JPH07114560B2 - 誘導電動機の瞬時トルク,磁束制御方式 - Google Patents
誘導電動機の瞬時トルク,磁束制御方式Info
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- JPH07114560B2 JPH07114560B2 JP63193515A JP19351588A JPH07114560B2 JP H07114560 B2 JPH07114560 B2 JP H07114560B2 JP 63193515 A JP63193515 A JP 63193515A JP 19351588 A JP19351588 A JP 19351588A JP H07114560 B2 JPH07114560 B2 JP H07114560B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、可変電圧,可変周波数PWMインバータによる
3相誘導電動機のトルクおよび磁束制御方式の中で、始
動急加速時の制御方式に関するものである。
3相誘導電動機のトルクおよび磁束制御方式の中で、始
動急加速時の制御方式に関するものである。
(従来の技術) 本発明にかかる誘導電動機の瞬時トルク,磁束制御方式
の基本動作は、昭和61年1月発行の電気学会論文誌Bの
106巻1号第9頁以下に掲載された「瞬時すべり周波数
制御に基づく誘導電動機の新高速トルク制御法」なる論
文に記載されている。
の基本動作は、昭和61年1月発行の電気学会論文誌Bの
106巻1号第9頁以下に掲載された「瞬時すべり周波数
制御に基づく誘導電動機の新高速トルク制御法」なる論
文に記載されている。
その基本原理は、空間ベクトルで表された誘導電動機の
1次電流▲▼および1次磁束1ベクトルのベクト
ル積として瞬時発生トルクを演算し、これとトルク指令
T*との偏差および1次磁束φ1と磁束指令値φ1 *と
の偏差に応じて、予めテーブル化されているインバータ
のトルク応答を最適とするスイッチングパターンを選
び、インバータの出力電圧を時々刻々更新して瞬時トル
クおよび磁束を瞬時制御するものである。
1次電流▲▼および1次磁束1ベクトルのベクト
ル積として瞬時発生トルクを演算し、これとトルク指令
T*との偏差および1次磁束φ1と磁束指令値φ1 *と
の偏差に応じて、予めテーブル化されているインバータ
のトルク応答を最適とするスイッチングパターンを選
び、インバータの出力電圧を時々刻々更新して瞬時トル
クおよび磁束を瞬時制御するものである。
第2図は前述のごとき基本動作を行う誘導電動機の瞬時
トルク,磁束制御系のブロック図であり、直流電圧源1
より正母線1aおよび負母線1bを経て3相PWMインバータ
3を介して3相誘導電動機6に給電する。制御回路7は
指令および検出された電流,電圧信号を処理し、PWMイ
ンバータ3のスイッチング素子の通電信号を発生する。
4は電源スイッチである。
トルク,磁束制御系のブロック図であり、直流電圧源1
より正母線1aおよび負母線1bを経て3相PWMインバータ
3を介して3相誘導電動機6に給電する。制御回路7は
指令および検出された電流,電圧信号を処理し、PWMイ
ンバータ3のスイッチング素子の通電信号を発生する。
4は電源スイッチである。
PWMインバータ3はトランジスタ等のオン,オフ可能な
スイッチング素子とダイオードとをそれぞれ逆並列接続
してなる6個のアームを3相グレッツ結線することによ
り構成されるが、図のように3個の切換スイッチングS
u,Sv,Swとして表すことができる。
スイッチング素子とダイオードとをそれぞれ逆並列接続
してなる6個のアームを3相グレッツ結線することによ
り構成されるが、図のように3個の切換スイッチングS
u,Sv,Swとして表すことができる。
PWMインバータ3の各出力端子から電流検出器5u,5v,5w
を経て3相誘導電動機6に給電すると共に、直流側正負
母線間に電圧検出器2が接続され、これら検出器と後述
するスイッチ状態変数とから各相電流および各相電圧が
検出できるようになっている。
を経て3相誘導電動機6に給電すると共に、直流側正負
母線間に電圧検出器2が接続され、これら検出器と後述
するスイッチ状態変数とから各相電流および各相電圧が
検出できるようになっている。
3相かご形誘導電動機の1次端子電圧および電流をそれ
ぞれ▲▼,▲▼とし、2次電流を▲▼とす
ると、電圧方程式は ただし、記号▲▼,▲▼,▲▼は直軸,横
軸すなわちd,q2軸変換された量のベクトル表示であり、
例えば▲▼はd軸成分をv1d,q軸成分をv1qとすると で示され、▲▼,▲▼も同様に定義される。な
お、式左辺のはd,q両軸成分とも0の場合を表し、
かご形回転子の場合2次電圧はこのようにとなる。
ぞれ▲▼,▲▼とし、2次電流を▲▼とす
ると、電圧方程式は ただし、記号▲▼,▲▼,▲▼は直軸,横
軸すなわちd,q2軸変換された量のベクトル表示であり、
例えば▲▼はd軸成分をv1d,q軸成分をv1qとすると で示され、▲▼,▲▼も同様に定義される。な
お、式左辺のはd,q両軸成分とも0の場合を表し、
かご形回転子の場合2次電圧はこのようにとなる。
式における定数は R1;1次巻線抵抗 L11;1次インダクタンス R2;2次巻線抵抗 L22;2次インダクタンス M;相互インダクタンスm は回転角速度,pは微分演算子,jは虚数記号を表す。
一方、磁束の定義として、1次磁束φ1は 式の第1行を展開して 式を代入し、整理すると 両辺を積分すると すなわち、電動機1次磁束は式の積分演算により求め
られる。
られる。
各切換スイッチSu,Sv,Swは、正母線1a側に倒れる場合と
負母線1b側に倒れる場合とがあり、中間位置をとること
はない。前者を状態1,後者を状態0とするとインバータ
の出力状態は次に示すスイッチ状態変数表ですべてを表
すことができる。
負母線1b側に倒れる場合とがあり、中間位置をとること
はない。前者を状態1,後者を状態0とするとインバータ
の出力状態は次に示すスイッチ状態変数表ですべてを表
すことができる。
ここに、kは切換スイッチ状態を示す番号で、この8通
りしか存在しない。また、▲▼,▲▼はd,q2軸
成分で表したスイッチ状態変数で、実際のd,q軸電圧
v1d,v1qは、これに直流電圧源1の電圧Vと とを乗じ と表せる。
りしか存在しない。また、▲▼,▲▼はd,q2軸
成分で表したスイッチ状態変数で、実際のd,q軸電圧
v1d,v1qは、これに直流電圧源1の電圧Vと とを乗じ と表せる。
このスイッチ状態変数表を図示したのが第3図であり、
v1の横の括弧内は切換スイッチSu,Sv,Swの状態を順に示
しており、kが増加するに従って時計方向に60゜ずつス
テップする電圧ベクトルを表している。なお、k=0お
よびk=7は零ベクトルと呼ばれるもので、図では原点
と一致する。k=0およびk=7はそれぞれインバータ
の出力を決定する切換スイッチSu,Sv,Swがすべて正母線
1a側に倒れるか、または負母線1b側に倒れるかの違いは
あるが、3相誘導電動機6の線間電圧はいずれも零とな
り、3相短絡モードである。
v1の横の括弧内は切換スイッチSu,Sv,Swの状態を順に示
しており、kが増加するに従って時計方向に60゜ずつス
テップする電圧ベクトルを表している。なお、k=0お
よびk=7は零ベクトルと呼ばれるもので、図では原点
と一致する。k=0およびk=7はそれぞれインバータ
の出力を決定する切換スイッチSu,Sv,Swがすべて正母線
1a側に倒れるか、または負母線1b側に倒れるかの違いは
あるが、3相誘導電動機6の線間電圧はいずれも零とな
り、3相短絡モードである。
瞬時トルクTは式の1次磁束1と1次電流▲▼
のベクトル積として式により求められる。
のベクトル積として式により求められる。
ここで、φ1d,v1qおよびi1d,i1qはそれぞれ1次磁束
1および1次電流▲▼をd,q2軸に分解したときの各
成分である。
1および1次電流▲▼をd,q2軸に分解したときの各
成分である。
ブロック701および703bは切換スイッチSu,Sv,Swの状態
と電圧検出器2で検出した電流電圧源1の電圧Vとから
1次端子電圧▲▼を算出するブロックであり、スイ
ッチ状態変数表と式とから算出される。
と電圧検出器2で検出した電流電圧源1の電圧Vとから
1次端子電圧▲▼を算出するブロックであり、スイ
ッチ状態変数表と式とから算出される。
ブロック702は電流検出器5u,5v,5wにより検出される3
相電流iu,iv,iwを、次式によりd,q2軸成分に変換するブ
ロックである。
相電流iu,iv,iwを、次式によりd,q2軸成分に変換するブ
ロックである。
この1次電流▲▼に、ブロック703aにおいて1次巻
線抵抗R1を乗じ、ブロック704において1次端子電圧▲
▼から1次巻線抵抗R1と1次電流▲▼の積を減
算する。
線抵抗R1を乗じ、ブロック704において1次端子電圧▲
▼から1次巻線抵抗R1と1次電流▲▼の積を減
算する。
ブロック705は式に従って磁束を積分演算するブロッ
クであり、1次磁束1のd,q両軸成分φ1d,φ1qが求め
られ、ブロック706にて磁束ベクトル長φ1が次式によ
り求められる。
クであり、1次磁束1のd,q両軸成分φ1d,φ1qが求め
られ、ブロック706にて磁束ベクトル長φ1が次式によ
り求められる。
更に、ブロック710では第4図の磁束状態図に示すよう
に、1次磁束1ベクトルのd軸を基準とする時計方向
の回転角θが境角線として30゜,90゜,150゜,210゜,270
゜,330゜の60゜毎に仕切られるどの領域の属しているか
によって、制御フラグfθを次のように発生する。
に、1次磁束1ベクトルのd軸を基準とする時計方向
の回転角θが境角線として30゜,90゜,150゜,210゜,270
゜,330゜の60゜毎に仕切られるどの領域の属しているか
によって、制御フラグfθを次のように発生する。
−30゜≦θ<30゜;fθ=I 30゜≦θ<90゜;fθ=II 90゜≦θ<150゜;fθ=III 150゜≦θ<210゜;fθ=IV 210゜≦θ<270゜;fθ=V 270゜≦θ<330゜;fθ=VI 第5図はヒステリシスコンパレータの状態制御図で、磁
束ベクトル長φ1が磁束指令値φ1 *に対し、誤差限界
Δφを用いて φ1 *−Δφ/2<φ1<φ1 *+Δφ/2 となるように制御するための制御フラグfφを発生す
る。すなわち、磁束ベクトル長φ1が増加して上限であ
るφ1 *+Δφ/2に達すると減磁を指令する制御フラグ
fφ=0を発生し、また磁束ベクトル長φ1が減少して
下限であるφ1 *−Δφ/2に達すると増磁を指令する制
御フラグfφ=1を発生する。
束ベクトル長φ1が磁束指令値φ1 *に対し、誤差限界
Δφを用いて φ1 *−Δφ/2<φ1<φ1 *+Δφ/2 となるように制御するための制御フラグfφを発生す
る。すなわち、磁束ベクトル長φ1が増加して上限であ
るφ1 *+Δφ/2に達すると減磁を指令する制御フラグ
fφ=0を発生し、また磁束ベクトル長φ1が減少して
下限であるφ1 *−Δφ/2に達すると増磁を指令する制
御フラグfφ=1を発生する。
かくして、磁束ベクトル長φ1は第5図に示される矢印
の方向にリミットサイクルを描くようにして制御される
ことになるが、実際には、ブロック706で式により算
出された磁束ベクトル長φ1がブロック708において磁
束指令値φ1 *から減算され、ブロック711において第
5図の状態制御図に従い制御フラグfφ=1,0を発生す
る。
の方向にリミットサイクルを描くようにして制御される
ことになるが、実際には、ブロック706で式により算
出された磁束ベクトル長φ1がブロック708において磁
束指令値φ1 *から減算され、ブロック711において第
5図の状態制御図に従い制御フラグfφ=1,0を発生す
る。
第5図に示した磁束のリミットサイクルは、第4図に関
していえば、1次磁束1のベクトルの頭部が常に図示
された円環部分に存在するように制御されていることに
対応する。
していえば、1次磁束1のベクトルの頭部が常に図示
された円環部分に存在するように制御されていることに
対応する。
第5図による制御フラグfφと第4図で説明した制御フ
ラグfθとが組み合わされて、例えばfφ=1,fθ=I
の制御フラグが立っているとすると、領域が−30゜<θ
<30゜における増磁モードを意味するから、1次磁束
1ベクトルに積分されるべき1次電圧▲▼ベクトル
は、円の外向き成分を持ったものの中から選ばれる。
ラグfθとが組み合わされて、例えばfφ=1,fθ=I
の制御フラグが立っているとすると、領域が−30゜<θ
<30゜における増磁モードを意味するから、1次磁束
1ベクトルに積分されるべき1次電圧▲▼ベクトル
は、円の外向き成分を持ったものの中から選ばれる。
ブロック707はブロック702,705の両出力のベクトル積を
式により演算し、瞬時トルクTを算出するブロックで
あり、ブロック709においてトルク指令T*から瞬時ト
ルクTを減算し、トルク指令T*と式により求められ
た瞬時トルクTとの差が所定の誤差限界以内に押えられ
るように、ブロック712において第6図の状態制御部に
従って制御フラグfτを発生する。
式により演算し、瞬時トルクTを算出するブロックで
あり、ブロック709においてトルク指令T*から瞬時ト
ルクTを減算し、トルク指令T*と式により求められ
た瞬時トルクTとの差が所定の誤差限界以内に押えられ
るように、ブロック712において第6図の状態制御部に
従って制御フラグfτを発生する。
第6図は3値ヒステリシスコンパレータの状態制御図
で、電動機力行時はトルク偏差T*−Tが上限値ΔT
1(ΔT1>0)に達すると、加速モードの制御フラグf
τ=1を発生する。電動機が加速されてトルク偏差が下
限値−ΔT2(ΔT2>0)に達すると、零ベクトルモード
の制御フラグfτ=0を発生し、トルクが漸減して再び
偏差が増加し上限値ΔT1に達すると加速モードに移し、
第6図の上半部のヒステリシスループを矢印方向に周回
するリミットサイクルを描く。
で、電動機力行時はトルク偏差T*−Tが上限値ΔT
1(ΔT1>0)に達すると、加速モードの制御フラグf
τ=1を発生する。電動機が加速されてトルク偏差が下
限値−ΔT2(ΔT2>0)に達すると、零ベクトルモード
の制御フラグfτ=0を発生し、トルクが漸減して再び
偏差が増加し上限値ΔT1に達すると加速モードに移し、
第6図の上半部のヒステリシスループを矢印方向に周回
するリミットサイクルを描く。
次に、電動機が回生制動を行っている時は第6図の下半
部のヒステリシスループを描くことになり、トルク偏差
が負の下限値−ΔT1(ΔT1>0)に達すると漸減モード
の制御フラグfτ=−1を発生する。以下、力行時と同
様に矢印方向のリミットサイクルを繰り返す。かくし
て、ブロック712は制御フラグfτ=1,0,−1を出力す
る。
部のヒステリシスループを描くことになり、トルク偏差
が負の下限値−ΔT1(ΔT1>0)に達すると漸減モード
の制御フラグfτ=−1を発生する。以下、力行時と同
様に矢印方向のリミットサイクルを繰り返す。かくし
て、ブロック712は制御フラグfτ=1,0,−1を出力す
る。
ブロック713はブロック710,711,712から出力される3個
の制御フラグfθ,fφ,fτの各組み合わせに最も適した
インバータ出力電圧を決定するブロックであり、次に示
すスイッチングテーブルによって、第4図で説明した1
次磁束1のベクトル長と回転方向をこれら3個の制御
フラグfθ,fφ,fτが制御する。
の制御フラグfθ,fφ,fτの各組み合わせに最も適した
インバータ出力電圧を決定するブロックであり、次に示
すスイッチングテーブルによって、第4図で説明した1
次磁束1のベクトル長と回転方向をこれら3個の制御
フラグfθ,fφ,fτが制御する。
このスイッチングテーブルは、3個の制御フラグfθ,f
φ,fτのすべての組み合わせについて出力電圧ベクトル
の番号kの値を示したもので、毎演算サイクルごとにブ
ロック713においてこのスイッチングテーブルを参照す
ることにより、インバータ3へスイッチング信号を送
り、磁束およびトルクの制御が行われる。
φ,fτのすべての組み合わせについて出力電圧ベクトル
の番号kの値を示したもので、毎演算サイクルごとにブ
ロック713においてこのスイッチングテーブルを参照す
ることにより、インバータ3へスイッチング信号を送
り、磁束およびトルクの制御が行われる。
インバータ周波数は第4図の1次磁束1ベクトルの回
転速度と考えることができるが、これは外部から与えら
れるものではなく、式による電圧ベクトルの積算結果
として生じるものである。
転速度と考えることができるが、これは外部から与えら
れるものではなく、式による電圧ベクトルの積算結果
として生じるものである。
(発明が解決しようとする課題) 以上説明したように空間ベクトル法に基づいてPWMイン
バータによる3相誘導電動機のトルク,磁束制御が行わ
れるが、従来のPWMインバータによる誘導電動機制御に
おいては電圧と周波数の比率を一定とし、磁束指令値φ
1 *を一定値として制御されている。
バータによる3相誘導電動機のトルク,磁束制御が行わ
れるが、従来のPWMインバータによる誘導電動機制御に
おいては電圧と周波数の比率を一定とし、磁束指令値φ
1 *を一定値として制御されている。
一方トルク指令T*は必要な指令値を制御範囲内で自由
に取ることができるが、工業的にはインバータの電流容
量は有限であるため、過大電流によるスイッチング素子
の破壊を防止するために1次電流に制限値を設けて、1
次電流が制限値を超えるとゲートブロックして電流制限
を行うようにしているため、トルク指令T*としてステ
ップ状に大きい指令値を与えるとトルク指令T*に追従
した制御ができない場合があった。特に始動時に無励磁
状態から始動急加速を行うためにステップ状に大きいト
ルク指令T*を与えると、励磁電流とトルク電流の重畳
した過大電流が流れ、インバータのスイッチング素子保
護のために保護位置が作動し、始動急加速が不可能とな
ることがあった。
に取ることができるが、工業的にはインバータの電流容
量は有限であるため、過大電流によるスイッチング素子
の破壊を防止するために1次電流に制限値を設けて、1
次電流が制限値を超えるとゲートブロックして電流制限
を行うようにしているため、トルク指令T*としてステ
ップ状に大きい指令値を与えるとトルク指令T*に追従
した制御ができない場合があった。特に始動時に無励磁
状態から始動急加速を行うためにステップ状に大きいト
ルク指令T*を与えると、励磁電流とトルク電流の重畳
した過大電流が流れ、インバータのスイッチング素子保
護のために保護位置が作動し、始動急加速が不可能とな
ることがあった。
従来はこのために始動時にはこの過大電流をインバータ
が電流制限により回避したが、応答時間もこのために遅
くならざるを得なかった。
が電流制限により回避したが、応答時間もこのために遅
くならざるを得なかった。
本発明は前記の問題点を解消して始動時の応答も迅速に
行うことができるようにするものである。
行うことができるようにするものである。
(課題を解決するための手段) 前述したように、無励磁状態からの始動急加速運転を行
う場合には、励磁電流とトルク電流が重畳されるために
問題を生じるのであるから、磁束指令値φ1 *を時間的
に先に与え、電動機の実磁束φmがある程度確立した後
にトルク指令T*を与えるようにすることにより、制限
された電流の範囲で効率のよいトルクの立ち上げを行う
ことができる。
う場合には、励磁電流とトルク電流が重畳されるために
問題を生じるのであるから、磁束指令値φ1 *を時間的
に先に与え、電動機の実磁束φmがある程度確立した後
にトルク指令T*を与えるようにすることにより、制限
された電流の範囲で効率のよいトルクの立ち上げを行う
ことができる。
第7図は本発明にかかる誘導電動機の瞬時トルク,磁束
制御方式を説明するための各部波形図であり、始動時に
おける始動信号ST,実磁束φm,磁束指令値φ1 *および
トルク指令T*の波形を示す。
制御方式を説明するための各部波形図であり、始動時に
おける始動信号ST,実磁束φm,磁束指令値φ1 *および
トルク指令T*の波形を示す。
従来は始動時刻t0において磁束指令値φ1 *をステップ
的に与えていたが、これによって生じる実磁束φmもス
テップ状に立ち上がろうとするため、大きい突入電流を
生じていた。
的に与えていたが、これによって生じる実磁束φmもス
テップ状に立ち上がろうとするため、大きい突入電流を
生じていた。
始動の際に与える磁束指令値φ1 *を3相誘導電動機の
2側時定数に応じた時定数で立ち上げることにより、突
入電流を生じることなく実磁束φmを立ち上げることが
できる。3相誘導電動機の2次時定数Tmは2次巻線抵抗
R2と2次インダクタンスL22とにより Tm=L22/R2 で表され、2次磁束の立ち上がり時定数であるから、磁
束指令値φ1 *を始動時刻t0における零から2時定数Tm
に相当する時間経過後の時刻t1に所定の値φ1 *まで図
示のごとく直線的に立ち上げることにより、突入電流を
生じることなく磁束指令値と相似的に実磁束φmを立ち
上げることができる。この時、磁束指令値を直線的では
なく2次時定数Tmで立ち上る指数関数として立ち上げて
もよい。
2側時定数に応じた時定数で立ち上げることにより、突
入電流を生じることなく実磁束φmを立ち上げることが
できる。3相誘導電動機の2次時定数Tmは2次巻線抵抗
R2と2次インダクタンスL22とにより Tm=L22/R2 で表され、2次磁束の立ち上がり時定数であるから、磁
束指令値φ1 *を始動時刻t0における零から2時定数Tm
に相当する時間経過後の時刻t1に所定の値φ1 *まで図
示のごとく直線的に立ち上げることにより、突入電流を
生じることなく磁束指令値と相似的に実磁束φmを立ち
上げることができる。この時、磁束指令値を直線的では
なく2次時定数Tmで立ち上る指数関数として立ち上げて
もよい。
なお、インバータのスイッチング素子の破壊を防止する
ための1次電流の制限値ぎりぎりまで始動電流を許容す
るとすれば、2次時定数Tmの1/3程度まで立ち上がりを
速めてもよいことが実験的に判明している。
ための1次電流の制限値ぎりぎりまで始動電流を許容す
るとすれば、2次時定数Tmの1/3程度まで立ち上がりを
速めてもよいことが実験的に判明している。
トルク指令T*についても、図示のごとく始動時にはト
ルク指令を与えず、2次時定数Tmに相当する時間経過後
の時刻t1に所定のトルク指令T*を与えることにより、
始動時に生じていた前述の問題点を解決することができ
る。
ルク指令を与えず、2次時定数Tmに相当する時間経過後
の時刻t1に所定のトルク指令T*を与えることにより、
始動時に生じていた前述の問題点を解決することができ
る。
(作 用) 従来は始動直後から急加速を行おうとする場合には、前
述のごとく大きい励磁電流分とトルク電流分の両方が重
畳して流れ、過電流となって制御上不都合であったが、
実磁束φmの立ち上がりの時定数を考慮した磁束指令値
φ1 *を与えることにより、無励磁状態から励磁状態へ
速やかに移行し、始動直後のパルス状の突入電流を抑制
できる。更に、2次時定数Tmに相当する時間経過後の時
刻t2にトルク指令T*を与えることにより、トルク制御
を円滑に行うことができる。
述のごとく大きい励磁電流分とトルク電流分の両方が重
畳して流れ、過電流となって制御上不都合であったが、
実磁束φmの立ち上がりの時定数を考慮した磁束指令値
φ1 *を与えることにより、無励磁状態から励磁状態へ
速やかに移行し、始動直後のパルス状の突入電流を抑制
できる。更に、2次時定数Tmに相当する時間経過後の時
刻t2にトルク指令T*を与えることにより、トルク制御
を円滑に行うことができる。
ただ、2時定数Tmに応じた時間だけ応答が遅れることに
なるが、実磁束φmの立ち上がりの遅れは不可避のもの
であるから、実磁束φmの立ち上がりを考慮した制御方
式としては極めて有効な方法である。
なるが、実磁束φmの立ち上がりの遅れは不可避のもの
であるから、実磁束φmの立ち上がりを考慮した制御方
式としては極めて有効な方法である。
(実施例) 第1図は本発明にかかる誘導電動機の瞬時トルク,磁束
制御方式の一実施例のブロック図であり、第2図に示し
た従来例と異なるところは、始動信号により磁束指令値
φ1 *を発生する関数発生ブロック714と始動時のみト
ルク指令T*を阻止する阻止ブロック715を追加したの
みであって、第2図と同一部分には同一符号を付して特
に説明は行わない。
制御方式の一実施例のブロック図であり、第2図に示し
た従来例と異なるところは、始動信号により磁束指令値
φ1 *を発生する関数発生ブロック714と始動時のみト
ルク指令T*を阻止する阻止ブロック715を追加したの
みであって、第2図と同一部分には同一符号を付して特
に説明は行わない。
始動時には始動信号STが関数発生ブロック714へ送ら
れ、この始動信号STは第7図に示したよう運転継続中は
送り続けられる。関数発生ブロック714は時刻t0におい
て始動信号STを受けると、第7図に示したように2次時
定数Tmに相当する時間経過後の時刻t1に所定の磁束指令
値φ1 *になるように直線的に増加し、その後は一定と
なる磁束指令値φ1 *をブロック708へ送る。なお、開
発発生ブロック714は時刻t1以後運転継続中の間は阻止
解除信号Cを阻止ブロック715へ送り続ける。
れ、この始動信号STは第7図に示したよう運転継続中は
送り続けられる。関数発生ブロック714は時刻t0におい
て始動信号STを受けると、第7図に示したように2次時
定数Tmに相当する時間経過後の時刻t1に所定の磁束指令
値φ1 *になるように直線的に増加し、その後は一定と
なる磁束指令値φ1 *をブロック708へ送る。なお、開
発発生ブロック714は時刻t1以後運転継続中の間は阻止
解除信号Cを阻止ブロック715へ送り続ける。
一方、始動時以後必要なトルク指令T*が阻止ブロック
へ送られるが、阻止ブロック715は関数発生ブロック714
からの阻止解除信号Cが無い時はトルク指令T*を阻止
し、阻止解除信号Cを受けている間は送られたトルク指
令信号T*をそのままブロック709へ送る。従って、始
動後2次時定数Tmに相当する時間経過後の時刻t1までは
トルク指令T*はブロック709に与えられず、時刻t1以
後運転継続中の間、必要なトルク指令T*がブロック70
9に与えられることになる。
へ送られるが、阻止ブロック715は関数発生ブロック714
からの阻止解除信号Cが無い時はトルク指令T*を阻止
し、阻止解除信号Cを受けている間は送られたトルク指
令信号T*をそのままブロック709へ送る。従って、始
動後2次時定数Tmに相当する時間経過後の時刻t1までは
トルク指令T*はブロック709に与えられず、時刻t1以
後運転継続中の間、必要なトルク指令T*がブロック70
9に与えられることになる。
このようにして、本実施例では始動時に始動時刻t0から
2次時定数Tmに相当する時間経過後の時刻t1までに所定
の磁束が突入電流を流すことなく確立され、時刻t1以後
は所定のトルク指令T*により円滑にトルク制御するこ
と可能となる。
2次時定数Tmに相当する時間経過後の時刻t1までに所定
の磁束が突入電流を流すことなく確立され、時刻t1以後
は所定のトルク指令T*により円滑にトルク制御するこ
と可能となる。
尚、本実施例では始動時刻t0から2次時定数Tmに相当す
る時刻t1までの間は、阻止ブロック715の出力を零とし
たが、送られたトルク指令T*に応じてごく零に近いト
ルク指令をその期間ブロック709へ送るようにしてもよ
い。
る時刻t1までの間は、阻止ブロック715の出力を零とし
たが、送られたトルク指令T*に応じてごく零に近いト
ルク指令をその期間ブロック709へ送るようにしてもよ
い。
(発明の効果) 従来の空間ベクトル法に基づく誘導電動機のトルク,磁
束制御方式では、始動直後の高速応答が不可能であった
が、本発明のごとく誘導電動機の回路定数から得られる
2次時定数Tmに応じて、始動時に磁束指令値φ1 *およ
びトルク指令T*を与えることにより、始動時の電流が
課題となることを防止し、2時定数Tmに相当する時間の
経過後は瞬時トルク制御の特徴と高速応答を実現するこ
とができる。
束制御方式では、始動直後の高速応答が不可能であった
が、本発明のごとく誘導電動機の回路定数から得られる
2次時定数Tmに応じて、始動時に磁束指令値φ1 *およ
びトルク指令T*を与えることにより、始動時の電流が
課題となることを防止し、2時定数Tmに相当する時間の
経過後は瞬時トルク制御の特徴と高速応答を実現するこ
とができる。
2次時定数Tmに相当する時間の応答遅れは、如何なる制
御方式においても不可避のものであるから、本発明にか
かる誘導電動機のトルク,磁束制御方式の始動直後の応
答性に関する効果は大である。
御方式においても不可避のものであるから、本発明にか
かる誘導電動機のトルク,磁束制御方式の始動直後の応
答性に関する効果は大である。
第1図は本発明にかかる誘導電動機の瞬時トルク,磁束
制御方式の一実施例のブロック図、 第2図は従来の基本動作を行う誘導電動機の瞬時トル
ク,磁束制御系のブロック図、 第3図は1次端子電圧ベクトルを示すベクトル図、 第4図は磁束状態を示すベクトル図、 第5図は磁束に関するヒステリシスコンパレータの状態
制御図、 第6図はトルクに関する3値ヒステリシスコンパレータ
の状態制御図、 第7図は本発明にかかる誘導電動機の瞬時トルク,磁束
制御方式を説明するための各部波形図である。 1……直流電圧源、2……電圧検出器 3……3相PWMインバータ 4……電源スイッチ、5u,5v,5w……電流検出器 6……3相誘導電動機、7……制御回路 714……関数発生ブロック 715……阻止ブロック
制御方式の一実施例のブロック図、 第2図は従来の基本動作を行う誘導電動機の瞬時トル
ク,磁束制御系のブロック図、 第3図は1次端子電圧ベクトルを示すベクトル図、 第4図は磁束状態を示すベクトル図、 第5図は磁束に関するヒステリシスコンパレータの状態
制御図、 第6図はトルクに関する3値ヒステリシスコンパレータ
の状態制御図、 第7図は本発明にかかる誘導電動機の瞬時トルク,磁束
制御方式を説明するための各部波形図である。 1……直流電圧源、2……電圧検出器 3……3相PWMインバータ 4……電源スイッチ、5u,5v,5w……電流検出器 6……3相誘導電動機、7……制御回路 714……関数発生ブロック 715……阻止ブロック
Claims (2)
- 【請求項1】3相誘導電動機の電圧および電流をそれぞ
れ空間ベクトル値に換算して磁束ベクトルの瞬時値を演
算する手段と、前記磁束ベクトルと電流ベクトルとから
トルクの瞬時値を演算する手段と、磁束指令値と前記磁
束ベクトルの大きさとを比較する磁束比較手段と、トル
ク指令値と前記トルクの瞬時値とを比較するトルク比較
手段と、前記磁束ベクトルの方向を判別する磁束ベクト
ル方向判別手段とを具え、これら磁束比較手段,トルク
比較手段および磁束ベクトル方向判別手段の出力から判
断して、可変電圧,可変周波数インバータの最適出力電
圧を決定する誘導電動機の瞬時トルク,磁束制御方式に
おいて、3相誘導電動機の始動時には該3相誘導電動機
の2次時定数に応じた時定数で磁束指令値を立ち上げる
ことを特徴とする誘導電動機の瞬時トルク,磁束制御方
式。 - 【請求項2】誘導電動機の始動時には前記磁束指令値が
所定の値に達するまではトルク指令値を零または零に近
い値に保持することを特徴とする請求項1記載の誘導電
動機の瞬時トルク,磁束制御方式。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63193515A JPH07114560B2 (ja) | 1988-08-04 | 1988-08-04 | 誘導電動機の瞬時トルク,磁束制御方式 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63193515A JPH07114560B2 (ja) | 1988-08-04 | 1988-08-04 | 誘導電動機の瞬時トルク,磁束制御方式 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0246191A JPH0246191A (ja) | 1990-02-15 |
| JPH07114560B2 true JPH07114560B2 (ja) | 1995-12-06 |
Family
ID=16309347
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63193515A Expired - Lifetime JPH07114560B2 (ja) | 1988-08-04 | 1988-08-04 | 誘導電動機の瞬時トルク,磁束制御方式 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07114560B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0667253B2 (ja) * | 1985-02-28 | 1994-08-24 | 株式会社東芝 | 電動機制御装置 |
| JPH0632592B2 (ja) * | 1986-09-30 | 1994-04-27 | 東洋電機製造株式会社 | 誘導電動機のトルク制御装置 |
-
1988
- 1988-08-04 JP JP63193515A patent/JPH07114560B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0246191A (ja) | 1990-02-15 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081206 Year of fee payment: 13 |
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