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JPH0730487B2 - スパンライク複合嵩高糸 - Google Patents
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JPH0730487B2 - スパンライク複合嵩高糸 - Google Patents

スパンライク複合嵩高糸

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JPH0730487B2
JPH0730487B2 JP30175086A JP30175086A JPH0730487B2 JP H0730487 B2 JPH0730487 B2 JP H0730487B2 JP 30175086 A JP30175086 A JP 30175086A JP 30175086 A JP30175086 A JP 30175086A JP H0730487 B2 JPH0730487 B2 JP H0730487B2
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yarn
twist
filament
twisted
false
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征三郎 平田
与之 安達
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Teijin Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [技術分野] 本発明は合繊フイラメント糸より成る異色性仮撚2層構
造糸を芯となし、これとフイラメント糸とを仮撚加工し
て得られたシングル撚部とダブル撚部を同一糸内に共有
するスパンライク複合嵩高糸に関する。
[従来技術] 従来、合繊フイラメント糸や、他の長繊維糸を使用して
スパンライク織物や嵩高性織物を作るべく、種々研究や
努力がなされてきた。なかでも、仮撚加工の仮撚域を走
行する芯糸に鞘糸をオーバーフィードして巻きつけるこ
とによりスラブやネップを有する仮撚複合糸及びその製
造方法は、特公昭50−35147号公報で提案されたことに
始まり、その後、特公昭60−199936号公報で開示されて
いるようには、何れにおいても一重撚部(グランド部;
本発明にいうシングル撚部に相当)と三重スパイラル部
(スラブ部;本発明でいうグブル撚部に相当)より成り
立つ糸であり、スラブの直径が必ず一重撚部(クランド
部)より太い“スラブヤーン”である。又、これらの技
術は、グランド部である一重撚部分の残留撚数の規定
や、スラブの形態や長さを変えることにより風合を変え
ようとしたものである。更に特開昭60−173130号公報で
はもう一本の糸によるカバーリング撚によりスラブのズ
レや動きの防止を図ることが提案されている。この方法
により得られた加工糸は、撚糸効果により風合を呈する
だけであって、秋冬向けの衣料としてのウォーム感を得
るに程遠いものであった。これとは別に特公昭61−1973
3号公報、同61−19737号公報では、スパイラルウォーム
感を狙いとする仮撚2層構造糸が提案されている。この
加工糸は嵩高性に優れるが、ややフカツキが先行して、
ドループ性に欠けるきらいがあったことから一般的には
撚糸工程で追撚を施した後、織物に供用されることが多
かった。
これらの欠点を解消するため、本出願人は特願昭61−16
9865号(特開昭63−28928号公報)で芯糸の周りに鞘糸
が1重スパイラル状に巻付いてなるグランド部および3
重以上の多重スパイラル状に巻きついてなるスラブ部を
有する意匠仮撚加工糸において、該芯糸として、ふくら
みを有する仮撚2層構造糸を配した、意匠効果を有する
梳毛調特殊加工糸を提案した。この特殊加工糸は風合的
には前掲のスラブヤーンあるいは仮撚2層構造糸のそれ
とは全く別異の梳毛調風合、感触を呈するが、他方色相
の面からすれば梳毛調という天然繊維の深み(色の混合
効果)をかもしだすには程遠いことが判った。
[目的] 本発明の目的は風合、色相の両面から名実共に天然繊維
に匹敵する加工糸を提供することにある。
更に、本発明の目的は、暖か味のある秋冬感覚のウォー
ム感があり、しかもドレープ性、反撥性を兼備えた加工
糸を提供することにある。
[構成] 本発明者らは、上記の目的を達成せんとして鋭意研究し
た結果、前記の梳毛調特殊加工糸において仮撚2層構造
糸として芯糸と巻付糸との間に特定の染色挙動差を有す
るようなもの、すなわちイオン性染料に不染性のポリエ
ステルマルチフィラメント(F1)を芯部とし、その周り
にイオン性染料に不染性のポリエステルマルチフイラメ
ント(F1)とイオン性染料に可染性のポリエステルフイ
ラメント(F2)とが鞘部として構成される仮撚2層構造
糸を芯糸として採用するとき、色相、風合を両立させ得
ることを研究した。
かくして、本発明によれば 伸度の小なるフイラメント糸1が芯部を構成し、伸度の
大なるフイラメント糸2が、芯部の周りを交互撚糸状態
で取りまいて中層部を形成し、しかも芯部と中層部の境
界部分において両フイラメント糸の一部が互いに混合、
交錯して交絡部を形成して成る仮撚2層構造糸3に、更
に第3層部を構成すフイラメント4が糸の長手方向にシ
ングル撚部(A部)と、糸の長さ方向にシングル撚部
(A部)の上層部分に1往復のダブルクロス撚として巻
きついて成るダブルクロス撚部(B部)とから成る仮撚
3層スパンライク複合嵩高糸5において、 (a) 該仮撚2層構造糸は イオン性染料に不染性のポリエステルマルチフイラメン
ト(F1)を芯部とし、その周りにイオン性染料に不染性
のポリエステルマルチフイラメント(F1)とイオン性染
料に可染性のポリエステルマルチフイラメント(F2)と
が鞘部として構成され、且つ (b) シングル撚部(A部)とダブルクロス撚部(B
部)との直径比B/A<1.0、 (c) シングル撚の巻きつきピッチが不規則である ことを特徴とするスパンライク複合嵩高糸が提供され
る。
以下、添付図面により本発明を詳述する。
第1図は、本発明の仮撚工程で加撚方向Zで加工して得
た複合嵩高ファンシーヤーンの側面図、第2図は本発明
で芯糸となる仮撚2層構造糸の側面図、第3図は、従来
の、フラットなフイラメント糸で構成された一重巻きと
三重巻きのスラブより成る複合糸の側面図、第4図は本
発明のスパンライク複合嵩高糸の製造工程を示す略線
図、第5図〜9図は、それぞれ本発明の実施例1〜5で
得られた複合嵩高糸のA部およびB部を示す電子顕微鏡
写真図(40倍)である。
第1図において、伸度の小さいフイラメント糸1と伸度
の大きいフイラメント糸2よりなる仮撚2層構造糸3を
芯糸として、他のフラットなフイラメント糸4を巻付糸
として、仮撚工程で複合し、加撚方向Zで、解撚方向S
で加工して得たスパンライク複合嵩高糸5の側面図であ
って、A部はヤーン3とヤーン4とがシングルに撚られ
たシングル撚部、B部は前記A部の周りに更にヤーン4
が糸の長さ方向に往復して巻かれ、ダブルクロスに撚ら
れたダブルクロス撚部である。
ここで、伸度の小さいフイラメント糸1はイオン性染料
に不染性のポリエステルフイラメントF1よりなり、他方
伸度の大きい糸2はイオン性染料に不染性のポリエステ
ルマルチフイラメント(F1)とイオン性染料に可染性の
ポリエステルマルチフイラメント(F2)(通常F1とF2
混繊されている)とから成る。
このような仮撚2層構造糸は元々ヘザー調の色彩効果を
奏するものとして知られているが(特公昭61−31216号
公報)、この2層構造糸にフイラメント4として特にF1
およびF2より光沢の大きい糸(実質的にTiO2の添加量が
零のフイラメント糸……スーパーブライト糸)、F1また
はF2の何れかと染色性を異にするフイラメント糸(例え
ばイオン性染料に可染性のポリエステル、ポリアミドフ
イラメント)、更には天然繊維アセテート、レーヨン、
キュプラ等を用いるとき、複合嵩高糸全体としてはヘザ
ー効果が完全に消失し、天然繊維の色相に酷似した色彩
感覚が表現されるのである。なお、仮撚2層構造糸3自
体は前掲の特公昭61−19733号公報、同61−31216号公
報、更には特公昭59−21970号公報に記載されたもので
あってもよい。
他方、この複合嵩高糸の構造的特徴は、シングル撚部
(A部)において、第2層目糸のフイラメント糸2が第
1図に見られるように、ヤーンの断面方向に張り出しフ
イラメントが独立して乱れ、ねじれ、カールした状態で
複合ファンシーヤーン5の糸直径(糸の太さ)を大きく
している。この理由の一つとしては、A部の撚数が低い
ことが挙げられる。特に残留撚係数Tkにして0.1〜0.4の
範囲にあるとき、前記の張り出しが強調される。ちなみ
に、 とする(芯糸deは仮撚2層構造糸のdeとする)。これに
比べ、ダブルクロス撚部(B部)は、フイラメント糸4
が糸の長さ方向に往復の撚としてクロスしダブルになる
ため、第2層目糸のフイラメント糸2の糸の断面方向へ
の張り出しが少なくなって、その直径はA部のそれより
小さくなり、複合ファンシーヤーンには太さの面からの
“スラブ”は形成されない。この点、従来糸の場合には
第3図に見られるように、シングル撚部(A′部)と三
重スパイラル部(B′部)との間で明らかに太さ差があ
り、ヤーン全体として“スラブ糸”となる。
更に、本発明にあっては、シングル撚部(A部)におけ
る撚ピッチがt1、t2、t3……で示されるようにランダム
によることも大きな特徴である。
次に、本発明のスパンライク複合嵩高糸の製造法につい
て述べる。
第4図は本発明な嵩高糸の製造工程の略線図であり、2
層構造糸3を芯糸として仮撚すると同時にフイラメント
糸4をローラ6で一定量のオーバーフィードでガイド7
の位置より供給し仮撚スピンドル8による芯糸3の旋回
トルクにより、フイラメント糸4を芯糸3に巻き込み撚
糸する、この時のオーバーフィード量は芯糸に対し1.3
倍〜1.9倍の範囲で一定速度で供給する。オーバーフィ
ード量が1.3倍未満では、残留撚数が少な過ぎて満足す
る風合が得られない。他方1.9倍を越すと残留撚数が増
加しすぎて硬く締り過ぎた糸となる。もちろん、オーバ
ーフィード量は仮撚の加撚数に比例するのはいうまでも
ない。
ここで、従来糸との撚伝播に違いが生ずる。即ち、芯糸
3は仮撚工程で2層構造糸化された糸であり、2層目糸
は交互撚糸状にとりまいていると同時に第一層目糸のフ
イラメント糸と互いに混合し、交錯して交絡部を形成し
てなるため、芯糸となる3の糸の表面摩耗抵抗や糸のね
じれ剛性に部分的に差がある。したがって、フイラメン
ト糸4のねじれによる撚伝播のスピーに差が生じ、θ
からθに移動するスピードにも差が生じて、結果とし
て撚られたピッチ、即ち撚の角度に差が生じて、変化の
ある撚角度で巻いた状態となる。
この点、従来の糸では、全くどの部分にも変化のないス
トレートなフイラメント糸を芯とするため、等ピッチで
フイラメント糸が巻きつき、結果として一般の撚糸機で
撚られたような撚糸効果のある糸となる。
また、芯糸3をローラ9とローラ10とで固定して、その
中間にあるスピーナ11で回転させてねじることにより、
糸3は撚縮みによる張力を受ける。しかし芯糸3そのも
のは芯糸1と巻付糸2から成る2層構造糸であって芯糸
1を中心に張力が付加され第2層目糸2には張力がほと
んど付加されない。このことから第3層目を成すフイラ
メント糸4の巻き付いたすき間から第2層目糸が糸の断
面方向に張り出して、フイラメントのカール毛羽状とな
る。この特徴はウォーム感と単繊維化をなす重要な特徴
でもある。
次に、ダブルクロス撚部(B部)であるが、一度撚られ
た(フイラメント4が巻きついた)部分はねじり剛性が
強く、撚伝播が早いためフイラメント4の巻付きスピー
ドが早く、第1層目に巻き付くスピードの2倍以上とな
る、そのことにより撚角度が甘くなりθ〜θの往復
運動がθに向う時とθに向って巻き付くスピードが
異なってくる。そして、該スピードが異なるのに反し
て、ローラ6によってフイラメント4は一定量供給され
ているため、撚の角度が甘くなってダブルクロス撚とな
る。つまり従来の様に3重に重ねまきされ“スラブ”
(第3図)にはならない。しかも、ダブルクロス撚にな
っているため、そのすき間から伸度の大なる第2層目糸
が、シングル撚部と同様に糸の断面方向にハミ出すので
ある。
本発明においては、オーバーフィード量を1.3倍〜1.9倍
と低い値にすることにより、芯糸を包みかくしつつ第2
層目糸を外側に張り出させようとする狙いから、オーバ
ーフィード量を制御・抑制すると同時に仮撚係数Kを0.
5〜0.8と、従来より低く維持して加工することを特徴と
するものである。その際加熱(ヒーター)温度も、一亘
仮撚加工された2層構造糸を用いることから低くてよ
く、80℃〜180℃で効果がある。そして、低い温度で仮
撚加工出来る効果としてポリエステルのみならずキュプ
ラ、アセテート、ナイロンと、種々な異繊維糸と複合が
可能になり、各繊維のもつ優性特性を充分に発揮できる
ものである。
[作用・効果] (イ) 本発明によるスパンライク複合嵩高糸におい
て、シングル撚部(A部)はきわめて膨らみがあり、他
方、ダブルクロス撚部(B部)は絞られており、この両
者がランダムに配置された糸構成のため、ナチュラルな
表面効果を呈する。これと相俟って、仮撚2層構造糸
(芯糸)はヘザー調であるが、この周りに異色性のフイ
ラメント4が巻き付くことによって、染色した際は天然
繊維のそれに匹敵する杢効果が表現される。
(ロ) 上記(イ)の効果は更にシングル撚部の撚ピッ
チが不規則で、従来の等ピッチの規則性をくずしナチュ
ラル性に富んだ撚により増幅される。
本発明に類似した技術として芯糸に微小ループからなる
タスラン糸を用いることが知られているが(特開昭60
−199936号公報)、伸度の大小差のある2本の糸から構
成される仮撚2層構造糸とは、その作用・効果を全く異
にするものである。仮撚2層構造糸は、前掲の特公昭61
−19733号公報に見られるように、タスラン糸とは明
確に区別されるものである。タスラン糸の場合には巻
付糸を越えてフイラメントが糸の断面方向にはみだすこ
とは出来ない。これはフイラメントループ自身が微小ル
ープであるためであり、巻付糸によりカバーされ易いか
らである。
これに対して、本発明で用いる仮撚2層構造糸において
は、第2層目を構成する伸度の大なる糸は撚の方向がS
・Zと反転し、仮撚加工中に張力を受けないことから、
フイラメント糸4を巻き付けることにより糸の断面方向
に張り出し部を誘起し、従来までに考えられなかった嵩
高性のある加工糸となるのである。
一方、従来からの芯、鞘構造のスラブ糸(第3図)にあ
っては、嵩高性とウォーム感に乏しく、硬さが優先し
て、秋冬向けの素材としてのウォーム感のある衣料とし
て満たされない。
本発明は、この粗反する欠点をみごとに解消して、双方
の特徴とする長所を合理的に取り入れ、フルシーズンに
向けられる従来までになかった全く新規な嵩高糸を提供
するものである。
即ち第2図の糸にフラットで張り腰のでる長繊維糸を巻
き付け、シングル撚部(A部)では主にふくらみ、バル
キー性を、ダブルクロス撚部(B部)では主に撚糸効果
付与することにより、ドレープ、ふくらみを消すことな
く、むしろ第2層糸2の伸度の高い方の糸がヤーンの断
面方向から張り出してスパンライクな風合(短繊維効
果)が増大し、ダブルクロス撚部でより一層の撚糸効果
を表現できる“スラブ”とはいえないダブルクラス撚を
形成せしめることに特徴がある。
(ハ) 本発明の嵩高糸を経糸及び/又は緯糸に用いて
製織した織物にあっては、第3層部糸4のシングル撚部
(A部)とダブルクロス撚部(B部)とが同一糸に交互
に現存し、かつA部とB部の太さに差がなく、B部が細
いことに因る布帛の表面への光の入光角度の変化により
“玉虫”効果と云われる光沢差が生じる(従来の“スラ
ブ”糸であると布帛の表面にスラブが立体的に飛び出て
いる為、入光角が変っても、スラブの立体は立体として
視覚にとらえられる)。つまり、本発明にあっては、ダ
ブルクロス部がスラブとして立体的にとらえられず、同
色に見えたり、異色に見えたり、“玉虫”効果のあるス
パンライク織物を得ることが出来る。
本発明の加工糸の特筆すべき効果として、芯糸に仮撚2
層構造糸を使用することにより、第2層目糸が糸の断面
方向にハミ出し、その結果熱可塑性の有無に関係なく、
第3層目を構成する糸に、レーヨンやキュプラさらには
アセテート、ナイロン又はシルクなど他の異繊維糸を用
いて、シングル撚部とダブルクロス撚部とを交互に形成
することにより糸間のスリップを防止できることが挙げ
られる(第2層目糸のハミ出し効果に因る)。このこと
は従来までスリップが生じて成功しなかった他繊維との
複合化に成功したことを意味し、他繊維糸のもっている
優性の特性を発揮できる。
[実施例] 実施例1 第4図の工程で芯糸3として、特公昭61−31216号公報
実施例1に記載された仮撚2層構造糸301de/102filを使
用し、巻付糸にポリエステルスーパーブライト75de/36f
を用いて仮撚数=1224T/M(K=0.73)オーバーフィー
ド量(OF)50%、第1ヒーター温度=160℃、第2ヒー
タ温度=160℃、芯糸3と巻付支点7との垂直距離l=3
20mm巻付角度α=65゜の条件下で仮撚加工した。得られ
た複合嵩高糸において、シングル撚部(A部)の直径は
1.3mm、他方ダブルクロス撚部(B部)の直径は0.4mmで
細く(第5図)、これは巻き付け糸(75de)によって締
められた結果である(従来技術の場合にはダブルクロス
撚部は三重のスパイラル重ねまきによってグラント部よ
り太くなり、これは本発明の嵩高糸との相違点一つであ
る)。即ち、2層構造の膨んだ加工糸を芯として、フイ
ラメントを巻きつける。この時巻付け糸であるフイラメ
ントは芯糸の表面変化と、実質的に芯糸のみ仮撚張力が
作用することと相俟って、第2層目の糸のゆるみ構造の
周りに第3層糸のフイラメントが不規則なピッチで巻き
つくが、その際仮撚係数K=0.8以下の低い状態にし
て、シングル撚部を膨らます加工をする。一方、ダブル
クロス撚部(B部)も加工時のα=65゜やOF=50%の下
に(勿論温度も低目にして)加工した結果である。
さらに、該糸のシングル撚部(A部)の長さは500mm〜8
00mmに亘り、平均長さは690mm、ダブルクロス撚部(B
部)の長さは40mm〜150mm平均長さは120mm、さらにA部
の残部撚係数はTk=0.11であって、得られた糸はスパン
ライクであり嵩高性に富んだスラブのないファンシーヤ
ーンとなった。
なお、上記の加工糸において、シングル撚部(A部)の
撚ピッチ変化は、密な部分で1.5mm、粗な部分で35mmで
あった。ここで、芯糸3はヘザー調の異色性糸であり、
この周りにフイラメント4が不規則なピッチで巻付いて
いることから、その撚ピッチの不規則性から表現される
杢の状態が極めてナチュラルで、従来の様な等ピッチ杢
のいやらしさが解消される効果が発現した。
本発明の嵩高糸を経糸に、緯糸に301de/102filを使用し
たところ、布帛表面の変化、即ちイングル撚部(A部)
とダブルクロス撚部(B部)との相互作用による“玉
虫”効果が発現し、嵩高性に富んだウォーム感のあるフ
ァンシー織物が得られた。
実施例2 芯糸に実施例1と同じ仮撚2層構造糸を用い、巻付糸に
アセテート75de−20filを用いて仮撚加工した所、ポリ
エステルフイラメント糸75deの場合と同様(実施例1の
様な)の構造変化に富んだファンシーヤーンとなり、ア
セテートのかがやきと風合が加味された優れた嵩高複合
糸が得られた。該糸において、シングル撚部(A部)の
直径および長さ(平均)は、それぞれ0.56mmおよび500m
m、ダブルクロス撚部(B部)の直径および長さは、そ
れぞれ0.44mmおよび116mmであり、さらにシングル撚部
(A部)の残留撚係数Tkは0.14であった(第6図)。
なお、仮撚条件は撚数=1224T/M(k=0.73)、OF=50
%、l=320mm、巻付角度α=65゜、ヒーター温度=150
℃とした。ヒーター温度はポリエステルの加工温度に比
べ極めて低いが、芯糸である仮撚2層構造糸のバルキー
性から、嵩高性が充分満たされたファンシーヤーンが得
られた。
実施例3 芯糸に実施例1と同じものを用い、巻付糸にレーヨン75
de/33filを用いた所、アセテート糸を使用した場合より
もっと低いヒーター温度(80℃)で仮撚加工が可能であ
り、レーヨンのもつ特性ドレープ性や光沢、かさつき等
の風合が加味された嵩高ファンシーヤーンが得られた。
該糸において、シングル撚部(A部)の直径および長さ
は、それぞれ0.70mmおよび547mm、ダブルクロス撚部
(B部)の直径および長さは、それぞれ0.38mmおよび13
5mmであり、さらにシングル撚部(A部)の残留撚係数T
kは0.14であった(第7図)。
なお、仮撚条件は撚数=1224T/M(k=0.73)、OF=50
%、l=320mm、巻付角度α=65゜、ヒーター温度=80
℃とした。
実施例4 芯糸に実施例1で用いた仮撚2層構造糸を用い、巻付糸
にポリテルレツスーパーブライト75−33fil(多孔繊維
…特開昭56−91008号公報)を用いた所、染料の吸収が
良く、特に黒色が鮮やかで、フォーマル用途に最適な複
合嵩高糸が得られた。該糸において、シングル撚部(A
部)の直径および長さは、それぞれ0.40mmおよび442m
m、ダブルクロス撚部(B部)の直径および長さは、そ
れぞれ0.30mmおよび66mmであり、さらにシングル撚部
(A部)の残留撚係数Tkは0.12であった(第8図)。
なお、仮撚条件は、仮撚数=1239T/M(α=0.74)、OF
=50%、l=230mm、巻付角度α=60゜、ヒーター温度
=150℃とした。次に経糸に同じ仮撚2層構造糸110de/3
9fil糸、緯糸に当該糸を緯打ちした織物を作成したとこ
ろ、やはりシングル撚部とダブルクロス撚部との間で布
帛表面において入光角の相違によって、光沢差があり
“玉虫”効果が発現した。
実施例5 芯糸に実施例1で用いた仮撚2層構造糸を用い、巻付糸
にカチオン染料可染性ポリエステル75de/24filを用い、
仮撚数=1707T/M(α=1)、OF=85%、ヒーター温度
=160℃、第2ヒーター温度=160℃、l=200mm、巻付
角度α=60゜で仮撚加工した所、スラブを形成しない嵩
高ファンシーヤーンが得られた。該糸において、シング
ル撚部(A部)の直径および長さは、それぞれ1.00mmお
よび650mm、ダブルクロス撚部(B部)の直径および長
さは、それぞれ0.5mmおよび140mmであり、さらにシング
ル撚部(A部)の残留撚係数Tkは0.11であった(第9
図)。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のスパンライク複合嵩高糸の側面図、第
2図は前記嵩高糸の芯糸となるヘザー調仮撚2層構造糸
の側面図、第3図は従来のスラブヤーンの側面図、第4
図は本発明のスパンライク複合嵩高糸の製造工程を示す
略線図、第5図〜9図は、それぞれ本発明の実施例1〜
5で得られた複合嵩高糸のA部およびB部を示す電子顕
微鏡写真図(40倍)である。 第1図において 1(F1)……ヘザー調仮撚2層構造糸3において芯部と
なるイオン性染料に不染性のポリエステルフイラメント
糸 2(F1+F2)……ヘザー調仮撚2層構造糸3において鞘
部となるイオン性染料に不染性のポリエステルフイラメ
ントF1とイオン性染料に可染性のフイラメントF2からな
るポリエステルフイラメント糸 3……ヘザー調仮撚2層構造糸 4……該2層構造糸3に対する巻付糸 5……スパンライク複合嵩高糸 A部……シングル撚部 t1〜6……巻付糸4の巻付ピッチ B部……ダブルクロス撚部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−199936(JP,A) 特開 昭57−21526(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】伸度の小なるフイラメント糸1が芯部を構
    成し、伸度の大なるフイラメント糸2が、芯部の周りを
    交互撚糸状態で取りまいて中層部を形成し、しかも芯部
    と中層部の境界部分において両フイラメント糸の一部が
    互いに混合、交錯して交絡部を形成して成る仮撚2層構
    造糸3に、更に第3層部を成すフイラメント糸4を巻き
    つけて、第3層部を構成するフイラメント4が糸の長手
    方向にシングル撚部(A部)と、糸の長さ方向にシング
    ル撚部(A部)の上層部分に1往復のダブルクロス撚と
    して巻ついて成るダブルクロス撚部(B部)とから成る
    仮撚3層スパンライク複合嵩高糸5において、 (a) 該仮撚2層構造糸は イオン性染料に不染性のポリエステルマルチフイラメン
    ト(F1)を芯部とし、その周りにイオン性染料に不染性
    のポリエステルマルチフイラメント(F1)とイオン性染
    料に可染性のポリエステルマルチフイラメント(F2)と
    が鞘部として構成され、且つ (b) シングル撚部(A部)とダブルクロス撚部(B
    部)との直径比B/A<1.0、 (c) シングル撚の巻きつきピッチが不規則である ことを特徴とするスパンライク複合嵩高糸。
  2. 【請求項2】フイラメント4が、スーパーブライトポリ
    エステルフイラメント、ポリアミドフイラメント糸、天
    然繊維シルク、アセテートレーヨンおよびキュプラから
    成る群から選ばれたフイラメントである特許請求の範囲
    第(1)項記載のスパンライク複合嵩高糸。
  3. 【請求項3】シングル撚部(A部)の残留撚係数Tkが0.
    1〜0.4の範囲にある 特許請求の範囲第(1)項記載のスパンライク複合嵩高
    糸。
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