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JPH0717544B2 - アリールエチレンの製造方法 - Google Patents
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JPH0717544B2 - アリールエチレンの製造方法 - Google Patents

アリールエチレンの製造方法

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JPH0717544B2
JPH0717544B2 JP62285899A JP28589987A JPH0717544B2 JP H0717544 B2 JPH0717544 B2 JP H0717544B2 JP 62285899 A JP62285899 A JP 62285899A JP 28589987 A JP28589987 A JP 28589987A JP H0717544 B2 JPH0717544 B2 JP H0717544B2
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和道 内田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高純度のアリールエチレンを経済的に、かつ
工業的規模で製造することを可能ならしめる方法に関す
るものである。更に詳しくは、本発明は、ジアリールエ
タンを分解する工程、分解生成物を分離する工程、回収
されたジアリールエタンを水素添加処理する工程からな
る、高純度アリールエチレンを製造する方法に関するも
のである。
[従来の技術及び発明が解決しようとする問題点] 従来から、1,1−ジアリールエタンを酸触媒の存在下に
分解してアリールエチレンを製造する方法に付いて、種
々の方法が提案されている。
Industral and Engineering Chemistry, Vol.46,No.4,652(1954) Journal of Chemical and Engineering Data, Vol.9,No.1,104(1964) I & EC Product Research and Development, Vol.3,No.1,16(1964) 上記文献は、1,1−ジトリルエタン、1,1−ジキシリルエ
タンを分解して、各々メチルスチレン、ジメチルスチレ
ンが得られることを始めとして、エチルスチレン、イソ
プロピルスチレン、t−ブチルスチレンなどに付いて記
載している。
更に具体的な開示技術としては、例えば、 米国特許第2,420,689号公報には、カオリン触媒の存在
下にジキシリルエタンの分解によりジメチルスチレンを
得る方法、 米国特許第2,422,318号公報には、非対称ジアリールエ
タンの分解方法、 米国特許第2,864,872号公報には、分解触媒としてシリ
カを使用する方法、 米国特許第2,954,413号公報には、流動触媒を用いてジ
キシリルエタンを分解する方法、 米国特許第3,025,330号公報には、ジトリルエタンから
メチルスチレンを得る方法、 米国特許第2,976,333号公報および米国特許第2,976,334
号公報には、分解触媒の改良方法などが提案されてい
る。
1,1−ジアリールエタンを分解する方法では、1,1−ジア
リールエタンが全て分解して、アリールエチレンとモノ
またはポリアルキルベンゼンに変換されるわけではな
く、原料1,1−ジアリールエタンが未反応のまま反応混
合物に含まれて来ることは避け得ない。このことは、上
記公報に開示提案されている方法でも、反応におけるパ
ーパスコンバージョンが40%〜60%であることからも明
らかである。言い換えると、60〜40%もの未反応原料が
生成することになる。
従って、1,1−ジアリールエタンの分解によりアリール
エチレンを経済的に製造するためには、未反応の1,1−
ジアリールエタンを再使用し、再分解することが必須条
件となって来る。即ち、反応混合物から分離された1,1
−ジアリールエタンを主として含む留分を、再度分解し
て再利用する際、使用目的に適合した純度や性状を有す
るアリールエチレンが得られるか否かが、分解反応を工
業的に応用できるか否かを決定しているとも言い得る。
ところで、これらの1,1−ジアリールエタンを分解する
ことによって得られるアリールエチレンは、例えば、 西独公開特許第2325302号公報および英国特許第1,565,2
35号公報などに提案されているように、工業的に有用な
中間体として、また Ind.Eng.Chem.,Vol.46,652(1954)では、耐候性の高い
ポリーマー合成原料として、工業的にも有用な用途が有
り、そのためにアリールエチレンを経済性良く製造する
方法が望まれてきた。
本発明者らは、1,1−ジアリールエタンの分解反応を工
業的および経済的に実施するための検討を兼ねたとこ
ろ、未反応1,1−ジアリールエタンを主として含む留分
をそのまま単に再分解したのでは、分解触媒の経時劣化
が激しいことに加えて、分解の結果得られたアリールエ
チレンの性状が好ましくないことを見出し、本発明を完
成したものである。
即ち、本発明者らは、1,1−ジアリールエタンを分解し
た結果、その分解生成物中に1,1−ジアリールエタンと
は沸点が接近し分解が困難なオレフィンが生成し、これ
が未反応の1,1−ジアリールエタンを主として含む留分
に混入することは避けられないことを見出した。しか
も、これをそのまま分解工程に戻して分解すると、分解
原料中にオレフィンが混入することになり、そのため
に、分解して得られた分解生成物は複雑なものとならざ
るを得ない。この再分解時の副生成物は目的物のアリー
ルエチレンとやはり沸点が近接し、その結果、目的生成
物たるアリールエチレン留分中に副生成物が混入するこ
とは避け得ないという悪循環が生じることが判明した。
それ故に、大量に生じる未反応の1,1−ジアリールエタ
ン原料留分を単に再利用することはできず、そのため1,
1−ジアリールエタンを分解しアリールエチレンを製造
する従来の方法は、工業的観点から経済的な方法ではな
かった。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、上述の事情に鑑み、下記の複数の工程からな
るアリールエチレンの製造方法を提供するものである。
工程(I):一般式(A)で表わされる1,1−ジアリー
ルエタンを、不活性気体の存在下に酸触媒と接触させ、
一般式(B)および/または一般式(C)で表わされる
アリールエチレンと、一般式(D)および/または一般
式(E)で表わされるアルキルベンゼンとに分解する工
程、 工程(II):上記分解工程(I)で得られた反応混合物
から、一般式(A)で表わされる1,1−ジアリールエタ
ンを主として含む留分と、一般式(B)および/または
一般式(C)で表わされるアリールエチレンを主として
含む留分と、一般式(D)および/または一般式(E)
で表わされるアルキルベンゼンを主として含む留分とに
分離する工程、 工程(III):上記分離工程(II)で得られた、一般式
(A)で表わされる1,1−ジアリールエタンを主として
含む留分を、水素の存在下に水素添加触媒と接触させ水
素添加処理する工程、および工程(IV):上記水素添加
処理工程(III)で得られた水素添加処理済みの留分を
前記分解工程(I)に戻し再分解する工程。
一般式(A) Ar1−CH(CH3)−Ar2 一般式(B) Ar1−CH=CH2 一般式(C) Ar2−CH=CH2 一般式(D) Ar1−H 一般式(E) Ar2−H 上記一般式(A)、(B)、(C)、(D)および
(E)において、Ar1およびAr2は、水素原子または炭素
数4以下の1個もしくは複数個の同一もしくは異なるア
ルキル基を有し、当該アルキル基の炭素数の合計が4以
下であるフェニル基またはアルキルフェニル基であり、
Ar1、Ar2は同一でも異なるものでもよい。
即ち、本発明は、上記工程(I)、工程(II)、工程
(III)および工程(IV)からなることを特徴とするア
リールエチレンの製造方法を提供し、1,1−ジアリール
エタンの分解により工業的、かつ経済的に高純度のアリ
ールエチレンを製造可能ならしめる方法を提供するもの
である。
更に本発明を詳しく説明する。
本発明の方法における工程(I)は、1,1−ジアリール
エタンを、不活性気体の存在下で酸触媒と接触させ、ア
リールエチレンとアルキルベンゼンとに分解する工程で
ある。この分解工程(I)は従来提案されてきた方法を
適用することができる。
1,1−ジアリールエタンは、エタンの同一の炭素原子
に、水素原子または炭素数4以下のアルキル基を有し、
当該アルキル基の炭素数の合計が4以下であるフェニル
基またはアルキルフェニル基が2個置換されたものであ
る。これらの基は同一であっても異なっても良い。ま
た、複数個置換している場合のアルキル基も同一もしく
は異なるものであってもよい。
原料の1,1−ジアリールエタンは、公知の方法で製造さ
れたものの何れをも使用することができる。1,1−ジア
リールエタンの製造方法の具体例としては、例えば、ポ
リアルキルベンゼンを硫酸の存在下にアセトアルデヒド
またはアセチレンと反応させる方法、塩化アルミニウム
等のフリーデルクラフツ触媒の存在下にポリアルキルベ
ンゼンと1,1−ジクロエタンとを反応させる方法、ポリ
アルキルベンゼンを酸触媒を用いてアルキルスチレンと
反応させる方法などがある。また、反応によって製造さ
れた1,1−ジアリールエタンの他、例えば、スチレンの
製造を目的とするエチルベンゼンの製造の際に副生する
重質副生油留分中に含まれるジフェニルエタン、エチレ
ンジフェニルエタンを主として含む留分も使用すること
ができる。
本発明の方法に使用できる1,1−ジアリールエタンであ
って対称型の化合物の具体的例示としては、1,1−ジフ
ェニルエタン、1,1−ジトリルエタン、1,1−ジキシリル
エタン、1,1−ジ(エチルフェニル)エタン、1,1−ジ
(トリメチルフェニル)エタン、1,1−ジ(メチルエチ
ルフェニル)エタン、1,1−ジ(プロピルフェニル)エ
タン、1,1−ジ(テトラメチルフェニル)エタン、1,1−
ジ(ジメチルエチルフェニル)エタン、1,1−ジ(メチ
ルプロピルフェニル)エタン、1,1−ジ(ジエチルフェ
ニル)エタン、1,1−ジ(ブチルフェニル)エタン等が
挙げられる。
本発明の方法の工程(I)では、不活性気体を共存さ
せ、稀釈した状態で、酸触媒と接触させることが適当で
ある。不活性気体としては、水素、ヘリウム、アルゴ
ン、窒素、水蒸気等のような無機気体の他、メタン、エ
タン、プロパンなどの炭化水素など、酸触媒の酸活性を
阻害しないようなものであれば何れも使用することがで
きる。不活性気体は単独で使用してもよく、また適宜に
混合して使用してもよい。工業的には、不活性気体とし
ては水蒸気が取り扱い上好ましい気体である。不活性気
体による希釈は、(不活性気体/1,1−ジアリールエタ
ン)で表わされるモル比が50以上になるように希釈する
ことが好ましい。希釈のモル数の上限は特になく、希釈
する程好ましいが、実用上はモル比で500が上限であ
る。
接触させる酸触媒は、プロトン酸、固体酸、またはプロ
トン酸担持固体酸である。プロトン酸としては、燐酸、
硫酸、塩酸、およびケイタングステン酸、燐タングステ
ン酸などのヘテロポリ酸等の無機プロトン酸、ベンゼン
スルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機プロトン酸で
ある。固体酸としては、シリカアルミナ、シリカマグネ
シア、ゼオライトのような合成固体酸触媒、活性白土、
酸性白土、カオリン、アタパルジャイト等の天然固体酸
物質の他、シリカ、アルミナのように酸活性を持たな
い、無機多孔質担体に上記プロトン酸を含浸担持させた
プロトン酸担持固体酸触媒でもよい。
酸触媒と接触させる温度は、酸触媒の種類に応じて適宜
選択できるが、200℃〜650℃の範囲である。プロトン酸
との接触では、温度200℃〜350℃が好ましく、固体酸と
の接触では、温度300℃〜600℃が好ましい。
本発明の工程(I)の分解では、上記の稀釈条件および
温度条件下で、酸触媒と接触させて、1,1−ジアリール
エタンの分解を行なうものである。分解の方法は、酸触
媒の種類に応じて適宜選択できるが、装置の腐食や連続
化などを考慮すると、固体酸触媒またはプロトン酸担持
固体酸触媒による気相接触が好ましい。気相接触は、1,
1−ジアリールエタンが希釈された条件下で気相を維持
していれば、常圧、加圧、減圧の何れでもよい。更に反
応形態としては、固定床、移動床、流動床の何れを用い
てもよい。
工程(I)の分解反応を化学式で表わすと次のようにな
る。
Ar1−CH(CH3)−Ar2 右側で分解した場合; →Ar1−CH=CH2+H−Ar2 左側で分解した場合; →Ar1−H+CH2=CH−Ar2 従って、対称の1,1−ジアリールエタン、即ちAr1とAr2
とが同一の場合には、単一のアリールエチレン(Ar―CH
=CH2)と単一のアルキルベンゼン(Ar―H)とが得ら
れ、それ故に工業的には、対称の1,1−ジアリールエタ
ンを分解原料として用いる方が好ましい場合が多い。
本発明の方法における工程(II)は、分解工程(I)で
得られた反応混合物から、1,1−ジアリールエタンを主
として含む留分と、アリールエチレンを主として含む留
分と、アルキルベンゼンを主として含む留分とに分離す
る工程である。
分解工程(I)では、1,1−ジアリールエタンは全ては
分解せず、分解反応混合物中には目的物であるアリール
エチレンおよびアルキルベンゼンと共に未反応の1,1−
ジアリールエタンが残存している。工程(II)では、目
的物であるアリールエチレンを分離して、使用目的に応
じた純度にすることが重要である。これと共に、未反応
で存在する1,1−ジアリールエタンを再び分解できるよ
うに分離することも工業的実施では重要となる。
即ち分離工程(II)は、分解によって生成した一般式
(D)のAr1−Hおよび/または一般式(E)のAr2−H
であるアルキルベンゼン留分と、目的物である一般式
(B)のAr1−CH=CH2および/または一般式(C)Ar2
−CH=CH2であるアリールスチレン留分と、更に未反応
物として回収、再使用したい原料留分である、一般式
(A)のAr1−CH(CH3)−Ar2留分とに分離する工程であ
る。
分離の方法としては、従来から公知である物理的手段や
化学的手段などの何れも選択できる。例えば、物理的手
段としては、溶剤に対する溶解度や分配係数の相違を利
用する溶剤抽出分離手段、吸着性の相違を利用する吸着
分離手段、融点や凝固点の相違を利用する晶析分離手
段、沸点の相違を利用する蒸留分離手段などが応用でき
る。
これらの手段の内、蒸留分離手段、特に減圧蒸留手段が
操作の容易さから実際上は好ましい分離手段である。ま
た、本発明の工程(I)で得られる反応混合物中のアル
キルベンゼン、アリールエチレンおよび1,1−ジアリー
ルエタンは、通常の蒸留手段で容易に分離できる。蒸留
操作においては、目的物が熱重合し易いアリールエチレ
ンであるため、減圧において操作する減圧蒸留が好まし
い。
しかしながら、炭数数5以上のアルキル基を有するアリ
ールエチレンまたは炭素数の合計が5以上となるアルキ
ル基を有するアリールエチレンの場合には、蒸留圧力を
低くしても、沸点が高く、熱重合によるロスが多くな
る。即ち、このような高級アルキルスチレンは有利な蒸
留分離手段が利用できないので好ましくない。
本発明者らは、分離された未反応の1,1−ジアリールエ
タンを主として含む留分を、そのまま工程(I)におい
て分解すると、分解触媒の経時的劣化が速いことに加え
て、ここで得られたアリールエチレンの性状が実際の使
用面では好ましくないものであることを見出し、本発明
を完成したものである。
即ち、工程(I)における分解工程では、微量ではある
が、1,1−ジアリールエタンにおける同一の炭素に2個
のアリール基が付いたエタン部分が、分解触媒により脱
水素を受け、次式で示すように、オレフィンに変換さ
れ、ジアリールエチレンが副生することを避け得ないこ
とが明らかとなった。
Ar―CH(CH3)−Ar →Ar―C(=CH2)−Ar 更に、上記の副生するジアリールエチレンは沸点が接近
しているので、通常の分離手段、例えば蒸留分離手段で
は、実際上の未反応の1,1−ジアリールエタンと分離す
ることは不可能である。しかるに、前述のように、分離
工程(II)で回収された1,1−ジアリールエタンを主と
して含む留分をそのまま再び分解工程(I)の分解原料
として使用する場合には、得られた目的物たるアリール
エチレンの性状が使用目的に適応しない。
本発明者らは、このような回収1,1−ジアリールエタン
留分を更に再使用するための検討を重ねた結果、この留
分中に含まれるジアリールエチレンを水素添加により1,
1−ジアリールエタンに変換させれば、分解触媒の経時
的劣化を起こすことなく、再度工程(I)の分解原料と
して支障なく再使用できることを見出した。
本発明の方法における工程(III)は、分離工程(II)
で得られた、1,1−ジアリールエタンを主として含む留
分を、水素の存在下に水素添加触媒と接触させて水素添
加処理し、工程(II)で副生したジアリールエチレンを
オレフィン部分を水素添加してパラフィンにする工程で
ある。ここでは、1,1−ジアリールエタン中に存在する
芳香族環が水素化されてシクロヘキシル環にならないよ
うな条件を選択することが重要である。
従って、水素添加触媒は、エチレン性炭素−炭素不飽和
二重結合は水素添加し、芳香族環の核水素化には不活性
な水素添加触媒であれば、公知の水素添加触媒の中から
適宜に選択できる。具体例としては、Pd、Rh、Pt、Ni系
の金属を含む金属触媒が挙げられる。これらの金属触媒
は、シリカ、シリカアルミナまたは炭素等の適宜の担体
上に担持させても使用できる。水素化反応条件は、芳香
族環を水素化しない条件であればよく、種々の副生物が
副生するので、水素添加の程度の指標としては、臭素価
で1.0以下、好ましくは0.5以下となるように水素添加す
ればよい。水素添加温度は常温から300℃まで、反応圧
は常圧から300kg/cm2までが好適である。
工程(III)の水素添加処理により得られた1,1−ジアリ
ールエタンを主として含む留分を工程(I)に戻して再
度分解して得られるアリールエチレンは、それを使用す
る目的に対して充分満足し得る性状である。
工程(III)の処理は、工程(II)で得られた1,1−ジア
リールエタンを主として含む留分単独に対して行なって
もよい。また、工程(I)に供給するための新たな1,1
−ジアリールエタンと、工程(II)で得られた1,1−ジ
アリールエタンを主として含む留分とを混合した後で、
工程(III)の処理を行なってもよい。何れにしても、
水素添加して得られた留分は、前記工程(I)の分解工
程に戻され、再度同様に分解され、また、得られる反応
生成物も同様なものとなる。
なお、本発明の方法は、各工程毎に行なうことも、また
全体として連続して行なうこともできる。また、何れか
もしくは全ての工程をバッチ式で行なうこともできる。
[発明の効果] 本発明の方法は、1,1−ジアリールエタンを分解し高純
度のアリールエチレンを製造する方法において、分解触
媒の経時変化がない。それ故に、未反応原料を再使用で
き、その結果この方法を工業的に、かつ経済的に実施す
ることが可能である。
例えば、本発明により製造されるアリールエチレンは高
純度であるから、ラジカル重合または共重合のモノマー
として好適に使用でき、更に、遷移金属錯体触媒の存在
下におけるブドロフォルミル化反応やヒドロエステル化
反応等の原料にも好適に使用し得る。
以下、実施例によって本発明を更に説明する。実施例1:
1,1−ジフェニルエタンの分解によるスチレンの合成 工程(I):分解反応 15から25メッシュに揃えた日揮化学社製シリカアルミナ
触媒N−631−L(商品名)を内径12mmのステンレス鋼
製の反応管に高さ135mm充填した。これを電気炉により
温度500℃に加熱し、臭素価0.020の1,1−ジフェニルエ
タンを15ml/hr、水を150ml/hrで連続的に供給して分解
を行なった。反応器出口を冷却した後、油層を分離しガ
スクロマトグラムで分析した。分析結果を次に示す。
ガスクロマトグラム分析結果−1 軽質留分 1.9重量% ベンゼン留分 18.8重量% エチルベンゼン留分 1.5重量% スチレン留分 23.0重量% 未反応1,1−ジフェニルエタン留分 53.9重量%重質留分 0.9重量% 平均分解率 45.6% 工程(II):分解 分解工程(I)で得られた分解生成物を通常の蒸留条件
下で精密蒸留して(以下蒸留については同様)、30mmHg
〜35mmHgの減圧下で留出温度範囲54℃〜58℃のスチレン
留分(回収率85%)(スチレンを主とする留分、以下同
様)と留出温度範囲148℃〜155℃の未反応1,1−ジフェ
ニルエタン回収留分(回収率93%)とを得た。
回収された1,1−ジフェニルエタン留分の臭素価は2.37
であり、質量分析によると、m/e=180(1,1−ジフェニ
ルエタンのm/e=182)である成分の含有量は2.5%であ
った。
工程(III):水素添加処理 20〜25メッシュに揃えた日産ガードラー社製パラジウム
触媒G−68B(商品名)を内径10mmのステンレス鋼製の
反応管に高さ80mm充填した。これを電気炉により温度18
0℃に加熱し、分離工程(II)で得られた1,1−ジフェニ
ルエタン留分を10ml/hr、水素200ml/hrで供給して水素
添加処理を行なった。この水素添加処理は圧力12kg/cm2
で行なった。
処理された1,1−ジフェニルエタン留分の臭素価は0.17
であり、質量分析によるm/e=180の成分の含有量は0.5
%以下であった。
実施例2:水素処理1,1−ジフェニルエタン留分の分解 実施例1の工程(III)で水素添加処理された1,1−ジフ
ェニルエタン留分を、実施例1の工程(I)と同様にし
て分解し、実施例1の分離工程(II)と同様に精密蒸留
して、スチレン留分と1,1−ジフェニルエタン留分とを
回収した。各留分の回収率は、実施例1とほぼ同様であ
った。反応生成物の分析結果を次に示す。
ガスクロマトグラム分析結果−2 軽質留分 2.1重量% ベンゼン留分 19.6重量% エチルベンゼン留分 1.3重量% スチレン留分 21.5重量% 未反応1,1−ジフェニルエタン留分 54.3重量%重質留分 1.2重量% 平均分解率 45.0% 回収された1,1−ジフェニルエタンの臭素価は2.54であ
り、質量分析によるm/e=180の成分の含有量は2.5%で
あった。
比較例1:1,1−ジフェニルエタンの回収留分の再分解 実施例1の工程(II)で回収された1,1−ジフェニルエ
タン留分をそのまま即ち水素添加処理することなく、実
施例1の工程(I)と同様にして分解し、実施例1の工
程(II)と同様に精密蒸留して、スチレン留分と1,1−
ジフェニルエタン留分とを得た。各留分の回収率は、実
施例とほぼ同様であった。反応生成物の分析結果を次に
示す。
ガスクロマトグラム分析結果−3 軽質留分 1.5重量% ベンゼン留分 14.3重量% エチルベンゼン留分 1.2重量% スチレン留分 16.6重量% 未反応1,1−ジフェニルエタン留分 65.6重量%重質留分 0.8重量% 平均分解率 33.9% 回収された1,1−ジフェニルエタンの臭素価は4.22であ
り、質量分析によるm/e=180の成分の含有量は4.7%で
あった。
実施例1、2および比較例1の分解率の経時変化を比較
すると次の通りである。
(実施例1の各経過時間における分解率を100としたと
きの各々の分解率の比率) 実施例3:1,1−ジ(オルトキシリル)エタンの分解によ
るジメチルスチレンの製造 オルトキシレンとアセトアルデヒドとを硫酸触媒によっ
て反応させた。3〜5mmHgの減圧度における留出温度146
〜151℃の1,1−ジ(オルトキシリル)エタン留分(臭素
価=0.27)について、実施例1と同様に分解工程(I)
および分離工程(II)を行なった。平均分解率は47.3%
であった。
分解生成物を精密蒸留して10mmHg〜12mmHgの減圧におけ
る留出温度67〜70℃のジメチルスチレン留分を78%の回
収率で、および2mmHg〜3mmHgの減圧における留出温度12
9〜137℃の1,1−ジ(オルトキシリル)エタン留分を91
%の回収率で得た。回収した1,1−ジ(オルトキシリ
ル)エタン留分の臭素価は2.17であり、質量分析の結果
m/e=236[1,1−ジ(オルトキシリル)エタンのm/e=23
8]の成分が3.0%含まれていた。
回収された1,1−ジ(オルトキシリル)エタンを実施例
1の工程(III)と同様にして水素添加処理を施し、臭
素価0.21の処理留分を得た。
実施例4:水素化処理回収品によるジメチルスチレンの製
造 実施例3で得られた水素化処理1,1−ジフェニルエタン
留分を、実施例1の分解工程(I)と同様にして分解し
(平均分解率46.9%)、精密蒸留によって76%の回収率
でジメチルスチレン留分と回収率89%の1,1−ジ(オル
トキシリル)エタン留分とを得た。
回収された1,1−ジ(オルトキシリル)エタン臭素価は
2.65であり、質量分析によるm/e=236の成分の含有量は
3.5%であった。
比較例2:未処理品によるジメチルスチレンの製造 実施例3の精密蒸留によって回収した1,1−ジ(オルト
キシリル)エタン留分を、そのまま実施例1と同様にし
て分解し(平均分解率32.1%)、分解生成物を同様に精
密蒸留してジメチルスチレン留分と1,1−ジ(オルトキ
シリル)エタン留分とを得た。各留分の回収率は実施例
3とほぼ同様であった。
回収された1,1−ジ(オルトキシリル)エタンの臭素価
は4.37であり、質量分析によるm/e=236の成分の含有量
は4.5%であった。
実施例5:1,1−ジ(t−ブチルフェニル)エタンの分解
によるt−ブチルスチレンの製造 t−ブチルベンゼンとアセトアルデヒドとを硫酸触媒に
よって反応させて得た、2mmHg〜3mmHgの減圧における留
出温度160℃〜166℃の1,1−ジ(t−ブチルフェニル)
エタン留分(臭素価=0.17、沸点=96℃〜97℃)につい
て、実施例1と同様に分解工程(I)(平均分解率は4
0.8%)および分離工程(II)を行なった。
分解生成物を精密蒸留して、6mmHg〜8mmHgの減圧におけ
る留出温度79℃〜83℃のt−ブチルスチレン留分を73%
の回収率で、および2mmHg〜3mmHgの減圧における留出温
度159℃〜166℃の1,1−ジ(t−ブチルフェニル)エタ
ン留分を92%の回収率で得た。回収した1,1−ジ(t−
ブチルフェニル)エタン留分の臭素価は2.17であり、質
量分析の結果、m/e=292[1,1−ジ(t−ブチルフェニ
ル)エタンのm/e=294]の成分が4.0%含まれていた。
回収された1,1−ジ(t−ブチルフェニル)エタン留分
を実施例1と同様にして水素添加処理をして臭素価0.18
の処理された留分を得た。
実施例6:水素添加処理回収品によるt−ブチルスチレン
の製造 実施例5で得られた水素添加処理1,1−ジ(t−ブチル
フェニル)エタン留分を、実施例1の分解工程(I)と
同様にして分解し(平均分解率38.9%)、精密蒸留によ
って74%の回収率でt−ブチルスチレン留分と回収率89
%の1,1−ジ(t−ブチルフェニル)エタン留分とを得
た。
回収された1,1−ジ(t−ブチルフェニル)エタンの臭
素価は1.98であり、質量分析によるm/e=292の成分の含
有量は3.5%であった。
比較例3:未処理によるt−ブチルスチレンの製造 実施例5の精密蒸留によって回収された1,1−ジ(t−
ブチルフェニル)エタン留分をそのまま実施例1と同様
にして分解(平均分解率27.2%)、分解生成物を同様に
精密蒸留してt−ブチルスチレン留分と1,1−ジ(t−
ブチルフェニル)エタン留分とを得た。各留分の回収率
は、実施例5とほぼ同様であった。
回収された1,1−ジ(t−ブチルフェニル)エタンの臭
素価は3.81であり、質量分析によるm/e=292の成分の含
有量は7.5%であった。
実施例7:スチレン類との共重合及び樹脂膜の製造および
耐候性の比較 実施例1から実施例6、および比較例1から比較例3の
それぞれで得られた各スチレン類留分を各々重合し、樹
脂膜を製造し耐候性の比較を行なった。
得られた各スチレン類留分に重合開始剤としてジ−t−
ブチルパーオキシドを添加して温度60℃に加温し、12時
間加温放置し樹脂状物を得た。
得られた樹脂をベンゼンに溶解して、ガラス板に0.2mm
の厚さになるように塗布し、温度65℃の恒温槽で4時間
乾燥しガラス板に塗布した樹脂膜を得た。
各スチレン留分について3枚の樹脂膜を、温度70℃で紫
外線照射しながら樹脂表面の変化の様子を観察し、樹脂
膜の耐候性を比較した。表面の変化については、樹脂膜
の着色、樹脂膜表面におけるヒビ割れを目視により観察
した。
実施例8:スチレン留分のカルボニル化反応 実施例1から実施例6、および比較例1から比較例3で
得られた各スチレン留分についてカルボニル化反応を行
なった。
内容積250mlの攪拌機付耐圧反応器に、30gのスチレン留
分および40gのトルエンを入れ、温度60℃に保ち、水素
と一酸化炭素の等モル混合ガスで70kg/cm2まで加圧し、
16時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し残存混
合ガスを放出し、内容物をガスクロマトグラムで分析し
反応率を比較した。
触媒として、スチレン留分に対して0.0001モルのロジウ
ムヒドリドカルボニルトリストリフェニルホスフィンお
よび0.001モルのトリフェニルホスフィンを用いた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07B 61/00 300

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の工程(I)、工程(II)、工程(II
    I)および工程(IV)からなるアリールエチレンの製造
    方法。 工程(I):一般式(A)で表わされる1,1−ジアリー
    ルエタンを、不活性気体の存在下に酸触媒と接触させ、
    一般式(B)および/または一般式(C)で表わされる
    アリールエチレンと、一般式(D)および/または一般
    式(E)で表わされるアルキルベンゼンとに分解する工
    程、 工程(II):上記分解工程(I)で得られた反応混合物
    から、一般式(A)で表わされる1,1−ジアリールエタ
    ンを主として含む留分と、一般式(B)および/または
    一般式(C)に表わされるアリールエチレンを主として
    含む留分と、一般式(D)および/または一般式(E)
    で表わされるアルキルベンゼンを主として含む留分とに
    分離する工程、 工程(III):上記分離工程(II)で得られた、一般式
    (A)で表わされる1,1−ジアリールエタンを主として
    含む留分を、水素の存在下に水素添加触媒と接触させ水
    素添加処理する工程、および 工程(IV):上記水素添加処理工程(III)で得られた
    水素添加処理済みの留分を前記分解工程(I)に戻し再
    分解する工程。 一般式(A) Ar1−CH(CH3)−Ar2 一般式(B) Ar1−CH=CH2 一般式(C) Ar2−CH=CH2 一般式(D) Ar1−H 一般式(E) Ar2−H 上記一般式(A)、(B)、(C)、(D)および
    (E)において、Ar1およびAr2は、水素原子または炭素
    数4以下の1個もしくは複数個の同一もしくは異なるア
    ルキル基を有し、当該アルキル基の炭素数の合計が4以
    下であるフェニル基またはアルキルフェニル基であり、
    Ar1およびAr2は同一でも異なるものでもよい。
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