(🎲・オリ注)僕は記憶喪失の陰陽部所属の一年生(2周目)Part.5

はいはーい。記憶が一向に戻らない狐塚ミケツだよ。
陰陽部に所属している一年生。そして、双子だよ。その妹の方。
なんだか最近お姉ちゃんの方が主人公してるような気がしてならないんだよね。
外では霊狐イズモって呼ばれているから注意だね。ごめんね、何度も言っちゃって。本名バレしちゃダメらしいからこの名前だよ。
なぜかってのは教えられてないんだけどね？僕は。お姉ちゃんなら知ってるかも？
さてさて、いつも通り僕のスペックだね。
前回とスペック変わってないはずだから流用しちゃおっと。
はいどーぞ。
戦闘：49
指揮：88
事務：76
医療：30
工作：94
隠密：73
知性：85
運動：6
倫理：50
慈悲：50
神秘：74

ま、こんな感じ。いつも通り裏方特化というべきかなんというか…。
特筆するような事は特にないかな。
そーれーとっ！これが僕の自画像だよ。しっかり目に焼き付けようね？

それで、みんなとの好感度なんだけど……。
人数が多くなってきちゃって一気に乗らなそうだからお姉ちゃんが用意してくれた別枠に置いておくとするよ。気になったら見てね。
えーと、特に交流のあるところと、前回までの終盤で現在交流のあるところだけ載せるね。

ニヤ：62(26)
カホ：50(37)
チセ：77(79)
キキョウ：82(29)
レンゲ：33(31)
先生：100(84)
ホシノ：41(32)
シロコ：25(67)
ノノミ：9(62)
アヤネ：86(24)
セリカ：43(58)

…不可もなく、可もなく………？ってところかな。
えーと、ノノミさんに関しては現段階ではあんま印象に残ってないというかなんというか…。まっ、そんなところだから！！！
後、うーんと、先生のことは好きで特別な関係を一方的に持ってたんだけど、お姉ちゃんと先生に諭されて解消しちゃった。
ただ先生がチャンスをくれたから頑張っていくつもりだよ。応援してね？
さてさて、お姉ちゃんにパス！お願いね！

なんか雑に投げられたような気がするけど…。
まぁいっか。私の名前は狐塚イナリ。双子の姉の方だよ。
そして持って百鬼夜行連合学院 陰陽部所属 兼 百花繚乱紛争調停委員会所属の一年生。
…読み上げるとありえないぐらい長いね。
つまり、陰陽部にもいるし、百花繚乱にもいる特殊な立場って思ってくれていいよ。
最近では私のことを百花繚乱に移そうと先輩達が動いてるみたいだけど…。
あぁ、偽名は霊狐イナホ。皆からは親しみを込められてイナって呼ばれてるよ。
こっちの方が馴染み深いから私のことはイナって呼んでくれて構わないよ。その方が私も嬉しい。
さて、私のスペックを載せておこうかな。前回とまだ変わってないからそのまま置いておくよ。
各自確認するように。
戦闘：80
指揮：60
事務：42
医療：24
工作：40
隠密：79
知性：85
運動：97
倫理：34
慈悲：61
神秘：75

全体的にハイスペックとも言える…のかな？
医療に関しては分かんないけど…、まぁ、百花繚乱にはその筋のエキスパートいるから問題ないでしょ。私のバディでもあるしさ。
後これ、私の自画像。ふふん。かわいいでしょ？

後は皆との好感度、だね。ミケツと同じように結構な人数と交流しているから私が独自で見つけた枠で置いておくとするよ。
ここでは特に交流のある人と…、今、アビドスの人といっしょにいるからその人達との好感度を載せるとしようかな？
えーと、はいこれ。見ておいて。
ニヤ：28(10)
カホ：1(97)
キキョウ：94(37)
レンゲ：32(56)
ホシノ：40(40)
シロコ：21(74)
ノノミ：48(7)
アヤネ：12(9)
セリカ：9(53)
先生：83(81)

……アビドスの人たちとは基本的にそこまで仲はよくないのかな。
多分向こうから私に対する印象が低いのかもしれない。
シロコにはやたら懐かれているように思えるのは…気のせい？
それと、私、先生のことが大好きだから先生のことは狙ってるよ。
ミケツには申し訳ないけど、本気だから。先生は私が頂くつもりだよ。

先生に対する依存度：75
(50を超えると他人に嫉妬。80を超えるとガッツリヤンデレ化。100に到達すると……………？)
テラー化への侵食：50
(250へ到達した場合テラー化。
特定の条件を満たさない限りBADEND直行。)

『やぁやぁ、こんばんは。セルフ保守担当の不思議なお姉さんだよ。』

『最近は出番がなくてちょっと悲しいなってところ、だね。』

『強いて言うならイナリに囁いたぐらい、かな？目立った動きは。』

『はぁ、僕だって重要な人物のひとりなのに…。』

『っと、ネガティブになる前に前回までの記録を置いておくとするよ。』

『今はアビドスの人達と連携力の強化を目的とした訓練交流会を開いているところだね。』

『今回はその続きから…って、ところかな？』

『それと、前回までのまとめは今回はナシってところかな。』

『案外大変だからね、まとめるのも……。』

『その代わりに別の記録媒体に彼女達のプロフィールや、サブキャラクター…。』

『サブキャラに関しては山城スサノと豊姫イセ。今はこの二人が対象かな。』

『その二人のプロフィールも載せた記録を後で公開する予定だから確認するといいかもね？』

『後は各記録…、Partだね。そこへ飛べるリンクも用意するから。』

『前回よりも遥かに見やすく、遥かに行きやすくなってるはずだから是非利用してって。』

(🎲・オリ注)僕は記憶喪失の陰陽部所属の一年生(2周目)Part.4(再)｜あにまん掲示板やぁやぁやぁ、狐塚ミケツだよ。いつの間にかここまで来てたんだね。えーと、簡単に言ってしまえば記憶を失っている陰陽部所属の一年生。記憶に関してはまだ取り戻せてないけど…。最近炎を見るとなにか、なにか思い…bbs.animanch.com

『さて、このパートの序盤はホシノとイナリがワンツーマンで戦闘の教えを乞うところから、だね。』

『強くなれるのか、そのままなのか。』

『彼女次第って、トコかな？さ、記録の再開としよう。』

〜数十分後〜
〜アビドス高等学校・校庭〜

「さてさて、教えるためにもまず力量を計らないとね。」
「昨日のあれじゃ足りなかった？」
「んー。あの時はふたりで攻撃してきたからね。改めて一体一でやろっかなって思って。」
「後、私は盾は使わないよ。」
「舐めプ…、とかじゃないんだよね？」
「そんなんじゃないよ〜。真正面から戦った方が分かりやすいからさ。」
「それなら……。」

やってやるしかないね。
全力をぶつけてどれぐらい通用するか。
昨日は怖くなっちゃったけど、今回はそうならないように。
試合開始はホシノが空に弾丸を撃った瞬間。
愛銃を手に持ち、すぐ動けるように踏み込む。
ホシノが手に持っていた拳銃を空に向けて、引き金を引く。
乾いた音とほぼ同時に地面を思いっきり蹴りだした。
走りながら即座に構えて、引き金を引く。
牽制の一撃。ホシノはそれを読み切ってかバックステップをとる。
だがそれは予想済み、次の行動をする前に補助拳銃を取り出しては胴目かけて撃ち込む。

「へぇ。判断力は良さげっと。」

…やはり一筋縄ではいかない。私の思考が読まれているのだろうか？ホシノは身体を捻らせ、軽々と弾丸を避ける。
だがもう驚かない。凌駕する程の実力だってのは知ってる。
冷静に次の攻撃を仕掛けようとマガジンを落としてリロードを行う。
その際、落として宙に舞っているマガジンを蹴り飛ばす。

「おっと、それは予想できなかったかな。」

顔面に飛ばしたマガジンを手で弾く頃には至近距離に近づいてる。
速さには自信がある。故に私の特技である格闘に持っていく。
対一に対するいつもの戦術。

「そうはさせないよ。」

たが相手も接近させまいと地面に速射攻撃。
地に足をつける前に先に牽制を受ける。
だがそれで怯んでしまえば相手の思うがままになってしまう。
被弾覚悟で踏み込み続け、自身の間合いに持っていく。

「度胸あるね〜。」

銃器を持っていない方の左手で殴り込みを仕掛けるが片手で軽くいなされる。
その間に素早く腹に向かって拳銃を二発撃ち込む。
うち、一発はヒット。二発目は上手く避けられていた。相手は怯む様子がない。
軽々と私の拳をいなしてくるのを見るに近接戦闘も慣れている。
拳と蹴りを織り交ぜ、間に弾丸を撃ち込んでは確実にダメージを与えていく。

「へぇ？君、狙撃手じゃないのかなー？」
「両方行けるってだけだよ…！」
「(ショットガンさえ塞いでしまえばこっちのもん…！)」
「(小柄のせいで格闘ですら攻撃を当てにくい。カウンターもしようとしたけど難しい。)」
「(距離をあけたくてもあけれない。このままじゃジリ貧だ。)」
「(厄介…ってところかな。銃撃戦ではなく近接格闘に持ってきたのは正解。私の最大火力をぶつけることが出来ないし。)」
「(その上、格闘の中で射撃も混ぜてきてる。練度が高い。普段からやっているのは間違いない。)」
「(どうにかしなきゃだねぇ…。)」

…困り顔が見えた気がする。確実に効いているのだろう。
小柄なのを活かした攻撃は非常にやりにくいはず。
だが問題をあげるとしたら…。

「くっ…。」

弾切れ…。
拳銃の残マガジンが四つ。そもそもの装弾数が八発。非常に少ない。
リロードを行うタイミングも慎重でないといけない。
下手なタイミングでリロードを行ってしまえば隙になる。
その上相手は非常に硬いと来た。効いているのは間違いないのだが。
撃ち込んでいるけど多少怯みはするもののそれだけ。

「(決定的な隙さえ出来れば6.5mm弾をゼロ距離でぶち込める。)」
「(…それまで、攻撃を止めては行けない。)」
「(プランBはあるけど…、相手が相手だし、そっちに切りかえたら勝ち目はなさそう。)」

しかし、やたら受け身になっているのはどうして？
最初に反撃はして来てきたけれど、それ以降してくる様子はない。
ひたすら私の拳をいなし、蹴りを肘と膝で受け、弾丸は甘んじて受けているように。……なんだろう。とてつもない嫌な予感がする。

「(リロード…、このタイミング。)」

ただ余計なことに思考リソースを割いてる余裕はない。
適切なタイミングでリロードを行い、ひたすら取っ組み合い。
攻撃をしてはいなされ、隙間に弾丸を撃ち込む。
足を崩してしまいたいが隙が…。…隙がない？
銃弾を撃ち込む隙は与えているのに？怯んではいるけど、すぐに立て直している。
到底足崩しをできるわけでもない。ひたすら弾丸を消費し続けている。
残マガジン…、入ってる分合わせて後三つ。
まさか、これはっ……！？

「あちゃ〜。気づいちゃったー？」
「最初からっ……！？」
「得意戦術を潰した方がいいって思ってねー。我慢比べってやつかな？」
「くっ……！？」
「距離あけちゃっていいの？」
「あっ、しまっ……！？」

しくった！？動揺して距離をあけて…！
相手が攻める前に狙撃を…ッ…。
－－－ｶﾁｯ
え、なんで弾が…？……はっ、コッキングし忘れっ…！？

「こんな時に限ってぇっ！！！！」

とにかく後退しつつ拳銃を乱射っ…！近寄らせるわけにはっ…！

「標準ぶれっぶれだよ。」
「んなの、わかってるよ！！」
「冷静さを失わない。ほら、至近距離まで詰められちゃうよ。」

速射牽制も意味を成してないっというか、こっちが動揺しすぎてるっ。コッキング自体は無理やり片手で済ませたとはいえど…。
ショットガンの最大火力をぶつけられる間合いに入られちゃ狙えないっ。

「勝負ありってところかな？」
「まだっ、まだぁっ……！！」

入られちゃどうしようにもない…、なら苦し紛れだっ！
しゃがんで足をバネにしながら思いっきり腹部に目かけて頭突きを！

「うへっ！？それは聞いて！？」
「私の頭硬いんだからぁ！！！」

ロケットの如く思いっきり踏み込んで飛んでっては頭突きをかます。腹部にクリーンヒットしたのか相手も飛んでいっていく。
対する私は地面を転がりながら急いで体勢を立て直しては狙撃銃を構える。

「痛いねぇ！？」
「こっちも痛いよっ！」
「んもー、びっくりしちゃったじゃん。」

ホシノも立ち直しては砂を払って武器を持ち直す。
…なんか、一番効いた攻撃っぽそうなの、ちょっと…。火事場の馬鹿力ってわけでもなさそうだし…。
まぁいい、とにかく仕切り直しにできたのは大きい。

「さてと、まだやる？そっち、拳銃の弾丸そろそろ尽きるでしょ。」
「…それがどうしたって言うの？」
「遠距離戦に持ち込めない。持ち込んだら負ける。そう思ってるから接近戦に持ち込んだ。違うかなー？」
「うっ……。」
「狙撃銃は扱ったことないけど、私だったらそうするかなー。」
「こういった開けた場所だとどうしても相性が悪いからねぇ。」
「でも、速さは……。」
「同等って言いたいんでしょ？」
「確かに君は早い。移動しながら戦うことに慣れているのは昨日の戦闘を見てわかってる。」
「つまり、撃つことに集中しすぎて移動速度が下がることは無いってことだねー。」
「でも、"キッカケ"ができちゃえばそれは簡単に崩れる。」
「例えば、疲労が溜まってきた時とか。」
「攻撃を受け続けてダメージが蓄積してきた時とか。」
「……圧倒的な圧に押し負けた時とか。」
「っ……。」

…図星だ。昨日のあの戦闘。
ホシノがちょっとだけ本気を出した時に感じた圧倒的な強者の圧。
数十分も戦い続けたはずなのに相手は一向に疲労することなく余裕まで見て取れた勝てるビジョンがまるで無かったともいえる圧。
久しぶりに思い出したあの束縛の証。
そのせいで動きを止めて、ゼロ距離の射撃に一撃で仕留められた。

「君のやられる間際に見せたあの錯乱。」
「…似たような経験をしたことがあるね？」
「それは………」
「何が原因とかっていうのは分からないけど……。」
「連携も取れなくなるほど錯乱していたみたいだからさ。君。」
「コッキングすら忘れていたみたいだからね。」
「それを克服しない限り、同じ状況に置かれたらまた負けると思うよ？」
「っ……。」
「………ま、君の過去を詮索するつもりはないんだけどさ。」

過去の克服…。つまり、この身に受けた心の傷を治せということ。
そんなの、無理に決まってる。
黙って傷つけられるところを見てるしかない光景。
のたうち回るような痛みが続いた日常。
一度、息の根が止まった妹の姿。
その全てがトラウマになっているんだから。
今でも思い出してしまう。ミケツの悲鳴が、痛みに苦しむ声が。
ダメだ。鮮明に思い出してきてしまう。
忘れろ、一時的に忘れて。今は思い出しちゃだめ。

「……嫌なこと、思い出させちゃったかな？」

「い、いや、大丈夫…。」

「…その様子だと、相当な過去があったんだね。」

「傷を広げちゃったかな？…ごめんね。」

「ううん…。平気…。」

「……君のことも心配だから、勝負はここまでにしよう。」

「それに、午後の訓練があるからね。そこで別の力量を見れるのならさらに明日教えられると思うからさ。」

「ありがとう…。その、それで、今の戦いで教えられるようなことは…？」

「うーーーん。」

「判断力といい、練度といい、正直に言って一年生とは思えないぐらい上達してると思うよ。」

「それこそ相当努力してきたんだなって。その努力は、どこから来てるの？」

「…………大切な妹を守るため。私の唯一の家族だから。お姉ちゃんである私が強くないと、ダメだから。」

「…そっか。大切な人のために強くなりたいのなら応援してるよ。」

「私は…、自分の手で大切な人を無くしちゃったからさ。」

「…そうなの？」

「うん。…まっ、折角だしもうちょっと教えようかな。」

「お昼まではまだまだあるんだから、おじさんも久しぶりに頑張っちゃうよー。」

「う、うん。わかった。」

その後………dice1d4=2 (2)

1.うーん。伸びはイマイチだねー。元が成熟してるからかな？

戦闘：dice1d5=3 (3) 上昇

2.ま、そこそこってとこかな？まだまだ伸びしろありそう。

戦闘：dice1d5=5 (5) (+3)上昇

3.おー。飲み込みがはやいねぇ。地頭がいいんだろうね。動きもよくついていけてる。言うことなしだよ。

戦闘：dice1d10=9 (9) (+3)上昇 運動：dice1d3=3 (3) 上昇

4.…もしかして、天才肌？なんか、教えれば教えるほどぐんぐん強くなるね？

戦闘：dice1d10=10 (10) (+10)上昇 運動：固定値3上昇

『うおっ、怖っ…。4を当てていた場合キヴォトス最強になってたね……。戦闘100、運動100はもう敵なし状態になるよ。…あ、参考までにホシノ、ヒナが95。ミカ、ツルギ、ネルが94。サオリが90ぐらいって基準になってるね。ここだと90超えたあたりが伸び率低くなって、95を超えた辺りからほぼ伸びないって感じになるかな？そう。デフォルトで運動97もあるイナリはキヴォトスの中でも運動なら最強ってコト。』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「うんうん。そこそこだね。」
「ふー、ふー……。」
「だいぶ疲れてきたでしょ。午後のこともあるし、ここで切りあげにしよっか。」
「ご、ご指導、ありがとうございます…。」

…かなり有意義な時間だった。
私の癖や悪いところをピンポイントで教えてくれる。
そして改善が見られるまでしっかり指摘してくれたし、お陰様で強くなれたような気がする。

「後はコッキングの隙を突かれないように拳銃で攻撃しながらコッキングできるといいね。」
「足で蹴りながらコッキングは不可能では無いけど相当練習必要だよ…？」
「ましては撃ちながらやるとかそれこそ私の先輩でなきゃ無理だと思うけど…。」
「大丈夫大丈夫。練習していけばきっとできるようになるよ。」
「君、私が見てきた中ですっごく強いもん。」
「そ、そう？なら、練習する価値はあるのかな……。」
「そうだね。しっかり打ち込んで慣れていけば更に強くなる。」
「後、やっぱり君は素早いから速さをもっと活かせるようになれば多少誤魔化しは効くかも？」
「例えば？」
「地形を利用して素早く相手の後ろに回り込んだり、とかだね。」
「目にも止まらない速さがイナの特徴ともいえるから。」
「………わかった。頑張ってみる。」
「うん。さて、そろそろお昼だし、校舎にもどろーか。」
「その、本当に色々教えてくれてありがとう。」
「…また、教えてくれると嬉しいかな？」
「うへぇ、おじさんでよければいつでもいいよ？」
「君とはもっと仲良くなりたいって、思ったからね。私も。」
「そう？…えへへ、ありがとう。」
「じゃ、戻ろっかぁ。」

今日はここまでにしましょう。

今回の教えを経て、理解度も増えて色々知れたので好感度上昇でも振りましょうか。

それでは、おやすみなさい。

お互いの好感度が……。dice1d3=3 (3)

1.お互いの理解度が増えたぐらい。好感度：dice1d10=4 (4) 上昇

2.ぐっと、距離が縮まった。好感度：dice1d20=9 (9) 上昇

3.お互い、辛い過去を持っているのか勘で分かったため急激に上昇。

好感度：dice1d20=10 (10) (+20上昇)

「ややっ、凄い音が響いておりましたがなにかされていたのです？」

体育館に戻るなり、イズナが尋ねてくる。
床には大量の…なんだろ、ニンジャ…の、道具？なのかな。
それが広げられていた。周りを見たらイズナ以外は居なかった。

「ちょっと特訓をね。イズナは？」
「忍具の手入れをと思いまして。」
「普段から使うものである故、ここは広いですしイズナひとりなので広げちゃっても問題ないかなと思いまして。」
「見るからに沢山だもんね。道具一個一個の名前わかんないけど。」
「それで、イズナ以外の他のみんなは？」
「えーと、レンゲ殿はスサノ殿とアビドスの皆さんといっしょに今回戦う場所の確認を行っていますよ！」
「イセ殿はお昼ご飯の調達しにお出かけ中です！」
「そっか。教えてくれてありがと。」
「このぐらいでしたらお易い御用です！」
「皆が帰ってくるまでは大人しく待機ってことだねー。」

イズナの隣に座っては仰向けに倒れて天井を見上げる。
特段、時間までやることはない。
強いて言うなら弾薬の補充ぐらいだがそんなのいつだってできるし。
ミケツと話そうにも先生のところへ当番に行ってるし、買い物はイセが既に行っちゃってるし。
…ん、ちょっとだけ香ばしい臭いが。あー…、シャワーは浴びたい。
よく見たら服もところどころ汚れて…。…着替えもついでにするか。

「ねー、イズナー。シャワーってあったっけ。ここ。」
「確かあったはずです？えーと、体育館から出て裏の方にぽつんと立派な建物があるはずです！」
「ありがとー。ちょっと浴びてくるー。」

バッグの中からタオルと自前で持ってきたシャンプーなどのアレコレを持ってっては駆け足で飛び出していく。
確か裏にあるんだっけ。じゃあ、言われた通りの所へ行けば…。
おっ、あったあった。これだね。見栄え的に後から建てたんだろうか。
中に入れば綺麗に整われている脱衣場が。やっぱり後から建てられてそう。
ここ砂漠だもんね。あっても困らない。
ルンルン気分で服を脱ぎ、カゴの中にしまっては個室へと。
…ん？鍵壊れてる。後で伝えておこうかな。さっ、蛇口を捻ってっと。

「んーっ！ふわぁあああ………。」

捻ればすぐに暖かいシャワーが降ってくる〜。気持ち〜♪
なんやかんや昨日はシャワーすら浴びれてなかったから、肌に当たる水滴が本当に大変心地いい。心が浄化されてくよぉ。
昨日はずっと日の下で戦い続けて砂まみれの……。

……はっ、そういえば、日焼け止めは持ってきてたっけ？

色白の肌、私の自慢できるところだし、そもそもあんまり焼きたくないからちゃんと確認しないと。

…ん？こう見えてオシャレには気を使ってるの。最新のファッションから化粧品。

水着からなにからなにまで…結構ね？

家では着られなかったものが沢山あるからどうしても目移りしちゃうんだよね。

ま、それはともかく。肌の汚れを隅々まで落としてっては髪も満遍なく洗っていく。

「…そういえば、昨日、起きた時に膝枕してもらってたけど。」

「大丈夫だったよね。臭い、大丈夫だったよね……？」

今になって心配してきた。そんな素振りを見せない先生だからこそ余計に心配になってしまうというもの。

…本当に大丈夫だっだんだよね。dice1d2=1 (1)

1.特に気にする事はなかった。先生も一晩入らない(入れない)時があるから。

2.+それとは別で臭いむしろ楽しんでいたという。

その後………。dice1d3=1 (1)

1.特に何事もなくシャワーを終える。

2.「お隣失礼します！イナ殿！！」

3.or "ふぅー、あっつい。シャワーがあって助かったよ。"「！？！？！？！？」

(多分ないと思うけど…、念の為ダイス次第によっては閲覧注意………？)

「ふぅ、さっぱり。」

シャワーを出ては身体を拭き、髪を乾かし、新しく用意した服に着替えてく。
こんな時、ちょっとしたハプニングがあればなぁって思うのは…。
…ま、そんなこと考えたって仕方ないか。
体育館へと戻っていくと、皆が皆、戻ってきては揃っていた。

「おー。イナ。シャワー浴びてたのか。」
「うん。勝手に借りちゃってごめんね。」
「ん、平気。自由に使ってもらっても構わないから。」

ふぅっと一息ついているとイセが色々買ってきたものを広げていた。
お弁当…。今日は何にしようか。うーん…。回鍋肉弁当にしよっ。
それぞれイセが買ってきた弁当を手に取っては食べ始めていく。

「食べ終わったら教室で作戦会議じゃ。」
「あー、そっか。スサノとレンゲ先輩は場所の偵察いったんだっけ。」
「あぁ。今回は戦いやすそうな場所だったな。」
「砂もそこまであるわけでもなく。狙撃するならいいポイントがいくつかあった。のじゃ。」
「地形はこっちが有利ってとこかな。」

スレ主です、今日は調子悪げなので更新はおやすみでふ…。
遅くなってすみません…。

「ま、後はご飯食べてからにしよ。」
「りょーかーい。」

その後はごくごく普通の女子高生トークで盛り上がっていく。
最初はただの愚痴とか部活はどうかの話だったのだが。
そこから段々と恋愛話になっていき、盛り上がりを見せていた。
ただ、正直私は話込めるほど恋愛はまだ、詳しくはない。
だって、惚れたの先生が初めてだし…。所謂初恋、だし。
レンゲ先輩はうきうきでこうだったらいいなとかを話している最中、聞いているミケツは何を想像しているのだかずっとぼーっとしていたように思えるし。
確かに、先生との生活を考えたらって思うと…。妄想は膨らむが。
なーんて、思っていると皆食べ終わったみたいで。
じゃあいくかーのノリで教室に向かっていく。
教室に入り、また縁を組むようにして座ればミケツが喋り出す。

「今回の指揮は僕に任せて欲しいな、と。」

昨日はスサノだったし、ミケツの戦闘や作戦立案を含めた指揮能力は高いと評判なのは聞いたことある。
…私はあまり、ミケツがそういったことをしている場面に遭遇したことないけど。
ただ、皆も皆でミケツならと満場一致。今回の指揮はミケツに決定となる。
決まればミケツは早速と言わんばかりに今回戦う場所のデータが欲しいと。
スサノとレンゲ先輩がドローンなどを駆使して撮ってきた写真とアビドスの人達から聞いた建物の特徴を聞いていると、ミケツは黒板に向かい、チョークを手に取っては何かを描き始める。
…見た感じ、簡易的な地図？手の届かない場所は椅子を持ってきたりして高さを得て描いている。
随分と慣れてた手つき。普段からやってたりしているのが明らか。
感心している私とは裏腹にミケツは聞いた情報を元にチョークを動かして描いていく。
タンッとチョークを置いて、椅子から降りればそこにはぎっしりと埋まった地図が。

「大体はこんな感じかな。」

「おぉ……。」

「すごい出来栄えなのじゃ…。」

一息ついては自信満々に見せてくる。これがどこまで正確なのかは分からない。

私が直接現場に行ったわけではないしね。

ただ、レンゲ先輩とスサノの反応を見るにかなり正確なんだろう。

「だいたい合ってそうでよかったよ。」

「じゃ。作戦会議としようか。」

マグネットを取り出しては取り付け、横目で振り向いて小さく微笑む。

小さく開かれている瞳はまるで先生のような。

そんな風格を感じさせていた。

－－時間が経ち、戦いが始まる時間－－ dice1d3=3 (3)

1.イナリからの視点

2.イセorイズナからの視点

3.ホシノからの視点

「……さっ、時間だね。それじゃ行こっかー。」
「ん、わかった。念の為もう1回、作戦を教えて欲しい。」
「シロコちゃんは心配症だねぇ。じゃ、確認の前に昨日戦った相手の特徴を再確認してみよっか。」
「ん、じゃ、私から。私が戦ったのはイナホだね。」
「ホシノ先輩直々に相手するように言われて実際に戦ったけど……。」
「イナホは慣れてない砂の上でも近接戦闘がかなり強かった。その上判断力も。近接が不利だと分かったらすぐに距離をあけて狙撃銃を撃ってきてた。」
「ただ焦ると結構隙を晒すときがあるかも。不意打ちには弱そうだった。」
「私からは以上かな。」
「じゃ、次は私ね。イズナ、だっけ？とにかくトリッキーな動きを仕掛けてきてたわ。」
「急に目の前から消えたと思ったら後ろにいるし、爆発する投擲物のせいで終始一方的に押されていたわね…。一体一にならない方がいいかも知れないわ。」
「私はレンゲさんと戦闘をしましたが、目立つところで言うと火力、ですかね？」
「一撃一撃がとにかく痛かったですねぇ〜。」
「何より百花繚乱の射撃術？っていうのもかなり驚異だと感じました。恐れを知らないといいますか、弾幕を貼ってても掻い潜って来た時は無理だと思いましたよ。」
「じゃ、私からイセからかなー。」
「あの子はとにかく硬いねぇ。戦闘はあまり慣れてはいなさそうだったけど…。結構仕掛けたはずなのに時間稼がれちゃって。セリカちゃんを助けにいけなかったよ。」
「…ま、これで全員分かな？それで、今回私たちがするのは…。」
「二人一組での行動、でしたっけ？」
「そっ。今回は市街地戦での勝負。大通り以外は狭い通路が多い。」
「その上、そこそこ高い建物が多い。中途半端な建物なら、その上からの狙撃は不可能。」
「それこそ、あそこのいちばん高い建物じゃないと無理だけど近づきすぎない限りは攻撃を食らわないはずだし、遠くから撃とうとしても相手の狙撃銃からして有効射程外のはず。」
「だから相手はきっと戦力を分散して接近戦に持ち込んでくるはずだよ。」
「そこを私たち二人一組で叩こうってことね。」
「そっ。手早く私たちを見つけるためにひとりで行動するはずだから、先に見つけて救援が来る前に倒しきって不利な状況に持ってこうが今回の作戦だね。」

「ん、わかった。じゃあ、私はセリカと一緒に行く。」
「おじさんはノノミちゃんといっしょに行こうかな。」
「アヤネちゃんも情報頼んだよー。」

さてさて、市街地戦での彼女達の実力を試してみよっかな。
きっと本領を発揮できる場所だと思うから、どうなるかわからないねぇ。
負けるつもりは最初からないけどさ。頑張っちゃわないと。

「じゃ、分散しよっか。」

一声かけて二人一組で行動を開始する。
シロコちゃん達とは別の方向から彼女達を見つけるために歩く。
できればあの忍者っ子から見つけて倒していきたいけれど…。
爆発物持ちは怖いからねぇ。何が起きるかわからない。

「ホシノ先輩が昨日言っていた一番の脅威、イナホさんは先輩から見てどうだったんですか？」

ふと、ノノミちゃんがそんなことを聞いてくる。
昨日の作戦会議、一番強いのはイナホちゃんだって言うのは伝えていた。
昨日の段階では私の勘がそう言っていたから…だったけど。

「そうだねぇ。朝の時間、実際に相手してみて本当に強いと思ったよ。」
「相手の特徴を冷静に捉えて有効打を考えるのが得意なんじゃないかな。」
「ほら、戦いの中で成長してるって感じー？」
「シロコちゃんが言っていた近接戦闘は極めて練度が高い状態だったよ。」
「普段から積極的にその戦法をやっている証拠だね。どこを狙えばいいか、どうすれば効率的にダメージを蓄積させることが出来るか。その判断力は極めて高いかな。」
「それに、相手が小柄で当てにくいのも相まって非常にやりずらかったよ。」
「その上、足の速さはこの中の誰よりも…、いや、キヴォトスの中でもきっとトップクラスに早い。本気で移動されたら目に追えるかどうか分からないもん。」
「ただ、それとは別で罠や搦手には弱いね。」
「気づいた時に一瞬の隙、そして冷静さを失うから勝ちたいならそれらを仕掛けること、かな。」

…でも、言うは容易く行うは難し。
私でもやれと言われてたら苦戦を強いられながらやるかも。
できないことはないけど。ただ相手の適応力も高いしなぁ。
あの時、お腹に頭突きされるとは思わなかったし。

「ま、鉢合わせたら私が何とかするよ。」

正直、イナちゃんの対処は頑張ってシロコちゃんができるだろう程度から。
昨日はギリギリで負けていたみたいだし。
なら最初から私が相手した方が手っ取り早い。

「先行するから着いてきてねー。離れちゃダメだよー。」
「りょーかいです♣︎」

さてさて、相手はとんな出方をしてくるかなー。
昨日は援護できないように連携を崩したつもりだけど、なんやかんや連携は取れていたみたいだし。
レンゲちゃんとイナちゃんのコンビは抜群だったしなー。
指揮してる人がよかったりするのかなー？
唯一顔を見せてなかったスサノちゃんが指揮官だったのかも？
だとしたら将来有望だねー。一年生でそこまで出来たら大したものだよ。

「っというより鉢合わせするまで彷徨うんですか？」
「そーだね。そこそこ広いし、迷子になりにくいとはいえ、建物いっぱいで路地は入り組んでるし。」
「クリアリングはしっかりするよ。ノノミちゃんは後ろ気をつけておいて。」

盾を構えて、銃を構えながら曲がり角を確認する。が、いない。

…ま、こんな序盤からいるはずもないよねー。

私の目論見だと相手もある程度動くかわかってるだろうし、大体五分ぐらいで接敵するかなって思ってるんだけど……。

うーん。イズナちゃんとイナちゃんが速いからなぁ。

もっと早く戦闘が起きるかもしれない。

それに、油断してるところに襲い掛かるってこともあるだろうし。

上からなにか情報はないのかなぁ。

「アヤネちゃーん。上から見てどう？」

『まだ、人影は見つからないですね。それどころか相手のドローンもまだ…。』

「どこかに止めて監視しているのかな？注意深く調べてみて。」

「シロコちゃん達は大丈夫そう？」

『ん、接敵なし。まだ大丈夫。』

「おっけー。気は抜かないようにねー。」dice1d3=1 (1)

1.うーん。十分ぐらい動いてるけど誰ひとり接敵しないね？

2.…………アレ？ここの曲がり角何か変？

3.うへっ！？爆発音っ！？

こんなに接敵しないなんて…。流石にちょっとおかしいかも？うーん、今回戦うエリア広くしすぎたのかなぁ。

でも、しっかり場所も教えているらしいし共有もしてるだろうからそれは無いはずなんだけど…。

別の可能性…。もしかして、すれ違いとか起きてたりする？有り得なくは無い話だけど…、いやまさかすれ違うほどじゃ。

「気を伺ってる？最初から移動先が分かってたりしてる？」

「いやでもそんなの事前に色々設置しないと…。」

「ねえま、アヤネちゃん。あれからどう？」

『あれからずっと飛ばしていますが…。ドローンらしきものや人影も全く…。』

『戻ってみたりとか色々試しているのですが…。』

「どういうことなの……？シロコちゃん達は…？」

『こっちも同じ。不気味なぐらい会わない。』

『ちょっと歩くのに疲れたから開けた場所で休んでるとこ。』

「近くに敵がいないことは確認済みだよね？」

『ん。いなかった。そもそも開けた場所まで一本道だったし、休む前にその道にトラップ仕掛けたから大丈夫なはず。』

どうしたものだろーか…。全く読めないなぁ。

これも向こうの作戦のうちなのかな？…っと、大通りに出ちゃった。

うーん…。不安を煽って判断力を下げるつもりなのかな？

ちょっと陰湿だけど戦うことを考えるなら確かにそれは有効。実際の戦闘なんて最後に立ってたものが勝ちなんだし。

「引き続きアヤネちゃんは偵察を続けて。」

「ノノミちゃん、しっかりおじさんの後ろに着いてくるんだよ？」

「わかってますよー。ホシノ先輩も慌てないでくださいね？」

「もちろんだよ。」

大通りを暫く歩くことにしよ－－－ dice1d3=1 (1)

1.－－－ﾄﾞｻｯ 「ノノミ…ちゃん………？」

2.『ん！！セリカがやられた！！』

3.『ドローンが…！？』

微かな銃撃音がひとつ聞こえると共に、私の耳の横を通るように風切り音が聞こえる。直後、武器が落ち金属音を盛大に鳴らし、続けざまに身体が地面へと崩れ落ちる音。すぐさま振り向けばさっきまで立っていたはずのノノミちゃんが倒れている。

「ノノミ…ちゃん…？」

一瞬、状況が飲み込めなかった。味方が撃たれたと察するのに微かな時間を要した。今の状況を理解した直後、さっきまで通っていた道に飛び込むようにして戻る。直後、聞こえる銃弾が地面を弾く音。

「狙撃……？」

おかしい。今回の戦場は狙撃できるような場所はないはず。でも、確かにこれは狙撃をしてきている。

さっきも言った通り入り組んでて、建物の高さ的に狙撃できるような場所…。

まさか、大通りに出るのを予知して？でも、ノノミちゃんについた痕…。明らかに正面から受けている。

視界が許す範囲の中では敵の姿は見えなかった。

…よくよく見れば斜め上から狙撃されている？

どういうこと？狙撃できるような場所なんて……。

「…まさか。」

いや、ある。一箇所。ちょうど正面ある遠い位置あるいちばん高い建物。

あそこからだったら今回の戦場の全域を見渡せる。

開けた場所なら尚更狙撃されやすい。

でも、あの子ふたりが持っていた狙撃銃の有効距離的に、難しいはず。まして、一撃で倒すだなんて。そんな芸当ありえない。

「とりあえず共有を…。…待って。」

シロコちゃん達が開けた場所で休んでるって言ってた。

つまり格好の…。っ…、急いで無線を入れなきゃ…！dice1d3=1 (1)

1.「シロコちゃん！セリカちゃん！急いでそこから！！！」

2.「無線なんてさせませんよ。」

3.+『シロコ先輩！？シロコ先輩が撃たれた！！』

「逃げて！今すぐに！！」
『ん、どうしたの？』
「数千メートル先、狙撃手がいる！ノノミちゃんが一発で持ってかれた！」
『え！？ノノミ先輩が！？』
『とりあえずわかった、物陰に隠れ……。』
『っ…、なにか飛んで？きゃっ…！爆発した！？』
『ん、セリカ。あそこに敵。』
『ごめん先輩。事情が変わった。敵のひとりを見つけた。交戦に入る。』
「このタイミングで…？わかった。狙撃に気をつけるんだよ。」

ノノミちゃんを回収しなきゃ。しかし、なんであんな遠くから…。
イナちゃんとかレンゲちゃんの持っている狙撃銃の有効射程は強いて言うなら約500mぐらいが限界じゃなかったっけ…？
本人の力量にもよるだろうけど、威力減衰するはず。
当たったとしても一撃で仕留めるなんてこと無理なはず。
まさか、狙撃の為だけに武器を新調した？でも、新調して調整するほどの時間はないはず…。
…今は後回し。ノノミちゃんの回収と狙撃ポイントに移動して倒さなきゃ。

「(一気に飛び出して回収する。)」

盾を構えて飛び出してく。…狙撃の気配はない。
ならばこのままノノミちゃんを背負いあげて隠れてしまえば…………。

「…っ。」
「お仲間の回収は予想通りといいますか。情報通りお優しい方なんですね。」
「君は…。…どういった意図かはわからないけど、きっと作戦のうちなんだろうね。」
「そうですね。本来の作戦とはちょっと違いますが…。それでも最終的に出てくれたらそれでいいので。」

物陰から出てくるのは昨日ひたすら耐えていた子。
豊姫イセ…。今回も私はこの子が相手っぽいね。
作戦か…。わざわざそこにいるってことは狙撃手の手で私を倒そうってことなんだろうね。そしてこの子は安全な場所へ戻らせないための…。
きっとシロコちゃんたちも足止めされているんだろう。

「今回は君ひとりなのかな？」
「えぇ。強い御方を抑えることが私の仕事なので。」
「ふーん。自信満々だねぇ。今回はどこまで耐えれるかな？」
「それは戦ってみないと分からないですよ。」

…速攻片付けて物陰に隠れないと。このままだと格好の的。
一撃で沈めてくる銃弾を受けたとしてどれだけ耐えれるかわからない。

「じゃ、始めよっか？」
「ただでやられるわけにはいかないので。全力で！」

－－銃声のコングが鳴り響く

〜同時刻にて〜

「………ふぅ。」

カランカランと薬莢がコンクリに落ち、音色を奏でる。

銃口からは煙が出ており、私は一息吐いては一度、楽な体勢になって身を休める。

『ナイスお姉ちゃん。』

無線から聞こえる声。…私の与えられた役割は正面から戦うことなく高台からの狙撃。距離は2000m以上であるそれをやるようにっとミケツが指示を出していた。

せっかくの地形なんだから活かさない手はない…と。

正直行ってキツい。なんでったって私がこんなこと…。

『でも、ノノミさんを狙うんだ？』

「ホシノに狙ったって一撃で倒れるとは思わないでしょ。 」

「かといって向こう…、シロコとか狙っても無線で共有されたらまずいし。」

『ま、それもそうだね。後、イセがホシノと戦闘になってるよ。』

「援護はするけど、倒せる保証はないよ。」

『向こうがイセを突破するまでいかに削れるか、だから。それで、レンゲ先輩達は？』

『こっちも戦闘始めてるぞー。』

『レンゲ殿の援護に回っております！！』

『いつでもドローン飛ばせるのじゃー。』

『了解。スサノは無線が入ったら即座に届けられるようにしておいて。』

「じゃ、私はホシノを狙い続けるかな。」

そう言っては再びポジションに戻る。とりあえず、やれるだけやってしまわないと後が…。

…ん？武器？武器は……。dice1d3=3 (3)

1.別に…、愛銃でも狙撃できるけど、なにか……？

2.わざわざ買ってきたみたいで…。狙うは人なのになんで対戦車ライフルを…？(九七式自動砲)

3.そういえばどっからこんな過剰すぎる程の高火力の狙撃銃を仕入れてきたんだろ……？(アンツィオ20mm対物ライフル)

「くっ……！やっぱりおつよい……！！！」
「攻めを捨てて完全に守りにしてるね。時間稼ぎとしては申し分ない判断だよ！」

視界が開けている場所で戦い続けている。
昨日の戦闘を経て、自分の戦い方、価値を見出しているのか攻めてくることはない。ただひたすら時間稼ぎとして私を引き止め続けている。

「君！本当に硬いね！！」
「それが私の役目でしたらそれを果たすまで！！」
「思いっきりがいいのはおじさん好きだよ！だけどねっ…！！」

至近距離から撃ち込み、そのまま盾で押し込みにかかる。
運動神経はそこまで良くはない。足の動きは誰よりも遅い。
だけど、交流会以前から戦闘と経験は多少なりあるみたいで。
ほぼ反射的に攻撃を的確に塞いでくる。

「はぁああっ！！」
「おっと…！」

相手は盾を構えたまま突進を仕掛けてくる。
それを同じ盾で鍔迫り合いが始まり、弾いてくる。
そして、そこから飛んでくるのは…。

「っ……！」

辛うじて身を捻じれば地面が抉れる音が。

向こうからの的確な狙撃の援護…。

こんな遠くから目標を撃ち抜く正確さがあるとしたら、きっと狙撃手はイナちゃんなんだろうね。

それに、こんなに遠くても地面が抉れる程の半端ない火力…。

彼女の持つ銃じゃ絶対に成し得ない。いくら強くたってね。

っとなるとわざわざこの為だけに新調してきた武器があるってことが。

…いいお値段してそうな銃だろうなぁ。

おじさんちょっと羨ましいかも…。なーんて、戦闘に戻らなきゃ。

「ふぅ、ふぅっ……！」

「体力はないみたいだねぇ。そろそろ限界なんじゃ？」

「まだまだいけますとも！！」

「空元気はよくないよぉ。楽になっちゃおうよ？」

「そういうわけにはいかないのです！！」

…困ったなぁ。あまり手荒な真似はしたくないけど。

こうなったらちょっと強引に捩じ伏せようかな。

一気にカタをつけよっか。

戦闘

イセ：dice1d52=14 (14)

ホシノ：dice1d65=7 (7) (+30)

イナリによる援護射撃：dice1d88=63 (63)

(イセとイナリ、どちらかホシノより高ければ一点獲得。二点先取制。

ホシノには30の確定ボーナス付き)

「(まずい。)」

押されている。…違う。イセちゃんのこと自体はは抑えてる。問題は。

「う……っぐぅ……！！！」

盾で弾丸を受け流す。腕に来る衝撃があまりにも強すぎる。
あの銃専用の弾丸でも使っているのかな。
盾を持っている手から腕にかけて段々と痺れてくる。

「(ステップで逃げれないタイミングでの狙撃…。)」
「(見た感じイナちゃんの方から合わせてるみたいだね。)」
「(やっぱり、あの子は強い…！)」

このままだと完全に押し負けるかも。なにより、イセちゃんがしぶとい。
こうも自分の役割を把握してる人は強くなれるのか。
とはいえ、イセちゃんはあと一押しでなんとかなるはず。
息が上がってる、動きが遅くなってきてる。

「ふぅ…、ふぅ……。」
「あなたも、疲れてきてますね。」
「おじさん、もう歳だから激しい運動は苦手なんだよね。」
「言って17歳ぐらいでしょう、あなた。」

イセちゃんにだけ分かるような隙を晒して攻撃を誘発させれないか。

…勝利を確信させてトドメを刺すような行動を取らせればいい。

向こうの使っている銃…、その弾丸。専用のものだと考えて、その弾薬費は高いはず。実際、早く倒そうと思うなら彼女の腕前的に頻度を増やしてしまえば私の事を倒せるはずだから。

ただそうではなくて、隙を晒した適切なタイミングで撃っている。

弾薬を節約したいと思ってないとできない行動。

なら…。…最悪、盾を持っている腕がちょっとの間だけ動かなくなるだけ。

だけど、倒せて身を隠してしまえば少しの間だけ休められる。

デメリットよりも、メリットの方が大きい。

「ま、こっから激しくなるよ。覚悟して。」

「負けませんよ。私だって。」

戦闘

イセ：dice1d57=22 (22)

ホシノ：dice1d65=16 (16) (+30)

イナリによる援護射撃：dice1d88=64 (64)

(イセとイナリ、どちらかホシノより高ければ一点獲得。二点先取制。

ホシノには30の確定ボーナス付き。現在、イナリ側1点、ホシノ側0点)

「ふぅっ、ふぅっ……。」
「動きが、鈍ってるねっ！！」
「まだっ、まだっ…！！！」

埒が明かない戦闘を続けて数分。
こちらの弾がそろそろ尽きかけているけど、それでも機を伺い続けている。
来るはずの瞬間を待って、ひたすら戦い続ける。

「このっ…！」
「おっと…！」

相手がシールドバッシュをしてきた時、待ち構えていた事象がやってくる。
私が少しだけふらついた瞬間、同時に盾を構えて来るはずの射撃を待つ。
しかし、盾を握る手は少しだけ緩く。
そして、一秒以下で盾に弾丸が直撃する。
盾を掴んでいる手は緩んでいる。故に、伏防ぎきれない衝撃で大きく身体を弾き飛ばす。
確かに見せた大きな隙。相手の目は捉えたと言わんばかりに鋭い。
そして、見せてきたのは盾の構えを解き、突進しながら銃を構え始めるイセちゃんの姿。
この時を待っていた。相手が銃を構えるのと同じように私も弾かれながらもほぼ同時に銃口を相手に向けている。
長いと思えるような時間。相手は私が銃口を向けているのに気づいたのか大きく目を見開き始める。
だけど、盾を構える時間はもうないよ。捉えきった瞬間、躊躇なく引き金を引く。
大きな銃声音。先に放ったのは私の方。
突っ込みながら銃を構えて走ってきたイセちゃんは頭部にモロに弾丸を受け、仰け反るようにして吹き飛ぶ。
同時、吹き飛ばされた身体の衝撃を利用してそのままバク宙するようにして回り、地面に足を付ける。
直後、盾を前に構えながらイセちゃんを巻き込んで物陰へと急いで入っていく。

「うぁっ……。」
「ふぅ、私の勝ちだね。」
「また…負けた…。」

相手は仰向けになりながら小さく呟いている。
私も一息つくようにして盾を立てかけ、壁によりかかって休む。
物陰に隠れたから、狙撃される心配は無いはず。

「無線、入れなくていいのー？」
「…負けたのだから、入れる訳にはいかないでしょう。」
「ちゃんとしてるねぇ。」
「昨日に限らず、今日までも負けてしまうとは……。」
「でも、私から見たら悪くない動きだったよ。皆を守る盾として十分すぎるほど、かな？」
「…それだけですよ。私ができることは。」
「できるだけでも偉い偉い。前で耐えてくれる人がいるからこそ、後ろも安心して攻撃ができるってもんだよ。」
「そうですか。…そうなのかもしれませんね。」
「ま、ゆっくり休んでなよ。」
「えぇ、そうしたいと思います。…ですが。」
「ん？」
「最後まで油断しない方がいいですよ。」

相手の口元がニヤける。直後感じた確かな悪寒。
嫌な予感がする。そう思って即座に走り出そうとした瞬間。
轟音と共に壁が崩れ、目の前に大口径の弾丸が迫ってくる。
避けきれない。その弾丸は的確に私の頭部を撃ち抜いていった。強すぎる衝撃に身体が弾み転がっていく。

「(ぅぁ……。まずい……。)」

「(頭部に直撃……。いったいなぁ…。身体が動かない…。)」

もー、壁抜きなんて聞いてないよー……。あの子どれだけの芸当を兼ね揃えているんだろう…。

あー、まずい、意識もいっちゃいそう。…ここは素直に負けを認めるかなぁ。

っていうか、壁の崩壊にイセちゃん巻き込まれてるじゃん…。味方も構わずってことなのかぁ………。

「(無線…。聞こえないなぁ…。)」

「(シロコちゃん達どうなってるんだろ…。)」

「(負けたのかな、勝てたのかな…。)」

「(ま、このまま……。ちょっとだけ眠ろっと……。)」

〜別の場所にて〜

「………直撃したかな。」

『ドローンで確認するねー。』

狙撃銃から離れて仰向けになって転がる。雲ひとつ無い空に照らされて、大きく息を吐く。

………痛い。反動が馬鹿みたいにあるせいで撃つ度にずっと肩が潰される感覚だった。

『…気絶してるよ。お姉ちゃんの勝ち、だね。』

「感覚的に直撃したかなって思ったからね。」

『ただ、瓦礫にイセちゃんが巻き込まれてるんだけど。』

「ちゃんと助けに行くから。」

『でも、お姉ちゃん動けるの？』

「それは……。」dice1d3=1 (1)

1.少しだけなら戦える。長時間は無理。肩が終わる。

2.イセを助けることぐらいしかもう余力ないよ。つまりリタイアってこと。

3.……動くことすらやっと。先生呼んでくれると助かるかな。

「本当に少しだけだよ？それ以上は無理だからね？」
『わかった。無理強いはさせないから、できる範囲で続行して。』
「りょーかい。」

肩を完全に壊す前に終わればいいだけだし。
極端な話だけど、一撃で倒してしまえば問題ないわけだし。
正直本当に疲れ切ってるけど…、この銃も完全に慣れたわけじゃないから。

「レンゲ先輩。状況はー？」
『だいぶしぶといってところだな。おっと危ない。』
『イズナもちょっと疲れてきました……。』
「りょーかい。戦場は変わってなさそうね。」

完全に我がものにする為にやってしまいましょうか。
再び深呼吸、銃口を戦場が起きてるであろう場所へ。
スコープ越しに見るそれは烈々な戦いになっていた。

「おー、やってるやってる。」

やっぱりシロコは強いな。ふたり相手取って余裕の顔。
セリカって子もカバーに回ってシロコの止まるであろうリロードや一瞬の休憩による隙を狙わせないようにしている。
先生の言う通り、連携力には光るものがある。
しかし、見つけてしまえばこちらのもの。
私のやることはタイミングを見定めて撃つのみ。
先にシロコを撃ち落としてしまえば、降参してくれるかな。

「シロコ、撃ち落とすから倒れたら降参促してみて。」
『了解。』

神経を目に、引き金に指を。全ての集中力を2箇所に。

引き金を引くタイミングをひたすら待つ。

狙撃から免れようと建物の影に隠れる瞬間。

動きが完全に止まる瞬間を、私は見逃さない。

－－－今。

銃口から射出される大口径の弾丸。

肩を思いっきり鈍器で殴られたように強い衝撃が伝う。

その度に唸り声を上げ、痛みに耐える。

だけど、弾丸が標的に当たるまでスコープから目を離さない。

…ヒット。頭部に命中。勢いで頭から身体が吹っ飛んだ。

コッキング。標準を倒れているシロコに向けたまま。スコープを覗き続け、完全に沈黙してるかどうか確認する。…………うん。動く様子がない。

「目標沈黙。後は頼んだよ。」

さて、私のやることは終わったかな。これはどう足掻いたって勝ちでしょうからさっさと片付けておこっと。

「にしても、おっもい……。」

ひとりで持つにはあまりにも大きいし、あまりにも重いし。全長、私の倍近くあるんじゃないのこの銃。

並大抵の人間が撃ったら泡吹いて倒れるよこれ。

『降参だってさー。』

「はーい。じゃあレンゲ先輩とイズナはドローンについてってイセの救助とホシノ達の保護おねがーい。」

『承知いたしました！』

…じゃ、自分は先に帰ってゆっくりしましょうかね。dice1d3=2 (2)

1.特に何事もなく、体育館へと戻ってった。

2.道中、先生と鉢合わせ。

3.「おやおや。誰かと思えば。」

「ふぅ…、ふぅ……。」

…運ぶのも疲れる。ちょっと木陰で休もう。
水…。あ、水筒の中身空っぽだ。喉が乾きに乾いてるからちょっと…。
近くに水道とか自動販売機とかあるわけじゃないのが余計に…。
過疎地が故の苦悩だなぁこれ。干からびちゃうよ。

「水、早く補給……。」
"あ、イナ。"
「あ、先生だ。……あの、水ない？」
"あるけど…。飲みかけで良ければ。"
「ちょうだい！このままだと全身から水と言う水が無くなって枯れる！」

先生から水筒を受け取り、一気に飲む。
喉の奥から潤う感覚。全身から水が伝ってくような…、まさに生き返るって感じ。ただの水のはずなのに最高の逸品に思えるほどに美味すぎる。

「ぷはーっ！うまーい！」
「あー、水がこれだけ美味いと思える日が来るとは思わなかったなー。」
「…っと、そうだ。そういえば先生はなんでここに？」
"あぁ、イナの迎えをしようと思って。"
「そう？私よりも迎えに行ってあげた方がいい人達いると思うけど。」
"はは、最初は行ってたんだけどね。皆から大丈夫って言われちゃってね。"
「ま、レンゲ先輩とイズナ、結構体力ある方だしね。それで私の方に来たんだ？」
"そうだね。"
「うーん。じゃ、このドデカい銃は持ってるから他のもの持って欲しいかな。」
"お安い御用だよ。"

太もものホルダー二つ、保護用の肩パットを外して…。
いっその事、袖も外しちゃおう。他の装備も色々と外しちゃってっと。よし。
百花繚乱の服装のままだったら蒸れて汗まみれになるところを今日は陰陽部の服装で来て正解だった。ただ、通気性がある分、涼しいけど服が直で肌に張り付く。

「ふー。」

張り付きを直そうと上着を摘んではパタパタと扇ぐ。
脇から入る風が大変心地いい。残ってる水も飲めば全身が冷えてくような感じがする。
先生にはお礼を言わなきゃ…。
…って、なんで恥ずかしそうにキョロキョロしてるんだろ。

「先生、どしたの？」
"あ、いや、えっと、その…、横から見えるから気をつけた方が…。"
「見えるって、なにが？」
"あの…、言いにくいというか…。女の子としての自覚を持とう…かな？"
「失礼だなぁ。女の子としての自覚あるよ。ちゃんとオシャレとか、色々新しいものに目がないんだよ。」
"そ、そう、それはごめん。だけど、その…。ね？"
「んー？んー……、あーーーー。」

蒸れるのが嫌過ぎてサラシとかブラ付けてないんだった。こう、ちゃんと付けた時期もあったけど…。違和感がすごくて。でもそっか。パタパタしたらつるぺたなのも相まって横から見えちゃうか。

「見られて減るもんじゃないし、先生なら平気だから。」
"イナは平気でも、私は困るからね！？"
「えー。我が妹と事済ましてる癖に今更なにを言うのー？」
"それは言わないお約束っ！！"
「はいはい。じゃ、今のうちにしっかり目に焼き付けて起きなさいな。ほら、もろ見えだよ〜。」

横からはっきり見えるように大きく服をずらして見せる。
先生はあわあわして手で顔を覆いながらもちゃっかり指の隙間から見てるね。
やっぱ男のしての部分はあるっぽい？多少そゆことも覚えちゃったからねー。わかっちゃうんだよねぇ。前の私なら完全に分かんないから無自覚に見せちゃうだろうけど。

「先生、興味あるんでしょー。」
"大人をあまりからかうんじゃないっ！"
「そう言ってー。むっふー。」

dice1d2=2 (2)

1."はいおしまい！みんなの所へ戻るよ！"

2."…はぁ……。"ｶﾞﾀｯ (ダイスの結果によっては閲覧注意)

「え？」

溜息をついたと思ったら急に腕を掴まれる。

そのまま上に上げられて抵抗できないように。

先生の目は笑ってない。静かな怒りすら感じるように思えてくる。

流石にからかいすぎたようだった。

まずい。さすがに謝らないと寧ろこっちへの信頼が下がる。

「あ、あの、先生…？」

「その、あの…、からかいすぎちゃったみたいで…。」

「えーと、なんというか…その、謝るから…さ？」

「離して欲しいなーって。」

「すこしだけ、顔が怖いかなーって、思ってて…。」

"………" dice1d2=2 (2)

1."次から気をつけるように、ね。限度はあるから。"

2.そのまま路地裏に……。(Exストーリーへ)

『やっ。お久しぶりだね。セルフ保守担当のお姉さんだよ。』
『初めましての人は初めましてだけど。』
『朝のセルフ保守って感じだね。』
『さーて、とうとうやってきたねぇ。そーゆー選択肢。』
『メスガキムーブしたイナリが悪いんだけどさ。』
『先生も男だって言うのを忘れちゃあいけないよ。』
『男なのを知った上でやってるからなおタチ悪いけど。』
『これでミケツとイナリで一回ずつってことだね。』
『記録、取ってくるからしばらく待つようにね。』
『書き出しが終わったら別の媒体に記録を置いておくからさ。』
『それと、念の為に言っておくけど『そういう行為』をした事によってバッドエンドに繋がることはないから安心して。』
『むしろ、ふたりにとっても必要なことだから、さ。』
『じゃ、また後で。』

『やっ。僕だよ。』

『記録をここに置いておくね。』

『R-18だから、気をつけて閲覧するように。』

『ふふっ、この後はとあるダイスを振るついでにちょっとだけ更新だよ。』

『じゃ、楽しんでね。』

Ex.2 〜刻まれる証、陶酔の恍惚(狐塚イナリ)〜 | Writening「せ、せんせっ…！？」 抱き上げたかと思えば路地裏へを連れていかれる。 さっきまで持っていた武器も何もかも荷物を置いていって。 人気のない路地裏の方へと連れていかれる。 奥へ進んで降ろしたかと思うと…writening.net

妊娠ダイス：dice1d100=31 (31)

(100を引いた場合妊娠する。回数を重ねる度に5ずつラインが低下)

〜弱一時間後〜

「………。」

"…………。"

無言で服を着ている。先生から受けたオシオキが烈々過ぎて。

からかうのはやめよっかと思う瞬間だった。あんなことになるとは。

…でも、こんなふうにからかったらまたオシオキしてくれるのだろうか。

そんな妄想をしてしまう。…やめるんじゃなくて時と場所考えてからかお。

「…ちゃちゃっと、戻ろっか。」

"うん。そうだね。そうしよう。その方がいい。"

先生も早口言葉になってはせっせと荷物を持つ。

私もどでかい銃を担いでは静かに歩き出す。

日はまだ出ているけど、少しづつ傾き始めていた。

暑さも少しだけマシになってて、風が少しだけ吹いている。

「その…、からかって、ごめんなさい。」

"…気をつけるようにね。"

「ふぁい……。」

"はぁ、私も大人気ないな。無邪気な子供にカチンってくるなんて。"

「でも、先生もちゃんと男らしい部分は見れたから。」

"余計なお世話だよ。"

「この事は…ミケツ以外には内緒に、ね？」

"言われなくても。それよりなんでミケツだけは…。"

「聞かれたら隠し事をしないって思ったから。」

"…そんなもんなのかな？"

「そんなもん。双子だから私たち。」

"便利だねぇ。双子って言葉。"

「ふっふーん。」

本当はもうちょっと気まずい雰囲気なんだろうけど。

先生と私の崩れたような仲だからかあまり気になってないのだろうか。

…ま、こんな関係も悪くない。先生の彼女になる夢は諦めないけど。

この後、どうしよっかな。dice1d3=2 (2)

1.撫でられる予定だったなぁ。先生とふたりっきりの時に撫でてもらおう。

2.えっ、今日バーベーキューするの？参加しなきゃ。

3.ミケツ？急に呼び出してどーかしたの？

おお…？…おお！これが先生の覚悟なのねｯ!
うん、えっち。悪い先生(大人)も…すき

バーベキューだ
きっとおいしい

〜数十分後〜
〜アビドス高等学校・体育館〜

「お姉ちゃんおかえりー。遅かったねー。」
「撃ち疲れてちょっと寝ちゃってた。途中、先生と合流して一緒に帰ってきたよ。」
「お疲れ様、なのじゃ。大活躍だったのぅ。」
「火力高すぎて撃つ時に肩持ってかれるけどね。」

持ってきた荷物を端っこに置き、疲れたと言わんばかりに座り込む。
実際、色々な意味で疲れているんだけど。
壁に寄りかかっているとレンゲ先輩が水を持ってきてくれる。

「いやぁ。びっくりした。あんな遠くから一撃なんて。」
「いつも使ってる愛銃なら一発で仕留められないからね。」
「ま、撃つまでの間、レンゲ先輩とイズナが耐えてくれたおかげだよ。」
「あのままでも勝てそうではあったけどなー。」
「シロコってやつがあまりにもしぶとすぎて。」
「あー、昨日戦った時本当に粘り強かったよ。一歩間違えてたら私が負けてたぐらいには。」
「無線入った時かなりバテてたもんなー。」

アビドスの中でのいちばんの伸びしろって言っても過言ではないかな。
そもそもシロコやっとの思いでを倒してもホシノが待ち構えてるから。
他のふたりもしっかり強いし。オペレーターもきっと判断力は高いだろう。
ほんと、交流会を開いてよかったなって思わせてくれる。
当初の目的の連携の強化も達成できてるし。私もホシノのおかげで強くなった。
キキョウ先輩に色々な話を出来そう。

「それで、この後の用事は？」
「あぁ、アビドスの人達とバーベーキューするらしい。こう、青春っぽくていいよな！」
「レンゲ先輩、青春探しに没頭してるもんねぇ。こういうシチュエーション大好きでしょ。」
「おう！」
「それで、イセとイズナがいないけど…。」
「あぁ、アビドスの人達と一緒に買い出しに行ってる。」
「アタシらは先にシャワーを借りたから、イナもバーベーキューが始まる前に済ませたらいいと思うぞ。」
「そーしよっかな。ただ、ちょっと休んでから……。」

本当に色々疲れちゃってるから……。
具体的に言うとなんとか隠し通してるけど、膝がガクガクしてるから。先生、手加減なんてものしてこなかったせいで…。

「……。」ｼﾞﾄｰ

っ、すぅ……。なんか、我が妹から目線を感じるような。
しかも、なんか、すっごいジト目してる様な。
うん。気のせい。気のせいだと信じよう。

「さて、明日の予定は…っと。」

スマホのグループモモトークを覗いてみる。
臨時で作った交流会メンバーがいるグループ。
明日の予定が書いてあればいいのだけど…、あっ、書いてあった。えーと…。最終日は…。実戦形式による屋内の模擬戦か。
使う建物は……。なるほど。アビドスには放置されたショッピングモールがあるみたい？
元々マンモス校だと聞いてたから、そういう施設もあって当たり前…か。
今は使われてないし、なんならアビドスの人達が使っても問題ないというわけか。
…でも、娯楽施設も少ないみたいだろうし、どうやって買い物してるんだろ。春葉原とかシトラリ区に出向いているんだろうか。あそこショッピングモールもカフェも何もかも揃ってるし治安は一番平和のはずだから。ま、考えたって仕方ない。
明日は流れ的に次は私が総合的な指揮を取るだろうから…。
作戦、考えておこっかな。今日は寝られそうにないや。……先生に連絡入れとこ。
今晩は一緒に居て欲しい…っと。よし。これでおっけ。

「お姉ちゃん、シャワー浴びるなら早めにね。」

「洋服、コインランドリーに持ってちゃうから。」

「あ、そっか。じゃ、浴びてきちゃおっと。」

「僕も色々作業しててまだだったし、ついでにいこっと。」

荷物を色々持ってはシャワーへと向かう。隣には同じく荷物を纏めたミケツが。シャワー室へ向かう途中、なぜか私たちは無言だった。

っと、言うよりも…。ミケツの機嫌がちょっとだけ悪い？

「…そういえば、ミケツ。あの銃ってどうやって手に入れたの？」

「あの対物ライフルのこと？…んー。企業秘密ってことで。」

「秘密って、危ない契約とかしてないでしょうね？」

「してないよ。至極真っ当な経路で入手したから。」

「それならいいんだけどさ。…嫌な思いはもうヤダだから。」

そう言ってはシャワー室に入り、服を脱いでいく。

回収するからとミケツが言ってたし、じゃあと思って脱いではホイホイと渡していく。最後の一枚を脱いで渡した時、それを受け取ったミケツは何故かそれを見つめる。

どうしたのか聞こうと思った時、ふとあの時のことを思い出しては私の顔が自分でもわかるほどにサーっと血の気が引いて青ざめていく。

恐る恐るミケツの方を見ると、ハイライトが消えた瞳でじーっと私のパンツを見つめ、ゆっくりと私の方を向いていた。

「おねえちゃん、これ、なに？」

見せてくるのは確かに私のパンツに付いている"白いシミ"。ミケツにだけバレていいと思っていたけど。

あのハイライトの無い瞳…。絶対シバかれる。

それもそう。いくら私が悪いとは言えど駆け抜けで先生と致しているからミケツにとっては裏切られたような気持ちになっても仕方ない。なにか、なにか、言い訳…。ミケツが納得するようないいわけ…。

「えー、っと、それは……。」dice1d3=2 (2)

1.ダメだ思いつかない！(無論シバかれる)

2.+あ、でも、ほら、今度ふたりで先生を襲ってしまえば！(ぐるぐる目)

3.+馬鹿野郎と思いっきり殴られ無慈悲にシバかれるイナリ

思いつかないし、ミケツはじわじわ近寄ってくるし。
どうにかして言い訳を、言い訳を考えて…。
いや、言い訳を考えるからダメ？妥協点を考えて提案すればいいのかな？
妥協…、ほら私とミケツは先生のこと好きだから…。
はっ、そうだっ！

「か、駆け抜けしたのは本当に悪いとは思ってるよ！」
「で、でもほら！ミケツだって先生のこと襲ってたじゃん！」
「ってか、今回私は先生に襲われただけであって別に自分から誘って…、いや誘ったんだろうけど！」
「事故！そう事故なの！！」
「私悪くないよ！？悪いけど悪くないよっ！！」
「…遺言はそれでいいのかな？」
「だ、だからさ！こ、今度ふたりで先生を襲えばいいんじゃないかな！？」
「…………。」
「………………………はい？」
「ほら私たち先生のこと好きじゃん！だから先生のことふたりで襲っても別にいいんじゃないかなぁって！！おすそ分け！そうおすそ分け！！」

あ、詰めが止まった。
許された？許されたんかな？これ。
この提案で許されたのかな？

「………こーの………。」
「ばかおねえちゃあああああああん！！！！！！！！！！」
「こにゃああああああっ！？！？！？！？！」

トリップつけ忘れるし、選択肢2なのに3の書き方しちゃってたし…。ひぃん、注意力散漫してるから気をつけないと…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜数十分後〜

「………シャワーでなにがあったんだ？」
「なにもなかったでふ…」
「そ、そうか。思いっきり殴られたような痕あるけど大丈夫ならいいんだ。」

シャワーの後、トボトボした気分で体育館に戻っていた。
レンゲ先輩に心配されてたけど、まぁ、うん。私が悪いから。
なんともいえない。

「それで、バーベーキューの具材は？」
「買ってきてますよー。」
「お外でアビドスの皆さんが準備しています。」
「じゃあ、折角だし私は手伝いに行くよ。」
「アタシも行こっかな。イズモは？」
「僕はまだやるべきことがあるのでもうちょっとしたら。」
「イズナもまだまだ動けるのでお手伝いしに行きます！」

…っということでイズナと私、レンゲ先輩と共に手伝いへ。
イセは休憩を。ミケツとスサノは集めた洗濯物を洗いにランドリーにいくらしい。
すぐに戻ってくるから問題ない、と。
先生の姿が見えなかったから聞いたところ、連邦生徒会から電話が来てそれの応対をしているとか？
ま、そういうことらしいから後から来るでしょう。手伝いにいかなきゃ。

前が見えねぇ
とまではいかないか

「やっほー。手伝いしに来たよ。」
「ん、イナ…とイズナとレンゲ。」
「丁度いいところに！ちょっとこれ荷物運ぶの手伝って！」
「あいよ。任せな。」

指示を貰いながら残っている仕事を手伝う。
具材の下準備とか、調理器具の準備とか。
私は下準備の方を手伝うことになってノノミとアヤネといっしょに家庭科室に向かっている。
道中、向こうから話しかけてくる。

「今回の交流会の提案はイナさんからなんですよね？」
「え、あ、うん。正確には先生からだけどね。最終的には私の意志のだけど。」
「どうしてわざわざアビドスに？」
「私としての目的は個としての成長。…ただ、私だけじゃなく、みんなにも強くなってもらいたいから連携力強化って意味も含んでる。」
「あと、強いって思ってるならそれは違うよ。私はまだ弱い。」
「君たちの先輩を見て、実力がまだ足りてないってそう思った。」
「ホシノ先輩は特別強いですからね。私たちから見たらイナさんも相応お強いですよ？」
「それは嬉しいけどね。私自身が許せないから。…私が強くないと、大切な妹を守れない。」
「イズモさん…のことですね。双子だと聞いていましたが。」
「深い理由でも？」
「……うん。だけど、今はまだ教えられないかな。」
「思い出すだけで、少し、震えちゃうから。」
「………そうでしたか。でしたら私達はイナさんの過去には触れないことにしましょう。」
「ありがと。それで、家庭科室はここ？」
「あ、はい。ここです。」

私達は家庭科室へと入っていき、早速と食材の下処理を始める。
慣れた手つきで野菜を切り、食べやすいサイズに。
鉄製の串も買ってきたみたいで肉もひと口大に切っては野菜と交互刺してく。
手際よく、なおかつ早く。

「随分早いですね。普段から料理とかやってるんですか？」
「んや、普段はイズモがやってくれてるよ。あの子の作る料理は本当に美味しいからね。」
「私もできるけど、イズモほどじゃないから。」

…そういえば、ミケツの料理を久しく食べてない気がする。
今度何か頼もっかな。うーん…。パスタとか？
なーんて、考えながらもテキパキと食材を切ってく。
元より刃物の扱いは得意なんだし。さっ、この調子で頑張ってこー。

〜数分後〜

「よし、終わった。」
「お疲れ様ですー。運んじゃいますねー♪」
「私は後片付けしますからイナさんとノノミ先輩は先に向かってもらって構いませんよ。 」
「りょーかい。お願いするね。」

串刺しにした物や切った野菜の乗ったトレイを運んでく。
その間も軽くノノミと会話を続けていたけど…。
普段からダンベル買ってたり、結構なお嬢様っていうのが言葉の節々から分かる。
お金持ちか…。私もあの神社にいた頃はお金なんて気にしてなかった気がする。
同じ裕福だったから…。今は限られたお小遣い(+猫なで声の甘えで)なんとかしてるけど。
そんな風に思ってるといつの間にか校庭に辿り着いていたようで。器具の準備を終えた皆か待ってましたと言わんばかりに見てくる。

「いやぁ、待ってたよー。」
「ん、お腹が減って仕方なかった。」
「そっちも準備万端だね。」

用意されたテーブルに運んできた食材を置く。
シロコが早速焼こうとするがまだ来てない人がいるもうちょっと待ってと。
ホシノもしょんぼりするシロコを慰めながらまだ居ない人達を待つ。
待って数分、居なくなっていた人たちが合流する。

「ちょっと遅れたかな？」
「問題はなかろ。わらわはわらわたちでやることをやってたんだからのぅ。」
"手伝えなくてごめんね。"

皆が皆、揃ったところでバーベーキューの開始となる。
シロコが目にも止まらない速さで串を二本ほど取り、早速焼き始める。
他の人達も食べたいものを取っていっては焼き始める。
ちょっとおっきめの器具を買ってくれたのが幸いしたがスペースには余裕がある。

「慌てないでー。自分の分見失わないようにねー。」
「具材はまだまだありますよー。」
「ちょっとシロコさん！それ僕の！」

実に和やかだった。レンゲ先輩もうっきうきで楽しんでる。
ミケツとシロコはちょっとした取り合いになってて面白い。
イズナもスサノとノノミといっしょに会話しながら食べていた。
かくいう私は自分の分をさっさと焼き上げてはちょっと離れた位置で食べる。
青春っぽいのはいいけど、こんな感じに他校と絡んで食卓を囲むっていうのはまだ慣れてない。

「…ん、おいし。」

我ながらいい感じに一口サイズに切れたものだ。

実に食べやすくておいしい。即席とは言えどちゃんとタレも染みてる。

しかし、がっつりとした肉もいいけど焼き鳥も食べたいな。…ナグサ先輩とアヤメ先輩、本当にどこにいったのやら。

そう考えていると、隣に誰かが座る音がした。振り向けばそこに居たのはホシノで、自分の分の串を食べていた。

「みんな、楽しそうだね。」

「そうだね。イズモのあんな楽しそうな顔見れて私は嬉しいよ。」

「ふーん…。イナは本当に妹想いなんだね。」

「私に残されたたったひとりの家族だよ。」

「そっか。」

ホシノのその短い言葉は少し悲しみを含んでいるように思えた。

だけど、私が気にしたところで何も変わらないのが現実。なにも聞くことはしなかった。それが最善だと知っていたから。そしてしばしの間、沈黙が流れる。ちょっとだけ気まずい雰囲気になったのだろうか。

「……イナちゃんはさ。」

静まり返っている二人の空間を先に割いたのはホシノの方だった。

「朝の特訓の時、妹を守るために強くなりたいって言ったんだよね。」

「…それは、たったひとりの家族だから？」

「そうだよ。イズモは私に残された唯一の家族。父様も母様も、死んじゃって私しかいない。だから、私が守るの。失わないように。」

「そっか。」

「なんで、そんなことを聞いてきたの？」

「それは………。」dice1d3=2 (2)

1.なんとなく、かな。私とは違うけど、それでもどこか似てるような雰囲気を感じて。

2.イズモちゃん。なにか患ってるように見えたから。

3.……………分からない。分からないけど、君は一度大事な妹を失ってる。

「……気づいてたの。」
「うん。なんとなく、ね。」

本人の察しがいいのか。ミケツからなにかか溢れているのか。
それとも、ホシノ自身が感じている違和感からずっと来ているのかわからない。
お互い知らないはずなのに知ってるような違和感が拭えていない。
…ホシノになら少しだけ、話しても構わないのかもしれない。
そう思うと、自然と口が開いていた。

「……ホシノだから話してあげるけど、あの子は記憶喪失を患ってるの。」
「記憶喪失…？」
「うん。ちょっとした事故でね。あの子は私を守ろうとして自分が大怪我を負ったの。」
「私がもっと強ければ、追い払うことができたら記憶を忘れることはなかった。」
「だけど、正直記憶を無くしてよかったって思ってる。」
「それは…、どうして？」
「…私達双子が持つ記憶は、重く苦しい。痛いだけの記憶だったから。」
「私だけが持っていればいい。私が記憶を持ったままなのはきっとひとつの罪を背負うため。私が背負い続けてイズモは忘れてしまったままであれば、苦しむのは私だけて済む。」

…だけど、私だけ苦しいままなのも正直嫌だ。
でもそれはワガママになる。それでも、生きていてろくなことがなかったから。
ご褒美があったって構わないはず、刻まれた傷を癒してくれるのは先生だけだから。
私は先生の事を想い続け、ミケツよりも先に手に入れるつもり。
だけど、そうなってしまえばミケツの幸せも奪うことになる。また罪がひとつ増えることになる。
それでもいい。それでもいいから先生が欲しい。

「……イナ。」
「どうしたの？」
「瞳の奥。濁ってるよ。」
「…無茶はしないように。」
「………わかってるよ。」

串を食べ終えた私は追加で焼こうと皆と合流する。
ホシノの分も追加でなにか焼こうと思い、余ってるもの無いかと探しながら横目で皆の様子を見る。
相変わらず皆はきゃっきゃっとはしゃいでいるようで。
先生もまるで子供に戻ったかのようにバーベーキューを楽しんでる。

「取り合いになってるね。」
「お姉ちゃん！シロコさんがさっきから僕の分取るんだよーっ！」
「ん、早い者勝ちだから。」
「こーら。シロコ。あんまそういうことすると頭ぶち抜くからね。」
「イナさん。こっそり私がイズモさんの分焼いてるので…。」
「ごめんね。アヤネさん。助かるよ。」

…今はもう少し、この青春を噛み締めるとしようかな。
どうにか間に合って、ミケツを失わずに済めばもっとたくさんできるはず。
ニヤ部長が探してくれている。だから、私も頑張らないといけない。
だから今は…。少しだけでもこの思い出を作っていこう。

「さっ、もっと楽しんでこっか。」

まだ私達の青春の記録は続く。すぐには途絶えさせない。
楽しい思い出を築いていかなきゃ。
それが今の私たちがやるべきことだから。