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JPH0815428B2 - ナス科植物の土壌病害防除方法 - Google Patents
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JPH0815428B2 - ナス科植物の土壌病害防除方法 - Google Patents

ナス科植物の土壌病害防除方法

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JPH0815428B2
JPH0815428B2 JP62171055A JP17105587A JPH0815428B2 JP H0815428 B2 JPH0815428 B2 JP H0815428B2 JP 62171055 A JP62171055 A JP 62171055A JP 17105587 A JP17105587 A JP 17105587A JP H0815428 B2 JPH0815428 B2 JP H0815428B2
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秀紀 原
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、植物病原細菌の一種であるシュードモナ
ス・ソラナセアラム(Pseudomonas solanacearum)
(以下、本細菌という)の寄生によって発生するナス科
植物の土壌病害の防除方法に関する。
[従来の技術] タバコやそれ以外のナス科植物、例えばナス、トマ
ト、ピーマン、ジャガイモ等では、土壌中に生存する本
細菌に感染して植物対が萎凋・枯死し、著しい被害を被
ることが多い。本細菌による病害、すなわちタバコ立枯
病またはナス科植物青枯病(以下、「本病」という)で
は、病原細菌が土壌中で長期間生存しやすいので、防除
がきわめて難しい。
現在とられている本病の防除対策は、薬剤を利用する
方法のほか、抵抗性品種、有機物の施用、土壌の耕うん
等の耕種的方法が多い。しかし、薬剤を用いた防除は刺
激臭による公害や人畜毒性の問題および土壌中の有用な
微生物も殺してしまうという欠点があり、他の耕種的方
法については、安定した効果を示さないことが多い。し
たがって、安全で効果のより高い防除方法の開発が強く
望まれているところである。
一方、一般的に自然の土壌中では病原菌とともにそれ
に対して拮抗性を有する種々の微生物が存在し、お互い
に影響をおよぼし合いながら生態系を形成していること
が知られている。今日では、自然に生息する微生物のな
かで病原菌の活動を抑制する拮抗微生物を用いて病害の
発生を抑えようとする研究や非病原性あるいは弱病原性
の微生物を植物体に感染させてその後の病原菌の感染や
発病を抑制する研究が盛んになっている。
上記の研究で本病防除に現在のところ最も有効なもの
としては、本細菌M4S菌株(以下、「M4S」という)が開
示(特開昭60−186230号)されている。
[発明が解決しようとする問題点] 前記M4Sの本病のほ場における防除効果やその安定性
は充分なものではなく、実用的な防除剤として利用する
ために本細菌を溶菌するバクテリオファージとM4Sとの
併用による本病防除方法(特願昭60−261354号)あるい
はM4Sを高分子物質を用いて固定化し、該固定化物を土
壌中に施用する本病防除方法(特願昭60−288013号)が
開示されているに至っている。
本発明者らは、さらにこの分野の研究を進め、M4Sと
は異なる機作により本細菌に対して拮抗性を示す新たな
本細菌の菌株を突然変異により作出し、本発明を完成し
た。
[問題点を解決するための手段] 本発明では、従来のM4Sと異なる機作による本細菌に
対する拮抗性の高い菌株を選抜した。すなわち、本細菌
に対して「バクテリオシン」と称される抗菌物質を産生
する新規のシュードモナス・ソラナシアラムOM2菌株
(以下、「OM2」という)を以下に述べる方法により作
出したのである。ここでいう「バクテリオシン」とは、
ある種の微生物がそれと同種あるいは近縁の種の微生物
に対して産生する抗菌性物質である。
本発明者らは、タバコ立枯病が発生した全国各地のタ
バコ畑から病原性の本細菌70菌株を分離した。そしてこ
の70菌株のうち自菌株以外の本細菌に対してバクテリオ
シンを産生する数菌株を選抜した。そのなかでもPs48菌
株は、抗菌範囲が著しく広くPs48金株以外の69菌株に対
してバクテリオシン活性を示した。このPs48菌株をもと
にしてOM2を作出した。すなわちPs48菌株を試験管内でT
YG培地(トリプトン10g、酵母エキス1g、ブドウ糖10g、
水1リットル:Journal of General Microbiology vol 7
6 pp.177−188(1973))を用いて暗黒下に35℃で7日
間静置培養した。これをTZC平板培地(カザミノ酸1g、
ブドウ糖5g、ペプトン10g、寒天18g、水1リットルに0.
005%の2,3,5−トリフェニル塩化テトラゾリウムを添
加:Phytopathology vol 44 PP.693−695(1954))上
に滅菌した白金耳を用いて画線培養した。培地上に形成
された個々の集落より10個の独立した集落が得られた。
上記の10株の取得株についてその滅菌水懸濁液(濃
度:109個/ml)をタバコ(本葉12枚苗)の茎基部に針接
種した。その結果、病原性の本細菌とは異なり、いずれ
の菌株もタバコ株全葉の萎凋症状を起こさなかったが、
下位葉の2〜3枚に萎凋、黄化症状を示すものが多かっ
た。これら10菌株のうち1菌株のみが最下位葉以外に症
状を示さなかった。この最も病原性の低い菌株が本発明
に用いられるOM2である。またPs48株とOM2を用いて重層
培養法により、前記の本細菌69菌株に対するバクテリオ
シンの産生能を検討した結果、OM2はいずれの菌株に対
してもPs48株と同様に明瞭な阻止円を形成した。
すなわちOM2は、上記のごとく病原性の本細菌に対
し、バクテリオシンを産生する能力を持ち、かつ病原性
が極めて弱いことから使用する場合の理想的な菌株であ
ることがわかる。また、他の特徴として、OM2は、親株
のPs48菌株と比べてTZC培地上での集落型が、明確に異
なり、親株では、不整円形、白〜淡紅色の流動性の集落
を示すのに対して、OM2は、円形、中高、バター状の流
動性のない集落である。
OM2の細菌学的性質をさらに詳細に説明すれば、以下
の通りである。
a)形態学的性質 グラム陰性稈菌 約0.5〜0.7μm×0.9〜1.8μm 単極毛を有する 胞子:形成しない 運動性:有り b)生育状態 CPG培地 2日後に円形、平滑、バター状の小コロニー PSA培地 上記と同様 c)生理学的性質 バクテリオシンの産生 有り 酸素に対する態度 好気性 生育温度 15℃〜38℃ 生育好適温度 26℃〜35℃ 生育pH 4.5 〜8.5 OFテスト 0 硝酸塩の還元 + デンプンの分解 − ゼラチンの分解 − 炭素源 利用する:グルコース、シュークロース、ラクトース、
ガワクトース、グリセロール、イノシトール、マルトー
ス、フルクトース、セロビオース、マンニトール、ソル
ビトール、ズルシトール 利用しない:アラビノース、マロン酸塩 以上の性質は、Buchanan,R,E & Gibbons,N,E,編 Be
rgey′s Manual of Determinative Bacteriology 8th e
d pp.231−233に掲載されている本細菌の性質と同一で
あり、同種細菌であることが確認される。またOM2は、M
4Sとはバクテリオシンを産生すること、イノシトールを
分解することから容易に区別される。
なお、この発明に使用されるOM2は、1987年6月5日
に工業技術院微生物工業研究所に寄託番号 微工研菌寄
第9399号(FERM P−9399)として寄託されている。
本発明のOM2の培養には、特別な条件はなく、炭素
源、窒素源、無機塩類を含む合成培地で好気的に培養さ
れる。培養は、振とう培養、通気かくはん培養等の好気
的条件下で行うが、25〜35℃好ましくは28〜32℃、pH5
〜8、好ましくは6〜7が適当である。
この発明におけるOM2の培養物とは、OM2の培養懸濁
液、生菌、培養ろ液もしくはその抽出物をいう。この発
明の本病防除方法は、保護すべきナス科植物の根部にOM
2の培養物を導入することから成る。
なお、この明細書において「根部」とは植物を栽培し
た場合に土壌中あるいは水耕液中にあって水分や栄養分
の吸収を行う部分である。また、根部への導入は、培養
物を散布あるいは潅注したり、培養物中に根部を浸漬す
ることによって容易に行うことができる。
この発明によってナス科植物の防除剤として使用する
場合に、OM2生菌あるいは培養懸濁液を用いる場合は好
ましくはOM2が108〜109/mlの濃度で本畑移植時を含め移
植の5日前の間にこれらを根部に導入する。導入の一方
法として浸漬処理する場合に、その浸漬時間は30分ない
し3時間好ましくは1時間前後である。また、潅注、潅
水処理の場合は苗1株当たり20〜40mlが適当である。
なおさらに高い効果を得るためには、本畑に移植の15
〜30日後、好ましくは、20〜25日後に上記懸濁液を株当
たり200mlずつの割合で株元に潅注することが望まし
い。
また培養ろ液あるいはその抽出物を用いる場合は、そ
のままあるいは農薬製剤上慣用の方法に従って各種の担
体、希釈剤、展着剤等と共に根部に導入する。
[発明の作用、効果] この方法によってナス科植物の本病が防除される機構
は、以下のように説明される。
根部に導入されたOM2は、根の表面で高濃度で生存す
るとともに根から侵入し、植物体内で増殖して本細菌に
対して抗菌作用のあるバクテリオシンを産生する。した
がって、土壌注の本細菌は根部から侵入する時に物理的
あるいは抗菌物質による抑制作用を受けると同時に、植
物体に侵入後も同様な抑制作用を受ける。そのために、
OM2の防除効果は高い。
また、OM2を導入して所定の期間が経過した後にOM2を
さらに株元に潅注することによって導入すると、作物の
根を病原菌の新たな感染から保護することになり、本細
菌がさらに侵入しにくくなる。
さらにOM2によって産生されたバクテリオシンを含む
培養物を導入した場合には、その直接的な抗菌作用によ
り本細菌が死滅する。
こうして本発明により、ナス科植物の本病による病害
が効果的に防除される。
[実施例] 実施例1 病原性のあるタバコ立枯病菌の蒸留水懸濁液を混合し
たCPG寒天培地(カザミノ酸1g、ブドウ糖5g、ペプトン1
0g、寒天18g、水1リットル)を直径9cmのシャーレに20
ml流し込んで平板培地とし、別にCPG液体培地で30℃48
時間振とう培養したOM2(本発明)およびM4Sの培養ろ液
をペーパーフィルターに含浸したのち、それぞれシャー
レの中央部において30℃で24時間後に形成される阻止円
を調べた。なお対照として、CPG液体培地のみの区を設
けそれぞれの区ごとに5枚のシャーレを用いた。結果を
第1表に示した。
第1表の結果より対照区およびM4S区では阻止円の形
成が認められなかったが、OM2区ではいずれも明確な阻
止円が形成された。すなわちOM2はバクテリオシンを産
生する能力を持ち、その培養物にはバクテリオシン活性
があることが確認される。
実施例2 一辺が5cm角の塩化ビニール製ポット(25本植)で栽
培し、本畑に移植する大きさの苗(本葉9枚)のタバコ
苗(品種:ブライトイエロー4号)を各区とも15本ずつ
供試した。CPG培地でOM2を30℃40時間培養し、以下の区
別で培養物あるいは対照とした蒸留水の苗の根部を1時
間浸漬した。浸漬は、処理槽に各液を深さ3cmに入れ、
これに苗の根部を浸漬することによって行った。
(1)OM2培養ろ液区:培養懸濁液中のOM2をろ過したの
ちのろ液 (2)OM2生菌懸濁液区:培養懸濁液中のOM2を遠心集菌
したのち蒸留水中に再懸濁したもの(OM2濃度:109個/m
l) (3)OM2培養懸濁液区:(OM2濃度109個/ml) (4)対照区:蒸留水 処理したタバコ苗は病原性のあるタバコ立枯病菌の人
工汚染土壌(立枯病菌数1.5×106個/g乾土)を詰めた直
径12cmの素焼鉢に移植した。20日後に発病状況を観察し
た。発病程度は、第2表に示すように0から5までの6
段階とし、以下の式により平均罹病指数を求め、防除率
を算出した。結果を第3表に示した。
第3表の結果から明らかなように対照区よりもOM2の
培養物の処理区の方が発病率が低く、平均罹病指数も処
理区の方が有意(危険率1%)に低かった。また処理区
の中では生菌あるいは培養懸濁液処理の効果が最も高か
った。
実施例3 実施例2と同様の方法で栽培したタバコ苗の20本ずつ
を以下の3種の液に1時間浸漬した。浸漬は、実施例2
と同様な方法で行った。
(1)OM2生菌懸濁液区:蒸留水中にOM2の生菌を109個/
ml含むもの(本発明) (2)M4S生菌懸濁液区:蒸留水中にM4Sの生菌を109個/
ml含むもの(従来発明) (3)対照区:蒸留水 それぞれ処理したタバコ苗を直径12cmの素焼鉢に移植
し、10日後に病原性のあるタバコ立枯病菌の濃度が106
個/mlである蒸留水懸濁液を調整し、上記計60本のタバ
コ苗の根にナイフを差し込んで傷をつけた直後にこの病
原菌懸濁液を10mlずつ潅注した。10日後に実施例2と同
様な方法で発病状態を観察した。結果を第4表に示し
た。
第4表の結果から明らかなようにOM2の処理区が最も
発病抑制効果が高く、M4Sよりもさらに効果が高かっ
た。また、平均罹病指数も同様であり、その差は統計的
に有意(危険率5%)であった。
実施例4 実施例2と同様の方法でタバコを栽培し、同様の区別
で処理を行ったのち、病原性のあるタバコ立枯病菌の人
工汚染土壌(立枯病菌数3.0×106個/g乾土)を詰めた直
径12cmの素焼鉢に移植した。20日後に発病状況を観察
し、実施例2と同様な方法で防除効果を評価した。結果
を第5表に示した。
第5表からわかるように対照区よりも処理区の方が発
病率が低く、平均罹病指数も処理区の方が統計的に有意
(危険率1%)に低かった。また、OM2処理区の方がM4S
処理区よりも発病率が低く、平均罹病指数も統計手に有
意(危険率5%)に低かった。
実施例5 実施例2で用いた塩化ビニール製ポットで播種後30日
を経過したトマト苗(品種:福寿100号)を各区とも20
本ずつ供試し、実施例2と同様の方法でトマト苗を処理
した。処理後は、実施例2と同様に人工汚染土壌(立枯
病菌数2.2×106個/g乾土)に移植し、20日後に発病率、
平均罹病指数および防除率を求めた。結果を第6表に示
した。
いずれの処理区も対照区に比べて発病率、平均罹病指
数ともに低かった。特にOM2処理区は、M4S処理区よりも
発病率が低く、平均罹病指数も統計的に有意(危険率1
%)に低かった。
実施例6 塩化ビニール製のポットに播種後40日経過した本畑移
植期の大きさ(本葉7枚)のナス苗(品種:長岡長茄)
を供試し、実施例2と同様な方法で処理および移植を行
った。30日後に発病状態を観察し、実施例2と同様に防
除効果の評価を行った。その結果を第7表に示した。
対照区よりも処理区の方が発病率が低く、平均罹病指
数も低かった。また、OM2処理区は、M4S処理区に比べ発
病率が著しく低下し、平均罹病指数も統計的に有意(危
険率1%)に低かった。
実施例7 実施例2と同様の方法で栽培したタバコ苗(品種:ブ
ライトエロー4号)を1区につき10本供試し、以下の区
別でOM2の生菌懸濁液(濃度:109個/ml)をタバコ苗の根
部に導入処理した。なお対照区として蒸留水を浸漬処理
する区を設けた。
(1)苗根部浸漬区:OM2の生菌懸濁液を根部に1時間浸
漬処理した(本発明)。
(2)潅水区:同懸濁液をじょうろで潅水した(本発
明)。
(3)潅注区:同懸濁液を株元に潅注した(本発明)。
(4)対照区:蒸留水に1時間浸漬処理した。
処理後の苗は、実施例2と同様に人工汚染土壌(立枯
病菌数2.2×106個/g乾土)に移植し、20日後に発病率、
平均罹病指数および防除率を求めた。結果を第8表に示
した。
第8表からわかるようにいずれの処理区でも立枯病の
発病抑制効果が認められ、処理区と対照区の平均罹病指
数の間には有意(危険率1%)な差が認められた。しか
し、処理区の中ではその効果に大きな差は認められなか
った。
実施例8 実施例1と同様に栽培したタバコ苗(品種:ブライト
エロー4号)を1区につき72本ずつ供試した。実施例1
と同様にOM2の生菌懸濁液(濃度:109個/ml)にタバコ苗
の根部を30分間浸漬した。なお対照区は、何の処理も行
わなかった。浸漬処理後、直ちに立枯病の汚染畑(立枯
病菌数:2.9×103個/g乾土)に移植した。さらに別に移
植の25日後に浸漬処理の場合と同様の濃度のOM2の懸濁
液をタバコ株当たり200mlずつ株元に潅注する区を設け
た。7月7日に発病状態を調査した結果を第10表に示し
た。発病調査は、第9表の基準に基づいて行った。
いずれの処理区も対照区に比べて発病率および平均罹
病指数ともに低下し、防除効果が認められた。また、OM
2の移植時浸漬処理と株元潅注の併用処理区は、浸漬の
みの区よりも効果が高まった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バクテリオシンを産生する能力を持ち、か
    つTZC培地上で円形、中高、バター状の流動性のない集
    落をなすシュードモナス・ソラナシアラム・OM2菌株。
  2. 【請求項2】シュードモナス・ソラナシアラム・OM2菌
    株を有効成分として含有することを特徴とするタバコ立
    枯病及びナス科植物青枯病防除剤。
  3. 【請求項3】シュードモナス・ソラナシアラム・OM2菌
    株をナス科植物の根部に導入することを特徴とするタバ
    コ立枯病及びナス科植物青枯病防除方法。
JP62171055A 1987-07-10 1987-07-10 ナス科植物の土壌病害防除方法 Expired - Lifetime JPH0815428B2 (ja)

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