エヴェレスト、猛吹雪で立ち往生の数百人が安全な場所に

画像提供, Reuters
スティーヴン・マクドネル中国特派員、ユアン・オバーン・マリガン記者
世界最高峰エヴェレストの東側の中国チベット自治区の斜面で、強い吹雪によって身動きが取れなくなっていたハイカーら580人が、チベットの安全な場所に誘導された。中国国営メディアが7日報じた。
中国中央テレビ(CCTV)は、ハイカーらが、地元のガイドやヤクの世話係、その他の支援スタッフ300人と共に、チューダンおよびその周辺地域に到着したと伝えた。
また、最後に残っていた約10人のグループは、救助隊員が同行しており、まだチューダンには到着していないが、暖房設備や酸素、その他の緊急物資が備えられた集合地点に到達しているという。
エヴェレストの東斜面では、先週末の大雪で進路がふさがれ、ハイカーらは標高4900メートル超の地点で立ち往生していた。
中国は「黄金周」(ゴールデンウィーク)と呼ばれる国慶節の連休の最中で、国内観光のピークシーズンを迎えている。
10月は例年、晴天が多く、気温も快適なことから、エヴェレスト周辺のハイキングには格好の時期となっている。
ハイキングトレイルの「カルマ・ヴァレー」には、多くのハイカーが訪れている。このトレイルはあまり有名ではないが、エヴェレストの麓へと続く景色の美しいルートで、世界最高峰の眺めも楽しめる。
大雪は3日の夜に始まり、週末にかけて勢いを増し、山岳ガイドらの不意を突いたという。
ヒマラヤを10回以上訪れているというドン・シュチャンさん(27)が、「こんな天候は経験したことがない」と話した。
ドンさんのグループには20人いたが、数人に低体温症の兆候が見られたという。
グループの一人、チェン・ゲシュアンさん(29)は、一行が引き返し始めた5日、雪は1メートルほど積もっていたという。
「私たちはみんな経験豊富なハイカーだ」、「だが、この吹雪は対処が極めて難しかった。脱出できて本当に幸運だった」と、チェンさんは話した。
救助活動には、警察と消防隊、そして数百人の地元チベット人ボランティアが動員された。
夫が吹雪で立ち往生したという女性は、夫が、嵐の中で雪に埋もれることを恐れてテントの中でほとんど眠れなかったと話していたと語った。
ハイカーの1人のエリック・ウェンさんは、一緒のグループだった3人が十分な服装だったにもかかわらず低体温症に苦しんだと、ロイター通信に話した。
ウェンさんによると、雪があまりに激しく、彼のグループは10分ごとに雪下ろしをしなければならなかったという。
「そうしなければテントは崩れていた」と、ウェン氏は付け加えた。
一方、中国西部の別の山岳地帯である青海省では、ハイカー1人が低体温症と高山病により死亡し、137人が避難したと、CCTVが伝えた。
チベットの南に位置する隣国ネパールも豪雨に見舞われており、激しい洪水と土砂崩れが発生し、50人以上が死亡している。












