- 1二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 22:05:38
- 2二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 22:12:26
そもそもこの時点で幾つよ?
- 3二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 22:12:53
どっちが♀?!
- 4二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 22:13:50
いても地獄いなくても地獄
- 5二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 22:23:49
個人的にバズだと嬉しいけど
ユーゴーならユーゴーで叔父さんを上書きして貰いたいとかで迫ってそう
で城に連れてかれてから気付いて産まれてからバズが騎士団入って口止めするとかユーゴー似なら別の男の子とか言って誤魔化してそうな気もする - 6二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 22:25:36
13.4歳くらいかな?15なら初期一護よりもユーゴーの方が大きそうだし
- 7二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 22:29:46
バズ♀の場合だとあの過酷な環境の中で一人で出産と育児をすることになるけどハードモード過ぎない?
- 8二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 22:36:43
何かバズだとやり遂げそうっていうか身売りとかに成りかねないから身売りするくらいならって復讐じゃなくて就職目的で騎士団入って来そう
ただしユーゴーには認知させない - 9二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 23:16:48
- 10二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 23:46:30
- 11二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 23:49:02
- 12二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 23:52:40
復讐で命を落とすリスクを考えれば早くに作るのは合理的か…?サスケもそういえば復讐と一族の復興とか言ってたけど両立するなら身近で一番信用できるユーゴーに頼むのは自然か
- 13二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 00:06:42
ろくに性知識のない子供同士きもちいいことしてたらできちゃったってのもありえそう
- 14二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 00:20:08
閉鎖的で碌に知識もないままなら子作りとか知らなさそうだしね
- 15二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 00:22:49
- 16二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 00:36:49
叔父さんなんて中途半端に教えた疑惑まであるからな
- 17二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 00:37:30
頭時灘か?
- 18二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 01:08:01
陛下に驕りを指摘されるまで奔放だったバズビーが衝動となあなあでユーゴーを抱いちゃったも可能性も捨てきれない。
バズは年頃の、ある種健全な好奇心と欲。
ユーゴーは叔父さんからのあれやこれやで幻滅の無抵抗。
最悪に最悪を掛け合わせた地獄。誰が得をするの?陛下? - 19二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 02:12:24
例えばユーゴーが陛下に迎えられた後、子供を育てて身を粉にして働いた結果亡くなったとする。
その後孤児となった為、食い扶持を稼ぐ為に子供が騎士団に入団。
バズの面影のある子供が食い扶持の為に入り資質ありで出世したとする。
バズはブラック家の事父親の事を子供に教えてなければ当然ユーゴーの事を知らない。
もし子供が最高位であるユーゴーを強いからと尊敬して懐くようになればユーゴーはバズの面影のある子供を邪険には出来ない筈。
そこで仲良くなり他の団員との雑談で軽い身の上話をした所、ユーゴーが偶々聞いていて子供が自分の子である可能性に気付く。
母親の事を尋ねるとバズは子供を抱えたまま食い扶持を稼ぐ為に働いて亡くなったと聞かされるとする。
…ユーゴー自分が父親と名乗り出られるか?
面白半分に書いたらそこそこボリューム出た - 20二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 06:46:16
- 21二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 07:55:28
わかる。原作バズもサバイバーズギルドもあるだろとかあるけどバズ自身面倒見良すぎるから絶対自分捨ててったやつに勝負は迫っても認知は迫らなさそう
- 22二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 07:58:23
- 23二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 10:07:00
- 24二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 10:34:15
気にするのはユーゴーだろ男だろうと女だろうと
だって能力無いからずっと自己肯定感無くて
陛下に速攻心許したのは生まれ持ったハンデを受けいてくれた上に探しててくれたからだし
あの時点でバズビーもユーゴーも「使えない必要じゃ無い存在」はユーグラム・ハッシュヴァルトそのものなんだから
そこはきちんと2人の認識が合ってる
独白でバズビーも言ってる
ユーゴーに価値がでたのはユーハバッハが居たから
- 25二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 13:53:35
- 26二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 15:46:43
ユーゴーが知ったら責任取ろうと嫁取りしようとするけど絶対拒否するし認知もさせないと思う
- 27二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 16:06:51
ユーハバッハもそうだけど不全の者って生殖能力的にはどうなんだろ
言葉の印象から弱そうな印象を受ける - 28二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 16:27:07
陛下に直系子孫とか出てないし出来たからって無事産まれるとは限らないよね
バズ♀で流れて不妊になったら復興そっちのけでユーゴーとの決着に拘る理由が増えるね - 29二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 18:07:49
ユーゴーその事知ってたらどんな気持ちでスルー決め込んでるのかわからない…
- 30二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 18:15:23
バズ♀は割とシングルマザーになってもやってけそうなのはわかる
城育ちだからこその図太さで、残ってた遺産を使って娼婦堕ちを回避
持ち前のコミュ力で世話好きの年寄り連中を味方につけてしっかり育児教育
教会とか修道院?みたいな福祉施設も知ってるし頼るし利用しそうなんよね
ユーゴーに認知はさせないっていうか、ユーゴーが陛下の第一の息子扱いされてるのなら
最悪帝国の後継云々に巻き込まれるわけで、それだけは絶対避けたい事態になる - 31二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 18:41:22
生んだのがユーゴーかバズかの違いだけで「ユーゴーの子」って定義は変わらないから
まさか陛下から見たら第一の孫? - 32二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 18:54:24
また我が子って主張したりして
- 33二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 18:59:26
一族繁栄の為ってだけに寝て子種もらうとか普通に失礼だし
生活費はバズ♀だからユーゴーが逆らうの烏滸がましいって理論なら
第二の叔父さん以外の何物でもないし
お互いが恋愛関係ならユーゴーの不全を受け入れて貰えたって事で陛下がバズビーと同等の存在になるなんてありえなくなる - 34二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 19:18:47
現代なら失礼なのはそうなんだが残念ながら身分社会の上千年前価値観だとちょっとわかんないのが
- 35二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 19:34:56
千年前の価値観なら領主家の至上命題は「跡取り」に尽きる
バズ♀が一人娘なら「お婿さんもらって男の子産みましょうね」って教育されてて当たり前
でもバズ本来の性格からして好きでも何でもない相手と無責任な子作りはしなさそう
思春期の気の迷いで一線超えてしまったとかじゃないかね - 36二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 20:03:49
だからこそユーゴーにとって陛下に見出された時喜んでくれなかったダメージが増えるんですよ
- 37二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 20:50:27
なるほど友達が叔父と同じ存在なら
叔父さんに対して育てて貰ったと理解して陛下を憎めるようになるのか - 38二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 21:01:31
ハッシュヴァルトが妊娠してた場合、生むの許してもらえるのかな
- 39二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 21:31:20
ユーゴー♀は陛下に許してもらえたら生むけど許されなかったら生まないみたいな、主体性なさそうなところが何とも…
生んだとしても「陛下の役に立つために生んだ子」
生まなかったとしたら「あの子がいたらバズとやり直せたかもしれない」 - 40二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 22:37:23
自分の子だと喜んで抱きかかえるバズを前に、陛下に許しをもらったから生んだってことをぽろりと漏らしてしまって、温かい家庭で育ってきたバズが、腹の中の命に対する価値観の差で顔曇るの見たいな
- 41二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 22:49:27
- 42二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 22:54:14
必要で無くても欲しいと思ってるのと必要だから欲しいと思うのでは結構人によって重みが違う
よく考えたら必要で無くてもユーゴーが大事だったバズと必要だから大事だった陛下に通ずるモノがある気がしてきた - 43二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 22:55:42
この2人の家庭環境の差による価値観の違いって大きいと思うんだよな
バズビーは愛されて育ってきただろうからハッシュヴァルトの家庭環境の事は理解できても本当の辛さや気持ちって分からないと思う
ハッシュヴァルトもそういう環境がなかっただろうから愛されるって事がよく分からなそう
- 44二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 23:21:35
- 45二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 23:41:35
頭時灘Part2
- 46二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 23:50:12
バズが跡取りの男児を必要とするほどの家柄なのいいな。陛下についていった先で生まれた子が女の子だったユゴ♀が、どうせあのままバズといても復讐を果たした後の家復興には役に立てなかっただろうから、あの時バズの元を離れた自分は間違ってなかったと言い聞かせようとするのとか
- 47二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 23:50:30
この二人は生む覚悟というもかなり違うんじゃないかな
バズ♀は子どものためにおくるみやおむつも限られたお金の中であっても自分で用意して
ユーゴーがいてもいなくても無事産まれたら喜んで慈しみ育てそうなんだけど
ユーゴー♀は出産を現実として受け止められずオロオロと何も決められず用意ができない
許されて生む場合でも陛下が手配してくれた人や物に頼りきりで「生んだら終わり」
バズが父親としてそばにいたとしてもバズに全ての判断を委ねそうな危うさがある
二人の生育環境の差は母であれ父であれ親になる時に如実に現れるような気がする - 48二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 23:56:11
芸術点が高い
- 49二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 00:09:50
- 50二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 00:11:56
- 51二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 00:20:23
- 52二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 01:20:58
- 53二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 01:55:55
- 54二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 07:36:50
- 55二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 08:38:46
2人の子供(推定1000↑)の見た目年齢はどれくらいなんだろう。
- 56二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 08:44:01
バズ♀は父親(ポテト)に裏切られたとか関係なしに子供は子供でちゃんと愛せそうな気がする、ちゃんと愛された家庭を経験してるから、「自分の子」として違和感なく愛せる。
ポテト♀はバズや陛下で揺れる複雑な気持ちをそのまま子供にも延長してそう、愛されたこと無さそうだから「自分の子」では無く「バズの子」として見てるから、子供を優先=バズを優先で陛下とのバランスが崩れてしまうと思って愛することを恐れてそう
前者は実は潜入した組織のトップ戦力が父親で少年漫画の主人公ぽいし、後者は生活は恵まれてるが愛に飢えてる歪な生い立ちの敵になりそう - 57二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 11:44:25
ユーゴー♀の子が歪な性格になりそうなのが何となくわかる
おじさんのことがあるから肉体的な暴力は振るわないだろうけど精神的ネグレクトに走りそうなんだよ
衣食住不自由はさせてないけど躾も教育も人まかせで、勉強訓練以外は放置子みたいな - 58二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 12:05:37
- 59二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 14:16:05
1ダースって12なんだよ…
- 60二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 14:31:24
- 61二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 15:11:30
- 62二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 15:23:42
- 63二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 16:15:31
ユーゴーの子だって告げるつもりがないから対外的には自分の弟妹として扱うバズ♀がいるかもしれない
- 64二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 17:52:07
- 65二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 19:18:19
種馬扱いのそれでユーゴーがニコニコしてたら何にも言わないと思うかも…バズにとって自分のユーゴーへの感情もユーゴーの意思も分からなかったからこそ決着に拘ってただろうし。
ただ話合いなんてしてたら絶対に怒るとも思う。
- 66二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 19:37:39
そもそもバズ♀でもユーゴー♀でも妊娠がわかったのはいつなんだろう
陛下のお迎えが来た日より後? - 67二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 19:46:15
後じゃなきゃ騎士団入れろって突撃しないと思う
- 68二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 19:51:11
このレスは削除されています
- 69二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 19:53:42
- 70二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 20:37:19
52だけどいいよ
- 71二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 20:40:02
- 72二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 20:48:16
- 73二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 21:02:15
>>72階級は聖兵、子供の名前は適当でいいとして戦前に既に一緒に高校行ってたら主人公度高そうじゃない?
バズとは関係性は悪くないけど父親の事でちょっと仲違いして現世侵攻の前準備と情報収集で出向してたら空座町にいてもおかしくないと思う
ポテトもポテトでバズの子供を見ると嫉妬でイラつくから視界から消えてくれるし寧ろ喜んで許可してくれそう
- 74二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 21:03:39
- 75二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 21:05:20
どっちでも子供が女の子なら石田とフラグ建ちそう
- 76二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 21:07:34
- 77二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 21:12:21
滅却師の未来は明るいな(目逸らし)
- 78二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 21:13:35
- 79二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 21:18:19
- 80二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 21:21:32
母親の一馬力の稼ぎとワンオペで育ってたら子が娘でも息子でもそら煙たがる
- 81二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 22:56:10
- 82二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 23:27:18
母側が経済的に自立(聖章騎士)しててワンオペ育児の実績があるから…
貧困に陥っていない女、ことに母親は心身ともに強靭だから…
ユーゴー、現世にはガ○ちゃんっていう心清らかで優しい女性たちがどんな相談にも乗ってくれるところがあるから
一度事情を書き込んでみたらどう?
- 83二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 23:39:54
自分と母に冷たくあたってた男がいきなり手のひら反して絡んできたら子の性別に関わらず「今更どの面下げて…」になりそう。
- 84二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 23:43:47
自分の私生活もおさめられなかった男が、子どもの恋路の邪魔なんてもってのほかだよ
- 85二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 02:55:30
>>69やっと決着までかけた。
ハッシュヴァルトにユーハバッハの血杯とその力について聞かされた石田はその場を離れて回廊を歩いた。すると1人の女の聖兵が声を掛けて来た。
「雨竜先輩も団長に嫌われちゃってるんですね!まぁ私も団長のこと嫌いですからお互い様ですけど?」
聖兵にしてはフランクで後継者に任じられる石田に対する言葉遣いではない。
「!何故、君が…!?」
手芸部の部員で特に刺繍を得意としているフランクで同時に妙に馴れ馴れしい所もある後輩だった。
「滅却師だからに決まってるじゃないですか…それに『今後の為にも色々と仲良くしましょーね!』って手芸部で初めて会った時に言ったよ?」
2年生に上がってすぐに入部して来た黒森グナーデは入って早々、挨拶ついでの自己紹介で確かに、
「黒森グナーデと言います、雨竜先輩目当てで来ちゃいました!雨竜先輩!私達の今後為にも色々と仲良くしましょーね!」
とウインク付きで言っていた。
生徒会長になり目立つようになった石田に好意を持つ女子生徒もいないわけじゃない。積極的なだけで彼女もその1人であると石田も思っていた。
だが彼女の言っていた『私達』が『石田とグナーデ』ではなく、『滅却師』を指していたのなら話が変わって来る。
帝国の手は既に空座第一高校にも伸びていたと、そしてそれはとても身近であったことにゾッとする。
「成程…君が僕を監視していたのか」
石田が皮肉げに呟くとグナーデは、ニコニコと人好きのする笑顔を消した。
「はい、私は現世に生き残った滅却師である貴方様と特記戦力筆頭である黒崎一護の監視役として派遣されました」
その冷たい表情と抑揚のない声は普段とは別人のようだ。
お互いに読めない表情でいるとグナーデは石田に従くと言い出した。
「私にとっては私を忌む団長より雨竜様が後継者である方が好ましいだけです…それに雨竜様は友を裏切る事は決してないでしょう?」
石田は自分に向けて信用を口にするその一瞬、何時もの後輩の顔を見た。
3歩後ろを着いて来ているグナーデを訝しみつつ怪しまれる訳にはいかない石田は拒絶出来ない。
- 86二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 02:58:59
暫くしてコツコツと足音が響きハッシュヴァルトがやって来た。
「陛下がお目覚めになった…これより2次侵攻を開始する、お前も陛下にお供しろ」
「…わかった…彼女はどうする?」
「…やはり、母親同様に都合良く男に媚びるのが早いな」
「……私は母ではありません、ハッシュヴァルト様にとっての私は一介の聖兵に過ぎないのでしょう?どうぞ捨て置いてくださいませ。…雨竜様、お気になさらずとも私は既に2次侵攻時の銀架城にて待機の命令を受けております。…どうか御武運をお祈り申し上げます」
侮蔑する表情を見せるハッシュヴァルトにグナーデは蝋人形のように顔を歪めることなく、そう答えてから石田へ向けて礼をしその場を去った。
「陛下の後継者に指名された身であのような娘に誑かされるとは嘆かわしいな、石田雨竜」
石田に向けてそう言うと踵を返す。着いて来いという意味だろう。
石田自身も言い返すつもりもないので黙って着いて行く。
霊王宮が堕ち真世界城が聳え立つ、それぞれハッシュヴァルト、石田及び親衛隊は待機していた。
「どうした新入り!心配せずとも陛下は時期に霊王の力の全て手に入れられる!」
「いえ、黒森…グナーデの母親が下に居たそうで…」
石田がジェラルドに返答するとアスキンが気まずそうに確認する。
「あーグナーデの嬢ちゃんが監視役だったんだっけ?」
「バズビーも流石に聖別を受ければ無事ではないだろうが陛下の糧となれたのだから滅却師として最高の誉れだろう」
リジェは特に感慨もなく言う。
「…そのバズビーが彼女の母親ですか?」
「ああ」
「…ハッシュヴァルトが妙に黒森グナーデの事を嫌っているようですが…何かあったんですか?」
「何かあったのはバズビーとだな…ま、詳しくは知らねーし余計な事首突っ込んでも美味しくも何ともねーよ?後多分黒森ってのは現世潜入用の偽名だろうからグナーデって呼んでやりな?」
アスキンがはぐらかしつつグナーデの名で呼ぶように言う。
「嬢ちゃんも母親が聖別されちゃ寂しいだろーし、仲良くしてやんな」
- 87二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 03:03:20
グナーデが城の外を眺めているのを見つけた。
「雨竜様、貴方様は天秤に乗せる事さえ無く選びたいモノを選べるんでしょうね…」
石田を見る事なくグナーデは話しかける。
「君は…僕の考えがわかっていると言うつもりか?」
「私は少なくともどういう人かは理解していますし、だからこそ雨竜先輩に着いてくつもりですよ!」
後半は学校生活のような明るい、しかしいつもと違う陰のある後輩の姿に目を瞬く。
「雨竜先輩が一護先輩達を裏切るなんてあり得ないでしょ?それに私、雨竜先輩なら…」
風が吹いて小さな声は掻き消された。
「母親の事で陛下に叛意を持ったって事か…」
「いえ?正直言ってムカつきもしますけど陛下って結局そういう方だってわかってますし…それにあのウジウジ根暗のNPC野郎を半身だの第一の息子だの言って時点で忠誠も畏敬も無いですし!」
「NPC野郎ってまさかハッシュヴァルトの事かい?」
思わず石田が尋ねたらグナーデは良い笑顔で親指を立てて下に向けた。
「二言目には陛下陛下で自分の意見は無し、母様には喧嘩売られては無視して私に八つ当たりするんですよ?私現世でオンラインゲームのNPC野郎って蔑称を知ってこれ団長じゃんって思いましたもん!」
「……何があったんだ…」
「…団長って母様と幼馴染らしいんですよね…多分ですけど団長って母様に惚れてたんじゃないですかね?で再会したら子持ちになってたから裏返って母様が嫌いになって…で娘の私はもっと嫌いなんだと思います…ほんと鬱陶しい」
舌打ち付きで口をへの字に曲げるがハッシュヴァルトが子持ち女性に惚れてる…はっきり言って似合わない。この短期間で知ってる事などまず殆ど無いが似合わないのはわかる。
見た目は間違いなく極上で寧ろ惚れられる側だろうからと余計にそう思うのかもしれない。
(それが失恋でその娘に八つ当たり…)
男女の仲は不思議ばかりである。
- 88二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 03:04:26
「だから私は好ましい、気に入った人にはちょっと大袈裟な位に好意を伝えるようにしてるんです!」
石田は自分への好意が接近する為ではなく本気でグナーデが好いてくれているのだろうと信じて来ていた。
「それにしても母親が聖別されたと言うのに冷静だね…」
「私、母様は生きてるって信じてるんですよね…母様はずっと昔、まだ今だと子供の頃に私を産んで女手一つで私を育ててくれた強い人ですから…まぁ私が恋人の1人作らない内は自分の失敗もあって同じ轍を踏ませてなるものかと言ってたんで死ぬのが想像出来ないだけですけど!」
ケラケラと笑っている彼女に石田は、
(此処が学校と錯覚してしまいそうだ…)
「ある意味最強の生物は母親なのかもしれないね…」
自分の母の事もあり彼女の母親もそうなのだろう。そう思い石田は釣られて笑った。
そして今、その彼女はハッシュヴァルトに弓引いていた。
涙を流し、唇を噛み締め血が滲む。
「ハッシュヴァルト!!よくも…よくも母様を!!」
矢を撃ちハッシュヴァルトに叫ぶ姿は痛々しい。
ハッシュヴァルトがそのまま矢を避けるとその先に一護達がいた。
咄嗟にグナーデを取り押さえる石田にハッシュヴァルトが妙に機嫌良さそうに、
「良かったな石田雨竜、お前が裏切っていない事を侵入者を殺し証明して見せろ」
そう言った。
「それは構わないがグナーデはどうするつもりだ」
グナーデはこのままにすれば間違いなくハッシュヴァルトに殺される。そう思わせるほどハッシュヴァルトは嗜虐的な笑みを浮かべていた。
「…そうだな、もしそれがこれ以上の叛逆行為に及ばなければ今回の件のみ不問にしてやってもいい」
「…グナーデ、わかってくれ」
「……母様の仇なのにっ!!」
食い縛るグナーデは数秒の後、身体の力を抜き泣き崩れた。
- 89二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 03:05:28
一護達と戦いハッシュヴァルトの目が無くなったと判断して太陽の鍵を見せる。
どうか逃げて欲しい。その一心だった。
「それからグナーデを一緒に連れて行ってくれ。彼女の母親をどうやら斬り殺したらしい。また仇討ちしようとすればきっとハッシュヴァルトに殺される」
「グナーデちゃんがどうして…ここに?」
一護達、特に織姫はグナーデとは面識もある。石田に対していつも好意を振り撒く後輩、それがこの場にいるのは違和感しかない。
「彼女は滅却師で僕と君の監視役だったらしい。しかし僕の味方でいると言って協力してくれたんだ…だからさっさと連れて逃げろ!ハッシュヴァルトに気付かれる前に!」
「気付かれる前とは何時の事だ?」
そう言って現れたハッシュヴァルトは太陽の門を破壊したと告げる。グナーデの姿は見えない。
一護達を先に進ませハッシュヴァルトの足止めに注力する。
そのまま夜明けまで戦い聖別の光が振り注ぐ。がハッシュヴァルトは直撃しなかった。
「!?」
「!!…な、何故お前が私を庇う!?」
「私は!!あんたなんか大嫌いだ!!でも…それでも…母様はあんたが死ぬ事は望んじゃいないのよ!!」
ハッシュヴァルトと石田も既に信じていたグナーデがハッシュヴァルトにタックルして庇う姿に2人合わせて目を見開く。
「そのバズビーを…殺したのは、私だ…」
「勝手に殺したつもりになってんじゃねーよ…」
- 90二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 03:08:46
そこには右腕の無い、腹に雑に包帯の巻かれたバズビーがいた。
「!!…バズビー」
「チッ!この期に及んでバズって呼ばねーのかよ?まぁ良いか、んな事よりユーゴー…テメーグナーデを殺そうとしたっつうのマジか?」
気まずげにハッシュヴァルトは目を逸らす。
「!!テメーの娘を殺そうとするたぁ良い度胸してるよな!?」
そう言って力一杯にその身目麗しい顔を殴った。と同時に包帯に大きく血が滲む。
「クソ!開いて来やがった…」
そう言ったバズビーは包帯を解きケロイド状の腹の傷を聖文字て焼き始めた。
そんなバズビーを呆然として見ていたハッシュヴァルトはブリキの人形のようにグナーデを見る。
「私?…グナーデの父親が…私?…」
そんなハッシュヴァルトにグナーデは石田に言う。
「このまま傷を私に移して!」
「ダメだ!!そんな事をすれば君が…」
「…はー…なら陛下倒してもう一回傷を引き受けて下さいよう…一護先輩達に雨竜先輩が必要なんですよ」
そう言ったグナーデの言葉に気圧されて移そうとした時、ハッシュヴァルトが自分に移せと言い出した。
「何だいきなり?また傷を倍返ししようとしてないだろうな…」
首を横に振りハッシュヴァルトは言う。
「せめてもの償いだ…私はグナーデにずっと辛く当たっていた…現世に出向する時など視界からいなくなる事を喜んでいた…バズビーもグナーデもそんな私、に父親であるなど言う筈もないのに……だからせめて」
そう言われればグナーデよりずっと傷を移しやすい。
グナーデは石田を見送りながらボロボロの両親を治療に入った。
「今更父親面なんてしないでよ…」
そう言ったグナーデの零した涙はハッシュヴァルトのコートを濡らした。
バズビーはそれをこっそりと盗み見て見えないように笑みを零した。
かなりの長編だったけどテレグラフとか使えないから申し訳ない。後日談でハッシュを>>81>>79>>83な感じにしたい。けど流石にくどいのでやめとく。
- 91二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 10:37:44
ほ
- 92二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 12:08:03
長編乙。
面白い。グナーデちゃんけなげで応援したくなる
個人的には後日談もぜひ読みたいです
それにしてもさすがにバズ♀っていうか、シングルでもきっちり子育てもしつけもバッチリだ
母親よりお嬢様っぽいのは「ブラック家の跡取り」として育てたから?
…ユーゴー♀の娘だったらこうはならないだろうなという悲しい確信がある - 93二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 14:11:58
跡取り云々じゃなくてバズが自分の轍を踏まないようにしつつ他人と揉めて生きにくくないように育てた感じです。健全な愛情たっぷりに育てられてるので依存じゃなく自分の柱がしっかりとしてます。
丁寧な対応は聖兵としての顔で人好きする後輩の顔は演技も有るけど素が多めで割とすぐ石田に惚れてると思ってます。父がアレなのでツンデレ気味でも素直で友達思いな性格の隠せないしかも面倒見の良い石田に即オチ。
2人の時に聖兵の顔を見せたのは石田が他の人がいる時に聖兵の顔を見て戸惑わないように、後輩の顔は石田に自分も力になると主張する為です。効率的に爆弾を仕掛けるのとか手伝ってました。
因みに黒はブラックですが森ってドイツ語でヴァルトだそうです。グナーデなりに父親には思うところあるようです。バズにとっては最初は跡取り、血を繋ぐ為の意識があったのでグナーデ=恵と命名。
オンラインゲームは部活の友達に教えて貰って割とチャットもするコミュ強なので現世にもすぐ詳しくなってる。
ユーゴー♀の娘なら自我のないユーゴーのコピペな性格になるか、バズの反骨精神を多めに受け継いでたら下手するとバンビーズみたいになってると思ってます。
後日談はちょっと考えます。
- 94二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 14:22:02
このレスは削除されています
- 95二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 14:26:54
94間違って削除しちまった
黒森の姓は「もしかしてブラックとハッ“シュヴァルト”を掛け合わせたた?」と思ったので納得っす
自分の轍を踏まない子育てした母バズビーはやっぱりしっかりしてるな
子育ては事実上終了してるわけで、今さら母も娘も認知も養育費も必要ないし
生存√行っても🍟はそうとう辛い立ち場になる
- 96二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 14:56:29
ユーゴー♀の子ってこんな気がするんだ……
娘の場合は「イグアナの娘」 母に愛されない娘と母を愛せない娘
息子の場合は「残酷な神が支配する」 実の息子への異様な執着と依存があり母というより精神的な恋人同士 - 97二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 17:39:08
- 98二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 18:11:23
バズ♀率のが高いのってユーゴー♀なら陛下の庇護がある代わりに事実上のメンタル虐待ネグレクトになりそうだけど、バズ♀だと庇護もなく苦労もするけど愛情持ってちゃんと育てるという信頼があるからな気がする。
- 99二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 18:15:39
自分と自分の生きてきた環境を反面教師にして滅茶苦茶健やかに育てる事に成功したユーゴー♀とその子の可能性もどこかに生えてほしい
大丈夫BLEACH世界ならできる、織姫と織姫のお兄ちゃんという先駆者がいる - 100二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 18:20:27
>>99そうだったヒロインとそれを育てた兄がいた!
- 101二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 18:38:21
健全に育った息子さんだから父親になった時にそれを発揮して、少なくとも子は救ってくれそう
🍟♀の生育環境を知っても🐓は理解できないからこそ無神経な部分で助けになる
娘「お母様があなたはなんて出来の悪い醜い子なのって言うのです」
🐓「は? お前はユーゴーそっくりの絶世の美少女で強力な滅却師だ。そんなことあるわけねえだろ!?」
娘は生まれて初めてそんなこと言われて嬉しいし、ダメなところはダメだと言ってくれるのでバズビーになつく
息子「ユーゴーが何かにつけて干渉してくるし所構わずベタベタしてきて怖い。一緒に寝てほしいって言うし」
🐓「母親を名前呼び!? 俺だって相当な悪ガキだったが母上にそんな無礼を働いたことは一度もないぞ!
なんでそんなことしてんだよ。え、呼ばされてる!? あいつ頭イカれたのかよ? おかしいだろ!」
ユーゴー♀を構い倒して依存を息子から自分へと変更させ、息子はホッとしてバズビーを信頼できる人と認識
- 102二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 20:39:24
- 103二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 20:47:05
多分バズ♀のことじゃなくて娘ちゃんに対してだと思う…
ポテトにバズ♀のことを悪く言える度胸ないよ - 104二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 20:56:11
だよね、だよね?
他の男の子だと思い込んでた娘ちゃんに当たりがキツいだけだよね
読み間違えたかと思った。よかった
そうだよ、ポテトにそんなこと言える度胸あったらとっくに仲直りして熟年夫婦やってる - 105二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 21:03:11
まぁだからと言って大事に大事に育ててきた可愛い娘に、いくら知らなかった(気付かなかった)とはいえそんな暴言吐かれたママの気持ちを述べよ!になるんですがねぇぇぇぇぇ!!!!!
- 106二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 21:09:04
現代現世だったらいわゆる緑の紙召喚だと思ったけど
そもそもこの二人、やっちゃった☆だけで結婚もしてなかった… - 107二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 22:51:23
ユーゴー♀も経済的自立(騎士団最高位)していてさらには陛下という絶対的庇護者もいるのに
ワンオペどころかおそらく本人ゼロオペで乳母やお付きの人任せ
クソボンボン先輩すら見かねて「いっそ養子なり里子なり帝国の外で育てたらどうだ」 - 108二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 23:17:14
このレスは削除されています
- 109二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 23:28:06
- 110二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 23:29:54
バズ♀がユーゴーに生き写しの息子を産んでいる世界線も見てみたい
バズ♀は息子に父親のことを明かさないし、🍟にもお前が父親だなんて絶対に言わないが、父と息子は互いに察してギスギスしている
周囲の人たちは美丈夫である最高位とかわいいユーゴーを結びつけることができないため二人が父子関係だとは気づかない
自分は叔父に虐待されて不遇な子ども時代を送ったのに、かつての自分に似た少年が母のまっすぐな愛情を受けてすこやかに成長している姿を見て脳破壊される🍟 容姿は似ていても表情や言動がまるで違うので、やはり別の男の子かもしれない…とも疑う
母譲りのコミュ強で誰とでも屈託なく話すが、最高位に対しては母と自分を捨てた男と認識しているので目つきが暗くなり笑顔も消える息子 そのときだけは過去の己にそっくりだと思えて、血縁の確信を深める🍟 - 111二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 23:58:35
かわいいユーゴーの容姿ならブラック家の城が焼かれたあたり? ちょい赤みがかった金髪ならなおヨシ
母ゆずりの明るい性格で屈託なく、何事にも積極的で好奇心旺盛で母とも全力で遊ぶ
貴族育ちのバズ♀の教育が行き届いているので礼儀作法もマナーも完璧でどこに出しても恥ずかしくない
両親の血を引いて滅却師としての能力も抜群で旧親衛隊の皆様も目をかけてくれる
…そんな息子を回廊の影から暗い目で睨みつける🍟をバズ♀は気が付かないが息子くんは気がついてる
「お母さん、ちょっと忘れ物したみたいだから待っててね」で息子くんは🍟に近寄って小声で言うんだ
「クソ親父。オメーはもう必要ねえんだよ。だって“ぼくのママ”なんだもの。“ぼくの”だよ。ユーゴーはもういらないよ」
激昂する🍟をよそに息子くんはバズ♀の元に走り去っていく
「なんか勘違いしてたみたい。それより手繋ごうよ!」
「おう、いいぜ! 今日の夕飯何食べたい?」
「うさぎのシチュー。『二人で食べたでしょ。とっても懐かしいから』、ね?」
息子くん、このくらい🍟を牽制そう
- 112二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 00:01:46
- 113二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 00:13:35
変に正当化されてるせいでクソほど陰湿なエディプス・コンプレックスじゃん
- 114二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 00:17:36
あ、もちろん乳母に任せるのは問題ないと思うよ。何しろ陛下の半身で激務だし
ただね、なんというか…「授乳」するのもいやがりそうって感じがしないでもない気がしたんだ
乳母が「お乳をあげてをみませんか」とか「抱っこしてみませんか」って勧めても
「……生んだから、もう、それだけでいい…」って乳母に授乳されてる我が子をぼんやり眺めてそうだなって
偏見なんだよわかってるんだよ、ユーゴー♀、ごめんよ…
- 115二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 03:15:49
やっとグナーデの後日談かけた
戦後、グナーデは空座第一高校へ戻って来ていた。
「雨竜先輩!皆さん!ただいま帰りました!」
「グナーデ!良かった戻って来れたんだね」
「グナーデちゃん…おかえり!」
「黒森さん!良かった…元気そうで」
石田を筆頭にグナーデの帰還を織姫や他の部員達が温かく迎えいれた。
「無事で本当に良かったよ…」
「お父さんに会いに行ったら帰らせてくれなかったんだって?」
「はい…その遺伝学上の父親がもう面倒臭くて」
溜め息を吐きながらいかに父が面倒臭いか語る。
グナーデは流石に滅却師の事など話せないので見えざる帝国の事を父親の祖国として話した。
母と一緒に父親に会いに行ったところ世界的な地震により帰れなくなり、長年のすれ違いによりずっと不仲だった両親が和解したのは良いが今度はその父親が交通手段が復旧したにも関わらず帰らせてくれなかった。そう説明した。 - 116二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 03:24:53
(石田くん…グナーデちゃんの言ってるのって…)
(帝国の事情は詳しくないから話せないけど…ハッシュヴァルトとは親子だったらしい。ハッシュヴァルトはグナーデの事を別の男の子と思ってたから不仲だったのは間違いないようだよ)
(じゃあ仲直りしたのもほんとなんだ…良かったー)
(…どうだろう…あんまり仲良くなれてなさそうだけど)
石田と織姫はコソコソとグナーデに注目している部員達の後ろでグナーデの言ってる内容が帝国のことを除けば大体合ってることを話す。
「雨竜先輩のこと…話したら余計に鬱陶しくて…」
そのグナーデの言葉で一気に石田に注目が集まったが。
「え!僕…?」
「はい!あの人、私が雨竜先輩が大好きだって母様に話してたら聞き耳立ててたらしくって…もう!」
そう言ってグナーデは口をへの字にする。
帝国で母諸共あれ程こき下ろされ酷い態度をとっていたハッシュヴァルトに手のひらを返され喜ぶより今更という気持ちらしい。
「今は母様が何とか抑えてくれてるんですけど…私の事いきなり娘として大事にしたいって言われてもねぇ?」
帰還より少し前…
「グナーデ…お前これからどうするんだ?帝国はもう崩壊してっから…好きに生きてるんじゃないか?」
「母様、グナーデはずっと好きに生きて来ました。大好きな母様のもとで大事に育てて貰って、団長の事で喧嘩になったら現世の任務に向かって好きな人も見つけました…だからこれからも好きに生きて行きます。母様もどうか自由に生きてください」
目を潤ませてバズビーはグナーデに答えた。
「俺も好きに生きてるだろ?自分の都合で産んだのつーのに…可愛くて優しい自慢の娘がいて果報者なぐれーだよ」
「私にとっても母様は自慢の母様です」
「ああ、ありがとな…」
一心地ついてグナーデに訊ねる。
「お前好きな人出来たって言ってたけどどんな奴なんだ?」
「雨竜先輩です!帝国的にみれば裏切り者でしょうけど…それは私も同じですし、雨竜先輩は自分の頭で心で選べる人なんですよ。自分がそうしたいから友達を助けるし喧嘩もする…そうやって自分の想いと他人を大事に出来る素敵な人なんですよ!」
瞳をキラキラさせる娘が眩しく目を細めるバズビー。娘の向こうに見える金髪はスルーする。話を振れば絶対に面倒臭い。 - 117二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 03:26:11
「石田、雨竜を好いているのか?」
(話振らなくても来やがった…!)
「女同士の語らいに割って来んじゃねーよ…」
「だから何でしょうか?聖兵の恋愛事情なんてハッシュヴァルト様には関係無いですよね?」
ここは現世の筈だが2人の間は帝国の寒々しい空気が流れていた。主にグナーデによって。
そこからは長かった。割愛するがハッシュヴァルトが石田をこき下ろし、それに対してグナーデが自分への態度を引き合いに関わる権利は無いと答えて、詫びて父親として接したいと言えば今更過ぎて無理だと答える。
最終的にバズビーがこっそりと空座町行き準備を手伝い逃すような形で飛び出して来たのだ。
現世拠点脱出後、バズビーによると石田雨竜抹殺に動きそうだったので暫くは相手して落ち着かせるらしい。
ただ別に結婚することもないそうだ。知らなかったとはいえ生まれた時にも子育て時にも放って置いて、更に他の男の子を孕んだ淫売扱い発言を娘にしていた事も石田への罵倒の報復にグナーデがバズビーに教えてしまった。
その為相当頭に来ていたので今更求婚されても嬉しくもメリットもないとの弁だ。 - 118二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 03:26:39
「という訳で私はもう帝国と関係は切れてるようなものですけど、雨竜先輩が気になるならこちらから連絡取ることも出来るので安心してくださいね!」
因みにバズビーが生活費は支援してくれてるらしい。千年は生きてるそうで現世の知識や偽装戸籍もあるらしく個人資産もしっかりと蓄えてたそうだ。現世で言うところの中学生の年頃で母になり金銭面でも相当苦労したのでいざという時に備えていたそうだ。
尸魂界に行ったメンバーだけでなく啓吾や水色にたつきといった一護の事情を知る仲間達もグナーデのマンションに招かれそう説明された。
後継者に指名されていたのを即裏切っていたのでちょっとアチラでの扱いは気になっていたが特に問題無さそうだった。
「なので母様公認ですし雨竜先輩御覚悟くださいね!頑張って落としちゃいますから!」
そう言ってグナーデは宣言した。
「やっぱりグナーデちゃんって石田くんのこと好きだったんだ…」
「はい!ちゃんと自分の意思のある人って素敵じゃないですか?それに私シングルマザーの家庭だったので家庭的な男の人って魅力的なんですよね。病気になった時とか子供の事とか任せられる旦那様って最高じゃないですか!」
頰に手を当て赤らめながら石田を褒める。
「子供って…ガッツリ結婚相手にロックオンしてる訳ね…てか話的にアンタ16歳って訳じゃないんでしょ?幾つ?」
たつきは完全に石田と結婚する気なグナーデに問いかけた。
「千歳は超えてますね…でも肉体年齢は16.7歳なので妊娠機能は問題ありませんし、純血統でも混血統でも帝国もないから関係ないでしょ?ね?雨竜先輩!」
そう言ってグナーデは赤裸々な子供や妊娠機能の発言に真っ赤になった石田に話を振った。
「ええ…って、それ僕の意思は…?」
ズレていない眼鏡をかちゃかちゃとあげながら石田が言うと、
「だから落とすって言ったじゃないですか!ちゃんと私の事、好きになって貰いますからそこは安心してください!」
改めて石田に宣言するとこの場の人間は少しニヤつきつつ釣られて照れていた。悔しそうにする啓吾以外は。 - 119二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 05:17:06
お前の子を産む宣言とかされたら思春期の男子なら想像もしちゃうだろうよ
- 120二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 09:29:26
グナーデちゃん本当に愛されて育ってきたんだね。幸せになるのが一番の母親孝行だ
そしてやっぱりバズ♀は一時的にしろ経済的に苦しかったのね
遺産は残ってても帝国入るまでは生活の目処も立たなかっただろうし働き口もなくて切り詰めった生活っぽい
千年前の、親の庇護を失った貴族の娘しかも未婚の母なんて修道院行きor娼婦堕ちしかないのによく頑張った
個人資産まで蓄えてるとあっては、本当にユーゴーいまさら要らないしほんとお前どうするよ案件
ところでグナーデちゃんが刺繍得意なのはバズ♀の影響?
貴族の娘は読み書き計算以上に刺繍必須で、美しい刺繍できること=教養の高さだったらしいから - 121二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 10:12:33
- 122二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 12:39:40
このレスは削除されています
- 123二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 12:47:24
マジレスするのどうかと思ったけどssへの感想を寄せたいのでレスするね
まず自分はssの作者ではないけど上でいくつか書き込みをしてる者として何か不快にさせてたら申し訳ない
でも、121のそれはちょっと違うんじゃないかなと思うんだ
ユーゴーは劣等なので愛する事も許されない愛される事にも値しない存在だなんて多分誰も思ってない
ユーゴーは親になっていいし、親になる機会もレスから見ればわかる通り与えられてる
ただ、生育環境があまりに不幸だったからそれが子どもへ連鎖するのではないかと半分ふざけながらも、みんなどこかで心配しているんだよ
その連鎖を止めるためにも父ないし母の「バズビーがいてほしい」と少なくとも自分は思う
ssはあくまでシングルマザーで育った娘ちゃん視点だし、むしろ父親として未来も希望もあるルートだよ
「親として子どもを愛してる」「親として愛されている」ユーゴーを121の短文でも会話文でもいいからぜひ見たいな
- 124二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 13:01:36
- 125二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 13:10:55
よくお分かりですね!グナーデを素敵な男性に託したいバズが刺繍をしっかりと練習させてました。
他にもダンスや料理も上手いと思ってます。
バズ自身は男を必要としないだけの生き方とスペックを身に付けていますが、独り身で苦労してた分好きな人が出来たら即ゲット出来るように育ててます。
逆に独身のままでも逞しく生きていくには賢さも必要なので読み書きもコミュ力も身につけられるように躾けてます。
厳しい躾も愛情表現の一つですよね!
- 126二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 13:13:37
>>121ss書いた者ですけど
このバズ生きてただけで切ってますしグナーデも自分に当たるならまだしも、バズを殺されたと一度思い込むほど傷付けた相手だから手厳しいです。
トドメに石田を嬲るわ一応の和解の途端に一足飛びで父親面で石田を貶すことをすれば娘に嫌われて当然だと思います。
因みにこのバズ的にはグナーデがユーゴーの娘だと気づがなかったのも許し切れてないです。置いて行かれたのも千年スルーも切られたのも戦って満足したので怒ってない。
でも『ユーゴー以外に脚を開くような尻軽』だと思われたのは腹立つ。しかもグナーデにそれをぶつけたのが一番腹立つって感じです。
まあその内元鞘?に収まるでしょうけどユーゴー以外には絶対身体を許すことは無いのに疑い続けたのは誰でも許せないでしょう。
ユーゴーはユーゴーで置いて行った自覚があるので、その時点でバズに嫌われ振られて当然。くらいの認識だったから自分の子を産んでくれるなんて夢にも思ってなかったんだと思います。
ちゃんとバズ♀に愛されてるけど所業により許されてないだけです。
- 127二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 14:15:22
- 128二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 14:21:03
>>127正にそういうことです。グナーデはそれが出来ない父と比べて石田に惚れ込んでます。
グナーデはバズ♀がユーゴーの事をまだ思っているのも知っているからこそ偽名に森を入れてました。
- 129二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 15:11:48
石田は真面目だから本編完結くらいの年齢で漸く結婚しそう
- 130二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 15:21:21
- 131二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 16:09:15
- 132二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 19:37:26
- 133二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 20:15:30
バズ♀に往復ビンタさるるのが似合いすぎる男ハッシュバルト
- 134二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 20:24:40
愛ある拳ならぬ愛あるビンタだ。嫉妬に目が眩んだユーゴー如きでは見る事も出来まい!
- 135二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 20:30:55
- 136二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 20:34:08
なら置いてくな!!
- 137二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 20:41:43
いやほら、本人的にはちょっと仲違いしたまま出稼ぎに行ったつもりだったとか…
頑張ってお金貯めて、ほとぼり冷めたら迎えにいくつもりだったんだよ - 138二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 20:47:58
それにしたってグナーデちゃんがいい子なのが救いだな! (軌道修正)
- 139二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 23:22:17
話ガラッと変わるけど息子versionも見たい…誰か書いてくれん?
- 140二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 23:28:01
があるよ
- 141二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 04:52:29
このレスは削除されています
- 142二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 07:51:56
111だけど息子視点の短編ならあるよ
🍟とバズ♀の心理描写を一切してないのと30分クオリティなので不出来かもしれないけどよければ - 143二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 07:58:27
🍟バズ♀の息子視点の話
「本気で行くつもりか。あの廃墟に」
「ああ」
「もう何も残っていないはずだ。私がそのことを誰より知っている。許可はできない」
父はこういう時、人目もないというのにことさらに冷たい騎士団長の顔をかぶって見せる。ぼくはその化けの皮を剥いでやりたくてたまらない。
父であるという人、ユーグラム・ハッシュヴァルトこと我らが騎士団長様……が忠誠を捧げている男のせいで散々母が苦しんだというのに、こういう時ばかり冴えざえと造りもののように美しいその顔を母に見せつけて、ことさらに母から自由を奪おうとする。
ここにぼくがいなければ父は本気で母を身ぐるみ剥いで裸にして、帝国どころか父の執務室から一歩も外に出られないようにすることくらいはするんじゃないかとぼくは本気で思ってる。
だって、父は「そういう人」だ。この人はぼくの母のことを自分の目の届かないところに置くことをとても嫌がる人だ。ぼくはそういう人だとしか知らされていない。
ぼくに向けられる目が語っている……なぜお前が彼女に愛されているのだと。
はっきりと憎しみを込めてその目はいつも語っている……彼女に愛される男はこの世でただ一人、自分だけだと。
氷のように冷たい青い目はいつもお前はこの世に生まれ出た異物だと言いたげだ。
そういう父だから、ぼくは声をあげて抗議したりはしない。おとなしく礼儀正しく母の半歩右後ろにひかえて、母の右手を固くぼくの左手で握りしめているだけ。
母がいなければぼくはこの父だという人にとっくに斬られているだろう。彼は母がぼくと手を繋ぐことすら本当は許せない人だ。 - 144二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 08:00:27
「今回で最後になると思うぜ」
「……限界なのか? あと五年は持つと聞いていたが」
「駄目だ。土台が壊れたらしい。もうすぐ崩れる。“陛下”のお望みが叶うぜ。今度の冬であの城は跡形もなくついに消滅だ、残念だがな……。だから最後にファルケを連れて行く」
「私を連れていきたいとは言わないのだな」
ほんの少しだけ父の声が和らいだのは、いつもと違って母と穏やかに話ができているというそれだけの理由だ。
ぼくと母はこれからブラック家の城跡に行く。
その許可を求めるときだけは母は決してユーグラム・ハッシュヴァルトに突っかかったりしない。この時ばかりは母は父に対してしおらしく振るまって見せる。あのバズビーがだよ? もちろん演技に決まってる。でも完璧なんだ、この時だけは。
ドレスを着ていれば、そしてもう少し髪を伸ばしていれば、母は貴婦人に見えるだろう。それを処世術として披露してユーグラム・ハッシュヴァルトの許可を取る。
ぼくたちはあそこへ行く。あの城の最後を見届けるために。
ぼくのためになら、いつもは突っかかっていくユーグラム・ハッシュヴァルトに頭を下げることができる……こういう時の母は「バズビー」ではなく「バザード・ブラック」に戻っているのだと思う。
ぼくと母と、この勝手に父とか名乗ってくるハッシュヴァルトのやろう、そして敵地に乗り込んだあげく後ろからブッ刺されて大失敗おやらかしあそばされた“陛下”の四人だけがこの母の本当の姿と名前を知っている。
陛下はお休み中なので想像するしかないけれど、もしぼくに何かがあったとして陛下に謝らなければならなくなったとしても、母はこの貴婦人の顔をして平然とその足元に額付くはずだ。
「母親はみんな女優だ。俺の母上も見事なもんだったぜ」なんて言ってるくらいだし、陛下にやれと言われたら涙の一粒や二粒くらい流して見せるだろう。前もって玉ねぎ切っとけばいいんだし。
「ユーゴーも行きたいのか? 連れて行ってやってもいいぞ」
「私にそんな時間はない。期限は36時間だ。早々に帰還するように」
最後に父が「気をつけて」という言葉を呟いた時にはさすがにぼくも腹が立って、それをかき消すように元気に明るく大きな声で言った。
「騎士団長のためにお土産を探してまいります。お懐かしいでしょう?」
いい子は明るく元気よく! もちろん演技だよ。当たり前じゃない。 - 145二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 08:04:16
ブラック家の城は跡しか残ってない。
母は朽ちていくままに任せているかのように見える建物の物陰に身をひそめて、両膝を地につけて両手を組んでお祈りをしていた。
「復讐」「誓い」……その言葉は何百回繰り返されたのだろう。ずっと母に抱きついていたかった。でも母はそれを許してはくれなかった。
俺にも何をしたいのか実はよくわからないから、せめてお前はおとなしくしといてくれと言われた。そう言われてしまうとぼくは黙るしかない。母から少しだけ距離をとって座って待っていた。そばにいることが嬉しかった。そしてうしろめたかった。
ぼくは母のことを少し知っている。
母のお母さんの焼けこげた肖像画を見たことがある。きれいな人だった。
母のお父さん……馬に乗ったご領主様の絵姿も見たことがある。それは描きかけだったのでまだ画家の手元にあったのだ。母はお金を渡してそれを引き取りぼくに見せてくれた。凛々しくて、目鼻立ちが母にとてもよく似ている人だった。見たのはその一度だけ。残念なことにぼくはその人にはまったく似ていない。
「お前はブラック家の子だ。だから一度だけ見て、すべて忘れろ」
そう言われたのだ。
お城で働いていたという人も何人か知っている。こっそり教えられて知ったことだけど、結局のところ城も領地もなくなってしまっても「人は生きている」ということだ。
この辺りに住む人たちは仕事がなくて困った時は、かつてブラック城に勤めていた年老いた家令の住んでいる街外れの大きな家に行く。そうすれば仕事と住むところを世話してもらえる。
町に行けばブラック家の城勤めだった兵隊さんが訓練と寝泊まりをしている兵営所がまだ存在していることも知っている。ブラック家の紋章を掲げていないだけだ。彼らは手の中におさまるような小さなお守りのにブラック家の紋章を刻み、それを人の目に触れないようにして大切にしている。彼らの一人が母の姿を見つけた時には、何も言わず静かに目礼してくれた。あの人たちにとっては母は今でも「お城の姫さま」だと言うことをぼくは知っている。
母が「一族」と、ごく当たり前のことのようにいう言葉の中には、母と血のつながりのない人たちが何百人もいる。母にとっては、年に二回、お祭りの時にだけやってくる旅芸人の一座の、ぼくくらいの見習いの子どもでさえ「一族」の人で、大切な人だってことをぼくは知っている。 - 146二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 08:08:37
でもそういうものを母は全て失ってしまった。陛下が一晩で滅ぼした。
「ファルケ。お前はブラック家の子だ。でも受け継ぐのは思い出と誇りだけだ。他は何も受け継がなくていい」
「復讐しなくていいの?」
「お前はしなくていい……っていうか、お前はそんなことにつきあうな」
母は呆れた口調で言っているが、その目は今にも泣きそうだった。
ぼくは知っている。母がかつてのブラック領の人たちと絶え絶えながらも連絡を取り合って、交流を持ち続けていること。
そして彼らもみんな知っているんだ。自分たちのお姫さまは貧しく淋しい中で一人ぼっちになったりはしていないってこと。だから彼らは陛下へ復讐しようだの仇討ちだの騒いだりしない。そんなことをすればお姫さまは今度こそ道端に放り捨てられてしまう。
ぼくは知っている。連絡を取り合うなんてこと、「バズビー」たったひとりではできはしないと言うこと。ユーグラム・ハッシュヴァルトが見て見ぬふりをしてくれているんだってこと。見て見ぬふりと言うのは正しくない……きっとぼくたちがここへ来ることもあらかじめ父が何らかの手段で知らせていたのだと思う。出会った人、すれ違った人、みんな母の顔を見て嬉しそうに会釈して通り過ぎていった。
最後に会った人は……確信はないけど、母の乳母か、その姉妹だと思う。ぼくの顔を見てとても驚いていた。信じられないといった顔をしていた。母はちょっとだけ気まずそうにしただけで何も話さなかった。
その人もしばらくぼくを見つめた後に涙を浮かべてひとこと言った。
「彼そっくりだこと」とだけ。
ぼくは母のことを少しだけ知っている。
そして父のことを知らないでいる。知らないふりを続けている。
みんなが知らないふりをし続けているのに、ぼくだけ知るのはのは不公平だと思っている。
終 - 147二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 08:44:58
神よ感謝します
- 148二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 13:32:45
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- 149二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 19:00:43
- 150二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 21:10:34
- 151二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 22:21:24
バズは子供が男でも女でも躾けつつもちゃんと可愛がって育てそうだけど、ポテトはなぁ…
子供が男でも女でも、バズに似れば可愛がって(依存して)、自分に似れば冷たく厳しく育てそうな気がするんだ - 152二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 01:09:54
- 153二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 01:19:38
それは言い過ぎだけど自分を守る殻に篭ってる印象はある。
- 154二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 06:48:12
このレスは削除されています
- 155二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 11:10:17
自ら動かない人に手厳しい
- 156二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 16:00:53
- 157二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 21:44:43
めっちゃ面白くて調理しがいのある食材だけど扱いが難しい
フグ毒調理資格がないのにフグ料理作るような……バズ♀の子どもはハッピーエンドのみ目指して書けるけど
ユーゴー♀の子は…… - 158二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 21:48:18
わかる。ハッピーエンドが見えないから手が出せない
- 159二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 21:59:54
美味しいだろうに…
ところでかつて毒があるとわかっているのにそれでも食べた昔の人々が食中毒を起こしたり毒死したりの経験を積んで毒を取り除く技術を確立し、今日のてっちりやテッサなどの美味しいフグ料理が振る舞われた歴史があるのは知ってるよね? - 160二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 22:16:16
ユーゴー♀の娘が生まれるまでのいきさつだけで猛毒
自分はたぶん明日目覚めない 二分割しただけでダメージ食らった
それは不思議な国だった。この王を名乗るものは絶対的な存在として玉座に君臨している。
そのかたわらには王自らが「我が第一の娘」と呼び重用されている美しい娘が騎士団長として控えており、まこと忠誠を捧げている。ところがこの第一の娘には母がいない。王がある日突然、何処の馬の骨ともしれぬ子を一人連れてきて「これより我が娘であるゆえ、そのように」と宣言した。
これはおかしなことだと誰かが呟いたが、呟いたものの姿を人は二度とは見なかった。
王に妃があれば、あるいは伴侶なくとも側女の一人でも控えていれば「そのようなことである」と納得はしただろう。その娘を王女あるいは姫と申しあげもしただろう。だが王には未だ伴侶はいない。妃たるものが存在しないのになぜ娘が存在するのか首をかしげたりするような無礼を今や臣民ははたらかぬ。しかしその娘と呼ばれる子どもが腹に宿していた存在に対しては意義を唱えずにはいられなかった。
「その者の腹の子は父は誰なのですか」
ある臣下がそのありったけの勇気を振り絞って王に尋ねた。その顔には嫌悪が宿っている。うつむいて目を伏せたままの「第一の娘」は体をわずかに震わせて、みずからの二倍はあろうかに見える王の影に隠れようとするかのように身をよじったがそれも叶わぬ……おそろしいことに娘の腹はもうふくらみはじめているのだ。
「始末することはまかりならぬ」
王は実に楽しそうに臣下に答えた。娘は真っ青になってその場にくずれ落ちた。
「そのものは我が半身ゆえに夫なくして子を生むのだ……妻なき我が身の娘なのだから、“おとめ”のままに母になろうと何の不思議がある。そうであろうよハッシュヴァルト、我が半身、我が娘」 - 161二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 22:19:34
その娘の名前はユーグラム・ハッシュヴァルト。ほんの数ヶ月前に王が見つけ出した娘だ。不全の者であることはすでに周知のことである。何しろ不全ゆえに王が血眼になって探し続けていた。帝国に連れられてきた時すでに様子はおかしかった。生来美しいはずの容貌は、目元はやつれているというのに顔の輪郭が不自然なむくみを帯びて、もとよりましろの肌はいよいよ生気がなく血の気もなかった。思えばこの時彼女はすでに身篭っていた。それを誰かが指摘すべきであった。臣下には女も幾人もいる。月の障りについて年頃の娘に何一つ教えなかったことも問いたださなかったことも、今となっては王は笑って見ていたのかもしれぬ。
分け与える希少な力を持つ娘……それなら帝国の者どもはいずれ受け入れたであろう。白百合と薔薇の交わったゆえに生まれた奇跡の娘であると期待をおさめてやがて「姫」と呼んだであろう。だが彼らは決して娘をそのような眼差しで仰ぎ見ることはないだろう。まさか王の娘が火遊びの果てに子を成し、まさかそれを王に許されて生もうなど誰が受け入れたりしようか。 - 162二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 22:20:48
臣下はもう一度王に尋ねた
「無礼打ちは覚悟のことゆえ非礼をお許しください。ただ一つお聞かせ願いたく」
「聞こう。申せ」
「その娘の腹に宿る者の父は、陛下ではない、さようでございますね。間違いなく陛下のお子ではないのですね。その娘は帝国の外の男と子を成したのですね」
「無論だ間違いない。まさか我が臣下は王たる私が娘と通じて子を成すとでも? もし我が身が娘と通ずることあらばそなたらの手で私を殺すがいい」
その瞬間ついに広間に叫び声が響いた。控え居た全ての者の視線を受けて娘が狂っていた。
違う、嘘だ、そんなわけはない、間違いだ、でたらめだ!
細い金糸のような髪を両手で掻き回しながら叫び狂っている。その姿に人々はついに失笑した。生み月にはまだ程遠いであろうがそのかすかな腹のふくらみは、もはやこの娘が天から降りてきた祝福ではないと語っている。人々は得心した。この娘は最果ての地よりやってきた汚穢であると。
「ユーグラム・ハッシュヴァルトは妃なき我が身の娘である。ゆえに夫なき身で母となるのだ。すべてはそのようにとりはからうように」
一同は深く礼をして退室する王を見送った。そして残された娘は絶叫した。
「ああ、私の漆黒のプリンケプス! いったいあなたはどこへ消えてしまったのか!?」
かくして生まれたのはまたもや娘。もはや人々はためいきをついてささやきあった。
「我らの王は一代で終わるのだろうか」と。
かくして生まれたのが、このわたし。わたしを見る人の目にはいつも嘲りのみが浮かんでる。
わたしは陛下を「おじいさま」とお呼びすることを許されているたった一人の子。「おじいさま」とお呼びすることを義務付けられた子。わたしの名前はバチルディス。“彼女のプリンケプス”の母と同じ名前を名乗っている。
ここまでででもう自分には最大の不幸が降りかかったorz - 163二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 22:29:10
昔話調なのが更に良い…
- 164二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 23:21:24
文豪すぎる
バズビー早くなんとかしてくれ…ユーゴー♀とは拗れるだろうけど娘の味方にはなってくれるはずだ - 165二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 01:11:27
お疲れ
- 166二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 01:40:32
- 167二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 06:56:20
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- 168二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 06:59:19
ユーゴー♀の娘の話の続き 明日目覚めないどころかギンギンに目が覚めてた
バズとユーゴー♀と娘。生々しい部分を避けるために古めかしい表現をした
「知らぬだろうか騎士団長は」
赤毛の男はその日ついに名を捨てた。
「お前の話はくだらぬことばかり」
ハッシュヴァルトは美貌の蛇。ただ賢しらな死を渡ることを忘れた蛇。
「知らぬだろうな下賤の腹の生まれでは」
これより名前はバズビーと、生まれも名前もすべて捨てると宣した男が笑う。
ハッシュヴァルトの美貌をしても、それは己の知らぬことだと男は一人でただ笑う。
もとより二人は割りない仲。腹に宿ったいのちの片割れ。
知らない者だけがこの世界を生きられる。王のみが例外。
「下賤は今では私と同じ。お前は土地なく富なく兵もなく、陛下にすがる哀れな者」
「王の娘でありながら王女も名乗れずただ騎士団長とは哀れここに極まれり」
「私は御心にのみ生きる者。御心なしに生きぬ者」
「その御心に許されて、お前はむすめを“はらから”と?」
「その話はいずこから!?」
「むすめの母の狂態を、知らせるものはむすめなり」
「あれは気狂い、ただ花畑、我が言の葉よりもあれの口を信じるか」
母の顔した蛇であるハッシュヴァルトは素知らぬふり。
ふるさとの森をかざした瞳の男だけが蛇の心に隠した傷に手を伸ばす。
かつての友の瞳の奥に、蛇は伴侶の影を見る。男は名乗る。
「我はバズビー。黒き祖国をを奪われて、ついには捨て去りお前の元へ」
「黒き国など焼けこげて、はるかおとぎのものがたり」
「友よ俺は知っている。ただ一度の契りの果ての、お前のむすめのはらからを」
「我が娘に父はなし。私は妃なき王の子ゆえに、背の君なしに母を許された身」
「友よ俺は知っている。ただ一夜の契りの果てに、俺はお前を妻にした」
「私を妻にした男はバザード・ブラックただ一人。名乗らぬ男がいまさら何を」
男の目に炎が宿る 蛇はその熱を知っている
「俺はむすめを救いたい」 - 169二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 07:01:50
赤毛の男は首を傾げて異を唱える
「バチルディス、などてか軍務に。それは国の法にて許されぬはず」
「我が母ハッシュヴァルトの命にて。法で許されぬとはいかがに?」
「お前の心はいずこに。我が意はお前の心を知ってから」
「戦さは愚かとただそればかり。我が父も戦さに散ったと聞かされて」
赤毛の男は暗き目をした者を慰める
「バチルディス、お前は父は誰かいずこか知るや?」
「おりませぬ。わたしは母の罪の形。火遊びの後の消えぬ傷跡」
「バチルディス、その名を名付けたものは誰かお前は知るや?」
「我が母ハッシュヴァルト」
赤毛の男の声は震えてその目は見開かられバチルディスを見つめている
「懐かしき名。それはいにしえの王妃の名、今はなき我が祖国の妃の名……」
バチルディスは年頃の娘らしく素直に聞き入り、わけても赤毛の男を知りたがる。
「母は醜いわたしを許さぬ人。わたしの非才を許さぬ人」
赤毛の男は笑い飛ばす。底抜けの明るさは怯えた少女を照らしている。
「そのかんばせは母ゆずり。才長けた子よ、努める姿はその母と相似なり」
赤毛の男の気の良さにあてられ笑い転げる。男はそれを見つめて思案する。
「などてか騎士に」
「母の命にて」
「能わず。父に認められぬ子は父より伝わる富もなく土地もなくただ哀れ」
赤毛の男の思索は終わる。
「伝わるものなき子は果つす務めもなき子。国の法、王の定めと知れ」
赤毛の男の声はただ優しく響く。
「母の前にて宣せよ、“不実の果ての子ゆえ果たす勤めなく”」
赤毛の男の声の中に知るはずのない思い出を聞く。
木漏れ日が金色のささめとなって降り積もるまぼろしを見る。
「お前の道は武になく文と知れ」 - 170二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 07:05:10
その忌まわしき記憶は一人の女の宣言に始まった。
「バチルディス・ハッシュヴァルトは騎士団には入りませぬ。帝国と陛下に忠誠を誓いませぬ」
母親が驚いている。みるみる青ざめていく。化け物を見る目で娘を見ている。王でるユーハバッハもほんの一瞬であったが眉間に皺を寄せた。当然だ。彼女は王の第一の娘であるユーグラム・ハッシュヴァルトの一人娘だ。ユーグラム・ハッシュヴァルトは王に見つけ出されて帝国へやってきた「王の娘」だ。王自ら「我が半身」「我が娘」と重用する彼女が、帝国へ連れられてきてしばらくして生んだ子だ。
「バチルド……お前は何を……」
動揺するハッシュヴァルトをよそにどこからかくすりと笑う声が上がった。男の声である。一同はその声の主を探すどころではなかった。何しろ王の「第一の娘」の子、すなわち王の孫にあたる娘が帝国臣民としての義務である騎士団への入団を拒否し、忠誠を誓わぬと申し立てたのだ。王は静かに尋ねた。
「バチルディスよ、なにゆえ誓わぬ。私はお前の祖父たる王だ」
「先日、国法について読みました。これはおかしなことでございます、おじいさま」
これはおかしなことであるとかつて何か異議を申し立てようとした者がいたのを王は覚えている。
妃なき王になぜ娘がいるのか。妻もなく側女もなくどうやって娘をもうけたのか。
王は忘れぬ。かたわらに控える第一の娘が腹が無事にふくらみはじめたので皆に知らせねばならぬと披露した。娘は不全の者という価値しかなく身分はどうにもならぬ。しかし腹の子は古き国の男の血を引くものであったので王に祝われねばならぬ。由緒正しき血の者はこの世に出でるのになんら恥じいることも隠すこともあってはならぬ。なぜ隠さねばならぬのだ?
我が娘は何か動揺していたようだがあれは若くして母になる不安であったのだろう。第一の娘なのだからその不安など耐えねばらぬ瑣末なこと。それよりその腹の子がみずから手を下したブラック家の血を引いていたとはなんともこころよいことであった。王はブラック家の正統の血まで治めたのだ。ならば堂々と生ませねばならぬ。日に日に大きくふくらんでいくのは臣民にとってまこと楽しいことでなくてはならぬ。
「わたしの父親は不明です。つまり認知がされておりません」
「まさしく。夫なき身の我が第一の娘の腹より生まれた子であろう」 - 171二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 07:07:34
「然り。夫なき身の母から生まれたわたしは婚外子でございます、おじいさま。この国の法では婚外子には父親からいかなる財も地位も受け継ぐことはできぬと定められておりました」
王は沈黙した。その通りである。「孫」の言葉を待った。
「婚外子の権利は限定されております。父の財も地位もわたしは受け継げぬ身」
それがどうしたのだと母親が王のかたわらから美しい顔を歪めて恐ろしい形相で娘を見下ろしている。何が不足だというのかこの娘は。王を「おじいさま」と呼ぶ。王とその娘、そして孫。その三人で団欒を持たねばならぬことまでが定期的に公式に定められてさえいるではないか。
「そしてその補足事項にこのように記載されておりました。婚外子は父の地位に伴ういかなるいかなる特権に享受することができぬ。その代わりいかなる兵役義務と王への忠誠義務も拒否できる。明文化されておりました」
一同が一斉に騒ぎ出した。たった一人赤毛の男だけが口元に笑みを浮かべている。
王のかたわらの「第一の娘」が鋭い叫び声を上げる。皆は驚きと好奇で見守っている。これほど面白い見ものがどこにあろうか。あの鉄面皮の美貌の女が金切り声をあげて狂っている。王は喉の奥でくくっと笑っている。まさかそれをつつかれるとは思わなんだ。
「わたしは臣民の義務を拒否致することを要求できます。忠誠も拒否できます。おじいさま、私の気持ちを汲んではくださいませんか。おじいさまにお慈しみいただいたことは心から感謝致しております」「……ならばバチルディス、今後はいかがする」
「文官に幾つが空きがあるとのことですのでそちらに参ります。そちらは義務ではなく志願制でございました」
「ならばそのように」
みごと祖父と孫の対面である。ただ一人、王のかたわらの第一の娘だけが人目も憚らず絶叫している。細い金糸のようなような髪をかき乱してもはや前後不覚に陥っている。側近の者どもがそれをなだめようとそばに近寄るが彼女は力いっぱいそれを振り払った。
「ああ、私の漆黒のプリンケプス! あなたは私を憎み続けている!」 - 172二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 07:09:47
かくして「第一の娘の子」は父親しれずの認知されざる子と確認された。またもや人々はためいきをついてささやきあった。「我らの王は“第一の娘”にもその子どもにも王位を譲りはしないだろう」と。
私は陛下を「おじいさま」とお呼びされているたった一人の子。
でも義務ではなくなった。
王位を継がせる者のいないかわいそうなかた、それがおじいさま。
わたしの名前はバチルディス。お母さまの“プリンケプス”の母上の名前を名乗っている。それはずっと昔に滅んでしまった古い国のお妃様のお名前。これはあのやさしいバズビー様が教えてくださったこと。“プリンケプス”というのはお母さまの古い大切なご友人だとのこと。わたしはいつかそのかたにお会いできるような気がしている。その時はバズビー様をそのかたにご紹介したい。
わたしを母と国から自由にしてくださったおやさしいかた。
バズビー様、あなたはなんて素敵なかた。
終 - 173二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 07:27:38
話の補足
バズはバチルディスを帝国がこの世に存在している限り認知しません
なぜなら婚外子であることがとても重要だからです
帝国の精神性を千年前のヨーロッパ的な騎士団と仮定したとして
バチルディスは婚外子なので「父親の」地位や財産を受け継ぐことができません
しかし受け継ぐことができないということは同時に「義務」も発生しません
つまり彼女は父親不明の子としての父の権利を継げない代わりに義務もないので、
「私ことバチルディスは軍務に服さず忠誠も誓わない」と主張できる「穴」があるのです
そうなるといざ帝国が負けたところで軍に関係してないのでお咎めがありません
ユーゴー♀は軍トップなので生存したらなんらかの責はありますが娘は連座はしません
母系・女系の継承は本来軍役とセットではないのでここでは除外
「地位や財産を継承するためには軍務は義務である」というのは
実は死神側の貴族たちも事実上全員が護廷(軍隊)に属しているのに共通してる部分
権利も義務もないに状況については京楽隊長が理解してくれるはず
バズは帝国が勝とうが負けようが娘は一切それに関われない状況を作るため
とにかく帝国がこの世からなくなるまでは認知しない
経済的な基盤と後ろ盾与えていずれ現世に行かせる道を探ると思います - 174二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 13:45:04
このレスは削除されています
- 175二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 15:51:16
- 176二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 16:18:02
毒抜き気をつけて
嫁の面影を子に投影する最高位は背徳的 - 177二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 17:05:45
19だけどよろしく
- 178二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 19:04:26
- 179二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 19:20:13
なんか血縁上の父への好感度が娘でも息子でも➝ユーゴは低くて、➝バズは高いのおもろい。
- 180二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 19:23:22
性別がどちらであれポテトそっくりの子供をポテトが育てるのは地獄を生む行為だと思ってる
幼少期のあれこれで自分と子供を切り離して考えられない(同一視)→陛下に不要と言われたら首ちょんぱ!では?(不安)→よし、陛下に尽くすように躾けよう(だって自分がそうだもん)→そのうち子供の反発を招いて泥沼になりそうで… - 181二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 19:35:36
ユーゴの遺伝子は恐らく自分の血縁を厭う性質と引っ張ってくれる人に惹かれる性質がある
- 182二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 20:00:55
決まって無いのでご自由にどうぞ
- 183二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 21:27:38
ユゴがユゴのまま子供を愛して子供に愛される話なら書けらぁ!!!!!
ということで書きました
いや勝算はありますよ
なんと言っても妊娠が千年前ですからね
この時期ってバズを裏切った後ではありますが陛下に選ばれて帝国まで最盛期で人も一番多い、ユゴの精神面が一番安定している(ハッシュヴァルト比)時期だと思うんですよ
そして人が多いってことは親がダメでもフォローしてくれる人がいるってことですね
俺の答えはこれだ!!
いけっ!!ヒューベルトパイセン!!!
ttps://x.gd/DDglD - 184二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 21:29:07
テレグラフ規制されてたから頭にh入れてコピペしてくれ
(こんな古典的な方法が抜け穴になって良いのか??) - 185二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 23:01:59
ユーゴー♀頑張れ! 母親として子を愛して、子の実の父を女性として愛していて構わないんだから
しかもバズビーは絶望して折れるような男じゃないから大丈夫だ安心しろ 何か変わる可能性がある!
そしてあまりに素敵に当て馬っぷりのヒューベルトパイセン、あなたの骨は自分が拾います
- 186二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 23:25:49
このレスは削除されています
- 187二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 23:35:08
このレスは削除されています
- 188二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 23:38:43
ユゴ小噺-06-11、自分が見た時は見れたし今履歴から行く分には普通に当該SS読めるけど
- 189二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 23:43:36
- 19017525/06/11(水) 23:59:27
やっと出来た
見えざる帝国…皇帝であるユーハバッハが敗れ、影の領域に新たに再編された滅却師の国家であり今はその半身たるユーグラム・ハッシュヴァルトにより運営及び管理を任されている。
敗戦により傷付き命からがら生き延びた滅却師をまだ年若いハッシュヴァルトが代理としてとはいえ統治することにとなり、新たな地で復興するのは多大なる負担となっていた。
偉大なる滅却師の王、ユーハバッハより与えられた「支配者の仮面」と「威光」があれど反発する者も多い。
そんな彼の側近の赤みがかった『少年兵』はハッシュヴァルトにとって、ある意味で癒しとなっている。
『彼』は戦時にはまだ入団しておらず現世で育っていたものの、滅却師の国「光の帝国」の崩壊により現世で徐々に居場所を無くした滅却師の1人だ。
『彼』曰く死神との戦争の後、滅却師は死神の目から隠れるようになり元々有った確執は確固となっている。その結果ユーハバッハ陛下の遺した詩の通りに復活する迄に体制を整える為、人員を欲していた帝国に現世で居場所を無くした者達は流れて来ているそうだ。
現世の各地に散らばっていた者達も影響を受けている事もありマッチポンプとも言えなくないが、死神の殲滅と霊王の抹殺は陛下の御意志である以上ハッシュヴァルトが口を出すつもりも必要も無い。
そして『彼』がハッシュヴァルトを癒してくれるのは単に懐いて慕ってくれるからだけでなく、『彼』の容姿による物が大きい。吊り目がちで赤みがかった髪を持つ『少年』は、今尚癒える事のない訣別した友であり…苦く愛しい記憶の『少女』を思わせる。
髪質は『彼女』より少し柔らかくふわふわしていて違っているが別に撫でる訳では無いので気にならない。
『彼女』と森で過ごした5年間は時折憎悪を宿した暗い瞳をする事もあったし、今でも目を閉じれば訣別の日の嫉妬と憎しみと裏切られた絶望に染まった眼は昨日のように思い出される。
そして『彼』真っ直ぐな瞳は『彼女』そのものだ。それも森で初めて会った時の眩しくも暖かなそれでいて無邪気さも兼ね備えている。
恐らくその時『彼女』に所謂一目惚れしていたのだろう。半年程で『彼女』の城は滅ぼされ、最も惹かれた『彼女』にも影が差すようになったが。 - 19117525/06/12(木) 00:02:45
しかし本心ではそれを喜んでいた時点で既に『彼女』を裏切っていたのかもしれない。
自身を虐待していた叔父も焼け死に、『彼女』も帰るべき城も家族も居なくなった。『彼女』の帰れる居場所は自分だけになったのだから。
『彼女』の目的に同調していればずっと側にいられた。同時に『彼女』に必要とされたくて血を吐くような思いで修行をした。
当時は寧ろ足手まといとして突き放されてもおかしくない実力と環境だったが『彼女』は自分の掘り起こした遺産をやりくりして賄ってくれた。
肌を叔父に触られば不快で怖気立っていたが、『彼女』は触れれば擽ったそうに身を捩って抱きしめてくれた。『彼女』に触れられれば叔父に汚された自分が清められたようにも感じたから、意味を碌に理解もせずに触れ合いまぐわうことは自然であり抵抗は無かった。
『彼女』に受け入れられ、慈しまれていることは疑いようも無かった。いずれは目的を果たすか途方もない事と諦めるかすれば本当の家族になるのだろうとお互いに漠然と思っていた。
そして、守りたい『彼女』に大切に守られている、養われている事にずっと劣等感と後めたさを感じていた。
全てが終わり始まったのは陛下に出会った日の事だった。 - 19217525/06/12(木) 00:04:49
『彼女』と共に星十字騎士団の親衛隊の前に飛び出してしまった時に陛下は現れ、『彼女』はその霊圧にひれ伏していた。
陛下に見出されたと分かった時、真っ先に歓喜と戸惑いで『彼女』の様子を見ると嫉妬の眼を向けられていた。
喜んでくれない『彼女』に裏切られた気持ちになったが、陛下は「お前が必要だ」と仰った。
突如導いてくれていた光が消えて導を失くし暗く落ち込んだ自分にとって新たな光だった。
『彼女』が矢を放ちその矢を受け止めた事で『彼女』の瞳は憎悪と嫉妬に加えて裏切りによる絶望に染まっていた。
それが『彼女』を見た最後だった。
この『少年兵』は『彼女』の面影を宿しながらも『彼女』とは違い自身に憧れて慕ってくれている。なんといじらしく愛らしい事か…
『彼女』のように触れるつもりは無い。『彼女』の代わりにするような事があれば『彼』は自身の嫌悪する叔父のように嫌悪し『彼女』の瞳を向けてくれる事はなくなる。
そもそもあの行為の意味を知った今『彼女』以外には男だろうが女だろうが『彼女』と似ていようが、『彼女』でなければ意味がない。
最高位と慕う『彼』は身の回り世話を積極的に行い時間があれば勤勉に訓練に励む。
『彼』と過ごす僅かな時間と『彼』がその場に居なくとも多忙な自分の為のささやかな配慮に気付く瞬間が、今の自分にとって最も癒される時間となっている。
努力家で素質もある『彼』は自身の直属部隊のまだ末端だが、実力人望共に自身の側近に取り立てられるのもすぐだろう。
個人的にすぐにでも側近にして側に置きたいがまだ入団したてで、出世の為に自分に媚びを売ったなどと騒がられれば傷付くのは『彼』だ。
そう思い面には出さないが泣く泣く見送り事も多々ある。
そして自信家でそれに見合う実力を持って伸び悩む者が居れば助言し、実力主義な騎士団で弱い兵が虐げられれば押さえ付けて報告に来る。
『彼』は陛下の腰巾着と揶揄される事もあった自分とは違い、着実に人望も集め始め特に若手の滅却師の人気者だ。
今日も食堂で集まって仲の良い聖兵達が『彼』を囲み話をしていた。 - 19317525/06/12(木) 00:06:00
『彼』の『母親』は女手一つで『少年』を育てていたものの、戦争により仕事に溢れそれでも『少年』の為に働いていたが無理が祟り亡くなったそうだ。
そして『母親』は元々裕福な生まれだったが光の帝国の平定時に没落したそうで、今はまだ珍しく読み書きや計算なども『少年』に教えてくれたそうだ。
『母親』は『バザード』と言う男の名前だったらしく裕福な家の娘だった割に名前に似合いの男勝りな性格だった。
と、そこでハッシュヴァルトは『少年』達が壁の向こうで話しているのを聴いて嫌な予感が頭を過ぎる。
男の名前の令嬢は珍しい…更に『少年』の髪と瞳の色、『彼女』に良く似た面差し。
残された『彼女』が裏切った自分に愛想を尽かし血を残す為に適当な男に身を委ねてしまったのか、あの後不埒な輩に襲われたのかして『少年』を産み落として育てて亡くなった。その可能性にそのような資格も無いのに嫉妬と『彼女』がもう何処にも居ないかもしれない絶望感で足元が揺れる。
無意識で仕事は終わらせていたが気付いた時にはもう就寝時間だった。
ベッドに横たわる前に愛用の剣の手入れをしながら『少年』が来てから日課になった就寝前に飲むホットワインを待つ。
良く眠れるようになるからとホットワインにシナモンを隠し味にして持って来るようになった『少年』と二言三言話すのが1日の終わりとなっていた。
それがハッシュヴァルトにとっての憩いのひと時であった筈が今は断頭台に立つような心地だ。
いつものように明るく眩しい『彼』の笑顔により追い詰められる気持ちになるが意を決して『少年』に尋ねた。
結果として『少年』の『母親』は『彼女』で間違いなかった。
『彼女』に自分以外が触れた嫉妬が『彼』にバレないように深く溜息を吐く。何より罪無き『彼』にぶつけるのは御門違いにも程がある。
『彼女』を恨むのも違うだろう。自身が置いて行く事が無ければそんな事にはならなかったのだから。
ならばせめて無責任に『彼女』を暴いた男を見つけ罰したい。女手一つで育てていたなら男は逃げたか『彼女』に無体を働いたのだろう。 - 19417525/06/12(木) 00:11:54
『彼』の父親について訊けば『彼』と耳の形と髪質がそっくりだそうでよく『母』が触れていたそうだ。
そういえば『彼女』は口付ける時には頬ごと包み込むように耳に触れ、行為の最中によく頭を撫で抱きしめてくれた。
好きだったのだろうか?不快ではあるが耳の形や髪質を覚えていて『少年』に話していたなら無体を働かれた訳ではないらしい。
手掛かりが欲しくてそんなに髪が気持ちいいなら撫でてみても良いか尋ねると二つ返事で了承された。
やはり髪を撫でたところで誰か特定する事など叶わない。しかし耳の形もはっきりと見えた。
彼に礼を言ってそのまま『彼』の退室を見送った。
翌朝身支度を整える為に鏡を覗き込んだ時にふと自身の耳の形を見て人によって違いなどあるのかなどと考えていた。髪質もそうだ、良くあるもので手に馴染むようだった。
身支度を整えて側近の女性聖兵の耳を見るとなんだか自分や『彼』と違い少し尖っているように見える。
違いが無いのではなく自身と『彼』の耳の形が似ている?
なら髪質は…手に馴染むのも当然だ。自分の髪を毎日最低限は手入れしている。
つまり…『彼』は『私』と『彼女』の子。
『彼女』を死に追いやった男は『私』だった。
『少年』に『父』と名乗ることは出来ない。
『少年』も『私』は愛しいのだ。
愛しい『彼女』を手放して陛下の半身として『彼女』を死に追いやった事を知られれば、きっと『私』は『彼』を手放す事になる。
最早一時の気休めなどではない。
今更陛下の臣下である『私』を手放す事は出来ないし、『彼』に知られてかつての喪失を繰り返すなど耐えられない。
沈黙する覚悟を決めて、今日も『私』は『彼女』との『息子』を部下として接する。 - 195スレ主25/06/12(木) 00:46:44
長文ss多くて面白いし次スレ行っても良いですか?
- 196二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 01:31:12
残り少ないし次スレあるといいかも
ネタがあればまた投下してくれる人いるだろうし - 197スレ主25/06/12(木) 01:44:26
たてました!スレ主のネタも美味しく調理して貰えて嬉しかったのでまたssにして貰えると嬉しいです!
【閲覧注意】ここだけこの時点でPart2|あにまん掲示板どっちか♀でお腹に子供がいたら?どっちが♀でも固定してないのでユゴバズ♀でもバズユゴ♀でもOK実はスレ主もネタをあげたりしてる。ネタを調理してくれる人々に感謝!長文ss多くて美味しい😋bbs.animanch.com - 198二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 01:46:41
明確な肉体関係を前提としてるので、次あるならスレタイに片方が先天的女体化済みかつCP表記あるの希望
「バズユゴ♀・ユゴバズ♀」みたいに - 199スレ主25/06/12(木) 01:51:15
>>198ご注文ありがとうございます♪
改めてたてました!
【閲覧注意】ここだけこの時点でPart2 ユゴバズ♀・バズユゴ♀|あにまん掲示板どっちか♀でお腹に子供がいたらのスレですbbs.animanch.com - 200スレ主25/06/12(木) 01:52:55
【完】