ならびにその後TiN のコーテ
ィングを施した場合の鉄損の改善代を比較して示したグ
ラフ、 第2図は、方向性けい素鋼板の表面に鏡面化処理を施し
た場合およびその後酸洗処理を施した場合の鉄損値を比
較して示したグラフ、 第3図A,B,Cはそれぞれ、塩化物浴で電解処理を施
した場合における結晶方位の違いによる表面性状の違い
を示す顕微鏡組織写真である。
化物浴で電解処理した場合ならびにその後TiN のコーテ
ィングを施した場合の鉄損の改善代を比較して示したグ
ラフ、 第2図は、方向性けい素鋼板の表面に鏡面化処理を施し
た場合およびその後酸洗処理を施した場合の鉄損値を比
較して示したグラフ、 第3図A,B,Cはそれぞれ、塩化物浴で電解処理を施
した場合における結晶方位の違いによる表面性状の違い
を示す顕微鏡組織写真である。
フロントページの続き (72)発明者 筋田 成子 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 上 力 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内
Claims (2)
- 【請求項1】板面に対する{110 }面の傾きが10゜以内
の結晶粒が80vol %以上を占める結晶構造になる含けい
素鋼板であって、地鉄表面における結晶粒の表面がグレ
イニング様面を呈し、かつ結晶粒界が最大高さRmax で
0.4 μm以上の段差あるいは溝を形成してなる、鉄損の
低い含けい素鋼板。 - 【請求項2】板面に対する{110 }面の傾きが10゜以内
の結晶粒が80vol %以上を占める結晶構造になる含けい
素鋼板であって、地鉄表面における結晶粒の表面がグレ
イニング様面を呈し、かつ結晶粒界が最大高さRmax で
0.4 μm以上の段差あるいは溝を形成し、さらに該地鉄
表面に張力付与型の絶縁被膜をそなえてなる、鉄損の低
い含けい素鋼板。
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62225149A JPH0637694B2 (ja) | 1987-09-10 | 1987-09-10 | 鉄損の低い含けい素鋼板 |
| EP88308226A EP0307163B1 (en) | 1987-09-10 | 1988-09-06 | Silicon steel sheets having low iron loss and method of producing the same |
| DE88308226T DE3886146T2 (de) | 1987-09-10 | 1988-09-06 | Siliziumstahlbleche mit niedrigem Eisenverlust und Verfahren zur Herstellung derselben. |
| CA000576999A CA1332345C (en) | 1987-09-10 | 1988-09-09 | Silicon steel sheets having low iron loss and method of producing the same |
| KR1019880011737A KR930009390B1 (ko) | 1987-09-10 | 1988-09-10 | 낮은 철손을 갖는 규소강판과 그 제조방법 |
| US07/600,136 US5125991A (en) | 1987-09-10 | 1990-10-19 | Silicon steel sheets having low iron loss and method of producing the same |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62225149A JPH0637694B2 (ja) | 1987-09-10 | 1987-09-10 | 鉄損の低い含けい素鋼板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6468444A JPS6468444A (en) | 1989-03-14 |
| JPH0637694B2 true JPH0637694B2 (ja) | 1994-05-18 |
Family
ID=16824710
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62225149A Expired - Fee Related JPH0637694B2 (ja) | 1987-09-10 | 1987-09-10 | 鉄損の低い含けい素鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0637694B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6424875B2 (ja) * | 2015-12-14 | 2018-11-21 | Jfeスチール株式会社 | 方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
| JP7601068B2 (ja) * | 2021-09-10 | 2024-12-17 | Jfeスチール株式会社 | ロータコアとその製造方法ならびにモータ |
-
1987
- 1987-09-10 JP JP62225149A patent/JPH0637694B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6468444A (en) | 1989-03-14 |
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Legal Events
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