JPH0675510B2 - モラノリン誘導体の製法 - Google Patents
モラノリン誘導体の製法Info
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- JPH0675510B2 JPH0675510B2 JP2031922A JP3192290A JPH0675510B2 JP H0675510 B2 JPH0675510 B2 JP H0675510B2 JP 2031922 A JP2031922 A JP 2031922A JP 3192290 A JP3192290 A JP 3192290A JP H0675510 B2 JPH0675510 B2 JP H0675510B2
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Description
本発明は、次の一般式〔I〕で表される、医薬品として
有用な、N−置換モラノリン誘導体の効率的かつ低廉な
取得方法に関する。 ここにRは、水素又は低級アルキルを表す。 一般式〔I〕においてRが水素の物質は、モラノリンと
して最初、生薬桑白皮より抽出され医薬品としての有用
性が確認されたものである(八木ら「日本農芸化学会
誌」〔50,571,(1976)〕。一般式〔I〕においてRが
低級アルキルのものは、例えば特公昭59−43459号(特
許第1268030号)等により血糖上昇抑制等の薬理作用と
ともに公知にされている化合物である。 本発明に係る化合物はその後、抗ウイルス作用のあるこ
とが確認されており(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,9229P 1
988)、医薬品としての重要性は非常に高いものであ
る。
有用な、N−置換モラノリン誘導体の効率的かつ低廉な
取得方法に関する。 ここにRは、水素又は低級アルキルを表す。 一般式〔I〕においてRが水素の物質は、モラノリンと
して最初、生薬桑白皮より抽出され医薬品としての有用
性が確認されたものである(八木ら「日本農芸化学会
誌」〔50,571,(1976)〕。一般式〔I〕においてRが
低級アルキルのものは、例えば特公昭59−43459号(特
許第1268030号)等により血糖上昇抑制等の薬理作用と
ともに公知にされている化合物である。 本発明に係る化合物はその後、抗ウイルス作用のあるこ
とが確認されており(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,9229P 1
988)、医薬品としての重要性は非常に高いものであ
る。
モラノリンは、モラノリン産生菌を培養することにより
取得する方法が確立されている(特公昭56−099195号
等)。 一般式〔I〕においてRが低級アルキルであるものは、
モラノリンを通常の方法により、例えば、適当なアルキ
ル化剤(例えば、アルキルハライド等)を反応させる方
法、N−アシル化した後に還元してN−アルキル体とす
る方法、アルキルアルデヒドと還元剤を作用させる方法
等により、随時取得することができた。 ところで、上記したこれまでの方法を適用させるために
は、モラノリンをいったん純粋な形で取得することが必
須であった。 本発明者らは、モラノリンの高産生能を有する菌株を取
得するべく研究を重ね、多数の成果を挙げたが、これら
によるモラノリン産生培養液中には、目的物たるモラノ
リンの他、1,5−ジデオキシ−1,5−イミノ−D−マンニ
トールや2−アミノ−2−デオキシ−D−マンニトール
等の複数の低分子の塩基性水溶性物質が含まれているこ
とが判った。 これまでは、培養液中からモラノリンを取得するため
に、例えば、イオン交換法、活性炭素吸着法、セファデ
ックス、セルロース、シリカゲル等のカラムクロマト分
画等を適用して精製してきた。 これらの方法はなるほどモラノリンを単離する方法とし
ては順当なものではあったが、今日のように、モラノリ
ンが医薬品として又は医薬品の原料として極めて重要な
物質であることが判明してくると、更に効率よい方法が
望まれるようになり、高産生能を有する菌株の発見によ
り、培養液中からの目的物たるモラノリンの単離方法が
極めて重要な技術的課題として注目されるに到った。
取得する方法が確立されている(特公昭56−099195号
等)。 一般式〔I〕においてRが低級アルキルであるものは、
モラノリンを通常の方法により、例えば、適当なアルキ
ル化剤(例えば、アルキルハライド等)を反応させる方
法、N−アシル化した後に還元してN−アルキル体とす
る方法、アルキルアルデヒドと還元剤を作用させる方法
等により、随時取得することができた。 ところで、上記したこれまでの方法を適用させるために
は、モラノリンをいったん純粋な形で取得することが必
須であった。 本発明者らは、モラノリンの高産生能を有する菌株を取
得するべく研究を重ね、多数の成果を挙げたが、これら
によるモラノリン産生培養液中には、目的物たるモラノ
リンの他、1,5−ジデオキシ−1,5−イミノ−D−マンニ
トールや2−アミノ−2−デオキシ−D−マンニトール
等の複数の低分子の塩基性水溶性物質が含まれているこ
とが判った。 これまでは、培養液中からモラノリンを取得するため
に、例えば、イオン交換法、活性炭素吸着法、セファデ
ックス、セルロース、シリカゲル等のカラムクロマト分
画等を適用して精製してきた。 これらの方法はなるほどモラノリンを単離する方法とし
ては順当なものではあったが、今日のように、モラノリ
ンが医薬品として又は医薬品の原料として極めて重要な
物質であることが判明してくると、更に効率よい方法が
望まれるようになり、高産生能を有する菌株の発見によ
り、培養液中からの目的物たるモラノリンの単離方法が
極めて重要な技術的課題として注目されるに到った。
従って、本発明の目的は、一般式〔I〕で表される化合
物を効率よい方法により取得することにあった。
物を効率よい方法により取得することにあった。
本発明者らは、上記課題解決のため鋭意研究を重ねた結
果、サイクロデキストリングリコシルトランスフェラ
ーゼ(CGTase)による糖転移反応は、モラノリン及びN
−低級アルキルモラノリンには反応するが、混在する塩
基性物質には反応しないこと、上記反応により取得さ
れるモラノリン及びN−置換モラノリン誘導体のグルコ
ースオリゴマーは、本発明者らの開示した方法により
(特公昭60−2038号公報)、容易にグルコシルモラノリ
ン及びグルコシル−N−低級アルキルモラノリンに変換
しうること、グルコシルモラノリン及びグルコシル−
N−低級アルキルモラノリンは本発明者らの開示した方
法により(特開昭62−242691号公報)、容易に単離しう
ること、グルコシルモラノリン及びグルコシル−N−
低級アルキルモラノリンは、酸又はグルコアミラーゼ
(GA)によりモラノリン及びN−低級アルキルモラノリ
ンに誘導しうること、等に着目し、これらの過程を経て
ゆけば、培養液から高収率で目的物を取得することがで
きることに想到した。 更に、実に意外なことではあったが、上記した過程を研
究するうち本発明者らは、モラノリン等をCGTaseにより
糖転移反応にかける際、及びその後モラノリン等のグル
コースオリゴマーをGAによってグルコシルモラノリン等
に誘導する際の酵素反応において、基質であるモラノリ
ン等の存在により、酵素活性が非常に安定化される事実
に遭遇した。このことは、後に更に詳しく説明する。 本発明は上記新知見を見出したことにより、初めて完成
をみた発明である。 以下に、本発明の構成を更に詳しく説明する。 本発明においては、まずモラノリンを産生する菌を培養
する。このような菌としては放線菌を挙げることがで
き、例えば本発明者らは特公昭56−9919号公報で開示し
た菌(微工研菌寄第4301号)等を用いることができる。 培養液中には、目的物たるモラノリンのほか、前述した
ように、1,5−ジデオキシ−1,5−イミノ−D−マンニト
ールや2−アミノ−2−デオキシ−D−マンニトール等
の複数の低分子の塩基性水溶性物質が混在することとな
る。 最終目的物としてN−低級アルキルモラノリンを取得し
たい場合には、この培養液をアルキル化反応に掛ける。 本発明において低級アルキルとは、例えば、メチル、エ
チル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso
−ブチル、tert−ブチル等を挙げることができる。 アルキル化は、例えば、適当なアルキル化剤(例えば、
アルキルハライド等)を反応させる方法を適用すること
ができる。 培養液中には、この状態ではN−低級アルキルモラノリ
ンのほか、N−低級アルキル−1,5−ジデオキシ−1,5−
イミノ−D−マンニトールやN−低級アルキル−2−ア
ミノ−2−デオキシ−D−マンニトール等が混在すると
ころとなる。 本発明においては、その後、澱粉、デキストリン、サイ
クロデキストリン等のグルコースの供与体を培養液中に
加える。その後、サイクロデキストリングルコシルトラ
ンスフェラーゼ(CGTase)によって一般式〔II〕 (ここにRは、前記と同じ。nは0から24までの整数を
表す)で表されるグルコースオリゴマーに変換し、その
後必要に応じてグルコアミラーゼ(GA)によって、一般
式〔II〕においてnが0である化合物(グルコシル体)
に変換する。 一般式〔II〕においてRが水素の化合物については、GA
を作用させるのが最も良い。後述するように一般式〔I
I〕においてRが水素でnが0である化合物(グルコシ
ルモラノリン)はメタノールとの分子化合物を形成して
分別結晶することができるという特異的性質があるから
である。 GAを作用させる必要のない場合には、収量を上げたり操
作の利便の目的のためにGA反応を省略することができ
る。 この過程において、混在する1,5−ジデオキシ−1,5−イ
ミノ−D−マンニトールや2−アミノ−2−デオキシ−
D−マンニトール、及びこれらのN−低級アルキル化物
は、CGTase等の作用を受けることがない。 上記したCGTase及びGAに基づく反応は酵素反応であり、
本発明の重要な要旨のひとつは、後述するようにこの酵
素反応を有利に実行することができる手法を確立したと
ころに存在する。 上記によって取得した〔II〕で表される化合物は、本発
明の目的化合物についてのみ生成する。〔II〕は、一般
式〔I〕で表される化合物に比して、例えば、分別結晶
という経済的な操作で非常に効率的に単離することがで
きる。これは〔II〕が〔I〕のグルコースオリゴマーで
あることによる物理化学的性質を利用しようとするもの
である。 例えば、グルコシルモラノリンについては、含水メタノ
ール中で攪拌することにより、メタノールとの分子化合
物を形成するから、非常に効率的に結晶化することがで
きるし、またN−低級アルキルモラノリンについては、
アリールスルホン酸を用いて、同様に非常に効率的に結
晶化することができる。 また、この反応においては、母液から〔II〕化合物を回
収した後にも、再度その残渣を原料として同じ操作を繰
り返すことにより、未回収の化合物〔II〕を容易に回収
することができるから、最終的な回収率を高めることが
できる。 このように、本発明の目的は混在物からの効率的な単離
にあり、〔II〕に誘導するのもその単離を高収率化する
ためであって、本発明の効果はこの時点で発揮されると
ころとなる。 上記の単離方法としては、例えば、本発明者らの発明に
係る特開昭61−115093号公報記載の方法等を適用するこ
とができる。 上記により取得された〔II〕は、更に、例えば塩酸水溶
液等の酸性水溶液中で加熱して加水分解することによ
り、又は過剰のGAを作用させて、モラノリン又はN−低
級アルキルモラノリンとグルコースとに分解することが
できる。 グルコースは中性物質であり、目的物は塩基性であるか
ら、例えば、強酸性イオン交換樹脂にかけて常法により
処理することにより、目的物のみを取得することができ
る。これらの実施にあたっては、本発明者らの発明に係
る特開昭62−242691号公報、特開昭62−242692号公報に
開示された方法を適用することができる。 この場合において、もし最終目的物を他の化合物に誘導
する反応に供するときには、必ずしも結晶化する必要は
ない。〔II〕化合物を加水分解した後においては、目的
物は、事実上合成反応に供することができるほどの純度
を有しているから、そのまま合成反応に適用することが
できる。 さて、以下に本発明の重要な要旨である、本発明に係る
酵素反応について述べる。 酵素反応の技術についての近年の技術的進歩は目覚まし
く、まさに隔世の感があり、ことにキトサンビーズを応
用した固定化酵素法は、例えば溶液中での酵素反応等の
これまでの従来方法に比べ使用酵素量が少なくて済む点
や効率的な反応を行うことができる点で格段の効果があ
った。 キトサンビーズ応用の固定化酵素法については複数の特
許出願がなされており、例えば、特開昭63−196290号公
報には、多孔質のキトサンビーズに、サイクロデキスト
リングルカノトランスフェラーゼを固定化させた後、さ
らに架橋剤で架橋処理する技術が開示されている。 本発明においても、固定化酵素法を適用することができ
る。 本発明において適用する固定化酵素の製造法について例
示すると、架橋剤をまずキトサンビーズと反応させて、
キトサンビーズ表面のアミノ基に架橋を形成させる。そ
の後、本発明に係るCGTase又はGAを架橋剤の末端に固定
する。 本発明に係る架橋剤として、例えば、グルタールアルデ
ヒド等を用いることができる。 本発明に係るキトサンビーズとしては、例えば、キトパ
ール(富士紡績(株)製)BCW−1000シリーズ等を使用
することができる。本発明に係る固定化酵素を生成させ
るためには、例えば適当な温度(例、室温)で適当な緩
衝液(例、pH6.0の0.1M酢酸バッファ)中に上記キトサ
ンビーズを加え、緩やかに振盪し、適当な濃度(例、25
W/V%)のグルタールアルデヒドを加え、適当な時間
(例、1〜48時間)、緩やかに振盪した後、濾過し、水
洗した後、適当な緩衝液(例pH6.0の0.025M酢酸バッフ
ァ)中で、適当な濃度(例1〜500mg/ml)のCGTase溶液
を加え、適当な時間(例1〜48時間)緩やかに振盪した
後、濾過し水洗して得ることができる。 上記の方法は、本発明者らによって初めて確立された手
法であって、これにより上記特開昭63−196290号公報に
開示された技術を使用しなくても固定化酵素法を実施す
ることができる。 以下に、本発明の実施に関する重要な新知見について詳
述する。 本発明者らは、本発明を完成させる過程で、上記した本
発明に係る酵素反応において、本発明に係るモラノリン
又はN−置換モラノリン誘導体、又はこれらのグルコー
スオリゴマーが存在すると、当該酵素反応が安定化し、
一定時間を経過してもその酵素活性が減衰しない、とい
う驚くべき新知見を見出した。 例えば、固定化CGTaseにおいては、55℃で366日経過し
ても初期活性の90%以上を保持することができ、固定化
GAでは、55℃で43日経過しても初期活性の80%以上、50
℃、175日では80%以上、40℃、133日では90%以上を保
持することができる。 この事実がいかなる理由により生じるかについては必ず
しも定かではないが、酵素反応の基質は酵素反応に対し
ては阻害剤として働くことから、この阻害作用との関係
において何らかの機能が発揮されているものと推測する
ことができる。 上記の知見は、この明細書において初めて開示する事実
である。 このことにより、固定化酵素は極めて安定化され、本発
明に適用するに際して、有利な条件を提供するところと
なる。
果、サイクロデキストリングリコシルトランスフェラ
ーゼ(CGTase)による糖転移反応は、モラノリン及びN
−低級アルキルモラノリンには反応するが、混在する塩
基性物質には反応しないこと、上記反応により取得さ
れるモラノリン及びN−置換モラノリン誘導体のグルコ
ースオリゴマーは、本発明者らの開示した方法により
(特公昭60−2038号公報)、容易にグルコシルモラノリ
ン及びグルコシル−N−低級アルキルモラノリンに変換
しうること、グルコシルモラノリン及びグルコシル−
N−低級アルキルモラノリンは本発明者らの開示した方
法により(特開昭62−242691号公報)、容易に単離しう
ること、グルコシルモラノリン及びグルコシル−N−
低級アルキルモラノリンは、酸又はグルコアミラーゼ
(GA)によりモラノリン及びN−低級アルキルモラノリ
ンに誘導しうること、等に着目し、これらの過程を経て
ゆけば、培養液から高収率で目的物を取得することがで
きることに想到した。 更に、実に意外なことではあったが、上記した過程を研
究するうち本発明者らは、モラノリン等をCGTaseにより
糖転移反応にかける際、及びその後モラノリン等のグル
コースオリゴマーをGAによってグルコシルモラノリン等
に誘導する際の酵素反応において、基質であるモラノリ
ン等の存在により、酵素活性が非常に安定化される事実
に遭遇した。このことは、後に更に詳しく説明する。 本発明は上記新知見を見出したことにより、初めて完成
をみた発明である。 以下に、本発明の構成を更に詳しく説明する。 本発明においては、まずモラノリンを産生する菌を培養
する。このような菌としては放線菌を挙げることがで
き、例えば本発明者らは特公昭56−9919号公報で開示し
た菌(微工研菌寄第4301号)等を用いることができる。 培養液中には、目的物たるモラノリンのほか、前述した
ように、1,5−ジデオキシ−1,5−イミノ−D−マンニト
ールや2−アミノ−2−デオキシ−D−マンニトール等
の複数の低分子の塩基性水溶性物質が混在することとな
る。 最終目的物としてN−低級アルキルモラノリンを取得し
たい場合には、この培養液をアルキル化反応に掛ける。 本発明において低級アルキルとは、例えば、メチル、エ
チル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso
−ブチル、tert−ブチル等を挙げることができる。 アルキル化は、例えば、適当なアルキル化剤(例えば、
アルキルハライド等)を反応させる方法を適用すること
ができる。 培養液中には、この状態ではN−低級アルキルモラノリ
ンのほか、N−低級アルキル−1,5−ジデオキシ−1,5−
イミノ−D−マンニトールやN−低級アルキル−2−ア
ミノ−2−デオキシ−D−マンニトール等が混在すると
ころとなる。 本発明においては、その後、澱粉、デキストリン、サイ
クロデキストリン等のグルコースの供与体を培養液中に
加える。その後、サイクロデキストリングルコシルトラ
ンスフェラーゼ(CGTase)によって一般式〔II〕 (ここにRは、前記と同じ。nは0から24までの整数を
表す)で表されるグルコースオリゴマーに変換し、その
後必要に応じてグルコアミラーゼ(GA)によって、一般
式〔II〕においてnが0である化合物(グルコシル体)
に変換する。 一般式〔II〕においてRが水素の化合物については、GA
を作用させるのが最も良い。後述するように一般式〔I
I〕においてRが水素でnが0である化合物(グルコシ
ルモラノリン)はメタノールとの分子化合物を形成して
分別結晶することができるという特異的性質があるから
である。 GAを作用させる必要のない場合には、収量を上げたり操
作の利便の目的のためにGA反応を省略することができ
る。 この過程において、混在する1,5−ジデオキシ−1,5−イ
ミノ−D−マンニトールや2−アミノ−2−デオキシ−
D−マンニトール、及びこれらのN−低級アルキル化物
は、CGTase等の作用を受けることがない。 上記したCGTase及びGAに基づく反応は酵素反応であり、
本発明の重要な要旨のひとつは、後述するようにこの酵
素反応を有利に実行することができる手法を確立したと
ころに存在する。 上記によって取得した〔II〕で表される化合物は、本発
明の目的化合物についてのみ生成する。〔II〕は、一般
式〔I〕で表される化合物に比して、例えば、分別結晶
という経済的な操作で非常に効率的に単離することがで
きる。これは〔II〕が〔I〕のグルコースオリゴマーで
あることによる物理化学的性質を利用しようとするもの
である。 例えば、グルコシルモラノリンについては、含水メタノ
ール中で攪拌することにより、メタノールとの分子化合
物を形成するから、非常に効率的に結晶化することがで
きるし、またN−低級アルキルモラノリンについては、
アリールスルホン酸を用いて、同様に非常に効率的に結
晶化することができる。 また、この反応においては、母液から〔II〕化合物を回
収した後にも、再度その残渣を原料として同じ操作を繰
り返すことにより、未回収の化合物〔II〕を容易に回収
することができるから、最終的な回収率を高めることが
できる。 このように、本発明の目的は混在物からの効率的な単離
にあり、〔II〕に誘導するのもその単離を高収率化する
ためであって、本発明の効果はこの時点で発揮されると
ころとなる。 上記の単離方法としては、例えば、本発明者らの発明に
係る特開昭61−115093号公報記載の方法等を適用するこ
とができる。 上記により取得された〔II〕は、更に、例えば塩酸水溶
液等の酸性水溶液中で加熱して加水分解することによ
り、又は過剰のGAを作用させて、モラノリン又はN−低
級アルキルモラノリンとグルコースとに分解することが
できる。 グルコースは中性物質であり、目的物は塩基性であるか
ら、例えば、強酸性イオン交換樹脂にかけて常法により
処理することにより、目的物のみを取得することができ
る。これらの実施にあたっては、本発明者らの発明に係
る特開昭62−242691号公報、特開昭62−242692号公報に
開示された方法を適用することができる。 この場合において、もし最終目的物を他の化合物に誘導
する反応に供するときには、必ずしも結晶化する必要は
ない。〔II〕化合物を加水分解した後においては、目的
物は、事実上合成反応に供することができるほどの純度
を有しているから、そのまま合成反応に適用することが
できる。 さて、以下に本発明の重要な要旨である、本発明に係る
酵素反応について述べる。 酵素反応の技術についての近年の技術的進歩は目覚まし
く、まさに隔世の感があり、ことにキトサンビーズを応
用した固定化酵素法は、例えば溶液中での酵素反応等の
これまでの従来方法に比べ使用酵素量が少なくて済む点
や効率的な反応を行うことができる点で格段の効果があ
った。 キトサンビーズ応用の固定化酵素法については複数の特
許出願がなされており、例えば、特開昭63−196290号公
報には、多孔質のキトサンビーズに、サイクロデキスト
リングルカノトランスフェラーゼを固定化させた後、さ
らに架橋剤で架橋処理する技術が開示されている。 本発明においても、固定化酵素法を適用することができ
る。 本発明において適用する固定化酵素の製造法について例
示すると、架橋剤をまずキトサンビーズと反応させて、
キトサンビーズ表面のアミノ基に架橋を形成させる。そ
の後、本発明に係るCGTase又はGAを架橋剤の末端に固定
する。 本発明に係る架橋剤として、例えば、グルタールアルデ
ヒド等を用いることができる。 本発明に係るキトサンビーズとしては、例えば、キトパ
ール(富士紡績(株)製)BCW−1000シリーズ等を使用
することができる。本発明に係る固定化酵素を生成させ
るためには、例えば適当な温度(例、室温)で適当な緩
衝液(例、pH6.0の0.1M酢酸バッファ)中に上記キトサ
ンビーズを加え、緩やかに振盪し、適当な濃度(例、25
W/V%)のグルタールアルデヒドを加え、適当な時間
(例、1〜48時間)、緩やかに振盪した後、濾過し、水
洗した後、適当な緩衝液(例pH6.0の0.025M酢酸バッフ
ァ)中で、適当な濃度(例1〜500mg/ml)のCGTase溶液
を加え、適当な時間(例1〜48時間)緩やかに振盪した
後、濾過し水洗して得ることができる。 上記の方法は、本発明者らによって初めて確立された手
法であって、これにより上記特開昭63−196290号公報に
開示された技術を使用しなくても固定化酵素法を実施す
ることができる。 以下に、本発明の実施に関する重要な新知見について詳
述する。 本発明者らは、本発明を完成させる過程で、上記した本
発明に係る酵素反応において、本発明に係るモラノリン
又はN−置換モラノリン誘導体、又はこれらのグルコー
スオリゴマーが存在すると、当該酵素反応が安定化し、
一定時間を経過してもその酵素活性が減衰しない、とい
う驚くべき新知見を見出した。 例えば、固定化CGTaseにおいては、55℃で366日経過し
ても初期活性の90%以上を保持することができ、固定化
GAでは、55℃で43日経過しても初期活性の80%以上、50
℃、175日では80%以上、40℃、133日では90%以上を保
持することができる。 この事実がいかなる理由により生じるかについては必ず
しも定かではないが、酵素反応の基質は酵素反応に対し
ては阻害剤として働くことから、この阻害作用との関係
において何らかの機能が発揮されているものと推測する
ことができる。 上記の知見は、この明細書において初めて開示する事実
である。 このことにより、固定化酵素は極めて安定化され、本発
明に適用するに際して、有利な条件を提供するところと
なる。
以下に、本発明に係る参考例及び実施例を掲げて、本発
明を更に詳しく説明する。 参考例1 CGTaseの固定化(1) 10lの富士紡績社製キトパールBCW−3010を2.5w/v%グル
タールアルデヒドを含む0.1M酢酸緩衝液(pH6.0)40l
に、室温で24時間浸漬処理した後、充分にイオン交換水
で洗浄した。ついでキトパール1ml当たり蛋白質20mg相
当のCGTase(林原生物化学研究所社製。バチルス・ステ
ロサーモフィリス(Bacillus stearothermophilus)由
来〕を加えて、さらに酢酸緩衝液(pH6.0)を最終濃度
が0.025Mになるように加えて、全液量が30lになるよう
にした。このまま室温で24時間浸漬してその後イオン交
換水で充分洗浄して、固定化CGTaseを得た。得られたビ
ーズの蛋白吸着量は、19.5mg/ml(ビーズ)であった。 参考例2 CGTaseの固定化(2) 参考例1と同様にして、蛋白質吸着量5mg/ml(ビーズ)
となるように、バチルス・ステロサーモフィリス(Baci
llus stearothermophilus)由来のCGTaseを固定化し
た。 参考例3 GAの固定化 天野製薬社製グルコザイムNL−3を透析した後、60〜65
mg/mlの蛋白質濃度にしたものをGA水溶液として用い
た。 富士紡績社製キトパールBCW−3010の1を2.5w/v%グ
ルタールアルデヒドを含む50mM酢酸緩衝液(pH5.0)3l
に室温で24時間浸漬処理した後、充分イオン交換水で洗
浄した。ついで、キトパール1ml当たり蛋白質100mg相当
のGA水溶液を加え、さらに水を加えて、全液量が3lにな
るようにした。このまま室温で24時間浸漬して、その後
イオン交換水で充分洗浄して固定化GAを得た。得られた
ビーズの蛋白質吸着量は、12.8mg/ml(ビーズ)であっ
た。 参考例4 固定化CGTaseの安定化(モラノリンの糖転移反応) モラノリン2.5w/v%、アミコールNo.6L〔日澱化学社
製〕25w/v%、pH未調整の水溶液100mlに、参考例1で得
た固定化CGTaseを10ml加え、55℃で回転振盪を続けた。
一定時間経過後にグラスフィルターでビーズ(固定化CG
Tase)を濾過し充分水洗した後、次のようにして固定化
CGTaseの酵素活性を測定した。 (固定化CGTaseの酵素活性測定法) モラノリン2.5w/v%、アミコールNo.6L25w/v%、pH未調
整の水溶液10mlにビーズ(55℃で一定時間経過後の洗浄
固定化CGTase)1mlを加え、55℃で24時間反応させた。
反応液3mlを強酸性イオン交換樹脂ダウエックス50W×2
(H+)7mlに通過させ、充分水洗後、0.5Nアンモニア水
で溶出し、溶出液を減圧下に濃縮乾固して、3mlの水に
溶かし、その10μlを高速液体クロマトグラフィーに注
入して分析し、未反応のモラノリンの濃度を求めた。高
速液体クロマトグラフィーの分析条件は、カラム(Nucl
eosil NH2、5μm、4mm i.d.×25cm)、展開溶媒(ア
セトニトリル−水=70:30)、検出器(日立655A−30,RI
検出器)、データプロセッサー(日立 D−2000)。 55℃で回転振盪を開始した時点の反応進行率を100とし
た場合の一定時間経過後の相対的な反応進行率を上記式
により算出し、この値をもって酵素活性保持率とした。
結果を表1に示す。固定化CGTaseが本発明に係るモラノ
リンによって酵素活性が安定化された事実が明白であ
る。 参考例5 固定化CGTaseの安定化(N−メチルモラノリンの糖転移
連続反応) 直径1cmのジャケット付きカラムに参考例1で得た固定
化CGTaseの20mlを充填し、N−メチルモラノリン、1.5w
/v%、可溶性澱粉9w/v%、pH未調整の溶液を160ml/日の
通過速度で55℃で連続的に通過反応させ、経時的に通過
液の反応進行率を求めた。反応進行率、活性保持率は参
考例4と同様にして求めた。その結果、140日を経過し
ても、ほぼ100%の活性を保持していることが判った。 参考例6 固定化CGTaseの安定化(モラノリン、モラノリンのグル
コースオリゴマー) 参考例2で得た固定化CGTaseの1mlにモラノリン(2.5w/
v%)、モラノリンのグルコースオリゴマー(混合物)
(5.0w/v%)を加え、全容10mlで55℃で振盪した。モラ
ノリンのグルコースオリゴマーは、実施例7で得た糖転
移反応液を強酸性イオン交換樹脂ダウエックス50W×2
(H+)で処理し、充分水洗した後、0.5Nアンモニア水で
溶出後、溶出後を濃縮乾固した塩基製フラクションであ
る。 調整時の酵素活性を100としたときの残存酵素活性保持
率(%)を表2に示した。酵素活性の測定方法等はすべ
て参考例4と同様にした。 モラノリン、モラノリンのグルコースオリゴマーにCGTa
seの活性を保持する作用があることが明白である。 参考例7 固定化酵素CGTaseの安定化(N−置換モラノリン、N−
置換グルコシルモラノリン) 参考例1で得た固定化CGTase1mlに、N−置換モラノリ
ン(0.5w/v%)、N−置換グルコシルモラノリン(0.5w
/v%)を加え、全容10mlで55℃で14日間振盪した後、残
存酵素活性を測定した。最初の酵素活性を100としたと
きの残存酵素活性率を表3に示した。酵素活性の測定方
法は参考例4と同じである。 本発明化合物が、良好なる安定化作用を示していること
は明白である。 参考例8 固定化GAの安定化(モラノリンの糖転移反応液) 実施例7の方法によって製造した未反応のモラノリン、
未反応のアミコールNo.6L、オリゴグリコシルモラノリ
ンを含む反応液を、硫酸を用いてpH5.2に調整した水溶
液を、参考例3で得た固定GA20mlを充填した直径1cmの
ジャケット付カラムに480ml/日の通過速度で、50℃で連
続的に通過反応させた。一定時間反応させた後、カラム
内の固定化GAをとり、次の方法で酵素活性を測定し、反
応開始時の酵素活性を100%としたときの活性保持率
(安定性)を求めた。結果を表4に示した。(固定化GA
の活性測定法) 固定化GAの一定量(湿重量30〜80mg)を、G−2のグラ
スフィルター上にとり、軽く吸引して水分を濾過した
後、グラスフィルター上の固定化GAをレンズペーパー上
に乗せて過剰の水分を除去した後、栓つきサンプル瓶に
入れ、固定化GAの湿重量を求めた。次に、固定化GAを10
mlの5%マルトース溶液(0.05M酢酸緩衝液、pH4.6)に
加え、37℃で20分間インキュベートした。反応液の100
μlを0.05Nの水酸化ナトリウム中に加え、反応を停止
させた。 この反応停止液の10μlを用いてグルコースを定量し
た。グルコースの定量は、ダイヤカラーGC(小野薬品社
製)を用いて行った。 活性は次のように定義した。1分間に1μMのグルコー
スを生成させる酵素活性を1ユニットとした。ブランク
には反応液のかわりに基質と等容に混合した0.05N水酸
化ナトリウムを用いた。 このとき、固定化GAの活性は、5.56×ODSA/ODSTD/固
定化GAの湿重量。ここでODSAは、サンプル(固定化GA)
の500nmの吸光度、ODSTDは、1mg/mlのグルコース水溶液
の500nmの吸光度を意味する。表4で活性保持率の値が
変動しているが、これは測定誤差である。本発明化合物
の固定化GAに対する安定化作用が明白である。 参考例9 固定化GAの安定化(モラノリンの糖転移反応液) 参考例8と同様にして40℃で実験した。結果を表5に示
した。 参考例10 GA(水溶液)での安定化(モラノリン、N−メチルモラ
ノリン) モラノリン、N−メチルモラノリンは、グルコアミラー
ゼの酵素活性を阻害するので溶液状グルコアミラーゼに
対する安定化効果は次のようにして検討した。酵素は生
化学工業社製のリゾプス・ニベウス(Rhizopus niveu
s)由来の試薬グルコアミラーゼを用いた。 酵素5mgを1mlの0.1M酢酸緩衝液(pH5.0)に溶解したも
のに、モラノリン、N−メチルモラノリンを6000μg/ml
となるように溶解させ、ネジ口試験管に入れて50℃にて
インキュベートした。それぞれの酵素液は、測定時に0.
1M酢酸緩衝液(pH5.0)で100倍に希釈してその100μl
をとり、5%マルトース液(0.05M酢酸緩衝液、pH4.6)
400μlを加えて40℃で20分間反応させる。その反応液
の100μlをとり、0.05Nの水酸化ナトリウム100μlを
加えて反応を停止させる。この中から更に100μlをと
り、3.0mlのグルコース測定試薬ダイヤカラーGCを加え
て、37℃で30分間静置し発色させ、その後氷冷し、500n
mで吸光度を測定しグルコース量を測定した。このグル
コース産生量を阻害剤共存下での酵素活性とした。初め
の酵素活性(グルコース産生量)を100としたときの相
対的な酵素活性を求めた。結果を図1に示した。本発明
化合物の酵素安定化作用が明白である。 実施例1 モラノリン産生菌の培養 澱粉2%、大豆粉1%、塩化カリウム0.05%、硫酸マグ
ネシウム0.05%、食塩0.2%、炭酸カルシウム0.35%(p
H7.2)の組成の培地200mlを、500ml容三角フラスコに取
り、常法通り滅菌後、これにストレプトミセス・ラベン
デュレ(Streptomyces lavendulae)SEN−158株(微工
研菌寄第4301号)の斜面培養から数白金耳胞子を接種
し、27℃で3日間200回転で振盪培養し、これを種培養
液とした。 澱粉8%、大豆粉3%、酵母エキス1.5%、塩化カリウ
ム0.05%、硫酸マグネシウム七含水塩0.05%、食塩0.1
%、炭酸カルシウム0.15%(pH7.2)の組成の培地250l
を420l容ジャーファーメンターに入れ、常法通り滅菌し
た後、種培養液2.4lを接種した。これを100回転/分、
通気量125l/分、27℃で10日間培養した。参考例4に記
載した方法と同様にして、培養液中のモラノリンを高速
液体クロマトグラフィーによって定量した結果、約3500
μg/mlのモラノリンが含まれていた。 実施例2 モラノリン含有培養液の部分精製(1) 実施例1の方法で得た培養液を、限外濾過膜(UF Modul
e;MU−6303−HG;クラレ社製)にかけ、通過液を更に逆
浸透膜(HR−5155 F1;ホローファイバー型;東洋紡社
製)にかけ、濃縮した非通過液を部分精製品とした。 実施例3 モラノリン含有培養液の部分精製(2) 実施例1の方法で得た培養液をプレスフィルターで濾過
した培養濾液を強酸性イオン交換樹脂ダイヤイオンSK−
104(H+)70lのカラムにかけ、充分水洗後、1Nアンモニ
ア水で溶出した。 溶出液を減圧下に濃縮した後、強塩基性イオン交換樹脂
ダイヤイオンSA−11A(OH-)35lのカラムにかけ、水で
溶出した。溶出液を減圧下に濃縮し、部分精製品とし
た。 実施例4 モラノリン含有培養液のN−メチル化 実施例1で得た培養液1000mlに、ハイフロースーパーセ
ル100gに加えて濾過し、培養濾液850mlを得た。これに
ホルマリン30ml、市販工業用ラネーニッケル触媒約15ml
を加えて、常温常圧で接触還元した。 反応終了後、触媒を濾別し、濾液を強酸性イオン交換樹
脂ダウエックス50W×2(H+)500mlのカラムにかけ、充
分水洗後、1Nアンモニア水で溶出した。溶出液を減圧下
に濃縮しアンモニアを除去した。このようにして次反応
に用いることができるN−メチルモラノリンを含む培養
液の部分精製品を得た。 実施例5 モラノリン含有培養液のN−(n−ブチル)化(1) 実施例1で得た培養液200mlにハイフロースーパーセル1
00gを加えて濾過し、培養濾液1800mlを得た。これを減
圧下に濃縮乾固した後、N,N−ジメチルホルムアミド200
mlを加え、攪拌後、濾過した。更に100mlのN,N−ジメチ
ルホルムアミドで洗浄した。濾液と洗液を合わせ、これ
に臭化n−ブチル16.1g、炭酸カリウム21.8gを加えて11
0℃で7時間反応させた。 反応後、濾過して減圧下に溶媒を除去して、次反応に用
いることができるN−(n−ブチル)化された培養液の
部分精製品を得た。 実施例6 モラノリン含有培養液のN−(n−ブチル)化(2) 実施例1で得た培養濾液1000mlを実施例3の方法で処理
した部分精製品を減圧下に濃縮乾固した。これにメタノ
ール50mlを加え氷冷下で攪拌した。n−ブチルアルデヒ
ド20.5ml、5%塩酸メタノール溶液12.0ml、水素化シア
ノホウ素ナトリウム2.5gを加え、30分攪拌後、室温で16
時間反応させた。 減圧下に溶媒を留去し、水25mlに溶解し、15mlのクロロ
ホルムで3回分配した。水層を強酸性イオン交換樹脂ダ
イヤイオンSK−104(H+)100mlのカラムにかけ、充分水
洗後、0.5Nアンモニア水で溶出した。溶出液を減圧下に
濃縮して次反応に用いることができるN−(n−ブチ
ル)化された培養液の部分精製品を得た。 実施例7 モラノリン含有培養液の部分精製品(1)の糖転移反応 実施例1と同様の方法で培養した培養液(2000l)を、
実施例2と同様の方法で処理した部分精製品(150l;モ
ラノリン約7kg含有)を420l容ジャーファーメンターと5
0l容カラムを連結した反応装置のジャーファーメンター
に加えた。 更にアミコールNo.6L 70kgを加え加熱溶解した。6N水酸
化ナトリウムでpHを9.0に調整した後、水を加えて全容
を280lとした。参考例1の方法で製造した固定化CGTase
30lをカラムに充填し、3l/分の流速で循環させながら55
℃で48時間反応させてモラノリンの糖転移反応液を得
た。 実施例8 モラノリン含有培養液の部分精製品(2)の糖転移反応 実施例1と同様の方法で培養した培養液(2000l)を実
施例3と同様の方法で処理した部分精製品(100l;モラ
ノリン約7kg含有)を420l容ジャーファーメンターと50l
容カラムを連結した反応装置のジャーファーメンターに
加えた。 更にアミコールNo.6L 70kgを加え加熱溶解した。pH未調
整のまま水を加えて全容を300lにした。参考例1の方法
で製造した固定化CGTase30lをカラムに充填し、3l/分の
流速で循環させながら55℃で72時間反応させてモラノリ
ンの糖転移反応液を得た。 実施例9 N−メチルモラノリン含有培養液の糖転移反応 実施例4の方法で製造したN−メチルモラノリン含有培
養液(50ml;N−メチルモラノリン約3g含有)に、可溶性
澱粉12gを加温溶解した後、水を加えて全容を100mlとし
た。参考例1の方法で製造した固定化CGTase10mlを加
え、55℃で48時間反応後、グラスフィルターで濾過して
N−メチルモラノリンの糖転移反応液を得た。 実施例10 N−(n−ブチル)モラノリン含有培養液の糖転移反応
(1) 実施例5の方法で製造したN−(n−ブチル)モラノリ
ンを含む培養液の部分精製品の一部〔18.3g;このうち約
4.0gがN−(n−ブチル)モラノリンである〕を、水10
0mlに溶解し、アミコールNo.6L30gを加温溶解し、水を
加えて全容を200mlとした。 参考例2の方法で製造した固定化CGTase10mlを加え、55
℃で48時間反応後、グラスフィルターで濾過してN−
(n−ブチル)モラノリンの糖転移反応液を得た。 実施例11 N−(n−ブチル)モラノリン含有培養液の糖転移反応
(2) 実施例6の方法で製造じたN−(n−ブチル)モラノリ
ンを含む培養液の部分精製品の一部〔10.0g;このうち約
8.0gがN−(n−ブチル)モラノリンである〕を水80ml
に溶解し、アミコールNo.6L 80gを加温溶解し、水を加
えて全容を160mlとした。 参考例1の方法で製造した固定化CGTase20mlを加え、55
℃で48時間反応後、グラスフィルターで濾過してN−
(n−ブチル)モラノリンの糖転移反応液を得た。 実施例12 実施例7に係るGA反応(モラノリン) 420l容ジャーファーメンターと50l容カラムを凍結した
反応装置において、50l容カラムには参考例3の方法で
製造した固定化GA 15lを充填し、ジャーファーメンタ
ーには実施例7の方法で製造したモラノリンの糖転移反
応液280l(モラノリン約7kgを反応した糖転移反応液)
を入れ、濃硫酸でpHを5.2に調整した後、3l/分の流速で
循環させながら50℃で19時間反応させた。 実施例13 実施例8に係るGA反応(モラノリン) 420l容ジャーファーメンターと50l容カラムを連結した
反応装置において、50l容カラムには参考例3の方法で
製造した固定化GA 15lを充填し、ジャーファーメンタ
ーには実施例8の方法で製造したモラノリンの糖転移反
応液300l(モラノリン約7kgを反応した糖転移反応液)
を入れ、濃硫酸でpHを5.2に調整した後、3l/分の流速で
循環させながら40℃で18時間反応させた。 実施例14 実施例9に係るGA反応(N−メチルモラノリン) 実施例9の方法で製造したN−メチルモラノリンの糖転
移反応液100ml(糖転移反応の前にてN−メチルモラノ
リンを約3g含有)を、濃硫酸でpHを5.2に調整した後、
参考例3の方法で製造した固定化GA 10mlを加えて50℃
で20時間反応させた。グラスフィルターで濾過して固定
化GAを除き、GA反応液を得た。 実施例15 実施例10に係るGA反応(N−(n−ブチル)モラノリ
ン) 実施例10の方法で製造したN−(n−ブチル)モラノリ
ンの糖転移反応液 200ml〔糖転移反応の前にてN−
(n−ブチル)モラノリンを約3g含有〕を、濃硫酸でpH
を5.2に調整した後、参考例3の方法で製造した固定化G
A 20mlを加えて50℃で20時間反応させた。グラスフィル
ターで濾過して固定化GAを除き、GA反応を得た。 実施例16 実施例11に係るGA反応(N−(n−ブチル)モラノリ
ン) 実施例11の方法で製造したN−(n−ブチル)モラノリ
ンの糖転移反応液160ml〔糖転移反応の前にてN−(n
−ブチル)モラノリンを約8g含有〕を、濃硫酸でpHを5.
2に調整した後、参考例3の方法で製造した固定化GA 20
mlを加えて50℃で20時間反応させた。グラスフィルター
で濾過して固定化GAを除き、GA反応液を得た。 実施例17 グルコシルモラノリンの精製(1) 実施例12の方法で製造したGA反応液280lを、脱色用樹脂
HS(北越炭素社製)のカラム(120l)に通過させて水洗
した。通過後と洗液を合わせ強酸性イオン交換樹脂ダイ
ヤイオンSK−104(H+)180lのカラムに通過させた。充
分水洗後、1Nアンモニア水で溶出した。溶出液を減圧下
に濃縮しながらアンモニアを除去した。濃縮液を強塩基
性イオン交換樹脂SA−11A(OH-)のカラム180lに通過さ
せて水で溶出した。溶出液を約18lまで濃縮し、攪拌し
ながらメタノール320lを加え、終夜攪拌した。生じた結
果を濾過して集め、乾燥して、グルコシルモラノリンの
メタノール付加物7.9kgを得た。 このものは、参考例4に記載したものと同じ条件で高速
液体クロマトグラフィーで分析した結果、約3%のモラ
ノリンを含んでいたが、その他の不純物は事実上認めな
かった。 実施例18 グルコシルモラノリンの精製(2) 実施例13の方法で製造したGA反応液300lを強酸性イオン
交換樹脂ダイヤイオンSK−104(H+)180lのカラムに通
過させた。充分水洗後、1Nアンモニア水で溶出した。溶
出液を減圧下に濃縮しながらアンモニアを除去した。濃
縮液を強塩基性イオン交換樹脂SA−11A(OH-)のカラム
50lに通過させて水で溶出した。溶出液を約20lまで濃縮
し、攪拌しながらメタノール350lを加え、終夜攪拌し
た。生じた結晶を濾過して集め、乾燥してグルコシルモ
ラノリンのメタノール付加物7.3kgを得た。 このものは、参考例4に記載したものと同じ条件で高速
液体クロマトグラフィーで分析した結果、約0.5%のモ
ラノリンを含んでいたが、その他の不純物は事実上認め
なかった。 実施例19 グルコシル−N−メチルモラノリンの精製 実施例14の方法で製造したGA反応液100mlを強酸性イオ
ン交換樹脂ダウエックス50×2(H+)のカラム100mlに
通過させた。充分水洗後、0.5Nアンモニア水で溶出し
た。溶出液を減圧下に濃縮しながらアンモニアを除去し
た。濃縮液を強塩基性イオン交換樹脂SA−11A(OH-)の
カラム100mlに通過させて水で溶出した。通過液と溶出
液とを合わせ減圧下に濃縮乾固し、メタノール50mlに溶
解した後、p−トルエンスルホン酸(−水和物)4.8gを
加え、室温で終夜放置した。生じた結晶を濾過して集
め、乾燥してグルコシル−N−メチルモラノリンのp−
トルエンスルホネート4.4gを得た。 このものは、その一部をとり塩基性フラクションとした
後、参考例4に記載したものと同じ条件で高速液体クロ
マトグラフィーで分析した結果、約0.5%のN−メチル
モラノリンを含んでいたが、その他の不純物は事実上認
めなかった。 実施例20 グルコシル−N−(n−ブチル)モラノリンの精製
(1) 実施例15の方法で製造したGA反応液200mlを強酸性イオ
ン交換樹脂ダウエックス50×2(H+)のカラム200mlに
通過させた。充分水洗後、0.5Nアンモニア水で溶出し
た。溶出液を減圧下に濃縮しながらアンモニアを除去し
た。濃縮液を強塩基性イオン交換樹脂SA−11A(OH-)の
カラム100mlに通過させて水で溶出した。通過液と溶出
液とを合わせ減圧下に濃縮乾固し、メタノール50mlに溶
解した後、P−トルエンスルホン酸(−水和物)5.2gを
加え、室温で終夜放置した。生じた結晶を濾過して集
め、乾燥してグルコシル−N−(n−ブチル)モラノリ
ンのp−トルエンスルホネート5.5gを得た。 このものは、その一部をとり塩基性フラクションとした
後、参考例4に記載したものと同じ条件で高速液体クロ
マトグラフィーで分析した結果、約1.5%のN−(n−
ブチル)モラノリンを含んでいたが、その他の不純物は
事実上認めなかった。 実施例21 グルコシル−N−(n−ブチル)モラノリンの精製
(2) 実施例16の方法で製造したGA反応液160mlを強酸性イオ
ン交換樹脂ダウエックス50×2(H+)のカラム200mlに
通過させた。充分水洗後、0.5Nアンモニア水で溶出し
た。溶出液を減圧下に濃縮しながらアンモニアを除去し
た。濃縮液を強塩基性イオン交換樹脂SA−11A(OH-)の
カラム100mlに通過させて水で溶出した。通過液と溶出
液とを合わせ減圧下に濃縮乾固し、メタノール50mlに溶
解した後、P−トルエンスルホン酸(−水和物)5.2gを
加え、室温で終夜放置した。生じた結晶を濾過して集
め、乾燥してグルコシル−N−(n−ブチル)モラノリ
ンのp−トルエンスルホネート10.0gを得た。 このものは、その一部をとり塩基性フラクションとした
後、参考例4に記載したものと同じ条件で高速液体クロ
マトグラフィーで分析した結果、約0.5%のN−(n−
ブチル)モラノリンを含んでいたが、その他の不純物は
事実上認めなかった。 実施例22 グルコシルモラノリン精製時の回収母液残渣を用いた糖
転移反応、GA反応及びモラノリンの精製 実施例17において、メタノールによる分別結晶をした母
液の溶媒(メタノール)を回収除去したときに得られた
残渣(実施例7及び実施例12と同様の反応をして実施例
17と同様の処理をした3ロット分の回収残渣)を原料と
して、実施例7、実施例12、及び実施例17と同様の操作
を実施した結果、9.0kgのグルコシルモラノリンのメタ
ノール付加物を得た。 実施例23 モラノリンの精製 実施例17の方法で精製したグルコシルモラノリンのメタ
ノール付加物1kgを、1Nの塩酸(5l)に溶解し、90℃で
3時間反応させた。反応液を弱塩基性イオン交換樹脂ダ
イヤイオンWA−20(OH-)10lのカラムにかけ、充分水洗
した。通過液と洗液を合わせ、強酸性イオン交換樹脂ダ
イヤイオンSK−104(H+)5lのカラムにかけ、充分水洗
した後、1Nアンモニア水で溶出した。溶出液を減圧下に
濃縮乾固して、モラノリン468gを得た。 本品は、結晶化しなくとも高純度であり、このままで充
分に合成原料として使用することができるものである。 実施例24 N−メチルモラノリンの精製 実施例19の方法で製造したグルコシル−N−メチルモラ
ノリンのp−トルエンスルホネート2gを、1N塩酸(10m
l)に溶解し、90℃で3時間反応させた。反応液を弱塩
基性イオン交換樹脂ダイヤイオンWA−20(OH-)100mlの
カラムにかけ、充分水洗した。通過液と洗液を合わせ、
強酸性イオン交換樹脂ダイヤイオンSK−104(H+)50ml
のカラムにかけ、充分水洗した後、0.5Nアンモニア水で
溶出した。溶出液を減圧下に濃縮乾固した後、エタノー
ルから再結晶して、N−メチルモラノリン590mgを得
た。 実施例25 N−(n−ブチル)モラノリンの精製(1) 実施例20の方法で製造したグルコシル−N−(n−ブチ
ル)モラノリンのp−トルエンスルホネート3gを、1N塩
酸(30ml)に溶解し、90℃で3時間反応させた。反応液
を弱塩基性イオン交換樹脂ダイヤイオンWA−20(OH-)2
00mlのカラムにかけ、充分水洗した。通過液と洗液を合
わせ、強酸性イオン交換樹脂ダウエックス50×2(H+)
100mlのカラムにかけ、充分水洗した後、0.5Nアンモニ
ア水で溶出した。溶出液を減圧下に濃縮乾固した後、エ
タノールから再結晶して、N−(n−ブチル)モラノリ
ン850mgを得た。 実施例26 N−(n−ブチル)モラノリンの精製(2) 実施例21の方法で製造したグルコシル−N−(n−ブチ
ル)モラノリンのp−トルエンスルホネート5gを水に溶
かし、1N塩酸でpHを5.2に調整した。全容を1000mlとし
た後、参考例3の方法で製造した固定化GA 50mlを加え
て50℃で24時間反応させた。グラスフィルターで濾過し
て固定化GAを除き、濾液を、弱塩基性イオン交換樹脂ダ
イヤイオンWA−20(OH-)100mlのカラムにかけ、充分水
洗した。通過液と洗液を合わせ、強酸性イオン交換樹脂
ダウエックス50×2(H+)100mlのカラムにかけ、充分
水洗した後、0.5Nアンモニア水で溶出した。溶出液を減
圧下に濃縮乾固した後、エタノールから再結晶して、N
−(n−ブチル)モラノリン1.6gを得た。
明を更に詳しく説明する。 参考例1 CGTaseの固定化(1) 10lの富士紡績社製キトパールBCW−3010を2.5w/v%グル
タールアルデヒドを含む0.1M酢酸緩衝液(pH6.0)40l
に、室温で24時間浸漬処理した後、充分にイオン交換水
で洗浄した。ついでキトパール1ml当たり蛋白質20mg相
当のCGTase(林原生物化学研究所社製。バチルス・ステ
ロサーモフィリス(Bacillus stearothermophilus)由
来〕を加えて、さらに酢酸緩衝液(pH6.0)を最終濃度
が0.025Mになるように加えて、全液量が30lになるよう
にした。このまま室温で24時間浸漬してその後イオン交
換水で充分洗浄して、固定化CGTaseを得た。得られたビ
ーズの蛋白吸着量は、19.5mg/ml(ビーズ)であった。 参考例2 CGTaseの固定化(2) 参考例1と同様にして、蛋白質吸着量5mg/ml(ビーズ)
となるように、バチルス・ステロサーモフィリス(Baci
llus stearothermophilus)由来のCGTaseを固定化し
た。 参考例3 GAの固定化 天野製薬社製グルコザイムNL−3を透析した後、60〜65
mg/mlの蛋白質濃度にしたものをGA水溶液として用い
た。 富士紡績社製キトパールBCW−3010の1を2.5w/v%グ
ルタールアルデヒドを含む50mM酢酸緩衝液(pH5.0)3l
に室温で24時間浸漬処理した後、充分イオン交換水で洗
浄した。ついで、キトパール1ml当たり蛋白質100mg相当
のGA水溶液を加え、さらに水を加えて、全液量が3lにな
るようにした。このまま室温で24時間浸漬して、その後
イオン交換水で充分洗浄して固定化GAを得た。得られた
ビーズの蛋白質吸着量は、12.8mg/ml(ビーズ)であっ
た。 参考例4 固定化CGTaseの安定化(モラノリンの糖転移反応) モラノリン2.5w/v%、アミコールNo.6L〔日澱化学社
製〕25w/v%、pH未調整の水溶液100mlに、参考例1で得
た固定化CGTaseを10ml加え、55℃で回転振盪を続けた。
一定時間経過後にグラスフィルターでビーズ(固定化CG
Tase)を濾過し充分水洗した後、次のようにして固定化
CGTaseの酵素活性を測定した。 (固定化CGTaseの酵素活性測定法) モラノリン2.5w/v%、アミコールNo.6L25w/v%、pH未調
整の水溶液10mlにビーズ(55℃で一定時間経過後の洗浄
固定化CGTase)1mlを加え、55℃で24時間反応させた。
反応液3mlを強酸性イオン交換樹脂ダウエックス50W×2
(H+)7mlに通過させ、充分水洗後、0.5Nアンモニア水
で溶出し、溶出液を減圧下に濃縮乾固して、3mlの水に
溶かし、その10μlを高速液体クロマトグラフィーに注
入して分析し、未反応のモラノリンの濃度を求めた。高
速液体クロマトグラフィーの分析条件は、カラム(Nucl
eosil NH2、5μm、4mm i.d.×25cm)、展開溶媒(ア
セトニトリル−水=70:30)、検出器(日立655A−30,RI
検出器)、データプロセッサー(日立 D−2000)。 55℃で回転振盪を開始した時点の反応進行率を100とし
た場合の一定時間経過後の相対的な反応進行率を上記式
により算出し、この値をもって酵素活性保持率とした。
結果を表1に示す。固定化CGTaseが本発明に係るモラノ
リンによって酵素活性が安定化された事実が明白であ
る。 参考例5 固定化CGTaseの安定化(N−メチルモラノリンの糖転移
連続反応) 直径1cmのジャケット付きカラムに参考例1で得た固定
化CGTaseの20mlを充填し、N−メチルモラノリン、1.5w
/v%、可溶性澱粉9w/v%、pH未調整の溶液を160ml/日の
通過速度で55℃で連続的に通過反応させ、経時的に通過
液の反応進行率を求めた。反応進行率、活性保持率は参
考例4と同様にして求めた。その結果、140日を経過し
ても、ほぼ100%の活性を保持していることが判った。 参考例6 固定化CGTaseの安定化(モラノリン、モラノリンのグル
コースオリゴマー) 参考例2で得た固定化CGTaseの1mlにモラノリン(2.5w/
v%)、モラノリンのグルコースオリゴマー(混合物)
(5.0w/v%)を加え、全容10mlで55℃で振盪した。モラ
ノリンのグルコースオリゴマーは、実施例7で得た糖転
移反応液を強酸性イオン交換樹脂ダウエックス50W×2
(H+)で処理し、充分水洗した後、0.5Nアンモニア水で
溶出後、溶出後を濃縮乾固した塩基製フラクションであ
る。 調整時の酵素活性を100としたときの残存酵素活性保持
率(%)を表2に示した。酵素活性の測定方法等はすべ
て参考例4と同様にした。 モラノリン、モラノリンのグルコースオリゴマーにCGTa
seの活性を保持する作用があることが明白である。 参考例7 固定化酵素CGTaseの安定化(N−置換モラノリン、N−
置換グルコシルモラノリン) 参考例1で得た固定化CGTase1mlに、N−置換モラノリ
ン(0.5w/v%)、N−置換グルコシルモラノリン(0.5w
/v%)を加え、全容10mlで55℃で14日間振盪した後、残
存酵素活性を測定した。最初の酵素活性を100としたと
きの残存酵素活性率を表3に示した。酵素活性の測定方
法は参考例4と同じである。 本発明化合物が、良好なる安定化作用を示していること
は明白である。 参考例8 固定化GAの安定化(モラノリンの糖転移反応液) 実施例7の方法によって製造した未反応のモラノリン、
未反応のアミコールNo.6L、オリゴグリコシルモラノリ
ンを含む反応液を、硫酸を用いてpH5.2に調整した水溶
液を、参考例3で得た固定GA20mlを充填した直径1cmの
ジャケット付カラムに480ml/日の通過速度で、50℃で連
続的に通過反応させた。一定時間反応させた後、カラム
内の固定化GAをとり、次の方法で酵素活性を測定し、反
応開始時の酵素活性を100%としたときの活性保持率
(安定性)を求めた。結果を表4に示した。(固定化GA
の活性測定法) 固定化GAの一定量(湿重量30〜80mg)を、G−2のグラ
スフィルター上にとり、軽く吸引して水分を濾過した
後、グラスフィルター上の固定化GAをレンズペーパー上
に乗せて過剰の水分を除去した後、栓つきサンプル瓶に
入れ、固定化GAの湿重量を求めた。次に、固定化GAを10
mlの5%マルトース溶液(0.05M酢酸緩衝液、pH4.6)に
加え、37℃で20分間インキュベートした。反応液の100
μlを0.05Nの水酸化ナトリウム中に加え、反応を停止
させた。 この反応停止液の10μlを用いてグルコースを定量し
た。グルコースの定量は、ダイヤカラーGC(小野薬品社
製)を用いて行った。 活性は次のように定義した。1分間に1μMのグルコー
スを生成させる酵素活性を1ユニットとした。ブランク
には反応液のかわりに基質と等容に混合した0.05N水酸
化ナトリウムを用いた。 このとき、固定化GAの活性は、5.56×ODSA/ODSTD/固
定化GAの湿重量。ここでODSAは、サンプル(固定化GA)
の500nmの吸光度、ODSTDは、1mg/mlのグルコース水溶液
の500nmの吸光度を意味する。表4で活性保持率の値が
変動しているが、これは測定誤差である。本発明化合物
の固定化GAに対する安定化作用が明白である。 参考例9 固定化GAの安定化(モラノリンの糖転移反応液) 参考例8と同様にして40℃で実験した。結果を表5に示
した。 参考例10 GA(水溶液)での安定化(モラノリン、N−メチルモラ
ノリン) モラノリン、N−メチルモラノリンは、グルコアミラー
ゼの酵素活性を阻害するので溶液状グルコアミラーゼに
対する安定化効果は次のようにして検討した。酵素は生
化学工業社製のリゾプス・ニベウス(Rhizopus niveu
s)由来の試薬グルコアミラーゼを用いた。 酵素5mgを1mlの0.1M酢酸緩衝液(pH5.0)に溶解したも
のに、モラノリン、N−メチルモラノリンを6000μg/ml
となるように溶解させ、ネジ口試験管に入れて50℃にて
インキュベートした。それぞれの酵素液は、測定時に0.
1M酢酸緩衝液(pH5.0)で100倍に希釈してその100μl
をとり、5%マルトース液(0.05M酢酸緩衝液、pH4.6)
400μlを加えて40℃で20分間反応させる。その反応液
の100μlをとり、0.05Nの水酸化ナトリウム100μlを
加えて反応を停止させる。この中から更に100μlをと
り、3.0mlのグルコース測定試薬ダイヤカラーGCを加え
て、37℃で30分間静置し発色させ、その後氷冷し、500n
mで吸光度を測定しグルコース量を測定した。このグル
コース産生量を阻害剤共存下での酵素活性とした。初め
の酵素活性(グルコース産生量)を100としたときの相
対的な酵素活性を求めた。結果を図1に示した。本発明
化合物の酵素安定化作用が明白である。 実施例1 モラノリン産生菌の培養 澱粉2%、大豆粉1%、塩化カリウム0.05%、硫酸マグ
ネシウム0.05%、食塩0.2%、炭酸カルシウム0.35%(p
H7.2)の組成の培地200mlを、500ml容三角フラスコに取
り、常法通り滅菌後、これにストレプトミセス・ラベン
デュレ(Streptomyces lavendulae)SEN−158株(微工
研菌寄第4301号)の斜面培養から数白金耳胞子を接種
し、27℃で3日間200回転で振盪培養し、これを種培養
液とした。 澱粉8%、大豆粉3%、酵母エキス1.5%、塩化カリウ
ム0.05%、硫酸マグネシウム七含水塩0.05%、食塩0.1
%、炭酸カルシウム0.15%(pH7.2)の組成の培地250l
を420l容ジャーファーメンターに入れ、常法通り滅菌し
た後、種培養液2.4lを接種した。これを100回転/分、
通気量125l/分、27℃で10日間培養した。参考例4に記
載した方法と同様にして、培養液中のモラノリンを高速
液体クロマトグラフィーによって定量した結果、約3500
μg/mlのモラノリンが含まれていた。 実施例2 モラノリン含有培養液の部分精製(1) 実施例1の方法で得た培養液を、限外濾過膜(UF Modul
e;MU−6303−HG;クラレ社製)にかけ、通過液を更に逆
浸透膜(HR−5155 F1;ホローファイバー型;東洋紡社
製)にかけ、濃縮した非通過液を部分精製品とした。 実施例3 モラノリン含有培養液の部分精製(2) 実施例1の方法で得た培養液をプレスフィルターで濾過
した培養濾液を強酸性イオン交換樹脂ダイヤイオンSK−
104(H+)70lのカラムにかけ、充分水洗後、1Nアンモニ
ア水で溶出した。 溶出液を減圧下に濃縮した後、強塩基性イオン交換樹脂
ダイヤイオンSA−11A(OH-)35lのカラムにかけ、水で
溶出した。溶出液を減圧下に濃縮し、部分精製品とし
た。 実施例4 モラノリン含有培養液のN−メチル化 実施例1で得た培養液1000mlに、ハイフロースーパーセ
ル100gに加えて濾過し、培養濾液850mlを得た。これに
ホルマリン30ml、市販工業用ラネーニッケル触媒約15ml
を加えて、常温常圧で接触還元した。 反応終了後、触媒を濾別し、濾液を強酸性イオン交換樹
脂ダウエックス50W×2(H+)500mlのカラムにかけ、充
分水洗後、1Nアンモニア水で溶出した。溶出液を減圧下
に濃縮しアンモニアを除去した。このようにして次反応
に用いることができるN−メチルモラノリンを含む培養
液の部分精製品を得た。 実施例5 モラノリン含有培養液のN−(n−ブチル)化(1) 実施例1で得た培養液200mlにハイフロースーパーセル1
00gを加えて濾過し、培養濾液1800mlを得た。これを減
圧下に濃縮乾固した後、N,N−ジメチルホルムアミド200
mlを加え、攪拌後、濾過した。更に100mlのN,N−ジメチ
ルホルムアミドで洗浄した。濾液と洗液を合わせ、これ
に臭化n−ブチル16.1g、炭酸カリウム21.8gを加えて11
0℃で7時間反応させた。 反応後、濾過して減圧下に溶媒を除去して、次反応に用
いることができるN−(n−ブチル)化された培養液の
部分精製品を得た。 実施例6 モラノリン含有培養液のN−(n−ブチル)化(2) 実施例1で得た培養濾液1000mlを実施例3の方法で処理
した部分精製品を減圧下に濃縮乾固した。これにメタノ
ール50mlを加え氷冷下で攪拌した。n−ブチルアルデヒ
ド20.5ml、5%塩酸メタノール溶液12.0ml、水素化シア
ノホウ素ナトリウム2.5gを加え、30分攪拌後、室温で16
時間反応させた。 減圧下に溶媒を留去し、水25mlに溶解し、15mlのクロロ
ホルムで3回分配した。水層を強酸性イオン交換樹脂ダ
イヤイオンSK−104(H+)100mlのカラムにかけ、充分水
洗後、0.5Nアンモニア水で溶出した。溶出液を減圧下に
濃縮して次反応に用いることができるN−(n−ブチ
ル)化された培養液の部分精製品を得た。 実施例7 モラノリン含有培養液の部分精製品(1)の糖転移反応 実施例1と同様の方法で培養した培養液(2000l)を、
実施例2と同様の方法で処理した部分精製品(150l;モ
ラノリン約7kg含有)を420l容ジャーファーメンターと5
0l容カラムを連結した反応装置のジャーファーメンター
に加えた。 更にアミコールNo.6L 70kgを加え加熱溶解した。6N水酸
化ナトリウムでpHを9.0に調整した後、水を加えて全容
を280lとした。参考例1の方法で製造した固定化CGTase
30lをカラムに充填し、3l/分の流速で循環させながら55
℃で48時間反応させてモラノリンの糖転移反応液を得
た。 実施例8 モラノリン含有培養液の部分精製品(2)の糖転移反応 実施例1と同様の方法で培養した培養液(2000l)を実
施例3と同様の方法で処理した部分精製品(100l;モラ
ノリン約7kg含有)を420l容ジャーファーメンターと50l
容カラムを連結した反応装置のジャーファーメンターに
加えた。 更にアミコールNo.6L 70kgを加え加熱溶解した。pH未調
整のまま水を加えて全容を300lにした。参考例1の方法
で製造した固定化CGTase30lをカラムに充填し、3l/分の
流速で循環させながら55℃で72時間反応させてモラノリ
ンの糖転移反応液を得た。 実施例9 N−メチルモラノリン含有培養液の糖転移反応 実施例4の方法で製造したN−メチルモラノリン含有培
養液(50ml;N−メチルモラノリン約3g含有)に、可溶性
澱粉12gを加温溶解した後、水を加えて全容を100mlとし
た。参考例1の方法で製造した固定化CGTase10mlを加
え、55℃で48時間反応後、グラスフィルターで濾過して
N−メチルモラノリンの糖転移反応液を得た。 実施例10 N−(n−ブチル)モラノリン含有培養液の糖転移反応
(1) 実施例5の方法で製造したN−(n−ブチル)モラノリ
ンを含む培養液の部分精製品の一部〔18.3g;このうち約
4.0gがN−(n−ブチル)モラノリンである〕を、水10
0mlに溶解し、アミコールNo.6L30gを加温溶解し、水を
加えて全容を200mlとした。 参考例2の方法で製造した固定化CGTase10mlを加え、55
℃で48時間反応後、グラスフィルターで濾過してN−
(n−ブチル)モラノリンの糖転移反応液を得た。 実施例11 N−(n−ブチル)モラノリン含有培養液の糖転移反応
(2) 実施例6の方法で製造じたN−(n−ブチル)モラノリ
ンを含む培養液の部分精製品の一部〔10.0g;このうち約
8.0gがN−(n−ブチル)モラノリンである〕を水80ml
に溶解し、アミコールNo.6L 80gを加温溶解し、水を加
えて全容を160mlとした。 参考例1の方法で製造した固定化CGTase20mlを加え、55
℃で48時間反応後、グラスフィルターで濾過してN−
(n−ブチル)モラノリンの糖転移反応液を得た。 実施例12 実施例7に係るGA反応(モラノリン) 420l容ジャーファーメンターと50l容カラムを凍結した
反応装置において、50l容カラムには参考例3の方法で
製造した固定化GA 15lを充填し、ジャーファーメンタ
ーには実施例7の方法で製造したモラノリンの糖転移反
応液280l(モラノリン約7kgを反応した糖転移反応液)
を入れ、濃硫酸でpHを5.2に調整した後、3l/分の流速で
循環させながら50℃で19時間反応させた。 実施例13 実施例8に係るGA反応(モラノリン) 420l容ジャーファーメンターと50l容カラムを連結した
反応装置において、50l容カラムには参考例3の方法で
製造した固定化GA 15lを充填し、ジャーファーメンタ
ーには実施例8の方法で製造したモラノリンの糖転移反
応液300l(モラノリン約7kgを反応した糖転移反応液)
を入れ、濃硫酸でpHを5.2に調整した後、3l/分の流速で
循環させながら40℃で18時間反応させた。 実施例14 実施例9に係るGA反応(N−メチルモラノリン) 実施例9の方法で製造したN−メチルモラノリンの糖転
移反応液100ml(糖転移反応の前にてN−メチルモラノ
リンを約3g含有)を、濃硫酸でpHを5.2に調整した後、
参考例3の方法で製造した固定化GA 10mlを加えて50℃
で20時間反応させた。グラスフィルターで濾過して固定
化GAを除き、GA反応液を得た。 実施例15 実施例10に係るGA反応(N−(n−ブチル)モラノリ
ン) 実施例10の方法で製造したN−(n−ブチル)モラノリ
ンの糖転移反応液 200ml〔糖転移反応の前にてN−
(n−ブチル)モラノリンを約3g含有〕を、濃硫酸でpH
を5.2に調整した後、参考例3の方法で製造した固定化G
A 20mlを加えて50℃で20時間反応させた。グラスフィル
ターで濾過して固定化GAを除き、GA反応を得た。 実施例16 実施例11に係るGA反応(N−(n−ブチル)モラノリ
ン) 実施例11の方法で製造したN−(n−ブチル)モラノリ
ンの糖転移反応液160ml〔糖転移反応の前にてN−(n
−ブチル)モラノリンを約8g含有〕を、濃硫酸でpHを5.
2に調整した後、参考例3の方法で製造した固定化GA 20
mlを加えて50℃で20時間反応させた。グラスフィルター
で濾過して固定化GAを除き、GA反応液を得た。 実施例17 グルコシルモラノリンの精製(1) 実施例12の方法で製造したGA反応液280lを、脱色用樹脂
HS(北越炭素社製)のカラム(120l)に通過させて水洗
した。通過後と洗液を合わせ強酸性イオン交換樹脂ダイ
ヤイオンSK−104(H+)180lのカラムに通過させた。充
分水洗後、1Nアンモニア水で溶出した。溶出液を減圧下
に濃縮しながらアンモニアを除去した。濃縮液を強塩基
性イオン交換樹脂SA−11A(OH-)のカラム180lに通過さ
せて水で溶出した。溶出液を約18lまで濃縮し、攪拌し
ながらメタノール320lを加え、終夜攪拌した。生じた結
果を濾過して集め、乾燥して、グルコシルモラノリンの
メタノール付加物7.9kgを得た。 このものは、参考例4に記載したものと同じ条件で高速
液体クロマトグラフィーで分析した結果、約3%のモラ
ノリンを含んでいたが、その他の不純物は事実上認めな
かった。 実施例18 グルコシルモラノリンの精製(2) 実施例13の方法で製造したGA反応液300lを強酸性イオン
交換樹脂ダイヤイオンSK−104(H+)180lのカラムに通
過させた。充分水洗後、1Nアンモニア水で溶出した。溶
出液を減圧下に濃縮しながらアンモニアを除去した。濃
縮液を強塩基性イオン交換樹脂SA−11A(OH-)のカラム
50lに通過させて水で溶出した。溶出液を約20lまで濃縮
し、攪拌しながらメタノール350lを加え、終夜攪拌し
た。生じた結晶を濾過して集め、乾燥してグルコシルモ
ラノリンのメタノール付加物7.3kgを得た。 このものは、参考例4に記載したものと同じ条件で高速
液体クロマトグラフィーで分析した結果、約0.5%のモ
ラノリンを含んでいたが、その他の不純物は事実上認め
なかった。 実施例19 グルコシル−N−メチルモラノリンの精製 実施例14の方法で製造したGA反応液100mlを強酸性イオ
ン交換樹脂ダウエックス50×2(H+)のカラム100mlに
通過させた。充分水洗後、0.5Nアンモニア水で溶出し
た。溶出液を減圧下に濃縮しながらアンモニアを除去し
た。濃縮液を強塩基性イオン交換樹脂SA−11A(OH-)の
カラム100mlに通過させて水で溶出した。通過液と溶出
液とを合わせ減圧下に濃縮乾固し、メタノール50mlに溶
解した後、p−トルエンスルホン酸(−水和物)4.8gを
加え、室温で終夜放置した。生じた結晶を濾過して集
め、乾燥してグルコシル−N−メチルモラノリンのp−
トルエンスルホネート4.4gを得た。 このものは、その一部をとり塩基性フラクションとした
後、参考例4に記載したものと同じ条件で高速液体クロ
マトグラフィーで分析した結果、約0.5%のN−メチル
モラノリンを含んでいたが、その他の不純物は事実上認
めなかった。 実施例20 グルコシル−N−(n−ブチル)モラノリンの精製
(1) 実施例15の方法で製造したGA反応液200mlを強酸性イオ
ン交換樹脂ダウエックス50×2(H+)のカラム200mlに
通過させた。充分水洗後、0.5Nアンモニア水で溶出し
た。溶出液を減圧下に濃縮しながらアンモニアを除去し
た。濃縮液を強塩基性イオン交換樹脂SA−11A(OH-)の
カラム100mlに通過させて水で溶出した。通過液と溶出
液とを合わせ減圧下に濃縮乾固し、メタノール50mlに溶
解した後、P−トルエンスルホン酸(−水和物)5.2gを
加え、室温で終夜放置した。生じた結晶を濾過して集
め、乾燥してグルコシル−N−(n−ブチル)モラノリ
ンのp−トルエンスルホネート5.5gを得た。 このものは、その一部をとり塩基性フラクションとした
後、参考例4に記載したものと同じ条件で高速液体クロ
マトグラフィーで分析した結果、約1.5%のN−(n−
ブチル)モラノリンを含んでいたが、その他の不純物は
事実上認めなかった。 実施例21 グルコシル−N−(n−ブチル)モラノリンの精製
(2) 実施例16の方法で製造したGA反応液160mlを強酸性イオ
ン交換樹脂ダウエックス50×2(H+)のカラム200mlに
通過させた。充分水洗後、0.5Nアンモニア水で溶出し
た。溶出液を減圧下に濃縮しながらアンモニアを除去し
た。濃縮液を強塩基性イオン交換樹脂SA−11A(OH-)の
カラム100mlに通過させて水で溶出した。通過液と溶出
液とを合わせ減圧下に濃縮乾固し、メタノール50mlに溶
解した後、P−トルエンスルホン酸(−水和物)5.2gを
加え、室温で終夜放置した。生じた結晶を濾過して集
め、乾燥してグルコシル−N−(n−ブチル)モラノリ
ンのp−トルエンスルホネート10.0gを得た。 このものは、その一部をとり塩基性フラクションとした
後、参考例4に記載したものと同じ条件で高速液体クロ
マトグラフィーで分析した結果、約0.5%のN−(n−
ブチル)モラノリンを含んでいたが、その他の不純物は
事実上認めなかった。 実施例22 グルコシルモラノリン精製時の回収母液残渣を用いた糖
転移反応、GA反応及びモラノリンの精製 実施例17において、メタノールによる分別結晶をした母
液の溶媒(メタノール)を回収除去したときに得られた
残渣(実施例7及び実施例12と同様の反応をして実施例
17と同様の処理をした3ロット分の回収残渣)を原料と
して、実施例7、実施例12、及び実施例17と同様の操作
を実施した結果、9.0kgのグルコシルモラノリンのメタ
ノール付加物を得た。 実施例23 モラノリンの精製 実施例17の方法で精製したグルコシルモラノリンのメタ
ノール付加物1kgを、1Nの塩酸(5l)に溶解し、90℃で
3時間反応させた。反応液を弱塩基性イオン交換樹脂ダ
イヤイオンWA−20(OH-)10lのカラムにかけ、充分水洗
した。通過液と洗液を合わせ、強酸性イオン交換樹脂ダ
イヤイオンSK−104(H+)5lのカラムにかけ、充分水洗
した後、1Nアンモニア水で溶出した。溶出液を減圧下に
濃縮乾固して、モラノリン468gを得た。 本品は、結晶化しなくとも高純度であり、このままで充
分に合成原料として使用することができるものである。 実施例24 N−メチルモラノリンの精製 実施例19の方法で製造したグルコシル−N−メチルモラ
ノリンのp−トルエンスルホネート2gを、1N塩酸(10m
l)に溶解し、90℃で3時間反応させた。反応液を弱塩
基性イオン交換樹脂ダイヤイオンWA−20(OH-)100mlの
カラムにかけ、充分水洗した。通過液と洗液を合わせ、
強酸性イオン交換樹脂ダイヤイオンSK−104(H+)50ml
のカラムにかけ、充分水洗した後、0.5Nアンモニア水で
溶出した。溶出液を減圧下に濃縮乾固した後、エタノー
ルから再結晶して、N−メチルモラノリン590mgを得
た。 実施例25 N−(n−ブチル)モラノリンの精製(1) 実施例20の方法で製造したグルコシル−N−(n−ブチ
ル)モラノリンのp−トルエンスルホネート3gを、1N塩
酸(30ml)に溶解し、90℃で3時間反応させた。反応液
を弱塩基性イオン交換樹脂ダイヤイオンWA−20(OH-)2
00mlのカラムにかけ、充分水洗した。通過液と洗液を合
わせ、強酸性イオン交換樹脂ダウエックス50×2(H+)
100mlのカラムにかけ、充分水洗した後、0.5Nアンモニ
ア水で溶出した。溶出液を減圧下に濃縮乾固した後、エ
タノールから再結晶して、N−(n−ブチル)モラノリ
ン850mgを得た。 実施例26 N−(n−ブチル)モラノリンの精製(2) 実施例21の方法で製造したグルコシル−N−(n−ブチ
ル)モラノリンのp−トルエンスルホネート5gを水に溶
かし、1N塩酸でpHを5.2に調整した。全容を1000mlとし
た後、参考例3の方法で製造した固定化GA 50mlを加え
て50℃で24時間反応させた。グラスフィルターで濾過し
て固定化GAを除き、濾液を、弱塩基性イオン交換樹脂ダ
イヤイオンWA−20(OH-)100mlのカラムにかけ、充分水
洗した。通過液と洗液を合わせ、強酸性イオン交換樹脂
ダウエックス50×2(H+)100mlのカラムにかけ、充分
水洗した後、0.5Nアンモニア水で溶出した。溶出液を減
圧下に濃縮乾固した後、エタノールから再結晶して、N
−(n−ブチル)モラノリン1.6gを得た。
図1は、参考例10における、GAでの安定化作用を図示し
たものである。横軸は時間(日)を、縦軸は相対的酵素
活性を示す。 ○は、コントロールを、●は6mg/mlのモラノリンを、△
は6mg/mlのN−メチルモラノリンを、それぞれ表す。
たものである。横軸は時間(日)を、縦軸は相対的酵素
活性を示す。 ○は、コントロールを、●は6mg/mlのモラノリンを、△
は6mg/mlのN−メチルモラノリンを、それぞれ表す。
Claims (2)
- 【請求項1】次の一般式〔I〕 (ここにRは、水素又は低級アルキルを表す)で表され
るN-置換モラノリン誘導体を取得するにあたり、 (1)モラノリン産生菌を培養した培養液をそのまま、
又はこれにアルキル化反応を施し、 (2)グルコース供与体を加えた後、サイクロデキスト
リングリコシルトランスフェラーゼ(CGTase)を作用さ
せて次の一般式〔II〕 (ここにRは、前記と同じ。nは0から24までの整数を
表す)で表されるオリゴグリコシル‐N-置換モラノリン
誘導体を生成させ、必要に応じてグルコアミラーゼ(G
A)を作用せしめて一般式〔II〕においてnが0である
化合物を生成させ、 (3)分別操作を施して一般式〔II〕で表される化合物
を単離し、 (4)単離した式〔II〕で表される化合物を加水分解し
て一般式〔I〕で表されるN-置換モラノリン誘導体を取
得し、 上記(1)〜(4)までの一連の操作を順次行うことを
特徴とする、一般式〔I〕で表されるN-置換モラノリン
誘導体の製造方法。 - 【請求項2】次の一般式〔I〕 (ここにRは、水素又は低級アルキルを表す)で表され
るN-置換モラノリン誘導体を取得するにあたり、 (1)モラノリン産生菌を培養した培養液をそのまま、
又はこれにアルキル化反応を施し、 (2)グルコース供与体を加えた後、サイクロデキスト
リングリコシルトランスフェラーゼ(CGTase)を作用さ
せて次の一般式〔II〕 (ここにRは、前記と同じ。nは0から24までの整数を
表す)で表されるオリゴグリコシル‐N-置換モラノリン
誘導体を生成させ、 (3)グルコアミラーゼ(GA)を作用せしめて、一般式
〔II〕においてnが0であるグルコシル N-置換モラノ
リン誘導体を生成させ、 (4)分別操作を施してグルコシル N-置換モラノリン
誘導体を単離し、 (5)単離したグルコシル N-置換モラノリン誘導体を
加水分解して一般式〔I〕で表されるN-置換モラノリン
誘導体を取得し、 上記(1)〜(5)までの一連の操作を順次行うことを
特徴とする、一般式〔I〕で表されるN-置換モラノリン
誘導体の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2031922A JPH0675510B2 (ja) | 1989-02-13 | 1990-02-13 | モラノリン誘導体の製法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3348089 | 1989-02-13 | ||
| JP1-33480 | 1989-02-13 | ||
| JP2031922A JPH0675510B2 (ja) | 1989-02-13 | 1990-02-13 | モラノリン誘導体の製法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04262791A JPH04262791A (ja) | 1992-09-18 |
| JPH0675510B2 true JPH0675510B2 (ja) | 1994-09-28 |
Family
ID=26370440
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2031922A Expired - Lifetime JPH0675510B2 (ja) | 1989-02-13 | 1990-02-13 | モラノリン誘導体の製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0675510B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104876855A (zh) * | 2006-05-24 | 2015-09-02 | 联合治疗公司 | 脱氧吉瑞霉素和d-阿拉伯胶素醇类似物及使用方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS569919A (en) * | 1979-07-05 | 1981-01-31 | Tokyo Shibaura Electric Co | Device for monitoring breaker tripping circuit |
-
1990
- 1990-02-13 JP JP2031922A patent/JPH0675510B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04262791A (ja) | 1992-09-18 |
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