- 11着をねらえ!25/06/01(日) 21:52:56
- 21着をねらえ25/06/01(日) 21:55:18
参考資料
※必読ではないので気が向いた時に読んでみてください
https://bbs.animanch.com/board/4891977/?res=197
キンペイバイ物語──あらすじ集 | Writening設定編(part.1〜3)# 第1スレ https://bbs.animanch.com/board/3268441/ スタート:2024年4月27日 【あらすじ】 キンペイバイの物語の始まり。最初の『繁殖牝馬事情』『産駒数』この2つのダイスから少女の物語…writening.net主要メンバー設定リンク及び注意事項 | Writening最初に# 設定の使用に際して、以下の注意点を熟読した上、マナーを守ってご使用ください ・過度なキャラ改悪はお辞めください(酷く悪口を言ったり、特定キャラにイジメ行為をする等) ・既存ウマ娘、又、他人…writening.net - 3二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 21:58:41
立て乙
- 4二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 22:01:25
まさかの次世代編……なのか!?
- 51着をねらえ25/06/01(日) 22:03:05
光を見た。
美しい光を見た。
孤独という戦いの中であってもひどく輝くその光は、震えながら延ばされた指先が掠めるにはあまりに遠く、長く短い旅路に懸命に光り輝くその背を見送るばかり。
だから私も、そうなってみたいと思った。
あの美しい輝きに私もなってみたいと、生まれて初めて初めて願った。 - 61着をねらえ!25/06/01(日) 22:22:28
「遅刻なのです~!」
毎朝の通勤通学ラッシュを迎え人々が太陽の下へと顔を出す午前8時過ぎ、この町では大して珍しくもないウマ娘専用レーンを爆走する少女が一人。陽光に照らされ宝石のように輝く美しい髪をなびかせるその少女は、口にパンを咥え、スクールバック片手というこの国における典型的遅刻寸前の学生らしすぎる格好であり、公道用の蹄鉄を装着した練習靴が塗装ハゲの激しい道路を蹴るたびにかっぽかっぽと小気味のいい音が鳴る。
「ぐぬぬ…このままでは遅刻確定…うわーん!早く寝とけば良かった~!…かくなる上は近道するしかないのです!」
昨夜の己の不摂生を恨むが、時は過去へは進んではくれない。それに昨日の夜更かしは見たかった番組をリアタイするためだったので言い訳をすることもできないのだ。
それでも、遅刻をしてしまえば緑のあ…校門前で毎朝で迎えてくれるたづなさんに怒られてしまうし、なによりも妹たちに示しがつかなくなってしまう。ならば彼女に遅刻を甘んじて受け入れるという選択肢はなく、少しでも可能性のある方を選択するため、近道のルートである商店街の方へと舵を切ったのであった。
トレセン学園近くの商店街は大きな道路に挟まれる作りになっており、その一方はトレセン学園へと直通している。そのため、反対側の道路から向かうのであればこの商店街を通るのが一番早いのだが、それをするトレセン生は少ない。
「今日も大盛況!」
なぜならば、この時間帯、商店街では朝市が開かれておりそれに参加していないお店も続々と暖簾を上げ始める時間帯なのだ。そのため、商店街は人でごった返しており、逆に時間がかかってしまうのだ。
だがそれは、この人混みを律儀にかき分けて進もうとした場合の話である。
「おじじ様直伝の抜け出し術、発揮の時です!」
人が多くてなかなか進めないのなら、その間を通り抜けてしまえばいい。言うのは簡単だが実行するのは難しいそれを金髪の彼女はスイスイとまるで流星でも走っているかのように一人また一人とすり抜けていく。
さながらティアラ路線でありながらダービーを勝った伝説のウマ娘のようで、彼女が横を通り過ぎると必ずと言っていいほど人々は振り向いてその金色の流星の後姿を追ってしまう。 - 71着をねらえ!25/06/01(日) 22:22:45
そうして人混みを快速で駆け抜けもうすぐ出口が見えるというところまでやってきていた。ここまでくればもう一息、最後の人の隙間を通り抜け、安堵に包まれたその瞬間カツンと足先からの違和感。かなり速いスピードであったが故にほんの少し飛び出ていた商店街入り口のズレた金網に足を取られ、冷や汗を置き去りにして彼女の体は宙へと投げ出される。
いやにゆっくりと近づく地面とこれから来るであろう衝撃という現実から目をそらすように瞳を閉じるが、一向にそんなことは起きず、むしろ上側に引っ張るような力のおかげでいつのまにやら両の足が地面にしっかりと踏ん張っていた。
魔法にでもかけられたように呆気に取られていると、これから彼女が向かう方角──トレセン学園へと通じる道の方に青白く輝くプラズマを彼女は見た。きっとあの人が自分を助けてくれたのだろうと半ば早合点な結論にせかされるように追いかけるが、すぐに人混みの中に紛れてしまいどこにいるのか見失ってしまうのであった。
「あっ!こんなところでぼーっとしてる場合じゃなかった!」 - 8二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 22:32:47
とりあえず読んでる感じスレタイそのまんまのコスモピュエラレベルの未来世界ではなさそうか
どんな時代になってるかな - 9二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 22:40:32
立て乙
これはイリフネちゃんか? - 101着をねらえ!25/06/01(日) 22:56:06
「ねぇねぇ聞いた?例のチームの話」
間一髪、朝の始業の時間に間に合い、たった今死んだ顔で1限目を終えた少女は口から問いだした魂が白い煙を上げてモクモクと立ち上っているようで、とても花の女子校生とは思えないだろう。
そんな彼女に眼鏡とおさげの似合うウマ娘が声をかけてきた。
「チーム?」
「そうそう、ほらこの前の新トレーナ紹介で元宇宙パイロットの人が…」
「宇宙パイロット!?」
目を輝かせて食いついてきた彼女に眼鏡の娘は思わずたじろぐ。
「この前の全校集会で言ってなかったっけ?」
「…全然覚えてないのです」
どうやら、そこまで物覚えがいいタイプではないようだ。
「えっとね、ちょっと前に新任のトレーナーさんとして元宇宙パイロットの人が来たんだけどその人って個人の専属トレーナーとして来たみたいなの」
「外部赴任で専属?どこかのお抱えとかだったり?」
通常、中央のトレーナーというのは2つのタイプに分けられる。1つは1人ないしはサブトレーナー数人で数人から数十人のウマ娘を受け持つチームトレーナ―。基本的にベテランがこのポジションを担当することが多い。もう1つが専属トレーナー。ウマ娘1人のみを担当しレースから食事管理に至るまでその個人のためにトレーナーの全リソースが向けられるため、基本的に能力の高いウマ娘はこの専属トレーナーがついていることが多い。こちらは数年間ベテランチームトレーナーの元でサブトレーナーとして研鑽を積んでから独立してこの立場になることがほとんどだ。もっとも、なりたての新人でいきなり個人契約を結ぶ突飛なものがいないわけでもないのだが…
そして、この話題に上がっているパイロット上がりのトレーナーは後者の専属トレーナーに当たるわけだが、それ以前にトレーナーとしての経験を積んでおらず、いきなり中央のトレーナーに中途採用されておりこの場、たいていは裕福な家庭が金で雇った外部講師的な側面が強く、赴任から僅か数か月でチームを開設するというのは前代未聞レベルのことであるのだ。 - 111着をねらえ!25/06/01(日) 22:56:55
「いや、そうでもないみたい。今は元から担当していたウマ娘に加えてもう一人だけ加入しているみたいだけど、ちょっと妙なんだよね」
「妙?」
「うん。イリフネはチームの存続可能人数って覚えてる?」
トレセン学園でトレーナーがチームを持つためには様々な条件が設定されており、その中の一つにチームに所属するウマ娘の最低人数というのがある。少し前までは5人以上というのがボーダーラインであったが、数年前に緩和され現在は3人以上というのが条件だ。
「お父さんがここのトレーナーだしもちろん知ってるけど…あと一人足りてないような?」
「そうそこなんだよね。最低存続可能人数を割ってるのに頑なにもう1人を取ろうとしないんだよこのチーム。悩んでるとかならまだわかるんだけど、なんでも募集しても毎回落としちゃうみたいなんだよね」
「…入部基準が厳しいのは上位チームなら珍しい話じゃないと思うのだけど」
「開設したばかりのチームがそんなこと言ってる余裕ないでしょ」
「確かに」 - 121着をねらえ!25/06/01(日) 22:57:06
なんとも奇妙奇天烈な話ではあるが、不思議だね程度の軽いおしゃべりで済まされそうな内容である…この娘が持ってこなければ。
「というわけでイリフネも行っちゃいなよ入部テスト。今日ちょうどあるみたいだからさ!」
トレードマークの眼鏡が怪しく輝く。良き友人であるのだがこうなった彼女に関わってろくな目にあったことがない。
「いやちょっと遠慮…」
「本格化の兆候もう来てるんでしょ?」
「……」
「お父さんのチームにも入ってないんだし、ここらで思い切ってチャレンジしてみるべきだよ。安養芋は4月が安いってね!」
案ずるより産むが易しである。 - 13二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 23:00:53
宇宙パイロットがいる時代かあ
人類はもう宇宙に広がってる時代なのかな - 141着をねらえ!25/06/01(日) 23:04:42
【募集】※明日の19:00くらいまで
眼鏡でおさげのウマ娘の名前・特徴
<テンプレ>
名前:○○○○○
特徴:○○○○○
こだわり:○○○○
要望:○○○○
- 15二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 23:31:09
名前:エックスウイング
特徴:
白塗装みたいな芦毛がチッピングしたようにところどころ銀色に光っている
右耳にX字型宇宙戦闘機の片翼とビーム機銃2門を模した耳飾り
両おさげに宇宙戦闘機のエンジンみたいな円筒状の髪飾り
巨大なおさげと耳でX字のシルエットを形成しており、小柄なため非常に目立つ
眼鏡は銀色のトップリム。一世代前で一番良いスマートデバイスでもある※
こだわり:
電子機器のUIには非常にうるさい
要望:
描写から推測される時代背景※から思いついたネタですが、書いてるうちにイリフネの親友兼ライバル兼実馬のメインお相手みたいなイメージにも思えてきたので一応書いてみる
往還機と戦闘機、金と銀、右と左、長身と小柄あたりが対?
※プラズマで推進する移動手段(イリフネを持ち上げてたし飛行バイク?)や宇宙パイロット(ひいては彼らのいる宇宙軍や宇宙航空社?)がいる状況から、
このスレの背景が「宇宙を走るとかコスモピュエラほどではないが派手に未来ではある時代」と思ったため。
そういう時代背景じゃないよ!ということでしたらスマートデバイスはカットしてください - 16二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 07:13:54
名前:ナノサイエンス(小さいものを指す接頭詞+科学)
特徴:勝負服は名前のとおり科学者風の白衣。だがそれだと走りにくいので、白衣の下はピンクのテニスウェア
実は飛び級で既にアメリカの大学を卒業しているのだが、レースに出走するためにトレセン学園の門戸を叩いた
知識こそ豊富であるが、それ以外は年相応の女の子
ちなみに卒業論文は、いわゆるナノマシンについてのものであったらしい
こだわり:除菌にはかなりのこだわりがあり、手袋やアルコール剤などを常に用意している
要望:レースを解説できるキャラクターとしてのデザインです。脚質・適性などはお任せします
あとは名前や勝負服からニュアンスを受け取っていただければ…… - 17二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 13:54:18
一着を狙えって今更ながらトップを狙え!か
- 18二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 15:04:20
名前:
ダイナソアシー
特徴:
愛称はシー、またはソアラ。黒鹿毛に大きく白い流星が入っている。小柄だが肉付きは良い。ウエストは太めで括れが小さい。
両おさげの他に、ロケットエンジンのノズルスカートを模した円筒状の飾りを左右に一つずつ付けており、4本お下げに見える。飾りの内側は走行速度に合わせてオレンジ色に謎発光する。
性格的にはノッている時は非常に冴えているが、それ以外は投げ落とした石ころ同然という突っ走り屋。
選手としてはスタートが下手。出遅れ癖ではなく、ストライド走法を取る彼女のフォームが低速に向かず加速に時間がかかることが原因。代わりにいったん速度が出てしまえば、全身を使った大きなストライドに特化したフォームでスムーズに跳ねるように駆けていく。加速が苦手なので早仕掛けの追い込みを得意とする。
勝負服は全面が黒、背面が白の変則ツートン。
実家は運送業。社名こそ入れていないが、勝負服には社章をモチーフとしたエンブレムが大きく入っている。社章が一般的な鳥(滑空するアホウドリ)を模したものであるので、これは宣伝ではない。いいね?
こだわり:
レース出走をミッションと呼び、展開をフライトプランと呼ぶ。レース当日や大切な日の朝食は必ずチェダーチーズをたっぷり挟み込んだステーキ・アンド・エッグ・サンドイッチと決めている。
要望:
作劇の都合もあると思いますので、設定は自由に変更してください。
※由来は架空の宇宙往還機SB-911C ダイナソアC型から。 - 19二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 16:19:54
- 20二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 16:28:19
ものすごく未来的でかっこいい!!
「スラリとした背」や「一部ではなく全体的に流麗なシルエットのロケット」は拾わないことになった感じかな?母親をマイルドにしたような印象がある - 21二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 16:41:20
このレスは削除されています
- 22二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 17:15:54
このレスは削除されています
- 231着をねらえ!25/06/02(月) 17:17:17
- 24二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 17:18:25
- 25二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 17:35:53
- 26二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 17:56:23
- 27二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 18:15:05
- 281着をねらえ!25/06/02(月) 18:32:57
- 29二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 18:35:55
このグローブもかっこいいなあ
言われてみればそう思うのも全くおかしな話じゃあないんですよね
下半身はそこまで変わらないことを踏まえるとタイキのタッパとキンペイバイのケツと突然変異の上半身が合わさった結果が全身ロケットなのだろうか……?
- 301着をねらえ!25/06/02(月) 18:41:44
- 31二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 18:48:48
- 32二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 19:21:45
- 331着をねらえ!25/06/02(月) 19:24:03
- 341着をねらえ!25/06/02(月) 19:24:51
今の色使いは個人的には大変好きです
- 35二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 19:27:26
- 36二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 19:28:28
- 37二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 19:36:23
- 38二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 20:14:57
- 39二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 20:17:26
全体像のカッコかわいさ美しさもさることながらマフラーのパネルがめちゃくちゃ好き…
- 401着をねらえ!25/06/02(月) 20:58:45
- 41二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 21:04:30
- 421着をねらえ!25/06/02(月) 22:44:42
1:エックスウイング
2:ナノサイエンス
3:ダイナソアンシー
眼鏡おさげの友達の名前は…
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- 431着をねらえ!25/06/02(月) 22:45:18
というわけでダイナソアンシーちゃんに決まりました
(他2人の設定も吸収させていただきます) - 44二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 22:54:28
マークが鳥だし推定される時代背景もあるしやっぱり実家の運送業は宇宙の運び屋なんだろうか
- 45二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 23:07:15
- 46二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 06:37:42
このスレは安価で集まる設定も凝ってるなあ
- 471着をねらえ!25/06/03(火) 13:58:32
「本日はチーム募集面接レースによく来てくれた。私はこのチームのコーチを務めているオオトリだ。早速だが、実力を確かめさせてもらう」
「ちょ、コーチ飛ばしすぎですよ。ほらビビっちゃってるし…それに今日は1人だけなんですから」
サングラスにパリッとしたシャツと何とも威圧感のある風貌の男──オオトリは凄みのある声を上げるが、それを隣にいたチームメンバーらしき褐色のウマ娘がなだめている。
とうのイリフネはといえば、応募者が自分一人だけという孤独感とここまで連れてきて自分は一目散に帰っていった友人の顔を思い出し、内心はらわたが煮えくりかえりそうだった。
「1人だろうが甘い採点はしない。腑抜けた走りをするものは即刻ここを立ち去ってもらう」
このコーチ先ほどから言葉が強すぎないだろうか?とても存続が怪しいチームのトレーナーとは思えないほどの狂犬っぷりである。
「うちのコーチは口ではああいうけどそんなに厳しい人じゃないから怖がらないで全力で頑張って。あなたが“3人目”であることを信じてるよ」
エジプト風というべきなのだろうか深い紫がかった黒髪を腰あたりで丸くまとめ上げ、意志の強そうな瞳もあって強い女性という印象を抱く。
「面接レースではチーム所属のウマ娘と走り実力と素質を押し量る。準備はいいか?」
「チーム所属ってことは…」
エジプトの彼女の方を向くが、彼女は微笑みながら首を横に振る。
「あたしは“2人目”だからね。走るのは“1人目”の方だよ」 - 481着をねらえ!25/06/03(火) 13:59:45
そう言って視線で示す先から現れたのは1人のウマ娘であった。
ウマ娘に本来存在しているべき耳があるはずの場所には頭につけたカチューシャから耳のようなオブジェクトが浮かび、尻尾があるべき場所には筒状の謎の機械がこれまた不思議な力で浮いている。様相だけをみればイリフネの母やミホノブルボンの勝負服のそれと同じはずであるが、そのどれとも違う異質さとミステリアスさが混在していた。
そして何より、こちらに向けられた瞳、その奥にまるで銀河でも存在しているかのような深い黒の中に星のような輝きが煌めいている。よく、素質ある人間の瞳を星が浮かんでいると揶揄することがあるが、彼女のそれは別格。星どころではない、銀河が瞬いていた。
「レースは5分後に行う。芝1600だ、遅れるなよ」
そのウマ娘の瞳に見とれていたイリフネをコーチの声が現実へと引き戻す。少し目を離すと対戦相手のウマ娘はもうすでにスタート地点へと歩いており、イリフネをも遅れないようにとその後を追いかけるのであった。 - 49二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 15:15:26
さしずめ銀河眼のなんとかウマ娘……?!
1の本物のウマ娘云々はこの子の言葉か - 501着をねらえ!25/06/03(火) 18:53:48
「気になって結局戻ってきちゃった」
ダイナソアンシーが土手に生える木の陰からイリフネの様子を伺っていた。彼女を置いてきてしまった手前、応援をするのも気が引け、かといってそのままにしておくには内容が気になるのでこうして出戻ったわけである。
視線の先では体操着姿のイリフネがレース開始地点となる簡易ゲート前で体を温めていた。そしてその対戦相手は…
「あれま、こんなところにもお客さんが」
眼鏡型スマートデバイスに手をかけようとするダイナの背後からやけに通る声が聞こえた。
思わず素っ頓狂な声を上げながら振り返ればそこには深紫髪のエキゾチックな美女。
「あ、いや私は…」
「そこじゃ見えないでしょ?ほらこっちこっち!」
ダイナ自身もウマ娘であり、それなりに力が強い自信はあったのだがこの美女はそれ以上でぐいぐいと引っ張られ、いつのまにやらコースの柵前へと連れてこられてしまった。しかも隣にはあの怖そうなオオトリコーチが直立不動で腕を組んで立っているのである。
「新規希望者か?」
「見学の子です。ほら、あの子が来た時に一緒にいたじゃないですか」
そうだったか?とそれだけ言って男はターフの方へと視線を戻す。どうもこの男、ダイナソアンシーのことは眼中にも無いようである。思わずムッとするが、自分の実力を顧み溜飲が胃の方へと引っ張られていく。
「君もレースを志すなら見ていくといい。“本物”のウマ娘を」
「本物って…ウマ娘に本物も偽物もあるわけ…それに私もうデビューは…」
「時間だ!レースを始めるぞ!」
オオトリのその言葉への疑問は、彼の大声にかき消されるのだった。 - 51二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 19:09:17
本物に見えない出立ちの方が本物……なんだか詳細を見る前から哲学的なものを感じさせる
- 521着をねらえ!25/06/03(火) 20:49:47
両者ともにターフを蹴り上げ始まったレースはイリフネが独走する形で中盤を迎えていた。イリフネの策は先手必勝、とにかく逃げて逃げて逃げ続け相手に対して勝負をさせない、シンプルであるが高い能力と実力を要求される戦い方だ。まだデビューすらしていないイリフネであるが、それを完ぺきにこなす姿はまさしく優等生。後方で追走する相手との差を着実に広げている。
「(あの人が何をしてくるのかは分からないけれど、ここは自分の走りを押し通すのみ!)」
この練習用レースコースは1周が1200m。1600mの今回は一周と1/3が走る距離となる。相手のウマ娘の走り方を見るに差しや追い込みに近い後半戦向きのウマ娘なのだろうが、今回は大人数立ての本格的なレースではなくタイマンのレースだ。障害となりうるものがないほど逃げとその他とでは差は如実に表れる。
現に間もなく最終コーナーへと入り残り600mを切ろうかというところになっても相手の追い上げは鈍く、未だ5~6バ身差といったところ。対してイリフネは好調に飛ばし続けており、速度に陰りは見えない。
「(本物がどうこう言ってた割に案外大したことないじゃん)」
「レースとは大局的視点で見るものだ」
先ほどのオオトリの言葉にダイナが心の中で吐いた文句を見透かしているように、グラサンを光らせ相も変わらずたいそうな言葉を並べる彼に余計にダイナの中に不信感が募る。
状況はイリフネの優位、スタートからここまで相手のウマ娘がイリフネの頭を超えたことすらない。大局的に見てもダイナにはイリフネが勝つと思えて仕方がなかった。
「見ろ、もうすぐレースが動く」
はいはいそうですかとため息交じりにコーチからレースへと視線を戻す。そして驚愕する。相手のウマ娘がイリフネにもうあと僅かといったところまで肉薄していたのだ。
先ほどまでの圧倒的差はもうそこにはなく、ほんの数舜目を離しているうちに友の喉元まで敵が攻めあがっている光景は彼女にとっては信じがたいものであった。 - 53二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 20:51:58
少し目を離した先に圧倒的差が肉薄とはまた凄まじい
まさに縮地か - 54二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 21:02:58
このレスは削除されています
- 551着をねらえ!25/06/03(火) 21:03:57
「(追いついてきた…!やっぱりこの人ただものじゃない)」
一番焦りを感じていたのはリードを潰されたイリフネ当人であった。無理もない、このごくわずかな間に相手が詰め寄ってきたのだ、しかも自分は依然トップスピード、それはつまりこのウマ娘が単純にイリフネよりも速いということを意味している。
ついに2人のウマ娘が並ぶ。歯を食いしばり、汗を流すイリフネとは対照的にそのウマ娘は汗の一つもなく、ただ冷静に勝負の分かれ目であるこの瞬間の競り合いに殉じていた。見ないようにしていても視界に映るその姿にイリフネの精神も削られていく。圧倒的な実力、そして疲労をおくびにも出さない強者の余裕、勝てないという現実が足元に絡みついてくる。そしてそれを振り払うように足を動かしまたその現実を直視するのだ。
「いい走りね」
その声の主が隣で走るウマ娘だと、イリフネは最初理解することができなかった。よく考えれば状況的にその可能性しかないのだが、それくらい人間離れした、透き通った美しい渓流のせせらぎのような声だった。
目線を向ければ少し微笑んだ彼女の顔があり、そして一瞬のうちに戦士の顔つきへと戻る
それが何かの合図だったのだろうか、彼女のカチューシャ、その上に浮かぶウマミミオブジェクトが両方とも中央から割れ変形し、避雷針のような支柱パーツ2対を露出させる。尻尾の部分に浮かぶ浮遊物もその外殻の隙間から光を覗かせる。
瞬間、プラズマが閃く。
青白い閃光がウマミミを、そして尻尾を形作る。蹴り上げた足が再び地面を踏みしめるよりも早く、光へと姿を変えた彼女は爆発的加速力でイリフネを置き去りにしていく。
1バ身、2バ身…レース中盤までのイリフネがそうだったようにぐんぐんと差をつけていく。
イリフネも必死に追いすがるがその差が縮まることはなく、走れば走るほど置いて行かれる、そんなイメージさえ抱いてしまうほど状況は絶望的だった。
だが、イリフネの表情は消して絶望に染まってはいなかった。むしろ、その瞳に収まらないほどのなにかにひどく興奮しているようにも見えた。
「綺麗…」
陽光が空間を支配する白昼、緑と青のターフへと現れた星よりも、太陽よりも煌めくそれに伸ばした手はついぞ掠めることすらなく、通り過ぎてしまったゴール板が無情にもレースの終わりをイリフネに伝えていた。 - 56二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 21:05:53
この状況でこの気持ちになれるのはイリフネもまたこの子と違う意味で本物感ある
- 57二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 22:15:28
次世代キターーーーー( ゚∀゚ )ーーーーー!!!
- 581着をねらえ!25/06/03(火) 22:56:42
結果だけを言えば、5バ身差の大敗。イリフネはこれ以上ないほどに実力を叩きつけられる結果となった。走り終えて肩で息をするのもやっとなイリフネと涼しい顔の対戦相手の対比など最もだろう。
「なにあれ…あんなのズルじゃん・・・・・・」
ダイナが思わずそう呟いてしまうのも仕方のないことである。誰もがそう思ってしまうほどに彼女は強く、そして現実離れしすぎていた。
こんなにコテンパンに、しかも自分の強い走りをしたうえで負けたとなれば相当に落ち込むのではないかとダイナは友人を心配していた。自分の実力の上から真っ向勝負で叩き伏せられるのは技術で負けた時よりもショックが往々にして大きい。自分もそうなのだからもしかしたら彼女も…そう思って何か声をかけようと近づく前に、イリフネはぴょんと飛び起きてものすごい勢いで対戦相手の方へと近づいて行ってしまった。
「スッッッゴイ走りでした!!あんなにすごいの私この目で見たの初めてです!!」
はたから見ても分かるというレベルで大興奮なご様子で、身振り手振り時折ギャグ調になりながら、己の内側からあふれ出してくる身の丈以上の感情を濁流のごとく吐き出し続ける。その勢いはとどまること知らずで対戦相手のウマ娘も驚いて目を丸くしたまま何もしゃべれずにいた。
終いには彼女の手を取り、目を輝かせると大きく息を吸い込む。
「私の──イリフネのお姉さまになってくれませんか!!」 - 59二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 22:58:09
これがお姉さまとの出会いか
- 60二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 23:16:51
イリフネちゃん、いい子だねぇ
- 611着をねらえ!25/06/03(火) 23:33:55
──後日
朝の挨拶でも
「ウズウズ…」
授業中も
「ドキドキ…」
お昼ごはんの時も
「グルグル…」
イリフネは心ここにあらずといった様子でずっと何かを気にしているようだ。
「…まだ来ないの?合否通知」
「かれこれ一週間待ってるけどまだ…」
食べ終わったカレー皿を乗せたトレーを横にずらし机に突っ伏したイリフネの手に握られた携帯型デバイス。画面に表示されているメールアプリの画面を何度も下方向にスクロールして再読み込みをしても28分前に来た企業の広告メール以外の新着メールはやってきていない。意味もなくぐるぐると回る読み込みのリングに少々イライラが溜まってくる。 - 621着をねらえ!25/06/03(火) 23:34:12
「やっぱりさ、いきなり『お姉さまになってください!』ってせがんだのがまずかったんじゃない?」
「うぎっ…でもあの時はキラキラしていてカッコよくて私もああいう風にないりたいって思ったからつい体が動いちゃってでもよくよく考えるとほぼ初対面の人にああやって迫られたらちょっとはいやだいぶ引くかも…あーん!今考えるとだいぶやっちゃったのですー!もー私のバカバカ!」
「…だめだ、こりゃ」
1人で熱くなって一人で自爆している友を見てダイナは苦笑いを浮かべる。
だが、こういうイリフネを見るのはなんだか新鮮でもある。彼女は大姉妹の長女だからかかなりしっかりした人物で、どちらかと言えば今の彼女のような状態の子の介抱やメンタルケアをするタイプなのだ。いわゆる理想的な長女タイプの彼女がこうも取り乱しているのは不憫ではあるが少し面白くもある。
「きっとそのうち来るって例えば…ほら、今来た!」
「もー揶揄わないでほしいの…」
情け容赦のないいじりに涙目で反抗するイリフネ。だがその言葉が出切る前にメールの着信を知らせる電子音が響く。
差出人:オオトリ・ヒデキ
件名:チーム応募面接レース合否通知
その文字列に瞳が震える。2文字かあるいは3文字か、このメールの中に待ち受ける分岐の言葉に祈りながら、指先が画面へと触れた。 - 63二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 06:57:08
そういやイリフネちゃんは長女だったか
「お姉さま」に憧れがあったからこその呼び方なんだろうな - 641着をねらえ!25/06/04(水) 14:21:08
競技ウマ娘複数人が所属するチームは学園から個別のチーム部屋が与えられる。その規模は人数や所属ウマ娘、トレーナーの実績によってまちまちである。
とある存続ギリギリの新進気鋭の最新チームに与えられたチーム部屋は古くもなく新しくもない中途半端などこにでもあるようなありきたりなもので、少人数チーム向けのこじんまりとした室内にテーブルやソファー、本棚などが置かれ生活スペースとしての要素を主張している。
ソファーに腰掛け過去のレース映像を見ていたエジプト風な褐色ウマ娘──ムーバレズハールは大きなため息とともに天井を見上げていた。
「アタシとあんたの二人だけだとやっぱ物錆びしいわ。早く新しい子が来てほしいわ、ほらこの前の子なんか“3人目”にはピッタリじゃない?」
彼女の語り掛ける先には椅子に座り数秒に一回のペースで本のページをめくるミステリアスな雰囲気のウマ娘。イリフネが対戦したあのウマ娘である。リラックスしているのだろうか、頭のウマミミオブジェクトがゆっくりと回転していた。
「正確にはあの子は“7番目”。私と走って今ここにいるのはその中でムーバ、あなただけ」
無機質な物言いにページをめくる音が重なる。
「その様子だと随分あの子のこと気に入ったみたいね」
にんまりと笑うムーバと呼ばれた少女の言葉にミステリアスな彼女も顔を上げる。
そんな間延びした空気の中で、チーム部屋の扉が勢いよく開く。
「2人ともおはよう」
入ってきたのはこのチームのコーチ、オオトリであった。
「早速今日のトレーニングメニューの確認と行きたいところだが、今日は1人お前たちに紹介して起きたいやつがいる。…入れ」 - 65二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 14:24:06
物錆びしい、誤字というより西尾維新的な言い回しを感じて好き
- 66二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 20:02:39
オオトリヒデキも何か名前に元ネタあるのかな?
- 671着をねらえ!25/06/04(水) 20:25:54
コーチに呼ばれ、1人の少女が現れる。扉の向こうからの日の光に照らされ、美しい尾花栗毛(金髪)のポニーテールが風にそよぐ。
「イリフネです。まだまだ未熟者ですがよろしくお願いします!」
その少女は緊張しきった面持ちで、きゅっと結んだ口元に目が大きく開き、言葉の端が揺れていた。
そんな緊張した少女を出迎えるようにエジプト風なウマ娘が立ち上がる。
「ふむふむ、華の十代、夢見る乙女、フレッシュね!ようこそ、我らがチームへ!アタシはムーバレズハール。そんでこっちが…」
「よろしくお願いします。あ!お姉さま!!」
紹介よりも前に愛称で呼ばれた少女は読んでいた本を閉じ、イリフネの前に立つ。
「お姉さま、これからよろしくお願いします!…ってそもそもお姉さまって呼んでもいいですか?」
顔色を伺うイリフネに少女はふわりと微笑みかける。
「ヒビノミライ」
「私はヒビノミライ。この名前も覚えてほしい」
ウマ娘っぽくないウマ娘、コーチ曰く“本物”のウマ娘──ヒビノミライは『お姉さま』という呼び方には賛成の方向のようだ。
「ヒビノミライ…とっても素敵なお名前なのです!」
「ありがとう。私の一番好きな名前だから」
かくして、イリフネを新たに加えチームは存続の危機を脱するのであった。 - 68二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 20:33:35
一番好きな名前ってことは別名があるのかな
- 69二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 23:33:18
最もウマ娘らしい、というのが一番かけ離れているのがまたミステリアス
名前も一見、名字・名前とも読める - 701着をねらえ!25/06/05(木) 00:16:15
- 71二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 07:26:35
本気の種類(勝負服とそれに対応した領域/固有)で光の性質も変わりそうよね
ものによっては例えば赤とか金とか虹とか黒とかの色になったりバーナーみたいに耳の光が噴き出したり複数の尻尾が出たり光というより小さな宇宙そのものが出たりとかそう言うこともありそう - 721着をねらえ!25/06/05(木) 13:53:29
【募集】(複数個可)
①イリフネが所属しているチームのチーム名
②チーム部屋に置いてあるアイテム(家具や小物)
③今後の展開についての要望
④質問
【テンプレ】
①イリフネが所属しているチームのチーム名
チーム名:
名前の由来:
その他特記事項:
②チーム部屋に置いてあるアイテム(家具や小物)
どんな家具か:
特記事項:
③今後の展開についての要望
要望内容:
詳細:
④質問
質問内容:
詳細:
【期限】
①6/6 19:00
②〜④ 無期限 - 731着をねらえ!25/06/05(木) 13:57:02
【追記】
本日はチームの先輩2人の詳細ダイスを振りたいと思います
ダイスは20:00以降になると思いますので、それまでの時点で要望があれば書いておいてください - 74二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 17:43:21
①イリフネが所属しているチームのチーム名
チーム名:アウラ
名前の由来:人が持つ特別な輝き、カリスマ性、オーラ(ドイツ語)
その他特記事項:ウマ娘は生まれた時点でウマ娘である
そこに本物も偽物もないだろう
本物のウマ娘とはなんなのか
何に魅せられそう称されているのか
ただわかることは、このチームに居るウマ娘は眩い輝きを放っていると言うことだけである - 75二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 18:22:53
①イリフネが所属しているチームのチーム名
チーム名:ORC(オルク)
名前の由来:Odd Radio Circle(ORC、奇妙な電波サークル)と呼称される、2025年現在明確な正体が不明の電波でのみ観測できる天体。
一説としてはスターバースト(大質量の恒星が短期間に数多く誕生する現象)で形成された複数の大質量星が同時期に超新星爆発を起こしたことで銀河風が生じて形成されたものとも考えられている。
参考:
謎の天体「奇妙な電波サークル」は銀河の爆発的な星形成が生み出した?こちらは南天の「くじゃく座」の方向にある「ORC 1」と呼ばれる天体です。ORCは「Odd Radio Circle」の略で、日本語では「奇妙な電波サークル」という意味になります。この画像は南アフリカ電波天文台の電波望遠鏡「MeerKAT(ミーアキャット)」を使って取得されたORC 1の画像を緑色に着色した上で、背景に別の望遠鏡で撮影した星空が合成されています。sorae.infoその他特記事項:未知にして″本物″であるヒビノミライを象徴してオオトリが名付けた名前。
このスレ時空だとだいぶ未来なので解明されているような気がしないでもないけど、その場合は他と異なる在り方と銀河眼を指しての名付けか。
②チーム部屋に置いてあるアイテム(家具や小物)
どんな家具か:想いのエンジン(ジャンク)
特記事項:テクノロジー進歩によって誕生した、知性体の発する想いの力を受けて電力源の粒子を生み出す半永久機関。
パイロットを辞することとなった出来事の中、オオトリがトレーナーになるきっかけとなった部品。
ジャンクであるが一応まだ動いており、チーム部屋のインフラとなっている。
③今後の展開についての要望
要望内容:ヒビノミライのエネルギーへの着目
詳細:彼女の耳や尻尾自体のバリエーションや進化もですが、進化したテクノロジーによって想いの力の運用技術とかがあるなら変色や変形・変身する勝負服とかもあるのかなあ、と。
他の″本物″のウマ娘がこのエネルギーをモノにして対抗するところとかも見てみたい。
④質問
質問内容:このトレセン学園、もしかして地球(母星の意味ではなく太陽系第三惑星の意味)じゃない?
詳細:スマート眼鏡はあるらしく、オオトリの前職やダイナソアンシーの元ネタから宇宙規模での飛行・運送も行われているが、ウマ娘が宇宙走娘をやっているわけではないというかなり絶妙なラインの元で「銀河中央」という未だ詳細が不確かなワードが存在しているので関心が向きました。
- 76二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 18:57:51
③今後の展開についての要望
要望内容:もし可能ならヘブンリィブライトを元少年(イリフネの父)のチームの所属にして欲しい
詳細:と言うか願望
かつて母と鎬を削りあった最強のライバルの血を引く子が今度は最強のエースとして元少年のチームを引っ張る姿がみたい - 77二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 19:06:44
③今後の展開についての要望
要望内容:キンペイバイの娘たちの力を何らかの要因で発現する者らとか見たい
詳細:19人姉妹をみんな出すのはメタ的に全く現実的じゃないけどせっかく設定があるなら領域(想いの形)くらいは何かの形で見てみたいよなあ、と
お姉様について要望:オオトリとは異常な出会い方をしたのか普通の出会い方をしたのか、あと普段鼓膜はどこにあるのか、名前の数とか知りたい - 781着をねらえ!25/06/05(木) 19:23:20
質問にお答えします
トレセンの所在地:太陽系第3惑星 地球 日本
※だけどちょっとだけ未来
この世界の宇宙。科学技術の発展で今よりも少しだけ宇宙開発が進み、地球衛星軌道上のスペースデブリは全て撤去され、民間所有の宇宙船がポピュラーなものとなり、ST-2の駆動機構を拡大応用した作業重機が宇宙開発の現場で広く利用されており、外宇宙探査プロジェクトなんてものまで着手されている。
なお、宇宙船の操縦には別途免許が必要。試験問題は実技と筆記だが、自動車免許試験の悪しき風習がそのまま受け継がれている。
- 79二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 19:26:46
技術的には概ねプラネテスかムーンライトマイルくらいか
- 80二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 19:28:59
銀河中央と言っても少なくとも太陽系規模なのね
とはいえ外宇宙探査に乗り出してるあたり、ジャパンカップがアースカップだかガイアカップだかになってて月代表とかコロニー代表とか火星代表とかが来てたりはするんかしら
あと宇宙船の免許周りで芝 - 81二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 19:32:21
宇宙船で宇宙に行く際には気をつけて操縦しなくてはならない。◯か×か。
×。宇宙でなくても気をつけなければならない為。みたいな問題でも出るのか - 82二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 19:35:37
> ST-2の駆動機構を拡大応用した作業重機が宇宙開発の現場で広く利用
ガンダムで言うモビルトレースシステムや阿頼耶識システムの縮小版ないし人道版がしれっと使われてるのやっぱり大元のウマ娘時空がそもそもテックレベル高いなあってなる
そういえばST-2の基幹技術でもあるフルダイブVRとかもあるし
- 831着をねらえ!25/06/05(木) 21:41:07
それではボチボチダイスを振ります(間隔が飛び飛びになると思うのでこのダイス振って!とか書いてもらえると高確率で振ると思います)
それではまず、3人の誕生日から
イリフネ:dice1d6=4 (4) 月 dice1d30=19 (19) 日
ムーバレズハール:dice1d6=2 (2) 月 dice1d30=24 (24) 日
イリフネ: dice1d12=1 (1) 月 dice1d30=5 (5) 日
- 84二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 21:44:21
イリフネは二度生まれる
……と言うのは置いといてお姉様の数多ある(と言い回し上思われる)名前の中にもイリフネがあるのか……? - 851着をねらえ!25/06/05(木) 22:33:59
- 86二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 22:42:28
②チーム部屋に置いてあるアイテム(家具や小物)
どんな家具か:不死鳥のオブジェ
特記事項:両手で抱えて運べるくらいのそこそこの大きさの彫像
偶然か意図してか空に向かって羽ばたく様にして飾られている - 871着をねらえ!25/06/05(木) 23:26:20
ムーバレズハール
(エジプト語で「熱き決闘者」という意)
のダイスを簡単にですが振ります。必要になったらまた振ります。
・耳飾り
dice1d2=2 (2)
1.右ミミ 2.左ミミ
・スタイル
dice1d4=3 (3)
1.グラマラス 2.適度にメリハリのある体 3.エロ
4.ムッチムチドスケベ
・身長
dice1d20=1 (1) +160cm
- 88二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 01:11:12
ディアハしそうな名前であると同時に現代のクレオパトラや楊貴妃、小野小町と呼ばれたリリスファタールの娘疑惑を感じる「エロ」の二文字だけのスタイル
この字面は彼女かさもなきゃスズカさんorラモーヌの雰囲気だよ…… - 89二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 07:33:21
イリフネちゃん4月生まれか
となると競走馬ママの初体験時期を推測できるようになるな - 90二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 13:10:51
スレンダーを選ばせる気のないスタイルの選択肢よ
- 911着をねらえ25/06/06(金) 15:31:58
「エロ」とはどういう方向性?
1.シンプルに体がエロい
2.纏ってる雰囲気がエロい
3.繁殖したい体
4.1+2+3
dice1d4=3 (3)
- 92二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 15:38:35
なんか前作主人公と収斂進化起きてますね……
- 931着をねらえ!25/06/06(金) 15:47:13
ムーバレズハール
耳飾り:左ミミ
身長:171cm
スタイル:思わず繁殖したくなるエロい体
容姿:エジプト風・褐色
こんなスケベな先輩でいいのかと思いますが、かのトップをねらえ!のユング・フロイトも大概エロなので大丈夫だと思います。たぶん - 94二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 15:49:19
しれっと身長10cm増えてて芝
- 951着をねらえ!25/06/06(金) 15:53:59
普通にミスですね正しくは161cmです
- 961着をねらえ!25/06/06(金) 16:37:13
とりあえずこんなもんですかね?CVとかは知ってる声優さんを過去スレで使い果たしちゃったのでこんな人はどう?ってアイデアがあったら教えてください
その他のアイデアとか振って欲しいダイス内容も募集してます(スリーサイズは○○・○○・○○にしようぜ!みたいなのでも大丈夫です。サイズ的なのは参考に画像とかつけてくれるとありがたいです) - 97二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 17:52:25
- 98二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 19:11:33
洲崎綾さんって出てたっけ
前スレからイリフネはそのイメージで読んでたわ - 99二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 19:24:35
洲崎さんが挙がってみるとヒビノミライもそうっぽく思えてくる
多分艦これの響あたりのせいというか同じ演者でかなり幅あるのが悩ましい
イリフネに洲崎さん振るならこっちはなんだろう
……なんか静かそうで案外図太そうだから林原めぐみさんとかもありに思える - 100二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 19:38:08
イリフネは意外とりえりーとかでもいけそう
- 101二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 19:52:54
ムーバレズハールはナンジョルノとかいいかも
- 102二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 22:05:45
種﨑さんの名前出てきて配役考えてたのはそれこそヒビノミライだなあ
- 1031着をねらえ!25/06/06(金) 22:54:50
- 104二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 22:55:58
天体名の方になったか
- 1051着をねらえ!25/06/06(金) 23:03:54
声優さんの方は後でスレに上がっている分はスレ主が全部サンプルデータなりを漁って良さそうな人を選んでおきます。(だいぶスレ主のセンスが影響してくるのでご容赦ください)
今日はヒビノミライの方をダイスを振る……と言いたかったのですが実はこの子に関してはほとんど決まっているので少しだけ設定を開示しておきたいと思います
ヒビノミライ
耳飾り:???
毛色:???
誕生日:1月5日
身長:チームで1番小さい(平均よりはある)
好きなもの:ウマ娘、レース、カレー
スリーサイズ:機能的合理性特化ボディ
その他:「ヒビノミライ」という名前が好き - 106二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 23:06:29
耳飾りも毛色もわからないのか
- 107二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 23:13:54
やはりと言うか体型的にもこの子が一番速かったか
そして思ったより極端な身長してなかった……というよりムーバの161やもっと高いかもなイリフネが高いと言うべきなんだろうな
耳飾りと毛色は可変とかだったりする可能性もありそうだなあこれ
特に耳飾りについては>>70を見るに基部はどちらにも取れるし“本気“の種類によって耳の出力や性質、色などで左右が適宜変わる感じある
- 1081着をねらえ!25/06/07(土) 00:08:39
イリフネ'sメモ②
「チーム オルクのメンバー」
私イリフネが所属するチーム「オルク」は元宇宙パイロットであるオオトリコーチが設立したばかりの新進気鋭のチームなのです。
元専属契約ウマ娘でチームの主力。ミステリアスでお美しい"1人目"お姉さまこと『ヒビノミライ』
優しくて明るいムードメーカー。実はチームのウマ娘では最年長で何年も現役で走っているベテラン。"2人目"ムーバレズハール
そして記念すべき"3人目"が私、イリフネなのです。
今回はこのチームの中の㊙️情報を教えちゃうのです。
<身長>
ヒビノミライ<ムーバレズハール<イリフネ
実は私が1番身長が高いのです(えっへん)でもオオトリコーチはもっと高いのでビックリなのです。
<おっぱい>
ヒビノミライ<イリフネ<<<ムーバレズハール
ちょっと理不尽すぎるのです。別に私はペチャパイじゃないのです!お姉さまはギリシャ彫刻のように美しいのでそのままでいいのです。
あ、でもドンちゃんとかお母さんの方がもっと大きいのです
<ご飯を食べる量>
イリフネ≒ムーバレズハール<<<<<<ヒビノミライ
お姉さまはたくさん食べるのです。もしかしてお姉さまの強さはたくさんご飯を食べるところにもあるんでしょうか?
<実力>
イリフネ<<ムーバレズハール<<<<<<<<<<<ヒビノミライ
悔しいですけどこれが今の現実なのです。でもイリフネは諦めません!諦めないことこそレースでは最高の武器になるっておじじ様が言っていたのです!
- 109二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 07:40:52
ムーバレズハール…伊藤静さんってもう誰かで出てたっけ
- 1101着をねらえ!25/06/07(土) 14:29:19
「997…998…999…1000!」
カルマン渦の起こすヒュンヒュンという風切り音に少女の額から汗が流れ落ちる。
もうすぐ夏が見え始め、季温も上がってくる頃、近年でも止まることのない高温化によりまだ春先を超えて少しだというのにうだるような暑さとそれをもたらす太陽光が人々の体を突き刺し、水分と活力を奪っていく。
炎天下といえてしまうそんな日差しの中、体操着姿の少女は丁度千刻みの縄跳びを終え、滴る汗をタオルで拭うとすぐそばに立つサングラスの男の元へと向かう。
「コーチ!縄跳び1000×10セット終わりました!」
「よし、10分休憩したのちランニング500週だ!」
「はい!」
そのスピーディーな掛け合いに周りのウマ娘たちは驚愕とともにドン引いていた。縄跳び1000×10セットというのでもおかしいが、ランニング500週はもはや修行僧とかお釈迦様のやる自傷行為寸前の苦行だろう。
勿論、スパルタ理論によるトレーニングを行うトレーナーとそれを難なくこなすウマ娘がいないわけでもないが、それを本格化に明確に到達しているかどうかも怪しいウマ娘に行うというのは常軌を逸しているといわれても仕方がないだろう。
「頑張るねぇ、あの子」
「あんなにハードワークしてたらいずれ壊れちゃうわよ…」
周りの目は心配やあくどいトレーナーに捕まったんだなという憐みの視線で溢れ、ご愁傷さまにと心の中で念仏を唱える。
しかし、当の本人であるイリフネに嫌がるそぶりは一切なく、過酷そのものであるトレーニングに弱音の一つも吐くことはなかった。 - 111二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 14:38:15
なるほどこの方針だとチーム員厳選するよな
もしかするとヒビノミライと同じ次元に立たせようとしているのだろうか - 112二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 21:01:05
ハードトレーニングにも意図があるのだろうか
- 113二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 00:35:01
②チーム部屋に置いてあるアイテム(家具や小物)
どんな家具か:ミニプラネタリウム
特記事項:天体がチーム名と言うことで
たまにヒビノミライが一人で使っている - 114二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 08:32:29
本渡楓さんとか…
- 1151着をねらえ!25/06/08(日) 10:06:31
「(今の私には足りないものが多すぎるのです)」
イリフネの脳裏に蘇るのはあの日のお姉さまの後ろ姿。走れど走れど置いて行かれるあの悔しさはまだ忘れてはない。だからこそ今の己のふがいなさが目に付く。大姉妹の長女、名ウマ娘の娘としてのプライド、父やおじじ様から指導を受けていたという自信、うぬぼれではないが目を覆うほどの大差負けなどしないだろうという根拠のない自信があったというのは事実だ。それなのに結果は大差負け、トゥインクルシリーズを現役で走っているウマ娘とデビュー前のウマ娘の大きな隔たりを身をもって知ることとなったのだ。
この差はうなだれていても埋まることはない。今のイリフネにできるのは努力して努力して努力し尽くすことのみ。あの日見た輝きに近づくため、どれほどに過酷なトレーニングであろうと投げ出すようなことはできないのだ。
「だけど、無理のし過ぎはいけない」
「おっ…お姉さま!?」
もうすぐ3桁目の周回に差し掛かるころ、いきなり横からかけられた声に振り向くと、やはりその透き通る声はお姉さま──ヒビノミライであった。
「いたずらに体力をすり減らす走り方をしてはダメ。私のペースに合わせて」
突然に始まったお姉さまとの併走、自分の胸が高鳴っているのが分かる。
それにしてもこうまじかで見ると彼女の走り方の美しさに目を奪われてしまう。どんなに優れたウマ娘であろうと多少なりとも上下方向への揺れが発生する。それは物理法則上仕方のないことであるのだが、ヒビノミライはその揺れが全くと言っていいほど感じられないのだ。速度が極限まで早くなればその限りでもないが、走り込みというある程度の速度を維持した状態であっても地面を蹴り上げる力その全てを前方への加速に使えている走り方は無駄が少なく、真似をしようとしてもそう簡単にはできないだろう。
これがトゥインクルシリーズを現役ウマ娘の才能・実力、今のイリフネが目指す姿だ。 - 1161着をねらえ!25/06/08(日) 12:31:56
「イリフネちゃん頑張りますねぇ」
グラウンドの朝礼台の前、腕を組んで立つコーチの隣にムーバレズハールが現れる。
シャカリキに頑張るイリフネの様子を見て関心といった様子で、わざとらしく手で双眼鏡を作るジェスチャーをしている。
「当然だ。このトレーニングに着いて来れるものを選抜するためのあの試験だ」
厳しい言葉で鬼コーチという内外のイメージに似合う言葉を吐くオオトリであるが、そんな彼にムーバレズハールはその長い耳をピコピコと動かしニンマリと笑う。
「本当は“ミライのため”の試験なんじゃないんですか」
「………」
その言葉にコーチは何の言葉も返さなかったが、ピクリと動いた口の端が彼の真意を伝えていた。
「もうすぐお前の次のレースだ。今日は調整と作戦の確認をするぞ」
ぶつ切りにされた会話に不満を言うこともなく、コーチの指示に従い彼女は準備運動に入る。長年レースを走ってきて慣れてきているのだが、どんなものでも基本をおろそかにするほどけがや事故につながる。入念に体を伸ばし、そのたびにジャージの下の豊満な体が布を押し上げ、豊かな尻がブルマ越しにその下の薄布の形を主張し、屈んだ表紙に太ももに押し付けられた乳房が柔らかくつぶれる。
「…コーチ、見てます?」
「見ていない」
即答であった。 - 117二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 12:44:03
どうやってヒビノミライと会ったかはわからないがそういう欲求を宇宙のどこかに落としてきた感はあるオオトリさん
- 1181着をねらえ!25/06/08(日) 21:16:08
「ゔあ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙…体゙が゙軋゙む゙の゙で゙ず~゙…!」
その日の夜、ウマ娘たちの秘密の花園、学園の寮の一室からはとても十代の乙女が出していいものではないひび割れた悲鳴が響いていた。声の主はやはりと言いうべきかイリフネであり、自身のベットの上に突っ伏していた。
「お疲れさん、今日も随分しごかれたね」
激しいトレーニングにボロボロになって帰ってきたルームメイトにダイナソアンシーは声をかけつつ、彼女の足をケアするようにマッサージをしてあげていた。いつもならイリフネ自身でやっているのだが、今日のトレーニングの強度はいつも以上だったようで、身体能力と頑丈さが売りの彼女が悲鳴を上げて動けずにいるため仕方なくダイナソアンシーがケアをしてあげているというわけだ。
「うぅ~…こんなことやってもらっちゃってごめんね…ぐ゙ぎ゙ィ゙!」
「しゃべんない!」
イリフネとしては他人に何かしてもらうというのは後ろめたさもあり、感謝と謝罪の言葉をかけたかったのだが、しゃべることによって体内に発生する振動にすら体が悲鳴を上げ、ピクピクと死にかけの魚のように震え、泡を吹いて白目をむきかけていた。
真面目で優しいがなんだか残念な友人に苦笑いを浮かべつつ、現役ウマ娘として数年間続けている足のケアの手を休めることはない。 - 1191着をねらえ!25/06/08(日) 21:17:37
「それにしても、あなたの体って本当にきれいな体してるよね」
ダイナソアンシーもウマ娘という美女ばかりの種族においても上位の容姿をしているが、目の前のイリフネはそれ以上であり、今まさにダイナソアンシーが触れている肌はキメ細かく、力が完全に抜けきり柔らかくなったふくらはぎはそれそのものが持つ高いポテンシャルが感じられる。
それだけではない。長身で映える長い手足はモデルそのもので、細く傷のない指先にはささくれの一つもなく、爪は光を反射し艶を帯びている。腰はかなり括れているのにその細い腰から繋がる臀部は筋肉がみっちりと詰まって大きい。ちょっと太めのウエストなダイナからしてみれば完全敗北である。ただ天も2物までは与えても3物は与えなかったようで、胸に関してはダイナの完勝である。
そして何よりも、普段はポニーテールで纏められている金髪である。ほとんど手入れしなくてもサラサラで艶があり、跳ねることもなく櫛を通せばその通りに流れていく誰もが羨む髪質に、神話の女神のような淡いシャンパンゴールドの優麗な髪色。風が吹けばそれだけで値千金の絵画のようになるイリフネの象徴的な部分なのだ。
「ふふ…勿論なのです!何故ならば、この体はお母さんとお父さんから貰った自慢のォ゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙」
「落ち着いてからしゃべれい!」
結局その日は時計の針が真上を通り過ぎて少し経つまで寮の一室から悲鳴が途切れることはなかったという。 - 120二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 21:24:14
おそらく骨盤も大きいんだろうなあ(母親の特性を見ながら)
- 121二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 00:39:54
>胸に関してはダイナの完勝
容赦ない
- 122二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 07:22:16
イリフネちゃんがお母さんについて言及しているだけでニヤニヤしてしまう
- 123二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 13:59:30
汚い悲鳴好き
- 124二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 21:21:31
②チーム部屋に置いてあるアイテム(家具や小物)
どんな家具か:謎のタマゴ
特記事項:縞模様が描かれている人間の顔くらいの大きさのタマゴ。
中に何が入っているのかも分からないが、オオトリからは厳重に扱う様に言われている。 - 125二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 23:59:21
ド根性!
- 1261着をねらえ!25/06/10(火) 00:14:37
翌日、学園には昨日の過酷なトレーニングの影響など感じさせない軽やかな足取りでチーム部屋へと向かうイリフネの姿があった。鼻歌交じりにスキップする彼女を見て昨日の夜に乙女にはふさわしくない悲鳴を上げていたウマ娘と同一人物とはとても思えないほどである。
やがて扉の前に着くと、来るまでに少しばかり乱れてしまった前髪を整える。身だしなみの乱れは心の乱れ、コーチや何よりもお姉さまに情けない姿を見せるわけにはいかない。手の感覚で整ったのを確認するとドアノブを捻る。次の瞬間、違和感を感じる。
イリフネがチーム「オルク」に所属してからそれほど時間が経っているわけではないが、この時間帯にチーム部屋に来るといつも扉の向こうからは明かりが漏れ出ていた。それはチーム部屋の大窓からちょうど太陽の光が差し込むからであり、今日は快晴なのだから少々眩しいくらいの光が照ってきてもいいくらいなのだ。
しかし、今日ばかりは光の一つも漏れ出ることはなく、深い闇が空間を区切り取っていた。
「お疲れ様なので…す…」
意を決して扉を開けると、部屋が暗い理由はすぐに分かった。大窓小窓その全てがカーテンで閉め切られており、しかも厚手のカーテンまでも閉じられているという徹底ぶりだ。
だがそれよりもイリフネが驚いたのは暗い部屋の天井や壁に映し出された無数のキラキラと輝く光にだった。
これは…プラネタリウムだろうか。イリフネはこういうものについてはあまり詳しくはないが、確か家用のホームプラネタリウムの類の商品が発売されていたはずだ。それでもいえようということでいくらかしょぼくさいものだとタカをくくっていたのだが、これを見てはそんな考えは捨てたほうがよさそうだ。 - 1271着をねらえ!25/06/10(火) 00:16:14
「おはようイリフネ」
光の発生源、ホームプラネタリウムが置かれたローテーブルの前に置かれたソファにはヒビノミライが座っていた。恐らく、彼女がこの機械を使用しているのだろう。
「急用が入ってあの人は暫く来れないから、こっちにおいで」
そういってぽんぽんと自分が座っているソファの空いている空間を叩いてイリフネを誘うので、彼女としても断る理由もなくすっぽりと収まる。不死鳥の置物やら正体不明の卵型オブジェの陳列されたカオスなチーム部屋が今この瞬間だけはイリフネとヒビノミライ、2人だけのプラネタリウムへと変わっていた。
「お姉さまはプラネタリウムがお好きなのですか?」
「わからない。でも、この景色は懐かしくて安心する」
ふわりとほほ笑むヒビノミライのその顔。何度見ても慣れることはない、そう確信できるほどにイリフネの胸をときめかせる。銀河を抱くその瞳が僅かに細められ、瞼で乱反射した輝きはだからといって網膜を突き刺すことはなく、むしろ優しい光としてその微笑みにより一層の美しさに貢献してるとさえ言える。
「これ、お姉さまの私物ですか?」
「あの人がくれたもの」
コーチよりも先にムーバレズハールが来るまでの十数分間、昼間の星空は少女二人だけの物であった。 - 128二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 08:43:28
朝の保守
- 129二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 15:58:38
懐かしい…星空がよく見える様な場所の出身なのかな
- 1301着をねらえ!25/06/10(火) 21:20:22
イリフネ'sメモ③
「一問一答コーナーなのです」
Q:朝はご飯派ですか?パン派ですか?
A:納豆ご飯派なのです!
Q:ミニスカートとホットパンツはどっちの方がよく履きますか?
A:ホットパンツの方が履く機会は多いのです!
Q:体を洗う時(洗髪や洗顔を除く)はどこから先に洗いますか?
A:汗で痒いので首周りを最初に洗いがちなのです
Q:付き合うならどんな人がいいですか?
A:お父さんみたいにカッコよくて優しい人がいいのです!
Q:自分の体に自信はありますか?
A:もちろんなのです!何故ならばッ!この体はお母さんとお父さんからの授かり物なのだから!
Q:でも最近胸周りを気にしてましたよね?
A:あっ…あれはトレーニングの結果が出たか確かめてただけなのです!!それに女の魅力は胸だけじゃないって本に書いてあったし、生物学的にはお尻の方が魅力的に映るって書いてあったのです!!
Q:……お母さんはあんなに大きいのにね
A:それを言ったら戦争なのです!ダイナ!! - 131二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 00:16:46
頑張れイリフネ
- 132二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 06:57:11
ダイナソアシーちゃんはイリフネママと会ったことがあるのかぁ
さぞ圧倒されただろうに - 133二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 07:35:05
背格好はかなり違うけど親子で質量や体積はあまり変わらない気がするからマジで大きいと思うのよお母さん
- 134二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 09:02:13
ムーバレズハールを、どうにもムーバレズハーレムに空目する
- 135二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 17:15:31
ちょっと見たくなってきちゃったじゃないか!
- 136二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 23:22:58
そのタマゴそこの不死鳥が産んだタマゴじゃないか?(てきとう)
- 137二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 06:52:38
この調子で過去スレに登場した子たちやパパ・ママの登場も期待したいところだが、チームオルクの面々の活躍も気になる
ヒビノミライちゃんがミステリアスすぎて気になるんよ - 1381着をねらえ!25/06/12(木) 09:44:47
(更新が滞ってしまい申し訳ありません。あとちょっとで余裕を取り戻せそうなので気長にお待ちください)
イリフネの自己紹介なのです!
イリフネ | Writeningイリフネ 二つ名: - ウマソウル:牝馬 学年:高等部1年 出身:東京 身長:170cm スリーサイズ:B81・W57・H90 好きなもの:アニメ、プラモ、特撮、レース 苦手なもの: - 脚質:逃げ 毛色:尾花栗毛 主な勝ち鞍: - …writening.netこっちはお母さんの紹介なのです!
キンペイバイ 諸設定 | Writening【ウマ娘】 キャッチコピー>ミニマムボディの白金少女 誕生日>12月21日 身長>131cm(デビュー時)→136cm(ラストラン) 体重>片方でスイカ1玉分 スリーサイズ>B104・W52・H86(デビュー時)→B117・W5…writening.net(イリフネのモデルになっている架空馬のお父さんはタイキシャトル)
- 139二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 13:56:39
- 140二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 14:58:06
- 1411着をねらえ!25/06/12(木) 20:38:39
トレセン学園の授業形態は特殊だ。
普通の学校であれば午前の1~4校時、午後の5~7校時のように午前と午後に授業が分散しているのが一般的であるが、ここトレセン学園ではその限りではない。
一般的学習と同等以上にレースに比重を置いているこの学園では一般科目の授業は午前中のみであり、午後はレース関係の授業やトレーニングに使用されている。それでは一般社会に出た時の基礎学力に問題が出ると、この授業形態を初めて知った者は謎の義憤に駆られがちなのだが、トレセン学園での一般科目は所謂圧縮授業であり、中高一貫という性質もあってそこまで大きな差は開きにくいどころか、サイエンスやテクノロジーの分野で活躍する著名なウマ娘を輩出しているという実績が彼らの口を噤むのだ。
さて、今は午前11時30分を少し回ったところ。お昼のチャイムが鳴るまであと少しというこの時間帯は空腹も最高潮。基本的に大ぐらいなウマ娘達は皆浮足立ち、授業への集中も上の空になりがちだ。
イリフネもまたその一人であった。普段はちょっとドジな優等生で通っている彼女であるが何かに思いふけっているのか、金属フレームで支持されたガラス越しの青さに瞳を染めて授業のことは右から入って左に出て行ってしまっている
「えー、以上の歴史からウマ娘にはその内に肉体及び精神に何らかの影響をもたらしている物があるというのが通説となっていましたが、その存在の証明までは至っていませんでした。しかし近年になり、これが科学的に証明され魂の存在がオカルトから科学となったのです。では、この証明をした科学者の名前を……イリフネさん」
彼女は悩んでいた。それは目の前の近代史の授業のことなど気にならないほど大きな悩みであった。
「(メイクデビューか…)」
競技ウマ娘を志す以上避けては通れないものがある、それがデビューだ。どんな事柄にも「始まり」を意味する物がある。学生の始まりは入学、会社員の始まりは入社、それと同じく競技ウマ娘の始まりがデビューなのだ。
このデビューというのはウマ娘に関係する事柄の中でも殊更に特殊な形態を取っている。 - 1421着をねらえ!25/06/12(木) 20:40:08
その中で1番特徴的なのはメイクデビューは“何歳“からでもできる、というものだろう。トレセン学園および地方トレセンまたはそれに類する機関に所属していることという条件自体はあるものの、レースの世界の年齢というのは意外とレパートリーに富んでいる。
それはウマ娘特有の現象である「本格化」が深く関わってくる。
ウマ娘の能力はある時期から飛躍的に上昇し始める。これが「本格化」と言われ、ウマ娘がデビューを決める基準となる重要なファクターとなる。最近の研究ではこの事象は第二次性徴と何かしらの因果関係が指摘されているが、大事なのは“個人差”があるということだ。つまりレースを志す多くのウマ娘と同じようにトレセン学園中等部に入学する12歳以前に本格化が訪れることもあれば、高等部卒業間近の18歳になってようやく本格化の兆しが現れるなんてこともあるのだ。
本格化をしているウマ娘とそうでないウマ娘とでは歴然とした能力差が現れることが多く、ウマ娘を指導するトレーナーにはこの本格化を見極める眼が必要であり、時期を逃すことも早すぎることもない適切な時期にデビューさせる必要があるのだ。
それは1回デビューすれと2度と競技ウマ娘として再デビューはできなくなり、強制的にクラシックまでのレース日程が拘束されてしまうという制度上の問題と“本格化には期間が存在する”という肉体的問題の2つの問題があるからだ。この2つの問題はウマ娘のレース人生に大きすぎる影響をもたらし、新人トレーナーが個人契約を結ぶことをよしとしない風潮はこういった問題があることに起因している。
デビューの基準はウマ娘の数、トレーナーの数だけあるが1つの古典的なメソッドがある。それは数か月単位のトレーニングデータのタイムを比較し、明確に上昇が見られた場合にgoサインを出すというものだ。ひどく数学的な方法であるが、数字が嘘をつくことはない。個々人により上がり幅もその時期もバラバラで明確な変化も時間が経ってから振り返ることでしか分からない、そんなあやふやなものに向き合うにはこれが一番合理的なのだ。
「イリフネさん?」
そして、イリフネのデータは彼女の成長を雄弁に示しており、直近のデータを見てもデビューしても十分に走れると言えるレベルに達していた。
彼女ももう16歳である。デビューするにはこれ以上ない時期だろう。だが彼女は悩んでいた。 - 1431着をねらえ!25/06/12(木) 20:41:26
「イリフネさん!」
「はっ…はい!」
「質問に答えてください」
クラスでも有数の優等生の珍しいタイプの失敗に学友たちも驚いていた。馬鹿にするような笑いもなく、彼女が普段クラスメイトからどのように思われているのかが分かるだろう。
「えっと…アグネスタキオンさん…です」
「正解です。アグネスタキオン博士が提唱した『ウマソウル理論』により魂や思考の持つ力を科学的に解析することができるようになり、現在広く普及しているモーメント動力のような人間の感情を動力にする動力が開発されることになりました。最近のニュースでは人間の思考を純粋数学に適用し推進力を得るアルゴリズムイメージ推進法の研究も─────」
教科書を両手に抱えたままイリフネは席に深く座り込みため息を吐く。その視線の先、文房具やら教科書やらが積み上げられ散乱している机の上、『メイクデビュー出走登録手続き書類』と書かれた紙に、目線は重く下がるのだった。 - 144二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 23:32:48
未来の話をしてくれるのちょっとワクワクするよね
イリフネちゃんは原案(架空馬)の時点で結構設定が練り込まれてたけど、それがどうなるかも気になるところ - 145二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 07:28:12
ウマソウルが一種のサイキック能力みたいになっておる
これはトップレスになる日も近いか - 146二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 08:00:19
恒星間走行ウマ娘「エルトリウム」が誕生しそうなワードが
- 147二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 16:05:46
人間の感情を元にした動力…暴走もしそうだな
- 1481着をねらえ!25/06/13(金) 16:11:29
この紙がイリフネの手元にやってきたのは昨日のことであった。
走り込みトレーニングの終わり際、グラウンドを整備していたイリフネにコーチが手渡してきたのだ。
「これを記入しておけ。親御さんの判もいる、休日明けに提出しろ」
相も変わらずぶっきらぼうであるが、トレーニングを続けていく中でこの人間が怒ってはいないということくらいは分かるようになっていた。
しかし困ったものだ。イリフネ自身、デビューには前向きではある。それはお姉さまに追いつきたいという気持ちもあるが、母の娘として生まれ、周りにレース関係者の多い幼少期を過ごしてきたこともあって自然とウマ娘レースへの関心は高かったのもある。同級生たちが次々に本格化を迎え、トゥインクルシリーズという一生に一度という大舞台に走りだしていくその背中を見つめながら、いつかは自分もあの場所で走ってみたいという願いは常に抱き続けていた。
だから、これを書くことに躊躇いはなかった。なら何がイリフネを悩ませているのか。
一言でいえばそれは、彼女のプライドや責任に起因するものであった。
イリフネは大姉妹の長女である。常に理想的な姉であることに努め、幼い妹たちにとっては憧れのお姉ちゃん、歳の近い妹たちにはよき手本となれるように、そう思って生きてきた。
だからこそ、レースへのデビューという彼女のこれまでがメッキのように剥がれるかもしれないものに恐怖を感じているのだ。もし、勝てなかったらどうしよう、妹たちにカッコ悪いと思われたらどうしよう……大好きで大切な妹達の姉であるという彼女のアイデンティティそのものが彼女を苦しめていた。 - 149二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 19:14:44
テーマからしてメッキは剥がさないといけない感あるのがまた難儀だ
- 1501着をねらえ!25/06/13(金) 21:33:41
「あんれま、今週も実家帰り?」
「妹たちと遊ぶ約束をしてたのです」
寮の玄関口に隣接している寮長室の主である寮長は特徴的な東北訛りな口調でイリフネの手渡してきた外泊届に目を通していた。
「イリフネちゃんは妹思いでほんにいぃ姉っちゃだね」
話し方自体は田舎のおばあちゃん的なのだが、見た目の若々しさが目に映るものと耳から聞こえてくるものの不一致を起こし、なんだか不思議な感覚にしてくる。
紙を翻しビシッと音を立てて机に置くサマは若々しさにあふれているのに、ハンコを押す所作からはどこか品格と重厚な年月を感じてしまうのだ。
「はい、受げっとったよ。帰り道は気つけで帰るんだよ」
微笑み手を振って見送る寮長に手を振りながら、イリフネは寮を離れた。
「…本当に2歳差なのか怪しいのです」 - 1511着をねらえ!25/06/13(金) 23:49:16
「おねーちゃんおかえりー!」
イリフネの実家はトレセン学園近くの府中の住宅街にある。学園からは目と鼻の先にあるので、寮ではなく実家から通えばいいのにとよく友人から言われるが、トレーナーの父や元トレセン生の母曰く「あそこは友達をたくさん作って社会性と協調性を学ぶ大事な場所だから」と寮に入れることに大賛成な立場なため、イリフネや今現在トレセン学園に通っている妹たちはみな寮で暮らし、休日になると時たま家に戻るというライフスタイルをとっている。
さて、そんなたまにある姉の帰省を察知したのか玄関の扉を開けてその中に入るよりも前に、扉の向こう側から弾丸のような速度で飛びついてきたのはまだ小学校に入りたての妹であった。その後ろから続々と小6未満の妹たちが出迎えに訪れ、それなりに広いはずの玄関はぎゅうぎゅうと押しくらまんじゅう状態になってしまった。
「あら、おかえりなさい。荷物預かるね」
リビングの方からパタパタと駆けてくる小さな影。エプロンと左手薬指に輝く銀の指輪がその人物が大人であると教えてくれるが、小学生くらいの身長がそれを非現実的にしている。
「ただいまなのです」
娘の手荷物を預かるとその人物──彼女の母親であるキンペイバイはふわりとほほ笑みを浮かべるのであった。
「おねーちゃんチームはいったのほんと?」
「本当なのです。お姉ちゃんよりもずっと強い人がいるのですよ」
「うそだ~おねーちゃんよりつよいうまむすめなんていないじゃん!」
大家族用の5人座ってもまだ余裕のあるソファでは、その中心に座るイリフネに群がるように妹たちが口々にあれやこれやと話しかけていた。
今年は忙しいからとなかなか帰ってきてくれなかった姉の久々の帰省ということもあって妹たちも大盛り上がりであり、ある子は100点を取ったテストを見せて褒めてもらおうとしたり、ある子はちびっこレースの入賞メダルを見せてきたり、中には倒立ができるようになったから見てとその場で倒立をしてしまう子もいた。そんな妹たちをイリフネは全員ギュッと抱きしめ頬ずりして愛を伝える。こうして抱き寄せてたくさん抱きしめるというのはこの家での愛情表現の一つであった。 - 1521着をねらえ!25/06/13(金) 23:52:12
「おねーちゃんおにごっこしてあそぼ!」
「ドンちゃんずるい!おねーちゃんはボタニとおままごとするの!」
「こらこら、お姉ちゃんはどこにも行かないからみんなで一生に仲良く遊ぼうね」
たとえ姉妹喧嘩が起きそうになってもイリフネは焦らない。自身も含めて妹とは何回も喧嘩をしてきたし、妹同士の喧嘩の仲裁もしてきた。基本的に全員聞き分けもよく、素直でいい子たちなのだが、これと決めたことを曲げたがらないのは両親の血を姉妹全員が色濃く受け継いでいるのだろう。そのため、姉妹喧嘩の仲裁は双方が納得できる落としどころまでもっていくのが最善手なのだ。
追いかけっこやおままごとと午前中は目一杯遊び、お腹の虫を鳴らすお昼時。テキパキと昼食の準備をする母の手伝いを姉妹全員でして、食卓に着くころには大テーブルにずらりと料理が並べられていた。
「お手伝いありがとうねイリフネちゃん」
「家族なんだから当然のことなのです。お母さんこそ、自分の体に気を使ってほしいのです」
ポンと胸を鳴らすイリフネにうれしそうに笑うキンペイバイはエプロンを外すと椅子の背にかけ置く。余裕のあるエプロンだったためにあまり目立っていなかったが、それがなくなったことにより、幾たびの出産を経験し大きくなった乳房の陰に隠れるようにつつましくも確かに主張する腹部の膨らみが現れた。身長130cm程度の小さな母は今年もまた新たな命を宿していた。 - 1531着をねらえ!25/06/13(金) 23:53:58
「それにしても、いきなり帰ってきてどうしたの?何か悩み事?」
料理にがっつく育ち盛りの妹たちに大皿の料理を取り分けているイリフネにキンペイバイが語り掛ける。それはイリフネの内心をお見通しといった様子であり、まだまだ若々しい容貌からあふれ出るベテランの母としての威厳といったものまで感じられるほどだ。
「実は…ちょっと相談したいことがあるのです」
娘のいつもの明るい笑顔がほんの少し陰ったことを母であるキンペイバイは見逃さなかった。これはきっと、彼女からの助けてほしいという無意識のサインだろう。
イリフネももう16歳である、人生の岐路や大きな壁にぶつかってもおかしくはない時期だ。ならば、ここは親として最大限できることをしなくてはならないだろう。
「……お父さんも一緒に聞いてもらっていいかな?」
「お母さんとだけ、話したいのです……」
その返答からキンペイバイは確信した。娘の悩みはきっと競技ウマ娘としてなのだろうと。 - 154二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 08:14:21
ペイバイちゃん優しいなあ
- 155二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 15:55:50
娘の心理を察するのがうまい
- 1561着をねらえ!25/06/14(土) 17:06:51
──その夜、娘たちを寝かしつけたキンペイバイが寝室のある2階から降りてくると、リビングには長身を縮こまらせてちょこんと座るイリフネの姿があった。
夫はチームのウマ娘の次のレース用のプランニングや各種書類に取り掛かって仕事部屋からは暫く出てこれないので、今このリビングにいるのはキンペイバイとイリフネ、母と娘だけであった。
薄手のネグリジェの裾を押さえ、娘と向かい合うように座る。もうそろそろアラフォーと呼ばれる年齢も見え始め、10数人を超える子供たちを産み落とし、今もなおその胎に愛しの夫との新しい命を宿しているにもかかわらず、その肌はハリとキメ細かさを残し、まだまだ若々しい容姿と、低身長にもかかわらずメリハリに優れた所謂トランジスタグラマーすら超えた恵体もあり、きっとこれからもイリフネの妹たちは増えていくのだろう。
「相談ってなに?」
キンペイバイの声は特有の周波数でもあるのか聞くものを安心させる力がる。現在でも現役なラジオパーソナリティーとしてもその声はとても人気で、特に深夜帯に放送されている番組はそれそのまま睡眠導入用に使えるともっぱら評判である。
それはこうして対面で向かい合った時にこそ真価を発揮し、言いづらいことも彼女にはつい話してしまいたくなるのだ。 - 1571着をねらえ!25/06/14(土) 17:08:33
「実は、コーチからデビューしてもよいって言われて」
そう言って懐から取り出したメイクデビュー出走登録手続書類を母の前へと滑らせる。
「すごいじゃない!イリフネちゃんも遂にデビューかぁ…お母さん全部のレース応援しに行くからね!」
「…あはは、うれしいのです」
娘のおめでたい報告に喜ぶキンペイバイとは対照的に苦笑いを浮かべるイリフネ。そんな娘の姿を見て、母としての笑みがスッと引っ込む。
「相談したいことって、デビューのこと?」
「お母さんには敵わないのです」
悩みの根源を言い当てられ、イリフネは縮こまっていた背を伸ばしどこか後ろめたそうに視線を母に重ねないように遊ばせる。
「そうね、イリフネちゃんは1番お姉ちゃんだもんね。心配なこと沢山あるよね。…お母さんがデビューした時のこと聞きたい?」
イリフネは競争ウマ娘としての母も好きだ。最後方で終盤まで足をため最終コーナーから全員を抜き去る。自分にはできないそのかっこいい走りに憧れたことは何度もある。当然、本人の口から重賞レースの話を聞く機会はあったが、思い返してみればデビュー戦のことは聞いたことがなかった。
「聞きたいのです。お母さんがデビューした時のこと」 - 158二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 22:33:00
ペイバイちゃんは本当にいい繁殖牝馬だな
- 1591着をねらえ!25/06/14(土) 23:32:34
「私がデビューしたのは12歳の時だった」
「12⁉お母さん入学したその年にデビューしたのです⁉」
いきなりの衝撃の真実にイリフネはテーブルに身を乗り出して驚く。通常であれば入学直後にスカウトされることはあってもそれは将来性のあるウマ娘を早い段階で鍛えるためであり、大抵はスカウトしてきたトレーナーの元で1年ほど基礎練習を積んでから中等部2年生ごろからデビューし始めるというのが現在のセオリーだ。
「まぁ、いろいろあってね…でもお母さん早熟気味だったからちょうど本格化が来ててそこは運が良かったな~」
言葉の端々に当時の母の苦労が垣間見えるが、触れたらただでは済まなそう“いろいろ”について踏み込んで聞くことはできなかった。
それにしても母の現役時代から20年近くの時間が経っているとはいえここまで常識に乖離があるとはイリフネも思っていなかった。
「お母さんはその…早くデビューして苦労したことはなかったのです?」
「…苦労したことはたくさんあったかな。うん、たくさん大変な思いをしてたくさん泣いた。でもね、デビューしたことを後悔したことはないよ」
それはイリフネが最も聞きたかったことであり、心に引っかかっているしこりのようなものであった。それに対し、キンペイバイは少しばかり目線を落とすと懐かしむような、それでいてどこかしんみりとして雰囲気で言葉を紡ぎ、その最後を「後悔はない」と閉める。
「あの時デビューしたからじじトレさん、ヘブンちゃんやフェルちゃん先輩にみんな、いろんな人に出会えて、その出会いが今のお母さんを作ってくれたの。きっと、1年デビューするのが遅かったらあの人たちと出会うことはなかったし、もしかしたら今ここにいないかもしれない。だから、あの時レースの世界に走りだしたことを後悔したことは1度もないかな」
この言葉の裏にどれほどの経験があったのだろう。イリフネは母の口から当時のレースのことや友達とのエピソードは何度も聞いたことがある。だが、その話があくまで目の前の競争ウマ娘「キンペイバイ」の人生の1部分でしかなく、彼女を構成し形作ってきたのはその日々を繋げる多くの日々であるということはこの話を聞いただけのイリフネにも理解できる。
後悔はないと強く答える母の姿を見、イリフネは心の奥底に不思議と力が湧いてくるようなそんな感覚さえ感じていた。 - 1601着をねらえ!25/06/15(日) 00:20:04
「私は怖いのです…もしデビューして勝てなかったらどうしよう、皆から見損なわれたらどうしようって…失敗したくないのです、情けないところ見せたくないのです…」
レースの世界は常に1発勝負だ。勝つか負けるか、シンプルで無情なほどに結果が全てのこの世界で怖いと足がすくんでしまうウマ娘は多い。勝つためには進まなければならない、だが、進んだ先に報われる結果が待っているとは限らない。努力が実らなかったらどうしよう、勝てなかったらどうしよう、そんな不安を抱えバックダンサーの役を押し付けられ心を壊してしまうことなど珍しくもなんともない。
10代の少女が歩むにはあまりにも過酷な世界、しかも多くの順番待ちがいるなかでの先頭のファーストペンギン。姉としての自覚が高く「自分がやらなければ」と責任感の強いイリフネが悩むのも当然のことであった。
「負けるのは怖いよね」
俯く娘に母は優しく語り掛ける。
「お母さんもね、負けたらどうしようって思いながら走ったら負けちゃったことがあるの」
「…どうなったの?」
「なんともなかった。ほんと、びっくりするくらいいつも通り。次のレースでは勝てるようにしようとかそれくらいだったかな」
あっけらかんと答える母にイリフネは拍子抜けしてしまう。自分と同じような思いを持ってそして失敗したのになにもなかったでは答えにならないではないか。 - 1611着をねらえ!25/06/15(日) 00:23:48
「それでちょっと前に言われたことを思い出したの。歩いていても走っていてもそこは一本道、いつかは必ずゴールにたどり着ける。でも、走りだしてみなくちゃ見える景色は変わらないし新しいものも見つけられない、だから自分の気持ちに蓋をせず思いっきり走った方がいいって。失敗することとか負けることとかそれを心配して不安になる気持ちも、もちろん大事だけど、そればっかりじゃない。こうしたい、こうなりたい、変わりたい、自分のそういう気持ちに気づいてあげることも大事なことだってお母さんは思うな」
「変わりたいと思う気持ち…」
母の言葉は優しい肯定であったがそれは決して甘えと逃避の退廃的で根腐れさせるようなある意味では劇物めいた物ではなく、背中を押し、不安と恐怖の背後に膝を抱えている本当の気持ちを救い上げる子の自立と子への愛情から成るものであった。
「本当はどうしたいのかは、もうイリフネちゃんの心の中に決まっているんじゃないかな」
そういって机の上の書類をイリフネに掲げて見せる。そこにはいくつかの空欄があるが、“イリフネが書くべき欄”はすべて埋まっていた。
「あなたがどんな選択をしてどんな未来を掴むのか、お母さんには分からないけれどこれだけはずっと未来まで持っていってほしい。これから先、イリフネちゃんはきっとたくさんの人に巡り合って、たくさんのことを経験すると思う。時には辛いことや悲しいこともあるかもしれない。そんな時は一人で抱え込まないで、あなたのそばにあなたを愛している人がたくさんいることを思い出して。そして、あなたの思う道を、イリフネちゃんが信じる道を進んで欲しい。それがお母さんの願い」
いつの間にか椅子に座るイリフネの隣まで来ていたキンペイバイは小さな背をつま先立ちの背伸びで少しでも伸ばし、愛娘をぎゅっと抱き寄せる。
「やっぱり、お母さんには敵わないのです」
「ふふふ…だってあなたのお母さんだもの」 - 162二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 07:18:41
あったけえ
- 163二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 16:24:31
母親のほうが背を伸ばして抱きつきに行くの、>>138の通りの身長差だから仕方ないけどちょっとかわいい
そしてこのイリフネちゃんのデビューから、最強繁殖牝バ伝説が始まるわけだ
- 1641着をねらえ!25/06/15(日) 18:59:30
「うん、今から走るとこ。…そっちでもウマチューブで見られるんじゃないかな?……わかった。ありがとう、いい報告を期待してて」
レース会場に備え付けられた控室。多くのウマ娘でごった返し、嫌に湿気の高いその部屋を抜け出し、いくらかマシな自動販売機コーナーの一角で携帯電話の光がイリフネの顔面左側を照らしている。
通話の相手は、少し声の高い女性の声、カタコトの日本語から推察するに海外の人なのだろう。10分ほどの通話を終えたイリフネの顔はとてもリラックスしているように見えた。
「よっ!」
自販機の影から抜け出し、控室へと戻ろうとしたイリフネの前に軽い挨拶で現れるムーバレズハールとオオトリコーチ。レースのドレスコードというものだろう、普段どおりの制服姿のムーバレズハールの横にたつオオトリコーチは、普段の作業着のような服装とは違い、フォーマルなスーツ姿であった。
「もうすぐ出走なわけだけど、準備運動はばっちり?」
「勿論です!朝からしっかり温めてあります!」
「おぉ!偉いぞ~こうは~い」
ウリウリと頭を撫でるムーバのスキンシップが終わると、イリフネはとあることに気づく。
「お姉さまはいずこに…?」
そう、ヒビノミライの姿がないのだ。この二人がいるのなら彼女が一緒にいてもおかしくないはずなのだが、もしかして会場に来ていないのではないかという一抹の不安がよぎる。
「あー…ミライは走ってるウマ娘が好きだからねぇ。今は観客席でレースを見てると思うよ」
そう言って指さす地下バ道の先、これからイリフネの走るターフでは、彼女の登録してあるレースの1つ前のレースが行われている。声をかけてくれてもいいのにとちょっとむくれてしまうが、そういうところがお姉さまらしいのだと短い付き合いながら少しづつ理解し始めていた。 - 1651着をねらえ!25/06/15(日) 19:00:35
イリフネが遠くの景色に見とれていると、コーチが口を開く。空気が一気にピリつき、背筋が伸びる。
「イリフネ、俺から言わせればお前はまだメッキだ」
これから勝負に挑む教え子にかけるための言葉とはとても思えないトゲトゲしい言葉がイリフネの胸を裂く。
「根性と向上心は素晴らしいが体の使い方も経験もまだまだ未熟そのもの、本物どころか1人前の領域にすら達していない。ムーバやミライとは勝負にもならんだろう」
「ちょっとコーチ…」
彼の直球すぎる言葉にムーバも思わず声を出してしまうが、それを制止するようにコーチの手が伸ばされる。
「だが、どんなに偉大なレーサーであっても誰しも最初はメッキだ。それを剥がしてもなお、黄金の輝きを持つ者だけが勝負の世界で勝ち残っていける。イリフネ、全員に見せてこい。お前にはメッキではない、本物の輝きを持つに値する力があると。俺からの言葉は以上だ」
そう言い切ると、コーチはバ道の暗い方へとイリフネに背を向け立ち去っていく。それについていくようにムーバも「頑張って」と声をかけ、これからイリフネが行く道とは反対の方へと消えて行ってしまった。
厳しい言葉ではあるが、その言葉の意味をイリフネは正しく理解していた。確かに、今のイリフネは半人前、憧れのお姉さまには程遠いだろう。だが、その現状に不貞腐れ勝つという意思に陰りが見えてしまっては手を伸ばすことさえ許されなくなる。
『勝者になるためにはまず、勝つ自分を持つことデース!勝負の弱音は女がすたりマスヨ!』
先ほどの電話のことを思い出す。遠くアメリカの地から届けられた言葉は挑戦者であるイリフネにとって指針であり、原動力となるものであった。
「……勝つ!」 - 166二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 23:27:37
ママに続いてパパ(架空馬としての)からもエールをもらったか
あにま……某掲示板でも「産駒出走」とスレが立っていることだろう - 167二次元好きの匿名さん25/06/16(月) 07:33:07
メッキを剥がされても尚…か
- 168二次元好きの匿名さん25/06/16(月) 12:56:05
才能の原石とはよく言うが、スライスして覆っている余計なものを削ぎ落さないと真に輝きを放つ宝石かどうかはわからないもんな
- 169二次元好きの匿名さん25/06/16(月) 20:19:31
コーチが熱いぜ
- 170二次元好きの匿名さん25/06/16(月) 23:29:21
トレーナーもといコーチ、おそらく渋くてクセの強い声をしてそう
- 171二次元好きの匿名さん25/06/17(火) 07:29:56
前スレの話になるけど、同期のテュランダイナの子どもがまんまエルトリウムという名前らしい(グラスワンダー産駒)
- 172二次元好きの匿名さん25/06/17(火) 16:39:30
宇宙(そら)へ羽ばたく時か
- 1731着をねらえ!25/06/17(火) 22:28:53
イリフネ'sメモ④
「新世代動力機関」
この時代では火力・原子力・水力のような発電機関に変わる発電機関として新しく「モーメント機関」が開発されている。
これは特殊な粒子が一定方向に回転運動をする際に発生するエネルギーを取り出し電気等に変換し使用する発電機関と動力機関の役割を一つでこなす革新的発明であり、その基礎理論にある「ウマソウル理論に基づいた特殊粒子の運動計測」を執筆したのがアグネスタキオン博士である。
この機関は人間の持つ「感情」に強く反応する性質を持ち、特に「前へ進もうとする意思」に反応し正回転運動の傾向が強まる。この性質を最も強く発言させることができるのがウマ娘であり、この機関の存在がウマソウルの存在の証明補強となっている。
また、この機関が精神(魂)に反応するという性質から「コンパクドライブ」と呼ばれる事もある。
(更新が滞ってしまい申し訳ありません) - 174二次元好きの匿名さん25/06/17(火) 23:27:36
こういう小ネタ大好き
これ出力全開する時に叫ぶやつじゃん絶対熱いやつじゃん - 175二次元好きの匿名さん25/06/17(火) 23:46:05
きっとこの動力が人々の前へ進む意思を反映して宇宙への道を切り拓いたんだろなあ
一方でこの名前や原理を見ているとヒビノミライの出自や目的にも関わっているのかなという気もしてくる - 176二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 06:33:19
いつでも更新待ってます
無理しないでね - 177二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 13:50:36
お疲れ様です
- 1781着をねらえ!25/06/18(水) 18:37:20
<メイクデビュー芝1600メートル>
所謂マイルと言われる距離が彼女がメイクデビューに選んだレースであった。
バ道を抜けるとすでに出走するウマ娘の何人かが準備運動を始めており、観客席にもそれなりに人が集まっていた。だが当然というべきか、これはあくまでデビュー戦であり歴史に名だたる大レースはおろかグレードの一つもついていない。観客席の閑散ぶりには少しばかり悲しいものがある。
「今回の有力バってどの子だ?」
ウマ娘はヒトミミに比べ聴覚に優れる。レーンに近い観客席の前列での会話程度であれば簡単に聞き取ることができる。
会話の主は2人組の若い男性、会話の内容からしてイリフネの走るメイクデビューの勝ちウマを予想しているようだ。自分が一体どんな評価なのか気になるお年頃のイリフネははしたないと思いつつも会話に耳を向ける。
「あの黒鹿毛の娘なんていいんじゃないか?とはいえ、メイクデビューだからな、データも碌にないしファーストインップレッションが一番じゃないか?」
「そうなると6番なんだが…ん?このイリフネって娘、なんかで見たことあるな」
「あー、たしかネットニュースに載ってたな。キンペイバイの娘って」
キタ!自分のことを話し始めて興味関心が尻尾上がりだ。
「キンペイバイってあの春天勝ちのティアラウマ娘だよな?」
「そうそう、コードヘブンに3回も土を付けた超名バだよ」
自分のことに付随して母のことも褒められて益々鼻が高い。この調子でどんどん褒めてくれ、そうイリフネが高ぶっていると無情な一言が耳に突き刺さる
「なら、無理そうだな。名ティアラウマ娘の子は走らないって言うし」
- 179二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 18:47:08
人類に変換すると生まれの時点で走れもしないのになんで来たの?と聞こえるのエッグいなあ……
ちなみにウマムスコンドリア(実馬ならミコトンドリア)およびそれによる代謝能力に由来するスタミナは母から伝わりやすいのだそうで
ティアラウマ娘でありながら春天ウマ娘のペイバイちゃんの子がみな走るわけだ - 180二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 23:01:14
ウマ娘世界がもっとバトル漫画寄りだったら、延々とルームランナーの上を走らされるウマ娘発電機とか出てきそうな設定や
- 1811着をねらえ!25/06/18(水) 23:29:19
その瞬間、カァッと熱いものがイリフネの頭のてっぺんからつま先までを貫く。
自分の実力が足りないことも、有力バとして見られないこともそれらは紛れもない事実であり、甘んじて受け入れる覚悟だった。だが「名ティアラウマ娘の子は走らない」などというくだらない迷信を根拠に、その理由を大好きな母のせいのように言われるのは我慢がならないのだ。
一発言わなければ腹の虫が治まらない、ギリリと音が鳴るほどのに奥歯を食いしばり、後方の観客席へと踏み出そうというその時であった。
「イリフネちゃーん!がんばれー!」
観客席から手を振る小さな影。シックなドレスに身を包む母の声がイリフネの踏み出そうとした足を踏みとどまらせる。
必ず応援に行くと言っていたその約束を有言実行し、小さな体で大きく手を振る母の周りにはイリフネの妹たちの姿があった。
「おねーちゃんがんばれー!」
「まけるなおねーちゃん!」
自分は何をしようとしていたのだろうか。母を馬鹿にされたような気がしたから憂さ晴らしをしようとした?自分のやるべきことを忘れて何がレースだ。
今日自分がここにいるのは喧嘩をするためではない、レースで勝つためだ。
「勿論なのです!何故ならば‼このレース、私は絶対に勝つと決めているのだからッ!!」
右手を掲げ高らかに宣言する。それは多くの人々にとっては初めてのレースに浮かれておかしな言動をしてしまう特段珍しくもないウマ娘の姿であったが、彼女の真価を知る者にとってはいつもの彼女らしいプレッシャーに押しつぶされない強い姿として映るのだ。
「いい顔」
そしてそれは、観客席の隅でレースを観戦しているヒビノミライも同じであった。 - 182二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 07:38:32
覚悟を決めた乙女はカッコいい
- 183二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 13:57:34
お姉さまからの好感度がアップ
- 184二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 21:04:42
こういうのファン増えそうだな
- 185二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 00:06:44
くだらない迷信を自分の実力でふっとばしていくのが良いんだ
- 186二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 00:13:50
なんかかつてのオグリとタマみたいなことになりそうだなあこの迷信については
拾われるかわからないが>>76みたいなアイデアも投下されてるしね
というか書いとくか
③「名ティアラウマ娘の子は走らない」という迷信はこの世代を持って消滅する……といいなあ
- 187二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 06:00:25
勝つと心に決めた時既に行動は終わっている
残るのは勝ったと言う事実のみ - 188二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 09:47:51
迷信を破ることで伝説になるんですね
- 189二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 17:41:58
そろそろ次スレだな
- 1901着をねらえ25/06/20(金) 18:22:06
多分20:00くらいに立つと思うのでいい感じに埋めといていただけるとありがたいです
- 1911着をねらえ!25/06/20(金) 21:46:55
- 192二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 21:47:56
立て乙
いつも楽しみにしてます - 193二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 00:15:01
うめ
- 194二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 00:23:31
うめ
- 195二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 08:58:25
うめ
- 196二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 15:36:24
そういえばイリフネちゃんには真名(◯◯◯。◯イリフネ)があるけど、勝負服にもちゃんと反映されてたんだな
サーティワンではコットンキャンディ味推してそう - 197二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 23:12:38
ダイナソアンシーが上手く出力できぬぅ
- 198二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 08:41:09
うめる
- 199二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 15:24:38
もうあのアイスにしか見えなくなった
- 200二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 15:27:09
200なら銀河中央とは何かそのうちわかる