イーリー【Ely】
エル・アル航空
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/02/07 14:33 UTC 版)
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| 法人番号 | 9700150102293 | |||
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| 設立 | 1948年 | |||
| ハブ空港 | |
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| 焦点空港 | |
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| マイレージサービス | Matmid | |||
| 会員ラウンジ | King David Lounge | |||
| 航空連合 | 未加盟 | |||
| 保有機材数 | 43機(4機発注中) | |||
| 就航地 | 51都市 | |||
| 本拠地 | |
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| 代表者 | アミカム・コーヘン(会長) デヴィッド・マイモン(CEO/社長) |
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| 外部リンク | http://www.elal.com/ | |||
エル・アル航空(ヘブライ語: אל על, アラビア語: إل عال, 英語: EL AL Airlines)は、イスラエルの国営航空会社で、同国のフラッグ・キャリアである。エル・アル・イスラエル航空とも呼ばれる。
エル・アル・イスラエル・エアラインズ・リミテッド(ヘブライ語: אל על נתיבי אויר לישראל בע״מ[1], 英語: El Al Israel Airlines Ltd.[2])により運営されている。
概要
イスラエルの独立直後の1948年に創業。最初のフライトはスイスのジュネーヴ路線であった。その後ヨーロッパ諸国や北アメリカ、アジアやアフリカ諸国への国際線を開設した。国内線はエイラートへの便がある。
テルアビブのベン・グリオン国際空港をハブ空港としている。イスラエルの国益を守るため、イエメンやエチオピアからのユダヤ人を移送する作戦であるソロモン作戦やモーゼ作戦などでも活躍してきた。
2025年現在、航空連合には加盟していないが、複数の航空会社との間でコードシェアを行っている。航空券の座席予約システム(CRS)は、アマデウスITグループが運営するアマデウスを利用している[3]。
厳重なセキュリティ検査
イスラエルは建国以来、周辺のアラブ系国家やテロ組織と対立しており、過去にはハイジャックやテロの標的とされたことから、これを防ぐために、全ての国および空港で、搭乗時のセキュリティチェックが極めて厳格に行われている。
一般的な航空会社のチェックインが概ね出発の2〜3時間前までなのに対し、エル・アル航空は3〜4時間前が必須である。チェックイン前には、必ず専門係員による質問が行われる。係員は3人程度の交代で、他人から預かった荷物がないかや、航空券の取得方法、渡航目的などを繰り返し尋ね、辻褄が合っているかどうか、回答に不審な点がないかどうか、その人物がテロリストに利用されている恐れはないかなどを見極める。搭乗客名簿はシャバックやFBIなどの危険人物リストと照合されるといわれている。
係員による質問は、一般に英語またはヘブライ語で行われるが、いずれも理解できない旅行者のため、各国の言語で記載された質問表も用意されている。乗客の荷物は、別室で一旦開梱され、一つずつ金属探知機で検査され、火薬反応も調べられる。これらの検査は、イスラエル政府や友好国の政府機関に属する人間も例外なく受けなければならない。さらに、預け入れの荷物はすべて減圧室を通らなければならない。これは地上より気圧の低い上空の環境を擬似的に作り出し、気圧が一定の水準未満に下がると起爆される爆弾が入っていないかを確かめるためのものである[注釈 1][4]。
全ての国際線の便には過去には2人、現在では最大6人の武装したスカイマーシャルが、一般乗客に紛して搭乗している。また、パイロットのほとんどがイスラエル空軍の出身である。コックピットへのドアは二重となっており、それぞれ暗号コードが合わないと開かない仕組みになっているが、二枚目のドアを開けられるのは機長と副操縦士だけである。
2002年にケニアのモンバサでエル・アル機に向けて地対空ミサイルが発射された事件を受け、赤外線ホーミングを用いた地対空ミサイル回避のための装置「フライト・ガード(ミサイル警報・妨害装置)」が全機に装備されている。また、床・壁は特別に強化されており、貨物室は耐爆構造になっているといわれている。
以上のような厳重なセキュリティ体制の結果、1968年以降ハイジャック等のテロ行為は一切起こっておらず「(セキュリティ面で)世界一安全な航空会社」といわれている。
保有機材
運用機材
イスラエルとアメリカとの深い交流を背景に、歴史上、保有機のほとんどが米国製機材、特にボーイング社製機材で占められている。ボーイング製航空機の顧客番号(カスタマーコード)は58で、航空機の型式名は747-458、777-258ERなどとなる。前述のように対テロ対策のため様々な改修を行う関係で、中古機だと時間がかかるため、新造機が比較的多い。
2024年6月、約30機のボーイング737MAXについて、ボーイングおよび航空機リース会社と独占交渉を行うと発表[5]。
| 機材 | 運用数 | 発注数 | 座席数 | 備考 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| C | P | Y | 計 | ||||||
| ボーイング737-800 | 14 | - | 16 | - | 150 | 166 | 737MAXに置き換え予定 | ||
| 6 | - | 189 | 189 | 子会社であるサンドールによって運航 | |||||
| ボーイング737-900ER | 8 | - | 16 | - | 156 | 172 | |||
| ボーイング737-8 MAX | - | 20[8][9] | 未定 | 11機のオプション付き 2028年より納入予定 |
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| ボーイング777-200ER | 5 | - | 28 | 32 | 253 | 313 | |||
| ボーイング787-8 | 4 | - | 20 | 35 | 183 | 238 | |||
| ボーイング787-9 | 12 | 3[10][11] | 32 | 35 | 204 | 271 | 6機のオプション付き[10] | ||
| 1 | 30 | - | 263 | 293 | |||||
| 貨物用機材 | |||||||||
| ボーイング737-800BCF | 1 | - | 貨物 | ||||||
| 計 | 51 | 23 | |||||||
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ボーイング737-800(新塗装)
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ボーイング737-900ER
-
ボーイング777-200ER
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ボーイング787-8
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ボーイング787-9(新塗装)
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ボーイング787-9(設立70周年記念復刻塗装)
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ボーイング787-9(黄金のエルサレム特別塗装)
退役済機材
- ブリストル ブリタニア
- ボーイング707-300C
- ボーイング720B
- ボーイング737-200/-700
- ボーイング757-200
- ボーイング767-200/200ER/300ER
- ボーイング747-100/-100F/-200B/-200C/-200F
- ボーイング747-400
- ダグラスDC-4
- カーチス C-46 コマンドー
- マクドネル・ダグラスMD-11
- ロッキード コンステレーション
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ボーイング707-300C
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ボーイング747-200
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ボーイング747-400
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ボーイング757-200
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ボーイング767-200ER
就航路線
オーストラリアを除く全ての大陸に乗り入れている。イスラエル周辺のいくつかの対立するアラブ諸国からは領空通過を拒否されているため、これらの国を避けるように航路がとられている。
イスラエルはいくつかのアラブ諸国と対立しているが、国交のあるエジプトにはフライトがかつてあった(ヨルダンとも国交はあるが、エル・アル機のフライトはない)。イスラエルのフラッグ・キャリアがエジプトに飛ぶことに対する反感も多いことから、この路線(テルアビブ - カイロ線)専用に、機体に国名も社名も書かれていない専用機体を用意し飛ばしていた。2020年8月31日、国交正常化に合意したアラブ首長国連邦との間に初の商用便が運航され、通常は領空通過を拒否しているサウジアラビアも領空通過を初めて許可した[12]。
日本との関係
日本への運航路線
| 便名 | 路線 | 機材 | コードシェア | |
|---|---|---|---|---|
| LY91/92 | 東京/成田 | テルアビブ | ボーイング787-8/-9 | QF/カンタス航空 |
日本との歴史
日本との間では、2国間の航空協定により関西国際空港や東京国際空港の乗り入れが可能となっており、ボーイング767-300ERやボーイング777-200ERなどを使用したチャーター便の乗り入れも行ったことがある。2015年には成田国際空港への乗り入れも可能となったが、その後具体的な乗り入れの検討は行われていなかった[14]。2018年に両国政府が2019年の成田-テルアビブ間のチャーター便就航に向けて協議を進めていると明らかにし、将来の定期便就航の可能性も示唆した[15]。
2019年9月14日から、エル・アル航空の子会社、サンドール国際航空によるチャーター便が運航された。その後、2020年3月11日からエル・アル航空が成田-テルアビブ線をボーイング787-9を使用して週3便で運航開始することを発表した[16]。新型コロナウィルスの感染拡大に伴い複数回延期されたが[17][18][19]、2023年3月1日からベン・グリオン国際空港-成田国際空港の直行便が運航を開始した[20]。しかし、パレスチナ情勢の悪化により、2023年冬スケジュールより運休となった。2024年3月6日ベン・グリオン国際空港発の便より運航を再開した。パレスチナ情勢により運航が不安定になり易いのでその都度公式確認が必要である。
提携航空会社
エル・アル航空は航空連合には属していないが、個別に各航空会社とコードシェア提携を行っている[21]。
デルタ航空
KLMオランダ航空
ヴァージン・アトランティック航空
エールフランス
スカンジナビア航空
ジェットブルー航空
アゼルバイジャン航空
イベリア航空
S7航空
エチオピア航空
アエロメヒコ
カンタス航空
アルゼンチン航空
TAPポルトガル航空
バンコク・エアウェイズ
タイ国際航空
香港航空
ベトナム航空
LOTポーランド航空
エティハド航空
ロイヤル・エア・モロッコ
アメリカン航空
全日本空輸
エピソード
アイヒマン逮捕
ドイツの親衛隊の元中佐で、ユダヤ人の組織的虐殺の歯車として働き、数百万の人々を強制収容所へ移送するにあたり指揮的役割を執ったアドルフ・アイヒマンを、モサドの工作員がアルゼンチン国内で拘束しイスラエルに連行する際、エル・アル航空のブリストル ブリタニア機が利用された。
同機はアルゼンチン独立記念日の式典に参加したイスラエル政府関係者の為に運行していたものであった。出国の際に彼は、酒をしみこませたエル・アル航空の客室乗務員の制服を着させられた上に薬で眠らされ、「昨晩から酒に酔って寝込んだデッドヘッド要員」として、アルゼンチンの税関職員の目をごまかしたという。
同機は当初ブラジルのサンパウロ郊外にあるヴィラコッポス国際空港を経由して、同空港で給油する予定だったが、もしアイヒマンが搭乗していることが知られた場合、元ドイツ軍人やナチス党員の戦犯容疑者を含むドイツ系移民が多く、しかも彼らが一定の影響力を持つブラジル政府により、離陸が差し止められる危険性があったことから、セネガルのダカールまで長距離飛行を強いられ無給油飛行を行うなど、移送には細心の注意が図られた。
1フライト輸送最大人数記録
1991年5月に実行された「ソロモン作戦」において、エチオピアからユダヤ人を脱出させる際に使用された航空機のうち、ボーイング747の1機が、全てのギャレーと4箇所のラバトリーを除いて全て撤去した上で760席の座席を設けた特別仕様により使用された[22]。さらに、座席の肘掛を全て跳ね上げることにより、より着席人数を多く確保できるようにしていた[22]。この作戦で実際に搭乗したのは1087人(このうち3人は機内で誕生した新生児)で、これは1フライトで輸送した人数としては最大の人数である[22]。
事故と事件
事故
- 1992年10月4日、アムステルダム発テルアビブ行きの1862便(貨物便)が、離陸直後に2つのエンジンが脱落。空港に引き返そうとしたが、操縦不能となりアムステルダム郊外の高層アパートに激突した。貨物便の全乗員4人のほか、地上で39人が死亡、11人が負傷した(エル・アル航空1862便墜落事故)。
事件
以下の事件は、全てハイジャックである。
- 1968年7月23日、ロンドン発ローマ経由テルアビブ行きの426便がローマを離陸した直後にパレスチナ解放人民戦線(PFLP)のテロリストにハイジャックされた。エル・アルのハイジャックが成功した唯一の事例で、その後、エル・アルの対ハイジャック対策が向上する(エル・アル航空426便ハイジャック事件)。
- 1969年1月、チューリッヒ発テルアビブ行きの707便がPFLPのテロリストにハイジャックされた。しかし、搭乗していたスカイマーシャルが1人を射殺、残りの犯人も逮捕され、世界を驚かせた。
- PFLP旅客機同時ハイジャック事件 - 1970年9月、PFLPが起こした航空機の同時ハイジャック事件。ハイジャックされた5機のうち、1機はテルアビブ発アムステルダム経由ニューヨーク行きの219便であったが、ハイジャックの実行に当たったテロリスト2名の行動が稚拙で、事前に一部の乗客や客室乗務員らに察知された上、客室乗務員から通報されたスカイマーシャルが1名を射殺し、残る1名も銃撃戦の末乗客や乗員らによって取り押さえられたことから、完全な失敗に終わった。
その他
当時、設立10年に満たなかった、同航空会社の知名度を飛躍的に高めた一因として、1957年に出稿された、一面に映った海面の右側を破き、その余白部に「Starting Dec. 23, The Atlantic Ocean Will Be 20% Smaller.(12月23日の到来と共に、大西洋が20%小さくなります)」との広告文案を書き込んだ、ジェット機就航の広告がある。この広告の制作を請け負ったのが、フォルクスワーゲン・ビートルの広告クリエイティヴで、その名を知られることになる、ドイル・デーン・バーンバックである。
脚注
注釈
- ^ 過去にはスイス航空330便爆破事件など、そのような爆弾を用いてイスラエルを標的としたテロが発生していた。
出典
- ^ “מדיניות הפרטיות שלנו” (ヘブライ語). エル・アル航空. 2022年7月25日閲覧。
- ^ “Our Privacy Policy” (英語). エルアル航空. 2022年7月25日閲覧。
- ^ “Airlines using Amadeus” (英語). アマデウスITグループ. 2015年9月27日閲覧。
- ^ “「世界で最も厳重」といわれるベン・グリオン国際空港の搭乗前審査はどうなっているのか?”. GIGAZINE (2018年5月20日). 2026年2月7日閲覧。
- ^ “ボーイング、エルアル航空から737MAXの大型受注獲得へ” (英語). Bloomberg (2024年6月10日). 2025年7月10日閲覧。
- ^ “Our Fleet” (英語). EL AL. 2024年5月18日閲覧。
- ^ “El Al Israel Airlines Fleet Details and History” (英語). Planespotters.net. 2024年5月18日閲覧。
- ^ “Israel's El Al orders 20+11 B737 MAX” (英語). ch-aviation. 2024年10月14日閲覧。
- ^ “EL AL Israel Airlines Finalizes Order for up to 31 Boeing 737 MAX Jets” (英語). Boeing. 2024年10月14日閲覧。
- ^ a b “El Al to raise $100m and buy 3 Dreamliners” (英語). GLOBES. 2024年5月18日閲覧。
- ^ “El Al offers to take additional 787-9 originally built for another customer” (英語). FlightGlobal. 2024年5月18日閲覧。
- ^ 国交樹立へUAEに代表団 初の旅客直行便―イスラエル・米 - 時事通信 2020年8月31日
- ^ “Israir Adds Tel Aviv – Sochi From Sep 2025”. 2025年7月16日閲覧。
- ^ 747-400F貨物機は成田国際空港や中部国際空港へ乗り入れを行ったことがある
- ^ 成田-テルアビブ便就航へ 両政府、定期便も視野 - 産経新聞 2018年11月13日
- ^ “イスラエルへ初の直行便 成田―テルアビブ、来春就航”. 日本経済新聞 (2019年5月30日). 2022年7月25日閲覧。
- ^ “イスラエル、日本への定期直行便の就航を4月に延期”. 日本経済新聞 (2020年2月28日). 2022年7月25日閲覧。
- ^ “エルアル・イスラエル航空、東京/成田〜テルアビブ線開設を再延期 8月29日就航”. TRAICY (2020年3月13日). 2022年7月25日閲覧。
- ^ “エルアル航空、来春までの成田線の予約受付を停止”. sky-budget (2020年6月7日). 2022年7月25日閲覧。 [信頼性要検証]
- ^ “エルアル航空の初便が成田空港に到着”. jwing.net. (2023年3月3日) 2023年5月27日閲覧。
- ^ Code Share Agreements(エル・アル航空)
- ^ a b c イカロス出版『航空ギネスブック日本語版』p128
関連項目
外部リンク
ELY (エリー)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 07:52 UTC 版)
「トキメキファンタジー ラテール」の記事における「ELY (エリー)」の解説
モンスターを倒したりアイテムの売買などで手に入れる。武器や防具、回復アイテムはELYを使用して入手する。
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