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JPH0799993B2 - 青果物生鮮保存方法と保存容器 - Google Patents
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JPH0799993B2 - 青果物生鮮保存方法と保存容器 - Google Patents

青果物生鮮保存方法と保存容器

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JPH0799993B2
JPH0799993B2 JP29524791A JP29524791A JPH0799993B2 JP H0799993 B2 JPH0799993 B2 JP H0799993B2 JP 29524791 A JP29524791 A JP 29524791A JP 29524791 A JP29524791 A JP 29524791A JP H0799993 B2 JPH0799993 B2 JP H0799993B2
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良岳 川合
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一定形状を有するトレイ
と特別の性能の包装材とからなる青果物の鮮度を維持す
る容器を用いた青果物の生鮮保存方法とこの方法に使用
される保存容器に関する。
【0002】
【従来の技術】青果物の鮮度を保持するために従来種々
の試みがなされている。例えば、非透湿性の包装材で包
装して水分の発散を防止したり、保存温度を低くした
り、脱酸素剤を使用して呼吸を抑えたり、エチレンガス
を吸着して追熟を防ぐ等種々の方法が提案されている。
【0003】例えば、特公昭38−2757号公報には
高圧法ポリエチレンフイルムを用いて青果物を包装し冷
蔵して水分の蒸散と追熟を防止して保存することが述べ
られている。また、特開昭61−216640号公報に
は炭酸ガスと酸素の透過度比(CO/O)が3〜4
の合成樹脂フイルムを用いて青果物を包装して呼吸を制
御して保存することが述べられている。しかしながらこ
のようになフイルムを使用しても十分な青果物の鮮度保
存効果が得られなかった。
【0004】また青果物は外見の正常で美しいことが商
品の品質決定の一要素とされており、そのため保存中の
変形等の損傷を防止する必要がある。従来、トレイ等の
それ自体一定の形状を有する容器に青果物を載置してフ
イルム等で包装していた。このようなトレイを用いるこ
とにより青果物の変形等はある程度防止されるが、トレ
イも包装フイルムも青果物の呼吸を制御出来ないので生
鮮保存は出来なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では青果物
の鮮度がなぜ失われるのかその基本的な問題の解明が不
十分であったため、鮮度保存の課題が満足できる程度ま
で解決できなかったのである。本発明者らの研究による
と、青果物は、保存中も生活反応を示し、呼吸もすれ
ば、植物ホルモンや酵素も作用する。そのため、例えば
保存雰囲気中にエチレンガスが存在すれば老化ホルモン
が活発に分泌され老化が促進される。また、保存雰囲気
は青果物の呼吸により組成が変化し、酸素が余り少なく
なり、炭酸ガスが多くなると無気呼吸をおこないアルコ
ール醗酵が進みアルデヒドやアンモニヤを発生させ鮮度
は落ちて行く。しかし、一方酸素が多いと呼吸が激しく
行われ成熟が進行してしまう。このように青果物の鮮度
を維持するには保存雰囲気の組成が重要な作用を奏し、
炭酸ガスだけでなく酸素の量も適正な値に制御しなけれ
ばならない。
【0006】また、青果物は殆んどの作物で80〜95
%と高含水率であり、これらが低湿度下に放置された場
合、果皮や葉などの組織より激しく水分が蒸散し、この
水分損失は直ちに萎凋をひき起こして鮮度は低下する。
通常5%以上の水分が失われると何等かの外観的変化を
生じる。
【0007】本発明者等はこの様な植物の生理に着目
し、保存雰囲気のガスの組成を調整して青果物を休眠状
態にすることを研究した。その結果、青果物の鮮度を保
持するためには、水分の蒸散を抑制すること、保存
雰囲気の酸素の存在量を調整し、1〜16%好ましくは
2〜12%の範囲にすること、保存雰囲気の炭酸ガス
の存在量をできるだけ少なくし、0〜20%好ましくは
2〜15%の範囲にすることが必要である事を解明し
た。
【0008】そして、本発明者は上記保存雰囲気を形成
する包装材として、27℃における炭酸ガス透過係数P
coが、15×10−10cm(STP)cm/
(cm・S・cmHg)以上でかつ、炭酸ガス透過係
数Pcoと酸素透過係数Poの比が4.2以上であ
り、水蒸気透過係数PHOが80×10−9cm
(STP)cm/(cm・S・cmHg)以下であ
る合成樹脂フイルムからなる、青果物鮮度保持包装材の
発明を完成した。これが特願平2−103131号発明
である。
【0009】本発明者は更に研究を進め、更に性能を向
上したフイルムの開発に成功し、また最も広く使用され
ている包装材料である紙に前記の保存雰囲気を形成する
性能を与えるために研究を重ね青果物生鮮保存作用を奏
するように改善することに成功した。本発明者は上記の
包装材で青果物を包装して種々研究を行なった。ところ
が、このような保存雰囲気の調整を行なった包装でも青
果物の鮮度の失われる場合があることが見出された。そ
して、輸送試験において、鮮度の失われることが多いこ
とを知った。その原因について研究した結果、このよう
な鮮度の低下の大きな原因が傷ついた青果物にあること
を見出した。
【0010】青果物は一般に傷や打ち身変形などのスト
レスが加わると生理作用に変化をきたし、生理代謝が活
発になり、呼吸が著しく増大したり、エチレンに代表さ
れるホルモンの生成が多くなり鮮度の低下腐敗の発生を
生ずる。そのため青果物を単に環境ガス雰囲気の調節可
能な透過性を有する袋に密封包装しただけでは包装とし
ては不十分であり、輸送時の振動や衝撃による青果物の
傷付や打ち身を防ぐことが重要となる。従来の袋のみの
包装では、包装材の優れた雰囲気調整による青果物の品
質の平均的なレベル向上に非常に効果はあるが、包装材
自体は一定形状を有さずまた青果物の姿勢維持機能を有
さないため輸送中の振動や衝撃等による青果物の負傷を
防止することが出来ない。このように青果物の姿勢維持
の出来ない包装では、輸送等の取扱い時の傷や打ち身等
の原因による腐敗果の発生、腐敗果の健全果への悪影響
により青果物の十分な生鮮保存が出来ないのである。
【0011】しかしながら、青果物を市場に出すために
は輸送等の流通段階での取扱いは必要不可欠である。し
たがって、青果物の包装姿勢維持の出来ない包装では実
用水準の鮮度の品質維持は困難であった。しかし、この
ような新知見に基いて完成された本発明により、輸送等
による青果物の傷や打ち身の発生が防止され、保存青果
物の品質が飛躍的に向上し、実用水準の生鮮度の確保が
可能となったのである。
【0012】そのためには、(A) 一定形状を有する
トレイを使用すること、特に青果物の包装姿勢を維持す
るトレイが有効であること、(B) トレイを包装する
包装材は、(イ) 合成樹脂フイルムを使用する場合
は、密度0.914g/cm以下の低密度の、エチレ
ンと炭素数3〜12のα−オレフィンの共重合体を含有
する樹脂フイルムを使用する必要があること、 炭酸ガス透過係数Pcoが、15×10−10
(STP)cm/(cm・S・cmHg)以上で
ないと他の条件をいかに変えても保存雰囲気は満足でき
る状態にならないこと、 次に炭酸ガス透過係数Pcoと酸素透過係数Po
の比が3.5以上である事が必要であり、3.5以下
では炭酸ガスと酸素の濃度の制御が十分に行えず、青果
物を休眠状態に保つことができないこと、 また、水蒸気透過係数PHOが80×10−9
(STP)cm/(cm・S・cmHg)以下で
ないと包装材外部への水分の放出が多くなるため、包装
内の青果物の水分蒸散が激しくなり萎凋を生じるため青
果物の鮮度が保持できないこと。
【0013】(ロ) 樹脂被覆紙を使用する場合は、
(a) 密度0.914g/cm以下の低密度の、エ
チレンと炭素数3〜12のα−オレフィンの共重合体を
被覆する必要があること、(b) 紙に被覆する樹脂層
は、前記フイルムと同様に 炭酸ガス透過係数Pcoが、15×10−10
(STP)cm/(cm・S・cmHg) 以上でないと他の条件をいかに変えても保存雰囲気は満
足できる状態にならないこと、 次に炭酸ガス透過係数Pcoと酸素透過係数Po
の比が3.5以上である事が必要であり、3.5以下
では炭酸ガスと酸素の濃度の制御が十分に行えず、青果
物を休眠状態に保つことができないこと、 また、水蒸気透過係数PHOが80×10−9
(STP)cm/(cm・S・cmHg)以下で
ないと包装材外部ヘの水分の放出が多くなるため、包装
内の青果物の水分蒸散が激しくなり萎凋を生じるため青
果物の鮮度が保持できないこと、を解明して鮮度保存性
の優れたトレイ包装容器発明を完成した。したがって本
発明は上記の条件の全てが互いに組み合わされて青果物
の生鮮保存の相乗効果を奏するものである。
【0014】本発明は、「
【請求項1】 (A)一定形状を有するトレイと、
(B)該トレイを密封包装する(a)エチレンと炭素数
3〜12のα−オレフィンとの密度0.914g/cm
以下の共重合体を含有し、27℃での炭酸ガス透過係
数が15×10−10cm(STP)cm/(cm
・S・cmHg)以上で、透過係数比Pco/Po
が3.5以上であり水蒸気透過係数が80×10−9
(STP)cm/(cm・S・cmHg)以下で
ある樹脂フイルムと、(b)エチレンと炭素数3〜12
のα−オレフィンとの密度0.914g/cm以下の
共重合体を含有し、27℃での炭酸ガス透過係数が15
×10−10cm(STP)cm/(cm・S・c
mHg)以上で、透過係数比Pco/Poが3.5
以上であり水蒸気透過係数が80×10−9cm(S
TP)cm/(cm・S・cmHg)以下である樹脂
層を少なくとも片面に被覆してなる包装用紙から選んだ
包装材とからなる青果物生鮮保存容器に、青果物を収納
して密封し青果物の呼吸により雰囲気のガスを調整して
容器内を減圧し、包装材を青果物とトレイに密着させて
青果物をトレイに固定して包装することを特徴とする青
果物の生鮮保存方法。
【請求項2】 容器中のガスを脱気してから密封し、つ
いで青果物の呼吸により残存ガスを調整することを特徴
とする、請求項1に記載した青果物保存方法。
【請求項3】 収納物の少なくとも一部を受け入れ位置
固定する凹凸部を底部に配設した姿勢維持性トレイを使
用することを特徴とする、請求項1または2のいずれか
1項に記載された青果物保存方法。
【請求項4】 一定形状を有するトレイと、該トレイを
密封包装するエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィ
ンとの密度0.914g/cm以下の共重合体を含有
し、27℃での炭酸ガス透過係数が15×10−10
(STP)cm/(cm・S・cmHg)以上
で、透過係数比Pco/Poが3.5以上であり水
蒸気透過係数が80×10−9cm(STP)cm/
(cm・S・cmHg)以下である樹脂フイルムとか
らなる、青果物の生鮮保存容器。
【請求項5】 一定形状を有するトレイと、該トレイを
密封包装するエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィ
ンとの密度0.914g/cm以下の共重合体を含有
し、27℃での炭酸ガス透過係数が15×10−10
(STP)cm/(cm・S・cmHg)以上
で、透過係数比Pco/Poが3.5以上であり水
蒸気透過係数が80×10−9cm(STP)cm/
(cm・S・cmHg)以下である樹脂層を少なくと
も片面に被覆してなる包装用紙とからなる、青果物の生
鮮保存容器。
【請求項6】 一定形状を有するトレイが収納物の少な
くとも一部を受け入れ位置固定する凹凸部を底部に配設
した姿勢維持性トレイである請求項4または5に記載さ
れた、青果物の生鮮保存容器。」に関する。
【0015】次に本発明に使用されるトレイ、包装用樹
脂フイルムおよび包装紙の樹脂層について説明する。本
発明の姿勢維持性トレイとしては、ポリエチレン、ポリ
スチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等の熱可塑性
樹脂あるいはこれらの発泡体シートより真空成形、圧空
成形、型内発泡成形等により作製したもの、また、板紙
より接合したものや成形したものが用いられる。青果物
の特異形状に合わす点から、パルプモールドや、熱可塑
性樹脂繊維を含有する混抄紙を熱圧成形したものが好適
である。この場合、従来の樹脂のみから成るトレイに比
較して、易焼却性など環境保護の点からも好ましい。ま
た、ここでトレイとしては青果物をフイルムないし樹脂
被覆紙により位置固定必要から、ある程度剛性のあるも
のを用いる必要がある。上述の各種素材の中で、比較的
厚みが薄くとも剛性が容易に得られ、また重量も軽量で
ある点から、紙パルプ素材から成るものが好ましい。ト
レイ形状としては、青果物の形状により従来の舟形ある
いは皿形の形状のものも当然使用でき、青果物の包装し
た姿勢を維持する形状が良い効果を奏する。球状あるい
は異形の青果物の場合には位置固定状態を良くするため
に、それらに青果物の少なくとも一部を受け入れ位置固
定する凸所、凹所を形成すると更に効果的である、複数
個の青果物を収納する場合には、個々の青果物を区画し
て収納し、青果物同志が接触し、こすれたりしないよう
にすることも効果的である。更に、これらのトレイに対
して発泡体、エアーキャップ等の緩衝性の素材の併用す
ることも効果の更なる向上に寄与する。
【0016】本発明のガス透過特性の要件を満足する樹
脂フイルムおよび樹脂層は単独の合成樹脂で形成するこ
ともできるが、上記の性格を異にする要件をそれぞれ独
立に満足する必要から複数の合成樹脂で構成するのが望
ましい。その様な合成樹脂の代表例としてはエチレンと
炭素数3ないし12のα−オレフィン共重合体、例えば
エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−
1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合
体及びエチレン−オクテン−1共重合体等をあげること
ができ、これらの樹脂から選ばれた少なくとも2種以上
のブレンドとして用いるのが好ましい。またこれらのエ
チレンと炭素数3ないし12のα−オレフィン共重合体
と低密度ポリエチレンのブレンド物も使用することがで
きる。特に高い炭酸ガス透過係数を得るには、α−オレ
フィンの共重合比が比較的高い低密度エチレン−α−オ
レフィン共重合体あるいは、α−オレフィンの共重合比
が高いいわゆる超低密度(LLDPE)エチレン−α−
オレフィン共重合体を主成分として用いるのが好まし
く、また、高い選択透過比を得るには、上記の樹脂群の
うち異なるモノマーより構成される少なくとも2種類以
上の樹脂、例えば低密度ポリエチレンとエチレン−ヘキ
セン−1共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体とエ
チレン−ヘキセン−1共重合体等の組み合わせを選択し
て用いるのが好ましい。
【0017】また、本発明の透過特性の要件を満足する
樹脂フイルムおよび樹脂層を得るための別の方法とし
て、上記樹脂単独あるいは複数の樹脂のブレンドをべー
スポリマーとしてこれに対して、エチレン−酢酸ビニル
共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体、
エチレン−メチルメタアクリレート共重合体等のエチレ
ン共重合体、エチレン又はα−オレフィン−プロピレン
−非共役ジエンターポリマー、あるいはスチレン/ブタ
ジエン ブロック共重合体、スチレン/イソプレン ブ
ロック共重合体の水素添加物等の樹脂をブレンドして用
いることもできる。
【0018】後の実施例に示すようにこれらの樹脂を単
独樹脂として用いると、本発明の透過性の要件の全てを
満たすのが困難であるため、上記のべースポリマーに対
して90:10ないし50:50のブレンド比にして用
いる必要がある。このように繰返単位の異なる樹脂をブ
レンドすることで炭酸ガスと酸素の選択透過比が大きく
なるという詳細な理由は不明であるが、本発明者は分子
運動性の異なる分子鎖が異なつた濃度で存在する領域が
あり、その領域での両者のガスの透過性が分子鎖濃度に
依存して変化するためであると考えている。
【0019】これらの樹脂フイルムおよび樹脂層には、
それ自体公知の処方に従ってフェノール系、有機硫黄
系、有機窒素系、有機リン系等の酸化防止剤乃至は熱安
定性剤や、金属石ケンや他の脂肪酸エステルなど脂肪酸
誘導体等の滑剤、防曇剤や、帯電防止剤、炭酸カルシウ
ム、ホワイトカーボン、チタンホワイト、炭酸マグネシ
ウム、ケイ酸マグネシウム、カーボンブラック、各種ク
レイ、天然乃至合成ゼオライト等の無機物系充填剤或い
は他の着色料等の配合剤をそれ自体公知の配合比で配合
することができる。
【0020】樹脂フイルムおよび樹脂層の厚みは、使用
する樹脂の種類やその物理的強度により、また用いる紙
の性質の関係、場合により、包装対象となる青果物の種
類、保存温度等を考慮して適切に設定する必要がある
が、一般的には5〜100μm程度好ましくは30〜8
0μmが適当である。本発明において使用する樹脂のメ
ルトインデックス(MI)には、特に制限はないが、例
えばMI値が0.1〜10g/10分(JISK676
0に準拠)程度のものを使用するのが好ましい。
【0021】本発明のトレイ包装容器に用いる包装紙の
樹脂層は、押出しあるいは樹脂フイルム、シート等のラ
ミネートにより形成することが出来る。本発明に用いる
包装紙はセルローズパルプで抄造した紙の他、ポリエチ
レン等の合成樹脂繊維を混抄した紙も使用出来、これ等
の紙は通常大きいガス透過性を有している。本発明の包
装材は、通常の包装紙や包装フイルムのように青果物を
載せたトレイを包装材の合せ部をシールして密封するこ
とにより包装してもよく、袋またはチユーブ状の容器と
して青果物を載置したトレイを収納して開口部をシール
して密封してもよい。このようにして密封すると内部の
雰囲気は青果物の生理作用により適正な雰囲気となり青
果物の鮮度は維持される。
【0022】本発明のトレイ包装容器にはそれ自体公知
の青果物の鮮度保存に有効な手段を併用することができ
る。例えば、青果物のエチレン、アルデヒド等の発生ガ
スに対してはガス吸着剤、袋の水分制御に保湿剤や吸湿
剤、あるいは脱酸素剤、炭酸ガス除去剤なども鮮度保持
により一層の効果を示す場合がある。これらの補助剤
は、通常は本発明のトレイ包装体の内部に別の袋物の形
態で使用するが、場合により、本発明の包装材にコート
含浸あるいは樹脂層中にブレンド、紙として混抄するな
どの方法でも有効である。
【0023】
【作用】密封包装に際しては、それ自体公知の包装方法
を用いることができる。例えば、あらかじめ広巾にて製
膜したフイルムを所定の寸法に裁断した後、横ピローあ
るいは縦ピロー包装機により内容品を充填しつつ三方シ
ールすることができる。トレーを用いているため、たと
え球状の座りの悪い青果物であっても高速で充填シール
を行なうことができる。また、予めトレイの寸法に合わ
せた狭巾のチユーブ状フイルムを作成しそれにトレイご
と充填することもできる。更に正方形ないし長方形に裁
断したフイルムを、ハンカチ状に用いトレイを包み込む
ように包装し端部をテープ、ゴムバンド、ヒートシール
にて密封することもできる。シールには,熱板シール、
インパルスシール、高周波シール等公知の手段を用いる
ことができ、テープ、ゴムバンド、ヒモ等の手段も補助
的に用いることができる。包装に際して、包装内の残存
空気を脱気にて除去する以外に適性組成のガスにて置換
する方法も青果物の鮮度保持期間を延長するのに効果が
ある。
【0024】青果物の保存中にトレイ包装体中の雰囲気
と外気の間に発生するガスの移動について簡単に説明す
る。青果物の呼吸により発生する炭酸ガスCOは包装
フイルムまたは樹脂被覆紙を透過して外気に放散する。
一方青果物の呼吸により消費された酸素Oは外気より
包装フイルムまたは樹脂被覆紙を透過して包装体中に侵
入する。ここで、青果物を休眠状態に保つ雰囲気を形成
するためには、包装体中の炭酸ガスをできるだけ多く外
気に放散して存在量を可能なかぎり少なくし、侵入する
酸素を制御して存在量を必要最少限の呼吸を行うだけの
量に制御する事が重要である。
【0025】また、本発明の包装材を用いる更に別の効
果として、本発明の包装材が高いガス透過性を有し青果
物が発生するエチレンガスも非常に効率よく外部ヘ放出
するため、ガス透過性のないトレイを使用しても包装体
内部のエチレンガス濃度の上昇が抑えられ青果物の老化
を防止する効果があることである。
【0026】詳細な作用効果は実施例の項で比較試験と
共に示すが、本発明の雰囲気の調整により従来の包装体
に比較して150%以上の生鮮保存日数の延長が認めら
れた。本発明の包装容器は、炭酸ガス透過係数Pco
と、炭酸ガス透過係数Pcoと酸素透過係数Po
比と、水蒸気透過係数PHOの全てが特定の範囲の数
値に無くてはならない。このことは次の実施例の項で詳
細に説明する。
【0027】また本発明の包装材は0.914g/cm
以下と比較的に低い密度のエチレンとα−オレフィン
の共重合体を含有するため折り曲げ加工性に優れてお
り、トレイの包装時に折り曲げ加工を行なってもガス透
過性や水蒸気透過性に悪影響が発生しない。また耐ピン
ホール性、耐ストレスクラッキング性に優れ、青果物あ
るいはトレイに密着して包装を行なっても、青果物のヘ
タやその切り口、がくあるいは花軸、またトレイのコー
ナー部やフランジ端部などでのピンホール、亀裂の発生
が防止できる。更に、後述するように、包装体内が減圧
となる場合には、包装体にしわが発生するが、その部分
でのピンホール、亀裂の発生が防止できる。本発明の優
れた作用は姿勢維持性のトレイと、前記の特性の包装材
によって相乗的に奏される。
【0028】特に包装材としてフイルムを使用すると可
撓性と柔軟性があるため、トレイに青果物を載置して密
封包装すると包装体中の青果物の生活活動により雰囲気
中の炭酸ガスは外部に排出され、制御された量の酸素が
内部に供給され、包装体内は減圧となり、フイルムはト
レイに密着し、青果物を固定する自己固定効果が奏され
る。減圧になる詳細な機構は不明であるが、炭酸ガス、
酸素あるいは窒素の透過量が異なること、特に本包装材
が大きな透過係数比を有しているため、より顕著にその
効果が現出するものと考える。樹脂被覆紙も柔軟な紙で
あれば同様の効果を奏する。こうして、青果物は自己固
定を行ない輸送等の取扱中に包装体中でずれて損傷を受
けることやトレイの一方に偏って包装外観を損ずること
がない。通常に包装を行なう場合、減圧、固定状態が生
ずるのに時間を必要とし、また、内容品の種類や量ある
いは、包装体の容量などに依存してその時間もまちまち
である。そこでより積極的に所定の固定状態を得るため
に、勿論脱気包装してもよい。ここで使用する包装材
は、高い炭酸ガス透過係数と適度な酸素透過に必要な比
較的高い透過係数比を有するため、脱気包装した場合も
青果物の生活活動によるガスの排出減圧は行われ、自己
固定は進行する。脱気により包装内の余分な酸素やエチ
レンなどが除去できるため、包装直後より良好な保存環
境が達成され、より保存期間の延長が可能となる。ま
た、詳細な生理特性は不明であるが、急激な酸素分圧の
低下、炭酸ガス分圧の上昇が、青果物の休眠をより一層
促進する効果もある。さらに、トレイの姿勢維持性によ
り包装体が変形し、青果物が変形することも防止され
る。
【0029】〔実施例1〕初めに以下の実施例に使用す
る樹脂被覆紙の27℃における、ガス、水蒸気の透過特
性についての評価を説明する。 (1) ガス透過性 測定には、市販のガスクロマトグラフィーを検出器とす
る混合ガス透過度測定装置(LYSSY GPM−20
0)を用いた。フイルムの流入側へは炭酸ガスと空気を
体積比1:4の混合比で常圧にて流し、排出側にはヘリ
ウムガスをキャリヤーガスとして用い、排出側のガス組
成を時々刻々測定し、各々のガスのカウント数をあらか
じめ作成した検量線で補正し、各時刻における透過量を
求め、それらの点より最小自乗法により勾配を求め、使
用したフイルムの厚み及び透過セルの有効面積を考慮し
て透過係数Pco、Po(cm(STP)cm
−2cm−1−1cmHg−1)を算出した。また、
この両者の値より透過係数比Pco/Poを求め
た。測定は、いずれも透過セル及びチャンバーを27℃
に一定に保ち行なった。 (2) 水蒸気透過性 測定には市販の水蒸気透過度テスター(LYSSY L
80−4000型)を使用し、標準サンプルとして25
μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルムを
あらかじめカップ法にて透湿度を測定して用いた。この
方法によると水蒸気の透過度としてg/(m・da
y)の単位で求められる。そこで、ここではこの測定値
より、フイルムの厚み及び27℃の水蒸気圧(2.67
cmHg)を用いて、cm(STP)cm/(cm
・S・cmHg)の単位に換算して、フイルムないし被
覆紙の水蒸気透過性の指標とした。例えば、厚さ20μ
mで透過度が50g/(m・day)のフイルムない
し被覆紙の場合、換算すると54×10−9cm(S
TP)cm/(cm・S・cmHg)の透過係数とな
る。巾、長さ、高さの寸法が、それぞれおよそ5cm、
20cm、1.5cmで、3ヶ所の球状青果物の位置固
定に適した球面状くぼみを有するパルプ及びポリエチレ
ン系パルプの混抄紙(坪量450g/mを使用した熱
成形トレイに、収穫直後のカボスを各3ヶ(75〜90
g)整列位置し、次いでエチレンとブテン−1共重合体
から成る超低密度LLDPE(密度0.905g/c
c)とエチレンとヘキセン−1共重合体から成るLLD
PE(同、0.917g/cc)の70:30のブレン
ド物からなる厚み50μmのフイルムを用いて横ピロー
自動包装機を用いて密封包装を行なった。本発明1は包
装に際してトレイへのカボスの位置固定を図るため、セ
ンターシール時にフイルムを張り気味にしたもの(方式
A)、本発明2は方式Aに加え更に若干の脱気を施しフ
イルムを内容品にいくらか密着固定したもの(方式B)
の2種類を作成した。また、比較のために比較例1はト
レイを使用せずに横ピロー包装のみを施したものを作成
した。これらの密封フイルム包装袋の有効表面積は、そ
れぞれのシール位置より概算すると575cm(巾2
3cm×長さ25cm)であった。また、このフイルム
の27℃での炭酸ガス透過係数Pcoは30×10
−10cm(STP)cm/(cm・S・cmH
g)、透過係数比Pco/Poが5.2、水蒸気透
過係数は25×10−9cm(STP)cm/(cm
・S・cmHg)であった。各条件で各々100袋の
包装袋を作成し、各25袋を通常の段ボール箱につめ混
載便にて約1000Kmのトラック輸送を行なった後
に、室温にて1ケ月保管しカボスの品質保持状態を評価
した。カボスの外観特性として各々300ヶでの黄化、
褐変、腐敗の発生数を、また、袋の状態として脱気状態
にあるものの数、脱気状態にないものについては水中減
圧下にて欠陥の検査を行ない、ピンホール等の認められ
た数を表1に示した。
【0030】
【表1】
【0031】ここで使用したフイルムは、比較的高い炭
酸ガス透過度に加えて、透過係数比Pco/Po
大きいため、呼吸作用を営む作物を密封包装した場合に
内部の気体が自然に失われシユリンク状態を呈する特徴
を有している。比較例1のトレイを使用しない場合、脱
気状態を示さない袋が多くみられ、検査の結果、輸送中
に袋内でカボスが動揺したために鋭利なヘたの切り口な
どがフイルムを突き破ったものが大多数であった。この
フイルムの欠陥により袋内のス雰囲気制御が十分に行わ
れず、保存1ヶ月において外皮が黄変するものが多数見
られた。また、輸送中の振動により果皮に傷が発生した
り、打ち身を生じたため果皮の褐変が生じ、更に腐敗に
至るものが多く認められた。これに対し、トレイを用い
ることで(本発明1、2)輸送中の内容品の自己固定が
十分行われるため、袋の欠陥の発生が低く抑えられ、な
おかつ作物の損傷が防止でき、このフイルム本来の包装
機能を十二分に発揮することができた。袋内の若干の脱
気を行なったB方式が作物の固定が十分に行われるため
か、全般的に良好な保存性を示した。
【0032】〔実施例2〕本発明3.巾、長さ、高さの
寸法が、それぞれ10cm、15cm、2.5cmのポ
リエチレン製トレイに収穫直後の生椎茸を約140g
(7〜8個)傘を上向きに並べ、エチレン、ブテン1共
重合体から成る超低密度LLDPE(密度0.900g
/cc)とエチレン、ヘキセン1共重合体から成る超低
密度LLDPE(密度0.910g/cc)の60:4
0のブレンド物である厚さ30μmのフイルムを用いて
横ピロー包装を行なった。シール部を除いたこの包装体
の表面積は520cmであった。一方、比較のため比
較例2.同じトレイを使用し、厚さ25μmのポリブタ
ジエン系ストレッチフイルムを用いて自動ストレッチフ
イルム包装機により包装し、比較例3.更に厚さ30μ
mのLLDPE系シュリンクフイルム(密度0.932
g/cc)を用いてピロー型のヒートシール、次いでシ
ュリンク包装を行なった。表2には、これ等のフイルム
の27℃での透過特性と試験結果を示した。
【0033】
【表2】
【0034】 * Pco×1010cm(STP)cm/(cm・S・cmHg) ** PHO×10cm(STP)cm/(cm・S・cmHg) 各々90ヶの包装体を作成し、30ヶづつを段ボールに
詰め、混載便にて約1000Kmのトラック輸送を行な
った、輸送には約2日要したが、この時点では上記いず
れの包装形態においても特に問題はなく、内容品の状態
にもさして変化認められなかった。次いでこれらの包装
を常温(18〜25℃、60〜80%RH)に保管し収
穫後6日の保存状態として傘の黒変、軟化腐敗、重量減
少率(平均)を評価した。比較例2は、フイルムがガス
透過性や水蒸気透過性が高い上に密封が不完全なため
に、無包装に近い呼吸が行われ、傘の黒変が進む一方カ
ビの発生が多数認められ、水分の著しい蒸散により茎の
乾燥、硬化が目立ち、重量減少も大きく、品質の保持が
困難であった。また比較例3は、フイルムが酸素透過性
が小さな上に炭酸ガスの透過も不十分なため、袋内が酸
欠状態となり無気呼吸に伴って果肉の軟化、更には腐敗
が多数発生し、分解成分による異臭の発生が顕著で、品
質の低下が目立った。一方、本発明3は、作物の呼吸を
ある程度抑制し得るガス透過性が確保されるため、一部
作物本来のばらつきに由来する軽度の不良が発生したも
のの、商品性を損なうほどの黒変や軟化、腐敗がなく、
重量減少も低水準に抑制され茎の硬化もなく張りのある
状態を十分に維持することができた。
【0035】〔実施例3〕巾、長さ、高さの寸法が、そ
れぞれ11cm、22cm、3.5cmで碁盤目状に3
×6=18ヶに区画された仕切りを有するポリエチレン
製真空成形トレイに、収穫後10℃の予冷庫で8時間予
冷した青梅(品種:南高梅)を18ヶ配置した上で、こ
のトレイを2つ重ねにして、各種透過性の異る厚さ35
μmのフイルムを使用して横ピロー包装を行なつた。
包装に用いたフイルムの種類とガスの透過特性を示す。
本発明4はフイルムとしてエチレン・ブテン−1共重合
体(ρ=0.905)とエチレン・酢酸ビニル共重合体
(VA 15%)の70:30のブレンド物フイルムを
使用し、Pco=56×10−10cm(STP)
cm/(cm・S・cmHg)(以下PCoはこの
単位で表わす)、Pco/Po=5.1、PH
=54×10−9cm(STP)cm/(cm・S
・cmHg)(以下PHOはこの単位で表わす)、で
ある。比較例4は本発明4と同一のフイルムを使用した
がトレイを使用しなかった。本発明5はフイルムとして
エチレン・ヘキセン−1共重合体(ρ=0.912)と
エチレン・4−メチルペンテン−1共重合体(ρ=0.
908)の60:40のブレンド物フイルムを使用し、
Pco=25、Pc1/Po=4.6、PH
=23.0、である。本発明6はフイルムとしてエチレ
ン・オクテン−1共重合体(ρ=0.914)と水素添
加スチレン・ブタジエンブロック共重合体(スチレン含
有量60%)の60:40のブレンド物フイルムを使用
し、Pco=18、Pco/Po=4.3、PH
O=32、である。比較例5は二軸延伸ポリプロピレ
ンフイルムを使用し、Pco=8.5、Pco/P
=4.0、PHO=15.0、である。比較例6
はフイルムとしてエチレン・ブテン−1共重合体(ρ=
0.918)を使用し、Pco=14、Pco/P
=3.8、PHO=13、である。比較例7はポ
リ4−メチルペンテン−1重合体フイルムを使用し、P
co=85、Pco/Po=3.3、PHO=
31、である。比較例8は平均粒径5μmのアルミノシ
リケート50PHR含有のエチレン・ブテン−1共重合
体(ρ=0.920)を使用し、Pco=148、P
co/Po=0.9、PHO=68、である。比
較例9はエチレン・酢酸ビニル共重合体(VA15%)
フイルムを使用し、Pco=42、Pco/Po
=4.7、PHO=90、である。表3に試験結果を
示す。
【0036】
【表3】
【0037】これらの密封フイルム包装袋の有効表面積
は、シール位置より概算すると1221/cm(巾3
7cm×長さ33cm)、青梅の内容量は約1Kgであ
った、これらの包装を2列×3列×2段の計12パック
を段ボールに納め混載便にて所要日数2日でトラック輸
送を行なった。また、この輸送の影響を見るため、有効
表面積が同じ平袋に36ヶの青梅を密封包装したものを
段ボールに納め同様の輸送を行なった。各条件48パッ
クずつ試験に供し、うち半数の24パック(総数864
個)については、輸送終了時に開封し室温65%RH雰
囲気中に3日放置後外観検査を行なった。また残りの2
4パック(総数864個)については室温に4日放置し
た後(収穫後6日)開封しこの時点での品質評価を行な
い、次いで更に室温65%RH雰囲気中に3日放置後再
び外観検査を行なった。評価結果は、主に輸送時の損傷
の評価として打ち身、傷付、保存性の評価として黄
化、褐変、ピッテイング重量減少率(開封時のみ)
を行ない、〜ついては青梅の試験総数に対する不良
発生率(%)をもって表わした。比較例4のトレイを使
用しない場合、箱詰め作業や輸送により打ち身、傷の発
生が多く認められた、輸送直後ではその欠陥は余り明瞭
ではないが、開封し室温に3日放置すると果皮の打ち
身、傷が目立ってくる。また、打ち身が軟化し褐変する
ものもあった。輸送後更に4日間室温に保存すると、更
にこの欠陥が顕著になる傾向にあった。一方、トレイを
用いた本発明4は、輸送等による欠陥の発生は殆ど見ら
れず、収穫後6日経過後も良好であり、それ等を開封後
3日間室温に放置した場合黄化が進行するが、果皮の
傷、打ち身が少なかったため、果皮全体が均一に黄化し
良好な外観が保たれていた。包装に使用するフイルムの
透過特性は、青梅の黄化や褐変、ピッティングなどの保
存性に顕著な影響を及ぼした。炭酸ガス透過係数が本願
発明請求範囲より小さい比較例5、6は褐変やピッテイ
ングが多く発生する。褐変やピッティングは、開封直後
よりも開封後室温に放置するとより一層顕在化する傾向
にあり、炭酸ガス透過係数の小さい程、炭酸ガス障害の
影響が大きく、褐変やピッティングが多く発生した。一
方、炭酸ガス透過係数が大きくても、透過係数比が小さ
な比較例7、8は、酸素の供給が過多になり包装による
呼吸の抑制が不十分となるため、収穫後6日で果肉の黄
化が多数発生した。この傾向は、比較例8の多孔質フイ
ルムの場合ほど顕著であった。また、青梅の場合、比較
的短期間の保存では水分の蒸散による重量減少はそれ程
顕著ではないが、比較例9に示すように開封段階での重
量減少が一定水準を越えた場合には、開封後の室温放置
により急激に呼吸の回復が行われるためしおれが多数発
生する傾向にあった。したがって、青梅の場合、炭酸ガ
ス障害を防止する点から炭酸ガス透過係数が一定以上で
ある必要があり、また、黄化を防止する点から酸素の供
給を必要最少限に抑えるため透過係数比がある程度以上
大きな値である必要があり、更に水分蒸散を抑えしおれ
を防く点から水蒸気透過係数が一定以下である必要があ
り、これらの特性を全て満たして初めて本発明4〜6の
ように、良好な保存が可能となった。
【0038】〔実施例4〕実施例1における、方式Bの
包装形態について、収穫後のカボスの長期保存を鮮度保
存性改良剤として、ヒノキチオール、臭素付加活性
炭を用いて行なった。では成形後混抄紙トレイに対し
て5mg/枚となるように薬剤溶液を塗布含浸させた。
では不織布の小袋に3g/袋充填し、それをトレイの
裏面に貼付した。各包装形態について100袋ずつ室温
1.5ヶ月及び2ヶ月後の保存状態を実施例1に準じて
評価した。結果を表4に示す。
【0039】
【表4】
【0040】実施例1にも示したように本発明の包装形
態を採用した場合、収穫後常温保存1ヶ月ではカボスの
ほぼ完全な外観の維持が可能であったが、表4に示すよ
うに、更に長期保存する場合、1.5ヶ月区で黄化が発
生が始まり、一部腐敗果も生じ、2ヶ月区ではほぼ半数
が黄化し、腐敗果が増加した。これに対して、ヒノキチ
オールを使用した場合に黄化の防止には目立った効果を
示さなかつたが、腐敗果の発生抑制に効果を示し、一
方、臭素付加活性炭は逆に黄化の抑制に効果を示した。
本発明の包装形態を採用することで流通時点での欠陥の
発生を最小限にし、また青果物の呼吸に応じたガス雰囲
気抑制をすることで長期の保存性を高めることができ、
更にこの例に示されるような薬剤を併用することによ
り、生物個有の個体間のばらつきの影響をより少なく抑
えることが可能となる。
【0041】〔実施例5〕包装材として、坪量50g/
の薄口模造紙に、LDPE(ρ=0.919)と超
低密度LLDPE(C4,ρ=0.905)の50:5
0のブレンドものを被覆膜厚15μmとなるように押出
しラミネーションを行なった。この被覆紙の透過性はP
co:15.6×10−10cm(STP)cm/
(cm・S・cmHg)、Pco/Po:3.
7、PH20:13.2×10−9cm(STP)c
m/(cm・S・cmHg)であった。この被覆紙で
三方を接着して寸法、長さ280mm、巾120mmの
袋を作成し、発泡スチロール製トレイにカボスを載置し
て袋に収納し、脱気後袋の口を接着テープで巻き締めて
シールした。これらの包装体500ヶを5℃に3ケ月貯
蔵したところ、一部収穫時の果皮の傷による不良品があ
ったものの良品率は98.6%と極めて良好であった。
次いでこの包装体を10Kgずつ段ボールに詰め、約1
000kmのトラック混載便にて輸送した後、流通条件
を想定し2週間常温にて保管したところ、包装体のピン
ホール等の欠陥の発生も無く、カボスの緑色が十分維持
でき鮮度保持に非常に効果が認められた。
【0042】
【発明の効果】本発明により、青果物は休眠状態となり
姿勢維持性トレイに自己固定し変形、損傷を受けること
なく、長期間生鮮状態で保存することが出来る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一定形状を有するトレイと、
    (B)該トレイを密封包装する(a)エチレンと炭素数
    3〜12のα−オレフィンとの密度0.914g/cm
    以下の共重合体を含有し、27℃での炭酸ガス透過係
    数が15×10−10cm(STP)cm/(cm
    ・S・cmHg)以上で、透過係数比Pco/Po
    が3.5以上であり水蒸気透過係数が80×10−9
    (STP)cm/(cm・S・cmHg)以下で
    ある樹脂フイルムと、(b)エチレンと炭素数3〜12
    のα−オレフィンとの密度0.914g/cm以下の
    共重合体を含有し、27℃での炭酸ガス透過係数が15
    ×10−10cm(STP)cm/(cm・S・c
    mHg)以上で、透過係数比Pco/Poが3.5
    以上であり水蒸気透過係数が80×10−9cm(S
    TP)cm/(cm・S・cmHg)以下である樹脂
    層を少なくとも片面に被覆してなる包装用紙から選んだ
    包装材とからなる青果物生鮮保存容器に、青果物を収納
    して密封し青果物の呼吸により雰囲気のガスを調整して
    容器内を減圧し、包装材を青果物とトレイに密着させて
    青果物をトレイに固定して包装することを特徴とする青
    果物の生鮮保存方法。
  2. 【請求項2】 容器中のガスを脱気してから密封し、つ
    いで青果物の呼吸により残存ガスを調整することを特徴
    とする、請求項1に記載した青果物保存方法。
  3. 【請求項3】 収納物の少なくとも一部を受け入れ位置
    固定する凹凸部を底部に配設した姿勢維持性トレイを使
    用することを特徴とする、請求項1または2のいずれか
    1項に記載された青果物保存方法。
  4. 【請求項4】 一定形状を有するトレイと、該トレイを
    密封包装するエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィ
    ンとの密度0.914g/cm以下の共重合体を含有
    し、27℃での炭酸ガス透過係数が15×10−10
    (STP)cm/(cm・S・cmHg)以上
    で、透過係数比Pco/Poが3・5以上であり水
    蒸気透過係数が80×10−9cm(STP)cm/
    (cm・S・cmHg)以下である樹脂フイルムとか
    らなる、青果物の生鮮保存容器。
  5. 【請求項5】 一定形状を有するトレイと、該トレイを
    密封包装するエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィ
    ンとの密度0.914g/cm以下の共重合体を含有
    し、27℃での炭酸ガス透過係数が15×10−10
    (STP)cm/(cm・S・cmHg)以上
    で、透過係数比Pco/Poが3.5以上であり水
    蒸気透過係数が80×10−9cm(STP)cm/
    (cm・S・cmHg)以下である樹脂層を少なくと
    も片面に被覆してなる包装用紙とからなる、青果物の生
    鮮保存容器。
  6. 【請求項6】 一定形状を有するトレイが収納物の少な
    くとも一部を受け入れ位置固定する凹凸部を底部に配設
    した姿勢維持性トレイである請求項4または5に記載さ
    れた、青果物の生鮮保存容器。
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