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JPH0694518B2 - 絹フィブロイン多孔質体の製造方法 - Google Patents
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JPH0694518B2 - 絹フィブロイン多孔質体の製造方法 - Google Patents

絹フィブロイン多孔質体の製造方法

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JPH0694518B2
JPH0694518B2 JP62277957A JP27795787A JPH0694518B2 JP H0694518 B2 JPH0694518 B2 JP H0694518B2 JP 62277957 A JP62277957 A JP 62277957A JP 27795787 A JP27795787 A JP 27795787A JP H0694518 B2 JPH0694518 B2 JP H0694518B2
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gel
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aqueous solution
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憲彦 箕浦
▲ます▼裕 塚田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は絹フィブロインからなる多孔質体の製造方法に
関するものである。
〔従来技術〕 高分子多孔質体膜はエレクトロニクス工業、食品工業、
化学工業、医薬品工業、医療分野、発酵工業等幅広い産
業分野で使用されている。例えば、酸素固定化用支持体
としてセルロース系多孔質体が使用されるが、この場
合、多孔質体形成用の原液の濃度、凝固浴の組成、温度
の調整等により多孔質体中の孔の形態と大きさとをコン
トロールしなければならず、必ずしも容易な作製法であ
るとはいえない。この他の合成高分子多孔質体の素材と
しては、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリプ
ロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体などが
あるが、これらのものは種々の孔径を持つ多孔質体の調
製が困難であることから、新しい素材の開発が望まれて
いる。
特開昭56-166235号公報によれば、生糸を原料として用
い、これを精練してカルシウム塩とエタノールと水から
なる水溶液中に溶解し、得られた溶液を透析処理して絹
フィブロイン水溶液を作り、この水溶液にでんぷん分散
液を加えてゲル化させ、得られたゲル化物を飽和水蒸気
下で加熱してそのゲル化物中に含まれるでんぷんを糊化
した後、この糊化でんぷんをアミラーゼで分解して絹フ
ィブロイン多孔質体を製造する方法が提案されている。
しかし、この方法は、その工程が複雑であり、工業的方
法としては未だ不満足のものである。
〔目的〕
本発明は、前記の如き問題を含まない工業的に有利な絹
フィブロイン多孔質体の製造方法を提供することを目的
としている。
〔構成〕
本発明によれば、蚕体内から得られた未変性の絹フィブ
ロインの水溶液をpH6以下の条件下に保持して絹フィブ
ロインをゲル化させるか又はその水溶液に絹フィブロイ
ンに対して貧溶媒として作用する水溶性有機溶媒を添加
して絹フィブロインをゲル化させ、得られた含水絹フィ
ブロインゲルを真空条件下で凍結乾燥することを特徴と
する絹フィブロイン多孔質体の製造方法が提供される。
本発明で用いる絹フィブロイン水溶液は、家蚕あるいは
野蚕の体内から得られた未変性の絹フィブロイン溶液を
水に溶解させた希釈水溶液(その絹フィブロイン濃度は
通常10重量%以下である)であり、本発明では、この水
溶液に含まれる絹フィブロインをゲル化させる。絹フィ
ブロインのゲル化は、絹フィブロイン水溶液のpHを6.0
以下、好ましくは2〜4に調整することにより行われ
る。このゲル化処理により、水溶液中に水不溶性の含水
絹フィブロインゲルが沈殿し、この沈殿物を分離回収
し、成形材料として用いて多孔質体を得る。pH調節剤と
しては、酢酸や塩酸等の有機及び無機系の酸水溶液が用
いられる。含水絹フィブロインゲルは、これを真空下で
凍結乾燥することによって、絹フィブロイン多孔質体に
変換される。このようにして得られた多孔質体は、含水
絹フィブロインゲル中に含まれる液体水の蒸発透過によ
り形成される表面に連続する微細孔を内部に有する。
また、絹フィブロインのゲル化は、水溶液のpH調節の
他、水溶液中にアルコールの如きフィブロインに対して
貧溶媒として作用する水溶性有機溶媒を添加することに
よって行うこともできる。
本発明の多孔質体において、その細孔の大きさ(細孔直
径)は、通常0.1〜500μm、好ましくは1〜100μmで
ある。また、多孔質体は、フィルム状や管状の膜体の
他、ブロック状等の任意の形状とすることができる。本
発明では、細孔の大きさは、絹フィブロイン溶液の濃
度、ゲル化のpH条件、ゲル化に用いる貧溶媒の種類及び
濃度、凍結温度等によって調節することができる。
本発明においては、このような多孔質体中には、各種酵
素や、医薬品等の薬理活性物質を含有させることができ
る。このような酵素や薬理活性物質を含む多孔質体は、
その製造に際して用いる絹フィブロイン水溶液中に、そ
れら酵素又は薬理活性物質を溶解ないし分散させればよ
い。
〔効果〕
本発明の絹フィブロイン多孔質体は、従来の高分子膜と
同様に種々の分野において利用し得るものであり、例え
ば、血液浄化システム、溶質分離膜、フィルター、細胞
増殖担体、医薬、農薬徐放用担体、酵素固定化支持体、
香料保持体、医療用補てん材、人工皮膚、合成皮革、土
壌改質材等として利用することができる。
〔実施例〕
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1 桑養育の家蚕の熱蚕体内より後部絹糸腺を取り出し、絹
糸腺内の液状絹フィブロインを蒸溜水に分散させて、こ
れを原材料として用いた。送風乾燥により試料濃度を高
めて0.8%の液状絹フィブロインの水溶液を調製した。
この溶液をセルロース製の透析膜装置に入れてpH2.65に
調整した5℃の酢酸水溶液で15時間透析処理すると、セ
ルロース膜透析装置の中にはゲル状態の沈殿部分と上澄
部分との分離が起こった。デカンテーションにより上澄
部分を除去し、ゲル状態の沈殿の沈殿部分をポリエチレ
ンフィルムの上に置いて、−80℃で凍結させた。これを
凍結状態で真空乾燥すると絹フィブロインの多孔質体が
得られた。
絹多孔膜の試料表面、ならびに断面の走査型電子顕微鏡
写真を観察すると、試料表面は比較的平滑で緻密な構造
となっており、縦断面には約100μmの層状構造が、さ
らに層状構造間には、30〜80μmの直径を有する多孔が
確認された。作製した絹フィブロインの多孔質体を25℃
で12時間蒸留水で浸漬し、含水させ、表面の水滴を軽く
取り除き、水分量を測定したところ、試料の乾燥重量に
対して約8倍の水が含まれていた。
実施例2 実施例1と同じ0.8%の試料水溶液をセルロース製の透
析膜装置に入れ、これを5℃のpH4.01のフタル酸塩溶液
で15時間透析処理した。得られたゲル状試料と上澄とを
デカンテーションにより分離し、ゲル状試料を−80℃で
凍結させた後、10mmHg以下の減圧下で12時間凍結乾燥さ
せて多孔質体を作製した。実施例1で得られた多孔質体
よりも、表面が固い多孔質体となった。層状構造は若干
崩れたが、3次元的な層状構造が見られる他、多孔質体
の孔径は30μmであった。
比較例1 実施例1、2と同様の手法で、5℃のpH7.76の蒸留水で
15時間透析処理した。この場合にはゲル状試料が得られ
ず、水溶液状態のままであった。この試料を−80℃で凍
結させた後、10-3mmHg以下の減圧下で12時間凍結乾燥さ
せて不織布状の軟らかい多孔質体を作製した。なお、炭
酸ナトリウム水溶液でpHを9.52に調製した溶液で透析処
理した場合にも、ゲル状試料ができず、凍結乾燥の後に
軟らかい多孔質体が得られた。
実施例3 家蚕絹糸腺由来の0.7%絹フィブロイン水溶液のphを調
整することなしに、試料溶液50ml当り2.3mlのメタノー
ルを加えた後、5℃で10時間放置することでゲル状物を
析出させた、デカンテーションにより上澄を除去し、ゲ
ル状物を−30℃で一旦凍結固化させ10-3mmHgの減圧下で
凍結乾燥を行い、多孔質体を得た。得られた多孔質体の
細孔直径はおよそ30〜100μmであった。
実施例4 0.6%絹フィブロイン水溶液をセルロース製の透析膜装
置に入れ、メタノール2部に水8部を加えた溶液中で5
℃で10時間透析してゲル状物を析出させ、3500rpmの遠
心分離によりゲル状物を上澄から分離した。そのゲル状
物を−45℃で一旦凍結固化させ実施例3と同様に減圧乾
燥することで、2〜10μm直径の多孔質体が得られた。
実施例5 0.6%絹フィブロイン水溶液をセルロース製の透析膜装
置に入れ、メタノール4部に水6部を加えた溶液中で5
℃で10時間透析してゲル状物を析出させ、3500rpmの遠
心分離によりゲル状物を上澄から分離した。−45℃で一
旦凍結固化させた実施例3と同様に減圧乾燥することで
50〜100μm直径の多孔質体が得られた。
実施例6 0.6%絹フィブロイン水溶液をセルロース製の透析膜装
置に入れ、メタノール6部に水4部を加えた溶液中で5
℃で10時間透析してゲル状物を析出させ、3500rpmの遠
心分離によりゲル状物を上澄から分離した。−45℃で一
旦凍結固化させ実施例3と同様に減圧乾燥することで5
〜30μm直径の多孔質体が得られた。
実施例7 0.6%絹フィブロイン水溶液をセルロース製の透析膜装
置に入れ、メタノール9部に水1部を加えた溶液中で5
℃で10時間透析してゲル状物を析出させた。遠心分離に
よりゲル状物を上澄から分離することなく、−80℃で一
旦凍結固化させ実施例3と同様に減圧乾燥することで20
〜30μm直径の多孔質体が得られた。
実施例8 0.7%絹フィブロイン水溶液50ccに対して0.5mlの酢酸溶
液を加え、5℃で8時間放置してゲル状物を析出させ、
3500rpmの遠心分離によりゲル状物を上澄から分離し
た。−30℃で一旦凍結固化させ実施例3と同様に減圧乾
燥することで50〜100μm直径の多孔質体が得られた。
実施例9 0.6%絹フィブロイン水溶液をセルロース製の透析膜に
入れ、メタノールにより5℃で10時間処理してゲル状物
を析出させた。遠心分離によりゲル状物を上澄から分離
することなく、−45℃で一旦凍結固化させ実施例3と同
様に減圧乾燥することで20〜30μm直径の多孔質体が得
られた。
実施例10 0.6%絹フィブロイン水溶液をセルロース製の透析膜装
置に入れ、メタノール2部に水8部を加えて、5℃で10
時間処理してゲル状物を析出させた。遠心分離によりゲ
ル状物を上澄から分離することなく、−45℃で一旦凍結
固化させ実施例3と同様に減圧乾燥することで30〜60μ
m直径の多孔質体が得られた。
実施例11 吐糸1日前の家蚕の体内より後部絹糸腺を取り出し、水
洗いした後、絹糸腺細胞を除去した液状絹フィブロイン
を蒸留水に分散させ、送風乾燥法により1.5%の絹フィ
ブロイン水溶液を作製した。蒸留水100mlに9.2mgのアセ
チルサルチル酸を、同絹フィブロイン水溶液に溶解さ
せ、セルロース製の透析膜装置に注入し、pH4.0に調整
した酢酸水溶液で12時間透析処理を行った。こうして得
られたゲル状物と上澄液とを温度25℃で3000rpm20分間
遠心分離を行い、沈殿物を温度−80℃で一旦凍結後、10
-3mmHgの減圧下で乾燥を行い、医薬品含有絹蚕白質多孔
質体を得た。36mgの多孔質体を紫外分光光度計用ガラス
製セルに入れ、それに3mlの蒸留水を加えて、多孔質体
から蒸留水中に放出されたアセチルサリチル酸の量を20
6.9nmにおけるUV吸光度の変化として調べ、その結果を
第1表に示す。
実施例12 家蚕の熟蚕体内より取り出した後部絹糸腺由来の絹フィ
ブロイン水溶液(0.5%)33mlにpH6.86のリン酸塩溶液6
mlを加えた、さらにpH6.86のリン酸塩溶液(6ml)に26.
3mgの酵素グルコースオキシダーゼを溶解し、これを上
記絹フィブロイン水溶液に添加した。25℃で3時間静置
した同絹フィブロイン/グルコースオキシダーゼ混合液
10mlを採取し、これに0.1mlの酢酸を加え、5℃で10時
間静置することでゲル状物の析出を促進させた。3500rp
m、25分間の遠心分離によって上澄を除去し含水状態の
ゲル状物を得た。これを−80℃で一旦凍結させた後、10
-3mmHg以下の減圧下で12時間凍結乾燥することで、グル
コースオキシダーゼを含有する絹フィブロインの多孔質
体を作製した。作製後の多孔質体は−30℃で保存した。
実施例13 実施例12と同様にして調製した絹フィブロイン/グルコ
ースオキシダーゼ混合液をセルロース透析膜装置に入
れ、pH4.01のフタル酸塩溶液を透析液に用い、5℃で10
時間透析処理してゲル状物を析出させた。3500rpm、25
分間の遠心分離により上澄を除去して得たゲル状物を−
80℃で凍結させた後、10-3mmHg以下の減圧下で12時間凍
結乾燥により酵素グルコースオキシダーゼを含有する絹
フィブロイン多孔質体を作製した。
実施例14 実施例12あるいは実施例13で得られた酵素含有絹フィブ
ロイン多孔質体を溶存酸素濃度計の電極部に装着し、グ
ルコース濃度の異なるリン酸緩衝液(pH6.4、温度37
℃)にその電極を装入すると、グルコース濃度に対応し
た電流変化、つまり酸素濃度の減少がみられた。実施例
12および13で得られた多孔質体では1×10-6Mから2×1
0-3Mの範囲でグルコース濃度と電流変化量との間に直線
関係が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚田 ▲ます▼裕 茨城県筑波郡谷田部町大わし1―2 農林 水産省蚕糸試験場内 (56)参考文献 特開 昭56−40156(JP,A) 特開 昭56−166235(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蚕体内から得られた末変性の絹フィブロイ
    ンの水溶液をpH6以下の条件下に保持して絹フィブロイ
    ンをゲル化させるか又はその水溶液に絹フィブロインに
    対して貧溶媒として作用する水溶性有機溶媒を添加して
    絹フィブロインをゲル化させ、得られた含水絹フィブロ
    インゲルを真空条件下で凍結乾燥することを特徴とする
    絹フィブロイン多孔質体の製造方法。
  2. 【請求項2】絹フィブロイン水溶液が酵素又は医薬品を
    含有する特許請求の範囲第1項の方法。
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