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JPH0721140B2 - バラスト固着用薬液 - Google Patents
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JPH0721140B2 - バラスト固着用薬液 - Google Patents

バラスト固着用薬液

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JPH0721140B2
JPH0721140B2 JP3063588A JP6358891A JPH0721140B2 JP H0721140 B2 JPH0721140 B2 JP H0721140B2 JP 3063588 A JP3063588 A JP 3063588A JP 6358891 A JP6358891 A JP 6358891A JP H0721140 B2 JPH0721140 B2 JP H0721140B2
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ballast
emulsion
weight
chemical liquid
chemical
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章義 山本
千秋 吉川
和彦 中村
賢二 宮田
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Nippon Shokubai Co Ltd
West Japan Railway Co
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Nippon Shokubai Co Ltd
West Japan Railway Co
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鉄道線路の道床バラ
ストなど、バラストを固着するために用いられる薬液に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄道線路としては、路盤上に砕石
や砂利等のバラストで作られた道床を置き、さらにその
上に枕木を置いてレールを締結した構造を持つもの、い
わゆる有道床軌道が大部分を占めている。前記バラスト
で作られた道床には、枕木から伝わる列車加重を分散し
て下部の路盤に伝えたり、列車通過時の振動を吸収した
りする役割がある。
【0003】しかし、バラストを用いた道床には、たと
えば、下記〜の問題があった。 バラスト崩れ…道床は、列車の通過により数10H
z以上の振動を繰り返し受けている。この振動により、
バラストの圧密状態が弛緩して崩れてくるため、補修作
業を行う必要がある。特に、線路の曲線部分において
は、列車の走行安全性を保持するために、外側のレール
を内側のレールより高くした「カント」をつけているの
で、前記のような振動を受けた砕石等が線路外側の高い
部分から線路内側の低い部分へ移動して、バラストが経
時的に崩れてくる。その結果、枕木の列車横圧に対する
抵抗力が減少して、危険な状態になる。このため、平坦
部では、通常1年以上の間、補修の必要がないのに対
し、曲線部では、短期間での補修が必要となる。また、
バラスト軌道は、列車の通過に伴い、軌道ぐるいが発生
するため、スラブ軌道等のコンクリート道床に比べ、短
期間で補修作業が必要となる。
【0004】 雪害によるバラスト飛散…冬季に積雪
等のある寒冷地では、列車に雪塊(氷塊)が付着するこ
とが多い。列車に付着した雪塊(氷塊)は、温暖地への
列車の移動に伴って融解し落下して、バラストに衝突す
る。特に、列車走行時であれば、その衝撃は、一時的で
はあるが極めて大きいものであるため、バラストが飛散
して周辺の民家や駐車中の自動車等に被害を与える。
【0005】 風圧によるバラスト飛散…列車が高速
(たとえば、時速200km以上)で道床上を通過する
場合、道床の表層部分が、列車の風圧で浮き上がり、真
上を通過している列車に衝突して、砕石等が飛散する。
この飛散した砕石等は、通過中の列車と同程度の速度を
有しているため、沿線の民家や駐車中の自動車等に被害
を与えたり、ホーム上で列車を待つ乗客や線路を点検す
る保線従事者等に危害を与えたりする危険性がある。
【0006】従来、このような道床の問題を解消するた
めの方法としては、たとえば、下記(1)〜(3)の方
法があった。 (1)ゴムラテックス、合成樹脂、およびセメントを混
合した薬液を散布してバラストを固結することによっ
て、バラスト飛散を防止したり、バラスト道床を強化し
たりする方法(特開昭49−32306号公報、特開昭
52−16810号公報等参照)。
【0007】(2)バラスト飛散防止用にネットを張る
方法。 (3)バラストを用いずに、コンクリートやアスファル
トを用いて道床を形成する方法。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記(1)
の方法は、セメント硬化速度制御の困難さ、コストの高
さ、薬液散布後のセメントの硬さによるバラストの保線
作業の困難さ、等の理由から、現在ほとんど行われてい
ない。また、前記(2)の方法は、ネットを張ったり除
去したりする作業の困難さ、コストの高さ、列車のネッ
ト巻き込みによる事故発生の危険性、等の理由から、一
部にしか行われていない。
【0009】また、前記(3)の方法は、コストが非常
に高いため、ごく一部にしか行われていない。このよう
な事情に鑑み、この発明は、バラストを用いた道床の列
車加重分散性、振動吸収性、多孔性、排水性、等を阻害
することなく、バラスト崩れ、雪害や風圧によるバラス
ト飛散、等を防止することができるとともに、散布作業
が容易で安価であり、バラストの突き固め、掻き崩し、
掻き均し等の保線作業にも支障のない程度の固着力を有
する皮膜を形成することができるバラスト固着用薬液を
提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、この発明にかかるバラスト固着用薬液(以下、これ
を単に「薬液」と称することがある。)は、樹脂エマル
ジョンからなるバラスト固着用薬液であって、粘度が5
00cps以下、不揮発分濃度が10重量%以上、成膜
後のフィルムの水への溶出率が5重量%以下であること
を特徴とするものである。
【0011】この発明の薬液は、樹脂エマルジョンから
なるものであることが必要である。そして、この樹脂エ
マルジョンの分散媒は、環境公害等の面から、水である
ことが必要である。この発明の薬液の使用方法として
は、特に限定はされないが、通常は、如雨露や散布機等
を用い、薬液を霧化してバラスト上に散布し、薬液をバ
ラスト間に浸透させた後、自然乾燥させて成膜させるこ
とにより、バラスト同士を固着させる方法が採られる。
特に、バラスト崩れを防止するためには、薬液を、道床
の奥深くのバラストにまで浸透させて、バラストを固着
させることが好ましい。ただし、風圧または雪害による
バラスト飛散を防止するためには、薬液は、道床全体に
浸透させなくても構わない。道床の表層部のバラストに
だけ薬液を浸透させて、バラストを固着させても、風圧
または雪害によるバラスト飛散の防止効果を充分得るこ
とができるとともに、低コスト化が図れるからである。
【0012】この発明の薬液は、このようにして使用さ
れるため、薬液の散布作業が容易であること、すなわ
ち、薬液の、散布性、バラスト間への浸透性、および乾
燥性が良いことが必要である。薬液の、散布性、バラス
ト間への浸透性、および乾燥性には、薬液(樹脂エマル
ジョン)の物性、たとえば、粘度、不揮発分濃度、平均
粒子径、等が大きな影響を与える。
【0013】薬液の粘度は、500cps以下であるこ
とが必要である。粘度が500cpsを超える場合は、
薬液の霧化が起こりにくいため、バラスト上に薬液を均
一に散布することが困難になる。また、バラスト崩れを
防止する用途に使用する場合は、散布後の薬液が道床の
奥深くまで浸透しにくいため、バラストの固着層が表面
付近だけになるが、バラストの固着層が表面付近だけで
あると、列車の振動によりバラストが道床内部から崩れ
やすくなるため、バラスト崩れの防止効果が小さくなる
からである。
【0014】なお、特に、風圧によるバラスト飛散を防
止するためには、薬液の粘度は、20cps以下である
ことが好ましい。このようにすれば、バラストに付着し
た薬液がバラスト同士の接触点に集まり、効率がよくな
るため、コストが低くなるからである。薬液の不揮発分
濃度は、薬液全体に対して10重量%以上であることが
必要であり、12重量%以上であることが好ましい。不
揮発分濃度が10重量%未満である場合は、分散媒であ
る水の量が多くなり過ぎ、乾燥性が悪くなるとともに、
乾燥後、バラストへの樹脂付着量が少なくなり過ぎ、所
望の防止効果が得られないからである。また、不揮発分
濃度が高くなり過ぎると、コストが高くつくとともに、
粘度が高くなり、散布性や浸透性が悪くなるので、不揮
発分濃度の上限は、50重量%であることが好ましい。
不揮発分濃度は、特に、バラスト崩れを防止するために
は、15〜50重量%程度が好ましく、雪害によるバラ
スト飛散を防止するためには、30〜50重量%程度が
好ましく、風圧によるバラスト飛散を防止するために
は、12〜35重量%程度が好ましい。なお、この明細
書において、「〜」は、「以上以下」を表す。
【0015】薬液の平均粒子径は、薬液の乾燥性と粘度
に影響を与える。一般的には、平均粒子径が小さい程、
乾燥性が良くなる反面、粘度が高くなり、薬液の散布性
や浸透性が悪くなる。そのため、薬液の平均粒子径は、
特に、バラスト崩れ、あるいは、雪害によるバラスト飛
散を防止するためには、50〜300nm程度が好まし
く、また、風圧によるバラスト飛散を防止するために
は、50〜200nm程度が好ましい。
【0016】このような薬液をバラスト上に散布し、乾
燥、成膜させた後のフィルム(以下、これを「バラスト
固着フィルム」と称する。)の物性については、一般
に、水への溶出率が低いことが必要であり、低温成膜
性、等に優れていることが好ましい。特に、バラスト崩
れを防止するためには、再粘着性等に優れていることが
好ましい。雪害によるバラスト飛散を防止するために
は、低温での可撓性(柔軟性)や強度等に優れているこ
とが好ましい。また、風圧によるバラスト飛散を防止す
るためには、強度、硬さ等に適度に優れていることが好
ましい。
【0017】バラスト固着フィルムの、水への溶出率
は、5重量%以下であることが必要である。溶出率が5
重量%を超える場合は、バラスト固着フィルムから、雨
等により多量の樹脂が溶出して所望の防止効果が失われ
るからである。バラスト固着フィルムの強度、硬さ、柔
軟性や再粘着性の目安となる因子としては、ガラス転移
温度がある。ガラス転移温度は、ポリマーを加熱した場
合に、ポリマーがガラス状の硬い状態からゴム状の粘っ
こい状態に変わる現象の起こり始める温度である。ポリ
マーの構造因子である成分x1 ,x2 ,…,xn のガラ
ス転移温度がそれぞれのホモポリマーのガラス転移温度
として既知であれば、ポリマーのガラス転移温度(T
g;単位℃)は、重量分率法により下記式(c)から求
めることができる。
【0018】 1/(Tg+273)=W1/(Tg1+273)+W2/(Tg2+273)+ … + Wn /(Tgn + 273) (c) 〔式中、W1, W2, …, Wn はそれぞれ成分x1 ,x2
…,xn の重量分率を表し、Tg1, Tg2, …, Tgn はそれ
ぞれ成分x1 ,x2 ,…,xn のガラス転移温度(℃)
を表す。〕バラスト崩れを防止するためには、個々のバ
ラストが列車の振動で分離しても、他のバラストとの接
触によって再粘着することが望ましい。そのため、バラ
スト崩れを防止するためには、フィルムのガラス転移温
度は、−45〜+10℃であることが好ましい。ガラス
転移温度が−45℃未満である場合は、乾燥後のフィル
ム強度が低くなるとともに、バラスト固着力が著しく低
下するからである。また、ガラス転移温度が+10℃を
超える場合は、粘着力が不足し、バラスト分離後は再粘
着しなくなるため、崩れ防止効果の持続効果が小さくな
るからである。
【0019】雪害によるバラスト飛散を防止するために
は、バラスト固着フィルムが、低温での強度や可撓性
(柔軟性)に優れていることが好ましい。そのため、雪
害によるバラスト飛散を防止するためには、フィルムの
ガラス転移温度は、−30〜+20℃であることが好ま
しい。ガラス転移温度が−30℃未満である場合は、フ
ィルム強度が弱くなるため、氷塊が衝突した際、バラス
トがバラバラになり飛散しやすくなるからである。ま
た、ガラス転移温度が20℃を超える場合は、低温での
可撓性が不足してフィルムが脆くなり、バラストの固着
力が低下するとともに、成膜温度が高くなるため、成膜
助剤としての有機溶剤が多量に必要となり、その結果、
コスト高および環境公害につながるからである。
【0020】風圧によるバラスト飛散を防止するために
は、バラスト固着フィルムが、列車高速走行時の風圧で
バラストの表層部が浮き上がらず、巡回や保守時に踏み
荒らされても防止効果が持続し、かつ保線作業に支障の
ない程度の強度と硬さを持つことが好ましい。したがっ
て、風圧によるバラスト飛散を防止するためには、フィ
ルムのガラス転移温度は、−20〜+20℃であること
が好ましい。ガラス転移温度が−20℃未満である場合
は、乾燥後のフィルム強度が低くバラスト固着力が著し
く低下するだけでなく、フィルムが粘着性を有するた
め、バラスト上歩行時に靴底に付着し、作業に支障をき
たすからである。また、ガラス転移温度が+20℃を超
える場合は、成膜温度が高くなるため、成膜助剤として
の有機溶剤が多量に必要となり、その結果、コスト高お
よび環境公害につながるからである。
【0021】また、通常の保線作業は、夜間に行われる
ことが多い。特に、雪害防止対策としての保線作業は、
通常、11〜12月に行われる。この点に留意すると、
フィルムの低温成膜性が重要になる。そのため、夜間作
業時の気温が10℃以下でも支障のないように、最低成
膜温度は0℃以下であることが好ましい。なお、最低成
膜温度が0℃を超える場合は、少量の成膜助剤を添加す
ることによって、最低成膜温度を0℃以下として使用し
ても何ら支障はない。
【0022】この発明にかかる薬液は、前述したよう
に、樹脂エマルジョンであることが必要である。そし
て、この樹脂エマルジョンは、特に限定されるわけでは
ないが、下記単量体(A)と(B)を下記所定量含むビ
ニル系単量体混合物の共重合体のエマルジョンであるこ
とが好ましい。 (A)下記一般式(a)で表される1種または2種以上
の(メタ)アクリル酸エステル30重量%以上。
【0023】
【化5】
【0024】(B)下記一般式(b−1)、(b−
2)、または(b−3)で表される1種または2種以上
の親水性単量体0.1〜15重量%。
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】〔前記式(a)、(b−1)、(b−
2)、および(b−3)中、R1 はHまたはCH3 を表
し、R2 は炭素数1〜12のアルキル基を表し、R3
HまたはCOOHを表し、R4 はHまたはCH2 OHを
表す。〕前記(A)の、炭素数1〜12のアルキル基を
有する(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、
特に限定はされないが、たとえば、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アク
リル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸
ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル
酸ラウリル、等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エス
テルは、1種のみ用いてもよいし、あるいは、2種以上
を併用してもよい。また、(メタ)アクリル酸エステル
は、ビニル系単量体混合物中、30重量%以上用いられ
ることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルの使用
量が30重量%未満である場合は、実用上好ましい柔軟
性を持つフィルムを得ることができないからである。
【0029】上記(B)の親水性単量体は、重合安定性
の付与、およびエマルジョン散布時の安定性向上を目的
として用いるものである。その具体例としては、特に限
定はされないが、たとえば、アクリル酸、メタクリル
酸、フマル酸、マレイン酸、アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、N−メチロールアクリルアミド,N−メチロ
ールメタクリルアミド、アクリル酸2−ヒドロキシルエ
チル、メタクリル酸2−ヒドロキシルエチル、等が挙げ
られる。親水性単量体は、1種のみ用いてもよいし、あ
るいは、2種以上を併用してもよい。また、親水性単量
体は、ビニル系単量体混合物中、0.1〜15重量%用
いられることが好ましく、1〜10重量%用いられるこ
とがより好ましい。親水性単量体の使用量が0.1重量
%未満である場合は、安定なラテックスが得られず、ま
た、親水性単量体の使用量が15重量%を越える場合
は、水溶性部分が多くなり、エマルジョンの増粘や溶出
率の増加が著しくなるため、好ましくないからである。
【0030】前記ビニル系単量体混合物中には、前記単
量体(A)および(B)とともに、(A)、(B)以外
のビニル系単量体(C)が含まれていてもよい。このビ
ニル系単量体(C)としては、特に限定はされないが、
たとえば、エチレン、ブタジエン、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン、塩化ビニル等の非架橋型単量体や、メタクリ
ル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル等の架橋型単量
体を挙げることができる。ビニル系単量体(C)は、1
種のみ用いてもよいし、あるいは、2種以上を併用して
もよい。また、ビニル系単量体(C)の使用量は、ビニ
ル系単量体混合物全体に対して、60重量%以下である
ことが好ましい。その使用量が60重量%を超える場合
は、バラスト固着フィルムの耐候性や柔軟性等のバラン
スが悪くなり、実用上好ましくないからである。
【0031】この発明にかかる薬液である樹脂エマルジ
ョンを得る方法としては、特に限定されず、従来の樹脂
エマルジョンを得る方法と同様の方法を用いることがで
きる。たとえば、単量体を水中で乳化重合させるように
してもよいし、あるいは、単量体を乳化重合以外の重合
法により重合させてポリマーを得た後、そのポリマーを
水中に乳濁させるようにしてもよい。単量体を重合させ
る際の温度等も、特に限定されない。必要に応じては、
重合開始剤や乳化剤等を適宜用いてもよい。
【0032】また、エマルジョンの粘度や不揮発分濃度
等の調整の時期は、特に限定されない。たとえば、乳化
重合法により樹脂エマルジョンを作製する場合、乳化重
合終了後、何も操作を加えなくても所望の粘度や不揮発
分濃度等を有するエマルジョンが得られるような量の水
や単量体をあらかじめ用いて乳化重合を行うようにして
もよいし、あるいは、乳化重合終了後に得られたエマル
ジョンを濃縮または希釈することによって、その粘度や
不揮発分濃度等を所望の値に調整するようにしてもよい
のである。
【0033】なお、この発明の薬液には、性能上問題な
ければ、必要に応じてトナーや顔料等が添加されていて
も構わない。
【0034】
【作用】バラストに散布する薬液として、特定の物性を
有する樹脂エマルジョンを用いるようにすると、バラス
トを用いた道床の列車加重分散性、振動吸収性、多孔
性、排水性、等を阻害することなく、バラスト崩れ、雪
害や風圧によるバラスト飛散、等を防止することが可能
になるとともに、散布作業が容易で安価になり、バラス
トのつき固め、掻き崩し、掻き均し等の保線作業にも支
障のない程度の固着力を有する皮膜を形成することが可
能になる。
【0035】
【実施例】以下に、この発明の実施例および比較例を示
すが、この発明は、下記実施例に限定されない。なお、
各例中、「部」および「%」は重量基準である。各例に
おいて、各種の評価は以下の方法で行った。不揮発分の
測定:エマルジョン約1gを重量既知のアルミ皿に秤り
取り、105℃の熱風乾燥機で2時間乾燥し、冷却後、
重量を測定した。下記式(d)より、不揮発分濃度を算
出した。
【0036】不揮発分濃度(%)={(乾燥後重量−ア
ルミ皿重量)/(エマルジョン重量)}×100
(d) 粘度の測定:エマルジョンの入った容器を25℃の恒温
槽中に2時間以上放置後、ブルックフィールド型回転粘
度計(東京計器社製;BM型、回転数30回転)を用い
て測定した。 平均粒子径の測定:サブミクロン粒子径アナライザー
(野崎産業、NICOMP MODEL 370) を用いて測定した。 最低成膜温度の測定:熱勾配試験器(日本理化試験器社
製)を用いて測定した。 フィルムでの溶出率の測定:ガラス板上にwet250
ミクロンでエマルジョンを塗布し、室温で1日乾燥後、
4×4cmのフィルムを切り取り、その重量を測定した。
この試験片を200mlの脱イオン水に1週間浸漬し、フ
ィルムを取り出した後、浸漬水をアルミ皿に入れ、10
0℃で乾燥し、残分の重量を測定した。そして、下記式
(e)に従って、溶出率を算出した。
【0037】溶出率(%) ={(浸漬水乾燥残分)/
(フィルム重量)}×100 (e) エマルジョンの散布試験:如雨露に各エマルジョン50
0gを入れ、砂利上に散布し(散布面積1m2)、霧化の
しやすさと、砂利表面の濡れやすさを、下記に従って判
定した。ただし、使用した砂利は、30〜80g/個の
重さを有する砕石であった。
【0038】○…霧化しやすく、砂利表面が均一に濡れ
た。 △…霧化しやすいが、砂利表面の濡れ方に斑があった。 ×…霧化しにくく、砂利表面の濡れ方に斑があった。 エマルジョンの乾燥性試験:前述の散布試験を行った
後、砂利表面の樹脂が乾燥するまでの時間を測定し、下
記のように評価した。
【0039】○…1時間経過時に乾燥していた。 △…1時間30分経過時に乾燥していた。 ×…2時間経過時に、まだ乾燥していなかった。 バラスト崩れの防止試験:傾斜の急な場所で通常1週間
程度で保線作業が必要な区間を選定し、その区間にエマ
ルジョンを散布して、バラストの経時的状況を2ヶ月間
にわたって観察した。その間、3日目に1回降雨を見、
1ヶ月内にさらに2回の降雨があり、2ヶ月目に2回降
雨があった。その結果は、下記に従って評価した。
【0040】○…2カ月経過してもほとんど崩れなかっ
た。 △…1カ月経過時で保線作業が必要となった。 ×…1週間経過時で保線作業が必要となった。 雪害によるバラスト飛散の防止試験:バラストを用いた
軌道内に、各種薬液を散布した。1週間後、「空気砲」
を用いて、雪害防止効果の確認試験を行った。その際、
弾として約1kgの氷塊を用い、130km/hrの速
度でバラストを砲撃して、バラストの飛散状況を観察し
た。その結果は、下記に従って評価した。
【0041】○…最大バラスト飛散は、1m未満であっ
た。 △…最大バラスト飛散は、1m以上5m未満であった。 ×…最大バラスト飛散は、5m以上であった。 風圧によるバラスト飛散の防止試験:前述の散布試験を
行った後、室温で1日乾燥させた。得られたサンプル
(砂利塊)に風速50m/sの風を当て、砂利の動きを
観察した。その結果は、下記に従って評価した。
【0042】○…全く動かなかった。 △…わずかに動く部分があった。 ×…よく動いた。 掻き崩し試験:JR西日本吹田保線区内にある、バラス
トを用いた軌道内に、各種薬液を散布した。1週間後、
タイタンパーを用いてバラストの掻き崩しを行い、保線
作業の容易さを下記に従って判断した。
【0043】○…初期に少し抵抗はあるが、ほとんど問
題なく掻き崩すことができた。 ×…終始抵抗があり、バラストをバラバラに掻き崩すこ
とができなかった。 I.バラスト崩れの防止用途について −実施例1− 攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管および滴下ロ
ートを取り付けた反応容器に、脱イオン水220部、
「ハイテノールN−08」(ポリオキシエチレンノニル
フェニル硫酸アンモニウム;第一工業製薬社製)1部お
よび過硫酸アンモニウム0.5部を仕込み、内温を80
℃にした。この中に、メタクリル酸メチル80部、スチ
レン40部、アクリル酸2−エチルヘキシル260部、
アクリル酸20部、「ハイテノールN−08」6部、
「ノニポール200」(ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル;三洋化成社製)3部および脱イオン水1
95部からなる単量体乳化液と、過硫酸アンモニウムの
10%水溶液3部と、亜硫酸水素ナトリウムの5%水溶
液3部とを3時間かけて同時に流入させた。流入終了
後、さらに2時間攪拌を行った。この間、温度は80℃
に保った。その後、50℃以下まで冷却を行い、重合液
のpHが8になる量の25%アンモニア水溶液を添加し
た。さらに冷却しながら30分間攪拌した。攪拌終了
後、80メッシュの濾過器を通して生成した内容物を取
り出した。このようにして、不揮発分濃度50%、粘度
1000cps、平均粒子径140nm、最低成膜温度
0℃以下、理論Tg−33℃である重合体ラテックス
(1)を得た。
【0044】次に、ラテックス(1)に水を添加して、
不揮発分濃度30%の樹脂エマルジョンを調製し、この
エマルジョンについて各性能評価を行った。その結果を
表1に示した。表1にみるように、このエマルジョン
は、いずれの項目においても良好であり、本用途向けの
エマルジョンとして優れたものであることが確認され
た。
【0045】−実施例2− 実施例1で得られたラテックス(1)に水を添加して、
不揮発分濃度20%の樹脂エマルジョンを調製し、この
エマルジョンについて各性能評価を行った。その結果を
表1に示した。表1にみるように、このエマルジョン
は、いずれの項目においても良好であり、本用途向けの
エマルジョンとして優れたものであることが確認され
た。
【0046】−実施例3− 攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管および滴下ロ
ートを取り付けた反応容器に、脱イオン水180部、
「ハイテノールN−08」(ポリオキシエチレンノニル
フェニル硫酸アンモニウム;第一工業製薬社製)1部お
よび過硫酸アンモニウム0.5部を仕込み、内温を80
℃にした。この中に、メタクリル酸メチル140部、ス
チレン120部、アクリル酸2−エチルヘキシル120
部、アクリル酸20部、「ハイテノールN−08」6
部、「ノニポール200」(ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル;三洋化成社製)3部および脱イオン
水160部からなる単量体乳化液と、過硫酸アンモニウ
ムの10%水溶液3部と、亜硫酸水素ナトリウムの5%
水溶液3部とを同時に3時間かけて流入させた。流入終
了後、さらに2時間攪拌を行った。この間、温度は80
℃に保った。その後、50℃以下まで冷却を行い、重合
液のpHが8になる量の25%アンモニア水溶液を添加
した。さらに30分攪拌後、「CS−12」(2,2,
4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレ
ート;チッソ社製)75部を添加し、冷却しながら30
分間攪拌した。攪拌終了後、80メッシュの濾過器を通
して生成した内容物を取り出した。このようにして、不
揮発分濃度50%、粘度1300cps、平均粒子径1
30nm、最低成膜温度0℃以下、理論Tg20℃であ
る重合体ラテックス(2)を得た。
【0047】次に、ラテックス(2)に水を添加して、
不揮発分濃度30%の樹脂エマルジョンを調製し、この
エマルジョンについて各性能評価を行った。その結果を
表1に示した。表1にみるように、このエマルジョン
は、散布性と乾燥性が良好であり、崩れ防止性もかなり
良好であるため、本用途向けのエマルジョンとして優れ
たものであることが確認された。
【0048】−比較例1− 実施例1で得られたラテックス(1)に水を添加して、
不揮発分濃度45%の樹脂エマルジョンを調製し、この
エマルジョンについて各性能評価を行った。その結果を
表1に示した。表1にみるように、このエマルジョン
は、粘度が高すぎ、散布時に霧化しにくかったため、樹
脂が、バラスト表面のみに、しかも不均一に付着した。
そのため、バラスト崩れ防止試験では、1カ月程度で内
部の方が崩れていた。
【0049】−比較例2− 実施例1で得られたラテックス(1)に水を添加して、
不揮発分濃度8%の樹脂エマルジョンを調製し、このエ
マルジョンについて各性能評価を行った。その結果を表
1に示した。表1にみるように、このエマルジョンは、
不揮発分濃度が低すぎるため、散布後の乾燥が遅いとと
もに、樹脂付着量が少なかった。そのため、バラスト崩
れ防止試験では、効果持続期間が短く、2週間程度で崩
れていた。
【0050】−比較例3− 攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管および滴下ロ
ートを取り付けた反応容器に、脱イオン水220部、
「ハイテノールN−08」(ポリオキシエチレンノニル
フェニル硫酸アンモニウム;第一工業製薬社製)1部お
よび過硫酸アンモニウム0.5部を仕込み、内温を80
℃にした。この中に、メタクリル酸メチル80部、スチ
レン40部、アクリル酸2−エチルヘキシル200部、
アクリル酸80部、「ハイテノールN−08」6部、
「ノニポール200」(ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル;三洋化成社製)3部および脱イオン水1
95部からなる単量体乳化液と、過硫酸アンモニウムの
10%水溶液3部と、亜硫酸水素ナトリウムの5%水溶
液3部とを同時に3時間かけて流入させた。流入終了
後、さらに2時間攪拌を行った。この間、温度は80℃
に保った。その後、50℃以下まで冷却を行い、重合液
のpHが8になる量の25%アンモニア水溶液を添加し
た。さらに冷却しながら30分間攪拌した。攪拌終了
後、80メッシュの濾過器を通して、生成した内容物を
取り出した。このようにして、不揮発分濃度50%、粘
度12000cps、平均粒子径130nm、最低成膜
温度0℃以下、理論Tg−10℃である重合体ラテック
ス(3)を得た。
【0051】次に、このラテックス(3)に水を添加し
て、不揮発分濃度20%の樹脂エマルジョンを調製し、
このエマルジョンについて各性能評価を行った。その結
果を表1に示した。表1にみるように、このエマルジョ
ンは、散布性が良く、乾燥性もかなり良かった。しか
し、溶出率が大きいため、崩れ防止試験では、降雨によ
り、フィルムのかなりの部分がバラバラになってしま
い、崩れ防止効果は認められなかった。
【0052】
【表1】
【0053】II. 雪害によるバラスト飛散の防止用途に
ついて −実施例4− 攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管および滴下ロ
ートを取り付けた反応容器に、脱イオン水180部、
「ハイテノールN−08」(ポリオキシエチレンノニル
フェニル硫酸アンモニウム;第一工業製薬社製)1部お
よび過硫酸アンモニウム0.5部を仕込み、内温を80
℃にした。この中に、メタクリル酸メチル120部、ス
チレン120部、アクリル酸2−エチルヘキシル140
部、アクリル酸20部、「ハイテノールN−08」6
部、「ノニポール200」(ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル;三洋化成社製)3部および脱イオン
水160部からなる単量体乳化液と、過硫酸アンモニウ
ムの10%水溶液3部と、亜硫酸水素ナトリウムの5%
水溶液3部とを同時に3時間かけて流入させた。流入終
了後、さらに2時間攪拌を行った。この間、温度は80
℃に保った。その後、50℃以下まで冷却を行い、重合
液のpHが8になる量の25%アンモニア水溶液を添加
した。さらに30分攪拌後、「CS−12」(2,2,
4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレ
ート;チッソ社製)75部を添加し、冷却しながら30
分間攪拌した。攪拌終了後、80メッシュの濾過器を通
して生成した内容物を取り出した。このようにして、不
揮発分濃度50%、粘度1300cps、平均粒子径1
30nm、最低成膜温度0℃以下、理論Tg14℃であ
る重合体ラテックス(4)を得た。
【0054】次に、ラテックス(4)に水を添加して、
不揮発分濃度40%の樹脂エマルジョンを調製し、この
エマルジョンについて各性能評価を行った。その結果を
表2に示した。表2にみるように、このエマルジョン
は、いずれの項目においても良好であり、本用途向けの
エマルジョンとして優れたものであることが確認され
た。
【0055】−実施例5− 実施例4で得られたラテックス(4)に水を添加して、
不揮発分濃度30%の樹脂エマルジョンを調製し、この
エマルジョンについて各性能評価を行った。その結果を
表2に示した。表2にみるように、このエマルジョン
は、いずれの項目においても良好であり、本用途向けの
エマルジョンとして優れたものであることが確認され
た。
【0056】−比較例4− 実施例4で得られたラテックス(4)に水を添加して、
不揮発分濃度45%の樹脂エマルジョンを調製し、この
エマルジョンについて各性能評価を行った。その結果を
表2に示した。表2にみるように、このエマルジョン
は、粘度が高すぎ、散布時に霧化しにくかったため、樹
脂が、バラスト表面に不均一に付着した。そのため、雪
害によるバラスト飛散防止試験では、バラストの表層部
分が塊状で破壊され、樹脂のない未固着部分が露出し
た。
【0057】以下の比較例5は、請求項6の条件を外れ
た比較例であり、比較例6は、請求項3の条件を外れた
比較例である。 −比較例5− 実施例1で得られたラテックス(1)に水を添加して、
不揮発分濃度30%の樹脂エマルジョンを調製し、この
エマルジョンについて各性能評価を行った。その結果を
表2に示した。
【0058】表2にみるように、このエマルジョンは、
理論Tgが、請求項6に記載の温度範囲より低いため、
乾燥後のフィルム強度が弱かった。そのため、雪害によ
るバラスト飛散防止試験では、バラストが細かく破壊さ
れて、5m以上飛散した。 −比較例6− 実施例4で得られたラテックス(4)に水を添加して、
不揮発分濃度20%の樹脂エマルジョンを調製し、この
エマルジョンについて各性能評価を行った。その結果を
表2に示した。
【0059】表2にみるように、このエマルジョンは、
不揮発分濃度が、請求項3に記載の濃度範囲より低いた
め、乾燥後の樹脂付着量が少なかった。そのため、雪害
によるバラスト飛散防止試験では、バラストが細かく破
壊されて、5m以上飛散した。
【0060】
【表2】
【0061】III. 風圧によるバラスト飛散の防止用途
について −実施例6− 実施例4で得られたラテックス(4)に水を添加して、
不揮発分濃度30%の樹脂エマルジョンを調製し、この
エマルジョンについて各性能評価を行った。その結果を
表3に示した。
【0062】表3にみるように、このエマルジョンは、
いずれの項目においても良好であり、本用途向けのエマ
ルジョンとして優れたものであることが確認された。 −実施例7− 実施例4で得られたラテックス(4)に水を添加して、
不揮発分濃度20%の樹脂エマルジョンを調製し、この
エマルジョンについて各性能評価を行った。その結果を
表3に示した。
【0063】表3にみるように、このエマルジョンは、
いずれの項目においても良好であり、本用途向けのエマ
ルジョンとして優れたものであることが確認された。 −実施例8− 実施例4で得られたラテックス(4)に水を添加して、
不揮発分濃度12%の樹脂エマルジョンを調製し、この
エマルジョンについて各性能評価を行った。その結果を
表3に示した。
【0064】表3にみるように、このエマルジョンは、
いずれの項目においても良好であり、本用途向けのエマ
ルジョンとして優れたものであることが確認された。 −実施例9− 攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管および滴下ロ
ートを取り付けた反応容器に、脱イオン水180部、
「ハイテノールN−08」(ポリオキシエチレンノニル
フェニル硫酸アンモニウム;第一工業製薬社製)1部お
よび過硫酸アンモニウム0.5部を仕込み、内温を80
℃にした。この中に、メタクリル酸メチル120部、ス
チレン120部、アクリル酸2−エチルヘキシル140
部、アクリル酸20部、「ハイテノールN−08」6
部、「ノニポール200」(ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル;三洋化成社製)3部および脱イオン
水160部からなる単量体乳化液と、過硫酸アンモニウ
ムの10%水溶液3部と、亜硫酸水素ナトリウムの5%
水溶液3部とを3時間かけて同時に流入させた。流入終
了後、さらに2時間攪拌を行った。この間、温度は80
℃に保った。その後、50℃以下まで冷却を行い、重合
液のpHが8になる量の25%アンモニア水溶液を添加
した。さらに30分攪拌後、「CS−12」(2,2,
4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレ
ート;チッソ社製)75部を添加し、冷却しながら30
分間攪拌した。攪拌終了後、80メッシュの濾過器を通
して生成した内容物を取り出した。このようにして、不
揮発分濃度50%、粘度500cps、平均粒子径25
0nm、最低成膜温度0℃以下、理論Tg14℃である
重合体ラテックス(5)を得た。
【0065】次に、ラテックス(5)に水を添加して、
不揮発分濃度30%の樹脂エマルジョンを調製し、この
エマルジョンについて各性能評価を行った。その結果を
表3に示した。表3にみるように、このエマルジョン
は、他の実施例の樹脂エマルジョンに比べて、平均粒子
径が大きいため、乾燥が少し遅かった。しかし、散布性
と、風圧によるバラスト飛散防止性については、いずれ
も良好であり、本用途向けのエマルジョンとして優れた
ものであることが確認された。
【0066】−実施例10− 実施例1で得られたラテックス(1)に水を添加して、
不揮発分濃度30%の樹脂エマルジョンを調製し、この
エマルジョンについて各性能評価を行った。その結果を
表3に示した。表3にみるように、このエマルジョン
は、散布性と乾燥性のいずれも良好であった。また、風
圧によるバラスト飛散防止試験では、砂利塊中、わずか
に動く部分があったが、問題になる程ではなかった。こ
のことから、このエマルジョンは、本用途向けのエマル
ジョンとして優れたものであることが確認された。
【0067】−比較例7− 実施例4で得られたラテックス(4)に水を添加して、
不揮発分濃度45%の樹脂エマルジョンを調製し、この
エマルジョンについて各性能評価を行った。その結果を
表3に示した。表3にみるように、このエマルジョン
は、粘度が高すぎ、散布時に霧化しにくかったため、砂
利表面に不均一に樹脂が付着した。そのため、砂利に風
を当てると、動く部分があった。
【0068】−比較例8− 実施例4で得られたラテックス(4)に水を添加して、
不揮発分濃度8%の樹脂エマルジョンを調製し、このエ
マルジョンについて各性能評価を行った。その結果を表
3に示した。表3にみるように、このエマルジョンは、
不揮発分濃度が低すぎるため、散布後の乾燥が遅いとと
もに樹脂付着量が少なかった。そのため、砂利に風を当
てると、よく動いた。
【0069】
【表3】
【0070】IV. 従来の、セメント混和薬液との比較に
ついて −実施例11〜13− 実施例1で得られたラテックス(1)、実施例3で得ら
れたラテックス(2)、および実施例4で得られたラテ
ックス(4)にそれぞれ水を添加して、不揮発分濃度3
0%の3つの樹脂エマルジョンを調製した。
【0071】これら3つの樹脂エマルジョンについて、
前述した方法に従い、散布性と、散布後のバラストの掻
き崩し性を調べた。その結果、これら3つの樹脂エマル
ジョンは、いずれも、散布性と掻き崩し性が○であっ
た。 −比較例9− エチレン酢ビ系エマルジョン(スミカフレックス40
0、住友化学工業社製)を用い、JIS A 6203
-1980 (セメント混和用ポリマーディスパージョン)に
従ってポリマーセメントモルタルを作製した。
【0072】得られたポリマーセメントモルタルについ
て、散布性と、散布後のバラストの掻き崩し性を調べ
た。その結果、このポリマーセメントモルタルは、散布
性が×であり、散布しにくいものであった。また、硬化
後は、強固にバラストを固結していたため、掻き崩し性
が×であった。 −比較例10− アクリル系エマルジョン(プライマルMC−4530、
ローム&ハース社製)を用い、JIS A 6203-1
980 に従ってポリマーセメントモルタルを作製した。
【0073】得られたポリマーセメントモルタルについ
て、散布性と、散布後のバラストの掻き崩し性を調べ
た。その結果、このポリマーセメントモルタルは、散布
性が×であり、散布しにくいものであった。また、硬化
後は、強固にバラストを固結していたため、掻き崩し性
が×であった。
【0074】
【発明の効果】この発明にかかるバラスト固着用薬液
は、以上に述べたようなものであるため、その散布作業
が容易で安価であり、しかも、道床用途に用いた場合に
は、バラストを用いた道床の列車加重分散性、振動吸収
性、多孔性、排水性を阻害することなく、下記(i)〜
(iv)の効果を持つものである。
【0075】(i)アスファルトやモルタル等の、バラ
ストを硬く固結させてしまう材料を含まず、樹脂エマル
ジョンのみで構成されているため、道床バラストのつき
固め、掻き崩し、掻き均し等の保線作業にも支障のない
程度の固着力を有する皮膜を形成することができる。 (ii) 保線等の巡回や保守によってバラストが踏み荒ら
されても、列車風圧によるバラスト飛散防止効果を持続
することができる。
【0076】(iii)列車通過時の振動によるバラストの
崩れを抑制または防止することによって、補修作業の省
力化と列車の走行安全性を向上させることができる。 (iv) 列車に付着した雪塊(氷塊)等の落下によってバ
ラストが飛散するのを防止することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 千秋 大阪府大阪市淀川区西中島7丁目16番76号 中央ピー・エス・コンクリート工業株式会 社内 (72)発明者 中村 和彦 大阪府吹田市西御旅町5番8号日本触媒化 学工業株式会社吹田製造所内 (72)発明者 宮田 賢二 大阪府吹田市西御旅町5番8号日本触媒化 学工業株式会社吹田製造所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂エマルジョンからなるバラスト固着
    用薬液であって、粘度が500cps以下、不揮発分濃
    度が10重量%以上、成膜後のフィルムの水への溶出率
    が5重量%以下であることを特徴とするバラスト固着用
    薬液。
  2. 【請求項2】 不揮発分濃度が12〜50重量%、平均
    粒子径が50〜300nmである請求項1記載のバラス
    ト固着用薬液。
  3. 【請求項3】 不揮発分濃度が30〜50重量%である
    請求項2記載のバラスト固着用薬液。
  4. 【請求項4】 粘度が20cps以下、不揮発分濃度が
    12〜35重量%、平均粒子径が50〜200nmであ
    る請求項2記載のバラスト固着用薬液。
  5. 【請求項5】 重量分率法により算出されたガラス転移
    温度(Tg)が−45〜+10℃、最低成膜温度が0℃
    以下である請求項2記載のバラスト固着用薬液。
  6. 【請求項6】 重量分率法により算出されたガラス転移
    温度(Tg)が−30〜+20℃、最低成膜温度が0℃
    以下である請求項3記載のバラスト固着用薬液。
  7. 【請求項7】 重量分率法により算出されたガラス転移
    温度(Tg)が−20〜+20℃、最低成膜温度が0℃
    以下である請求項4記載のバラスト固着用薬液。
  8. 【請求項8】 樹脂エマルジョンが、下記単量体(A)
    と(B)を下記所定量含むビニル系単量体混合物の共重
    合体のエマルジョンである請求項1から7までのいずれ
    かに記載のバラスト固着用薬液。 (A)下記一般式(a)で表される1種または2種以上
    の(メタ)アクリル酸エステル30重量%以上。 【化1】 (B)下記一般式(b−1)、(b−2)、または(b
    −3)で表される1種または2種以上の親水性単量体
    0.1〜15重量%。 【化2】 【化3】 【化4】 〔前記式(a)、(b−1)、(b−2)、および(b
    −3)中、R1 はHまたはCH3 を表し、R2 は炭素数
    1〜12のアルキル基を表し、R3 はHまたはCOOH
    を表し、R4 はHまたはCH2 OHを表す。〕
  9. 【請求項9】 ビニル系単量体混合物が、単量体
    (A)、(B)以外のビニル系単量体(C)を60重量
    %以下含むものである請求項8記載のバラスト固着用薬
    液。
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