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JPH0767233B2 - デジタル形地絡母線保護継電装置 - Google Patents
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JPH0767233B2 - デジタル形地絡母線保護継電装置 - Google Patents

デジタル形地絡母線保護継電装置

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JPH0767233B2
JPH0767233B2 JP63327606A JP32760688A JPH0767233B2 JP H0767233 B2 JPH0767233 B2 JP H0767233B2 JP 63327606 A JP63327606 A JP 63327606A JP 32760688 A JP32760688 A JP 32760688A JP H0767233 B2 JPH0767233 B2 JP H0767233B2
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伸夫 江田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、高抵抗接地電力系統の母線を保護するデジ
タル形地絡母線保護継電装置に関し、特に、地絡事故検
出誤差の防止並びに外部地絡事故に対する確実な動作抑
制を実現したデジタル形地絡母線保護継電装置に関する
ものである。
[従来の技術] 第7図は、例えば特公昭50−27574号公報に記載され
た、従来の地絡母線保護継電装置を示す構成図である。
図において、(1)は電力系統の母線であり、便宜的に
単線で示すが実際は三相線からなっている。(2m)(m
=1〜n)は母線(1)に接続されたn個の回線、(3
m)は各回線(2m)に設置された変流器(以下、CTとい
う)、(4)は母線(1)に接続された計器用変圧器等
の電圧変成器(以下、PTという)である。
(5m)は各CT(3m)の二次側に接続されて各回線(2m)
の零相電流Imを検出するための入力装置であり、それぞ
れ、直列配置されたトランス(6)及び(7)と、トラ
ンス(7)の二次側に接続された抵抗(8)及び整流回
路(9)とを備えている。
(10)はPT(4)の三次側から得られる母線(1)の零
相電圧Vと各入力装置(5m)の出力とに基づいてリレー
動作信号Sを導出する母線保護リレーであり、零相電圧
Vと各トランス(6)からの零相電流差動量とに基づい
て有効伏差動量をEを導出する有効分差動量導出回路
(11)と、零相電圧Vと整流回路(9)を介したトラン
ス(7)からの零相電流抑制量とに基づいて有効抑制量
を導出する有効抑制量導出回路(12)と、有効分差
動量E及び有効抑制量Eの比率差動に基づいてリレ
ー動作信号Sを導出するレベル検出回路(13)とを備え
ている。
次に、第7図に示した従来の地絡母線保護継電装置の動
作について説明する。
各零相電流Im(m=1〜n)が導入された入力装置(5
m)は、トランス(6)を介してリレー動作用の差動量
を、又、トランス(7)、抵抗(8)及び整流回路
(9)を介してリレー動作抑制用の抑制量をそれぞれ導
出する。
一般に、母線保護リレー(10)内の有効分差動量導出回
路(11)は、全回線(21)〜(2n)に対する零相電流差
動量をベクトル合成して差動量とし、一方、有効抑制導
出回路(12)は、各整流回路(9)の出力を並列接続し
て、各回線の零相電流Imに比例した零相電流抑制量のう
ち最大値を抑制量としている。
従って、母線(1)の外部地絡事故の場合、差動量は0
又はCT(3m)の誤差に比例した微少量となり、抑制量は
事故電流に比例した量となる。
又、母線(1)の内部地絡事故の場合、差動量が事故電
流に比例した量となり、抑制量は母線(1)に流入する
各回線(2m)の事故電流のうち最大値に比例した量とな
る。
母線保護リレー(10)内のレベル検出回路(13)は、比
率差動原理を用いており、差動量及び抑制量を比率差動
によりレベル比較して母線(1)の地絡事故を検出す
る。
このとき、母線(1)に接続された送電線にケーブル系
がある場合、通常の比率差動リレーでは内部地絡事故時
に対して確実な動作ができなくなるおそれがある。
第8図は通常の比率差動リレーを示す構成図であり、
(2a)〜(2c)は母線(1)に接続された回線、(3a)
〜(3c)は各回線(2a)〜(2c)に設置されたCT、(1
4)は回線(2a)及び(2b)とグランドとの間に存在す
るケーブル充電容量、jIは回線(2a)及び(2b)に流
れる充電電流である。
(15)及び(16)は回線(2c)とグランドとの間に挿入
された中性点接地抵抗(以下、NGRという)及び中性点
接地リアクトル(以下、NGLという)であり、互いに並
列接続されている。NGL(16)は充電容量(14)が大き
い場合の補償用に設けられている。
(17)は第7図内のトランス(6)の出力回路に相当す
る差動量導出回路、(18)は整流回路(9)の出力回路
に相当する抑制量導出回路、(1〜)はレベル検出回路
(13)に相当する比率差動リレーである。
第8図の電力系統において、母線(1)に1φG(1線
地絡)事故Aが発生して事故電流Iが流れたとする
と、回線(2a)及び(2b)のCT(3a)及び(3b)には充
電電流jIが流れ、回線(2c)のCT(3c)には、NGR(1
5)に流れる事故電流IとNGL(16)に流れるリアクト
ル電流(−jIとの合成電流(I−jI)が流れる。
ここで、抑制量導出回路(18)は、充電電流jI及び合
成電流(I−jI)のうちの最大値を抑制量Iとし
て導出するので、抑制量Iは、 I=I−jI となり、合成電流(I−jI)に比例した量となる。
又、差動量導出回路(17)は、入力される電流を総計し
た値を差動量Iとして導出するので、差動量Iは、 I=I−jI+2jI となり、I=2Iとすれば、 I=I となる。
比率差動リレー(19)は、例えば、 I−ηI>K … を判定し、式を満たせばリレー動作信号Sを導出す
る。但し、式において、ηは比率差動定数であり、K
は判定基準となる判定基準定数である。
式から明らかなように、充電電流jI及びリアクトル
電流(−jI)などの無効分電流(事故電流Iに対し
てπ/2のベクトル位相差を持つ電流)による抑制量I
が大きくなると、比率差動リレー(19)は、母線(1)
の内部地絡事故が発生してもリレー動作信号Sを導出せ
ず、不動作となってしまう。
このような無効電流対策として、第7図の従来装置で
は、有効分差動量導出回路(11)及び有効分抑制量導出
回路(12)による比率差動原理を用いている。
即ち、母線保護リレー(10)内の有効差動量導出回路
(11)は、各入力装置(5m)からの零相電流差動量とPT
(4)からの零相電圧Vに基づいて、零相電圧Vと同相
の有効分差動量Eを導出し、同様に、有効分抑制量導
出回路(12)は、各零相電流抑制量及び零相電圧Vに基
づいて、零相電圧Vと同相の有効分抑制量Eを導出す
る。
そして、レベル検出回路(13)は、有効分差動量E
び有効分抑制量Eに基づいて、 E−η・E≧Ko … 但し、η:抑制比率定数 Ko:判定基準定数 を判定し、式を満たせば母線保護用のリレー動作信号
Sを導出する。
[発明が解決しようとする課題] 従来の地絡母線保護継電装置は以上のように、各回線
(2m)毎の零相電流Imの有効分お総和に比例した量を有
効分差動量(動作量)Eとし、又、各回線(2m)毎の
零相電流Imの有効分に比例した量を有効分抑制量E
して、比率差動原理を用いることにより、無効分電流
(充電電流jI、又はリアクトル電流(−jI))に起
因する不要抑制量による内部地絡事故の誤不動作を防止
している。
しかし、外部地絡事故発生時に、有効分抑制量Eとし
てはNGR電流(事故電流)Iに比例した量を得ること
ができるが、NGL(16)により過渡直流分電流が発生す
るためCT(3m)が過渡的に直流飽和を生じることがあ
り、過渡直流分電流が大きく且つ継続時間が長ければ、
抑制できずに誤動作するおそれがあるという問題点があ
った。
又、外部地絡事故時において、無効分電流のみが母線
(1)を貫通した場合には、有効分抑制量がEが得ら
れず、無抑制状態となって誤動作するという問題点があ
った。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされ
たもので、マイクロプロセッサを用いたデジタルリレー
を利用し、CTの過渡直流飽和による地絡事故検出誤差を
防止したデジタル形地絡母線保護継電装置を得ることを
目的とする。
又、この発明の別の発明は、外部地絡事故時に無効分電
流のみが母線を貫通しても、動作を抑制できるデジタル
形地絡母線保護装置を得ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] この発明に係るデジタル形地絡母線保護継電装置は、電
圧変成器より導出した母線の零相電圧と変流器より導出
した各回線の零相電流とを各々、同一時刻、同一間隔で
サンプリングするサンプルホールド器と、サンプリング
された零相電圧及び零相電流をそれぞれデジタル量の電
圧データ及び電流データに変換するAD変換器と、電圧デ
ータ及び電流データに基づいて母線保護用のリレー動作
信号を導出する演算処理手段とを備え、演算処理手段と
して、電圧データと電流データとの積値を所定時間分だ
け加算して時間積分値を導出する時間積分手段と、時間
積分値を各回線の全数分加算して差動量を導出する差動
量演算手段と、時間積分値の絶対値に基づいて抑制量を
導出する抑制量演算手段と、差動量及び抑制量の比率差
動演算によりリレー動作信号を導出する比率差動演算手
段とを設けたものである。
又、この発明の別の発明に係るデジタル形地絡母線保護
継電装置は、演算処理手段として、更に、電圧データを
所定の位相角だけ移相して移相電圧データを導出する移
相手段を設け、時間積分手段、移相電圧データと電流デ
ータとの積値を所定時間分だけ加算するようにしたもの
である。
[作用] この発明においては、各回線の地絡事故電力に相当する
積値を所定時間分(1サイクル分)積分し、この時間積
分値に基づいて比率差動演算を行なうことにより、ケー
ブル系の無効分電流による不要抑制量の発生を防止する
と共に、CTの過渡直流飽和による地絡事故検出誤差を軽
減する。
又、この発明の別の発明においては、電圧データを適当
な位相角(例えば、π/12〜π/6)だけ移相した後に電
流データとの積値を求め、この積値に基づいて比率差動
演算を行なうことにより、ケーブル系の無効分電流によ
る抑制量を適当量に制限し、内部地絡事故時に確実に動
作すると共に、外部地絡事故時の無効分電流により抑制
量を発生させて誤動作を防止する。
[実施例] 以下、この発明の一実施例を図について説明する。第1
図はこの発明の一実施例を示す構成図であり、(1)、
(2m)、(3m)及び(4)は前述と同様のものである。
Tm(m=1〜n)は各回線(2m)に設置されたCT(3m)
からの零相電流Imを導入するための入力トランス、Toは
母線(1)に設置されたPT(4)からの零相電圧Vを導
入するための入力トランスである。
(20)は入力トランスTo及びTmを介した零相電圧V及び
零相電流Imを導入してリレー動作信号Sを導出するデジ
タルリレーであり、零相電圧V及び電流Imに含まれる高
調波を除去するフィルタ(21)と、フィルタ(21)を介
した零相電圧V及び零相電流Imを各々同一時刻且つ同一
間隔でサンプリングするサンプルホールド器(以下、SH
という)(22)と、サンプリングされた零相電圧V及び
零相電流Imを時系列的に選択するマルチプレクサ(23)
と、マルチプレクサ(23)を介した零相電圧V及び零相
電流Imをそれぞれデジタルの電圧データDV及び電流デー
タDImに変換するAD変換器(24)と、電圧データDV及び
電流データDImを記憶するメモリ(25)と、所定のプロ
グラムに従って電圧データDV及び電流データDImの演算
を行なう演算処理手段(以下、CPUという)(26)と、C
PU(26)の演算結果即ちリレー動作信号Sを導出する出
力装置(27)とを備えている。
第2図は演算処理手段としてのCPU(26)の演算処理内
容を示す機能ブロック図であり、(31)は電圧データDV
と電流データDImとの積値DPmを所定時間分(例えば、ω
t=0〜2πに相当する1サイクル分)だけ加算して時
間積分値Pmを導出する時間積分手段、(32)は時間積分
値Pmを全回線分(m=1〜n)加算して差動量Pを導
出する差動量演算手段である。
(33)は時間積分値Pmの絶対値に基づいて抑制量P
導出する抑制量演算手段であり、各時間積分値Pmの絶対
値の最大値、又は全て(m=1〜n)のスカラー和を抑
制量Pとして導出するようになっている。
(34)は差動量P及び抑制量Pの比率差動演算によ
りリレー動作信号S1を導出する比率差動演算手段、(3
5)は差動量P及び電圧データDVの比から零相電流振
幅値のレベルを検出してリレー動作S2を導出する差動レ
ベル判定手段、(36)は各リレー動作信号S1及びS2の論
理積をとって最終的なリレー動作信号Sを導出するアン
ドゲートである。
次に、第1図及び第2図に示したこの発明の一実施例の
動作について説明する。
PT(4)から導出された母線(1)の零相電圧V及びCT
(3m)から導出された各回線(2m)の零相電流Imは、入
力トランスTo〜Tnを介してデジタルリレー(20)に導入
され、フィルタ(21)、SH(22)及びマルチプレクサ
(23)を介してAD変換器(24)に導入され、SH(22)の
サンプリング時刻毎のデジタルデータ即ち電圧データDV
及び電流データDImとなってメモリ(25)に格納され
る。
CPU(26)は、メモリ(25)から電圧データDV及び電流
データDImを読出し、まず、時間積分手段(31)を用い
て、電圧データDV及び電流データDImの積値DPmに基づい
て、各回線(2m)の地絡事故電力に相当する時間積分値
Pmを求める。
一般に、電力系統の角周波数をω、零相電圧Vの振幅を
Vo、零相電流Imの振幅をIom、零相電圧Vと零相電流Im
との間の位相角をθmとすれば、或る時刻tにおける零
相電圧V及び零相電流Imは、それぞれ時刻tの関数、 V(t)=Vo・sinωt … Im(t)=Iom・sin(ωt+θm) … で表わされる。従って、時刻tにおける両者の積値は、 V(t)・Im(t) =Vo・Iom・sinωt・sin(ωt+θm) =Vo・Iom{cosθm−cos(2ωt+θm)}/2 … となり、式を1サイクル分(ωt=0〜2π)だけ積
分して得られた時間積分値は、 ∫[Vo.Iom{cosθm−cos(2ωt+θm)}/2]dt =π・Vo・Iom・cosθm … となる。式から、時間積分値は、零相電圧振幅値Voと
零相電流Imの有効分振幅値Iom・cosθmとの積で表わさ
れ、時刻tとは無関係であることが分かる。
この場合、実際にCPU(26)で演算処理されるデジタル
データ即ち電圧データDV及び電流データDImは、一定時
間毎のサンプリング時刻tに得られる値なので、時間
積分値Pmは、1サイクルに相当する各サンプリング時刻
の積値の総和で表わされる。
例えば、サンプリング周波数がωの12倍の場合、サンプ
リング時間間隔は1サイクル(2π)の1/12即ちπ/6に
相当し、サンプリングされたデジタルデータのうちの12
個の積値を加算すれば、1サイクル分の積分が行なわれ
たことになる。従って、時刻t12において演算される時
間積分値Pmは、各サンプリング時刻tにおける電圧デ
ータDV(t)及び電流データDIm(t)をK=0か
らK=11まで総和したものとなり、 Pm=ΣDPm(t) =Σ{DV(t)・DIm(t)} =K・Vo・Iom・cosθm … 但し、K:定数 で表わされる。
次に、差動量演算手段(32)は、時間積分値Pmを全回線
分(m=1〜n)について加算し、 P=ΣPm … から、差動量Pを導出する。
一方、抑制量演算手段(33)は、各回線(2m)に対する
時間積分値Pmの絶対値をとり、そのうちの最大値Max|Pm
|、又は、|P1|〜|Pn|のスカラー和Σ|Pm|を求め、抑制
量Pとして、 P=Max|Pm| … 又は、 P=Σ|Pm| … を導出する。式又は式で表わされる抑制量Pは、
いずれが選択されてもこの発明の効果を奏することがで
きる。
次に、比率差動演算手段(34)は、導入された差動量P
及び抑制量Pに基づいて、比率差動原理を用いて、 P−η・P>O … 但し、η:比率差動定数 を判定し、式を満たす場合は、リレー動作信号S1を導
出する。
又、差動レベル判定手段(35)は、差動量P及び電圧
データDVの各絶対値の比に基づいて、 |Io|=|P|/|DV| … で与えられる差動電流|Io|を求め、この差動電流|Io
|とタップ値定数Kを比較して、 |Io|>K を満たす場合はリレー動作信号S2を導出する。
尚、或る時刻tにおいて演算される電圧データの絶対
値|DV|は、時刻tの電圧データDV(t)とπ/2に相
当する3サンプリング前の時刻tJ−3に基づいて、 |DV| =[{DV(t)}+{DV(tJ−3)}1/2 ={{Vo・sinωt(Vo・cosωt1/2 から求められる。
又、式は、式及び式より、 |Io|=|P|/|DV| =|K・Vo・Σ(Iom・cosθm)|/|Vo| =|K・Σ(Iom・cosθm)| … となり、差動電流|Io|は差動量Pの絶対値に比例
した量となる。
アンドゲート(36)は、比率差動演算手段(34)及び差
動レベル判定手段(35)からのリレー動作信号S1及びS2
の論理積をとり、最終的なリレー動作Sを導出する。
これにより、次の効果が得られる。
(i)無効分電流の影響を受けないので、母線内部事故
に、充電電流及びNGL電流による過剰制量で不動作とな
ることがなく、確実に応答した遮断器を開放動作するこ
とができる。
(ii)CT(3m)の過渡直流飽和による誤動作を防止する
ことができる。
これらの効果のうち(i)については上記〜式に基
づく説明から明らかなので、以下、第3図〜第5図を参
照しながら、効果(ii)について具体的に説明する。
第3図(イ)において、(2)〜(2)は母線
(1)に接続された回線、(3)〜(3は各回線
(2)〜(2)に設置されたCTであり、この場合、
回線(2)にNGR(15)が接続され、回線(2)に
ケーブル充電容量(14)及びNGL(16)が接続されてい
る。
いま、回線(2)において1φGの外部地絡事故Aが
発生したとすると、NGR(15)には事故電流Iが流
れ、ケーブル充電容量(14)及びNGL(16)にはそれぞ
れ充電電流Ic及びリアクトル電流Iが流れる。
このとき、PT(4)(第1図参照)から検出される零相
電圧Vは、第3図(ロ)に示すように、式に従う正弦
波形となる。
又、前述のように、充電電流Ic及びリアクトル電流I
の関係が|Ic|=|I|を満たものとし、電力系統のリア
クトルが発生する過渡直流分電流の時定数をTとすれ
ば、各CT(3)〜(3)における一次電流I、I
及び−Iは、それぞれ、 I=I・sinωt I=I・exp(−t/T)+(Ic−I)cosωt =I・exp(−t/T) −I=I+I =I・exp(−t/T)+I・sinωt となる。従って、Ixは零相電圧Vと同相の波形、I
過渡直流分電流Iexp(−t/T)と一致した波形、−I
はI及びIを合成した波形となる。これらの波形
を示す第3図(ロ)から、最も電流条件が厳しいCT(3
)は飽和しやすくなることが分かる。
第4図(イ)は例えば回線(2)に設置された一般的な
CT(3)を概念的に示す構成図、第4図(ロ)は各電流
に波形図であり、I〔1〕及びI〔2〕はCT(3)にお
ける一次電流及び二次電流、Iexは誤差に相当する励磁
電流、IDEは励磁電流Iexに含まれる過渡直流分誤差で
ある。
第4図(ロ)から、CT(3)の一次側に過渡直流分電流
(例えば、exp(−t/T))を含む一次電流I〔1〕(実
線)を印加すると、CT(3)は飽和しやすくなることが
分かる。又、このとき発生する励磁電流Iex(破線)
は、一次電流I〔1〕の位相(零相電圧Vの位相)より
約π/2遅れの交流電流の他に、過渡直流分誤差IDE(2
点鎖線)を多く含んでいることが分かる。
いま、簡単のため、過渡直流分誤差IDEを、 IDE=exp(−t/T) とし、又、回線(2)の数を1個のみとして、過渡直流
分誤差IDEに対して差動量Pがほとんど影響を受けな
いことを説明する。前述の〜式より、過渡直流分誤
差IDEによる差動量誤差ΔPは、 ΔPD=∫{exp(-t/T)・Vo・sinωt}dt =Γ{[-(t)cosωt]-[(t)sinωt]/ωT} =Γ{1/ω-(tQ)} … となる。但し、 Γ=1/{1+(1/ωT)} ≒1 … =exp(−t/T)/ω … であり、[−(t)cosωt]及び[(t)sinω
t]は、それぞれ、t=tを代入した値からt=0を
代入した値を減算した値であり、tはωt=2πに相
当する時刻を示す。式及び式を式に代入すれば、 ΔPD={1-exp(-tQ/T)}/ω{1+(1/ωt)} ≒{1-exp(-tQ/T)}/ω となり、ωが十分大きいことを考慮すれば、差動量誤差
ΔPはほとんど零となり、大幅に軽減されることが分
かる。尚、励磁電流の交流分は、約π/2遅れであり、前
述の〜式に示す通り、無効分としてほとんど除去さ
れることになる。
第5図(イ)は第3図(イ)に対応する回路図、第5図
(ロ)は波形図、第5図(ハ)は第5図(ロ)に対応す
る演算出力を示す波形図であり、I′〜I′は各CT
(3)〜(3)から検出される二次電流を示してい
る。
第5図から明らかななに、地絡事故電流の流入端となる
CT(3)及び(3)の二次電流I′及びI′の
和(I′+I′)は、過渡直流分電流を含んだ波形
となり、流出端となるCT(3)の二次電流I′は二
次電流(I′−I′)とほぼ反極性の波形となり、
全二次電流和(I′+I′+I′)は誤差差動電
流I′となる。
又、二次電流(I′+I′)及びI′を絶対値演
算した演算出力|IR12|及び|IR3|は、抑制量演算手段
(33)で用いられる時間積分値Pmの絶対値波形に相当
し、誤差差動電流I′の演算出力IRDは、差動量演算
手段(32)から導出される差動量Pの誤差に相当す
る。
第5図から、二次電流に過渡直流分電流を分んでいる場
合でも、演算出力IRD(差動量誤差ΔPD)が著しく軽減
できることが分かる。
次に、第6図を参照しながら、この発明の別の発明の一
実施例について説明する。
第6図において、(31)〜(36)は前述と同様のもので
あり、又、各演算出力には同様の封号に「′」を付して
対応させている。
(37)は電圧データDVを所定の位相角θo(例えば、π
/12〜π/6程度)だけ移相する移相手段であり、時間積
分手段(31)に対して移相電圧データDVθを導出するよ
うになっている。
この場合、時刻tにおける移相零相電圧Vθ(t)は、
式より、 Vθ(t)=Vo・sin(ωt+θo) となりり、零相電流Im(t)との積値は、式より、 Vθ(t)・Im(t) =Vo・Iom・sin(ωt+θo)・sin(ωt+θm) =Vo・IoM{cos(θm-θo)-cos(2ωt+θm+θo)}/2 となり、時間積分値は、式より、 ∫Vθ(t)・Im(t)dt =π・Vo・Iom・cos(θm−θo) となる。
従って、各サンプリング時刻tに移相手段(37)から
導出される移相電圧データDVθ(tは、 DVθ(t)=Vo・sin(ωt+θo) =K1Vo・sinωt+K2Vo・cosωt =K1Vo(t)+K2{−Vo(tK−3)} =K1Vo(t)−K2Vo(tK+3) … となる。但し、K1=cosθo、K2=sinθoであり、t
K−3はπ/2に相当する3サンプリング前の時刻を表わ
す。
又、時刻t12に差動量演算手段(32)から導出される時
間積分値Pm′は、時刻tにおける移相電圧データDVθ
(t)と電流データDIm(t)との積値を、=0
から=t1まで総和したものであるから、式及び式
より、 Pm′=Σ{DVθ(t)・DIm(t)} =K・Vo・Iom・cos(θm−θo) … となる。
この時間積分値Pm′に基づいて、差動量演算手段(32)
及び抑制量演算手段(33)は、前述と同様に差動量
′及び抑制量P′を導出し、比率差動演算手段
(34)はリレー動作信号S1′を導出する。
又、差動レベル判定手段(35)は、式に基づいて差動
電流|Io′|を求め、タップ値定数Kと比較して、|
Io′|>Kを満たすときにリレー動作信号S2′を導
出するが、このときの差動電流|Io′|は、式よ
り、 |Ic|=|P′|/|DV| =|K・VoΣ{Iom・cos(θm−θo)}/|Vo| =|KΣ{Iom・cos(θm−θo)}| … となる。
最後に、アンドゲート(36)は、リレー動作信号S1′及
びS2′の論理積をとって最終的なリレー動作信号Sを導
出する。
第6図の構成によれば、時間積分値Pm′に基づいて導出
される制御量P′は、式から明らかなように、零相
電流Imのうちの|cos(θm−θo)|に比例した量とな
る。又、内部又は外部地絡事故時に母線(I)を貫通す
る無効分電流(Ic又はI)による抑制量は、無効分電
流が零相電圧Vに対してπ/2の位相差をもっていること
から、 |cos(−θo±π/2)|=sinθo| が成立するため、|sinθo|に比例した量となる。
従って、移相手段(37)における位相角|θoを適当値
(例えば、π/12〜π/6程度)に設定すれば、内部地絡
事故時の過剰抑制による不動作、及び、外部地絡事故時
の無抑制による誤動作を共に防止することができる。
[発明の効果] 以上のようにこの発明によれば、電圧変成器より導出し
た母線の零相電圧と変流器より導出した各回線の零相電
流とを各々、同一時刻、同一間隔でサンプリングするサ
ンプルホールド器と、サンプリングされた零相電圧及び
零相電流をそれぞれデジタル量の電圧データ及び電流デ
ータに変換するAD変換器と、電圧データ及び電流データ
に基づいて母線保護用のリレー動作信号を導出する演算
処理手段とを設けると共に、演算処理手段を、電圧デー
タと電流データとの積値を所定時間分だけ加算して時間
積分値を導出する時間積分手段と、時間積分値を各回線
の全数分加算して差動量を導出する差動量演算手段と、
時間積分値の絶対値に基づいて抑制量を導出する抑制量
演算手段と、差動量及び抑制量の比率差動演算によりリ
レー動作信号を導出する比率差動演算手段とで構成した
ので、無効分電流の影響を受けずに信頼性の高いリレー
動作信号を導出できると共に、変流器の過渡直流飽和に
よる地絡事故検出誤差を防止したデジタル形地絡母線保
護継電装置が得られる効果がある。
又、この発明の別の発明においては、演算処理手段に、
更に、電圧データを所定の位相角だけ移相して移相電圧
データを導出する移相手段を設け、外部地絡事故時に無
効分電流のみが母線を貫通しても動作を抑制できるよう
にしたので、内部地絡事故時に確実に動作すると共に、
外部地絡事故時の誤動作を防止できるデジタル形地絡母
線保護装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す構成図、第2図は第
1図内の演算処理手段の構成を示す機能ブロック図、第
3図(イ)は外部地絡事故例を示す回路図、第3図
(ロ)は外部地絡事故時の零相電圧及び変流器の一次電
流を示す波形図、第4図(イ)は変流器を示す概念的な
構成図、第4図(ロ)は変流器における一次電流、二次
電流及び励磁電流を示す波形図、第5図(イ)は外部地
絡事故例を示す回路図、第5図(ロ)は外部地絡事故時
の変流器の二次電流を示す波形図、第5図(ハ)は第5
図(ロ)に対応してこの発明により得られる演算出力を
示す波形図、第6図はこの発明の別の発明の一実施例に
よる演算処理手段を示す機能ブロック図、第7図は従来
の地絡母線保護継電装置を示す構成図、第8図は第7図
の動作を説明するための外部地絡事故例を示す構成図で
ある。 (1)……母線、(21)〜(2n)……回線 (31)〜(3n)……変流器(CT) (4)……電圧変成器(PT) (22)……サンプルホールド器(SH) (24)……AD変換器 (26)……演算処理手段(CPU) (31)……時間積分手段、(32)……差動量演算手段 (33)……抑制量演算手段 (34)……比率差動演算手段 (37)……移相手段、V……零相電圧 I1〜In……零相電流、DV……電圧データ DI1〜DIn、DIm……電流データ Pm、Pm′……時間積分値 P、P′……差動量、P、P′……抑制量 DVθ……移相電圧データ S、S1、S1′……リレー動作信号 尚、図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電力系統の母線に設置された電圧変成器
    と、 前記母線に接続された各回線に設置された変流器と、 前記電圧変成器より導出した前記母線の零相電圧と前記
    変流器より導出した前記各回線の零相電流とを各々、同
    一時刻、同一間隔でサンプリングするサンプルホールド
    器と、 サンプリングされた前記零相電圧及び前記零相電流をそ
    れぞれデジタル量の電圧データ及び電流データに変換す
    るAD変換器と、 前記電圧データ及び前記電流データに基づいて前記母線
    保護用のリレー動作信号を導出する演算処理手段とを備
    え、 前記演算処理手段は、 前記電圧データと前記電流データとの積値を所定時間分
    だけ加算して時間積分値を導出する時間積分手段と、 前記時間積分値を前記各回線の全数分加算して差動量を
    導出する差動量演算手段と、 前記時間積分値の絶対値に基づいて抑制量を導出する抑
    制量演算手段と、 前記差動量及び前記抑制量の比率差動演算により前記リ
    レー動作信号を導出する比率差動演算手段と、 を含むことを特徴とするデジタル形地絡母線保護継電装
    置。
  2. 【請求項2】演算処理手段は、電圧データを所定の位相
    角だけ移相して移相電圧データを導出する移相手段を含
    み、時間積分手段は、前記移相電圧データと電流データ
    との積値を所定時間分だけ加算することを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載のデジタル形地絡母線保護継電
    装置。
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