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JPH0757846B2 - 水溶性塗料組成物およびその製造方法 - Google Patents
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JPH0757846B2 - 水溶性塗料組成物およびその製造方法 - Google Patents

水溶性塗料組成物およびその製造方法

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JPH0757846B2
JPH0757846B2 JP59198952A JP19895284A JPH0757846B2 JP H0757846 B2 JPH0757846 B2 JP H0757846B2 JP 59198952 A JP59198952 A JP 59198952A JP 19895284 A JP19895284 A JP 19895284A JP H0757846 B2 JPH0757846 B2 JP H0757846B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は,水性塗料の一種である焼付型水溶性塗料及び
酸硬化型水溶性塗料に山皮を含有せしめた水溶性塗料組
成物およびその製造方法に関するものである。
(従来技術およびその問題点) 自動車や電気機器およびそれらの部品の金属表面には金
属腐食の防止や,美観を与えるために,塗装が施されて
いる。塗装用塗料の一種として水性塗料がある。
水性塗料は,水溶き塗料の総称であり,水溶性又は水分
散製の塗膜形成要素を用いて作るものである(JIS塗料
用語K5500−1068)。この水性塗料の中には大別して粉
状水性塗料,合成樹脂エマルジョンペイント,焼付型水
溶性塗料及び酸硬化型水溶性塗料に分類される。
上記焼付型および酸硬化型水溶性塗料は他の水性塗料と
比べて作業性が良好である,すなわち塗装したとき塗布
膜にワキ,フクレ,ピンポール,さらにはタレ等,塗装
時から乾燥するまでの間に発生する種々の欠陥が少ない
という利点,さらに光沢が優れているという利点を有し
ている。
しかし,水溶性塗料を塗布後焼きつけて得られた塗膜は
対象物によっては耐水性,耐水密着性が低く,塗膜寿命
が短いという問題点がある。
これらの問題点を解決するために,種々の試みが為され
ている。その具体的なものの一つは,塗料中にクロム酸
ストロンチウムを加えて被塗物表面を不働態化する方法
がある。しかし,この方法はクロム酸ストロンチウムを
使用する点で環境衛生上等に問題があるという欠点を有
している。また他の解決方法として,少量の親水性成分
を含有した樹脂にアミノ樹脂を併用して使用する方法
(特開昭57−21462号公報)もある。しかしこの方法に
よって得られた水溶性塗料を塗布後焼き付けて得られる
塗膜の耐水性及び耐水密着性は依然市場の要望を満足す
るものではなかった。
そこで本発明者らは上記従来技術の問題点を解決するた
めに,鋭意研究を重ねた結果,本発明を為すに至った。
本発明の目的は,水溶性塗料の従来の利点である,乾燥
性,光沢,硬度,耐酸性,耐アルカリ性などは可久的に
保持することはもちろん,これに加えて耐水性,耐水密
着性が向上した水溶性塗料組成物及びその製造方法を提
供することである。
(本発明の構成および作用) 本願における第1の発明(以下第1発明という)は,水
溶性塗料用樹脂と水と溶剤と繊維状山皮とを主成分とす
る水溶性塗料組成物であり,水溶性塗料用樹脂100重量
部に対して繊維状山皮を0.5〜50重量部含み,しかも該
繊維状山皮は直径0.002ないし0.1μmに繊維状態化した
微細繊維状山皮であって、該微細繊維状山皮は前記水溶
性塗料組成物中に不定形三次元方向に均一に分散してな
ることを特徴とする水溶性塗料組成物である。
また、本願にかかる第2の発明(以下第2発明という)
は、水溶性塗料の樹脂分100重量部に対して山皮を0.5〜
50重量部および水を加えて山皮を破砕混合し、該山皮を
直径が0.002〜0.1μmとなるまで繊維状態化するととも
に、この繊維状態化した繊維状山皮を該水溶性塗料中に
均一に分散せしめた山皮分散塗料とする破砕混合工程
と、該山皮分散塗料に適宜量の溶剤を添加配合し、適度
の粘度に調整する混合工程とからなることを特徴とする
水溶性塗料組成物の製造方法である。
まず第1発明について説明する。
本第1発明における水溶性塗料用樹脂は,アルキッド樹
脂,アクリル樹脂,エポキシエステル樹脂,オイルフリ
ーアルキッド樹脂等と硬化剤としてのアミノ樹脂等であ
る。
また,本発明に用いる山皮は,マグネシウム含有粘土性
鉱物であり,その表面に,反応性に富む水酸基を有する
鉱物であり,具体的には含水マグネシウムシリケートを
主成分とするセピオライト(Sepiolite),含水マグネ
シウムアルミニウムシリケートを主成分とするアタパル
ジャイト(Attapulgite)であり,これらの1種又は2
種以上を用いる。
本発明における山皮は通称,マウンテンコルク(Mounta
in cork),マウンテンレザー(Mountain leather),
マウンテンウッド((Mountain wood)等とも呼ばれて
いる鉱物であり,日本における海泡石もこの一種であ
る。該マグネシウム含有粘土性鉱物は,それ自身多量の
水を吸収する性質がある。
上記粘土性鉱物の結晶は一辺が約0.1μmの四辺形断面
を有する長繊維の集合体で,該集合体内には,繊維の長
さ方向に多数の孔を有している。
本第1発明でいう繊維状態山皮は,直径が0.002〜0.1μ
mで,長さが0.1〜数μmの繊維状態化した微細繊維状
山皮であり,水溶性塗料用樹脂中に不定形三次元方向
に,しかも均一に分散している。
山皮は通常鉱山から採掘したものをクラッシャー等通常
の方法によって粉砕されるが,通常の粉砕では,0.5〜20
0μmの粒子である。すなわち,本発明にいう繊維状態
化された繊維状山皮は,従来から一般に言われている山
皮粒子とは異なり,さらに細かく,細くほぐした細長比
の大きな繊維形状を有するものである。
繊維状山皮と樹脂の混合量は,水溶性塗料用樹脂100重
量部に対して,山皮が0.5〜50重量部であり,この範囲
において,水溶性塗料の長所を損なうことなく,得られ
る塗膜の耐水性,金属板への耐水密着性が向上する。さ
らに良好な効果を得るには山皮の混合量は3〜20重量部
が最も好ましい。
山皮の混合量が0.5重量部未満の場合には,塗膜に対し
ての耐水性,耐水密着性の効果が得られず,また50重量
部以上になると,水溶性塗料組成物の粘度が高くなりす
ぎ,塗装作業性が低下するとともに,塗布後,焼付けて
得られる塗膜のつやがなくなり美観を損う。
本第1発明における水溶性塗料組成物には,顔料,添加
剤が含まれていてもよい。顔料としては,カーボンブラ
ック,ベンガラ,チタン白等の無機顔料,フタ口シャニ
ン,キナクリドン等の有機顔料及び炭酸カルシウム,タ
ルク,クレイ,炭酸マグネシウム,硫酸バリウム等の体
質顔料等が使用できる。
また,添加剤としては,ドライヤー,消泡剤,レベリン
グ剤,色分れ防止剤等が適宜使用できる。
また溶剤としては水の他ブチルセロソルブ,エチルセロ
ソルブ,イソプロピルアルコール,ブチルカルビトール
等が使用できる。
本第1発明にかかる水溶性塗料組成物は、水溶性塗料用
樹脂と水と溶剤とを主成分とし,必要ならば顔料,添加
剤を含み該樹脂中に繊維状態化した山皮が不定形三次元
方向に均一に分散しており,これらは上記溶剤により塗
装作業に適した粘度により調節されている。
本第1発明にかかる水溶性塗料組成物は,周知の塗装方
法によって,例えば静電塗装,エアスプレー塗装,浸漬
塗装等によって,被塗物表面に塗布,乾燥して塗膜とす
る。第1図には本発明によって得られた塗料を試験板に
塗布しその塗膜を透過型電子顕微鏡により観察した結果
を示す。図中には,繊維状態化した繊維状山皮1が不定
形三次元方向に均一に分散しているのがわかる。
次に本第2発明を説明する。
本第2発明は、前記第1発明である水溶性塗料組成物の
製造方法である。
先ず、水溶性塗料に山皮を、前記塗料の樹脂分100重量
部に対して0.5〜50重量部の割合で加え、該山皮を破砕
混合し、該山皮を直径が0.002〜0.1μmとなるまで繊維
状態化するとともに、この繊維状態化した繊維状山皮を
樹脂中に均一に分散せしめた山皮分散塗料とする(破砕
混合工程)。このとき混合する山皮は、通常の方法で破
砕したもので、その粒子径は、0.5〜200μm程度でよ
い。この好適な範囲外であってもよいが、前記粒子径が
200μmを超えると本工程での作業性が悪く、長時間を
必要とする。また、本工程での破砕混合をやり易くする
ために、少量の溶剤を加えて粘度を調整してもよい。
通常、水溶性塗料用樹脂と山皮とは互いに混じり合いに
くく、通常の混合方法では山皮を均一に分散させるのは
困難である。
そこで、本工程における破砕混合は、いわゆるレオロジ
ー混合により分散する方法であって、樹脂と山皮の混合
物に剪断力を加えて行うものである。このとき、樹脂は
山皮と強く接触するとともに、山皮は繊維状態化して樹
脂中に均一に分散する。この破砕混合は、サンドグライ
ンダー、ペイントンシェーカー、ボールミル等の分散機
を用いて行うことができる。サンドグラインダーで行う
場合を例として述べると、容積1の容器に、直径1mm
のガラスビーズを最密充填率で45〜55%となるように入
れ、次いで山皮と樹脂、さらに必要に応じて溶剤等を入
れたのち、容器中に設けたディスクを周速3m/sec以上
(即ち、剪断速度が3m/sec以上)で回転させ破砕混合す
ることができる。この場合入、ディスクの周速が低かっ
たり、混合時間が短かったりすると、破砕混合が不十分
となり、山皮が十分に繊維状態化しない。
次いで、前記繊維状態化した山皮を分散した塗料に適宜
量の溶剤を添加混合し、適度の粘度に調整する(混合工
程)。
ここで、顔料、各種添加剤、溶剤は破砕混合工程の途中
または初期に加えてもよい(即ち、混合工程と同時に行
う)が、溶剤の添加は樹脂の粘度が大きく変化すること
もあり破砕混合の後が望ましい。
次に、前記第1発明であり水溶性塗料組成物による塗膜
の形成方法の例を説明する。
本例は、まず水溶性塗料を用意し、該水溶性塗料の樹脂
分100重量部に対して0.5〜50重量部の割合で山皮を加
え、樹脂の存在下で山皮をほぐし、繊維状態化するとと
もに、これを樹脂中に分散する(破砕混合工程)。この
とき,樹脂には適量の溶剤を加え,樹脂分が樹脂溶液中
で15〜65%であるのが望ましい。水溶性塗料用樹脂に加
える山皮は通常の方法で粉砕したものでよく,その粒子
径は0.5〜200μm程度でよい。0.5μm以下であって
も,また200μm以上でもよいが,粒子が大きいと破砕
混合工程での作業性が悪く,長時間を必要とする。
通常,水溶性塗料用樹脂と山皮とは互いに混り合いにく
く,通常の混合方法では山皮を均一に分散させるのは困
難である。
そこで,本工程における破砕混合は,いわゆるレオロジ
ー混合により分散する方法であって,樹脂と山皮の混合
物にせん断力を加えて行なうものである。このとき,樹
脂は山皮と強く接触するとともに,山皮は,繊維状態化
して樹脂中に均一に分散する。この破砕混合は,サンド
グラインダー,ペイントシエーカー,ボールミル等の分
散機を用いて行なうことができる。サンドグラインダで
行なう場合を例として述べると,容積1の容器に直径
1mmのガラスビーズを最密充填率で45〜55%となるよう
に入れ,さらに山皮と樹脂,必要あらば溶剤,を入れ,
容器中に設けたディスクを,周速3m/sec以上(すなわ
ち,せん断速度が3m/sec以上)で回転させ破砕混合する
のがよい。
この場合,ディスクの周速が低かったり,時間が短かい
と破砕混合が不充分となり,山皮が充分に繊維状態化せ
ず,しかも部分的に分散していない部分が生じる。
以上山皮を繊維状態化して均一に分散せしめた山皮分散
塗料に溶剤,必要があれば,顔料,添加剤を添加混合す
る。次にこうして得られた水溶性塗料組成物を被塗装物
に塗布する。塗布後被塗装物を60〜180℃の温度で10〜6
0分間焼きつけて塗膜を得る。乾燥塗膜内の水分含有率
は,塗膜重量の5%以下であることが必須である。温度
が60℃未満では塗膜の乾燥が不充分で,山皮に吸着した
水分を充分に除去することができない。180℃を越える
と,温度が高すぎて水分が急激に蒸発し塗装膜が荒れ
る。乾燥時間が10分未満の場合は温度を高くしなければ
ならず,塗膜が荒れる。また乾燥が不均一になる。乾燥
時間が180分を越えると作業性が低下するとともに,山
皮に吸着した水分を充分に除去するまでに樹脂が硬化す
るので不都合である。
水溶性塗料組成物の硬化乾燥後の塗膜内の水分含有率
が,硬化乾燥後の塗膜重量の5%以上の場合,山皮が該
塗膜内に残存している水分の一部を吸着し,塗膜中に塗
膜外部より新たに浸入してくる水分を吸着する能力が低
下する。したがって塗膜外部より新たに浸入する水分
は,被塗装物と塗膜との界面まで到達しやすくなり,た
とえ山皮が繊維状態化して,不定形三次元方向に均一に
分散していたとしても,耐水性,耐水密着性の効果は期
待できない。
本例にかかる水溶性塗料組成物の塗膜形成方法によれば
山皮を樹脂の存在下で繊維状態化したこと、および硬化
乾燥後の塗膜内の水分含有率を塗膜重量の5%以下とし
たために、塗膜内の山皮が水分を吸収する能力は依然高
く、塗膜外部より塗膜内に侵入する水分を吸着し、水分
が被塗物と塗膜との界面にまで到達することを抑止し、
耐水性、耐水密着性に優れた効果を呈する。
また本願発明の水溶性塗料組成物は,コロイドエマルジ
ョン塗料あるいはエマルジョン塗料と適宜混合して使用
することもできる。なお,コロイドエマルジョン塗料用
樹脂溶液あるいはエマルジョン塗料用樹脂溶液に山皮を
配合し,山皮が繊維状態化して不定形三次元方向に均一
に分散するまで樹脂溶液を破砕混合した場合,コロイド
エマルジョン塗料用樹脂及びエマルジョン塗料用樹脂の
粒子の融合が起こり,ゲル化してしまう。したがってコ
ロイドエマルジョン塗料用樹脂溶液あるいはエマルジョ
ン塗料用樹脂溶液に直接山皮を配合して山皮を繊維状態
化して不定形三次元方向に均一に分散することは難し
い。それ故山皮が繊維状態化して不定形三次元方向に均
一に分散させた水溶性塗料組成物と,コロイドエマルジ
ョン塗料組成物を混合してそれぞれの塗料組成物の中間
型の塗料組成物として使用することもできる。
(本発明の効果) 本第1発明にかかる水溶性塗料組成物は,繊維状化され
た山皮が均一に分散しているので,適度の揺変性を示
す,塗装作業性がよい。さらに,該組成物により得られ
る乾燥塗膜中にも山皮が繊維状化して不定形三次元方向
に分散しているので,耐水性,耐水密着性を有する。す
なわち塗膜を長期間水中に浸漬しても塗膜が被塗装物か
らはがれることはないのはもちろん,また,ある程度の
力を加えてもはがれることはない。
本第2発明にかかる水溶性塗料組成物の製造方法によれ
ば、水溶性塗料樹脂中で山皮を破砕又はほぐすので、山
皮を繊維状態化し易く、しかも樹脂中さらには塗料中に
均一に分散させることができる。
第2発明にかかる水溶性塗料組成物の塗膜形成方法によ
れば山皮を樹脂の存在下で繊維状態化したこと,および
硬化乾燥後の塗膜内の水分含有率を塗膜重量の5%以下
としたために,塗膜内の山皮が水分を吸収する能力は依
然高く,塗膜外部より塗膜内に浸入する水分を吸着し,
水分が被塗物と塗膜との界面にまで到達することを抑止
し,耐水性,耐水密着性に優れた効果を呈する。
(実施例) 以下,実施例を説明する。
まず,各実施例において行なった,塗膜の耐水性,耐水
密着性を確めるための方法は,次のようである。
即ち,被塗装板は,大きさ150mm×70mm,厚さ0.8mmの軟
鋼板(SPCD)で,塗装前にその表面を有機溶剤で脱脂処
理ものである。これらに塗装を行ない塗膜を形成したの
ち40℃の純水に浸漬し,ブリスターの発生するまでの時
間を測定し,これを耐水性判断の基準とした。
耐水密着性の判断は,塗膜を40℃の純水に240時間浸漬
したのち,該塗膜に1mm間隔の切れ目を縦,横に11本ず
つ入れ,1mm四方のマス目を100個作る。そして,マス目
の上にセロハンテープを直接貼着し,その後該セロハン
テープの端部から,一定速度でセロハンテープを剥離
し,剥れないで残ったマス目の数を数えた。残ったマス
目の多い方が耐水密着性が優れていることになる。
本発明の実施例中に採用した水溶性塗料の製法について
詳しく説明すれば市場に流動している水溶性塗料の代表
的な製法を取り入れて再現したと同時に他の例は市場に
流動中の市販樹脂を購入して,これに山皮を配しての効
果を見るために選定実施したものである。
実施例1〜9 先ず、水溶性塗料用樹脂を作製した。
撹拌機,還流冷却器,温度計,加熱設備を装備するステ
ンレス製反応容器にサフラワー油43.90重量部を入れ,15
0℃に加熱し,トリメチロールプロパン16.44重量部を加
え,温度を220℃まで上昇させた後,さらに,リサージ
0.02重量部を加え反応させた。得られる生成物1重量部
がメタノール5重量部に溶解するまでのこの温度に保
ち,反応を継続した。反応終了後,生成物を166℃まで
冷却し,ブチルカルビトール12.54重量部を加え均一に
分散するまで撹拌した。その後無水トリメリット酸23.6
0重量部を加えたのち反応混合物を再び166℃に加熱し,
この温度に20分間保持した。その後さらに190℃で4時
間加熱し反応させた。反応生成物の酸価が35に達した
時,温度を170℃に下げ,これに無水フタル酸3.5重量部
を加え酸価が45になるまで反応を続けた。得られた反応
生成物100重量部を純水55重量部,イソプロピルイアル
コール6重量部,28%アンモニア水5重量部の混合物で
希釈して水溶性塗料用樹脂溶液を得た。水溶性塗料用樹
脂含有量は60%,粘度(ガードナー)はZ4,PHは8であ
った。
この得られた水溶性塗料用樹脂溶液の樹脂分100重量部
及び硬化剤としてメチル化メチロールメラミン樹脂溶液
(スミマールM−40W,住友化学工業株式会社製,不揮発
分80%)の樹脂分10重量部に対して粒子径約0.1〜150μ
mの山皮を10重量部加え,分散機であるサンドグライン
ダーにて混合した。そして山皮分散樹脂溶液を得た。使
用したサンドグラインダーは1の容積のもので,その
中に直径80mmのディスクを3枚装着し,直径1mmのガラ
スビーズを最密充填率が50%になる様に入れた。混合に
当ってはディスクの周速4m/secで2時間これを行った。
分散開始後,すみやかに樹脂分100重量部に対して顔料
としてのカーボンブラックを4重量部,炭酸カルシウム
を6重量部,消泡剤0.5重量部,溶剤としてイソプロピ
ルアルコール40重量部及び純水29重量部を順次配合混入
させて本第1発明にかかる水溶性塗料組成物を得た。
この水溶性塗料組成物中には,繊維状態化された直径0.
002〜0.1μm,長さ0.1〜数μmの山皮が多数,均一に不
定形三次元方向に分散しており、混合した山皮がほとん
ど繊維状態化されていた。
次に該塗料組成物を被塗装板にエアスプレーにて塗装
し,130℃×20分焼付け乾燥したのち,耐水性,耐水密着
性を調査した。その結果を第1表の実施例1の欄に塗膜
硬度(JIS K5400に準拠),塗膜光沢(JIS K5400に準
拠)と合せて示す。また,塗膜を電子顕微鏡で観察した
ところ,第1図に示すように山皮は,繊維状態化して,
不定形三次元方向に分散していた。
さらに,同様の水溶性塗料用樹脂溶液の樹脂分100重量
部に山皮の量を種々変化させた水溶性塗料組成物を得,
塗布後前後実施例1と同様にして焼付けて得られた塗膜
の耐水性,耐水密着性を調査した。その結果を第1表の
実施例2〜9に示す。また、比較例として山皮を60重量
部加えたもの(比較例1)、0.4重量部加えたもの(比
較例2)、および全く加えないもの(比較例3)につい
ても調査した。その結果を、第1表に併せて示した。
また,前記のサンドグラインダーによる混合を30分行
い,その他は実施例1と同様の方法で分散を行い,山皮
を繊維状態化させずに粒状のまま残っている水溶性塗料
組成物を得,塗布後焼付けて得られた塗膜の耐水性,耐
水密着性を調査した。その結果を第1表の比較例4に示
す。
第1表から明らかな如く,本発明のものは比較例3およ
び4と比較して耐水性,耐水密着性が著しく向上してい
る。
また山皮の配合量を水溶性塗料用樹脂100重量部に対し
て60重量部配しレオロジー混合した組成物(比較例1)
は,耐水性,耐水密着性試験の結果,効果はあったもの
の塗膜外観性が悪く,光沢試験の結果も35で,従来の塗
膜に比べて劣り市場のニーズに対応できない結果になっ
た。
さらに,水溶性塗料用樹脂100重量部に対し,山皮の添
加量を0.5重量部から50重量部までほぼ等間隔に量添加
して行った実施令の試験結果から塗膜の硬さ,光沢をも
勘案すると,山皮混合量の最も好ましい範囲は3〜20重
量部である。また比較例4の結果より,効果が上がると
される山皮を配合してもなお,工程,混合技術の相違に
より,水溶性塗料組成物の組成物確認として,山皮が不
定形三次元方向に均一分散されていなかったために耐水
性,耐水密着性の効果につながらなかったことを示すも
ので,その理由は水溶性塗料用樹脂溶液と山皮との混合
工程で,混合時間が短かかったためである。
第2図に該塗膜の透過電子顕微鏡観察結果を示す。この
結果から粒子状山皮2がほぼそのまま分散していること
がわかる。すなわち水溶性塗料組成物中の山皮が繊維状
態化して均一に分散している必要があることを示してい
る。
実施例10 撹拌機,還流冷却器,加熱設備を装備するガラスライニ
ングの反応容器にアクリル酸3.55重量部,N−メチロール
アクリルアミド7.35重量部,アクリル酸エチル16.6重量
部,メタクリル酸メチル16.6重量部,イソプロピルアル
コール55.5重量部,過酸化カプリリル0.22重量部を入
れ,16時間還流下に加熱した。その後純水230重量部と,2
8%アンモニア水10重量部を加え,水溶性塗料用樹脂溶
液を得た。不揮発分は30%粘度(ガードナー)はV−W,
PHは8.8であった。この得られた樹脂溶液の樹脂分100重
量部及び硬化剤としてメチル化メチロールメラミン樹脂
溶液(スミマールM−40W,住友化学工業株式会社製,不
揮発分80%)の樹脂分10重量部に対して粒子径約0.5〜2
00μmの山皮を10重量部加え,分散機のサイドグライン
ダーにて混合した。そして山皮分散樹脂溶液を得た。使
用したサンドグラインダーは1容積のもので,その中
に直径80mmのディスクを3枚装着し,直径1mmのガラス
ビーズを最密充填率が50%になる様に入れた。混合に当
ってはディスクの周速4m/secで2.5時間これを行った。
分散開始後,すみやかに樹脂分100重量部に対して顔料
としてのカーボンブラックを4重量部,炭酸カルシウム
を6重量部,消泡剤0.5重量部,イソプロピルアルコー
ル40重量部,及び純水29重量部を順次配合混入させて本
願にかかる水溶性塗料組成物を得た。
この水溶性塗料組成物中には,繊維状化された直径0.00
2〜0.1μm,長さ0.1〜数μmの山皮が多数均一に不定形
三次元方向に分散していた。
次に該塗料組成物を被塗装板にエアスプレーに塗装し,
焼き付け乾燥したのち,耐水性,耐水密着性を調査し
た。その結果を第2表の実施例10の欄に焼付け乾燥条
件,塗膜硬度(JIS K5400に準拠),塗膜光沢(JIS K54
00に準拠)硬化乾燥後の塗膜内の水分含有率と合わせて
示す。また焼付け乾燥条件を種々変化させた塗膜の試験
結果を第2表の実施例11,12に示す。なお,塗膜内の水
分含有率の測定に当っては,水分気化装置(ADP−341,
京都電子工業株式会社製)にカールフィッシャ水分計
(京都電子工業株式会社製)を付設した装置を用いて行
った。
実施例13 撹拌機と還流冷却器と加熱設備を装備するステンレス製
反応容器に,純水46.5重量部,亜硫酸水素ナトリウム0.
0425重量部,ラウリル硫酸ナトリウム0.00425重量部を
入れ180℃まで加熱し,スチレン23.4重量部,メタクリ
ル酸2.12重量部,アクリル酸エチル17.0重量部,過硫酸
カリウム0.17重量部,純水7.45重量部を順次滴下混合し
た。混合物を30分間66℃に加熱した後,さらに2.5時間6
5〜66℃で反応を続け,エマルジョン塗料用樹脂溶液を
得た。得られたエマルジョン塗料用樹脂溶液の樹脂分10
0重量部に対して,カーボンブラック3重量部,炭酸カ
ルシウム4.5重量部,消泡剤0.7重量部,ブチルセルソル
ブ7.5重量部,純水13.5重量部を順次配合してエマルジ
ョン塗料を得た。
このエマルジョン塗料100重量部に実施例11で得られた
水溶性塗料組成物100重量部及びコバルトドライヤー3
重量部を加えて混合し,コロイドエマルジョン型の塗料
組成物を得た。
このコロイドエマルジョン型の塗料組成物を実施例11と
同様の方法で塗装し,耐水性,耐水密着性を調査した。
その結果を第2表の実施例14に示す。すなわち,良好な
耐水性,耐水密着性を示した。
比較例5 実施例10と同様の製法を用い,相違する点は,山皮を全
く配合しないで水溶性塗料を得た。
この水溶性塗料100重量部と実施例14で得られたエマル
ジョン塗料100重量部を加えて混合し,コロイドエマル
ジョン型の塗料を得た。
このコロイドエマルジョン型の塗料を実施例11と同様の
方法で塗装し,耐水性,耐水密着性を調査した。この結
果を第2表の比較例5に示す。ように,耐水性,耐水密
着性ともに低いものであった。
第2表から明らかなごとく,水溶性塗料組成物の硬化乾
燥後の塗膜内の水分含有率が硬化乾燥後の塗膜重量の5
%以下の場合,塗膜の耐水性,耐水密着性は水分含有率
が5%以上の塗膜と比べて著しく優れていることが分か
る。また山皮を水溶性塗料用樹脂100重量部に対して10
重量部均一に分散して得た水溶性塗料組成物とエマルジ
ョン塗料組成物を混合して得られたコロイドエマルジョ
ン型の塗料組成物を焼き付けて得られた塗膜の耐水性,
耐水密着性は,山皮を全く配合しないコロイドエマルジ
ョン型の塗料に比べて数段優れていた。
実施例14 水溶性アルキッド樹脂塗料(ウオーターゾールS−123,
大日本インキ化学工業株式会社製,不揮発分50%)の樹
脂分100重量部及び硬化剤としてのメチル化メチロール
メラミン樹脂(スミマールM−40W,住友化学工業株式会
社製,不揮発分80%)の樹脂分10重量部に対し山皮を10
重量部加え,サンドグラインダーにて混合した。使用し
たサンドグラインダーは1の容積のもので,その中に
直径80mmのディスクを3枚装着し,直径1mmのガラスビ
ーズを最密充填率が50%になる様に入れた。混合に当っ
ては,ディスクの周速4m/secで2時間これを行った。分
散開始後すみやかにカーボンブラック4重量部,炭酸カ
ルシウム6重量部消泡剤0.5重量部,ブチルセルソルブ4
0重量部及び純水29重量部を順次配合させて水溶性塗料
組成物を得た。
該塗装組成物を実施例1と同様の方法で塗装し,塗膜の
耐水性,耐水密着性を調査し,その結果を第3表,実施
例14に示した。また比較例として山皮を全く加えないも
のについても調査した。その結果を第3表比較例6に示
す。
実施例14及び比較例6の試験結果より,本願発明で使用
する樹脂は,一般市販の樹脂を用いてもほぼ同等の効果
が得られることが確認できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は塗膜中に繊維状化した山皮が均一分散している
様子を示す図,第2図は塗膜中に粒子状山皮が分散して
いる様子を示す図である。 1……繊維状化した山皮 2……粒子状の山皮
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉浦 正洽 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 堀井 満正 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 菊 健 愛知県豊田市中町中郷146番地の2 (72)発明者 奥村 幸英 愛知県名古屋市中川区荒子町大和ケ池20番 地 審判の合議体 審判長 鳴井 義夫 審判官 近藤 兼敏 審判官 柿沢 紀世雄 (56)参考文献 特開 昭60−152574(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性塗料用樹脂と水と溶剤と繊維状山皮
    とを主成分とする水溶性塗料組成物であり、水溶性塗料
    用樹脂100重量部に対して繊維状山皮を0.5〜50重量部含
    み、しかも該繊維状山皮は直径が0.002ないし0.1μmに
    繊維状態化した微細繊維状山皮であって、該微細繊維状
    山皮は前記水溶性塗料組成物中に不定形三次元方向に均
    一に分散してなることを特徴とする水溶性塗料組成物。
  2. 【請求項2】水溶性塗料の樹脂分100重量部に対して山
    皮を0.5〜50重量部加えて山皮を破砕混合し、該山皮を
    直径が0.002〜0.1μmとなるまで繊維状態化するととも
    に、この繊維状態化した繊維状山皮を樹脂中に均一に分
    散せしめた山皮分散塗料とする破砕混合工程と、該山皮
    分散塗料に適宜量の溶剤を添加混合して、適度の粘度に
    調整する混合工程とからなることを特徴とする水溶性塗
    料組成物の製造方法。
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