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JPH07110938B2 - 光―熱エネルギー蓄積・変換材料とその組成物 - Google Patents
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JPH07110938B2 - 光―熱エネルギー蓄積・変換材料とその組成物 - Google Patents

光―熱エネルギー蓄積・変換材料とその組成物

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JPH07110938B2
JPH07110938B2 JP2138875A JP13887590A JPH07110938B2 JP H07110938 B2 JPH07110938 B2 JP H07110938B2 JP 2138875 A JP2138875 A JP 2138875A JP 13887590 A JP13887590 A JP 13887590A JP H07110938 B2 JPH07110938 B2 JP H07110938B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、光−熱エネルギー蓄積・変換材料に関する
ものである。さらに詳しくは、この発明は、エネルギー
の蓄積とその変換を行うことのできる、取扱い容易で、
かつ実用性も良好な光−熱エネルギーの蓄積・変換材料
に関するものである。
(従来の技術とその課題) 従来より、ノルボナジエン系化合物は光−熱エネルギー
の蓄積・変換の機能を有するものとして知られており、
たとえば、次式で示したように、 ノルボナジエン(NBD)およびその誘導体化合物は、紫
外線や可視光線の照射により対応するクワドリシクラン
(QC)およびその誘導体化合物に変換される。また、こ
のクワドリシクラン(QC)類は加熱や触媒との接触によ
り、容易にノルボナジエン(NBD)類に再変換される。
この再変換の際に、分子1モルあたり約22Kcalの熱エネ
ルギーを放出する。このエネルギーは、照射された光エ
ネルギーが、クワドリシクラン(QC)類にひずみエネル
ギーとして蓄積されたものである。
このようなことから、ノルボナジェン(NBD)/クワド
リシクラン(QC)の光反応は、光−熱エネルギーの蓄積
・変換反応の優れた系として注目されている。
しかしながら、これまでに知られているこの反応系は、
いずれもノルボナジェン(NBD)、もしくはその誘導体
からなる低分子化合物の反応系であるため、この低分子
化合物の状態では、光−熱エネルギーの蓄積・変換とい
う特異で、注目すべき機能を実用的応用へと発展させて
いくことがほとんど不可能であった。エネルギー蓄積・
変換のための機能材料を創製していくことがほとんど不
可能であったといってよい。
このような事情に鑑みて、この発明の発明者は、上記の
光反応系からなる光−熱エネルギーの蓄積・変換系を機
能材料として発展させるための検討を進め、すでにこれ
までに、高分子側鎖へのノルボナジェン誘導基の導入に
より、非低分子系の反応系が実現できることを見出して
いた。
しかしながら、より反応性が大きく、高分子材料として
の合成、その取扱いが容易なものの探索にはいまだ不十
分な点があり、また、これまでの場合には、クワドリシ
クラン(QC)誘導基のノルボナジェン(NBD)誘導基へ
の変換のためには、触媒の溶液の使用が欠かせなかっ
た。
このような点は、機能材料としての上記光反応系の実用
的発展にとって大きな障害となるものであった。
この発明は、以上の通りのこの発明者によるこれまでの
検討と、光−熱エネルギーの蓄積・変換のための高分子
材料系の開発をさらに進めることによりなされたもので
あり、実用的材料としての発展を可能とする新しい光−
熱エネルギー蓄積・変換材料とその組成物を提供するこ
とを目的としている。
(課題を解決するための手段) この発明は、上記の課題を解決するものとして、側鎖に
エポキシ基を有する高分子化合物と、ノルボナジエンカ
ルボン酸またはその誘導体をエステル化反応させてなる
ことを特徴とする光−熱エネルギー蓄積・変換材料を提
供する。
また、この発明は、完全固相状態にある反応系として特
徴づけられ上記材料と、クワドリシクラン誘導基をノル
ボナジェニル誘導基に変換する触媒物質からなる組成物
をも提供する。この組成物の形状は、フィルム、シー
ト、バルク等の各種のものとすることができる。
この発明のエステル化反応によって得られる光−熱エネ
ルギー蓄積・変換材料は、ノルボナジエニル誘導基を側
鎖に有する高分子化合物として特徴づけられるものであ
り、各種の高分子主鎖構造に、次式 (Rは、高分子主鎖へのエステル連結構造を、また、R1
〜R7は、各々、水素原子、アルキル、シクロアルキル、
アルケニル、シクロアルケニル、アリール、アリールア
ルキル、アルキルアリール、ハロゲン、ヒドロキン、ア
ルコキシ、エーテル、エステル、アミン、アミド、シア
ノ、ニトロ、その他の任意の有機基を示す) で表されるノルボナジエニル誘導基を持ったものを例示
することができる。
これら化合物を合成するにあたって使用する側鎖にエポ
キシ基を有する高分子化合物としては各種のものを用い
ることができる。たとえば次式 (S1およびS2は高分子の主鎖単位を示し、nは0であっ
てもよい。Aは脂肪族、脂環族、芳香族の任意の炭化水
素基で、lは0または1以上の数を示している。
R0は脂肪族、脂環族、芳香族の任意の炭化水素基、酸
素、硫黄、窒素等の原子からなる官能基結合もしくはそ
れらと炭化水素基との結合を示している。) 一方、ノルボナジエンカルボン酸誘導体としては、前記
式に対応して、R1〜R7の置換基を持つ、ノルボナジエン
のカルボン酸、その酸ハロゲン化物、そのエステル、そ
の金属塩、そのアンモニウム塩等の化合物を用いること
ができる。
また、この発明の光−熱エネルギーの蓄積・変換材料の
組成物に配合する触媒としては、たとえば、コバルト−
テトラフェニルポルフィリン錯体(Co−TPP)、コバル
ト−テトラフェニルポルフィリンテトラカルボン酸錯
体、AgClO4、コバルト−フタロシアニン錯体、N,N−ジ
サリシリデン−4−カルボキシル−1,2−フェニレンジ
イミネート−コバルト錯体等の、これまで知られている
各種のものをはじめとして、任意のものを使用すること
ができる。
以下、この発明の実施例を示し、さらに詳しくこの発明
について説明する。
実施例1 (3−フェニル−2,5−ノルボナジエン−2−カルボン
酸の合成) 反応式(A)に従って合成を行った。
すなわち、まず、 ヘェニルプロピル酸クロリド20.9gを100mlナスフラスコ
へ入れ、ジシクロペンタジェンのクラッキングにより得
られたシクロペンタジェンを16ml(0.24モル)加え、ピ
クリン酸0.4gを加えて撹拌した。発熱が認められた(約
58℃)。1時間後さらにシクロペンタジェン8ml(0.12
モル)を加えて加熱し、1時間リフラックスさせた。空
冷後、減圧蒸留して未反応のシクロペンタジェンを除去
したのち、ドライトルエン約100mlに溶解し、分液ロー
トに入れ5w%炭酸水素ナトリウム水溶液で激しく振り混
ぜて水層を回収した。水層に20w%硫酸水溶液を加え酸
析した。結晶を濾取し弱酸性〜中性の水で洗浄した。デ
シケーター中で十分乾燥後、n−ヘキサンを用いて再結
晶した。
収量:11.2g(収率:41.5%) 融点:134.0〜135.0℃(文献値135〜136℃) 実施例2 (グリシジルメタクリレート(GMA)とメチルメタクリ
レート(MMA)との共重合体の合成) 200ml三っ口フラスコへGMA34.117g(0.24モル)、MMA6.
007g(0.06モル)を入れ溶媒としてジオキサン90ml、開
始剤としてAIBN0.75ミリモルを加え窒素置換1時間、60
℃で5時間、80℃で2時間重合を行った。約31のn−ヘ
キサンへ注入し回収した。得られたポリマーをTHF約200
mlに溶解させ、約31のn−ヘキサンで2回再沈を行っ
た。十分乾燥後、30℃のDMF中、C=0.5g/dlで還元粘度
を測定した。エポキシ当量は、塩酸ピリジン法で求め
た。まず、試料約1gを正確に秤量して100mlナスフラス
コへ入れ、塩酸ピリジン溶液(濃塩酸16ml+精製したピ
リジン984ml)20mlを加え30分間還流した。塩酸ピリジ
ン溶液20mlを0.1N水酸化ナトリウム水溶液でフェノール
フタレインを指示薬として滴定した。還流した溶液も同
様に滴定した。ポリマー中のエポキシ基と塩酸の反応性
を利用して溶液中の塩酸の減少度よりエポキシ基1つに
対するポリマーのグラム数(エポキシ当量)を求めた。
このエポキシ当量よりGMA−MMAの組成比を求めた。
36.7g(収率91.5%)で、GMA:MMA=7.1:2.9、エポキシ
当量182.66の共重合体を得た。
実施例3 (GMAのラジカル重合体の合成) 三っ口フラスコGMA49.745g(0.35モル)を入れ、溶媒
と、開始剤としてのAIBN1.75ミリモルを加え、窒素置換
を1時間した後に60℃で5時間、80℃で2時間ラジカル
重合を行った。THFを加え、約31のn−ヘキサン中へ入
れて重合物を回収した。THFに溶解させ、約31のn−ヘ
キサンで2回再沈を行った。減圧乾燥したのち30℃のDM
F中、C=0.5/dlで還元粘度を測定した。エポキシ当量
は塩酸ピリジン法により、前記と同様に測定した。エポ
キシ含有率はエポキシ当量より求めた。
35.2g(70.1%収率)で、エポキシ当量154.63の重合体
を得た。
実施例4 (GMA−MMA共重合体と3−フェニル−2,5−ノルボナジ
エン−2−カルボン酸(PNBA)との反応) 反応式(B)に従ってエステル化反応を行った。すなわ
ち、まず、50ml三つ口フラスコへ実施例2で合成した共
重合体1.827g(エポキシ基として10ミリモル)、実施例
1で合成したPNBA2.123g(10ミリモル)、触媒としてTB
AB0.097g(0.3ミリモル、3モル%)、溶媒として脱水D
MF20ml、MQを少量加え、60℃、70℃、80℃、90℃での付
加反応率の経時変化を測定した。付加反応率の測定は各
時間ごとに溶液を正確に1ml取り、アルコール性0.1N水
酸化カリウム溶液で、フェノールフタレインを指示薬と
して、溶液中のカルボン酸を滴定した。滴定値より、仕
込んだPNBA中のカルボン酸の量と、溶液中の未反応のカ
ルボン酸の量との差を求め、この値からカルボン酸とエ
ポキシ基の付加反応率を逆算して求めた。その結果を第
1図に示した。
図中の表示は次のものを示している。
▲:付加反応温度60℃ ●:付加反応温度70℃ △:付加反応温度80℃ ○:付加反応温度90℃ 実施例5 (GMA−MMA共重合体と3−フェニルカルバモイル−2,5
−ノルボナジエン−2−カルボン酸(PCND)との反応) 反応式(C)に従ってエステル化反応を行った。すなわ
ち、まず、50ml三つ口フラスコへ実施例2で合成した共
重合体1.827g(エポキシ基として10ミリモル)、PCND2.
553g(10ミリモル)、触媒としてTBAB0.097g(0.3ミリ
モル、3ミリ%)、溶媒として脱水DMF20ml、MQ少量を
加え80℃、90℃、100℃での付加反応率の経時変化を測
定した。付加反応率の測定は前記と同様にアルカリ水溶
液による未反応のカルボン酸の滴定より求めた。その結
果を第2図に示した。
図中の表示は次のものを示している。
△:付加反応温度80℃ ○:付加反応温度90℃ □:付加反応温度100℃ 実施例6 (GMA−MMA共重合体と酸塩化物との反応) GMA74−MMA26共重合体(0.189g;1.0mmol)と触媒TBAB
(0.032g;0.1mmol)をアニソール2mlに溶かし、これに
反応式(D)に従って、3−フェニルカルバモイル−2,
5−ノルボナジエン−2−カルボン酸クロリド(0.327g;
1.0mmol)を加えそれぞれ80および100℃で反応を行い、
その結果を第4図に示した。反応率の測定はH−NMRス
ペクトルより求めた。
実施例7 GMA74−MMA26共重合体(0.283g;1.5mmol)と触媒TBAB
(0.024g;0.075mmol)をアニソール3mlに溶かし、これ
に、反応式(E)に従って3−(4−R−フェニル)カ
ルバモイル−2,5−ノルボナジエン−2−(4−ニトロ
フェニル)カルボキシラート(0.565g;1.5mmol)(ただ
し、Rは、HまたはCOOH)を加えそれぞれ80および100
℃で行い、その結果を第5図にしめした。反応率の測定
はH−NMRスペクトルより求めた。
実施例8 GMA74−MMA26共重合体(0.189g;1.0mmol)と触媒TBAB
(0.032g;0.1mmol)をアニソール2mlに溶かし、これに
3−フェニル−2,5−ノルボナジエン−2−カルボン酸
クロリド(0.233g;1.0mmol)を加え、80℃および100℃
で6時間まで反応を行った。その結果を第6図に示し
た。反応率の測定はH−NMRスペクトルから求めた。
実施例9 GMA74−MMA26共重合体(0.189g;1.0mmol)と触媒TBAB
(0.032g;0.1mmol)をアニソール2mlに溶かし、これに
3−フェニル−2,5−ノルボナジエン−2−(4−ニト
ロフェニル)カルボキシラート(0.413g;1.0mmol)を加
え100℃で反応を行った。その結果を第7図に示した。
反応率の測定はH−NMRスペクトルから求めた。
実施例10 (光原子価異性化反応) PNBA、PCND、PCND誘導体(メトキシ型)および(アセチ
ル型)を実施例2により合成した共重合体に導入したポ
リマーをそれぞれ少量とり、THFに溶解し、石英セルに
塗布し、250W高圧水銀灯を使用して外部照射法により光
反応を行った。
その結果ポリマー鎖中のNBD残基は効率よく対応するQC
誘導体へと光原子価異性化反応が進行することが明らか
となった。
PNBA導入高分子化合物の場合のQC誘導体への変換を紫外
線吸収スペクトルの変化として示したものが第3図であ
る。図中の上方から照射時間(分)0,0.25,0.5,1,2,3,
5,10を各々示している。
実施例11 実施例4に示した側鎖にNBD残基を有するポリマー0.01g
を3mlのTHFに溶かし、ポリマー溶液を調製した。ポリマ
ー溶液に、NBD残基に対して10、15、20、30および40mol
%のCo−TPPをそれぞれ加えて、ポリマーと触媒の混合
溶液を調製した。この混合溶液を石英セルに塗布し、乾
燥した。石英セル上に得られたポリマーフィルムに対
し、30cmの距離より250−W超高圧水銀灯を用い光照射
し、光照射前後のUVスペクトルの減少率より、その光反
応率を求めた。この結果、Co−TPPを含まないポリマー
フィルム中のNBD残基は光照射約7分で定量的にQCに変
換されたが、Co−TPPを5または10mol−%含むポリマー
フィルムでは光照射によるNBD−QCへの異性化反応と、
同時に生成したQCがCo−TPPとの接触により再びNBDに変
換されるため、それぞれNBDからQCへの反応率が約70−7
5%および40−45%付近で平衡に達した。すなわちこの
ことは光照射と同時に発熱が起きていることを意味して
いる。また、それぞれのポリマーフィルムに対して10分
間光照射を行い、生成したポリマー中のQC残基のNBD基
への再変換率を測定した。ポリマーフィルム中のCo−TP
P含有率が高いものほど、QCからNBDへの変換速度は速く
なる傾向を示している。さらにこのことはCo−TPPを含
むポリマーフィルムは光照射後熱を放射しながら徐々に
NBDに変換されていることを示唆している。
実施例12 実施例5で合成したポリマー単独と、このポリマーとCo
−TPPよりなるフィルムをそれぞれ石英セル上に調整
し、その光反応と、生成したポリマーフィルム中のQC残
基の逆異性化反応を測定した。この結果からポリマー単
独では光照射6分でNBDの反応率が100%に達したがCo−
TPPを含むポリマー・フィルムはNBDの変換率が約30〜40
mol%で平衡に達した。さらにCo−TPPを含む光照射後の
ポリマーフィルムを室温下で放置すると、生成したポリ
マー側鎖のQC残基は徐々にNBDに再変換された。このこ
とはポリマーとCo−TPPよりなる機能性フィルムが光エ
ネルギーを熱エネルギーに変換することを示唆してい
る。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、この発明のエステル化付加反応
率の経時変化を示した反応時間と変換率との相関図であ
る。 第3図は光異性化反応の波長と吸収との相関図である。 第4図、第5図、第6図および第7図は、この発明の実
施例6、7、8および9の反応率の経時変化を示した反
応時間と変換率との相関図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】側鎖にエポキシ基を有する高分子化合物
    と、ノルボナジエンカルボン酸またはその誘導体をエス
    テル化反応させてなることを特徴とする光−熱エネルギ
    ー蓄積・変換材料。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の材料とクワドリシクラ
    ン誘導基をノルボナジエニル誘導基に変換する触媒物質
    からなる光−熱エネルギー蓄積・変換材料組成物。
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