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JPH08251B2 - 溶接割れを改善した溶接構造用Al合金押出材及びその製造方法 - Google Patents
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JPH08251B2 - 溶接割れを改善した溶接構造用Al合金押出材及びその製造方法 - Google Patents

溶接割れを改善した溶接構造用Al合金押出材及びその製造方法

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JPH08251B2
JPH08251B2 JP17421391A JP17421391A JPH08251B2 JP H08251 B2 JPH08251 B2 JP H08251B2 JP 17421391 A JP17421391 A JP 17421391A JP 17421391 A JP17421391 A JP 17421391A JP H08251 B2 JPH08251 B2 JP H08251B2
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幸裕 宮手
孝一 飯塚
久 前原
正巳 須藤
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昭和アルミニウム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、LNGを始めとする
タンク構造用材や、LNGタンカー、漁船用等の船体構
造材として溶接を施されて使用される溶接構造用Al合
金押出材及びその製造方法に関し、特に溶接割れを改善
した溶接構造用Al合金押出材及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び課題】上記のような用途に用いられる
アルミニウム合金材、特にAl−Mg系合金押出材は、
軽量であるのみならず耐食性、低温での機械的性質にも
優れているのに加え、溶接性にも優れており、一般的に
は特殊な溶接時以外溶接割れは発生しないと認識されて
いる。
【0003】しかるに、かかるAl−Mg系合金押出材
であっても、その製造工程において生じた表面再結晶組
織層の厚さが厚すぎると、一般的な溶接を施した際に殊
に溶接歪みが大きい場合、熱影響部(HAZ部)におい
て微少な割れが発生することが発明者らの研究により判
明した。
【0004】この発明は、かかる事情に鑑みてなされた
ものであって、溶接割れを改善した溶接構造用Al合金
押出材及びその製造方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的において、この
発明の1つは押出材そのものに係るものであり、表面再
結晶組織層の厚さが0.05〜0.15mmに規定され
てなることを特徴とする溶接割れを改善した溶接構造用
Al合金押出材を要旨とする。
【0006】また、他の1つは製造方法に係るものであ
り、図1の符号を参照して示すと、Mg:3.0〜6.
0wt%を含有するAl−Mg系合金ビレットを押出ダイ
スから押出すに際し、ベアリング部(11)に、3mm以
上の長さにわたって押出し出側に向かって成形孔(5)
の高さが連続的に小となるチョーク加工部(12)が設け
られた押出ダイス(1)を用いて押出すことを特徴とす
る溶接割れを改善した溶接構造用Al合金押出材の製造
方法を要旨とする。
【0007】まず、この発明の対象たる溶接構造用Al
合金押出材は、望ましくはMg:3.0〜6.0wt%を
含有するAl−Mg系合金押出材である。ここに、Mg
の含有が3.0〜6.0wt%に規定されるのは、かかる
範囲で含有されることによりAl−Mg系合金が有する
耐食性、低温での機械的性質の良さ、溶接性等の優位性
が十分に発揮されるからであり、Mgが3.0wt%未満
ではそれらの効果に乏しく、逆に6.0wt%を超えると
押出加工性の劣化等を招くからである。
【0008】また、押出材の表面再結晶組織層の厚さが
0.05〜0.15mmに規定されるのは、再結晶組織
層の厚さが0.15mmを越えると、溶接を施した際に
熱影響部に溶接割れを生じる危険が高いからである。一
方、再結晶組織層の厚さが0.05mm未満では、溶接
割れ抑制効果が飽和し、それ以上の再結晶組織層の抑制
処理は意味がないからである。
【0009】次に、製造方法について説明すると、上記
Al−Mg系合金は、これを常法に従いビレットに製作
し、次いで要すれば均質化処理を実施したのち押出ダイ
スにて押出す。
【0010】この発明では、押出ダイスとして図1に示
すように、ベアリング部にチョーク加工部を形成したも
のを用いる。図1において、(1)はダイス、(2)は
コンテナ、(3)はビレット、(4)はバッカーであ
り、前記ダイス(1)のベアリング部(11)には、成形
孔(5)の高さがコンテナ(2)側の端部から押出し出
側に向かって連続的に小となるテーパ加工部即ちチョー
ク加工部(12)が形成されている。このチョーク加工部
(12)は、成形孔(5)から押出されてくる押出材
(A)の表面再結晶を抑制するために設けられたもので
ある。即ち、チョーク加工部(12)を形成することで、
成形孔(5)を通過する押出材料の表面から厚さ方向へ
かけての歪み分布がなだらかになり、局部的な塑性加工
が抑えられるため押出材表面の再結晶が抑制されるもの
である。ここに、上記チョーク加工部(12)は、その長
さ(L)が3mm以上に設定されなければならない。長
さ(L)が3mm未満では、上記の押出材表面の再結晶
抑制効果に乏しく、ひいては溶接時の溶接割れを防止す
ることができない。また、チョーク加工部(12)の開角
度(θ)は、0.5〜10度に設定するのが望ましい。
0.5度未満ではやはり押出材の再結晶抑制効果が少な
くなる恐れがある。一方、10度を超える角度では押出
圧力が上昇し生産性を阻害する恐れがある。最も好まし
くはθを1〜3度に設定するのが良い。なお、ベアリン
グ部(11)の長さが長い場合、ベアリング部の一部にチ
ョーク加工を施しても良く、ベアリング部の全長にわた
ってチョーク加工を施すものとしても良い。なお、図1
において(13)はレリーフ部である。他の押出条件は特
に限定されることはないが、上記の押出に際して、0.
5m/分以下の製品速度で押出したり、あるいは押出に
際してのビレット加熱温度を低く設定する等によって
も、押出材表面の再結晶を抑制することは可能である。
しかし、押出速度を低くする方法では歩留生産性の低下
を招く欠点を派生する。またビレットの加熱温度を低く
する方法ではビレット全長を短くせざるを得ず、同じく
生産効率が良くないという欠点を派生する。これに対
し、本願発明のように、押出ダイスとしてベアリング部
に3mm以上の長さにわたってチョーク加工部を設けた
ものを用いる場合には、押出速度の低下やビレットの短
尺化を要することなく、通常の押出と同様の条件を採択
しつつ、押出材表面の再結晶組織層の厚さを0.05〜
0.15mm程度に抑制したものとなしうる。
【0011】
【作用】表面再結晶組織層の厚さが0.05〜0.15
mmに規定されてなるから、溶接時における熱影響部の
溶接割れが抑制される。
【0012】また、ベアリング部に、3mm以上の長さ
にわたって押出し出側に向かって成形孔の高さが連続的
に小となるチョーク加工部が設けられた押出ダイスを用
いて押出すから、成形間隙を通過する押出材料とベアリ
ング部との間の摩擦力が軽減され、摩擦熱による押出材
表面の温度上昇が抑制されて、押出後の押出材の表面再
結晶が抑制されたものとなる。
【0013】
【実施例】Mg:4.5wt%を含有するA5083合金
を用いて製作した直径202mmの2個のビレットにつ
き、同一条件で均質化処理を実施した。なおビレット長
さは400mmと610mmとした。
【0014】次に、長さ610mmのビレットについて
はビレット加熱温度:480℃、押出製品速度:1.2
m/分の押出条件で幅100mm,厚さ12mmのフラ
ットバーに押出した。押出しは、長さL:5mm、開角
度θ:1度のチョーク加工部を有するダイスを用いて行
った。このときの押出材の温度(プラテン出口の温度)
は470℃であった。この押出材(本発明実施品)の表
面再結晶組織層の厚さを測定したところ0.05〜0.
15mmであった。
【0015】また、長さ400mmのビレットについて
は、ビレット加熱温度:450℃、押出製品速度:1.
0m/分の押出条件で上記と同一形状のフラットバーに
押出した。押出はチョーク加工部が形成されていない以
外は上記と同じダイスを用いて行った。この押出材の温
度は420℃であった。また、この押出材(比較品)の
表面再結晶組織層の厚さを測定したところ0.8〜1.
2mmであった。
【0016】次に、各押出材につき、同一条件でMIG
溶接による衝き合わせ溶接を行ったところ、チョーク加
工部を有するダイスを用いた本発明実施品については、
溶接割れの発生は全く認められなかったのに対し、チョ
ーク加工部のないダイスを用いた比較品については、熱
影響部に微細な割れが発生していた。
【0017】従って、本発明によれば、表面再結晶を抑
制しえて溶接割れを改善しうることを確認しえた。
【0018】
【発明の効果】この発明は、上述の次第で、表面再結晶
組織層の厚さが0.05〜0.15mmに規定されてな
るから、表面再結晶組織層の厚さが厚いために従来生じ
ていた熱影響部における溶接割れをなくすことができ、
Al−Mg系合金等の押出材の有する溶接構造材として
の利点を存分に発揮させることができる。
【0019】また、本発明方法は、Mg:3.0〜6.
0wt%を含有するAl−Mg系合金ビレットを押出ダイ
スから押出すに際し、ベアリング部に、3mm以上の長
さにわたって押出し出側に向かって成形間隙の高さが連
続的に小となるチョーク加工部が設けられた押出ダイス
を用いて押出すことを特徴とするものであるから、成形
孔を通過する押出材料とベアリング部との間の摩擦力を
軽減しえて、摩擦熱による押出材表面の温度上昇を抑制
できる結果、表面再結晶を抑制することができ、表面再
結晶組織層の厚さを上記範囲に規定した押出材を確実に
製造することができる。しかも、所定のチョーク加工部
を設けたダイスを用いることで、押出材の表面再結晶を
抑制するものであるから、押出速度の低下やビレット長
さの短尺化を必要とすることなく押出を行うことがで
き、歩留生産性の低下を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に用いる押出ダイスを含む押出装置の
一例を示す断面図である。
【符号の説明】
A…押出材 1…押出ダイス 5…成形孔 11…ベアリング部 12…チョーク加工部
フロントページの続き (72)発明者 須藤 正巳 大阪府堺市海山町6丁224番地 昭和アル ミニウム株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−241319(JP,A) 特開 昭59−215453(JP,A) 特公 昭53−36812(JP,B2)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面再結晶組織層の厚さが0.05〜
    0.15mmに規定されてなることを特徴とする溶接割
    れを改善した溶接構造用Al合金押出材。
  2. 【請求項2】 Mg:3.0〜6.0wt%を含有するA
    l−Mg系合金ビレットを押出ダイスから押出すに際
    し、ベアリング部(11)に、3mm以上の長さにわたっ
    て押出し出側に向かって成形孔(5)の高さが連続的に
    小となるチョーク加工部(12)が設けられた押出ダイス
    (1)を用いて押出すことを特徴とする溶接割れを改善
    した溶接構造用Al合金押出材の製造方法。
  3. 【請求項3】 チョーク加工部(12)の開角度(θ)が
    0.5〜10度である請求項2に記載の溶接割れを改善
    した溶接構造用Al合金押出材の製造方法。
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