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JPH0774911B2 - 熱ロ−ラ定着用カプセルトナ− - Google Patents
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JPH0774911B2 - 熱ロ−ラ定着用カプセルトナ− - Google Patents

熱ロ−ラ定着用カプセルトナ−

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JPH0774911B2
JPH0774911B2 JP62050132A JP5013287A JPH0774911B2 JP H0774911 B2 JPH0774911 B2 JP H0774911B2 JP 62050132 A JP62050132 A JP 62050132A JP 5013287 A JP5013287 A JP 5013287A JP H0774911 B2 JPH0774911 B2 JP H0774911B2
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temperature
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子写真法、静電印刷法、静電記録法などに
おいて形成される静電潜像の現像に用いられるカプセル
トナーに関し、特に熱ローラ定着用カプセルトナーに関
するものである。
〔発明の背景〕
例えば電子写真法においては、通常、光導電性感光体よ
りなる静電潜像担持体に、帯電、露光により静電潜像を
形成し、次いでこの静電潜像を、着色粒子であるトナー
によって現像し、得られたトナー像を転写紙などの像支
持体に転写した後、熱あるいは圧力により定着して可視
画像を形成する。
トナー像を定着する方法としては、従来、ヒーターによ
りトナーを非接触の状態で加熱熔融して定着する方法、
有機溶剤によりトナーを溶解して定着する方法、トナー
を加圧して定着する方法、熱ローラをトナーに直接接触
させてこれを熔融圧着して定着するいわゆる熱ローラ定
着法などが知られているが、熱効率が高くて高速定着が
可能であることから、熱ローラ定着法が広く採用されて
いる。
しかるに、最新においては、(イ)複写機の過熱劣化を
抑制すること、(ロ)熱ローラ定着器を作動させてから
熱ローラが定着可能な温度にまで上昇するに要するウォ
ームアップタイムを短くすること、(ハ)転写紙などの
像支持体に熱が吸収されることによる熱ローラの温度低
下を小さくして連続して多数回にわたる安定した画像の
形成を可能にすること、(ニ)複写機の小型化および安
全性の向上の観点から、定着器に組み込まれるヒーター
の消費電力を低減させて熱ローラの温度をより低くした
状態で定着処理を可能にすること、などが強く要求され
ている。
従って、トナーにおいては、 (1)一層低温で良好な定着を達成し得るものであるこ
と、すなわち優れた低温定着性を有すること、が要請さ
れ、さらに、基本的に、次のような条件が必要である。
(2)定着法として好ましい熱ローラ定着法において
は、オフセット現像すなわち定着時に像を構成するトナ
ーの一部が熱ローラの表面に転移し、これが次に送られ
て来る転写紙に再移転して画像を汚すという現象が発生
しやすいので、トナーに熱ローラへの転移が生じにくい
性能すなわち耐オフセット性を付与せしめること。
(3)使用もしくは貯蔵環境条件下において凝集せずに
粉体として安定に存在し得ること、すなわち耐ブロッキ
ング性に優れていること。
(4)摩擦帯電性が良好であって、現像プロセス、転写
プロセス、クリーニングプロセスが良好に遂行されてカ
ブリのない鮮明な画像が得られること。
(5)感光体の表面あるいはキャリア粒子の表面にトナ
ー物質が付着するいわゆるフィルミング現象の発生が抑
制されて、画像の形成を多数回にわたり安定に行うこと
ができること。
しかして、従来においては、トナーとして、芯材粒子
と、この芯材粒子の表面を被覆するよう設けられた外殻
とにより構成されたカプセルトナーを用いることによ
り、低温定着性を図る技術が提案されている。この種の
カプセルトナーは、低温での熔融性を良好とするため
に、芯材粒子として、低融点化合物もしくはガラス転移
点の低い材料を用いたものでる。具体的には次のような
技術が開示されている。
芯材粒子をワックスにより構成する技術(特公昭49−
1588号公報参照)。
芯材粒子を多価金属化合物により架橋されたポリエス
テルにより構成する技術(特開昭58−174957号公報参
照)。
芯材粒子を低融点ポリエステルにより構成する技術
(特開昭58−176642号公報参照)。
芯材粒子を低分子量のスチレン−アクリル樹脂であっ
てかつゲルコンテントが20〜70%であるものにより構成
する技術(特開昭58−176643号公報参照)。
芯材粒子をガラス転移点が60℃以下の無定形ポリエス
テルにより構成する技術(特開昭58−205161号公報参
照)。
芯材粒子をガラス転移点が55℃以下でかつゲルコンテ
ントが20%以上の架橋ビニル共重合体により構成する技
術(特開昭58−205161号公報参照)。
芯材粒子をガラス転移てが60℃以下でかつ酸価が10〜
150の無定形ポリエステルにより構成する技術(特開昭5
8−205163号公報参照)。
芯材粒子を無定形ポリエステルと多価金属化合物とよ
りなるものにり構成する技術(特開昭58−205164号公報
参照)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記技術においては、定着法として熱
ローラ定着法を適用する場合には、耐オフセット性が相
当に悪く、実用性が極めて低い。
また、上記乃至の技術においては、常温常圧(例え
ば温度20℃、相対湿度60%)の環境条件下においては、
上記技術に比して性能の向上が認められるものの、い
まだ耐オフセット性が不十分であり、そのためオフセッ
ト現象の発生を伴わずに定着し得る定着可能温度範囲が
狭いという問題点があり、依然として実用性の低いもの
である。
しかも、低温低湿(例えば温度10℃、相対湿度40%)の
環境条件下においては、転写紙などの像支持体の温度が
低いため、定着時においてはトナーの熔融が不十分とな
りやすく、その結果定着不良のトナーが定着器を構成す
るローラには付着し堆積して当該ローラを汚染し、これ
が原因となって紙づまりなどの搬送不良が発生し、また
ローラの使用寿命を短縮する問題点がある。
このように技術のカプセルトナーによっては、熱ローラ
定着用のカプセルトナーとして、十分に満足し得るもの
がいまだ得られていないのが実情である。
これは、従来のカプセルトナーが、基本的には圧力定着
法に適用されることを前提とするものであるからであ
る。すなわち、トナーは、当該トナーが適用される定着
法に適するように設形され、例えば圧力定着法に適用さ
れるよう設計されたトナーを、熱ローラ定着法に適用す
るときには、オフセット現象などの問題点が生じ、必ず
しも十分な複写画像を形成することはできない。
〔発明の目的〕
本発明は、以上の如き事情に基いてなされたものであっ
て、その目的は、低温定着性および耐オフセット性が共
に優れていて実用的な定着可能温度範囲が広く、しかも
低温低湿の環境条件下においても優れた低温定着性が損
なわれず、定着器を構成するローラの汚れを伴わずに定
着が可能であり、また、耐ブロッキング性、摩擦帯電
性、耐フィルミング性が共に優れていて、カブリのない
鮮明な画像を多数回にわたり安定に形成することができ
る熱ローラ定着用カプセルトナーを提供することにあ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の熱ローラ定着用カプセルトナーは、熔融性芯材
粒子と、この芯材粒子の表面を被覆するよう設けた熱可
塑性樹脂よりなる外殻とを具えてなる熱ローラ定着用カ
プセルトナーにおいて、熔融性芯材粒子が、カルボキシ
基を有するビニル系重合体の当該カルボキシ基に多価金
属化合物を反応させて得られる、ガラス転移点Tgが40〜
70℃の芯材樹脂を含有してなり、 該芯材樹脂が、低分子量成分と高分子量成分との少なく
とも2群の分子量分布を有し、該分子量分布がゲル・パ
ーミュエーション・クロマトグラフィによる分子量分布
曲線において、 前記低分子量成分の極大値が1×103〜2×104の範囲内
にあり、 前記高分子量成分の極大値が1×105〜2×106の範囲内
にあることを特徴とする。
〔発明の作用効果〕
本発明の熱ローラ定着用カプセルトナーによれば、芯材
粒子に、カルボキシ基を有するビニル系重合体の当該カ
ルボキシ基に多価金属化合物を反応させて得られる、特
定のガラス転移点Tgを有しかつ特定の分子量分布を有す
る芯材樹脂が含有され、この芯材樹脂は多価金属化合物
によりいわばイオン結合により架橋された構造のもので
あるので、この架橋構造により、当該芯材樹脂のガラス
転移点Tgが低くてもトナーの熔融時の粘弾性が適度な大
きさのものとなって熱ローラ定着器の熱ローラへのトナ
ー物質の転移が生じにくく優れた耐オフセット性が得ら
れ、しかもこの架橋構造は通常の共有結合に比して結合
が弱く、そのため共有結合による架橋構造の樹脂と同程
度のガラス転移点Tgを有していても、より低温で定着す
ることが可能となり、特に低温低湿の環境条件下におい
ては優れた低温定着性が発揮される。このようにオフセ
ット現象の発生を伴わずにより低温でトナーを定着する
ことができるので、定着可能温度範囲が十分に広くな
り、実用上極めて優れたトナーを得ることができる。
そして、芯材粒子が、熱可塑性樹脂よりなる外殻により
被覆されているので、当該外殻により、優れた耐ブロッ
キング性、良好な摩擦帯電性、クリーニング性、優れた
耐フィルミング性が得られる。
〔発明の具体的構成〕
以下、本発明の具体的構成を説明する。
本発明においては、基本的には、カルボキシル基を有す
るビニル系重合体の当該カルボキシ基に多価金属化合物
を反応させて得られる芯材樹脂(以下「特定の芯材樹
脂」ともいう。)を含有してなる芯材粒子の表面を熱可
塑性樹脂よりなる外殻により被覆して熱ローラ定着用カ
プセルトナーを構成する。
前記特定の芯材樹脂のガラス転移点Tgは、40〜70℃であ
り、特に40〜60℃であることが好ましい。このような範
囲のガラス転移点Tgを有するものを用いることにより、
一層優れた低温定着性、耐オフセット性、耐久性が得ら
れる。すなわち、ガラス転移点Tgが過小のときには、芯
材粒子が軟質なものとなって耐オフセット性および耐久
性が低下する場合があり、一方ガラス転移点Tgが過大の
ときには、低温定着性が低下する傾向があり、特に低温
低湿(例えば温度10℃、相対湿度40%)の環境条件下に
おいては十分な低温定着性が得られない場合がある。
本発明において、ガラス転移点Tgとは、示差走査熱量計
「低温DSC」(理学電気社製)を用い、昇温速度10℃/mi
nで測定した際に、ガラス転移点以下のベースラインの
延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点まで
の間での最大傾斜を示す接線との交点の温度をいう。
本発明においては、芯材粒子中に、前記特定の芯材樹脂
のほかに、その他の成分が含有されていてもよく、前記
特定の芯材樹脂は芯材粒子において少なくとも50重量%
以上の割合で含有されることが好ましい。この割合が過
小のときには、カプセルトナーの耐オフセット性、耐久
性が低下する場合がある。
前記特定の芯材樹脂は、低分子量成分と高分子量成分の
少なくとも2群に分けられる分子量分布を有し、ゲル・
パーミュエーション・クロマトグラフィ(GPC)により
測定された分子量分布曲線において、低分子量成分側の
最大値が1×103〜2×104の範囲内にあり、高分子量成
分側の極大値が1×105〜2×106の範囲内にあるよう
な、少なくとも2つの極大値を有するものである。この
ような特定の分子量分布の樹脂を用いることにより、低
温定着性および耐オフセット性を一層優れたものとする
ことが可能となる。また、高分子量成分により前記特定
の芯材樹脂を強靭なものとすることが可能であるので、
キャリアとの摩擦あるいは感光体との衝突において、外
殻および芯材粒子の破壊が生じにくく、その結果微粉の
発生を抑制することができて、感光体表面の汚染を防止
することができる。従って、カブリのない鮮明な画像を
多数回にわたって安定に形成することが可能となる。
これに対して、上記分子量分布曲線において、低分子量
成分の極大値が過小のときには、カプセルトナーの耐ブ
ロッキング性が低下する場合があり、一方当該極大値が
過大のときには、カプセルトナーの低温定着性が低下す
る場合がある。また、高分子量成分の極大値が過小のと
きに、カプセルトナーの耐オフセット性、耐久性が低下
する場合があり、一方当該極大値が過大のときには、カ
プセルトナーの低温定着性が低下する場合がある。
また、高分子量成分の割合は、カルボキシ基を有するビ
ニル系重合体の15重量%以上であることが好ましく、特
に15〜50重量%であることが好ましい。高分子量成分の
割合が過小のときには、カプセルトナーの耐オフセット
性、耐久性が低下する場合がある。
このような高分子量成分と低分子量成分とを含有してな
るビニル系重合体にカルボキシ基を導入するに際して
は、少なくとも低分子量成分にカルボキシ基が導入され
ていればよい。すなわち、キャリア粒子との摩擦あるい
は感光体表面との衝突によって生ずる外殻および芯材粒
子の破壊は、主として芯材粒子中における低分子量の比
較的もろい成分に起因するため、このような低分子量成
分を詳細は後述する多価金属化合物によりいわば架橋し
て強靭なものとすることにより、フィルミング現象の要
因である外殻および芯材粒子の破壊によって生ずる微粉
の発生を抑制することができる。
また、前記特定の芯材樹脂は、その重量平均分子量Mwと
数平均分子量Mnの比Mw/Mnの値が4〜40であり、このよ
うな樹脂であることにより、カプセルトナーの耐オフセ
ット性、機械的耐久性が一層優れたものとなる。
以上において、重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mn
の値は、種々の方法により求めることができ、測定方法
の相異によって若干の差異があるが、本発明においては
下記の測定方法によって求めたものである。
すなわち、ゲル・パーミュエーション・クロマトグラフ
ィ(GPC)によって以下に記す条件で重量平均分子量M
w、数平均分子量Mn、ピーク分子量を測定する。温度40
℃において、溶媒(テトラヒドロフラン)を毎分1.2ml
の流速で長し、濃度0.2g/20mgのテトラヒドロフラン試
料溶液を試料重量として3mg注入し測定を行う。試料の
分子量測定にあたっては、当該試料の有する分子量が数
種の単分散ポリスチレン標準試料により、作製された検
量線の分子量の対数とカウント数が直線となる範囲内に
包含される測定条件を選択する。
なお、測定結果の信頼性は、上述の測定条件で測定した
NBS706 ポリスチレン標準試料(重量平均分子量Mw=28.
8×104,数平均分子量Mn=13.7×104,Mw/Mn=2.11)の比
Mw/Mnの値が2.11±0.10となることにより確認する。
また、用いるGPCのカラムとしては、前記条件を満足す
るものであるならばいかなるカラムを採用してもよい。
具体的には、例えばTSK−GEL、GMH6(東洋曹達社製)等
を用いることができる。
前記芯材樹脂を構成するビニル系重合体は、例えばスチ
レン系単量体、アクリル系単量体、エステル系単量体か
ら選択される少なくとも1種を必須成分として用いて得
られる重合体であることが好ましい。また、カルボキシ
基を有するビニル系重量体を得るためには、上記単量体
のほかに、アクリル酸もしくはメタクリル酸およびこれ
らの誘導体から選択される単量体を必須成分として用い
て共重合すればよい。
斯かる共重合のためのカルボキシ基を有する単量体とし
ては、水酸基を有する、アクリル酸エステルもしくはメ
タクリル酸エステルまたはこれらの誘導体と、ジカルボ
ン酸化合物とのエステル化反応によって得られる構造の
半エステル化合物を挙げることができる。
このような半エステル化合物によれば、主鎖構成に影響
の少ない位置にカルボキシ基が導入されているので、化
学構造の立体障害が小さくなり、その結果カルボキシ基
と多価金属化合物との反応が効率よく進行してイオン結
合が形成され、良好な架橋構造の前記特定の芯材樹脂を
得ることができる。
前記特定の芯材樹脂を構成するビニル系重合体を得るた
めに用いることができるスチレン系単量体としては、例
えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エ
チルスチレン、2,3−ジメチルチレン、2,4−ジメチルス
チレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルス
チレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチル
スチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルス
チレン、p−n−ドテシルスチレン、p−メトキシスチ
レン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,
4−ジクロルスチレンなどを挙げることができる。これ
らの単量体は単独で用いてもよいし、あるいは複数のも
のを組合わせて用いてもよい。
これらのなかでもにスチレンが好ましい。スチレンのビ
ニル系重合体に対する割合は、30〜95重量%が好まし
く、特に40〜95重量%であることが好ましい。このよう
な好ましい割合を選択することにより、トナーの製造に
おける粉砕工程においては粉砕効率が高くなり、所望の
粒径のトナーを効率的に得ることができる。
前記特定の芯材樹脂を構成するビニル系重合体を得るた
めに用いることができるアクリル酸エステルもしくはメ
タクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、ア
クリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α
−クロルアクリル酸メチルなどのアクリル酸エステル
類;例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリ
ル酸イソブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸
ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸−2−
エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル
酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタ
クリル酸ジエチルアミノエチルなどのメタクリル酸エス
テル類;などを挙げることができる。
前記半エステル化合物を形成するカルボキシ基含有化合
物としては、例えばマロン酸、こはく酸、グルタル酸な
どの脂肪族ジカルボン酸化合物、例えばフタル酸などの
芳香族ジカルボン酸化合物などを挙げることができる。
これらの化合物と、水酸基を有する、アクリル酸エステ
ルもしくはメタクリル酸エステルまたはこれらの誘導体
とをエステル化反応させることにより半エステル化合物
を得ることができる。上記ジカルボン酸化合物はハロゲ
ン族元素、低級アルキル基、アルコキシ基などによって
水素原子が置換されていてもよく、また酸無水物であっ
てもよい。
そして、水酸基を有する、アクリル酸もしくはメタクリ
ル酸の誘導体としては、アクリル酸もしくはメタクリル
酸にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどの
アルキレンオキサイドを1モルまたは2モル以上付加せ
しめたものでもよく、あるいはアクリル酸もしくはメタ
クリル酸にプロピレングリコールなどの2価アルコール
をエステル化反応させたヒドロキシアルキルエステルで
あってもよい。
前記好ましい半エステル化合物は、下記の一般式(A)
で示すことができる。
一般式(A) ただし、前記一般式(A)中、Lは分子鎖中にエステル
結合を有する炭素数3以上の2価の結合基を表し、置換
基を有していてもよい。R1は水素原子またはメチル基を
表す。
さらに好ましい半エステル化合物としては、下記の一般
式(1)〜(4)で示すものである。
一般式(1) ただし、一般式(1)中、R2,R3は水素原子またはメチ
ル基を表し、mは1〜14の整数を表し、nは0〜8の整
数を表す。
一般式(2) ただし、一般式(2)中、R4,R5は水素原子またはメチ
ル基を有し、hは1〜14の整数を表し、Xは水素原子、
ハロゲン族元素、低級アルキル基、アルコキシ基を表
す。
一般式(3) ただし、一般式(3)中、R6は水素原子またはメチル基
を有し、jは3〜6の整数を表し、kは0〜8の整数を
表す。
一般式(4) ただし、一般式(4)中、R7は水素原子またはメチル基
を有し、iは3〜6の整数を表し、Yは水素原子、ハロ
ゲン族元素、低級アルキル基、アルコキシ基を表す。
前記一般式(1)〜(4)で示される半エステル化合物
のなかでも特に一般式(1)で示されるものが好まし
い。
前記一般式(1)で示される半エステル化合物として
は、例えばこはく酸モノアクリロイルオキシエチルエス
テル、こはく酸モノアクリロイルオキシプロピルエステ
ル、グルタル酸モノアクリロイルオキシエチルエステ
ル、フタル酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、
フタル酸モノアクリロイルオキシプロピルエステル、こ
はく酸モノメタアクリロイルオキシエチルエステル、こ
はく酸モノメタアクリロイルオキシプピルエステル、グ
ルタル酸モノメタアクリロイルオキシエチルエステル、
フタル酸モノメタアクリロイルオキシエチルエステル、
フタル酸モノメタアクリロイルオキシプロピルエステル
などを挙げることができる。
前記スチレン系単量体、アクリル酸エステル系単量体も
しくはメタクリル酸エステル系単量体、水酸基を有する
アクリル酸もしくはメタクリル酸系誘導体とジカルボン
酸化合物とのエステル化反応によって得られる半エステ
ル化合物を重合して得られる、カルボキシ基を有するビ
ニル系単量体は、その単量体単位の含有割合として、前
記スチレン系単量体が好ましくは30〜95重量%、特に好
ましくは40〜95重量%であり、アクリル酸エステル系単
量体もしくはメタクリル酸エステル系単量体が好ましく
は70〜5重量%、特に好ましは5〜50重量%であり、前
記半エステル化合物が好ましくは0.5〜30重量%、特に
好ましくは1〜20重量%である。
前記アクリル酸エステル系単量体もしくはメタクリル酸
エステル系単量体の含有割合が、70重量%を超える場
合、あるいは前記半エステル化合物の含有割合が0.5重
量%未満の場合には、高温定着時における耐オフセット
性が低下することがあり、また耐ブロッキング性、耐可
塑剤性が低下することがある。
本発明において、カルボキシ基を有するビニル系重合体
の当該カルボキシ基と反応させる前記多価金属化合物の
金属元素としては、Cu,Ag,Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,Al,T
i,Ge,Sn,V,Cr,Mo,Mn,Fe,Ni,Co,Zr,Seなどを挙げること
ができる。
これらの各種の金属元素のなかでも、アルアリ土類金属
(Be,Mg,Ca,Sr,Ba)および亜鉛族元素(Zn,Cd)が好ま
しく、特にMgおよびZnが好ましい。
これらの金属を含む多価金属化合物としては、例えば、
上記金属元素の、フッ化物、塩化物、塩素塩酸、臭化
物、ヨウ化物、酸化物、水酸化物、硫化物、亜硫酸塩、
硫酸塩、セレン化物、テルル化物、窒化物、硝酸塩、リ
ン化物、ホスフィン酸塩、リン酸塩、炭酸塩、オルトケ
イ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、メチル化合物もしくはエ
チル化合物等の低級アルキル金属化合物などを挙げるこ
とができる。これらのなかでも、特に上記金属元素の酢
酸塩、上記金属元素の酸化物が好ましい。
多価金属化合物の添加量は、カルボキシ基を有するビニ
ル系重合体を構成する単量体の種類およびその量により
相異するので一概に規定することはできないが、例えば
当該ビニル系重合体が、前記スチレン系単量体と、前記
アクリル酸エステル系単量体もしくはメタクリル酸エス
テル単量体と、前記半エステル化合物とにより構成さ
れ、重合体中に低分子量成分と高分子量成分とを有する
ものであるときには、仕込んだ半エステル化合物の1モ
ルに対して、0.1〜1モル程度である。
前記カルボキシ基を有するビニル系重合体の当該カルボ
キシ基に多価金属化合物を反応させるには、例えば溶液
重合法により重合して得られたカルボキシ基を有するビ
ニル系重合体を含有する溶液に、前記多価金属化合物も
しくは当該多価金属化合物の分散溶液を混合し、昇温し
て約1〜3時間にわたり脱溶剤を行い、反応系内に温度
が150〜180℃程度に達した状態で1時間以上この温度に
維持して反応を完結させるのがよい。また場合によって
は、上記カルボキシ基を有するビニル系重合体の重合を
開始する前に多価金属化合物を溶剤と共に反応系内に存
在させてもよく、あるいは上記脱溶剤を行って得られら
カルボキシ基を有するビニル系重合体と多価金属化合物
とをロールミル、ニーダ、押出機などにより熔融混練す
ることにより反応させてもよい。
このようにして、カルボキシ基を有するビニル系重合体
と多価金属化合物とが反応して得られる前記特定の芯材
樹脂は、当該ビニル系重合体のカルボキシ基と多価金属
原子とがイオン結合により結合され、このイオン結合に
より一種の架橋構造が形成されたものとなる。このイオ
ン結合は、共有結合に比してはるかにゆるやかな結合で
ある。
本発明においては、前記特定の芯材樹脂として、既述の
ように分子量分布曲線において少なくとも2つの極大値
を有するものを好ましく用いることができるが、このよ
うな樹脂を得る方法としては特に限定されない。例えば
高分子量成分もしくは低分子量成分のいずれか一方を得
るための第1段目の重合を行い、これにより得られた一
方の成分を、他方の成分を得るための単量体組成物中に
溶解させて第2段目の重合を行い、これにより他方の成
分を生成させることにより、結果として分子量分布曲線
において少なくとも2つの極大値を有する重合体を得る
ことができる。このように2段重合により得られる重合
体は、低分子量成分と高分子量成分とが、分子レベルで
均一に混合してなるものと推定される。
この2段重合は、例えば溶液重合法、懸濁重合法、乳化
重合法などの方法により行うことができるが、特に溶液
重合法が好ましい。
また、分子量分布曲線において少なくとも2つの極大値
を有する重合体は、低分子量の重合体成分と、高分子量
の重合体成分とを混合することによっても得ることがで
きるが、混合により得られる重合体は、分子レベルにお
いては、均一に混合されていない場合があるので、上記
2段重合によるのが好ましい。
本発明においては、特性を阻害しない範囲で前記特定の
芯材樹脂の分子鎖中に、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、塩化ビニル、エチレンなどの単量体単位が含有され
ていてもよい。またこれらの単量体の重合体もしくは共
重合体が芯材粒子中に混合されていてもよい。また、芯
材粒子中には、必要に応じてその他の樹脂が混合されて
いてもよい。斯かるその他の樹脂としては、例えばスチ
レン−アクリル系樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン−
ブタジエン系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂な
どを挙げることができる。
本発明においては、芯材粒子の表面を、熱可塑性樹脂よ
りなる外殻により被覆するが、斯かる熱可塑性樹脂とし
ては、従来において、トナー用樹脂として用いられてい
るものを用いることができる。具体的には、例えばビニ
ル系重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウ
レタン樹脂などを挙げることができる。このうち、特に
ビニル系重合体、ポリエステル樹脂が好ましく、具体的
には、例えばスチレン−n−ブチルアクリレート共重合
体、スチレン−メチルメタクリレート−n−ブチルメタ
クリレート共重合体、テレフタル酸−ビスフェノールA
プロピレンオキサイド縮合体などを挙げることができ
る。
外殻を形成する熱可塑性樹脂は、そのガラス転移点Tgが
50℃以上であることが好ましい。ガラス転移点Tgが過小
のときには、カプセルトナーの耐ブロッキング性が低下
する場合がある。
また、外殻を形成する熱可塑性樹脂は、その重合量平均
分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnの値が7.0以上であ
ることが好ましい。この比Mw/Mnの値が過小のときには
カプセルトナーの耐オフセット性が低下する場合があ
る。
本発明のカプセルトナーには、必要に応じて、着色剤、
電荷制御剤、定着特性向上助剤などのいわゆるトナー成
分が添加されていてもよい。これらのトナー成分は、芯
材粒子に含有されていてもよいし、あるいは外殻に含有
されていてもよい。また、カプセルトナーには、流動性
向上剤、研磨剤、クリーニング性向上剤などの添加剤
が、外殻に被着された状態、あるいは外殻に打ち込まれ
て保持された状態で含有されていてもよい。
着色剤としては、例えばカーボンブラック、ニグロシン
染料、アニリンブルー、カルコオイルブルー、クロムイ
エロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッ
ド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フ
タロシアニンブルー、マラカイトグリーンオクサレー
ト、ランプブラック、ローズベンガル、これらの混合
物、その他を挙げることができる。
電荷制御剤としては、例えば金属錯体系染料、ニグロシ
ン系染料、アンモニウム系化合物などを挙げることがで
きる。
定着特性向上助剤としては、例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィンなどを挙げることができ
る。特に、環球法による軟化点Tspが70〜150℃のポリオ
レフィンが好ましく、さらには当該軟化鉄Tspが120〜15
0℃のポリオレフィンが好ましい。
流動性向上剤および研磨剤としては、無機微粒子を好ま
しく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径
は、5μm〜2μmであることが好ましく、特に5μm
〜500μmであることが好ましい。また、BET法による比
表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無
機微粒子の使用割合は、カプセルトナーの0.01〜5重量
%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%である
ことが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えば
シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チ
タン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ス
トロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ
石灰、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガ
ラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコ
ニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができ
る。特にシリカの微粉末が好ましい。
なお、シリカの微粉末は、Si−O−Si結合を有する微粉
末であり、乾式法および湿式法で製造されたもののいず
れであってもよい。また、無水二酸化ケイ素のほか、ケ
イ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウ
ム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛なおいずれであっ
てもよいが、Si−O2を85重量%以上含むものが好まし
い。シリカの微粉末の具体例としては、種々の市販品が
あるが、特に微粒子の表面に疎水性基を有するものが好
ましく、例えば「アエロジルR−972」、「アエロジル
R−974」、「アエロジルR−805」、「アエロジルR−
812」(以上、アエロジル社製)、「タラノックス500」
(タルコ社製)などを好ましく用いることができる。ま
た、これらのほか、シラン系カップリング剤、チタン系
カップリング剤、シリコーンオイル、側鎖にアミンを有
するシリコーンオイルなどにより表面処理されたシリカ
の微粒末などを用いることができる。
クリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸などの脂肪
酸金属塩、例えばメチルメタクリレート微粒子、スチレ
ン微粒子などのポリマー微粒子などを挙げることができ
る。
また、磁性トナーとする場合には、芯材粒子および外殻
の一方もしくは両方に磁性体の微粒子を含有させればよ
い。
斯かる磁性体としては、フェライト、マグネタイトをは
じめとする鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性を示す
金属もしくは合金またはこれらの元素を含む化合物、強
磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって
強磁性を示すようになる合金、例えばマンガン−銅−ア
ルミニウム、マンガン−銅−錫、などのマンガンと銅と
を含むホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化ク
ロム、その他を挙げることができる。磁性体は、平均粒
径が0.1〜1μmの微粉末の形態で均一に分散されて含
有されることが好ましい。そして磁性体の含有割合は、
カプセルトナーの100重量部に対して、10〜70重量部で
あることが好ましく、特に20〜50重量部であることが好
ましい。
本発明においては、例えば以下のような方法により、芯
材粒子を製造することができる。
(1)芯材粒子を構成するための前記特定の芯材樹脂
と、必要に応じて用いられる着色剤等のトナー成分と
を、例えばエクストルーダーにより熔融混練し、冷却後
ジェットミルなどにより微粉砕し、これを分級して、所
望の粒径の芯材粒子を得る方法。
(2)芯材粒子を構成するための前記特定の芯材樹脂
と、必要に応じて用いられる着色剤等のトナー成分と
を、例えばエクストルーダーにより熔融混練し、これを
熔融状態のままスプレードライヤーなどにより噴霧する
ことにより、所望の粒径の芯材粒子を得る方法。
(3)芯材粒子を構成するための前記特定の芯材樹脂
と、必要に応じて用いられる着色剤等のトナー成分と
を、例えばエクストルーダーにより熔融混練し、これを
熔融状態のまま液体中に分散させることにより、所望の
粒径の芯材粒子を得る方法。
また、本発明においては、芯材粒子の表面に外殻を設け
る方法としては、外殻を形成するための熱可塑性樹脂を
溶剤に溶解した被覆溶液を、例えば浸漬法、スプレード
ライ法、流動化ベッド法などの方法により、芯材粒子の
表面に塗布し、加熱乾燥させて溶剤を揮発除去し、乾燥
時もしくは乾燥後に塗布層を硬化させて被覆層を形成す
る方法を用いることができる。例えば流動化ベッド法に
より被覆層を形成する場合には、流動化ベッド装置にお
いて、上昇する加圧ガス流により芯材粒子を平衡の高さ
まで上昇せしめ、次に当該芯材粒子が再び落下する時ま
でに被覆溶液をスプレー塗布し、このスプレー塗布を繰
り返し行い、外殻を形成することができる。
本発明のカプセルトナーは、キャリアと組合わせて2成
分現像剤を構成するものであってもよいし、あるいは磁
性体を含有する磁性カプセルトナーとして当該磁性カプ
セルトナーのみよりなる1成分現像剤を構成するもので
あってもよい。
本発明のカプセルトナーは、熱ローラ定着用のカプセル
トナーであって、例えば次のようにして画像の形成に供
される。すなわち、電子写真法においては、潜像担持体
である感光体上に形成された静電潜像を、本発明のカプ
セルトナーを用いて構成した2成分現像剤あるいは1成
分現像剤により現像し、得られたトナー像を紙等よりな
る支持体に例えば静電転写し、次いで転写トナーを熱ロ
ーラ定着方式により定着し、もって定着画像を形成す
る。
熱ローラ定着方式において用いられる熱ローラ定着器
は、通常、熱ローラと、これに対接配置された圧着ロー
ラと、加熱源とにより構成される。また必要に応じてク
リーニング用ローラが熱ローラに対接配置される。加熱
源により熱ローラの温度を一定範囲の温度に維持しなが
ら、熱ローラと圧着ローラとの間をトナーが転写された
支持体を通過させることにより、トナーを直接熱ローラ
に接触させて当該トナーを支持体に熱定着する。
なお、熱着ローラの表面の材質は、フッ素系物質もしく
はシリコーン系物質であることが好ましく、本発明のカ
プセルトナーとの相乗効果により熱ローラ定着器の耐久
性を著しく向上することができる。
〔具体的実施例〕
以下、本発明の具体的実施例について説明するが、本発
明がこれらの実施例に限定されるものではない。
<樹脂Aの製造>(本発明用) 温度計、撹拌器、窒素ガス導入管、流下式コンデンサー
を備えた容量3のセパラブルフラスコにトルエン500m
lを入れ、窒素ガス導入管により窒素ガスを導入してフ
ラスコ内部を不活性雰囲気とした後、油浴により加熱
し、トルエンの還流温度にした。
次いで、スチレン200g、n−ブチルアクリレート80g、
メチルメタクリレート20g、ベンゾイルパーオキサイド
0.9gよりなる高分子量成分の組成物をフラスコ内に入
れ、還流温度に保持して14時間反応させることにより高
分子量重合体を形成した。
次に、上記高分子量重合体の溶液が入っているフタスコ
内に、スチレン382g、α−メチルスチレン35g、n−ブ
チルアクリレート210g、モノアクリロイルオキシエチル
サクシネート73g、ベンゾイルパーオキサイド42gよりな
る低分子量成分の組成物を徐々に滴下しながら重合反応
を行った。前記低分子量成分の組成物の滴下が終了した
後、さらに4時間にわたり重合反応を行うことにより低
分子量重合体を形成した。
次に、前記高分子量重合体と低分子量重合体の溶液が入
っているフラスコ内に、多価金属化合物である酸化亜鉛
8gを添加し、還流温度に保持して撹拌しながら2時間に
わたり反応を行った。
反応終了後、減圧下において溶媒のトルエンを留去し、
低分子量成分のカルボキシ基と多価金属化合物とが反応
してなる樹脂を得た。これを「樹脂A」とする。
この樹脂Aは、ゲル・パーミュエーション・クロマトグ
ラフィ(HLC−802 UR,GMH6カラム、東洋曹達社製)によ
る分子量分布曲線において7.5×103および2.8×105にそ
れぞれ極大値を有し、重量平均分子量Mwが1.2×105、比
Mw/Mnの値が17.1、ガラス転移点Tgが46℃である。
<樹脂Bの製造>(本発明用) 樹脂Aの製造において、高分子量成分の組成物として、
スチレン140g、n−ブチルアクリレート80g、n−ブチ
ルメタクリレート60g、メチルメタクリレート20g、アゾ
ビスイソブチロニトリル1.5gよりなる高分子量成分の組
成物を用い、低分子量成分の組成物として、スチレン33
7g、α−メチルスチレン70g、2−エチルヘキシルアク
リレート210g、メチルメタクリレート35g、モノアクリ
ロロイルオキシエチルイソフタレート48g、ベンゾイル
パーオキサイド35gよりなる低分子量成分の組成物を用
い、多価金属化合物として、酢酸亜鉛22.4gを用いたほ
かは、樹脂Aの製造と同様にして、低分子量成分のカル
ボキシ基と多価金属化合物とが反応してなる樹脂を得
た。これを「樹脂B」とする。
この樹脂Bは、ゲル・パーミュエーション・クロマトグ
ラフィによる分子量分布曲線において、1.2×104および
2.4×105にそれぞれ極大値を有し、重量平均分子量Mwが
1.15×105、比Mw/Mnの値が9.5、ガラス転移点Tgが48℃
である。
<a樹脂の製造>(比較用) 樹脂Aの製造において、多価金属化合物である酸化亜鉛
を用いないほかは、同様にして比較用の樹脂を得た。こ
れを「樹脂a」とする。
この樹脂aは、ゲル・パーミュエーション・クロマトグ
ラフィによる分子量分布曲線において、7.1×103および
2.8×105にそれぞれ極大値を有し、重量平均分子量Mwが
1.18×105、比Mw/Mnの値が18.1、ガラス転移点Tgが43℃
である。
<実施例1> (1)芯材粒子の製造 上記樹脂Aの100重量部と、カーボンブラック「モーガ
ルL」(キャボット社製)の10重量部と、ポリプロピレ
ン「ビスコール 660P」(軟化点Tsp:130℃,三洋化成工
業社製)の5重量部とをV型ブレンダーにより混合した
後、二本ロールで熔融混練し、冷却し、ハンマーミルに
より粗砕し、さらにジェットミルにより微粉砕した後、
風力分級機により分級して、粒径1〜30μmの芯材粒子
を得た。これを「芯材粒子1」とする。
(2)外殻の製造 スチレン−メチルメタクリレート−アクリル酸−n−ブ
チルアクリレート共重合体(共重合重量比=65:15:5:1
5)の乳化分散液(固形分:10重量%)500重量部に、上
記芯材粒子1の300重量部を加えて十分分散した後、入
口温度180℃、出口温度60℃にて、スプレードライを行
い、芯材粒子の表面に上記共重合体よりなる外殻を形成
し、カプセルトナー粉末を得た。
このカプセルトナー粉末の50重量部に、疎水性シリカ微
粉末「アエロジルR−972」(日本アエロジル社製)の
0.4重量部を加えて混合し、本発明に係るカプセルトナ
ーを得た。これを「トナー1」とする。
(3)現像剤の調製 上記重量部のトナー1に、スチレン−メチルメタクリレ
ート共重合体(共重合重量比=70:30)により銅−亜鉛
フェライト粒子の表面を被覆してなる樹脂被覆キャリア
の950重量部を混合して現像剤を調製した。これを「現
像剤1」とする。
(4)実写テスト 上記現像剤1を用いて、電子写真複写機「U−Bix 160
0」(小西六写真工業社製)により静電潜像の形成およ
び現像を行い、得られたトナー像を転写紙上に転写した
うえ熱ローラ定着器により定着して複写画像を形成する
実写テストを行い、下記の項目についてそれぞれ評価を
行った。
最低定着温度 上記複写機にて未定着画像を作成した後、表層がテフロ
ン(デュポン社製ポリテトラフルオロエチレン)で形成
された直径30φの熱ローラと、表層がシリコーンゴム
「KE−1300RVT」(信越化学工業社製)で形成された圧
着ローラとよりなる熱ローラ定着器により、64g/m2の転
写紙に転写せしめた試料トナーによるトナー像を、熱ロ
ーラの線速度70mm/秒、線圧0.8kg/cm、ニップ幅4.9mmで
定着せしめる操作を、熱ローラの設定温度を100〜240℃
の範囲内で5℃ずつ段階的に高くして各温度において繰
り返し、形成された定着画像に対してキムワイプ摺擦を
施し、十分な耐摺性を示す定着画像に係る最低の設定温
度をもって最低定着温度とした。なお、ここに用いた熱
ローラ定着器はシリコーンオイル供給機構を有しないも
のである。また、環境条件は、常温常圧(温度20℃,相
対湿度60%)と、低温低湿(温度10℃,相対湿度40%)
の2通りとした。
オフセット発生温度 オフセット発生温度の測定は、上記最低定着温度の測定
に準ずるが、上記複写機にて未定着画像を作成した後、
トナー像を転写して上述の熱ローラ定着器により定着処
理を行い、次いで白紙の転写紙を同様の条件下で当該熱
ローラ定着器に送ってこれにトナー汚れが生ずるか否か
を目視観察する操作を、前記熱ローラ定着器の熱ローラ
の設定温度を順次上昇させた状態で繰り返し、トナーに
よる汚れの生じた最低の設定温度をもってオフセット発
生温度とした。また、環境条件は、常温常圧(温度20
℃,相対湿度60%)と、低温低湿(温度10℃,相対湿度
40%)の2通りとした。
定着可能温度範囲 上記のようにして測定されたオフセット発生温度と最低
定着温度との差を定着可能温度範囲とした。
耐ブロッキング性 耐ブロッキング性のテストは、温度55℃、相対湿度60%
の環境条件下に1日間放置し、トナーに凝集塊が生ずる
か否かによって判定し、凝集塊が認められなかった場合
を「○」とし、凝集塊が認められた場合を「×」とし
た。
環境条件が低温低湿(温度10℃,相対湿度40%)のと
きの定着器の耐久性 低温低湿(温度10℃,相対湿度40%)の環境条件下にお
いて、電子写真複写機「U−Bix 1600」の定着器の設定
温度を、上記最低定着温度よりも10℃高い温度に設定し
た状態で、多数回にわたる実写テストを行い、熱ローラ
の汚れ、熱ローラのクリーニング用ローラの汚れ、圧着
ローラの汚れ、オフセットの発生、紙づまりの発生、転
写紙の裏面汚れにより、定着器の耐久性を評価した。
カブリ 「サクラデンシトメーター」(小西六写真工業社製)を
用いて、原稿濃度が0.0の白地部分の現像画像に対する
相対濃度を測定して判定した。なお白地反射濃度を0.0
とした。評価は、相対濃度が0.01未満の場合を「○」と
し、0.01以上で0.03未満の場合を「△」とし、0.03以上
の場合を「×」とした。
画質 上記複写機により連続して3万回にわたる実写テストを
行い、画像形成初期および3万回後における複写画像の
鮮明性を調べた。評価は、良好なものを「○」とし、良
好とはいえないが実用レベルにあるものを「△」とし、
劣っていて実用的には問題のあるものを「×」とした。
クリーニング性 上記複写機により連続して3万回にわたる実写テストを
行い、複写回数が5,000回に達する度毎に、クリーニン
グブレードによりクリーニングされた後の感光体の表面
を目視により観察し、付着物の有無により判定した。評
価は、良好なものを「○」とし、良好とはいえないが実
用レベルにあるものを「△」とし、劣っていて実用的に
は問題のあるものを「×」とした。
耐フィルミング性 上記複写機により連続して3万回にわたる実写テストを
行った後、キャリア粒子の表面、感光体の表面、クリー
ニングブレードをそれぞれ電子顕微鏡もしくは目視によ
り観察し、付着物の有無により判定した。付着物が認め
られなかった場合を「○」とし、付着物が若干認められ
た場合を「△」とし、付着物が相当に認められた場合を
「×」とした。
以上の結果を後述の第1表に示す。
<実施例2> (1)芯材粒子の製造 上記樹脂Bの100重量部と、カーボンブラック「モーガ
ルL」(キャボット社製)の10重量部と、ポリエチレン
(軟化点Tsp:135℃)の5重量部とを、実施例1と同様
に処理して、芯材粒子を得た。これを「芯材粒子2」と
する。
(2)外殻の製造 上記芯材粒子2を用いたほかは、実施例1と同様にして
カプセルトナー粉末を得た。
このカプセルトナー粉末を用いたほかは、実施例1と同
様にして本発明に係るカプセルトナーを得た。これを
「トナー2」とする。
(3)現像剤の調製 上記トナー2を用いたほかは、実施例1と同様にして現
像剤を調製した。これを「現像剤2」とする。
(4)実写テスト 上記現像剤2を用いて、実施例1と同様にして実写テス
トを行い、各項目についてそれぞれ評価を行った。結果
を後述の第1表に併せて示す。
<比較例1> 実施例1と同様にして得られた芯材粒子1をトナー(以
下「比較トナー1」という。)として用いたほかは、実
施例1と同様にして現像剤を調製し、この現像剤を用い
て、実施例1と同様にして実写テストを行い、各項目に
ついてそれぞれ評価を行った。結果を後述の第1表に併
せて示す。
<比較例2> 比較用の樹脂aの100重量部と、カーボンブラック「モ
ーガルL」(キャボット社製)の10重量部とを、実施例
1と同様に処理して、比較用の芯材粒子を得た。
この芯材粒子を用いたほかは、実施例1と同様にして比
較用のカプセルトナー(以下「比較トナー2」とい
う。)を得た。
この比較トナー2を用いて実施例1と同様にして現像剤
を調製し、この現像剤を用いて実施例1と同様にして実
写テストを行い、各項目についてそれぞれ評価を行っ
た。結果を後述の第1表に併せて示す。
第1表の結果から理解されるように、本発明のトナー1
および2においては、いずれも、優れた低温定着性を有
し、特に低温低湿の環境条件下においても十分な低温定
着性を有し、しかも優れた耐オフセット性を有していて
定着可能温度範囲が75〜80℃と広いものである。また、
耐ブロッキング性が良好であって実写テストが3万回後
においてもカブリのない鮮明な複写画像が得られ、また
クリーニング性および耐フィルミング性も良好である。
さらに低温低湿の環境条件下においても、熱ローラの汚
れが少なくて紙づまり等のトラブルの発生がなく画像形
成プロセスを円滑に遂行することができる。
これに対して、比較トナー1においては、外殻を有しな
いものであるため、低温定着性は十分であるが、耐ブロ
ッキング性が悪く、そのためキャリアとの摩擦帯電性が
不良となって得られる複写画像がカブリのある不鮮明な
ものとなる。また、クリーニング性および耐フィルミン
グ性が悪くて耐久性の低いものである。また、低温低湿
の環境条件下においては熱ローラの汚れが著しく発生
し、このため紙づまりが発生し、画像形成プロセスを円
滑に遂行することが困難であった。
また、比較トナー2においては、芯材粒子を構成する比
較用の樹脂aが多価金属化合物により架橋されていない
ものであるので、耐オフセット性が低く熱ローラの汚れ
が著しく発生し、そのため早期に紙づまり等のトラブル
が発生しやすいものである。また、実写テストが3万回
後においてはカブリが発生して画像が不鮮明となり、耐
久性の低いものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熔融性芯材粒子と、この芯材粒子の表面を
    被覆するよう設けた熱可塑性樹脂よりなる外殻とを具え
    てなる熱ローラ定着用カプセルトナーにおいて、 熔融性芯材粒子が、カルボキシ基を有するビニル系重合
    体の当該カルボキシ基に多価金属化合物を反応させて得
    られる、ガラス転移点Tgが40〜70℃の芯材樹脂を含有し
    てなり、 該芯材樹脂が、低分子量成分と高分子量成分との少なく
    とも2群の分子量分布を有し、該分子量分布がゲル・パ
    ーミュエーション・クロマトグラフィによる分子量分布
    曲線において、 前記低分子量成分の極大値が1×103〜2×104の範囲内
    にあり、 前記高分子量成分の極大値が1×105〜2×106の範囲内
    にある ことを特徴とする熱ローラ定着用カプセルトナー。
  2. 【請求項2】芯材樹脂は、重量平均分子量Mwと数平均分
    子量Mnの比Mw/Mnの値が4〜40であることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項に記載の熱ローラ定着用カプセル
    トナー。
  3. 【請求項3】熔融性芯材粒子における芯材樹脂の割合が
    50重量%以上であることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項または第2項に記載の熱ローラ定着用カプセルトナ
    ー。
  4. 【請求項4】前記ビニル系重合体が、スチレン系単量
    体、アクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステ
    ル、および下記一般式(A)で示される単量体から得ら
    れる重合体と多価金属化合物とを反応させて得られる重
    合体であることを特徴とする特許請求の範囲第1項、第
    2項または第3項に記載の熱ローラ定着用カプセルトナ
    ー。 一般式(A) (ただし、一般式(A)中、Lは分子鎖中にエステル結
    合を有する炭素数3以上の2価の結合基を表し、置換基
    を有していてもよい。R1は水素原子またはメチル基を表
    す。)
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