アップルがグーグルと提携、AI「ジェミニ」で「シリ」を改良へ
ニューヨーク(CNN) 米アップルは、年内に投入予定の音声アシスタント「Siri(シリ)」の改良に向けてグーグルのAI(人工知能)「Gemini(ジェミニ)」を採用する。両社が12日に発表した。
両社は声明で、アップルは慎重な評価の結果、グーグルのAI技術がアップルの基盤モデルにとって最も有力な土台を提供すると判断したと説明。複数年契約を結び、アップルはジェミニのモデルとクラウド技術をAI機能に活用するという。
今回の提携によって、2024年の開発者向け会議「WWDC」で初めて披露された後、投入が遅れていた、より高度なAIを搭載したシリのリリースが加速する可能性がある。投入の遅れは、アップルが他のIT企業に比べAI開発で後れを取っているとの懸念につながっていた。
今回の合意は、アップルが競争力のある自社製AIモデルの開発に苦戦していることを示す可能性がある一方、米ウォール街では前向きに受け止められている。アップルは、改良版シリを含むAI機能の強化によって、ここ数年低迷が続いた「iPhone(アイフォーン)」の販売回復を狙う。
最も高性能かつ広く使われるAIモデルを巡る競争の中で、グーグルにとっても大きな勝利となる。アップルは、AI機能の一部で「ChatGPT(チャットGPT)」を活用するためオープンAIとも提携しているが、今回の合意により、ジェミニがアップルの今後のAI戦略の中心に位置づけられそうだ。iPhoneの一部AI機能へのChatGPTの統合にどのような影響が出るかは現時点では明らかでない。
ウェドブッシュ証券のアナリスト、ダン・アイブス氏は、アップルにとって明らかなのに無視されているAI戦略をめぐる大きな懸念がある中で、ウォール街はこうした動きを待ち望んでいたと指摘。アップルとグーグルの双方にとって漸進的なプラスだとの見方を示した。
12日の米株式市場では、アップルと、グーグルの親会社アルファベットの株価が上昇した。この上昇により、アルファベットの時価総額は一時4兆ドル(約630兆円)を突破した。時価総額が4兆ドルを超えたのはエヌビディア、マイクロソフト、アップルに続き、史上4社目。