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JPH0798683B2 - 炭素とホウ素を主成分としてなる複合材料の製造法 - Google Patents
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JPH0798683B2 - 炭素とホウ素を主成分としてなる複合材料の製造法 - Google Patents

炭素とホウ素を主成分としてなる複合材料の製造法

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JPH0798683B2
JPH0798683B2 JP2203620A JP20362090A JPH0798683B2 JP H0798683 B2 JPH0798683 B2 JP H0798683B2 JP 2203620 A JP2203620 A JP 2203620A JP 20362090 A JP20362090 A JP 20362090A JP H0798683 B2 JPH0798683 B2 JP H0798683B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、炭素−ホウ素(以下C−Bということがあ
る)の複合材料、特にホウ素(以下Bということがあ
る)成分が炭素(以下Cということがある)成分中に超
微粒で均一に分散されている複合材料の製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
C−B複合材料は、原子力産業に於いては中性子吸収材
として、また耐酸化性を付与された炭素材として、機械
用構造材として広く研究され、用いられている。
現在一般的に知られているこのC−B複合材料の製造方
法としては、専ら別途に製造されたB4C(炭化ホウ素)
と、炭素材又は炭化し得る原料とを混合し、高温下で焼
成し、両者を固溶体化する方法が良く知られている。例
えば、特開昭62−108767号、特開平1−138172号公報
(特願昭62−297202号)などが挙げられる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来の製造方法により得られたC−B複合材料は、
粗大なるB4Cを粉砕して炭素と混合するものであるが、
粉砕が機械的粉砕であるため、その微粉化には限界があ
り、目的物C−B複合材料としてはB4Cの部分、B4Cと炭
素が固溶化された部分及び炭素のみの部分が混在し、微
細に観察する時全体として完全均一とは言い難いもので
あった。
また上記従来方法では、粉体同志を混合、成形、焼結す
るものであるため、焼結後の材料について、切削、成形
加工する際の不便さがあり、切削粉の排棄等により高価
なB4Cの原料効率が低下する欠点があった。
更に従来の方法で最も大きな問題点は、ホウ素以外の無
機質不純物を多く含む(通常約5000ppm)ことである。
この不純物は配合原料の粉砕、混合、成形、焼成等の各
工程で鋼鉄製機械類との接触等によって混入されてくる
ものであり、従来方法では避けることの極めて難しいも
のである。B−C複合材料の用途によっては、少量の無
機質不純物の共存は大きな問題とならない場合もある
が、原子力産業用材料としては混在する無機質不純物が
放射線の照射等により、同位体変換、分裂等の反応を併
発し、核融合材料に用いた場合にはこれら不純物から発
する高Z元素(高原子価元素)によりプラズマ温度を著
しく低下させる決定的な弊害を招く原因となる。そこで
原子力産業向け炭素材料としては特に高純度化された材
料、例えば無機質不純物が5ppm以下、好ましくは2ppm以
下、実質的に0ppm(原子吸光分析又は発光輝線スペクト
ル法による)に近い超高純度炭素材を用いるのが常であ
る。このような超高純度炭素材の製法としては、例えば
特開昭63−79759号公報(特願昭61−224131号)に示さ
れるように、無機質元素は揮発性の高いハロゲン化処理
によって除かれるが、B4C−Cを原料とする複合材料に
於いては、炭素材中にホウ素が存在するために、複合化
した後はこの方法を用いて不純物を除くことができな
い。
本発明は、従来法であるB4C−C粉を原料とする上記の
種々の欠点を解消し、更に優れたB−C複合材を開発す
ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記従来方法の欠点を解決し、より優れた
材料を開発するために研究を進め、先ずホウ素源として
従来方法の原料であるB4Cを使用せず、新しく酸化ホウ
素又はその水和化合物を溶融又は溶液の形で炭素材に含
浸せしめる方法を採用した。この方法によりホウ素成分
は分子状のレベルで微細な炭素粒表面又は炭素材中の微
細な細孔内に浸透し、B4Cの粉体使用の場合に比し極め
て微細に、且つ全体にわたって分散させることができ
る。
更にこのようにホウ素を酸化物の形で使用するため、酸
化物と炭素との反応によってホウ素が炭素内に固定され
固溶体化するに適した反応方式、即ち炭素材へのホウ素
化合物の液状での含浸に引き続き、含浸されているホウ
素化合物が炭素材から揮散しない条件で、且つホウ素と
炭素が固溶化反応する条件として、高温、高圧下に焼成
する製法を開発し、所期の目的に達した。
〔発明の作用並びに構成〕
本発明の作用を酸化ホウ素(B2O3)と炭素との反応につ
いて例示し、説明する。
〈第一工程〉 耐圧容器内で炭素材、例えば等方性高密度炭素材(東洋
炭素(株)製 「IG−11」)の切削成形体に、溶融酸化
ホウ素を600〜1400℃、好ましくは800〜1200℃にて加圧
含浸せしめる。この際耐圧容器内を一旦減圧にして炭素
材細孔内に含まれる空気を除いてから含浸させることが
望ましいが、必ずしも事前脱気しなくても良い。
炭素材にB2O3を含浸せしめるには数kg/cm2の加圧下でも
良いが、深部まで完全に圧力浸透させるには50〜100kg/
cm2にすることが望ましい。この加圧は、炭素材の空孔
率、粒度、細孔分布、温度等により適宜に決定される。
〈第二工程〉 B2O3を含浸せしめた炭素材は不活性気体を圧力媒体とし
て高温、高圧下にて加熱処理(以下HIPということがあ
る)を行う。加熱処理により、例えばAr等の不活性ガス
を媒体として用いることにより恰も水圧で押すように炭
素材及びB2O3液を各方面から均等に圧力をかけ、B2O3
蒸散を防ぎつつ、炭素材内に閉じ込め、温度の効果によ
り炭素とホウ素の化学反応が進行する。
加熱処理装置内の圧力及び温度は、100kg/cm2以上、150
0℃以上の温度、望ましくは2000℃以上、1500〜2000kg/
cm2が良い。この場合温度が2300℃を超えると、炭素と
ホウ素の固溶体の分解反応が併発するので好ましくな
い。
以上第一、第二工程が必須であるが、この複合材の使用
目的によっては、ほんの少量のB2O3が炭素材中に残る場
合があるので、これを除くために次に第三工程を加える
こともできる。
〈第三工程〉 第二工程でHIP処理を終わった複合材を10Torr以下、好
ましくは5Torr以下の減圧下、1000℃以上、好ましくは1
500℃以上の高温、減圧下処理により、複合材中のB2O3
量は0.1%以下に減少させることができる。このように
して得られたB−C複合材は従来法のようにB4C粉を用
いた複合材に比べホウ素が微細に、且つ全体に均一に分
散されている。
本発明に於いて使用される炭素材は上記例示のように等
方性炭素材の他、一般炭素材、異方性炭素材(例えばパ
イロカーボン、パイログラファイトなど)、炭素−炭素
複合材(以下C/C材ということがある)等、炭素材の種
類を問わず適用可能である。本発明は炭素粉を用いない
ため成形された炭素材の形状、組織、骨格をそのままの
状態で炭素をホウ素化することができることが最大の特
徴として挙げられる。
例えば超高純度等方性高密度黒鉛材を基材として用いて
ホウ素化した場合には、ホウ化合物の純度の良いものを
使用すれば得られる複合材としては、炭素とホウ素以外
の元素の不純物は基材の純度とほぼ同じ5ppm以下と非常
に小さいものが得られる。これは原料の粉砕、混合、圧
縮成形等機械的処理工程中の汚染が本発明の場合皆無で
あることによるものと思われる。
本発明方法の特徴を示す端的な例として、炭素/炭素複
合材のホウ素化の場合が挙げられる。従来法のようにB4
C粉を用いる場合、非常に細かく粉砕しても1μm以下
の粒径に粉砕することは特殊な設備と技術を要し、この
粒子を樹脂成分と混和し、炭素繊維に塗布し、プリプレ
グを作り、更に成形、加熱硬化、炭化し、その後切削加
工してホウ素化C/C材製品を作る方法が考えられるが、
この方法の最大の欠点は炭素材を完全に黒鉛化できない
点にある。何故ならば炭素の黒鉛化には2500〜3000℃の
高温焼成が必要であるにもかかわらず、B4C成分は2300
℃付近で分解を始めるからである。このため予め3000℃
での高温焼成によって黒鉛化されたC/C材の微細なる細
孔内にB4C細粉を押し込むことは不可能に近く、まして
ホウ素成分をC/C材の深部まで均一に分散させることは
できない。このことは一般炭素材ブロックについても同
様に言えることではあるが、C/C材については炭素繊維
の強度を維持しつつホウ素化を計らねばならない点に特
に困難があった。
この点本発明方法による場合、極めて容易にC/C材のホ
ウ素化が可能である。既に述べた如くホウ素成分は溶融
又は溶液の形で分子レベルの大きさで炭素材の細孔内に
圧力によって強制的に圧入され深部まで均一に分散させ
ることができる。且つこのホウ素成分の強制圧入作業及
びその後の焼成作業によってC/C材としての組織に変化
はなく、炭素材は事前に3000℃での黒鉛化処理を行って
いるので、ホウ素化反応を進めるために2000℃にて焼成
しても、得られるホウ素化成形体はC/C材としての充分
の物性を有するものとなる。
一方炭素材に含浸されるホウ素成分は、原理的には加熱
により溶融又は溶媒によって溶液になし得るホウ素化合
物が本目的に供し得るが、炭素材と共に加熱焼成して無
機質不純物を残すものは、炭素材の汚染を招来し、用途
に制約を生じるので好ましくない。従って焼成によって
熱的分解又は炭素との反応によってホウ素のみを残して
分解揮散する化合物が望ましい。この点からは、含ホウ
素有機化合物やホウ素のハロゲン化物等も挙げられる
が、経済性及び取扱の容易性などの点から、本発明に於
いては酸化ホウ素(B2O3)及びその水和化合物、例えば
H3BO3・オルトホウ酸が最適なものとして例示できる。
例えばB2O3と炭素との化学反応としては、 2B2O3+7C→B4C+6CO がB4Cの焼成反応として知られているが、本発明のよう
に非常に多量の炭素の中に分子レベルの大きさのB2O3
分散されて生成した(炭素−ホウ素)複合材が上記の反
応式通りに進んでいるかどうかは明確でない。実施例1
に示す方法で得られた複合材について種々の分析を行っ
た結果、化学分析によっては4重量%のホウ素成分が測
定され(遊離B2O3 0.02%)、且つ中性子照射の結果か
らも明らかなホウ素成分による中性子吸収の事実が観察
されるにもかかわらず、X線回折装置による観察では、
B4Cの存在を示すピークは僅かである。他の特定の結晶
系を示すピークも少なく、ブロードな部分が多いことか
ら、不定形物又は固溶体の状態をなすものと考えられ
る。従って最終製品は、B4Cという特定の化合物を示す
明確な形態ではなく、(BxCy+C)の形としての固溶体
の形態であろうと推察されるが、本発明はこのような固
溶体の形態に拘束されるものではない。
ホウ素成分としては酸化ホウ素(B2O3)の他、それの水
和化合物も同様に使用することができる。水和化合物と
しては、例えばホウ酸(H3BO3、B(OH))が挙げら
れる。
これらホウ酸は、酸化ホウ素(B2O3)に比べ、比較的低
い融点(185℃)を有し、それ以上の温度では水分を放
ちながら分解し、(B2O3nH3BO3)固溶体的な形態とな
り、液状を保つ。従ってホウ酸を原料に用いた場合に
は、容器内に適当な粘度を保つ温度、即ち300〜500℃に
保ちつつ、ホウ酸を溶融し、これに炭素材を浸漬し、加
圧含浸により炭素材細孔内に強制的に圧入せしめる。以
上の第一工程(含浸)に引き続いて行う第二工程(HIP
処理工程)は、上記したB2O3の場合と同様に実施し得
る。
次にこれらホウ素化合物と炭素材とを原料として本発明
方法を実施する際の態様について説明する。
ホウ素化合物は加熱溶融し、液状になった状態又は適宜
な溶媒に溶解した溶液の状態で加圧含浸される。例えば
B2O3の融点は常圧にて450℃、沸点は1500℃であり、こ
の温度範囲で液状となるが、含浸操作は600〜1400℃、
好ましくは800〜1200℃の温度範囲が適当である。
先ず第一工程として、耐圧容器内にてB2O3と炭素材を入
れ、加熱、(真空)・加圧法によって炭素形成体の細孔
空隙にB2O3を圧入する。この際B2O3圧入に先立って容器
内を一旦減圧にし、炭素材の細孔内に存在する空気を除
去しておくと、B2O3の圧入が完全で、容易であるが、圧
入圧力が高いので、この一旦減圧操作は必須ではない。
圧入圧力は、数kg/cm2でも良いが、好ましくは50〜100k
g/cm2である。
次に第二工程としてHIP処理を行う。第一工程でホウ素
化合物を含浸させた炭素材を、常圧で2000℃で加熱して
も、炭素材は殆どホウ素化されない。高温加熱によって
ホウ素成分が蒸散し、炭素材との反応で固溶体化するこ
とがないからと思われる。第二工程での加熱は、高い圧
力下に於いて行うことが必要である。高温・高圧で行う
処理は例えばAr等の不活性ガスを媒体として、100kg/cm
2以上、1500℃以上の温度、望ましくは100〜2000kg/c
m2、2000℃以上の条件で行う。このHIP処理により炭素
材中へホウ素化合物を固溶拡散、定着させることができ
る。
以上が第二工程で、第一工程と共に必須の操作であり、
通常の〔炭素−ホウ素〕固溶体としての用途や目的のた
めには、この段階で更に必要に応じて切削成形加工処理
等の仕上げを行って市場に供される。
しかし特殊な用途、例えば原子炉用中性子吸収材などの
用途に用いる可能性のある材料については残存B2O3量は
できるだけ少ない方が良い。このようなB2O3が原子炉内
に用いられ、高温条件下にて使用された場合、蒸発した
B2O3が比較的低温部に析出固結し、作動を阻害するトラ
ブルの原因となったり、金属製部品を腐食したり、保存
中固結したりするからである。
そのため残存するB2O3を除く必要がある場合は、必要に
応じて次に記す第三工程を付け加えることができる。
〈第三工程〉 第二工程で得られた固溶体を、耐圧容器に入れ、減圧
下、好ましくは10Torr以下、特に好ましくは5Torr以下
の強減圧下、1500℃以上の熱処理を施し、B2O3を蒸発除
去する工程が付け加えられる。
このような処理を行うことによって、B2O3残存量を0.01
重量%にまで少なくすることができる。
本発明法によって得られる材料はその多様性により、よ
り優れた耐酸化消耗材、中性子吸収材等の原子炉材料と
して、また核融合炉用プラズマ対向壁、宇宙航空用材
料、冶金用、機械用部品等あらゆる分野に威力を発揮す
る。
〔発明の効果〕
このようにして得られた本発明複合材料は、炭素中にホ
ウ素が均質に拡散している。また炭素成形体はC/C材を
始め、高密度黒鉛等あらゆる種類の炭素材及び形状のも
のを選択することができ、従来方法では得られないよう
な炭素−ホウ素複合材料を作製することができるという
大きな利点がある。
〔実 施 例〕
以下に実施例を示して本発明を詳しく説明する。
実施例1 〈第一工程〉 微粒等方性黒鉛材(東洋炭素(株)製 「IG−11」)に
オートクレーブを用いて1200℃で溶融したB2O3に該黒鉛
材を浸漬し、N2ガスにて150kg/cm2の圧力で1時間加圧
し、B2O3を該黒鉛材の気孔中に含浸した。
〈第二工程〉 含浸終了後更にHIP処理装置を用い、温度2000℃、2000k
g/cm2の圧力で1時間保持し(圧力媒体Ar)、ホウ素を
該黒鉛材中へ拡散、固溶体化した。尚HIP処理の際、被
処理品を黒鉛製の円筒型のサヤに入れ、蓋をした。
〈第三工程〉 その後真空容器を用い、1Torr、2000℃で1時間の真空
処理を行った。得られた複合材料のホウ素濃度はマンニ
ットール法で測定し、4.0重量%(ホウ素元素として)
であった。その内B2O3は0.02重量%であり、殆ど全ての
未反応のB2O3が蒸散、除去されていた。
実施例2 実施例1で得られた炭素−ホウ素複合材料を実施例1と
同様な処理を繰り返し行った。それによって得られたホ
ウ素複合材料のホウ素濃度は7重量%であった。その内
B2O3は0.03重量%であった。
上記から明らかな通り、実施例1に示す処理を繰り返す
ことによって、複合材料中のホウ素含量を高め得られる
ことが判った。
実施例3 PAN系高強度炭素繊維(3000フィラメント、繊維径7μ
m、引張強度300kg/mm2)の平織りクロスに炭化ホウ素
(直径7μm以下)5〜20重量%を均一に分散させたフ
ェノール樹脂溶液(レゾール型フェノール樹脂をメタノ
ールで2〜3倍に希釈した溶液)を含浸塗布し、24時間
風乾を行いプリプレグシートを得た。
このプリプレグシートを乾燥器中で熱処理し(100℃×
0.5時間)、その後金型に詰め、油圧プレスで140℃、50
kg/cm2の条件で1時間保持して2枚の積層体たる2D成形
体を得た。
得られた成形体をコークス粉体中に詰め、非酸化性雰囲
気で1000℃まで昇温速度10℃/時間で処理し、その後真
空炉を用い5Torrの減圧下で、2000℃まで100℃/時間の
速度で高温処理を行った。クラックのない2D C/C複合材
が得られた。
上記2D C/C複合材に対して、オルトホウ酸(H3BO3)1
重量%に対して、水1重量%を加えて得られた溶液を加
え、浸漬、含浸させた。これを120℃に保った乾燥器内
にて水分を蒸発させた。その後水溶液含浸処理を更に1
回実施した。該水溶液は比較的粘度が低く、C/C複合材
中の空隙や細孔内に、深部まで容易に含浸されているこ
とが確認された。
以上を第一工程(含浸処理)とし、実施例1に示すのと
同様の条件下にて弟二工程を実施して、C/C複合材を基
材とした炭素−ホウ素複合材を得た。得られた製品中の
ホウ素濃度は3.7重量%(ホウ素元素換算値)であっ
た。
実施例4 炭素基材として、高純度超微細等方性黒鉛材(以下ISO
−880と略称する)を使用し、実施例1と同様の方法で
ホウ素化反応を行った。
この炭素基材は緻密、高強度の特性を有する炭素材で、
細孔容積の小さい材料であるが、実施例1に示す方法で
ホウ素化を行ったところ、得られたC−B複合材中のホ
ウ素濃度は2.6%(重量)であり、且つ第三工程の処理
を行った後の残存B2O3量は0.01%以下と測定された。
尚ホウ素化処理を行った前後、即ちISO−880原材と、本
実施例によるホウ素化反応後に於けるホウ素以外の元素
の分析値は第1表の通りであった。なお、単位はppmで
ある。
尚一般炭素材は通常400ppm前後の不純物を含有するが、
これを高温ハロゲン化処理(例えば特開昭63−79759
号)により10ppm以下、目的により全灰分量を1〜2ppm
以下にすることができる。分析方法は原子吸光分析法及
び発光輝線スペクトル法等の併用による。また(−)は
検出せずを示す。
第1表のホウ素化処理前後の不純物量の分析結果からも
明らかなように、ホウ素以外の元素は増加していないこ
とが判る。
実施例5、6及び比較例1 本発明法にて調製した試料及び従来法にて調製した試料
を用いて中性子照射試験を行った。
〈供試試料〉 試料−A(比較例1): 市販B4C粉を粉砕し、3〜7μm径の粒度を持つものを
運び、用意した。別途、石炭コークス粉(平均粒径15μ
m以下)50重量部、人造黒鉛粉(平均粒径40μm以下)
10重量部及びピッチ40重量部を混和し、加熱下(230
℃、2時間)混練後、成形粉砕する。この粉砕品100に
対して上記B4C粒7.7重量部を添加し、少量の粘結剤と共
に、加熱、混練した。この混練物を加圧成形し、2000℃
にて焼成せしめ、原料を得た。化学的分析の結果、ホウ
素含有量は4.2重量%であった(純ホウ素換算値)。
試料−B(実施例5): 前記実施例1に記載の方法により得られた原材。
試料−C(実施例6): 前記実施例3に記載の方法により得られた原材。
上試の方法によって得られた3種類の原材を、厚さ2mm
の薄い板状に切断し、中性子照射試験に供した。
中性子照射試験装置: 住重試験検査(株) 中性子ラジオグラフィビーム照射
量: 34.4μA・4653sec(160.0m Cb) 中性子照射方法: 乾板上に試料を置き、中性子を照射した。中性子が吸収
された部分は白く、吸収されなかった部分は黒く露光さ
れている。
試験結果: 試験結果を第1〜2図に示す。
試料−Aの場合は第2図の通りホウ素成分はB4Cの粒状
として存在し、中性子が吸収された部分は、未露光状態
として白く斑点状として残る。ホウ素の無い部分、即ち
中性子が照射された部分は黒く露光されている。尚この
図はこの斑点を明瞭に出すため、10倍に拡大したものを
示す。
試料−Bの場合はホウ素成分が非常に微細に、且つ均一
に分散している。拡大しても白い斑点は認められない。
従って得られる写真は全面が白と黒の均一な中間色とし
て露光され、第1図のように白い斑点は観察されていな
い。
実施例1の項に記したように、ホウ素成分としては4%
存在しているにかかわらず、白い斑点として吸収点が発
現していないのは、ホウ素が非常に微細な状態で分散さ
れた状態であること示している。
尚試料−Cの場合は(炭素−炭素)複合材中にホウ素を
含浸したものであり、写真による分析結果はないが、試
料全体にわたって均一に超微分散状態で分布しているも
のである。
以上従来方法(試料−A)と本発明の方法(試料−B及
びC)の比較から、両者にはホウ素成分の分散状態に顕
著な差があり、本発明方法の場合ホウ素が全体にわたっ
て均一に、且つB4C粉状物とは比較にならない程微細に
分散されていることが明らかである。
実施例7及び比較例2、3 本発明方法にて製造した(ホウ素−炭素)複合材の耐酸
化性を調べた。
試料−D(比較例2): 比較例1にて用いた従来法(B4C粉使用)にて調製した
試料(ホウ素含量4.2%)。
試料−E(実施例7): 実施例4にて用いた本発明方法によって調製した試料
(ホウ素含量4.0%)。
試料−F(比較例3): 実施例6に用いた試料を調製時に使用した炭素原材(ホ
ウ素含量0.0%)。
上記3つの試料(D〜F)を(32×20×12.5mm)に裁断
し、700℃に保った空気浴加熱器中にて放置、適宜の時
間毎に重量減少を測定し、酸化損耗率を測定した。測定
結果を第3図に示す。
この第3図から明らかな通り、本発明方法によって調製
した試料−Eはホウ素成分を含浸する前の原材(IG−1
1)として用いたものである試料Fと比較すると(実施
例1参照)ホウ素成分を含浸することによって、著しく
耐酸化性が向上することが明らかである。且つ驚くべき
ことに、従来の方法であるB4C粉を添加した試料−Dに
比べて、ホウ素含有量が同一レベルに揃えた場合、著し
く耐酸化性が高いことが判った。
この理由としては、従来方法の場合酸化抑制効果のある
B4C粉としてホウ素成分が、粒状として局部的に偏在
し、微視的にはホウ素成分が無い部分もあり、その付近
から酸化が始まるに対して、本発明方法による場合に
は、全体にわたって均一に微分散されているので、酸化
反応が全体的に抑えられた結果と解される。
実施例8、9及び比較例4、5 本発明方法による炭素材のホウ素化反応の特徴は、任意
の炭素材種、任意の形状の炭素材に対してホウ素化を行
い得て、しかも原材の性質、物性を殆ど損なわないこと
が特長である。
第1表には本発明方法によって炭素材のホウ素化反応を
行った処理前後に於ける物性、即ち実施例1及び実施例
4の実験に供した原材(比較例4及び5)の物性と、ホ
ウ素化反応を行った製品(実施例1及び4)の物性とを
対比したものである。
上記第2表から明らかなようにホウ素化反応を施すこと
によって、原炭素材の組織及び骨格等は変わらず、物性
も変わらないことを示している。
【図面の簡単な説明】 第1〜2図はいずれも中性子照射による露光写真を作図
した概略説明図である。第3図は各種炭素材の酸化消耗
率を示すグラフである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素材料に酸化ホウ素又は(及び)その水
    和化合物を含浸せしめ、不活性ガスの加圧下、1500℃以
    上の条件下で焼成を行うことを特徴とする炭素とホウ素
    を主成分としてなる複合材料の製造法。
  2. 【請求項2】炭素材料が高密度等方性黒鉛材料である請
    求項(1)に記載の複合材料の製造法。
  3. 【請求項3】炭素材料がホウ素成分以外の無機質不純物
    の総量が20ppm以下である高純度等方性炭素材料である
    請求項(1)又は(2)に記載の複合材料の製造法。
  4. 【請求項4】炭素材料が炭素繊維によって強化された、
    炭素−炭素複合材料である請求項(1)に記載の複合材
    料の製造法。
  5. 【請求項5】炭素−炭素複合材料の純度が、ホウ素成分
    以外の無機質不純物の総量が20ppm以下の高純度材料で
    ある請求項(4)に記載の複合材料の製造法。
  6. 【請求項6】遊離するB2O3の残存量が、0.1重量%以下
    の複合材料である請求項(1)に記載の複合材料の製造
    法。
  7. 【請求項7】溶融状態の酸化ホウ素又は(及び)その水
    和化合物を加圧下にて炭素材料に含浸せしめ、次いで不
    活性ガスの加圧下、1500℃以上の条件下で焼成を行うこ
    とを特徴とする請求項(1)に記載の複合材料の製造
    法。
  8. 【請求項8】酸化ホウ素水和化合物が、 ホウ酸(B(OH)又はH3BO3)の溶融物又はその溶液
    である請求項(1)に記載の複合材料の製造法。
  9. 【請求項9】酸化ホウ素を含浸せしめた炭素材料を不活
    性ガスの加圧下にて焼成を行うに際し、100kg/cm2
    上、1500℃以上の高温、高圧下にて行う請求項(7)に
    記載の複合材料の製造法。
  10. 【請求項10】高温、高圧下の加熱処理を行った後、反
    応系を1500℃以上、10Torrの減圧に保つ請求項(9)に
    記載の複合材料の製造法。
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