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JPH0732564B2 - 金属と樹脂の複合体およびその製造方法 - Google Patents
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JPH0732564B2 - 金属と樹脂の複合体およびその製造方法 - Google Patents

金属と樹脂の複合体およびその製造方法

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JPH0732564B2
JPH0732564B2 JP62030572A JP3057287A JPH0732564B2 JP H0732564 B2 JPH0732564 B2 JP H0732564B2 JP 62030572 A JP62030572 A JP 62030572A JP 3057287 A JP3057287 A JP 3057287A JP H0732564 B2 JPH0732564 B2 JP H0732564B2
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力 秋山
俊幸 小林
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株式会社三ツ葉電機製作所
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、金属と樹脂の複合体およびその製造方法に関
し、特に、金属部材と樹脂構造物との接触面間における
シール性の改良に係り、例えば、スタータモータ等のよ
うな回転電機に使用されるブラケットとブラシホルダの
複合体(以下、ブラケットユニットという。)であっ
て、ブラケットの一部にブラシホルダが一体的に樹脂成
形されているものに利用して有効な技術に関する。
〔従来の技術〕
スタータモータに使用されるブラケットユニットとし
て、薄板形状に形成されたブラケットにブラシホルダが
樹脂を用いて一体的に成形されているものが提案されて
いる(例えば、実開昭61−58843号公報参照)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このようなブラシホルダにおいては、ブラケットに鉄系
材料が、ブラシホルダにナイロン樹脂がそれぞれ使用さ
れた場合、サーマル・ショック試験等のような環境試験
が実施されると、ブラケットとブラシホルダとの熱膨張
系数が相違するため、両者の接触面間に相対的ずれが発
生し、その結果、このブラケットユニットが組み付けら
れたスタータモータのハウジングにおいて気密性および
液密性が低下することが、本発明者によって明らかにさ
れた。
本発明の目的は、金属部材と樹脂構造物との接触面間に
おける相対的ずれに伴うシール性の低下を防止すること
ができる技術を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明に係る金属と樹脂の複合体は、金属部材と樹脂構
造物との接触面間に介設されたシール膜が、金属部材の
形成材料および樹脂構造物の形成材料のいずれにも親和
性がよいメタクリル酸アルキルエステル・アクリル酸ア
ルキルエステル共重合物を主成分とするディスパージョ
ンが用いられて形成されており、このシール膜は介設さ
れた状態において、金属部材との接触面および樹脂構造
物との接触面のいずれにもそれぞれ密着した状態になっ
ているとともに、可撓性を維持した状態になっているこ
とを特徴とする。
また、本発明に係る金属と樹脂の複合体の製造方法は、
金属部材における樹脂構造との接触面に、金属部材の形
成材料および樹脂構造物の形成材料のいずれにも親和性
がよいメタクリル酸アルキルエステル・アクリル酸アル
キルエステル共重合物を主成分とするディスパージョン
が塗布される工程と、 前記金属部材に塗布されたメタクリル酸アルキルエステ
ル・アクリル酸アルキルエステル共重合物を主成分とす
るディスパージョンが乾燥される工程と、 メタクリル酸アルキルエステル・アクリル酸アルキルエ
ステル共重合物を主成分とするディスパージョンを乾燥
された金属部材が成形型に装着されて、樹脂構造物が成
形されるとともに、この金属部材と樹脂構造物との接触
面間に、メタクリル酸アルキルエステル・アクリル酸ア
ルキルエステル共重合物を主成分とするディスパージョ
ンによって形成されたシール膜が介設される工程とを備
えていることを特徴とする。
〔作用〕
前記した手段によれば、シール膜は金属部材と樹脂構造
物とのいずれにもそれぞれ接着ないしは粘着されるた
め、その隙間を遮蔽することにより、シール状態を構成
することになる。
また、シール膜は可撓性を有しているため、その熱膨張
係数差により、金属部材と樹脂構造物との接触面間にお
いて相対的な変位(ずれ)が発生された場合、その変位
に追従して可撓変形することにより、前記シール状態を
維持することができる。
〔実施例〕
第1図は本発明の一実施例であるブラケットユニットを
示す一部切断拡大側面図、第2図はそれが使用されてい
るスタータモータを示す縦断面図、第3図は第2図のII
I−III線に沿う断面図、第4図はターミナル部を示す拡
大部分断面図、第5図はそのスタータモータの分解斜視
図、第6図は製造途中を示す縦断面図、第7図および第
8図は作用を説明するための拡大部分断面図、第9図は
実験方法を説明するための模式図である。
本実施例において、このモータはスタータモータに使用
されるものとして構成されており、固定子1、回転子
2、および本発明にかかる金属と樹脂の複合体としての
ブラケットユニット3を備えている。
固定子1は磁性材料を用いて絞りプレス加工等の適当な
手段により一体成形されているヨーク4を備えており、
ヨーク4は一端面(以下、前側とする。)が開口し、他
端面(以下、後側と合する。)が閉塞している略円筒形
状に形成されている。ヨーク4の開口部5における外縁
には、フランジ部6が径方向に突設されており、フラン
ジ部6には一対のボルト挿通孔7と、一対のビス挿通孔
8とがそれぞれ上下に配されて穿設されている。ヨーク
4の開口部5における内縁には、一対の回り止め凸部9
が左右に配されて突設されている。ヨーク4の背面の閉
塞面壁には軸受部材収容部10が円筒形状に形成されてお
り、この収容部10の内部には軸受部材11が嵌装されてい
る。ヨーク4の内周面には複数個のマグネット12が磁界
を形成するように周方向に等間隔に配されて固着されて
いる。
回転子2はヨーク4の長さよりも長いシャフト13を備え
ており、シャフト13の中間部の外周上にはコンミュテー
タ14とアーマチュア15とが前後に配されて固装されてい
る。シャフト13の前端部にはピニオン16が刻設されてお
り、ピニオン16は組付け状態において、スタータのドリ
ブンギャ17に噛合するようになっている。シャフト13の
外周におけるピニオン16の後位置と後端部とには、ジャ
ーナル部18、19がそれぞれ形成されており、シャフト13
は両方のジャーナル部18、19を後記する軸受部材58およ
びヨーク4に配された前記軸受部材11でそれぞれ支承さ
れることによりヨーク4の内部において回転自在に軸架
されている。
本発明にかかる金属と樹脂の複合体としてのブラケット
ユニット3はナイロン樹脂により略円盤形状に一体成形
されている樹脂構造物としてのブラシホルダ20を備えて
おり、ブラシホルダ20は金属部材としてのブラケット21
に一体成形されている。また、ブラシホルダ20の所定位
置にはターミナル部材33が、第4図に示されているよう
に、ブラケット21が絶縁状態で貫通するように植設され
ている。
ここで、本発明の一実施例であるブラケットユニットに
ついての製造方法、およびその構成を説明する。
ブラケット21は鉄板等のような導電性を有する板剤を用
いて打抜きプレス加工により、ヨーク4のフランジ部6
の外形に対応するように、第5図に示されているような
平板形状に形成されている。ブラケット21の上下部には
一対のボルト挿通孔22と、ビス螺入用ねじ孔23とがそれ
ぞれ配されて開設されている。ブラケット21の略中央部
には窓孔24が、コンミュテータ14の外径よりも若干大き
い内径になるように開設されており、窓孔24の周囲には
複数の小孔25が周方向に配されて開設されている。窓孔
24には軸受部材収容部57が円形椀形状に一体的に連設さ
れている。また、ブラケット21の左上隅略45度の位置に
は、ターミナル部材33の幅および厚さよりも大きめの挿
通孔34が開設されている。
ブラケット21にブラシホルダ20が成形される時、第6図
に示されているように、ブラケット21は成形型70に挟み
込まれるようにセットされる。詳細な説明は省略する
が、成形型70は上型71および下型72を備えており、その
合わせ面にはゲート74を開設されたキャビティー73が、
後述するような構成を有するブラシホルダ20を成形し得
る形状に没設されている。ブラケット21はこのキャビテ
ィー73にブラシホルダ20を成形される部分を挿入され
て、上型71と下型72との間に挟み込まれるようにセット
される。
同時に、ブラケット21の挿通孔34にはターミナル部材33
が接触しないように挿入され、キャビティー73を貫通し
て上型71および下型72に位置決め保持される。
ここで、ブラケット21が成形型70にセットされる前に、
ブラケット21におけるブラシホルダ20が成形される部分
の表面には、メタクリル酸アルキルエステル・アクリル
酸アルキルエステル共重合物を主成分とするディスパー
ジョンが、刷毛やスプレー等による適当な手段により適
当な厚さをもって均一に塗布されることにより、その塗
膜75が形成される。また、この塗膜75はキャビティー73
にインサートされて樹脂形成される他の金属部材として
のターミナル部材33におけるインサート成形される部分
の表面にも同様に形成される。
メタクリル酸アルキルエステル・アクリル酸アルキルエ
ステル共重合物を主成分とするディスパージョンは、金
属および樹脂に対する親和性のよい樹脂の流動物であ
る。
ちなみに、本実施例においては、スタータモータが厳寒
地でも使用されることを考慮して、メタクリル酸アルキ
ルエステル・アクリル酸アルキルエステル共重合物とし
ては、そのガラス転移点が約−30℃以下になるように調
整されたものが使用されている。かつまた、樹脂の成形
温度(約280℃)に耐え得るものが使用されている。
塗膜75の厚さはディスパージョンの濃度や粘度等々によ
って異なるが、1〜50μmが好ましく、10μm程度が望
ましい。すなわち、1μm以下であると、可撓性が発揮
されにくくなり、50μmであると、効果の増加率が減少
し、使用量の割合に対するコストが増加する。
この塗膜75は自然または強制的に乾燥されることによ
り、ディスパージョンの媒液としての水を蒸発される。
そして、この塗膜75はゴム弾性的特性ないしは可撓性を
備えた状態になるとともに、金属の表面に接着ないしは
粘着する。塗膜75が乾燥された後、金属部材としてのブ
ラケット21およびターミナル部材33は前述したように、
成形型70にセットされる。
このようにしてブラケット21およびターミナル部材33が
成形型70に適宜セットされると、そのキャビティー73に
は成形材料としてのナイロン樹脂が約280℃に加熱溶融
された状態でゲート74から充填され、ブラケット21には
ナイロン樹脂から成る樹脂構造物としてのブラシホルダ
20が一体的に成形されるとともに、ブラシホルダ20には
ターミナル部材33が植え込み成形される。
すなわち、ブラケット21はブラシホルダ20の成形時に軸
心と略直交するように配されて植え込み成形されること
により、窓孔24の内縁から小孔25の外側にかけての部分
がブラシホルダ20の前壁部26と後壁部27との間に挟まれ
た状態でブラシホルダ20に一体化されている。この状態
において、ブラシホルダ20を形成しているナイロン樹脂
の一部はブラケット21の各小孔25を埋めて中実の円柱部
28をそれぞれ形成しており、これら円柱部28によりブラ
ケット21とブラシホルダ20とは完全に回り止めされた状
態で一体化されていることになる。また、ブラシホルダ
20が樹脂成形されると、ターミナル部材33は挿通孔34が
樹脂により埋められてなる略直方体形状の保持部35によ
り固定的に保持されることになる。
そして、ブラケット21の前後面とブラシホルダ20の前後
壁部26、27、および小孔25内周と円柱部28の外周におい
て、ブラケット21とブラシホルダ20との接触面間には可
撓性を有するシール膜76が、メタクリル酸アルキルエス
テル・アクリル酸アルキルエステル共重合物を主成分と
する塗膜75により形成されて介設されており、メタクリ
ル酸アルキルエステル・アクリル酸アルキルエステル共
重合物が金属および樹脂に対する親和性が高いため、こ
のシール膜76はブラケット21とブラシホルダ20との表面
に強力に粘着または接着、ないしは物理的または化学的
に結合した状態になって一体化している。また、ブラシ
ホルダ20とこれに挿通されたターミナル部材33との接触
面間にもシール膜76が同様に介設されている。
ブラシホルダ20の前壁部26における左下隅略45度の位置
には、穴部がブラケット21の地肌が露出するように開設
されている。ブラシホルダ20の後壁部27における正面穴
部に対応する位置にも、背面穴部31が同様に開設されて
おり、この背面穴部31底部におけるブラケット21の露出
面部はピグテールを接続するためのピグテール接続部32
を形成している。ターミナル部材33の保持部55から前方
に突出した部分により第2のリード線接続部36が、後方
に突出した部分により第2のピグテール接続部37がそれ
ぞれ形成されている。
ブラシホルダ20の後壁部27における外径は、ヨーク4の
開口部5における内径と略等しく、かつ、軸心が一致す
るように設定されており、これにより、後壁部27の外周
とヨーク開口部5の内周とは互いに雄印篭結合部38と、
雌印篭結合部39とを実質的に構成することになる。後壁
部27の背面の外縁における左右位置には、一対の立ち上
がり壁40が軸心と略平行方向にそれぞれ立設されてお
り、両立ち上がり壁40の外向き面には回り止め凹部41が
逆三角形の頂点に円形を連結してなる形状に没設されて
いる。前記雄雌の印篭結合部38、39の結合状態におい
て、両回り止め凹部41には、ヨーク4の開口部5の内縁
に突設されている前記回り止め凹部9がそれぞれ嵌合す
るようになっている。
後壁部27の背面における上下位置には、一対のブラシ収
容室42が互いに対向するようにそれぞれ配設されてお
り、この収容室42は互いに平行に対向して突設された一
対のガイド壁43により、径方向の両端面および背面の三
方が開放している中空の略直方体形状に形成されてい
る。各ガイド壁43の背面にはかしめ部44Aを形成するた
めのピン44がそれぞれ突設されており、また、前記立ち
上がり壁40の一方の内側位置には、後記する脱落防止板
を位置決めするためのピン45が突設されている。ブラシ
収容室42の背面側の開口は、各ガイド壁43の背面に当接
された状態において各ピンにより固定化される脱落防止
板46によって閉塞されている。
両収容室42には一対のブラシ51A、51Bが内向きに配され
て径方向に摺動自在にそれぞれ挿入されており、両ブラ
シ51A、51Bに植設されている各ピグテール52A、52Bは脱
落防止板46の上下に開設されている挿通孔49に摺動自在
にそれぞれ挿通されている。上側に配設されたブラシ51
Aのピグテール52Aの端末はターミナル部材33のピグテー
ル接続部37に、下側に配設されたブラシ51Bのピグテー
ル52Bの端末はブラケット21のピグテール接続部32にそ
れぞれ溶着されて、ターミナル部材33およびブラケット
21に電気的に接続されている。
収容室42のブラシ51A、51Bの外側には、一対のスプリン
グ53が収容室42の外向き開口から挿入されてそれぞれ収
容されており、スプリング53は収容室42の外向き開口部
に止着されるキャップ54に反力をとってブラシを内向き
に付勢することにより、回転子2のコンミュテータ14に
押接させるようになっている。
ブラケット21の窓孔24に対応する位置には、略円筒形状
の軸受部材収容部57が前方に突出するように形成されて
おり、この収容部57にはボールベアリング等からなる軸
受部材58が正確に軸心合わせされて嵌装されている。こ
の収容部57の軸心はブラシホルダ20の後端部27の外周に
より形成されている雄印篭結合部38についての軸心と一
致するように設定されており、したがって、収容部57に
軸心合わせされて収容されている軸受部材58の軸心は雄
印篭結合部38の軸心と一致されていることになる。
このように構成されているブラケットユニット3が固定
子1と回転子2とに組み付けられた状態において、ブラ
シホルダ20はヨーク4の開口部5に両者の外周面および
内周面における雄雌の印篭結合部38、39により印篭結合
されて軸心合わせされる。この状態において、軸受部材
58はブラシホルダ20の雄印篭結合部38に軸心合わせされ
ているため、ヨーク4の軸心にも一致されることにな
る。したがって、この軸受部材58とヨーク4の後端部の
軸受部材11にジャーナル部18、19を支承された回転子2
のシャフト13は固定子1に対して正確に軸心合わせされ
て回転自在に軸支されることになる。
ヨーク4の開口部5とブラシホルダ20とが印篭結合され
る際、回り止め凸部9と凹部41とは互いに整合されて嵌
合される。両者9と41とが嵌合されると、ヨーク4のフ
ランジ部6におけるボルト挿通孔7およびビス挿通孔8
と、ブラケット21のボルト挿通孔22およびビス螺入用ね
じ孔23とはそれぞれ整合することになる。ビス59をヨー
ク4のフランジ部6の挿通孔8に挿通してねじ孔23にね
じ込むと、ブラケット21とヨーク4とは結合されるた
め、固定子1、固定子2およびブラケットユニット3は
軸心および位置を合致された状態で一度に結合一体化さ
れることになる。詳細な説明は省略するが、この三者一
体の状態において、エンジンケース60のボス部61に軸受
部材収容部57が嵌合される。エンジンケース60のボス部
61と軸受部材収容部57との軸心を互いに合致するように
設定しておくと、軸受部材収容部57の軸受部材58に支承
されているシャフト13がボス部61に軸心合わせされるこ
とになる。このため、シャフト13に刻設されているピニ
オン16はドリブンギャ17に正確に噛合することになる。
次に作用を説明する。
前述したように、スタータモータはエンジンケースに連
設されるため、厳寒大気温度からエンジンのオーバヒー
ト温度までの温度環境に晒されることが予想される。そ
こで、スタータモータについては、約−20℃〜150℃程
度の範囲において数十回のサーマル・ショック試験を含
む環境試験が実施される。
ところで、ブラケットとブラシホルダとの接触面間にシ
ール膜が介設されていないブラケットユニットがスター
タモータに使用された場合、サーマル・ショック試験が
実施されると、金属と樹脂との熱膨張係数差により、第
7図に示されているようにブラケット21′とブラシホル
ダ20′との接触面間に相対的ずれ77が発生するため、そ
の後の気密性試験において、モータハウジングの気密性
が低下することが、本発明者によって明らかにされた。
これは、ブラケット21′とブラシホルダ20′との接触面
間における相対的ずれによって微細な隙間77が発生し、
この隙間により制御し得ない不測の通気路が第7図に矢
印で示されているように形成されてしまうためと考えら
れる。そして、ブラケットとブラシホルダとの接触両面
にこのような相対的ずれが発生すると、外部の雨水や凝
結水等がこの接触面間からモータハウジングの内面に侵
入するため、モータの性能を損う原因となる。
しかし、本実施例においては、ブラケット21とブラシホ
ルダ20との接触面間にシール膜76が介設されているた
め、サーマル・ショック試験が実施された後において
も、モータハウジングの気密性は所期の通りに維持され
る。したがって、ブラケット21とブラシホルダ20との接
触面間から外部の雨水や凝結水等がハウジングの内部に
侵入することは防止される。
すなわち、サーマル・ショック試験において、金属と樹
脂との熱膨張係数差によりブラケット21とブラシホルダ
20との接触面間に相対的ずれが発生したとしても、シー
ル膜76はそれが金属および樹脂のいずれについても優れ
た親和性を有するため、第8図に示されているようにブ
ラケット21とブラシホルダ20とのいずれにも接着ないし
は粘着することになる。しかも、シール膜76は優れた可
撓性を有するため、ブラケット21とブラシホルダ20との
熱膨張係数差による相互間の変位を可撓変形することに
よって許容し、シール膜76自体の一体性を維持すること
になる。したがって、ブラケット21とブラシホルダ20と
の接触面間に相対的ずれが発生としても、その両者21と
20との間は隙間ないしは通気路が形成されることをシー
ル膜76によって防止されるため、モータハウジングはサ
ーマル・ショック試験後も所期の気密性を維持すること
ができる。
この明細書の末尾に携載されている第1表は、この気密
性に関する実験結果を示すものであり、実験の次の通り
実施された。
まず、ブラケットユニットがヨークに組み付けられて成
る実験試料は、−20℃から150℃まで約2時間の間隔で
冷却および加熱を10回以上繰り返される。
第9図に示されているように、このサーマル・ショック
試験を実施された実験試料78にはコンプレッサ79が、ブ
ラケットユニットとヨークとによって内部に形成された
気密室にホース80等を介して流体結合されるとともに、
圧力計81が気密室の内圧を測定し得るように取り付けら
れる。
このセット状態で、実験試料78は水槽82の水中に浸漬さ
れ、気密室内にコンプレッサ79によりエアを圧送され
る。そして、ブラケットユニットにおけるブラケット21
とブラシホルダ20との接触面間から気泡83が発生した時
における気密室の内圧値が圧力計81により測定される。
この測定値が第1表における圧力値であり、その単位は
kg/cm2である。ちなみに、ブラケットとブラシホルダと
の接触面間からの浸水現象は、この実験値が0.3kg/cm2
以上であれば、実用に充分耐えることができる。
第1表において、第1試料はブラケットとブラシホルダ
との間にシール膜が介設されていないブラケットユニッ
トが使用されている場合を示しており、第2試料以下は
そのシール膜が第2表に列挙されたディスパージョンを
それぞれ用いて、次のように塗布されて形成された場合
を示している。すなわち、液状物はブラケットの表面に
刷毛を用いて3回塗布されて、約10〜20μmに形成さ
れ、数時間放置乾燥されて塗膜を形成される。その後、
ナイロン樹脂を用いてその塗膜を包囲するようにブラシ
ホルダ20が成形され、ブラケット21とブラシホルダ20と
の間にシール膜76が介設される。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、
その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であ
ることはいうまでもない。
例えば、前記実施例では、鉄板から成るブラケットと、
ナイロン樹脂から成るブラシホルダとの複合体、およ
び、銅板から成るターミナル部材と、ナイロン樹脂から
なるブラシホルダとの複合体につき説明したが、本発明
はこれに限らず、金属部材に樹脂構造物が一体成形され
る複合体全般に適用することができる。特に、気密性ま
たは液密性が必要な製品に適用して優れた効果が得られ
る。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、金属部材と樹脂
構造物との接触面間に、金属および樹脂に対して親和性
のよいメタクリル酸アルキルエステル・アクリル酸アリ
キルエステル共重合物を主成分とするディスパージョン
から形成され、可撓性を有するシール膜を介設すること
により、金属部材と樹脂構造物との接触面間に相対的ず
れが生じた場合においてもシール状態を維持することが
できる。また、メタクリル酸アルキルエステル・アクリ
ル酸アルキルエステル共重合物を主成分とするディスパ
ージョンによるシール膜は、水を蒸発させるだけで形成
されるため、有害なガスが発生することなく、しかも、
短時間で形成させることができるため、作業の安全性お
よび能率性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例であるブラケットユニットを
示す一部切断拡大側面図、第2図はそれが使用されてい
るスタータモータを示す縦断面図、第3図は第2図のII
I−III線に沿う断面図、第4図はターミナル部を示す拡
大部分断面図、第5図はその分解斜視図、第6図は製造
途中を示す断面面図、第7図および第8図は作用を説明
するための各拡大部分断面図、第9図は実験方法を説明
するための模式図である。 1……固定子、2……回転子、3……ブラケットユニッ
ト、4……ヨーク、5……開口部、6……フランジ部、
7……ボルト挿通孔、8……ビス挿通孔、9……回り止
め凸部、10……軸受部材収容部、11……軸受部材、12…
…マグネット、13……シャフト、14……コンミュテー
タ、15……アーマチュア、16……ピニオン、17……ドリ
ブンギャ、18、19……ジャーナル部、20……ブラシホル
ダ、21……ブラケット、22……ボルト挿通孔、23……ビ
ス螺入用ねじ孔、24……窓孔、25……小孔、26……前壁
部、27……壁部、28……円柱部、31……背面穴部、32…
…ピグテール接続部、33……ターミナル部材、34……タ
ーミナル部材挿通孔、35……ターミナル部材保持部、36
……リード線接続部、37……ピグテール接続部、38……
雄印篭結合部、39……雌印篭結合部、40……立ち上がり
壁、41……回り止め凹部、42……ブラシ収容室、43……
ガイド室、44……ピン、44A……係止部、45……位置決
め用ピン、46……脱落防止板、47……被覆部、48……連
接部、49……ピグテール挿通孔、50……小孔、51A、51B
……ブラシ、52A、52B……ピグテール、53……スプリン
グ、54……キャップ、55、56……係合凸部、57……軸受
部材収容部、58……軸受部材、59……ビス、60……エン
ジンケース、61……ボス部、62……ボルト螺入用ねじ
孔、63……ボルト、70……成形型、71……上型、72……
下型、73……キャビティー、74……ゲート、75……塗
膜、76……シール膜、77……隙間、78……実験試料、79
……コンプレッサ、80……ホース、81……圧力計、82…
…水槽、83……気泡。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂構造物が金属部材の表側面および裏側
    面にわたって一体的に成形されており、樹脂構造物の金
    属部材表側面における少なくとも一部と樹脂構造物の金
    属部材裏側面における少なくとも一部とが金属部材の一
    部を挟み込んだ状態になっているか、 または、金属部材が樹脂構造物の表側面裏側面にわたっ
    て一体的に形成されている金属と樹脂の複合体におい
    て、 前記金属部材と前記樹脂構造物との接触面間に、金属部
    材の形成材料および樹脂構造物の形成材料のいずれにも
    親和性がよいメタクリル酸アルキルエステル・アクリル
    酸アルキルエステル共重合物を主成分とするディスパー
    ジョンが用いられて形成されたシール膜が、介設されて
    おり、 このシール膜は介設された状態において、前記金属部材
    との接触面および前記樹脂構造物との接触面のいずれに
    もそれぞれ密着した状態になっているとともに、可撓性
    を維持した状態になっていることを特徴とする金属と樹
    脂の複合体。
  2. 【請求項2】金属部材が鉄系材料を、樹脂構造物がナイ
    ロン樹脂をそれぞれ使用することにより、構成されてい
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の金属と
    樹脂の複合体。
  3. 【請求項3】樹脂構造物が金属部材の表側面および裏側
    面にわたって一体的に成形されており、樹脂構造物の金
    属部材表側面における少なくとも一部と樹脂構造物の金
    属部材裏側面における少なくとも一部とが金属部材の一
    部を挟み込んだ状態になっているか、 または、金属部材が樹脂構造物の表側面裏側面にわたっ
    て一体的に形成されている金属と樹脂の複合体の製造方
    法において、 前記金属部材における前記樹脂構造との接触面に、金属
    部材の形成材料および樹脂構造物の形成材料のいずれに
    も親和性がよいメタクリル酸アルキルエステル・アクリ
    ル酸アルキルエステル共重合物を主成分とするディスパ
    ージョンが塗布される工程と、 前記金属部材に塗布されたメタクリル酸アルキルエステ
    ル・アクリル酸アルキルエステル共重合物を主成分とす
    るディスパージョンが乾燥される工程と、 メタクリル酸アルキルエステル・アクリル酸アルキルエ
    ステル共重合物を主成分とするディスパージョンを乾燥
    された金属部材が成形型に装着されて、前記樹脂構造物
    が成形されるとともに、この金属部材と樹脂構造物との
    接触面間に、前記メタクリル酸アルキルエステル・アク
    リル酸アルキルエステル共重合物を主成分とするディス
    パージョンによって形成されたシール膜が介設される工
    程とを備えており、 前記シール膜は介設された状態において、前記金属部材
    との接触面および前記樹脂構造物との接触面のいずれに
    もそれぞれ密着した状態に形成されているとともに、可
    撓性を維持した状態に形成されていることを特徴とする
    金属と樹脂の複合体の製造方法。
  4. 【請求項4】メタクリル酸アルキルエステル・アクリル
    酸アルキルエステル共重合物を主成分とするディスパー
    ジョンが、金属部材の表面に刷毛によって1〜20μm程
    度の厚さに塗布されることを特徴とする特許請求の範囲
    第3項記載の金属と樹脂の複合体の製造方法。
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