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JPH0699820B2 - 緑青の形成方法 - Google Patents
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JPH0699820B2 - 緑青の形成方法 - Google Patents

緑青の形成方法

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JPH0699820B2
JPH0699820B2 JP2031963A JP3196390A JPH0699820B2 JP H0699820 B2 JPH0699820 B2 JP H0699820B2 JP 2031963 A JP2031963 A JP 2031963A JP 3196390 A JP3196390 A JP 3196390A JP H0699820 B2 JPH0699820 B2 JP H0699820B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、基材との密着性に優れた緑青を生産性良く
安定して形成する方法に関する。
<従来技術とその課題> 従来から、神社・仏閣の屋根材等に用いられた銅の表面
が長い年月の間に大気中の酸素,水蒸気,炭酸ガス,硫
化物乃至は塩化物等の作用によって優雅で美しい緑色の
緑青{CuCO3・Cu(OH)2,CuSO4・3Cu(OH)2,CuCl2・3Cu
(OH)2等の塩基性銅塩}に覆われることは良く知られて
いるが、この緑青層は重厚で独特の美観を醸し出すばか
りでなく防食皮膜としての作用をも発揮し、そのため緑
青に覆われた銅屋根等は数百年に及ぶ耐久性を示すこと
となる。
そこで、近年、天然に近い緑青を人工的に短期間で発生
させて基材の腐食防止や装飾乃至美術的な効果を狙った
“緑青被膜形成品”が、屋根材のみならず建築内壁材や
装飾品等にも見られるようになり、これまでも天然に近
い緑青被膜を人工的に形成させる手段に関する提案が数
多くなされてきた。
これら従来の人工緑青形成手段を大別すると次の通りで
ある。
(A)薬液と接触させる化成処理法(例えば特公昭57−
51468号として提案された方法等), (B)薬液中で電解処理する方法(例えば特公昭55−12
117号として提案された方法等), (C)基材を化成処理した後、その上に更に塗装を施す
方法(例えば特開昭55−8491号として提案された方法
等), (D)緑青色形成物質を含む塗料で塗装する方法(例え
ば特開昭55−139467号として提案された方法等), (E)サンドブラストにより表面を粗面化した銅板表面
に銅又は銅合金の粉末を接着剤で接着した後、塩化アン
モニウムや硫酸アンモニウム等の人工緑青発生液を塗布
する方法(例えば特公昭57−52425号として提案された
方法等)。
しかしながら、上記の人工緑青形成手段は、実際上 a)緑青の発生速度が遅い, b)緑青被膜が剥離し易く、製造設備に多額の費用がか
かる, c)緑青色を安定して形成させることができず、不均一
で色調が劣る, d)緑青の密着性が良くない, e)緑青色被膜を形成するための工数が多く、生産性が
悪い, 等の問題が指摘されるものであり、更には、何れも一般
的に基材が銅又は銅合金にほぼ限定される上、発生させ
た緑青の表面を塗装等によって保護しなければ基材との
十分な密着性を保てないとの問題を有するものでもあっ
た。しかも、塗料膜による緑青の保護策では、紫外線に
よって塗膜組成物の劣化が起きることから上記問題の根
本的な解決策となり得るものではなかった。
このようなことから、本発明が目的としたのは、「密着
性に優れた均一色調の緑青被膜を、基材の種類を問わず
に短時間に安定して形成し得る手段」を確立することで
あった。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、上記目的を達成すべく様々な観点に立っ
て鋭意研究を重ねた結果、「緑青を形成しようとする基
材表面を必要に応じて粗面化してから該基材表面に銅又
は銅合金から成る薄膜を形成し、次いでこの薄膜を化成
処理して、その後に強制酸化する処理を組み合わせる
と、基材の材質に左右されることなくその表面に密着性
の非常に優れた均一色調の緑青被膜を短時間で形成させ
ることができる」との知見を得るに至ったのである。
本発明は、上記知見事項等に基づいて成されたものであ
り、 「緑青を形成しようとする基材表面に銅又は銅合金から
成る薄膜を形成した後、該薄膜を化成処理し、続いて強
制酸化処理を施すことにより、密着性に優れた良好な外
観の緑青を短時間に安定形成し得るようにした点」 に特徴を有している。
ここで、“緑青を形成しようとする基材”とは銅又は銅
合金に代表される金属材料のみならず、セラミック,
瓦,木材,合成樹脂等の何れであっても差し支えがな
く、格別にその材質が制限されるものではない。
以下、本発明をその作用・効果と共により詳細かつ具体
的に説明する。
本発明に係る緑青形成法においては、まず基材の表面に
“銅又は銅合金から成る薄膜”が形成される。薄膜の厚
さは特に限定されるものではないが、通常は1〜100μ
m程度、好ましは5〜40μm程度とするのが良い。勿
論、膜厚が1μm未満であっても緑青の形成は可能であ
るが、この場合には薄膜に亀裂等が生じ易いため好まし
くない。一方、膜厚が100μmを超えると満足できる色
調を得ることが難しくなり、また生産コストの面でも好
ましくない。
上記“銅又は銅合金から成る薄膜”を形成する手段とし
ては、めっき法,真空蒸着法,スパッタリング法,イオ
ンプレーティング法、溶射法等の公知の方法が適用でき
る。従って、基材の種類等に応じて適当な薄膜形成手段
を選択する必要があるが、ドライプロセスであって加工
が迅速な上に、広い範囲の材料が使用でき、かつ素材に
対して大きな悪影響を与えることのない“溶射法”が最
も好ましい手段と言える。
ところで、溶射法には“フレーム溶射",“アーク溶射”
及び“プラズマ溶射”等の各種の手法があり、また溶射
原料として銅又は銅合金から成る粉末やワイヤー等も使
用できることが知られているが、本発明においては溶射
法や溶射原料に対する格別な制限はない。しかし、同じ
材料,同じ装置を使用した場合でも溶射の方法(即ち溶
射条件)が異なると違った皮膜が形成されるため、この
点での注意は必要である。例えば、雰囲気条件(酸素−
アセチレンの混合比等),溶射距離,ワイヤー供給速度
等は溶射皮膜の硬度に敏感に影響する。その他、溶射ガ
ンと被加工物の相対速度,1パス当りに皮膜厚さ,溶射中
の被加工物温度(皮膜の密着強さを高めるためには基材
を適温に予熱しておくことが好ましい),ガスや空気の
圧力並びに流量等、溶射皮膜の特性に影響を与える要素
は非常に多い。
更に、一般に、「溶射皮膜は同じ厚さであったとしても
“薄い層が数多く積み重なったもの”の方が“厚い層が
数少なく積み重なったもの”よりも強度が強い」と言わ
れていることも考慮する必要がある。また、1パス当り
の溶射厚を厚くすることは過熱の原因となるので、内径
溶射の場合には過熱を避けるために溶射ガンと被加工物
の相対速度を速くして1パス当りの被膜厚さを薄くする
ように特に注意することも必要である。
上述のように、溶射によって“銅又は銅合金から成る薄
膜”を形成する場合には、基材の種類,溶射皮膜の厚
み,目的とする表面粗さ等により適宜溶射条件等の選定
を行う必要がある。
これに対して、めっき法等によて“銅又は銅合金薄膜”
を形成する場合には、例えば公知の電解液組成,電解条
件等をそのまま適用するだけでも比較的安定に目的を達
成することができる。
このようにして形成された“銅又は銅合金から成る薄
膜”の表面粗さは特に限定されるものではないが、薄膜
表面の粗さが3μm未満では緑青の発色度合いが低く、
一方、50μmを超えると母材と薄膜の密着強度が低下す
る傾向が見られることから、通常は3〜50μm、好まし
くは5〜40μmとするのが良い。
ところで、基材表面への“銅又は銅合金から成る薄膜”
の形成に先立って該基材表面を粗面化することは、基材
と“銅又は銅合金から成る薄膜”との密着性の向上、ひ
いては形成される緑青被膜の密着性を向上させる上で極
めて好ましいことである。従って、銅又は銅合金から成
る薄膜形成処理の前には、必要に応じて基材表面の粗面
化処理が施され、基材表面の一様な粗面化と一時的な表
面の活性化が図られる。
基材表面の粗面化法としては、一般に化学的方法(電気
化学的方法も含む)と物理的方法(機械的方法)の2種
類が知られている。前者の例としては“酸又はアルカリ
に浸漬する方法(即ち、エッチング処理法)”や“電解
法”等が、そして、後者の例としては“ブラスト法",
“ウォータージェット法",“動力工具法",“手工具法”
等を挙げることができる。従って、本発明に係る“銅又
は銅合金から成る薄膜”の形成に先立つ基材の粗面化に
際しては、該基材の種類や目的とする緑青形成品表面の
粗さ等によって粗面化法を適宜選択する必要がある。例
えば、基材が金属材料の場合には、基材表面の粗面化を
高能率で実施できる上、同時に基材表面に発生していた
錆その他の腐食生成物等の除去も成される“ブラスト
法”が好適と言える。しかも、ブラスト法では、研削材
として珪砂,スティールグリッド,スティールショッ
ト,溶融アルミナ(人造コランダム),アランダム,カ
ーボランダム,グラスビーズ,合成樹脂粒子等の如き各
種の硬度,粒度を持ったものが使用されるので、基材の
種類その他に合わせて好適なものを適宜選択することが
可能であることに加え、ブラスト条件により表面粗さの
調整も可能であると言う長所もある。
なお、ブラスト法については種々の観点から種類分けが
なされており、例えば研削材の吹付け手法の観点からは
“圧縮空気によってブラストする方法”と“遠心力によ
ってブラストする方法”とに分類でき、また吹付ける研
削材の乾湿状態からは“乾式法”と“湿式法”に分類で
きるが、本発明においてはその種類や組み合わせに格別
な制限はない。
粗面化処理後の基材の表面粗さは、3μm以上、好まし
くは10〜30μmとするのが良い。なぜなら、該表面粗さ
が3μm未満では“銅又は銅合金から成る薄膜”との密
着性改善効果が顕著ではないからである。一方、上記表
面粗さが50μmを超えた場合には、前記密着性は良好と
なるものの母材(基材)に生じる歪が問題となってくる
など現実的ではない。
さて、本発明において、基材の表面に“銅又は銅合金か
ら成る薄膜”が形成された後、該薄膜に化成処理が施さ
れる。
一般に、“化成処理”とは或る金属を特定条件に調整さ
れた腐食液(化成処理液)と化学反応させ、その金属の
表面に固着性のある水に不溶性の腐食生成物層を形成さ
せる処理を言い、その腐食生成物の物理的又は化学的性
質を利用して防錆,塗装下地,塑性加工用潤滑下地等へ
の適用がなされている。
本発明で言う化成処理もほぼ同じ概念である。ただ、化
成処理の後に強制酸化処理が施される点からすれば概念
を異にするとも言える。
本発明で使用される化成処理液は、銅又は銅合金表面に
水に不溶性の腐食生成物層を形成するものであれば種類
を問うものではない。そして、このようなものとして、
従来よりアンモニウム塩,塩酸,カセイソーダ,硫化
物,硫酸塩,硝酸塩,酢酸塩,炭酸塩,重炭酸塩,ミョ
ウバン等を含んだ溶液及びこれらを組合わせたもの(人
工緑青発生液と称されるものを含むことは勿論であり、
溶媒も水に限るものではない)が知られているが、より
具体的なものの例として次の化成処理液が挙げられる。
a)塩酸,硝酸及び硫酸アンモニウムにアルカリ金属塩
化物及び/又はアルカリ土類金属塩化物を加えた水溶
液, b)塩化第二銅を添加した水溶液, c)アルカリ金属塩化物及び/又はアルカリ土類金属塩
化物(例えばNaCl,KCl,NH4Cl等)に硫酸銅を加えた水溶
液(この場合、アルカリ金属塩化物及び/又はアルカリ
土類金属塩化物を含んだ水溶液で処理し、続いて硫酸銅
を含む水溶液で処理すると言う2段階処理や、順序がこ
れとは逆の2段処理としても同様の結果が得られる)。
上述したように、本発明においては化成処理液の種類に
は格別な制限はなく、これらの化成処理液(有効成分濃
度も格別に限定されないが、通常は5〜50重量%、好ま
しくは20〜30重量%である)を“銅又は銅合金から成る
薄膜”に塗布,スプレー等の方法、又は該薄膜を前記化
成処理液に浸漬する等の方法で化成処理が行われる。
この化成処理によって“銅又は銅合金から成る薄膜”上
には水に不溶性の腐食生成物層が形成されるが、この腐
食生成物層にはCu,Cu2O,CuO又はCu(OH)2,CuCl,CuCl2
が複雑に共存しているのではないかと推定される。
この場合、“銅又は銅合金から成る薄膜”が溶射によっ
て形成されたものであると化学反応が生じ易く、より良
好な結果を得ることができる。これは、溶射皮膜は高温
から急冷されかつ母材表面に衝突した粒子の積層物であ
って、熱歪による残留応力,酸化物及び気孔等が介在す
るので、その電極電位が比較的卑な状態となっているた
めと考えられる。
次に、上述のように化成処理された“銅又は銅合金より
成る薄膜”は強制酸化処理され、密着性の優れた緑青の
形成がなされる。
強制酸化の手段としては“酸化性の液体を用る方法",
“酸化性の気体を用いる方法”或いは“電解による方
法”等があるが、基材の取り扱い容易性や緑青の密着性
等を考慮した場合には“気体を用いる方法”が好ましい
と言える。
酸化性の気体としては空気や酸素ガス等が一般的である
が、処理速度(即ち緑青の形成速度)を考えた場合には
オゾン(O3)が最も好ましく、強制酸化にはオゾン含有
雰囲気中に曝す手法が推奨される。この場合、オゾン濃
度には特に制限はなく、通常のオゾン発生器によって雰
囲気中にオゾンを混入する程度で十分である。
そして、化成処理を施した“銅又は銅合金より成る薄
膜”をオゾンによって強制酸化する場合、該強制酸化処
理は化成処理によって生成した化成処理膜が乾燥してし
てしまう前に実施することが望ましい。つまり、化成処
理膜に湿気(水分)が十分に存在する状態で(好ましく
は化成処理後直ちに)オゾン含有雰囲気中へ入れて酸化
すると、より短時間で密着性の極めて優れた緑青皮膜を
形成することができる。
この“化成処理した銅又は銅合金薄膜の強制酸化”によ
る緑青の形成機構については現在のところ明確に解明さ
れていないが、この処理により生成した緑青がX線回折
によって化学的に安定な塩基性塩化第二銅{CuCl2・3Cu
(OH)2}であると確認されている。
化成処理した銅又は銅合金薄膜の強制酸化処理時間は、
オゾン処理(オゾン含有雰囲気に曝す処理)を例にした
場合、オゾン濃度及びオゾン含有ガス量等によっても異
なるが、市販のオゾン発生器を用いれば通常は約10〜60
分程度で十分である。ただ、市販のオゾン発生器を用い
た処理では約10秒程度で表面の色が変化することから、
この程度の時間で反応が開始するものと考えられる。
強制酸化処理が終了した後、緑青が形成した基材は好適
には乾燥を兼ねた養生を行う。この養生では特に加熱す
る必要はなく、通常、室温で2〜24時間行えば十分であ
る。
このようにして、密着性の極めて優れた均一色調の緑青
を短時間で形成することができる。
続いて、本発明を実施例によって更に具体的に説明す
る。
<実施例> 実施例1 まず、予め脱脂された銅板(360mm幅×360mm長×0.3mm
厚)を準備し、粒径♯50〜♯250のアランダム粉を用い
た空気圧1.5〜5kg/cm2(ゲージ圧)での吹付けブラスト
処理によって銅板表面の粗面化処理を行った。
次に、前記銅板粗化面に銅ワイヤーを用いて厚さ25μm
の溶射膜(銅)を形成した。
なお、この時の溶射条件は 溶射方法:アーク溶射(メテコ社製の4RC型機を使
用), 溶射距離:150mm±80mm, 溶射ガン速度:40m/min, ピッチ:20〜30mm, 使用電圧:35V, 使用電流:50A, エアーギャップ:Fine, エアー圧:80psi(5.6kg/cm2), 銅ワイヤー:1.6mmφ×2本, であった。
次いで、前記銅溶射膜に化成処理液である塩化第二銅30
重量%の水溶液を刷毛で均一に塗布して化成処理を行
い、生成膜が湿気を十分含有しているうちにオゾン酸化
ボックス(0.2m3)に装入し、オゾン発生器{コーヨー
テックス(株)製のKW-701型機,O3発生量:約9g/h
r}、よりオゾン含有空気を3l/minの割合で15分間吹き
込んだ。
この強制酸化処理の後、緑青が形成された銅板をオゾン
酸化用ボックスより取り出して室温で8時間の乾燥を兼
ねた養生を行った。
そして、“上述した本発明法により形成された緑青",
“30年以上経過した天然緑青",“市販品の人工緑青板”
及び“市販品の人工緑青スレート”につき、各緑青表面
の状態をSEM(走査型電子顕微鏡)にて観察した。
このSEM観察写真を第1乃至4図に示す。
第1乃至4図の比較によっても明らかなように、本発明
法により形成された緑青は形状及び粒子の大きさ等が天
然緑青と酷似するものであることが判った。
また、本発明法により形成された緑青は重厚な青味を帯
びた緑色の色調を呈しており、緑青被膜を指先でこすっ
ても全く剥離物を生ずることがなく、天然緑青と同等以
上に優れた密着性を有していることが確認された。
更に、X線回折による分析よって、本発明法により形成
された緑青は天然緑青の主成分である塩基性塩化第二銅
{CuCl2・3Cu(OH)2}であることも確認された。
しかも、“本発明法により形成された緑青”及び“天然
緑青”の断面についてそれぞれSEM観察を行ったとこ
ろ、本発明法によるものは、第5図に示す如く、基材
(銅板)の粗化面に食い込んだ溶射膜のほぼ全断面が緑
青化して強固に基材と密着した構造となっている上、溶
射膜(緑青化したもの)中に微細な気孔の存在すること
が明確に認められ、第6図に示す天然緑青の場合と構
造,外観,緻密性等の点で極めて類似していることが判
った。
実施例2 化成処理を、まず食塩(NaCl)を10重量%含む水溶液と
接触させ、続いて硫酸銅を20重量%含む水溶液に接触さ
せると言う2段で実施した以外は実施例1と同様の方法
で緑青の形成を行った。
このようにして得られた緑青皮膜は、均一で剥離物の全
くない密着性の極めて優れたものであった。
これらの実施例以外にも、銅又は銅合金薄膜の形成に溶
射法以外の種々の方法、または公知の種々の化成処理液
(人工緑青発生液と呼ばれるものをも含む)、並びに強
制酸化手段として種々の酸化性液体,酸化性気体を適用
する方法を様々に組み合わせた試験により、何れも本発
明法に従えば前記実施例の場合とほぼ同様に良好な結果
を得られることが確認された。
<効果の総括> 以上に説明した如く、この発明によれば、天然緑青とほ
ぼ同じ重厚な色調を呈すると共に密着性の極めて優れた
緑青を、格別に特殊な設備等を要することなくあらゆる
種類の基材上に短時間に安定して形成することが可能と
なり、屋根材のみならず建築内壁材や装飾品等の幅広い
分野のおける創作物の概念拡大に寄与し得るなど、産業
上、社会生活上極めて有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、“本発明法により形成された緑青”表面の状
態を示した走査型電子顕微鏡による金属組織写真図(倍
率:約8000倍)である。 第2図は、30年以上経過した天然緑青表面の状態を示し
た走査型電子顕微鏡による金属組織写真図(倍率:約80
00倍)である。 第3図は、“市販品の人工緑青板”表面の状態を示した
走査型電子顕微鏡による金属組織写真図(倍率:約8000
倍)である。 第4図は、“市販品の人工緑青スレート”表面の状態を
示した走査型電子顕微鏡による金属組織写真図(倍率:
約8000倍)である。 第5図は、“本発明法により形成された緑青”の断面状
態を示した走査型電子顕微鏡による金属組織写真図(倍
率:約300倍)である。 第6図は、30年以上経過した天然緑青の断面状態を示し
た走査型電子顕微鏡による金属組織写真図(倍率:約36
0倍)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉野井 英雄 東京都港区虎ノ門2丁目10番1号 日本鉱 業株式会社内 (72)発明者 杉山 實 東京都品川区西五反田1丁目27番2号 甲 陽建設工業株式会社内 (72)発明者 小田原 信吾 千葉県市原市今津朝山852 甲陽建設工業 株式会社千葉製作所内 (72)発明者 中川 勝仁 千葉県市原市今津朝山852 甲陽建設工業 株式会社千葉製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】緑青を形成しようとする基材表面に銅又は
    銅合金から成る薄膜を形成した後、該薄膜を化成処理
    し、続いて強制酸化処理を施すことを特徴とする緑青の
    形成方法。
  2. 【請求項2】化成処理の強制酸化がオゾン含有雰囲気に
    曝す処理にて行われる、請求項1に記載の緑青の形成方
    法。
  3. 【請求項3】緑青を形成しようとする基材表面を粗面化
    し、その後で銅又は銅合金から成る薄膜を形成させる、
    請求項1又は2に記載の緑青の形成方法。
  4. 【請求項4】銅又は銅合金から成る薄膜を溶射により形
    成させる、請求項1乃至3の何れかに記載の緑青の形成
    方法。
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