T・J・クラーク
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/05 07:38 UTC 版)
Jump to navigation Jump to searchT. J. クラーク(Timothy James Clark、1943年 - )は、イギリス出身の美術史家で、研究活動の早い段階から注目を集め「新しい美術史学」を主導してきた一人[1]。
経歴
1943年にイギリスのブリストルで生まれる。ケンブリッジ大学セント・ジョンズ・カレッジを卒業後、エセックス大学などイギリス国内で講師を務めるかたわら、30歳となる1973年に刊行した2つの著作『絶対的ブルジョワ』と『民衆のイメージ』によって、早くも世界的な名声を博した。彼の著作は、いわゆる「ニュー・アート・ヒストリー」の英語によるマニフェストと受け止められ、また伝統的研究手法が用いられていた美術史の分野に新たにマルクス主義批評の手法を導入したことで、激しい反発を引き起こすことにもなった[1][2][3]。
1973年にコートールド美術研究所(en: Courtauld Institute of Art)において博士号を取得した後、1974年からカリフォルニア大学ロサンゼルス校に客員教授として赴任[1][3]。
1976年にイギリスへ戻ってリーズ大学の美術学部長に就任。1980年には、ふたたび米国へ移ってハーバード大学で教壇に立つ。その後、1988年にカリフォルニア大学バークレー校に移籍、引退まで美術史学科長をつとめた。この間に発表した『近代生活の絵画』(1985年)は、第二帝政から第三共和政に至るパリの近代化とマネや印象派との関係に焦点をあてた著作で、様式論とイコノロジーを主たる方法論としてきた美術史を批判する新しい潮流の代表作と目されるようになった[2] [3]。その後は欧米のモダニズム美術史を批判的に辿り直す大著『ある理念への別辞:一モダニズム史からの逸話』(1999年)や、ニコラ・プッサンの密着的な読解を試みる『死の光景』(2006年)を発表[1][3]。『ロンドン・レビュー・オブ・ブックス」紙への常連寄稿者でもある。
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脚注
- ^ a b c d "Biography (U. of California - Berkeley)"
- ^ a b Hilton Kramer, "T.J. Clark and the Marxist critique of modern painting" (The New Criterion, March 1985)
- ^ a b c d "Clark, T. J." ("Dictionary of Art Historians")
著作
- Image of the People: Gustave Courbet and the 1848 Revolution (U. of California Press, 1973)
- The Absolute Bourgeois: Artists and Politics in France, 1848-1851 (U. of California Press, 1973.)
- The Painting of Modern Life: Paris in the Art of Manet and his Followers (Princeton UP, 1985)
- Farewell to an Idea: Episodes from a History of Modernism New Haven (Yale UP, 1999)
- Afflicted Powers: Capital and Spectacle in a New Age of War, with Iain Boal et al. (Verso, 2005)
- The Sight of Death: An Experiment in Art Writing (Yale UP, 2006)
- The Painting of Postmodern Life? (Barcelona: MACBA, 2009)
外部リンク
- "Biography" (The History of Art Department, U. of California - Berkeley)
- "Clark, T. J." (Dictionary of Art Historians)
- T. J. Clark, "Clement Greenberg's Theory of Art" (Critical Inquiry, vol. 9, No.1, 1982, pp. 139-156)
- T. J. Clark, "Origins of the Present Crsis" (New Left Review, No.2, March-April, 2000
- T. J. Clark, "Picasso and Truth" (National Gallery of Art: Mellon Lectures in the Fine Arts, 2009)
- T. J. Clark, "Painting at Ground Level" (The Tanner Lectures on Human Values, Apr. 17-19, 2002)
- T. J. Clark and Donald Nicholson-Smith, "Why Art Can't Kill the Situationist International" (October, vol. 79, Winter, 1997, pp. 15-31)
- Hilton Kramer, "T.J. Clark and the Marxist critique of modern painting" (The New Criterion, March 1985)
文献リスト
- 高階秀爾・三浦篤編『西洋美術史ハンドブック』新書館、 1997, p. 214
- 稲賀繁美「"暗黒と黎明:ニコラ・プッサン《蛇に殺された男のいる風景》をめぐる断章 T. J. クラーク『死の光景:アート・ライティングのひとつの実験』の余白に"」(『あいだ』No. 143, 2007, pp. 24-29)
- Hilton Kramer, "T.J. Clark and the Marxist critique of modern painting" (The New Criterion, March 1985)
関連項目
「T. J. Clark (art historian)」の例文・使い方・用例・文例
- 「英国叙情詩選」 《英国の F. T. Palgrave /plgreɪv/ が編集した詩選集》.
- 生きている人々は自分たちが神の舞台の上の感覚のある人形にすぎないと知っていた−T.E.ローレンス
- ソビエト国家の総括的な研究−T.G.ウィナー
- 意気投合した性質は結合した…相互の信頼と相互の美徳によって−T.L.ピーコック
- 彼の国際的な慈善は、公平に全人種、全信念に広がっています。 − T.B.マコーレ
- 使い古された詩の方法における迂言的研究/容赦ない格闘に、一人をまだ残すこと/言葉と意味の−T.S.エリオット
- かすかな結論に向けて曇った問題を手探りする−H.T.ムーア
- 捨て子と取替え子のこっけいな世界の人々−T.C.ワースレイ
- すべての善良な市民の道徳と物質的な福祉−T.ルーズベルト
- 屋根に登っても、私はT.V.アンテナに届かない
- T.ブーン・ピケンズは多くの大企業を襲撃した
- 儀式…彼らがよくオーリニエイション時代の書面での記録がない起源があったかもしれないほど古い−J.L.T.C.スペンス
- 心は真実を見出すために与えられたものではなく、真実を守るために与えられたものである。− T.S.エリオット
- 生き生きとした魅力的な黒い目‐T.N.カーバー
- スウェーデン人のソプラノ歌手で、P.T.バーナムの管理の下で米国のツアーを行った(1820年−1887年)
- (T.Iさん)
- この作品で彼は異星人を,「E.T.」や「未知との遭(そう)遇(ぐう)」などの以前の作品中の異星人とは違って,恐ろしく危険な敵として描いている。
- 私の名はジョン・ダグラスですので頭文字はJ. D.です
- フォーサイト家物語 《J. Galsworthy 作の小説》.
- J.C. バッハは音楽家の血統の家に生まれました.
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