鷲田清一の作品一覧
「鷲田清一」の「濃霧の中の方向感覚」「じぶん・この不思議な存在」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「鷲田清一」の「濃霧の中の方向感覚」「じぶん・この不思議な存在」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
昨年の大震災の後、さまざまな「ことば」が飛び交うようになりました。「がんばろう日本」「絆」といった言葉です。それらはもちろん、被災者へ向けた励ましであり、被災しなかった国民に対して共に力を合わせようという呼びかけの言葉です。しかし私は、被災者へ心を傷めながらも、メディアを通じて伝わってくるそれらの「ことば」には、どこか違和感を持っていました。被災者の計り知れない傷みに思いを馳せる前に励ましや協力を謳うことには、「ことば」の本来の意味から外れた思惑を感じました。そして、震災から一年経って、その違和感について考え、本物のことばを紡ぐことを提唱する本に出会いました。この本では、癒しの押し売りで傷つい
Posted by ブクログ
鷲田先生による、じぶんとはなにか、わたしとは誰かという壮大な思考実験の一冊、と私は読んでそう解釈しました。
わたしとはなにかを考えるプロセスにおいて、他者の他者という概念から、じぶんとは何かという問いは自己の中に内在するわけではない、がしかし、わたしとする存在を決定づけるのは他者の認識によるとするなら、もはやわたしの生死は関係ないのではないか、固有名称すら必要ないかもしれないという話にまで至るが、やはりじぶんとは何かという問いに答えなどでない、というふうな感じで締めくくられている。
わずか170ページ超の薄いが骨太な新書は、立派な哲学書でした。久々に哲学してあたまが沸騰しています笑笑
Posted by ブクログ
自分とは何か?について考察する本。様々な体験や例え話が登場するが、メッセージは一貫しており、「自分とは、固有なものではなく他者との対比や社会の中に位置付けられることによって見出されるものである」いうもの。
自分らしさなどというものを自分の内部から見つけ出すことは不可能であり(そのようなものは存在するはずがない)、むしろ眼を外に向けて誰にとってかけがえのない人であるかを考えてみたほうがいいとする筆者の考えは、心を軽くしてくれる。
多くのエピソードや、他の学者の言葉を参照しながら、比較的客観な説明がなされているが、74頁の「人生を一本の線だけでイメージするのは、それだけ人生をもろく壊れやすいものに
Posted by ブクログ
鷲田清一さん、高校生のとき国語の教科書で出会い、文章にびびっとくる感覚を教えてくれた人。
やっぱり鷲田さんの言葉は心にスっと入ってきて、自分の話だと思える感覚がある。
だんまり、つぶやき、語らい
だまって相手の言葉を待つこと、綺麗な文章になっていない言葉の大切さを知った。今までそれらをコミュニケーションが途絶えていること、自分の語彙不足だと思っていたが、相手と語ること、自己をつくり直すうえで大切だと知ったので、これからはその時間も大切に思えそう。
自分は人の話を遮って疑問をぶつけてしまうことが多いなと反省した。それは相手の大事な思考の整理の時間を奪ってしまうこと、相手の考えを自分の型にはめ
Posted by ブクログ
(2016/10/15)
中高生に、とあるが、我々大人が読んでも十分学べる内容。
物事の考え方を、平易なことばでみごとに説明してくれている。
小田嶋さんの成功者村上龍への食いつきは面白い。「会社員」という仕事がないと。
村上龍は成功しているから会社員をはずしていると。
確かに、13歳のハローワークに上がっている仕事で食っていける人はごくわずか。
みな「会社員」として何とか生きている。
白井さんの「意味」には際限はない、というのはなるほど。
本能的欲求は限度があるが、誰も持っていないものを持つ、という欲求には切りがない。
そこにはまったら最後だな。
戦争中における「国」とは、国民でなく国体