Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
System_zとは - わかりやすく解説 Weblio辞書
[go: Go Back, main page]

System_zとは? わかりやすく解説

System z

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/15 02:57 UTC 版)

IBM Z
開発元 IBM
最新版
z16[1](発表2022年)
対応OS z/OSz/VMz/VSEz/TPFLinux
種別 メインフレーム (z/Architecture)
公式サイト IBM Z
テンプレートを表示
IBM LinuxOne
開発元 IBM
最新版
LinuxOne III(発表2019年)
対応OS Linux、z/VM
種別 メインフレーム (z/Architecture)
公式サイト IBM LinuxOne
テンプレートを表示
IBM Z15の1フレーム、最大4フレーム。扉にZ15は青色、LinuxONE IIIはオレンジ色のアクセント。
IBM z14。扉にZ14は青色、LinuxONE IIIはオレンジ色のアクセント。
左はIBM z13、右はLinuxONE (Rockhopper)。
IBM zEnterprise。左からEC12、BC12、Bladecenter Extension。
扉を開けた状態のIBM zEnterprise EC12。多数のパーツが見える。
IBM zSeries 800 2066

IBM zSeries(IBMぜっとしりーず)、IBM System z(IBMしすてむぜっと)、IBM zEnterprise(IBMぜっとえんたーぷらいず)、IBM z System(IBMぜっとしすてむ)、IBM Z(IBMぜっと)は、IBMが開発・販売するメインフレームコンピュータ2000年以降のブランド名。またIBM LinuxOne(IBMりなっくすわん)は2015年以降のLinux専用モデル[2][3]

1964年System/360からの上位互換性を持ち、64ビットアーキテクチャz/Architectureに基づいて設計されている。サポートされるオペレーティングシステムは、z/OSz/VMz/VSEz/TPFLinuxなど(ただしIBM LinuxOneはLinux, z/VMのみ)[4]2010年の zEnterprise よりオプションのzBX上で分散サーバーの同時稼働をサポート[5][6][7]。最新版は2022年発表の z16 [1]

名称

IBMのメインフレームのブランド名で、「z」は「ダウンタイム ゼロ(Zero)」(高可用性)を意味する。

  • IBM eServer zSeries - 2000年以降。pSeriesiSeriesxSeries等と、IBMサーバ全体のブランド名「IBM eServer」を構成する。
  • IBM System z - 2005年以降。System pSystem iSystem x等と、IBMサーバ全体のブランド名「IBM Systems」を構成する。
  • IBM zEnterprise System - 2010年以降。
  • IBM z System - 2015年以降。(他のサーバーはPower Systems等。)
  • IBM z - 2017年以降。

概要

zSeries、System z、zEnterprise、z System、IBM Zは、IBM System/360System/370の直系の子孫であり、上位互換性を持つ。System/360用に書かれた24ビットのアプリケーション(バイナリーの実行モジュール)は、40年を隔てた最新のSystem zでも、一部の例外を除き修正なしで動作する。

1990年代より各種オープン標準TCP/IPWebサーバLinuxなど)、2000年には64ビットアドレッシングをサポートした。IBMは「IBMのメインフレームはレガシーでは無い」「世界的にはニューワークロード(Web、ERPなどの用途)が50%を超えている」と主張している。

高い信頼性・可用性が求められる業務、過去の資産(プログラム、運用管理など)を継続したい場合、多数のサーバを統合したい場合などに使われている。

筐体の色は、eServer以降はThinkPadと合わせてベースは黒、アクセントは赤に統一された。しかしz10からはグリーンコンピューティング(環境負荷が低い)を意識して、アクセントは緑に変更された。

System zの主な特徴は以下である。

  • z/Architectureに基づいている(64ビットの物理空間と仮想空間)。
  • 多数のプロセッサユニット(PU)を搭載し、広域クラスタを構成可能
  • オペレーティングシステムとして、Linux on System z, z/OS, z/VM, z/VSE, z/TPFを使用可能
  • システム/390 の 31ビットアプリケーションはz/Architecture上で完全互換

zEnterprise では、従来からのz/Architectureプロセッサーに加え、POWERおよびx86プロセッサーも搭載可能となり、全体を統合資源管理ソフトウェアでワークロード管理可能となった。

2015年1月 z13 発表時に、ブランド名称が IBM z System に変更された。

仕様

S/390以降の主な製品の型番(TYPE-MODEL)と仕様は以下の通り。

  • S/390 G5,G6
    • プロセッサー数:1〜12 (CMOS G5,G6)
  • S/390 Multiprise 3000
    • プロセッサー数:1〜2 (CMOS G5)
  • zSeries 900 (2064-xxx)
    • プロセッサー数:1〜16
  • zSeries 800 (2066-xxx)
    • プロセッサー数:1〜4
  • zSeries 990 (2084-xxx)
    • プロセッサー数:1〜32
  • zSeries 890 (2086-xxx)
    • プロセッサー数:1〜4
  • System z9 EC (2094-S08〜S54)
    • 総PU: 1.4GHz x 12〜64
    • メモリー: 16〜512GB
    • 最大チャネル数: 960〜1024
  • System z9 BC (2096-R07/S07)
    • 総PU: 1.4GHz x 8
    • メモリー: 8〜64GB
    • 最大チャネル数(ESCONの場合): 240〜420
  • System z10 EC (2097-E12/E26/E40/E56/E64)
    • 総PU: 4.4GHz x 17〜77
    • メモリー: 16〜512GB
    • 最大チャネル数:1024
  • System z10 BC (2098-E10)
    • 総PU:3.5GHz x 12
    • メモリー:4〜128GB
    • 最大チャネル数:480
  • z System z13 [8]
    • 最大コア数: 141 (111,556MIPS)
    • 最大メモリー: 10テラバイト
    • 最大稼動仮想サーバー: 8,000
  • z14[9]
  • z15[10]
  • z16[1]
    • 7nm, 5.2GHz
    • 16コア/ソケット
    • IBM Telumプロセッサー、オンチップのAIアクセラレーター
    • 耐量子暗号[11]

System z9 EC (2094-S54)の場合、ブックあたり最大64個のPU(プロセッサ・ユニット)を搭載し、1秒間に約186億6千万回の命令を実行できるとされている。1台の S54 は1日に10億以上のトランザクションを処理できる。64個のPUのうち2個はスペアPUとして使用され、2個のPUがI/O、暗号化、メモリ制御などのプロセッサとして使用される。結果的に54個のPUをユーザーが決定した役割に設定でき、Central Processor(CP)英語版としても、それ以外(z Application Assist Processor(zAAP)英語版Integrated Facility for Linux (IFL)英語版Internal Coupling Facility (ICF)英語版)の用途にも使うことができる。System z10 EC(E64)の場合77個のPUを搭載し64個のPUをユーザーが決定した役割に設定できる。

冗長性と信頼性

System z9 EC (2094-S54)の場合、PU内部の命令実行回路は二重化されており、全ての命令はふたつの回路で並行して実行される。このふたつの回路の命令実行結果が異なってしまった場合、再度命令を試行してそれでも結果が異なる場合は、そのPUで実行していたタスクを自動的に別のPUに移動させる。そのときスペアのPUが空いていればそれを使うこともできる。システムは自動的にIBMのサービスに連絡(RSF)をして、サービスエンジニアが代わりのプロセッサ・ブックを持ってきて交換を行う。このとき、システムを停止させることなく、動作したままでかまわない。このように、PUのハードウェア的な冗長性をベースとした高信頼システムが構築されている。

同じことは、メモリにもI/Oにも電源にも冷却機構にも言える。ほとんど考えられる全ての部品が冗長化されている。そして、この機能はハードウェアとマイクロコードで実現されているため、アプリケーションが特別なコードを使う必要はない。同じコンセプトはクラスタ構成にも適用される。

System zは確かに高価であるが、信頼性の高さがTCO削減となって効果を発揮する。このため政府、金融機関、商業、工業などあらゆる場面で使われている。

歴史

zSeries以前

IBM System z は、IBM System/360の直系の子孫である。

1964年 System/360シリーズを発表し、大ヒットとなる。24ビットアドレッシングであった。

1970年 後継のSystem/370シリーズを発表。仮想記憶を実現。更に後継は、大型の30x0(303x、308x、3090)、中型の4300、小型の9370となった。

1983年 System/370-XAアーキテクチャを発表。31ビットアドレッシングや動的チャネルサブシステムを実現。

1988年 ESA/370アーキテクチャを発表。64ビットのデータ空間であるハイパー空間などを実現。

1990年 ES/9000シリーズと、ESA/390アーキテクチャを発表。エンタープライズサーバー(ES)としてサーバー機能を強化した。また同時に従来の3090、4300、9370は「ES/3090、ES/4300、ES/9370」に改称され、後にES/9000(ES/9021、ES/9121、ES/9221)に移行した。

1994年 S/390 並列エンタープライズサーバーを発表。CMOSプロセッサへの移行、クラスタリングである並列シスプレックスが採用された。また小型のIBM Multiprise 2000、3000も発売された。

zSeries

2000年10月 ブランド名称を「IBM eServer zSeries」に変更。同時に64ビットアドレッシングのアーキテクチャであるz/Architectureと、最上位のzSeries 900(z900、型番は2064)を発表。

  • 2002年2月 z900の中型版であるzSeries 800(z800、型番は2066)を発表。
  • 2003年3月 最上位(z900後継)のzSeries 990(z990、型番は2084)を発表。
  • 2004年5月 中型(z800後継)のzSeries 890(z890、型番は2086)を発表。

2005年7月 ブランド名を「IBM System z」に変更。同時に最上位のSystem z9 109(型番は2094)を発表。

  • 2006年4月 z9 109をz9 Enterprise Class (z9 EC)と名称変更し、中型のz9 Business Class (z9 BC、型番は2096)を発表。
  • 2008年2月 最上位(z9 EC後継)のSystem z10 Enterprise Class (z10 EC、型番は2097)を発表。
  • 2008年10月 中型(z9 BC後継)のz10 Business Class (z10 BC、型番は2098)を発表。

最上位機種(EC)が出た1,2年度後にそのモデルアップ反映した中型機種(BC)が発表されている

zEnterprise

  • 2010年7月 ブランド名称を「IBM zEnterprise」に変更。主なハードウェアは本体である zEnterprise 196(z196) と、zEnterprise BladeCenter Extension(zBX)。z196は、5.2GHzのz/Architectureプロセッサを96個搭載できる。zBXはPOWER7などのプロセッサを搭載したブレードサーバを搭載できる。このハイブリッド環境をソフトウェアの zEnterprise Unified Resource Manager(URM)で一元管理できる。
  • 2012年8月 「IBM zEnterprise EC12」(zEC12)を発表)[12]「12」は「12世代」を意味する[13]。z196の後継で、32ナノ・プロセス、5.5GHz のプロセッサ・コアを1筐体当たり最大120搭載可能。

z Systems, LinuxOne

  • 2015年1月 ブランド名称を「IBM z System」に変更。z13およびLinuxOne(Rockhopper)を発表[8]

IBM Z, LinuxOne II/III

  • 2017年7月 ブランド名称を「IBM Z」に変更。z14およびLinuxOne IIを発表を発表[9]
  • 2019年9月 z15およびLinuxOne IIIを発表[10]。全方位型暗号化技術、Data Privacy Passports技術など。
  • 2022年4月 z16を発表[1]。AI推論機能を提供。

参照

  1. ^ a b c d 次世代プラットフォーム IBM z16を発表: 革新的なイノベーションでハイブリッドクラウドとAIの未来を創造
  2. ^ Linux専用のメインフレーム・サーバー「IBM LinuxONE」を発表 - IBMニュースルーム
  3. ^ Linux専用メインフレーム「LinuxONE」、IBM自らOSSを移植 - ZDNet
  4. ^ IBM System z オペレーティングシステム
  5. ^ 革新的アーキテクチャーによる新サーバー「IBM zEnterprise」
  6. ^ IBM zEnterprise System の発表
  7. ^ IBM zEnterprise BladeCenter Extensionの発表
  8. ^ a b z13メインフレームを発表 - IBM
  9. ^ a b IBM Z (z14) プレスリリース
  10. ^ a b 業界初のデータ・プライバシー機能を備えた最新メインフレーム「IBM z15」発表
  11. ^ 日本IBM、メインフレーム新製品「IBM z16」発表--リアルタイムAI推論や耐量子暗号技術に対応 - ZDNet
  12. ^ 処理能力を50%向上した業界最速のメインフレーム - IBM
  13. ^ 日本IBM、「業界最速」のメインフレームを発売 - ITMedia

関連項目

外部リンク

IBMメインフレーム
シリーズ名 アーキテクチャ 主なモデル 主なOS 主な特徴
1952 701シリーズ - 701, 704, 709, 7090, 7040, 7094 - 科学技術計算用、真空管/トランジスタ
1953 702シリーズ - 702, 705, 7080 - 真空管/トランジスタ
1953 650シリーズ - 650, 7070, 7074, 7072 - 科学技術計算用、真空管/トランジスタ
1959 1401シリーズ - 1401, 1410, 1440, 7010, 1460 - 商用計算用、オールトランジスタ
1961 その他 - 305(RAMAC), 7030(Stretch) - ディスク装置(RAMAC)、マルチタスク(Stretch)
1964 System/360 S/360 20 - 195 OS/360, DOS/360, CP-67/CMS 汎用機アーキテクチャIC24ビットアドレッシング、仮想機械
1970 System/370 S/370 115 - 195 OS/VS(MVS), DOS/VS, VM/370 仮想記憶マルチプロセッサPPAR
1977 30x0, 4300, 9370 S/370, S/370-XA 303x/308x/3090, 43x1, 937x MVS/XA, DOS/VSE, VM/XA 31ビットアドレッシング・動的チャネルサブシステム(S/370-XA)
1990 ES/9000 S/390, ESA/390 9021, 9121, 9221 MVS/ESA, VSE/ESA, VM/ESA, AIX/ESA 64ビットデータ空間、拡張ストレージ(ES)、LPARESCONFICON
1994 S/390 ESA/390 9672/9674(G1 - G6), IBM Multiprise 2000/3000 OS/390, VSE/ESA, VM/ESA, Linux CMOS, 並列シスプレックス, UNIX互換環境(OS/390 USS)、Linuxサポート
2000 eServer zSeries z/Architecture z800/z900, z890/z990 z/OS, z/VSE, z/VM, Linux 64ビットアドレッシング、IFL、zAAP、zIIP、IPv6
2005 System z z/Architecture z9, z10 z/OS, z/VSE, z/VM, Linux IRD
2010 zEnterprise z/Architecture z114/z196, z12 z/OS, z/VSE, z/VM, Linux ブレード拡張(POWER, x86)
2015 z System z/Architecture z13, LinuxOne (z13)z/OS, z/VSE, z/VM, Linux
(LinuxOne) Linux, z/VM
2017 IBM Z z/Architecture z14, LinuxOne II (z14)z/OS, z/VSE, z/VM, Linux
(LinuxOne) Linux, z/VM
暗号化、zHyperLink
2019 IBM Z z/Architecture z15, LinuxOne III (z15)z/OS, z/VSE, z/VM, Linux
(LinuxOne) Linux, z/VM
全方位型暗号化技術、Data Privacy Passports、OpenShift
2022 IBM Z z/Architecture z16 (z16)z/OS, z/VSE, z/VM, Linux IBM Telumプロセッサー、オンチップのAIアクセラレーター、耐量子暗号

「System z」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「System_z」の関連用語

System_zのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



System_zのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのSystem z (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS